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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139644
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】エンジン搭載車両
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
F02D45/00 395
F02D45/00 368F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045272
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】相澤 淳
(72)【発明者】
【氏名】野々山 唯史
(72)【発明者】
【氏名】相原 匡紀
【テーマコード(参考)】
3G384
【Fターム(参考)】
3G384AA01
3G384AA03
3G384AA28
3G384BA58
3G384CA01
3G384CA23
3G384DA05
(57)【要約】
【課題】起動直後からリニア空燃比センサによるフィードバック制御を可能にする。
【解決手段】運転者がIGスイッチをオンにする前の予備的動作を示す情報であるIG-ON前予備動作情報をトリガーとして、リニア空燃比センサの電源をオンにする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者がIGスイッチをオンにする前の予備的動作を示す情報であるIG-ON前予備動作情報をトリガーとして、リニア空燃比センサの電源をオンにするエンジン搭載車両。
【請求項2】
前記予備的動作が、
運転者ドアロックの解除、運転者ドアのオープン、運転者シートの着座スイッチのオン、ブレーキスイッチのオン、シートベルトの装着スイッチのオン、キーオペレーションシステムのオン、
から選ばれる少なくともいずれか1つである、請求項1に記載のエンジン搭載車両。
【請求項3】
前記IG-ON前予備動作情報の後、
所定時間内に次の前記IG-ON前予備動作情報が検知されたら、前記リニア空燃比センサの電源をオンのまま継続し、
所定時間内に次の前記IG-ON前予備動作情報が検知されず、かつ前記IGスイッチもオンにされなければ、前記リニア空燃比センサの電源をオフにする
請求項1又は2に記載のエンジン搭載車両。
【請求項4】
前記リニア空燃比センサの電源をオンにするステップの後に、大容量二次電池から12Vバッテリへの給電を開始する、請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジン搭載車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空燃比センサを備えたエンジン搭載車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリン車やハイブリッド車などのエンジン搭載車両では、エンジンでの燃焼に伴って排ガスが発生する。この排ガスには窒素酸化物や一酸化炭素などの環境上問題となる物質が含まれるため、エンジンの排気系にはこれらの物質を処理する触媒装置が設けられている。この触媒装置が期待通りの性能を発揮するには、エンジンの排気空燃比を適切に制御することが求められる。そのために、排気空燃比を検出するリニア空燃比センサ(Linear Air Fuel ratio Sensor:「LAFS」)などのセンサが設けられて排気系の環境を検知し、それらの検知された値をフィードバックさせて、エンジンの空燃比を適切にする制御が行われている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-023819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、空燃比が大きく変動するエンジンの起動直後は、このフィードバックがうまく働かないという問題があった。現在のエンジン搭載車両の一般的な起動手順は次の様になっている。まず、運転席に座った運転者がスタートスイッチを押して、イグニッション(IG)スイッチをオン(IG-ON)にする。IGスイッチがオンになることで車両の各種電気系統が起動する。これにより、リニア空燃比センサの電源も入る。リニア空燃比センサは起動直後は十全には働かず、リニア空燃比センサが十分に活性化するまでの時間は空燃比の値が検出しきれず、それによるフィードバックも働かない。このため、起動直後は触媒装置で処理した後の排ガスが悪化したり、空燃比のロバスト性が悪化したりすることがあった。
【0005】
そこで、この発明の課題は、起動直後からリニア空燃比センサによるフィードバック制御を可能にし、排ガスの悪化などの起動直後の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、運転者がIGスイッチをオンにする前の予備的動作を示す情報であるIG-ON前予備動作情報をトリガーとして、リニア空燃比センサ電源をオンにする車両により、上記の課題を解決したのである。
【0007】
運転者はIGスイッチをオンにする前に、当該車両に関係するなんらかの予備動作を必ずしている。予備動作なくいきなりIGスイッチがオンになることはない。このようなIG-ON前予備動作情報として車両が検知できる予備動作は、例えば、運転者ドアロックの解除、運転者ドアのオープン、運転者シートの着座スイッチのオン、ブレーキスイッチのオン、シートベルトの装着、キーオペレーションシステム(KOS)のオンが挙げられる。
【0008】
また、この発明にかかる車両は、前記IG-ON前予備動作情報の後、
所定時間内に次の前記IG-ON前予備動作情報が検知されたら、前記リニア空燃比センサの電源をオンのまま継続し、
所定時間内に次の前記IG-ON前予備動作情報が検知されず、かつ前記IGスイッチもオンにされなければ、前記リニア空燃比センサの電源をオフにする、
構成を選択できる。
【0009】
さらに、この発明にかかる車両は、前記リニア空燃比センサの電源をオンにしたら、大容量二次電池から12Vバッテリへの給電を開始する構成を採用できる。
【発明の効果】
【0010】
IG-ON前予備動作情報となるこれらの動作を運転者が行った後には、短時間の後に引き続いて運転者がIGスイッチをオンにする可能性が高い。このことを利用し、IG-ON前予備動作情報を車両が検知した段階でリニア空燃比センサの電源をオンにすると、それから運転者がIGスイッチをオンにするまでの時間にリニア空燃比センサの活性が十分になるまでの時間を確保できる場合が多い。これにより、運転者がIGスイッチをオンにした直後から十分に活性となったリニア空燃比センサによるフィードバック制御を好適に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明にかかるエンジン搭載車両の実施形態例である機能ブロック図
図2】IG-ON前予備動作情報の例を列挙したこの発明の実施フロー例図
図3】所定時間内にIGスイッチがオンにならなかったケースを含むこの発明の実施フロー例図
図4】所定時間の延長を含むこの発明の実施フロー例図
図5図4の実施フローを行った場合の状態遷移例図
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明の実施形態を図に示す例とともに説明する。この発明は、排気系の空燃比を計測するリニア空燃比センサを有するエンジン搭載車両である。ディーゼル車でもガソリン車でもよいし、ハイブリッド車や外部充電又は外部給電が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)でもよい。
【0013】
この発明にかかるエンジン搭載車両10の例を示す概念図を示す。運転席11の前に運転者が操作するIGスイッチ12が取り付けられている。エンジン搭載車両10を起動する際には、運転席11に座った運転者がこのIGスイッチ12をオンにする。これによりエンジンコントロールユニット(ECU)13が起動する。この発明ではない一般的な車両においては、エンジンコントロールユニット13の後に引き続いて、リニア空燃比センサ14の電源がオンになり、そこから時間をかけてリニア空燃比センサの活性を高めていく。その間にエンジン15も起動するため、エンジン15起動直後の初期段階ではリニア空燃比センサ14の活性が十分に高まっていない。これに対してこの発明にかかるエンジン搭載車両10では、IGスイッチ12自体をオンにする前に運転者が行う可能性が高い予備的動作を示す情報をエンジン搭載車両10のエンジンコントロールユニット13が受信したら、それをトリガーとしてリニア空燃比センサ14の電源をオンにする。
【0014】
前記予備的動作とは、IGスイッチ12自体をオンにする前に運転者が行う可能性が高い動作であり、この発明ではその中でも、それを行ってから5秒以上5分以内程度の間に運転者がIGスイッチ12をオンにする可能性が高い動作を対象とすると好ましい。特に、10秒以上3分以内に行う可能性が高い動作であるとより好ましい。リニア空燃比センサ14を、IGスイッチ12自体のオンに先んじて電源オンにすることで、IGスイッチ12のオンまでにリニア空燃比センサ14の活性を高めてリニア空燃比センサ14によるフィードバックが有効になる状況を作り上げる。逆に、その後にIGスイッチ12を押す可能性が低い動作や、IGスイッチ12を押すまでの時間が長くなる動作を前記予備的動作としてしまうと、リニア空燃比センサ14の電源をオンにしても無駄になってしまう。
【0015】
好適な対象として検知できる前記予備的動作としては、例えば、運転者ドア21のロックの解除、運転者ドア21のオープン、運転者シートの着座スイッチ24のオン、運転者シートベルトの装着スイッチ23のオン、ブレーキスイッチ22のオン、キーオペレーションシステムのオンなどが挙げられる。
【0016】
前記予備的動作のうち、運転者ドア21に関する動作は、当然にこれから運転者が乗り込む可能性が高い動作である。運転者シートの着座スイッチ24やブレーキスイッチ22のオン、シートベルトの装着スイッチ23のオンも、当然にこれから運転者が運転する可能性が高い動作である。ただし、ブレーキスイッチ22のオンは、その数秒後には引き続いてIGスイッチ12をオンにする可能性が高い動作であり、この動作のみを最初のトリガーとするよりはそれより前述の動作をトリガーとする方が望ましい。その代わり、ブレーキスイッチ22のオンの動作は最初のトリガーとしてではなく、後述するリニア空燃比センサ14がオンになった準備状態を延長するための情報として用いると好適である。
【0017】
なお、ここでオンとはオフから切り替わることをいう。例えば駐車された車両の運転者シートに荷物が載ったままという状況で、着座スイッチ24が入ったままであり続けていても、それは前記予備的動作とはならない。
【0018】
キーオペレーションシステムがオンになっているということは、キーが車両内部に入ったということである。運転者ドアを開閉していなくても、運転者となりうる者が車両内部に入ったということであり、そのまま運転席へと移動してIGスイッチ12をオンにする可能性が高い。
【0019】
なお、前記予備的動作ではないが、リモコンエンジンスターター信号や、スマートフォンによる始動信号は、車両のシステムがこれらを受信したらそのままエンジン始動に直結するため、受けたらただちにリニア空燃比センサ14の電源をオンにすることになる。
【0020】
前記の例示したこれら全ての動作を前記予備的動作として必須とする必要はなく、出荷段階ではこれらのうちいずれか1つ以上を選択して前記予備的動作として扱うように設定されているとよい。また、出荷後に利用者が自分の利用習慣に合わせて、一部の動作を前記予備的動作の対象外としたり、デフォルトで対象外となっていた動作を前記予備的動作の対象としたりする設定変更ができるとより好ましい。エンジンコントロールユニット13は、運転席から操作できる画面ユーザーインターフェースを有し、それらの設定の確認と変更を受け付け可能であるとさらに好ましい。
【0021】
助手席ドアロックの解除、助手席ドアのオープン、後部座席ドアロックの解除、後部座席ドアのオープンは、その後にIGスイッチ12を押される可能性は比較的高いものの、荷物の出し入れだけの可能性も高いため、前記予備的動作の対象とするか否かは車種により、又は利用者の設定により適宜選択可能となる。助手席や後部座席で検知しなくても、運転者ドアを対象とする方が、前記予備的動作として確実性が高い場合が多い。また、これらの動作を前記予備的動作の対象とするか否かについても、利用者が後で設定変更できるとより好ましい。
【0022】
逆に、例えば背面ドアのオープンがされても、荷物を取り出すだけという場合も多いため、背面ドアのオープンは前記予備的動作としては適さない車種が多い。
【0023】
前記予備的動作について、エンジンコントロールユニット13は、ドアオープンがされたり、それぞれのスイッチがオンになる動作がされたことを、各装置のセンサからの信号として受け取る。あるいは、エンジンコントロールユニット13は信号そのものとして無線受信する。これらの前記予備的動作を示す信号をIG-ON前予備動作情報とよぶ。このIG-ON前予備動作情報を受け取ったエンジンコントロールユニット13は、そのことをトリガーとしてIG-ON前予備動作情報の受信を含む限定的な機能のみ可能なスタンバイ状態か、又はアクセサリー等の一部機能も利用可であるアクセサリー利用状態から、アクセサリー以外の装置も起動させることができる電源オンの状態へ移るとともに、リニア空燃比センサ14の電源をオンにする。なお、この発明とは別に、IGスイッチ12がオンになったら同様にエンジンコントロールユニット13は、リニア空燃比センサ14の電源をオンにする。
【0024】
前記予備的動作がされたときの動作フローの例を図2に示す。前記予備的動作としてエンジンコントロールユニット13に登録されている動作に対応する前記IG-ON前予備動作情報を受信したら(S111)、エンジンコントロールユニット13はリニア空燃比センサ14の電源をオンにする(S112、S113)。これにより、リニア空燃比センサ14の活性が上昇し始める。その後、短時間の間にIGスイッチ12が運転者にオンにされるが(S122)、それまでにリニア空燃比センサ14の活性が十分になるのが間に合い、リニア空燃比センサ14から好適に値を取得して適切なフィードバックが可能となる。
【0025】
時間経過に対して好適な制御を含めた動作フローの例を図3に示す。図2に例示列挙した予備的動作(S111)はここではひとまとめにする。これらの予備的動作によりセンサー等から送信されたIG-ON前予備動作情報をトリガーとして、エンジンコントロールユニット13が電源オンの状態になり(S112)、リニア空燃比センサ14の電源をオンにする(S113)。この後、IGスイッチ12がオン(図中「IG-ON」と略記する。)になる(S122)前の準備状態でこのリニア空燃比センサ14の電源をオンにし続ける時間は制限されていることが望ましい。準備状態でのエンジンコントロールユニット13とリニア空燃比センサ14の両方が電力を消費し続けることになるので、そのままの状態を長く続けていると、12Vバッテリの電気容量の放電が無視できなくなってくる。このため、準備状態のままでIGスイッチ12が押されないまま所定時間が経過したら(S121→No)、エンジンコントロールユニット13はリニア空燃比センサ14の電源をオフにし(S123)、エンジンコントロールユニット13自身も前記のスタンバイ状態かアクセサリー利用状態に戻す(S124)と好ましい。すなわち、元の待機状態に戻る。この所定時間としては特に限定されないが、一般的な用途の車両であると、30秒以上1分以下程度で好適に利用できる。また、この所定時間も利用者によって変更し設定し直すことができると好ましい。
【0026】
時間経過に対して好適な制御を含めた別の動作フローの例を図4に示す。所定時間内に、IGスイッチ12のオンではなく(S121→No)、さらに次のIG-ON前予備動作がされてIG-ON前予備動作情報を受信したら(S131→Yes)、エンジンコントロールユニット13は所定時間のカウントを延長し(S132)、その分長くIGスイッチ12のオンを待つ(S121)。所定時間を延長する長さを加算してもよいし、当初設定した所定時間をゼロからカウントし直すことで延長してもよい。これは、例えば運転者ドア21のロックが解除されたあと、そのままならば運転者が乗ってこないが、その後引き続いて運転者ドア21がオープンになり、運転者シートの着座スイッチ24がオンになり、シートベルトの装着スイッチ23がオンになり、といった運転に向けての動きが続いたら、当然に運転者はIGスイッチ12をオンにする可能性が高い。最初の運転者ドア21のロック解除からはやや長い時間となり、短めに設定した場合には所定時間を過ぎてしまうかもしれないが、運転者が運転の準備を進めようとしているのに、リニア空燃比センサ14の電源を落としてしまっては、せっかく先んじて活性になったリニア空燃比センサ14の準備を無駄にしてしまう。このため、一のIG-ON前予備動作情報を受信したのに続いて、所定時間内に次のIG-ON前予備動作情報を受信したら、所定時間を延長して、リニア空燃比センサ14の準備を活用できるように待つ時間を長く確保する。
【0027】
図4に示す実施形態を踏まえてこの発明を実施した際のこれらのスイッチオンの状況遷移の例を図5に示す。それぞれの項目は、下がオフ、上がオンの状態を意味する。横軸は時間経過である。図中エンジンコントロールユニットを「ECU」と略記する。また、リニア空燃比センサを「LAFS」と略記する。スタートスイッチはIGスイッチ12をオンにするスイッチである。
【0028】
まず、搭乗しようとする運転者は、運転者ドア21のドアロックを解除する(t1)。登録されているIG-ON前予備動作情報の中で、これが最初にエンジンコントロールユニット13に受信されたら、このタイミングでエンジンコントロールユニット13は自身の電源をオンにし、リニア空燃比センサ14の電源をオンにする。その後、運転者ドア21が一時的にオープンにされた後閉まり(t2)、運転者シートの着座スイッチがオンにされた(t3)ので、エンジンコントロールユニット13はリニア空燃比センサ14の電源をオンにしたまま待機し続ける。この間にリニア空燃比センサ14の温度が上昇していき、インピーダンスが所定値を下回ってセンサとして利用可能な活性状態になる(t4)。これでリニア空燃比センサ14によるフィードバックを可能にする準備が整った。その上でスタートスイッチが押されてIGスイッチ12がオンになり、エンジンが回転し始める(t5)。この時すでに上述したようにリニア空燃比センサ14の活性がオンになっているので、速やかにセンサにより得られた空燃比の値を用いた空燃比フィードバックが可能になり(t6)、排ガスの排出量を抑えた適切なエンジンの運用が可能になる。もし本発明でなければ、IGスイッチ12がオンになってから空燃比フィードバックが可能になるには、リニア空燃比センサ14が活性になるまでの(t4-t1)分だけ余分に時間がかかることになる。本発明ではそれだけ先んじて空燃比フィードバックが可能になる。
【0029】
この発明にかかるエンジン搭載車両10が、ハイブリッド車などの12Vバッテリ以外の大容量二次電池を積んでいる場合には、リニア空燃比センサ14の電源オン(S113)と同時に、大容量二次電池から12Vバッテリへの給電を開始するとよい。エンジン始動前のリニア空燃比センサ14の電源オンが継続すると12Vバッテリの放電が進みすぎるおそれがあるが、この段階で大容量二次電池から12Vバッテリに給電すると、準備状態が長引いても12Vバッテリが放電されきることはなく、随時充電されて長時間の待機が可能となる。この形態の場合、上記の所定時間は上記の記載より長く確保することができる。なお、IGスイッチ12がオンにならないまま所定時間が経過してリニア空燃比センサ14の電源がオフになったら(S123)、この大容量二次電池から12Vバッテリへの給電もそれに合わせて停止するとよい。
【符号の説明】
【0030】
10 エンジン搭載車両
11 運転席
12 IGスイッチ
13 エンジンコントロールユニット
14 リニア空燃比センサ
15 エンジン
21 運転者ドア
22 ブレーキスイッチ
23 装着スイッチ
24 着座スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5