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特開2023-13988プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための方法、及び再処理システム
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  • 特開-プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための方法、及び再処理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013988
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための方法、及び再処理システム
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/00 20060101AFI20230119BHJP
   B29B 7/48 20060101ALI20230119BHJP
   B29B 7/72 20060101ALI20230119BHJP
   B29B 13/06 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B29B17/00 ZAB
B29B7/48
B29B7/72
B29B13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107624
(22)【出願日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】10 2021 207 614.9
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】マリーナ マッタ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ペーター ラング
【テーマコード(参考)】
4F201
4F401
【Fターム(参考)】
4F201AA50
4F201AR02
4F201AR06
4F201AR08
4F201AR15
4F201BA01
4F201BC01
4F201BC03
4F201BC25
4F201BD05
4F201BK02
4F201BK26
4F201BK36
4F201BK74
4F201BN21
4F201BN24
4F401AA22
4F401AC11
4F401CA03
4F401CA14
4F401CA58
4F401CB01
4F401CB26
4F401FA03Z
4F401FA06Z
4F401FA07Z
4F401FA09Y
4F401FA11Z
(57)【要約】
【課題】プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、そして効果的に再処理できる方法を提供する。
【解決手段】プラスチック廃棄物(M)、特にPET廃棄物の再処理方法において、プラスチック廃棄物(M)は、搬送ライン(7)で気流乾燥器(5)により乾燥され、次に多軸スクリュー機(2)に供給される。多軸スクリュー機(2)において、乾燥したプラスチック廃棄物(M)が再処理される。予備乾燥により、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性の高い、効果的な再処理が可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための方法であって、
プラスチック廃棄物(M)を提供するステップと、
前記プラスチック廃棄物(M)を搬送ライン(7)において、気流乾燥器(5)によって乾燥させるステップと、
乾燥したプラスチック廃棄物(M)を多軸スクリュー機(2)に供給するステップと、
前記乾燥したプラスチック廃棄物(M)を前記多軸スクリュー機(2)によって再処理するステップと、を備える方法。
【請求項2】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)によって搬送され、前記多軸スクリュー機(2)へ搬送される間、乾燥されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記搬送ライン(7)内の搬送ガス(F)は、温度Tを有し、ここで、70℃≦T≦250℃、特に80℃≦T≦220℃、及び、特に90℃≦T≦190℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プラスチック廃棄物(M)は、融解温度Tを有し、前記搬送ライン(7)内の搬送ガス(F)は、温度Tを有し、ここで、T-100℃≦T<T、特にT-80℃≦T≦T-10℃、及び、特にT-60℃≦T≦T-20℃であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
搬送ガス(F)の質量mに、前記プラスチック廃棄物(M)の質量mが荷重され、ここで、0.3≦m/m≦4、特に0.4≦m/m≦3、及び、特に0.5≦m/m≦2であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記搬送ライン(7)内の搬送ガス(F)は、搬送速度vを有し、ここで、5m/s≦v≦50m/s、特に10m/s≦v≦45m/s、及び、特に15m/s≦v≦40m/sであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)内の滞留時間tを有し、ここで、2秒≦t≦10秒、特に3秒≦t≦8秒、及び、特に3秒≦t≦6秒であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送される間、偏向及び/又は回転、及び/又は分散、及び/又は減速、及び/又は加速されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)に供給される際に、供給湿気割合ψを有し、ここで、4000ppm≦ψ≦50000ppm、特に5000ppm≦ψ≦35000ppm、及び、特に6000ppm≦ψ≦20000ppmであり、及び/又は
前記乾燥プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)から排出される際に、排出湿気割合ψを有し、ここで、3000ppm≦ψ≦6000ppm、特に3500ppm≦ψ≦5500ppm、及び、特に4000ppm≦ψ≦5000ppmであることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記乾燥プラスチック廃棄物(M)の処理は、処理量Dを有する前記多軸スクリュー機(2)によって行われ、ここで、500kg/h≦D≦25000kg/h、特に1000kg/h≦D≦20000kg/h、及び、特に1500kg/h≦D≦15000kg/hであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥プラスチック廃棄物(M)は、前記多軸スクリュー機(2)内で溶融及び脱気され、
前記脱気は、特に圧力pabsで行われ、ここで、3mbar≦pabs≦50mbar、特に5mbar≦pabs≦30mbar、特に10mbar≦pabs≦25mbar、及び、特に15mbar≦pabs≦20mbarであることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための再処理システムであって、
前記プラスチック廃棄物(M)を可塑化し、再処理するための多軸スクリュー機(2)と、
乾燥したプラスチック廃棄物(M)を前記多軸スクリュー機(2)に供給するための供給装置(3)と、を有し、
前記供給装置(3)は、搬送ライン(7)において前記プラスチック廃棄物(M)を乾燥するための気流乾燥器(5)を備えることを特徴とする、再処理システム。
【請求項13】
前記気流乾燥器(5)は、搬送ライン(7)と、流れる搬送ガス(F)を生成するための流れ発生装置(8)と、前記搬送ガス(F)を加熱するための加熱設備(10)とを備えることを特徴とする、請求項12に記載の再処理システム。
【請求項14】
前記気流乾燥器(5)は、前記乾燥プラスチック廃棄物(M)を前記搬送ガス(F)から分離するための分離設備(11)を備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の再処理システム。
【請求項15】
前記気流乾燥器(5)は、前記プラスチック廃棄物(M)を乾燥させる工程を改善するための少なくとも1つの乾燥要素(22、23、24、26、27、28、29、30、31)を備えることを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の再処理システム。
【請求項16】
前記供給装置(3)は、前記プラスチック廃棄物(M)を前記気流乾燥器(5)に投入するための計量設備(4)を備えること、及び/又は、
前記供給装置(3)は、前記乾燥プラスチック廃棄物(M)を前記多軸スクリュー機(2)に供給するための計量設備(6)を備えることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の再処理システム。
【請求項17】
前記多軸スクリュー機(2)は、前記乾燥プラスチック廃棄物(M)を脱気するための少なくとも1つの脱気設備(61)を備えることを特徴とする、請求項12乃至16のいずれか一項に記載の再処理システム。
【請求項18】
前記供給装置(3)及び/又は前記多軸スクリュー機(2)を制御するための制御設備(69)を備えることを特徴とする、請求項12乃至17のいずれか一項に記載の再処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための方法、及び再処理システムに関する。
【0002】
PET廃棄物(PET:ポリエチレンテレフタレート)の再処理又はリサイクルはよく知られている。この目的のために、ペットボトルなどの廃PETは破砕してPET廃棄物とされ、その後洗浄される。洗浄工程により、PET廃棄物は高い湿気割合を有し、これは多軸スクリュー機によるPET廃棄物の再処理を損なうものである。
【0003】
特許文献1から、リサイクルされるPET廃棄物を再処理する方法が知られている。PET廃棄物は、移動工具が配置された真空容器に供給される。工具の移動により、容器内のPET廃棄物は、加熱・乾燥され、少なくとも部分的に結晶化される。乾燥と結晶化の後、PET廃棄物は一軸又は多軸押出機に供給され、再処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 2006/079 128 A1(US 2009/0004325 A1に対応)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、そして効果的に再処理できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法によって達成される。気流乾燥器によって、湿ったプラスチック廃棄物は、搬送ライン内で簡単かつ迅速に乾燥される。搬送ラインでのプラスチック廃棄物の滞留時間が短いため、乾燥はエネルギー効率が良く、プラスチック廃棄物とって穏やかである。プラスチック廃棄物は、乾燥工程によりストレスを受けない。気流乾燥器はシンプルな設計で設置スペースが少ないため、投資及び運用コストを低く抑えられる。その結果、経済的なプラスチック廃棄物の再処理が可能となる。
【0007】
気流乾燥器は、プラスチック廃棄物を搬送ラインの搬送方向に搬送する。気流乾燥器は、搬送方向で多軸スクリュー機の上流に配置されており、プラスチック廃棄物は、再処理される前に搬送ガスによって乾燥又は予備乾燥される。したがって、プラスチック廃棄物を乾燥させる工程は、乾燥したプラスチック廃棄物を再処理又はリサイクルする前の予備乾燥工程である。多軸スクリュー機に供給される前に、乾燥プラスチック廃棄物は、搬送ガスから分離される。
【0008】
プラスチック廃棄物は乾燥状態で多軸スクリュー機に供給されるので、再処理中に多軸スクリュー機から除去しなければならない水分はわずかである。水分を除去するために、多軸スクリュー機は、特に少なくとも1つの脱気設備を備える。この脱気設備は、湿ったプラスチック廃棄物の再処理と比較して、より小さい寸法にできる。さらに、本発明による方法によって、再処理中に放出された水分が多軸スクリュー機内で材料溶融物を発泡せず、少なくとも1つの脱気設備を詰まらせることがないので、多軸スクリュー機をより高い処理量(処理能力;スループット)で運転することができる。したがって、乾燥プラスチック廃棄物は、信頼性高く、効果的に、高品質で再処理できる。
【0009】
プラスチック廃棄物は粉砕され、特に細断される。プラスチック廃棄物は、特にフレーク、細断物及び/又はペレットとして形成される。プラスチック廃棄物は、特に、PET廃棄物(PET:ポリエチレンテレフタレート)である。プラスチック廃棄物は、例えば、大きな袋で納入される。
【0010】
多軸スクリュー機は、少なくとも2つのハウジングボアが形成されたハウジングを備える。少なくとも2つの処理要素軸が、少なくとも2つのハウジングボア内に配置される。少なくとも2つの処理要素軸は、関連する回転軸を中心に回転駆動できる。処理要素軸は、特に、同じ方向に、すなわち同じ回転方向で回転駆動されるように、及び/又は密接に噛み合うように設計されている。少なくとも2つの処理要素軸の回転駆動は、分岐ギアを介した駆動モータによって行われる。多軸スクリュー機は、特に共回りの二軸スクリュー機として設計されている。
【0011】
乾燥プラスチック廃棄物及び/又は新規プラスチック材料は、多軸スクリュー機によって材料溶融物に可塑化される。続いて、材料溶融物は、多軸スクリュー機によって処理又は再処理される。可塑化及び/又は処理若しくは再処理は、特に、脱ガス、混合、溶融及び均質化のステップのうちの少なくとも1つを含んでもよい。特に、少なくとも1つの添加剤及び/又は新規プラスチック材料(バージン材料)、特に新規PET材料を、多軸スクリュー機に供給することができる。処理又は再処理から得られる原料は、プラスチック製品又はPET製品の製造に再利用できる。原料は、例えば、ろ過され、及び/又は粒状に造粒され、及び/又は更に直接に処理される。
【0012】
請求項2に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。気流乾燥器は、流れる搬送ガスを生成する。流れる搬送ガスは、プラスチック廃棄物を乾燥させるために特に加熱される。この搬送ガスの流れにより、プラスチック廃棄物は搬送方向に搬送され、多軸スクリュー機へ送られる。搬送される間、プラスチック廃棄物は、加熱された搬送ガスによって乾燥される。搬送ガスは、特に、空気又は搬送用空気である。流れる搬送ガスは、例えば、加圧搬送及び/又は吸引搬送によって生成される。プラスチック廃棄物は、特に空気圧で搬送される。プラスチック廃棄物は、搬送ガスと並流で、すなわち搬送方向に搬送される。搬送ガスは、搬送ライン内を流れる。搬送ガスにプラスチック廃棄物を充填するために、搬送ラインは特に少なくとも1つの供給開口部を有する。
【0013】
プラスチック廃棄物は、穏やかに乾燥される。プラスチック廃棄物は、気流乾燥器によって、温度ΔTだけ加熱される。温度ΔTについては、特に以下が適用される。2℃≦ΔT≦80℃、特に5℃≦ΔT≦70℃、特に10℃≦ΔT≦60℃。
【0014】
プラスチック廃棄物は、気流乾燥器の後、特にさらに加熱及び/又はさらに乾燥することなく、多軸スクリュー機に供給される。乾燥したプラスチック材料は、特に温度Tで多軸スクリュー機に供給される。ここで、特に温度Tに以下が適用される。0℃≦T≦100℃、特に10℃≦T≦90℃、特に20℃≦T≦80℃、特に30℃≦T≦70℃、特に40℃≦T≦60℃。乾燥プラスチック廃棄物は、特に未結晶状態で、多軸スクリュー機に供給される。
【0015】
請求項3に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。搬送ガスは、特にプラスチック廃棄物が搬送ラインに入るときに温度Tを有する。特に、温度Tは、プラスチック廃棄物の融解温度Tよりも低い温度である。PETの融解温度Tについては、特に以下が適用される。250℃≦T≦260℃。温度Tが高いほど、気流乾燥器の乾燥効果が高くなる。乾燥効果が高いと、搬送ガス中のプラスチック廃棄物の滞留時間及び/又はプラスチック廃棄物のキログラム当たりの特有の搬送ガス量を減らすことができる。
【0016】
請求項4に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。搬送ガスは、特にプラスチック廃棄物が搬送ラインに入るときに温度Tを有する。この温度Tは、プラスチック廃棄物の融解温度Tよりも低い。温度Tが高いほど、気流乾燥器の乾燥効果が高くなる。乾燥効果が高いため、搬送ガス中のプラスチック廃棄物の滞留時間を短縮できる。
【0017】
請求項5に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。搬送ガスの質量mに対するプラスチック廃棄物の質量mの比率は、荷重(load)とも称される。例えば、1kgの搬送ガスに1kgのプラスチック廃棄物を充填する場合、荷重比は、m/m=1となる。荷重比が高すぎると、気流乾燥器の乾燥効果が損なわれる。荷重の指定範囲は、特にプラスチック廃棄物が搬送ガスに入るときに適用される。
【0018】
請求項6に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。高い搬送速度vは、気流乾燥器の乾燥効果を高め、搬送ガス中の廃棄プラスチック材料の短い滞留時間tを可能にする。その結果、乾燥は特にエネルギー効率が良く、経済的である。
【0019】
請求項7に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。滞留時間tが短いため、気流乾燥器によるプラスチック廃棄物の乾燥は、特にエネルギー効率が良く、経済的である。特に、滞留時間tは、プラスチック廃棄物が搬送ガス中に進入してから、乾燥したプラスチック廃棄物が搬送ガスから分離されるまでの時間として定義される。
【0020】
請求項8に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。搬送ラインで搬送されている間、少なくとも1つの力がプラスチック廃棄物に加えられるので、プラスチック廃棄物は、搬送されている間に偏向及び/又は回転、及び/又は分散、及び/又は減速、及び/又は加速される。特に、少なくとも1つの乾燥要素が、力を及ぼす働きをする。それぞれの乾燥要素は、搬送中のプラスチック廃棄物を乾燥させる工程を強化する。それぞれの乾燥要素は、特に、搬送ラインの一部であり、及び/又は、搬送ラインに組み込まれている。特に、少なくとも1つの乾燥要素は、偏向ライン部、鉛直ライン部、断面変化ライン部、及び/又は方向変換部材として形成されている。方向変換部材は、例えば、分散部材及び/又は旋回部材である。プラスチック廃棄物の動きの変化、特に速度及び/又は方向の変化により、気流乾燥器の乾燥効果が改善され、乾燥工程が加速される。
【0021】
請求項9に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。プラスチック廃棄物は、搬送ガス又は搬送ラインに供給されるとき、湿っている。プラスチック廃棄物は、供給湿気割合ψを有する。供給湿気割合ψは、以下のように定義される。
【0022】
【数1】
【0023】
ここで、
W1 は、供給時の水分又は水の質量を示し、
は、供給時の湿ったプラスチック廃棄物の質量を示し、
Mt は、乾燥又は無水状態のプラスチック廃棄物の質量を示す。
【0024】
したがって、乾燥プラスチック廃棄物は、搬送ガス又は搬送ラインから排出される際に、排出湿気割合ψを有する。排出湿気割合ψは、以下のように定義される。
【0025】
【数2】
【0026】
ここで、
W2 は、排出時の水分又は水の質量を示し、
MD は、排出時の乾燥プラスチック廃棄物Mの質量を示す。
【0027】
単位ppmは「parts per million」の略で、kg単位の質量m又はmMDに対するmg単位の質量mW1又はmW2を表す。湿気割合ψ又はψは、水選択測定法、例えばカールフィッシャー滴定法によって決定される。
【0028】
湿り又は湿気は、プラスチック廃棄物に結合した内部湿気と表面湿気から構成される。したがって、供給湿気割合ψは、内部湿度ψと表面湿度ψO1で構成される。以下が適用される。
【0029】
【数3】
【0030】
内部湿気割合ψは、プラスチック廃棄物に結合しており、気流乾燥器によるプラスチック廃棄物の乾燥工程を通して本質的に一定のままである。対照的に、表面湿気割合ψO1は、プラスチック廃棄物の表面に位置し、気流乾燥器による乾燥工程で少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%まで除去される。したがって、以下が、排出湿気割合ψに適用される。
【0031】
【数4】
【0032】
ここで、ψO2は、乾燥したプラスチック廃棄物の排出時の表面湿気割合を示す。特に、以下が適用される。
【0033】
0ppm≦ψO2≦3000ppm、特に100ppm、≦ψO2≦2500ppm、特に300ppm≦ψO2≦2000ppm。
【0034】
請求項10に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。プラスチック廃棄物が多軸スクリュー機に供給される前に乾燥されるという事実により、乾燥プラスチック廃棄物は、多軸スクリュー機での再処理中に除湿及び脱ガスが少なくてすむ。特に、乾燥プラスチック廃棄物は、多軸スクリュー機で材料溶融物の発泡を引き起こさない。したがって、多軸スクリュー機の処理量(スループット)Dを大幅に向上させることができ、再処理がより経済的になる。
【0035】
請求項11に記載の方法は、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。乾燥プラスチック廃棄物の溶融により、特に結合された内部湿気割合が解放される。解放された内部湿気割合と、該当する場合は、少量の残存する表面湿気割合とが、少なくとも1つの脱気設備によって脱気され、多軸スクリュー機から排出される。湿気割合が比較的低いため、多軸スクリュー機から排出又は脱気される湿気割合はごくわずかである。その結果、少なくとも1つの脱気設備は、脱気工程において、より高い圧力pabsで運転できる。より高い圧力pabsにより、少なくとも1つの脱気設備を、より小さく、より経済的な寸法にすることができる。これにより、再処理がより経済的になる。
【0036】
本発明のさらなる目的は、プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、そして効果的に再処理できる再処理システムを提供することである。
【0037】
この目的は、請求項12に記載の特徴を有する再処理システムによって達成される。本発明による再処理システムの利点は、既に説明したプラスチック廃棄物を再処理するための本発明による方法の利点に対応する。本発明による再処理システムは、本発明による方法に関連して説明した少なくとも1つの特徴をさらに具現化することができる。したがって、本発明による方法は、本発明による再処理システムに関連して説明した少なくとも1つの特徴によってさらに具体化することができる。
【0038】
多軸スクリュー機は、特に、少なくとも2つのハウジングボアが形成されたハウジングを備える。少なくとも2つの処理要素軸が、少なくとも2つのハウジングボア内に配置される。少なくとも2つの処理要素軸は、関連する回転軸を中心に回転駆動することができる。処理要素軸は、特に、同じ方向に、すなわち同じ回転方向に回転駆動されるように、及び/又は密に噛み合うように設計されている。少なくとも2つの処理要素軸の回転駆動は、分岐ギアを介して駆動モータによって行われる。多軸スクリュー機は、特に共回りの(同方向に回転する)二軸スクリュー機として設計されている。
【0039】
気流乾燥器は、搬送ライン内の湿ったプラスチック廃棄物を多軸スクリュー機へ搬送する際に乾燥させる役割を担っている。気流乾燥器は、プラスチック廃棄物を搬送ラインの搬送方向に搬送する。気流乾燥器は、多軸スクリュー機の搬送方向上流側に配置されている。特に、気流乾燥器と多軸スクリュー機の間で、プラスチック廃棄物のさらなる加熱及び/又は乾燥は行われない。
【0040】
請求項13に記載の再処理システムは、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。流れ発生装置によって、流れる搬送ガスが搬送ライン内に発生される。搬送ガスは、プラスチック廃棄物を乾燥させるために、加熱設備によって加熱される。好ましくは、加熱設備は、流れる搬送ガスを加熱する。搬送ラインは、搬送ガス及び/又はプラスチック廃棄物を供給するための少なくとも1つの供給開口部を備える。好ましくは、搬送ラインは、搬送ガスを供給するための少なくとも1つの供給開口部と、プラスチック廃棄物を供給するための少なくとも1つの供給開口部とを備える。好ましくは、搬送ラインは、乾燥したプラスチック材料を排出するための少なくとも1つの排出開口部を備える。プラスチック廃棄物を供給するための少なくとも1つの供給開口部とプラスチック廃棄物を排出するための少なくとも1つの排出開口部との間で、搬送ラインは長さLを有し、特に5m≦L≦100m、特に10m≦L≦70m、特に20m≦L≦50mである。搬送ラインは、少なくとも部分的に、好ましくは長さLの少なくとも90%にわたって、断熱層によって取り囲まれている。
【0041】
流れ発生装置は、圧力発生装置又は吸引発生装置として設計することができる。流れ発生装置は、搬送ラインに配置することができる。流れ発生装置は、特に、少なくとも1つのフィルタ及び/又は粉塵分離機の下流に配置される。流れ発生装置は、例えば、搬送ファンで構成される。
【0042】
加熱設備は、電気及び/又は加熱された加熱流体(例えば水、蒸気、熱油、及び/又は高温ガス)で、作動させることができる。加熱装置は、特に、加熱流体を加熱するための加熱装置、及び/又は加熱流体から搬送ガスに熱エネルギーを伝達するための熱交換器を備える。
【0043】
請求項14に記載の再処理システムは、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。分離設備は、特に、搬送ラインと多軸スクリュー機との間に配置される。好ましくは、搬送ラインの排出開口部は、分離設備に開口している。分離設備は、例えば、サイクロンとして設計される。分離設備は、乾燥プラスチック廃棄物を湿った搬送ガスから分離する役割を果たす。好ましくは、プラスチック廃棄物、特にプラスチック廃棄物の異なるバッチを標準化するために、分離設備と多軸スクリュー機の間にミキサーが配置される。ミキサーは、例えば、容器と、容器内に配置された乾燥プラスチック廃棄物を混合するためにその中に配置された少なくとも1つの混合要素とを備える。特に、ミキサーによってプラスチック廃棄物の乾燥がさらに行われることはない。ミキサー内で起こり得る温度上昇は、特に10℃未満、特に5℃未満、特に1℃未満である。分離設備は、特に、湿った搬送ガスから微粉を分離するための分離器に接続されている。
【0044】
請求項15に記載の再処理システムは、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。少なくとも1つの乾燥要素は、湿ったプラスチック廃棄物の乾燥を改善又は促進する役割を果たす。少なくとも1つの乾燥要素は、特に、プラスチック廃棄物に力を作用する役割を果たし、搬送されている間に、プラスチック廃棄物が、偏向及び/又は回転、及び/又は分散、及び/又は減速及び/又は加速されるようにする。少なくとも1つの乾燥要素は、特に、搬送ラインの一部であり、及び/又は搬送ラインに統合されている。少なくとも1つの乾燥要素は、特に偏向ライン部、鉛直ライン部、断面変化ライン部及び/又は方向変換部材として、例えば分散部材及び/又は旋回部材として形成される。好ましくは、気流乾燥器は、N個の乾燥要素を有し、ここで、1≦N≦20、特に2≦N≦16、特に4≦N≦12である。好ましくは、搬送ラインは、U個の偏向ライン部を有し、ここで、1≦U≦10、特に2≦U≦8、特に3≦U≦6である。偏向ライン部は、搬送ガス又は搬送されるプラスチック廃棄物を減速及び加速させる役割を果たし、したがって、乾燥工程を改善する。偏向ライン部は、パイプ曲がり部として、互いに溶接された留め継ぎパイプ部として、Tピースとして、偏向ポットとして、及び/又はガンマ形状のパイプ部として設計することができる。それぞれの偏向ライン部は、偏向角αを規定し、ここで、特に10°≦α≦150°、特に15°≦α≦135°、特に20°≦α≦120°である。好ましくは、気流乾燥器は、鉛直ライン部とともに少なくとも1つの偏向ライン部を備える。一般に、少なくとも1つの乾燥要素の乾燥効果が大きいほど、適用される搬送エネルギーが高くなる。
【0045】
請求項16に記載の再処理システムは、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。第1計量設備は、湿ったプラスチック廃棄物を気流乾燥器に投入するために使用される。第1計量設備により、プラスチック廃棄物を搬送ガスに正確に投入できる。第1計量設備は、特に、重量計量ユニット及び/又は容積計量ユニット及び/又は送りねじ機を備える。計量設備は、搬送ラインに通じている。第1計量設備は、特に、搬送ラインの少なくとも1つの供給開口部に接続されている。第1計量設備は、搬送ガスを加熱するための加熱設備の下流で、特に搬送方向における下流に配置される。その結果、加熱された搬送ガスにプラスチック廃棄物が投入される。
【0046】
第2計量設備は、乾燥プラスチック廃棄物を多軸スクリュー機に供給する役割を果たす。特に、計量設備は、重量計量ユニット及び/又は容積計量ユニット及び/又は送りねじ機を備える。好ましくは、第2計量設備は、計量ユニットの上流に配置されたミキサーを含む。ミキサーは、乾燥プラスチック廃棄物、特にプラスチック廃棄物の異なるバッチを標準化するのに役立つ。ミキサーは、好ましくは、容器と、容器内に配置されたプラスチック廃棄物を混合するためにその中に配置された少なくとも1つの混合要素とを備える。特に、ミキサーは、プラスチック廃棄物のさらなる乾燥には使用されない。容器内のプラスチック廃棄物の可能な温度上昇は、特に10℃未満、特に5℃未満、特に1℃未満である。第2計量設備、特に計量ユニットは、好ましくは、多軸スクリュー機の供給開口部に通じている。
【0047】
請求項17に記載の再処理システムは、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。少なくとも1つの脱気設備によって、溶融工程中に放出された内部水分又は内部湿度、及びプラスチック廃棄物の場合によってはまだ存在する表面水分又は表面湿気が、多軸スクリュー機から除去される。プラスチック廃棄物が気流乾燥器によって乾燥され、特に表面水分が除去されているため、少なくとも1つの脱気設備をより小さい寸法にできる。これにより、再処理の経済効率が向上する。少なくとも1つの脱気設備の容積出力は、乾燥プラスチック廃棄物の湿気割合、多軸スクリュー機の処理量、及び脱気に必要な圧力pabsに依存する。好ましくは、多軸スクリュー機は、少なくとも1つの脱気開口部、特に少なくとも2つの脱気開口部を備え、これらの脱気開口部は、搬送方向に互いに隣り合って配置される。少なくとも1つの脱気設備に関連する脱気区間において、材料溶融物は、特に温度Tし、ここで、265℃≦T≦300℃、特に270℃≦T≦285℃である。
【0048】
脱気区間における材料溶融物の滞留時間vは、特に10秒≦v≦45秒、特に15秒≦v≦30秒である。好ましくは、少なくとも1つの脱気設備は、搬送方向に互いに配置された少なくとも2つの脱気開口部を有する。特に、脱気区間は、多軸スクリュー機の2つの脱気開口部の間に位置する。少なくとも1つの脱気設備は、特に真空ポンプを含む。少なくとも1つの脱気設備、特に真空ポンプは、好ましくは、0.3m/kgから2.5m/kgの間の体積流量で作動され、特に0.5m/kgから1.5m/kgの間、特に0.6m/kgから1.2m/kgの間の体積流量で作動される。
【0049】
請求項18に記載の再処理システムは、簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を保証する。特に、制御設備は、再処理システムが、請求項1から17に関連して説明した少なくとも1つの特徴に従って動作可能であるように構成される。
【0050】
本発明の更なる特徴、利点及び詳細は、以下の一実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】供給装置と多軸スクリュー機を有し、プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理する再処理システムの概略図である。
図2図1の供給装置の気流乾燥器の拡大断面図である。
図3図1の多軸スクリュー機の一部を切り取った側面図である。
図4図3の多軸スクリュー機を部分的に切り取った上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1に示す再処理システム1は、湿ったプラスチック廃棄物Mを再処理するものである。プラスチック廃棄物Mは、PET廃棄物(PET:ポリエチレンテレフタレート)として形成されている。再処理システム1は、プラスチック廃棄物を可塑化して再処理する多軸スクリュー機2と、多軸スクリュー機2にプラスチック廃棄物を供給する供給装置3とを備える。
【0053】
供給装置3は、第1計量設備4と、気流乾燥器(フラッシュドライヤ)5と、第2計量設備6とを備える。第1計量設備4は、湿ったプラスチック廃棄物Mを気流乾燥器5に搬入するために使用される。第1計量設備4は、例えば、送りねじ機及び/又は重量計量ユニット及び/又は容積計量ユニットを有する。
【0054】
気流乾燥器5は、湿ったプラスチック廃棄物Mを乾燥する役割を担う。気流乾燥器5は、搬送ライン7と、搬送方向9に流れる搬送ガスFを発生させる流れ発生装置8と、搬送ガスFを加熱する加熱設備10と、気流乾燥器5によって乾燥されたプラスチック廃棄物Mを乾燥工程により湿った搬送ガスFから分離する分離設備11とを備える。
【0055】
流れ発生装置8は、吸引ライン13を介して搬送ガスFを吸引する搬送ファン12と、そこに配置されたフィルタ14とを有する。搬送ガスFは、特に空気である。
【0056】
加熱設備10は、接続ライン17を介して流れ発生装置8に接続され、流れ発生装置8よりも搬送方向9の下流側に配置されている。加熱設備10は、加熱流体を加熱する加熱装置15と、加熱装置15に接続され、加熱流体から流れる搬送ガスFに熱エネルギーを伝達する熱交換器16とを備える。加熱流体は、例えば、水、蒸気、サーマルオイル又は気体である。熱交換器16は、接続ライン17内に配置されている。あるいは、加熱設備10は、搬送ガスFを直接電気的に加熱するように設計できる。
【0057】
接続ライン17は、搬送ガス供給開口部18を介して搬送ライン7に接続されている。搬送ライン7は、プラスチック廃棄物Mを供給するための供給開口部19から始まる。搬送ライン7は、分離設備11につながり、分離設備11に通じている。この目的のために、搬送ライン7は排出開口部20を有する。搬送ライン7は、排出開口部20で終端する。搬送ライン7は、供給開口部19から排出開口部20までの長さLを有し、ここで特に5m≦L≦100m、特に10m≦L≦70m、及び特に20m≦L≦50mである。搬送ライン7は、エネルギー損失を減らすために断熱層32で被覆できる。断熱層32は、図1においてのみ示されている。
【0058】
搬送方向9において、搬送ライン7は、第1水平ライン部21、第1偏向ライン部22、第1鉛直ライン部23、第2偏向ライン部24、第2水平ライン部25、第3偏向ライン部26、第2鉛直ライン部27、第4偏向ライン部28、及び断面変化ライン部29を連続して有する。第1水平ライン部21には、分散部材として設計された第1方向変換部材30が配置されている。第2水平ライン部25には、旋回部材として設計された第2方向変換部材31が配置されている。水平ライン部21、25に統合された偏向ライン部22、24、26、28、鉛直ライン部23、27、断面変化ライン部29、及び方向変換部材30、31はそれぞれ、プラスチック廃棄物Mの乾燥を改善するために役立つ乾燥要素を形成する。乾燥は、それぞれの乾燥要素によって促進される。乾燥要素は、気流乾燥器5の一部である。
【0059】
好ましくは、気流乾燥器5は、N個の乾燥要素を有し、ここで、1≦N≦20、特に2≦N≦16、及び特に4≦N≦12である。好ましくは、搬送ライン7は、U個の偏向ライン部を有し、ここで、1≦U≦10、特に2≦U≦8、及び特に3≦U≦6である。
【0060】
偏向ライン部22、24、26、28はそれぞれ偏向角αを囲み、ここで、特に10°≦α≦150°、特に15°≦α≦135°、及び特に20°≦α≦120°である。
【0061】
分離設備11は、乾燥したプラスチック廃棄物Mを、乾燥の過程で水分を含んだ搬送ガスFから分離する役割を果たす。分離設備11は、乾燥したプラスチック廃棄物Mを供給するための第2計量設備6に接続されている。分離設備11は、さらに分離器33に接続されている。分離器33は、搬送ガスFに含まれる微粉A又はダストを分離する役割を果たす。分離器33は、気流乾燥器5の一部である。
【0062】
第2計量設備6は、乾燥したプラスチック廃棄物Mを多軸スクリュー機2に供給する役割を果たす。第2計量設備6は、例えば、送りねじ機及び/又は重量計量ユニット及び/又は容積計量ユニットを備える。新規プラスチック材料Mを供給するために、供給装置3は、第3計量設備34を有する。第3計量設備34は、例えば、送りねじ機及び/又は重量計量ユニット及び/又は容積計量ユニットを備える。
【0063】
多軸スクリュー機2は、乾燥したプラスチック廃棄物M及び/又は新規プラスチック材料Mを材料溶融物Mに可塑化し、材料溶融物Mを原材料Mに加工又は再処理する役割を果たす。多軸スクリュー機2は、共回り二軸スクリュー機として構成される。多軸スクリュー機2は、複数のハウジング部分36~43を順次配置してなるハウジング35から構成されている。ハウジング部分36~43は、互いに接合されてハウジング35を形成している。ハウジング35には、2つのハウジングボア44、44’が互いに平行に、かつ互いに貫通して形成されており、それらは横断面に水平8の字形状を有している。2つの処理要素軸45、45’は、ハウジングボア44、44’内に同心円状に配置され、駆動モータ46によって関連する回転軸47、47’を中心に回転駆動される。処理要素軸45、45’と駆動モータ46との間に、分岐ギア48とカップリング49が、配置されている。処理要素軸45、45’は、駆動モータ46によって同方向に、すなわち回転軸47、47’を中心とする同じ回転方向に駆動される。
【0064】
多軸スクリュー機2は、搬送方向9’に連続して、取り入れ区間50、可塑化及び均質化区間51、脱気区間52、及び排出区間53を有している。
【0065】
取り入れ区間50において、ハウジング部分36は供給開口部54を有する。注入口ホッパー55が供給開口部54に通じている。取り入れ区間50において、処理要素軸45、45’は、関連する軸57、57’に回転方向に固定して配置され、搬送に役立つスクリュー要素56、56’を備える。
【0066】
可塑化及び均質化区間51において、乾燥したプラスチック廃棄物M及び/又は新規プラスチック材料Mが可塑化又は溶融され、材料溶融物Mが均質化される。可塑化及び均質化のために、可塑化及び均質化区間51の軸57、57’に、混練要素58、58’が回転方向に固定して配置される。好ましくは、可塑化及び均質化区間51内の軸57、57’に、複数の混練ブロックが配置され、それらは互いに一体的に形成された複数の混練ディスクで構成されている。
【0067】
脱気区間52は、材料溶融物Mを脱気する役割を果たす。脱気用のハウジング部分39、42には、脱気開口部59、60が形成されている。多軸スクリュー機2は、脱気開口部59、60に接続された脱気設備61を備える。脱気設備61は、脱気ライン63を介して脱気開口部59、60に接続された真空ポンプ62を備える。脱気区間52では、スクリュー要素64、64’及び混練要素65、65’が、軸57、57’に回転方向に固定して配置されている。好ましくは、混練ブロックが脱気区間52に配置され、それらは互いに一体に接続された複数の混練ディスクから形成されている。
【0068】
排出区間53では、原材料Mを排出するために、スクリュー要素66、66’が軸57、57’に回転方向に固定して配置される。最後のハウジング部分43には、ハウジング35を封鎖するノズルプレート67が配置され、排出開口部68を形成している。
【0069】
再処理システム1は、供給装置3及び/又は多軸スクリュー機2を制御するための制御設備69を含む。制御設備69は、供給装置3及び多軸スクリュー機2と信号通信している。
【0070】
再処理システム1の機能原理、及びプラスチック廃棄物Mの再処理方法について、以下に説明する。
【0071】
第1計量設備4には、湿ったプラスチック廃棄物Mが供給される。湿ったプラスチック廃棄物Mは、粉砕され、洗浄される。湿ったプラスチック廃棄物Mは、例えば、大きな袋で輸送される。プラスチック廃棄物Mは、融解温度Tを有し、特に、250℃≦T≦260℃である。
【0072】
搬送ガスFは、流れ発生装置8によって搬送方向9に搬送速度vで移動する。搬送ラインにおける搬送速度vについては、特に次のことが適用される:5m/s≦v≦50m/s、特に10m/s≦v≦45m/s、及び特に15m/s≦v≦40m/s。
【0073】
加熱設備10によって、搬送ガスFは加熱され、搬送ライン7内で温度Tを有する。次のことが特に温度Tについて当てはまる:70℃≦T≦250℃であり、特に80℃≦T≦220℃であり、及び特に90℃≦T≦190℃である。
【0074】
温度Tについて、融解温度Tに応じて、次のことが特に当てはまる:T-100℃≦T<Tであり、特にT-80℃≦T≦T-10℃であり、及び特にT-60℃≦T≦T-20℃である。
【0075】
制御設備69は、搬送ガスFの質量mがプラスチック廃棄物Mの質量mで荷重されるように、第1計量設備4と流れ発生装置8を制御する。比m/mは、荷重(load)とも称される。荷重については、次のことが特に当てはまる:0.3≦m/m≦4であり、特に0.4≦m/m≦3であり、及び特に0.5≦m/m≦2である。
【0076】
プラスチック廃棄物Mは、搬送ガスFに供給される際に供給湿気割合ψを有し、ここで、4000ppm≦ψ≦50000ppmであり、特に5000ppm≦ψ≦35000ppmであり、及び特に6000ppm≦ψ≦20000ppmである。プラスチック廃棄物Mは、搬送ライン7において、気流乾燥器5により乾燥され、したがって、乾燥したプラスチック廃棄物Mは、搬送ガスFから排出される際に排出湿気割合ψを有し、ここで、3000ppm≦ψ≦6000ppmであり、特に3500ppm≦ψ≦5500ppmであり、及び特に4000ppm≦ψ≦5000ppmである。
【0077】
供給湿気割合ψは、以下のように定義される。
【0078】
【数5】
【0079】
ここで、
W1は、供給時の水蒸気又は水分の質量を示し、
は、供給時の湿ったプラスチック廃棄物Mの質量を示し、
Mtは、乾燥又は無水状態のプラスチック廃棄物の質量を示す。
【0080】
排出湿気割合ψは次のように定義される。
【0081】
【数6】
【0082】
ここで、
W2は、排出時の水蒸気又は水分の質量を示し、
MDは、排出時の乾燥プラスチック廃棄物Mの質量を示す。
【0083】
単位ppmは、「parts per million」の略であり、質量mW1又はmW2をkgに換算した質量m又はmMDに対して、mgに換算した質量を表す。
【0084】
水蒸気又は水分は、プラスチック廃棄物M又はMに結合された内部湿気と、表面湿気とで構成される。したがって、供給湿気割合ψは、内部湿度ψと表面湿度ψO1で構成される。以下が該当する。
【0085】
【数7】
【0086】
内部湿気割合ψは、プラスチック廃棄物M又はMに結合されており、プラスチック廃棄物Mを気流乾燥器5による乾燥工程にもかかわらず、本質的に一定に保たれる。これに対して、表面湿気割合ψO1は、プラスチック廃棄物Mの表面に位置し、気流乾燥器5による乾燥工程によって少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%、及び特に少なくとも90重量%まで除去される。したがって、次のことが、排出湿気割合ψに当てはまる:
【0087】
【数8】
【0088】
ここで、ψO2は、乾燥したプラスチック廃棄物Mの排出時の表面湿気割合を示す。次のことが特に当てはまる:
【0089】
0ppm≦ψO2≦3000ppmであり、特に100ppm≦ψO2≦2500ppmであり、及び特に300ppm≦ψO2≦2000ppmである。
【0090】
プラスチック廃棄物Mは、搬送ライン7において搬送ガスFによって共流で搬送され、多軸スクリュー機2へ搬送されながら乾燥される。乾燥要素は、乾燥又は乾燥効果を向上し、プラスチック廃棄物Mの乾燥工程を促進する。乾燥要素によってプラスチック廃棄物Mに少なくとも1つの力が作用し、それにより乾燥効果を向上させる。プラスチック廃棄物Mは、第1方向変換部材30又は分散部材によって第1水平ライン部21で分散され、次いで、第1偏向ライン部22によって偏向角αだけ偏向される。それによってプラスチック廃棄物Mに及ぼされる力は、乾燥効果を高め、乾燥工程を促進する。第1鉛直ライン部23では、重力により搬送速度vが減速される。減速の結果、一方では、プラスチック廃棄物Mに力が作用し、他方では、搬送ガスF内のプラスチック廃棄物Mの滞留時間tが増加される。第2偏向ライン部24によって、プラスチック廃棄物Mは、再び偏向角αだけ偏向され、次に第2方向変換部材31又は旋回部材によって第2水平ライン部25で回転され、第3偏向ライン部26によって再び偏向角αだけ偏向される。これによって及ぼされる力は、乾燥効果を高め、乾燥工程を促進する。第2水平ライン部25により、プラスチック廃棄物Mはその間に再び加速され、次いで第2鉛直ライン部27で再び減速される。第2鉛直ライン部27により、滞留時間tをさらに増加させることができる。続いて、第4偏向ライン部28によって、プラスチック廃棄物Mは、再び偏向角αだけ偏向され、水平方向に配置された断面変化ライン部29において、まず加速され、その後、再び減速される。これによって及ぼされる力は、乾燥効果を高め、乾燥工程を促進する。プラスチック廃棄物Mは、搬送ライン7又は搬送ガスF内で滞留時間tを有し、特に、2秒≦t≦10秒、特に3秒≦t≦8秒、及び特に3秒≦t≦6秒である。プラスチック廃棄物Mが排出開口部20を通って搬送ライン7を出ると、それは乾燥(した)プラスチック廃棄物Mと称される。
【0091】
分離設備11によって、乾燥プラスチック廃棄物Mは、湿った搬送ガスFから分離される。乾燥プラスチック廃棄物Mは、第2計量設備6に供給される。湿った搬送ガスFは分離器33に供給され、その中で微粉Aが分離される。ろ過された搬送ガスFは、搬送ガスFの熱又は熱エネルギーが熱交換器を介して再度使用できるように、環境又は流れ発生装置8へ還流する。
【0092】
プラスチック廃棄物Mは、気流乾燥器5によって温度ΔTだけ加熱される。特に、温度ΔTについて、以下が適用される。2℃≦ΔT≦80℃、特に5℃≦ΔT≦70℃、特に10℃≦ΔT≦60℃。
【0093】
プラスチック廃棄物Mは、気流乾燥器5の後、特に更なる加熱及び/又は更なる乾燥なしに多軸スクリュー機2へ供給される。乾燥プラスチック廃棄物Mは、特に温度Tで多軸スクリュー機2に供給される。特に温度Tに以下が適用される。0℃≦T≦100℃、特に10℃≦T≦90℃、特に20℃≦T≦80℃、特に30℃≦T≦70℃、特に40℃≦T≦60℃。乾燥プラスチック廃棄物Mは、特に非結晶化状態で、多軸スクリュー機2に供給される。
【0094】
乾燥したプラスチック廃棄物Mは、注入口ホッパー55及び供給開口部54を介して第2計量設備6によって多軸スクリュー機2に供給される。所望又は必要に応じて、新規プラスチック材料Mを、注入口ホッパー55及び供給開口部54を介して第3計量設備34によって多軸スクリュー機2内に供給できる。
【0095】
供給されたプラスチック廃棄物M及び/又は新規プラスチック材料Mは、取り入れ区間50内を搬送方向9’で、可塑化及び均質化区間51に搬送される。可塑化及び均質化区間51では、プラスチック廃棄物M及び/又は新規プラスチック材料Mが可塑化及び均質化される。可塑化により、プラスチック廃棄物M内に含まれる内部湿気が解放される。解放された内部湿気及び残存する表面湿気は、脱気区間52でハウジングボア44、44’から除去される。この目的のために、真空ポンプによって圧力pabsが生成され、ハウジングボア44、44’内に広がる湿気が脱気開口部59、60及び脱気ライン63を介して取り出される。脱気時の圧力pabsについては、特に以下のように適用される。3mbar≦pabs≦50mbar、特に5mbar≦pabs≦30mbar、特に10mbar≦pabs≦25mbar、及び特に15mbar≦pabs≦20mbar。
【0096】
気流乾燥器5によって湿ったプラスチック廃棄物Mから表面湿気が本質的に完全に除去されているため、乾燥したプラスチック廃棄物Mから発生した材料溶融物Mからは内部湿気のみを、すなわちかなり少ない湿気だけを除去する必要がある。これは、脱気設備61をより小さな寸法にでき、より低い圧力pabsで作動できることを意味する。
【0097】
材料溶融物Mは、脱気区間52において温度Tを有し、特に、265℃≦T≦300℃、特に270℃≦T≦285℃である。脱気区間52における材料溶融物Mの滞留時間vは、特に10秒~45秒、特に15秒~30秒である。1kgの材料溶融物Mに関して、脱気設備61は、0.3m/kg~2.5m/kg、特に0.5m/kg~1.5m/kg、特に0.6m/kg~1.2m/kgの体積流量で運転される。
【0098】
可塑化、均質化及び脱気によって、プラスチック廃棄物Mは、新しい原材料Mに処理又は再処理される。得られた原材料Mは、次いで排出区間53から排出開口部68を通って排出される。その後、原材料Mは、通常の方法でさらに処理することができ、例えば、ろ過及び/又は粒状化できる。
【0099】
乾燥したプラスチック廃棄物Mを多軸スクリュー機2に供給することにより、多軸スクリュー機2による処理は、より高い処理量(スループット)で実行できる。処理量Dについては、特に以下のことが適用される。500kg/h≦D≦25000kg/h、特に1000kg/h≦D≦20000kg/h、特に1500kg/h≦D≦15000kg/hである。
【0100】
気流乾燥器5は、湿ったプラスチック廃棄物Mを簡単で、エネルギー効率よく、経済的に乾燥できる。気流乾燥器5は、場所をとらず、エネルギー消費量が少なく、投資コストと運転コストが低く抑えられる。プラスチック廃棄物Mは、穏やかに乾燥される。乾燥することで、多軸スクリュー機2によるその後の再加工が簡素化する。多軸スクリュー機2から除去しなければならない湿気が少ないため、脱気設備61は、より小さな寸法であり、より低い圧力pabsで運転できる。その結果、処理量Dを増加できる。全体として、本方法又は再処理システム1は、プラスチック廃棄物M、特にPET廃棄物材料の簡単で、エネルギー効率が良く、経済的で、信頼性が高く、効果的な再処理を可能にする。
【符号の説明】
【0101】
1 再処理システム
2 多軸スクリュー機
3 供給装置
4 第1計量設備
5 気流乾燥器
6 第2計量設備
7 搬送ライン
8 流れ発生装置
9、9’ 搬送方向
10 加熱設備
11 分離設備
12 搬送ファン
13 吸引ライン
14 フィルタ
15 加熱装置
16 熱交換器
17 接続ライン
18 搬送ガス供給開口部
19、54 供給開口部
20、68 排出開口部
21 第1水平ライン部
22 第1偏向ライン部
23 第1鉛直ライン部
24 第2偏向ライン部
25 第2水平ライン部
26 第3偏向ライン部
27 第2鉛直ライン部
28 第4偏向ライン部
29 断面変化ライン部
30 第1方向変換部材
31 第2方向変換部材
32 断熱層
33 分離器
34 第3計量設備
35 ハウジング
36、37、38、39、40、41、42、43 ハウジング部分
44、44’ ハウジングボア
45、45’ 処理要素軸
46 駆動モータ
47、47’ 回転軸
48 分岐ギア
49 カップリング
50 取り入れ区間
51 均質化区間
52 脱気区間
53 排出区間
55 注入口ホッパー
56、56’、64、64’、66、66’ スクリュー要素
57、57’ 軸
58、58’、65、65’ 混練要素
59、60 脱気開口部
61 脱気設備
62 真空ポンプ
63 脱気ライン
67 ノズルプレート
69 制御設備
A 微粉
F 搬送ガス
乾燥(した)プラスチック廃棄物
新規プラスチック材料
原材料
材料溶融物
湿ったプラスチック廃棄物
ψ 供給湿気割合
ψ 排出湿気割合
ψ 内部湿気割合
ψO1 表面湿気割合
ψO2 乾燥したプラスチック廃棄物の排出時の表面湿気割合
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための方法であって、
プラスチック廃棄物(M)を提供するステップと、
前記プラスチック廃棄物(M)を搬送ライン(7)において、気流乾燥器(5)によって乾燥させるステップと、
乾燥したプラスチック廃棄物(M)を多軸スクリュー機(2)に供給するステップと、
前記乾燥したプラスチック廃棄物(M)を前記多軸スクリュー機(2)によって再処理するステップと、を備える方法。
【請求項2】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)によって搬送され、前記多軸スクリュー機(2)へ搬送される間、乾燥されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記搬送ライン(7)内の搬送ガス(F)は、温度Tを有し、ここで、70℃≦T≦250℃、特に80℃≦T≦220℃、及び、特に90℃≦T≦190℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プラスチック廃棄物(M)は、融解温度Tを有し、前記搬送ライン(7)内の搬送ガス(F)は、温度Tを有し、ここで、T-100℃≦T<T、特にT-80℃≦T≦T-10℃、及び、特にT-60℃≦T≦T-20℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
搬送ガス(F)の質量mに、前記プラスチック廃棄物(M)の質量mが荷重され、ここで、0.3≦m/m≦4、特に0.4≦m/m≦3、及び、特に0.5≦m/m≦2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記搬送ライン(7)内の搬送ガス(F)は、搬送速度vを有し、ここで、5m/s≦v≦50m/s、特に10m/s≦v≦45m/s、及び、特に15m/s≦v≦40m/sであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)内の滞留時間tを有し、ここで、2秒≦t≦10秒、特に3秒≦t≦8秒、及び、特に3秒≦t≦6秒であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送される間、偏向及び/又は回転、及び/又は分散、及び/又は減速、及び/又は加速されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)に供給される際に、供給湿気割合ψを有し、ここで、4000ppm≦ψ≦50000ppm、特に5000ppm≦ψ≦35000ppm、及び、特に6000ppm≦ψ≦20000ppmであり、及び/又は
前記乾燥プラスチック廃棄物(M)は、搬送ガス(F)から排出される際に、排出湿気割合ψを有し、ここで、3000ppm≦ψ≦6000ppm、特に3500ppm≦ψ≦5500ppm、及び、特に4000ppm≦ψ≦5000ppmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記乾燥プラスチック廃棄物(M)の処理は、処理量Dを有する前記多軸スクリュー機(2)によって行われ、ここで、500kg/h≦D≦25000kg/h、特に1000kg/h≦D≦20000kg/h、及び、特に1500kg/h≦D≦15000kg/hであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥プラスチック廃棄物(M)は、前記多軸スクリュー機(2)内で溶融及び脱気され、
前記脱気は、特に圧力pabsで行われ、ここで、3mbar≦pabs≦50mbar、特に5mbar≦pabs≦30mbar、特に10mbar≦pabs≦25mbar、及び、特に15mbar≦pabs≦20mbarであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
プラスチック廃棄物、特にPET廃棄物を再処理するための再処理システムであって、
前記プラスチック廃棄物(M)を可塑化し、再処理するための多軸スクリュー機(2)と、
乾燥したプラスチック廃棄物(M)を前記多軸スクリュー機(2)に供給するための供給装置(3)と、を有し、
前記供給装置(3)は、搬送ライン(7)において前記プラスチック廃棄物(M)を乾燥するための気流乾燥器(5)を備えることを特徴とする、再処理システム。
【請求項13】
前記気流乾燥器(5)は、搬送ライン(7)と、流れる搬送ガス(F)を生成するための流れ発生装置(8)と、前記搬送ガス(F)を加熱するための加熱設備(10)とを備えることを特徴とする、請求項12に記載の再処理システム。
【請求項14】
前記気流乾燥器(5)は、前記乾燥プラスチック廃棄物(M)を前記搬送ガス(F)から分離するための分離設備(11)を備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の再処理システム。
【請求項15】
前記気流乾燥器(5)は、前記プラスチック廃棄物(M)を乾燥させる工程を改善するための少なくとも1つの乾燥要素(22、23、24、26、27、28、29、30、31)を備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の再処理システム。
【請求項16】
前記供給装置(3)は、前記プラスチック廃棄物(M)を前記気流乾燥器(5)に投入するための計量設備(4)を備えること、及び/又は、
前記供給装置(3)は、前記乾燥プラスチック廃棄物(M)を前記多軸スクリュー機(2)に供給するための計量設備(6)を備えることを特徴とする請求項12又は13に記載の再処理システム。
【請求項17】
前記多軸スクリュー機(2)は、前記乾燥プラスチック廃棄物(M)を脱気するための少なくとも1つの脱気設備(61)を備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の再処理システム。
【請求項18】
前記供給装置(3)及び/又は前記多軸スクリュー機(2)を制御するための制御設備(69)を備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の再処理システム。
【外国語明細書】