(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139869
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、照明装置および照明システム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20230927BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230927BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20230927BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230927BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230927BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230927BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20230927BHJP
H05B 47/175 20200101ALI20230927BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G06T7/00 660Z
G06T7/20 300Z
F21V23/00 115
F21S2/00 230
F21S8/04
H05B47/125
H05B47/175
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045618
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高柳 佳幸
【テーマコード(参考)】
2F065
3K014
3K273
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA09
2F065BB15
2F065CC16
2F065FF04
2F065FF21
2F065GG02
2F065HH02
2F065JJ03
2F065QQ03
2F065QQ24
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065UU05
3K014AA02
3K273PA03
3K273QA29
3K273SA21
3K273SA23
3K273SA38
3K273SA60
3K273TA28
3K273UA15
3K273VA02
3K273VA06
5L096BA08
5L096CA02
5L096CA17
5L096DA01
5L096DA02
5L096FA02
5L096FA69
5L096HA08
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】作業者の作業時の動きを分析することができる情報処理装置、照明装置および照明システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、検出部と、生成部と、出力部とを具備する。検出部は、撮像部によって撮像された撮像画像から作業者の体の特定部位の位置を検出する。生成部は、検出した特定部位の位置に基づいて、作業者における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する。出力部は、生成した傾向情報を出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部によって撮像された撮像画像から作業者の体の特定部位の位置を検出する検出部と;
検出した前記特定部位の位置に基づいて、前記作業者における前記特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する生成部と;
生成した前記傾向情報を出力する出力部と;
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記撮像画像を複数の区画に区分けし、前記区画毎に前記検出部の検出回数に応じた表示態様で示したヒートマップ情報を前記傾向情報として生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部位は、
前記作業者の両手であって、
前記生成部は、
前記両手における右手および左手それぞれについて前記傾向情報を生成する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、
前記生成部によって生成された前記傾向情報とともに、比較対象となる傾向情報である比較情報を出力する
請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記作業者毎に前記傾向情報を記憶部に記憶する記憶処理部を備え、
前記出力部は、
前記記憶部に記憶された前記作業者毎の前記傾向情報のうち、所定の条件を満たす前記傾向情報を前記比較情報として出力する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出部は、
検出した前記特定部位の位置に基づいて、前記作業者のタクトタイムを検出し、
前記生成部は、
前記作業者毎に前記タクトタイムの分布情報をさらに生成し、
前記出力部は、
前記傾向情報とともに、前記分布情報を出力する
請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記作業者を撮像し、撮像画像を請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置に送信する撮像部と;
前記作業者を照らす照明部と;
を具備する照明装置。
【請求項8】
照明装置と;
情報処理装置と;
を具備し、
前記照明装置は、
作業者を撮像する撮像部と;
前記作業者を照らす照明部と;
を有し、
前記情報処理装置は、
撮像部によって撮像された撮像画像から作業者の体の特定部位の位置を検出する検出部と;
検出した前記特定部位の位置に基づいて、前記作業者における前記特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する生成部と;
生成した前記傾向情報を出力する出力部と;
を有する
照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、照明装置および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部によって撮像された撮像画像を情報処理装置で取得し、作業者の特定部位の位置を検出し、特定部位の位置が作業領域内に位置していた場合に、作業者が有効作業を実施していると判別するとともに、有効作業の作業時間を記録し、作業者が1つの単位作業を完了した際の作業時間を記録する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、作業者の作業時の動きを分析する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、作業者の作業時の動きを分析することができる情報処理装置、照明装置および照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理装置は、検出部と、生成部と、出力部とを具備する。前記検出部は、撮像部によって撮像された撮像画像から作業者の体の特定部位の位置を検出する。前記生成部は、検出した前記特定部位の位置に基づいて、前記作業者における前記特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する。前記出力部は、生成した前記傾向情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る照明システムが有する照明装置の外観例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明システムの概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、タクトタイムの検出方法の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ヒートマップ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、タクトタイムの分布情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で説明する情報処理装置20は、情報処理装置20は、検出部232と、生成部233と、出力部235とを具備する。検出部232は、撮像部(カメラ16)によって撮像された撮像画像から作業者50の体の特定部位(両手51)の位置を検出する。生成部233は、検出した特定部位の位置に基づいて、作業者50における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する。出力部235は、生成した傾向情報を出力する。
【0009】
以下で説明する生成部233は、撮像画像を複数の区画に区分けし、区画毎に検出部232の検出回数に応じた表示態様で示したヒートマップ情報を傾向情報として生成する。
【0010】
以下で説明する特定部位は、作業者50の両手51である。生成部233は、両手51における右手および左手それぞれについて傾向情報を生成する。
【0011】
以下で説明する出力部235は、生成部233によって生成された傾向情報とともに、比較対象となる傾向情報である比較情報を出力する。
【0012】
以下で説明する記憶処理部234は、作業者毎に傾向情報を記憶部22に記憶する。出力部235は、記憶部22に記憶された作業者毎の傾向情報のうち、所定の条件を満たす傾向情報を比較情報として出力する。
【0013】
以下で説明する検出部232は、検出した特定部位の位置に基づいて、作業者のタクトタイムを検出する。生成部233は、作業者毎にタクトタイムの分布情報をさらに生成する。出力部235は、傾向情報とともに、分布情報を出力する。
【0014】
以下で説明する照明装置10は、撮像部(カメラ16)と、照明部11とを具備する。撮像部は、作業者50を撮像し、撮像画像を情報処理装置20に送信する。照明部11は、作業者50を照らす。
【0015】
以下で説明する照明システム1は、照明装置10と、情報処理装置20とを具備する。照明装置10は、作業者50を撮像する撮像部と、作業者50を照らす照明部11とを有する。情報処理装置20は、撮像部によって撮像された撮像画像から作業者50の体の特定部位の位置を検出する検出部232と、検出した特定部位の位置に基づいて、作業者50における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する生成部233と、生成した傾向情報を出力する出力部235とを有する。
【0016】
以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置、照明装置および照明システムを説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0017】
[照明装置]
最初に、実施形態に係る照明装置10の構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る照明システム1が有する照明装置10の外観例を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、照明装置10は、照明部11と、撮像ユニット12と、本体部13とを具備する。照明装置10は、たとえば、本体部13が天井面などに設置され、照明部11から出力される光が床面へと照射される天井直付けタイプの照明装置である。照明装置10は、たとえば工場での生産ラインの監視やオフィス内での従業員の状態監視などの用途で主に屋内で使用される。
【0019】
なお、説明を分かりやすくするために、
図1には、鉛直下向きを正方向とし、鉛直上向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。また、X軸は照明装置10の長さ方向に、Y軸は照明装置10の幅方向に、それぞれ沿うように図示している。
【0020】
照明部11は、Y軸方向に沿うように配置された、長尺状のシャーシまたは基板(不図示)上に所定の間隔で配置された複数の発光素子(不図示)を有し、シャーシとの間に発光素子が収容されるよう床面側、すなわちZ軸正方向側に拡散カバー14が設けられた照明バーである。
【0021】
拡散カバー14は、たとえば、アクリルやポリカーボネートなどの透光性の材料から作られている。拡散カバー14は、フロスト処理が施されて複数の発光素子から出射される光を拡散する機能を有するようになっている。なお、拡散カバー14に適宜拡散材や着色剤を混入させてもよい。
【0022】
撮像ユニット12は、遮光カバー15と、カメラ16とを有する。カメラ16は、撮像部の一例である。撮像ユニット12は、照明部11のX軸負方向側に隣り合うように並んで配置される。
【0023】
本体部13は、照明部11および撮像ユニット12を保持する。また、本体部13は、照明装置10を天井等の所定の位置に取り付けるための取付部材を兼ねる。
【0024】
遮光カバー15は、本体部13との間にカメラ16を覆うように本体部13のZ軸正方向側に配設される。また、遮光カバー15は、カメラ16のレンズと対向する位置に設けられた貫通口を有する。このような遮光カバー15を配設することで、照明部11の拡散カバー14から照射された光をカメラ16のレンズに入り込みにくくすることができる。
【0025】
[照明システム]
つづいて、実施形態に係る照明システム1の構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、実施形態に係る照明システム1の概要を示す図である。なお、以下では、照明システム1が工場に導入される場合を例に挙げて説明する。
【0026】
図2に示すように、実施形態に係る照明システム1は、複数の照明装置10と、情報処理装置20とを備える。また、
図2に示す例では、各照明装置10が工場の作業現場(たとえば、製造ラインなど)に設置される場合を示す。
【0027】
複数の照明装置10は、たとえば、生産ラインにおける各作業者50の作業スペース40(
図4参照)の上部にそれぞれ設けられ、カメラ16により、各作業スペース40を上部から撮像する。
【0028】
情報処理装置20は、作業現場に設置された各照明装置10を管理する装置である。たとえば、情報処理装置20は、ネットワークNを介して、各照明装置10の照明部11の照明態様や、カメラ16の撮像処理などを遠隔で制御する。
【0029】
また、情報処理装置20は、各照明装置10のカメラ16で撮像された撮像画像を収集し、記憶する。たとえば、情報処理装置20によって収集された撮像画像は、作業現場の監視などに用いられる。なお、本開示において、情報処理装置20は、静止画としての撮像画像を取得してもよく、動画としての撮像画像を取得してもよい。
【0030】
[情報処理装置]
つづいて、実施形態に係る情報処理装置20の構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置20の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを具備する。
【0031】
通信部21は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部21は、たとえば、ネットワークNを介して、複数の照明装置10や、管理者端末30との間で情報の送受信を行う。
【0032】
記憶部22は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0033】
図3に示すように、記憶部22は、撮像画像記憶部221と、作業時間記憶部222と、作業工程記憶部223と、作業情報記憶部224と、例外設定記憶部225とを具備する。撮像画像記憶部221は、各照明装置10で撮像された撮像画像を記憶する。
【0034】
作業時間記憶部222は、作業者50(
図4参照)が1つの単位作業や1つの後述する作業工程において有効作業を実施した時間(以下、有効作業時間とも呼称する。)と無効作業を実施した時間(以下、無効作業時間とも呼称する。)とを記憶する。また、作業時間記憶部222は、作業者のタクトタイムを記憶する。タクトタイムは、作業者が1つの製品の作業工程を終えるまでに要した時間である。なお、タクトタイムは、作業工程における単位作業毎に分けて記憶されてもよい。
【0035】
なお、本開示において、有効作業とは、作業の対象物に対して付加価値を付ける作業のことであり、たとえば、対象物に部品を取り付ける作業等である。
【0036】
また、本開示において、無効作業とは、作業の対象物に対して付加価値を付けない作業のことであり、たとえば、部品や作業用の道具を取る作業などである。さらに、本開示において、1つの単位作業とは、たとえば、1つの対象物に対する作業のことである。
【0037】
作業工程記憶部223は、予め登録された作業工程であり、生産ラインにおいて各作業者50が行うべき作業工程を記憶する。本開示において、作業工程とは、作業者50が作業スペース40において行うべき単位作業を各工程とする情報である。具体的には、作業工程は、行うべき単位作業の種類と、単位作業を行う順序(作業順序)が含まれる。なお、作業順序については作業工程に含まれなくてもよい。
【0038】
作業情報記憶部224は、各作業者50が行った作業を記憶する。例えば、作業情報記憶部224は、作業者50が行った単位作業の種類や、各単位作業の開始時刻および終了時刻(いずれか一方の時刻のみでもよい)を記憶する。すなわち、作業情報記憶部224は、各作業者50が行った作業の履歴を記憶する。
【0039】
傾向情報記憶部225は、作業者における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報であって、後述する生成部233によって生成される傾向情報を記憶する。傾向情報は、例えば、特定部位の位置を検出回数に応じて色分けしたヒートマップ情報等を含むが、詳細については後述する。
【0040】
制御部23は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0041】
図3に示すように、制御部23は、取得部231と、検出部232と、生成部233と、記憶処理部234と、出力部235とを具備し、以下に説明する制御処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する制御処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0042】
取得部231は、照明装置10のカメラ16によって撮像された撮像画像を取得する。たとえば、取得部231は、リアルタイムで各照明装置10のカメラ16から撮像画像を取得し、取得した撮像画像を作業スペース40毎(あるいは、作業者50毎)に撮像画像記憶部221に格納する。
【0043】
検出部232は、各種の検出を行う。たとえば、検出部232は、取得部231によって取得され、撮像画像記憶部221に格納された撮像画像から作業者50の両手51(
図4参照)の位置を検出する。作業者50の両手51は、作業者50の体の特定部位の一例である。なお、検出部232は、作業者50の体の特定部位として、片手のみ検出してもよく、頭や、足等の手以外の部位を検出してもよい。言い換えれば、特定部位は、作業者50が作業で使う体の部位であればよい。
【0044】
また、検出部232は、取得部231によって取得された撮像画像から作業スペース40内における作業対象となる物体(対象物)の位置を検出する。
【0045】
また、検出部232は、検出した作業者50の両手51の位置や対象物の位置などに基づいて、作業者50が有効作業を実施しているか、または無効作業を実施しているかを判別する。具体的には、検出部232は、作業者50の両手51による対象物の保持状態や、両手51が作業エリア内に存在するか否かにより有効作業か無効作業かを判定する。
【0046】
そして、検出部232は、作業者50が1つの単位作業において有効作業を実施した時間(有効作業時間)と無効作業を実施した時間(無効作業時間)とをそれぞれ計測し、記憶部22の作業時間記憶部222に記憶する。
【0047】
また、検出部232は、検出した作業者50の特定部位の位置に基づいて、作業者のタクトタイムを検出する。具体的には、検出部232は、製品毎に、作業者50が作業工程を終えるまでに要した時間をタクトタイムとして検出する。なお、タクトタイムは、作業工程における単位作業毎の時間であってもよい。ここで、タクトタイムの検出方法について
図4を用いて説明する。
【0048】
図4は、タクトタイムの検出方法の一例を示す図である。
図4では、作業スペース40の上部に配置された照明装置10のカメラ16で撮像された撮像画像を示している。
【0049】
また、
図4に示す例では、作業者50が作業台41において、作業エリアA1~A5で順次(A1→A2→A3→A4→A5)作業を行い、完成品エリアA6に完成品である対象物を置く作業工程を示している。なお、作業エリアA1~A5それぞれには、作業者50が対象物に対して作業を行う領域と、各部品が置かれる領域とが含まれる。あるいは、作業エリアA1~A5それぞれには、各部品が置かれる領域のみが含まれてもよい。かかる場合、作業者50は、作業台41におけるエリアA1~A6以外のエリアにおいて、各作業エリアA1~A5から部品を取って対象物に対して作業を行う。
【0050】
なお、
図4では、各作業エリアA1~A5において、1つの単位作業を行う例を示しているが、各作業エリアA1~A5において、複数の単位作業が行われてもよい。
【0051】
図4に示す例において、検出部232は、作業者50の両手51の位置を検出する。具体的には、検出部232は、指先から手首までの範囲を両手51として検出する。また、検出部232は、両手51の位置として、右手51aおよび左手51bそれぞれについて、撮像画像をX軸およびY軸の2次元平面とした座標位置(X座標およびY座標)を検出する。
【0052】
そして、検出部232は、検出した作業者50の両手51の位置に基づいて、タクトタイムを検出する。具体的には、検出部232は、作業者50が最初の単位作業である作業エリアA1での単位作業を開始してから完成品エリアA6に完成品を置くまでの時間をタクトタイムとして検出する。
【0053】
より具体的には、タクトタイムは、作業者50の両手51(または片手)が作業エリアA1に位置し、かつ、対象物が作業エリアA1に位置する場合を開始とし、作業者50の両手51(または片手)が完成品エリアA6に位置し、かつ、対象物が完成品エリアA6に位置する場合を終了とする。あるいは、タクトタイムの開始および終了は、作業者50の両手51の位置のみで検出してもよい。
【0054】
また、検出部232は、各作業エリアA1~A5で行われる単位作業毎の時間をタクトタイムとして検出してもよい。
【0055】
図3に戻って生成部233について説明する。生成部233は、検出部232が検出した特定部位の位置に基づいて、作業者50における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する。
【0056】
例えば、生成部233は、製品毎の作業工程における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する。また、生成部233は、作業工程における単位作業毎の傾向情報を生成する。
【0057】
例えば、生成部233は、特定部位の位置毎に検出回数に応じた表示態様で示したヒートマップ情報を傾向情報として生成する。かかる点について、
図5を用いて説明する。
【0058】
図5は、ヒートマップ情報の一例を示す図である。
図5に示すように、生成部233は、撮像画像を複数の区画に区分けし、区画毎に検出部232の検出回数に応じた表示態様で示したヒートマップ情報を傾向情報として生成する。
【0059】
図5では、撮像画像を縦9区画、横16区画に区分けした例を示している。まず、生成部233は、検出部232が検出した特定部位の位置がどの区画に位置するかを特定する。そして、生成部233は、区画毎に特定部位の位置を検出した回数(検出回数)をカウントし、カウント数に応じた色で区画を色分けする。
【0060】
例えば、生成部233は、検出回数が多い程、区画を濃い色で色付けする。つまり、
図5では、色が濃い区画程、特定部位が検出された回数が多いことを示している。なお、色付けは、検出回数が1回以上であれば行ってもよく、2回以上の所定値以上であれば色付けするようにしてもよい。
【0061】
また、
図5では、検出回数に応じて色の濃淡を変える表示態様で示したが、例えば、検出回数に応じて異なる色調となるようにしてもよく、区画に検出回数をテキスト表示してもよい。
【0062】
このように、生成部233は、ヒートマップ情報を生成することで、作業者や管理者等が作業時の特定部位の位置の分布を把握することで、例えば、作業効率や作業導線の改善の一助とすることができる。
【0063】
なお、
図5では、作業者50の右手および左手を1つのヒートマップ情報で示しているが、右手および左手それぞれを異なるヒートマップ情報(傾向情報)として生成してもよい。あるいは、右手および左手それぞれについてヒートマップ情報を生成し、1つのヒートマップ情報で表示態様を変える等して合成してもよい。
【0064】
このように、生成部233は、作業者50の右手および左手それぞれの傾向情報を生成することで、作業者50のより詳細な作業分析が可能となる。
【0065】
なお、
図5では、傾向情報としてヒートマップ情報を生成する例を示したが、例えば、検出部232による特定部位の検出履歴に基づいた特定部位の位置の軌跡を傾向情報として生成してもよい。
【0066】
また、生成部233は、検出部232によって検出されたタクトタイムの分布情報を生成する。ここで、
図6を用いて、タクトタイムの分布情報について説明する。
【0067】
図6は、タクトタイムの分布情報の一例を示す図である。
図6では、製品毎のタクトタイムを横軸(時間(秒))の階級とし、作業回数を縦軸の度数としたヒストグラムを示している。
【0068】
具体的には、生成部233は、各製品のタクトタイムを各階級に振り分けて度数として積み上げることでヒストグラムを生成する。これにより、作業者50のタクトタイムのバラつきを把握できる。
【0069】
なお、
図6では、製品毎のタクトタイムを横軸(時間(秒))の階級とし、作業回数を縦軸の度数としたヒストグラムを分布情報として生成する例を挙げたが、分布情報はこれに限られるものではない。
【0070】
例えば、生成部233は、横軸に作業工程を時系列で並べ、縦軸にタクトタイムを示した分布情報であってもよい。これにより、時間経過に伴うタクトタイムの変化を把握することができる。
【0071】
記憶処理部234は、生成部233によって生成された傾向情報を傾向情報記憶部225に記憶する。具体的には、記憶処理部234は、作業者毎に傾向情報を傾向情報記憶部225に記憶する。
【0072】
出力部235は、各種情報を出力する。例えば、出力部235は、生成部233によって生成された傾向情報やタクトタイムの分布情報を作業者50を管理する管理者の管理者端末へ出力する。これにより、作業者や管理者は、作業者の作業時の動きを分析することができる。
【0073】
また、出力部235は、生成部233が生成した傾向情報とともに、比較対象となる傾向情報である比較情報を出力する。比較情報は、例えば、管理者等によって予め作成された理想的な(最も効率が良い)傾向情報である。
【0074】
また、出力部235は、傾向情報記憶部225に記憶された作業者毎の傾向情報のうち、所定の条件を満たす傾向情報を抽出し、比較情報として出力してもよい。例えば、出力部235は、ヒートマップ情報における分布の広がり(色付けされた区画の総面積)が大きい(あるいは小さい)ヒートマップ情報を比較情報として出力する。
【0075】
また、出力部235は、管理者等によって予め作成された理想的な(最も効率が良い)傾向情報と最も類似する傾向情報を比較情報として抽出して出力してもよい。また、出力部235は、傾向情報記憶部225に記憶された作業者毎の傾向情報の中から、管理者が選択した傾向情報を比較情報として出力してもよい。
【0076】
このように、出力部235は、傾向情報とともに比較情報を出力することで、作業者50の傾向情報の良し悪しを容易に判断することができる。
【0077】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置20が実行する処理の処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置20において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0078】
図7に示すように、まず、情報処理装置20の制御部23は、カメラ16で撮像された撮像画像を取得する(ステップS101)。
【0079】
つづいて、制御部23は、作業者50の特定部位である両手の位置を検出する(ステップS102)。
【0080】
つづいて、制御部23は、終了指示をあったか否かを判定する(ステップS103)。終了指示は、例えば、製品の作業工程を終えたことを示す指示であり、例えば、製品が完成品エリアに置かれたことを検出することである。
【0081】
制御部23は、終了指示があった場合(ステップS103:Yes)、検出した両手の位置に基づいて、傾向情報を生成する(ステップS104)。なお、制御部23は、終了指示がなかった場合(ステップS103:No)、すなわち、作業工程を終えていない場合、ステップS101に戻る。
【0082】
つづいて、制御部23は、生成した傾向情報を出力し(ステップS105)、処理を終了する。
【0083】
上述したように、実施形態に係る情報処理装置20は、検出部232と、生成部233と、出力部235とを具備する。検出部232は、撮像部(カメラ16)によって撮像された撮像画像から作業者50の体の特定部位の位置を検出する。生成部233は、検出した特定部位の位置に基づいて、作業者50における特定部位の動きの傾向を示す傾向情報を生成する。出力部235は、生成した傾向情報を出力する。これにより、作業者の作業時の動きを分析することができる。
【0084】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 照明システム
10 照明装置
11 照明部
12 撮像ユニット
13 本体部
14 拡散カバー
15 遮光カバー
16 カメラ
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 管理者端末
40 作業スペース
41 作業台
50 作業者
51 両手
221 撮像画像記憶部
222 作業時間記憶部
223 作業工程記憶部
224 作業情報記憶部
225 傾向情報記憶部
231 取得部
232 検出部
233 生成部
234 記憶処理部
235 出力部
N ネットワーク