(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013989
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】薬剤ユニット送達装置において使用する薬剤ユニット容器
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20230119BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
B65D83/04 F
A61J3/00 310K
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107663
(22)【出願日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】2028766
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(71)【出願人】
【識別番号】522242052
【氏名又は名称】ディーディー イノベーションズ ビー.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】DD INNOVATIONS B.V.
【住所又は居所原語表記】Heidonk 5,5298 VM Liempde,the Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】デニス レイモンド ビルスマ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ12
4C047KK06
4C047KK14
(57)【要約】
【課題】1つの同じ薬剤ユニット送達装置で薬剤ユニットを取り扱うことができるようにするために、より通常の薬剤ユニット用の容器と適合性がある、および/または交換可能である、薬剤ユニット送達装置において使用する容器を提供すること。
【解決手段】本発明は、薬剤ユニット送達装置において使用する薬剤ユニット容器であって、分離面によって複数の層に分割される容器本体を備え、各層は回転可能な区画ハウジングを備え、区画ハウジングの区画はそれぞれ、少なくとも区画ハウジングの中心から半径方向に等距離の位置にわたり、上記区画ハウジングは全て、区画ハウジングの中心を通って延びる中心軸の周りに回転可能であり、上記分離面のそれぞれは、隣り合う層間に少なくとも1つの通路を含み、通路は、上記区画と同じ半径方向位置にわたり、そのため、区画が上記通路と位置合わせされる、区画ハウジングの回転角度が存在する、薬剤ユニット容器に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤ユニット送達装置において使用する薬剤ユニット容器であって、
分離面によって複数の層に分割される容器本体を備え、
各層は回転可能な区画ハウジングを備え、前記区画ハウジングの区画はそれぞれ、少なくとも前記区画ハウジングの中心から半径方向に等距離の位置にわたり、
前記区画ハウジングは全て、前記区画ハウジングの中心(前記ハウジングの固定部分とすることができるかまたは前記ハウジングの一部から形成されることができる)を通って延びる中心軸の周りに回転可能であり、
前記分離面のそれぞれは、隣り合う層間に少なくとも1つの通路を含み、前記通路は、前記区画と同じ半径方向位置にわたり、そのため、区画が前記通路と位置合わせされる、区画ハウジングの回転角度が存在する、薬剤ユニット容器。
【請求項2】
連続した分離面における前記通路は、ひと続きのチャネルの形成を防ぐために前記中心軸の周りに種々の異なる角度位置で位置付けられる、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
連続した分離面における前記通路は、互いに1つの区画サイズ分シフトされる、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記区画ハウジングは、ともに回転可能であるように中央シャフトに接続される、請求項1から3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記中央シャフトを回転させる駆動係合手段は、外側に向けられる、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記区画ハウジングは、放射状に延びるバッフルを含む、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
隣り合うバッフルの対は同じ角度にある、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記区画ハウジングは少なくとも1つのディスクを含む、請求項1から7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
前記区画サイズは、互いにまたは中央シャフトに把持されることによって複数のディスクの相互の角度配向を維持する手段をそれぞれ備える複数のディスクを積み重ねることによって構成可能である、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記少なくとも1つのディスクは、少なくとも部分的にぴったり合う環状開口部を有する分離面をセンタリングするための、前記ディスクの円周と同軸である、環状突出部の少なくとも部分を含む、請求項8または9に記載の容器。
【請求項11】
前記区画ハウジングは複数のディスクを含み、隣り合うディスクは、滑らかな遷移を形成する同一の境界面を含む、請求項8または9に記載の容器。
【請求項12】
ディスクは、同一のディスクの環状突出部とぴったり合うとともに、それ自体の環状突出部の少なくとも部分とは反対側に配置される凹状部を含む、請求項8、9または10に記載の容器。
【請求項13】
前記分離面および前記区画は互いに当接する、請求項1から12のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
前記容器本体は、
前記薬剤ユニット用の少なくとも1つの取り込み開口部と、
前記薬剤ユニット用の少なくとも1つの送出開口部と、
薬剤ユニットを供給する開位置と、前記容器を閉じる閉位置との間で可動であり、少なくとも前記閉位置において前記容器とロック可能である、前記取り込み開口部用の蓋と、
を備える、請求項1から13のいずれかに記載の容器。
【請求項15】
前記蓋は、前記容器本体に取り外し不能に連結され、特に、そのため、前記蓋は、前記容器本体から取り外されることなく前記容器本体とともに前記開位置にさせることができ、より詳細には、前記蓋は、ヒンジによって前記容器本体に連結される、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
特に前記蓋に配置される、バー・コードもしくはQRコード(登録商標)、RFIDタグ、チップまたは磁気コード等の機械可読識別子を備える、請求項1から15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
前記容器は、ロボットと係合するカンチレバーを備え、前記カンチレバーは、2つの離間したピンまたはフックを受けるようになっており、前記容器は、特に前記蓋に連結される、請求項1から16のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤ユニット送達装置において使用する薬剤ユニット容器に関する。より詳細には、本発明は、特別な目的のための、すなわち、割れやすいかもしくは(比較的)使用されることがめったにないことから容器内にバルクで供給されないかまたは限られた品質保持期限を有する薬剤のための、かかる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
バルクで供給されることができる薬剤ユニット用の容器の一例が、本出願によるオランダ特許出願である特許文献1に記載されている。この出願に開示された容器は、薬剤ユニットの形状およびサイズに関係なく、たいていの薬剤ユニットにとって最も有益な容器であると思われた。
【0003】
しかしながら、割れやすいかもしくは(比較的)使用されることがめったにない、または、限られた品質保持期限を有し、したがって同じスペースに積み重ねられるべきではなく注意して取り扱われる、特別な薬剤が存在する。
【0004】
これらの薬剤ユニットの取り扱いは通常、手動で行われ、この取り扱いは時間かかり、面倒であり、また費用がかかるという欠点がある。特に薬剤ユニットを包装するために、薬剤ユニット送達装置によって送出される複数の薬剤ユニットを患者が必要とする場合、割れやすい薬剤ユニットを加えていくことは、速さに関して障害となる可能性がある。
【0005】
特に、薬剤ユニット送達装置は、高度に自動化されており、薬剤ユニット処方を高速で処理するように構成されているため、1つの同じ薬剤ユニット送達装置で薬剤ユニットを取り扱うことができるようにするために、より通常の薬剤ユニット用の容器と適合性がある、および/または交換可能である、薬剤ユニット送達装置において使用する容器が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、そのような容器を提供すること、または、少なくとも現行の技術水準に対して有用な代替を提供することである。本発明による容器は特に、ブリスターパッケージに収容される薬剤ユニットのためのものあるが、必ずしもそれに限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
それに対し、本発明は、薬剤ユニット送達装置において使用する薬剤ユニット容器であって、分離面によって複数の層に分割される容器本体を備え、各層は回転可能な区画ハウジングを備え、区画ハウジングの区画はそれぞれ、少なくとも上記区画ハウジングの中心から半径方向に等距離の位置にわたり、上記区画ハウジングは全て、区画ハウジングの中心を通って延びる中心軸の周りに回転可能であり、上記分離面のそれぞれは、隣り合う層間に少なくとも1つの通路を含み、通路は、前記区画と同じ半径方向位置にわたり、そのため、区画が上記通路と位置合わせされる、区画ハウジングの回転角度が存在する、薬剤ユニット容器を提案する。
【0009】
容器は、薬剤ユニットを充填されることができる複数の区画を含み、区画ハウジングを回転させることによって、薬剤ユニットを容器中で移動させることができる。薬剤ユニットは、分離面における、隣り合う層間の通路により、輪郭を描いて移動されると、通路を通り抜けて落下し、より下方の層に達する。層から層への落下距離は容器の総高さに対して比較的短いことに留意されたい。さらに、同じ区画内に他の薬剤ユニットはいっさい存在せず、そのため、薬剤ユニットどうしの間の衝突が排除される。容器は、薬剤ユニット用のシフトレジスタとして働き、1つの区画ハウジング当たりの区画の数によって分割されたフルターンだけ対応する角度にわたって区画ハウジングを回転させることによって、各前進ステップが達成される。
【0010】
概して、これら区画は等しくサイズ決めおよび寸法決めされることができ、層は全て、同じ区画ハウジングを含むことができる。ハウジングは、使用時に最も上側の層である層へのアクセスを提供する薬剤ユニット用の取り込み開口部と、使用時に最も下側である層からの出口すなわち送出開口部を提供する、薬剤ユニット用の少なくとも1つの送出開口部とを含むことができる。
【0011】
個別の薬剤ユニット用の区画を設けることによって、容器は、バルク形態で容器へ充填され得る薬剤ユニットを送出するための容器と適合性がありながら、個別の薬剤ユニットを慎重に取り扱うことが可能となる。
【0012】
前述した中心軸は、仮想軸または実際のシャフトとすることができ、実際のシャフトの場合、別個の部品であってもよく、または、相互接続された部品、例えば区画ハウジングに一体的に設けられた突出部によって形成されてもよい。
【0013】
好ましい実施形態において、連続した分離面における通路は、ひと続きのチャネルの形成を防ぐために中心軸の周りに種々の異なる角度位置で位置付けられる。より好ましくは、後続の分離面において、通路は、中心軸の周りに或る角度にわたって回転させられ、この角度は、1つの区画ハウジング当たりの区画の数によって分割されたフルターンと一致する。このようにして、可能な限り最も長い経路がつくられる。次いで、区画ハウジングは使用時に、これら通路が回転させられる方向に抗する方向に回転させられるものとする。このようにして、(1つのハウジング当たりの区画の数-1)×(層の数)、収容することができるレジスタがつくられる。
【0014】
換言すると、連続した分離面における通路は、好ましくは意図された回転方向に抗して、互いに1つの区画サイズ分シフトされる。
【0015】
区画ハウジングは、ともに回転可能であるように中央シャフトに接続されることができる。これによりレジスタの内容物全体を同時にシフトすることが可能となり、それにより、全体として薬剤ユニット送達装置の可能な限り最も速い応答時間がもたらされる。
【0016】
中央シャフトを回転させる駆動係合手段は外側に向けられることができ、そのため、例えば薬剤ユニット送達装置に組み入れられた外部駆動部がシャフトに連結されることができる。
【0017】
区画ハウジングは、放射状に延びるバッフルを含むことができ、特に、隣り合うバッフルの対は同じ角度にある。区画ハウジングは概して、少なくとも1つのディスクを含むことができるか、または少なくとも1つのディスクからもしくはそのようなものとして形成されることができる。
【0018】
1つのディスクの場合、ディスクサイズは、薬剤ユニットのサイズに適合される。しかしながら、種々の異なる薬剤ユニットの種類のために、容器を交互に使用する必要がある場合、モジュール式/構成可能な区画ハウジングが有益である。この場合、区画サイズは、互いにまたは中央シャフトに把持することによって複数のディスクの相互の角度配向を維持する手段をそれぞれ備える複数のディスクを積み重ねることによって構成可能であるものとすることができる。
【0019】
かかるディスクは概して、少なくとも部分的にぴったり合う環状開口部を有する隣り合う分離面をセンタリングする、ディスクの円周と同軸である環状突出部または突起部の少なくとも部分を含むことができる。これは実際には、例えば環状または中断された環状形状を意味し得る。突出部の高さは、分離面の厚さに対応することができるか、またはここではその厚さに実質的に対応することができる。本発明はまた、記載されたタイプまたは構成のいずれかの分離面と、環状突出部または突起部のそのような少なくとも部分を有するディスクを含む区画ハウジングとの組み合わせまたは組立体、および、かかる組み合わせまたは組立体を含む薬剤ユニット容器に関する。
【0020】
区画ハウジングが複数のディスクを含むこれらの実施形態において、隣り合うこれらのディスクは好ましくは、滑らかな遷移を形成する同一の境界面を含むことができるか、または、ディスクは、隣り合うディスクからの突起部を受ける凹状部を含むことができる。スリット、空隙等の存在により、ブリスターパッケージが動けなくなる可能性がある。このため、種々の異なるタイプのディスクが使用されることができる。分離板を係合させることを意図されたディスクは、前述した環状突出部を含み、その一方、別のディスクを係合させることを意図されたディスクにはかかる突出部はないものとすることができる。分離面は、かかる凹状部を有するディスクと協働する環状リムを含むことができる。
【0021】
薬剤ユニットのための閉スペースを形成するために、分離面および区画は互いに当接することができる。分離面は別個の部品とすることができ、そのため、層および区画ハウジングの任意の構成および数が選択されることができ、モジュール式容器が得られる。様々な数の区画を有するとともに様々な高さを有する様々な区画ハウジングが利用可能であるものとすることができ、これらは送出される薬剤ユニットのサイズに合致する。
【0022】
容器本体はさらに、薬剤ユニット用の少なくとも1つの取り込み開口部と、薬剤ユニット用の少なくとも1つの送出開口部と、薬剤ユニットを供給する開位置と、容器を閉じる閉位置との間で可動であり、少なくとも閉位置において容器とロック可能である、取り込み開口部用の蓋とを備えることができる。
【0023】
蓋は、容器本体に取り外し不能に連結されることができ、特に、そのため、蓋は、容器本体から取り外されることなく容器本体とともに開位置にさせることができ、より詳細には、蓋は、ヒンジによって容器本体に連結される。
【0024】
ロック・デバイスは、蓋をロック解除するために容器の内側に付勢されねばならない少なくとも1つのバーブを備えることができ、蓋をロック解除するバーブの係合面は内側にあり、好ましくは、容器壁に対して凹状になっており、そのため手動開放が防止される。好ましくは、容器は、特に種々の異なる壁または壁部分に位置する、複数のバーブを含み、そのため、これらバーブは蓋をロック解除するために種々の異なる方向に動かされる必要がある。
【0025】
容器は、少なくとも基準薬剤ユニットを保持する分離したスペースを含むことができ、分離したスペースは、薬剤ユニットを保持するスペースにおける薬剤ユニットが分離したスペースにおける薬剤ユニットに対応することを外側から目視判断することができるように、容器の外側に隣接する少なくとも1つの透明部分を備える。
【0026】
分離したスペースは、蓋の一部を形成することができるかまたは蓋内に含まれることができる。容器は、特に蓋に配置される、バー・コードもしくはQRコード(登録商標)、RFIDタグ、チップまたは磁気コード等の機械可読識別子をさらに備えることができる。容器は、ロボットと係合するカンチレバーをさらに備えることができ、このカンチレバーは、2つの離間したピンまたはフックを受けるようになっており、容器は、特に蓋に連結される。
【0027】
次に、本発明を図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図3】本発明による区画ハウジングを示す図である。
【
図5a】容器における分離面の配向を示す図である。
【
図5b】容器における分離面の配向を示す図である。
【
図5c】容器における分離面の配向を示す図である。
【
図5d】容器における分離面の配向を示す図である。
【
図5e】本発明による代替的な分離面の配向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、薬剤ユニット送達装置において使用する薬剤ユニット容器1を示し、薬剤ユニット容器1は、分離面7、8、9、10によって複数の層3、4、5、6(およびそれ以上)に分割される容器本体2を備え、各層は回転可能な区画ハウジング11、12、13、14を備えており、区画ハウジングの区画はそれぞれ、少なくとも区画ハウジングの中心から半径方向に等距離の位置(
図3を参照しながらより詳細に説明される)にわたる。区画ハウジング11、12、13、14は全て、区画ハウジングの中心を通って延びる中心軸15の周りに回転可能である。図示の実施形態において、中心軸はシャフト16によって形成される。
【0030】
図2は、(面8、9または10と同一とすることができる)分離面7を示す。
図1に見ることができるように、分離面の長さLおよび幅Wは、容器壁の内側の内部長さおよび内部幅に対応し、分離面7は、分離面7の真上および真下にあるに隣り合う層間の通路として働くことができる1つの開口部17を含む。
図3と比較すると明らかとなるように、通路17は、区画ハウジング11の区画と同じ半径方向位置Rにわたり、そのため、区画20が通路17と位置合わせされる、区画ハウジングの回転角度が存在する。分離面はまた、中央開口部18を有し、この中央開口部を通ってシャフト16が延びることができ、このシャフトに、区画ハウジング11の突出部分(
図3を参照)を嵌めることができる。分離面7の外郭19は、その外郭が位置決めされる、容器1の容器本体2の内郭と、実質的にまたは十分に一致することができる。分離面7は、
図3に示された区画ハウジング11のような、区画ハウジングからの突出環状形状部42とぴったり合致する中央環状開口部43を含む。
【0031】
図3は、放射状に延びるバッフル28~35を有するディスクとして形成された区画ハウジング11を示す。バッフル28~35は、薬剤ユニットが収容されることができる区画20~27を画定している。区画20~27はそれぞれ、分離面7における開口部17と同じ半径方向位置Rに延びており、そのため、どの区画20~27についても、中心軸36の周りに角度位置が存在し、面7におけるその投射が通路17の領域に重なるかまたはその範囲内にあり、そのため、薬剤ユニットが通り抜けて落下することができる。ディスク11は、少なくとも部分的にぴったり合う環状開口部43を有する、
図2による面7のような、隣り合う分離面をセンタリングする、ディスクの円周と同軸である環状突出部42を含む。突出部42の高さは、分離面の厚さに対応する。この実施形態に関して、全般においても、区画ハウジングがディスクのスタックによって形成される場合、そのような環状突出部42は2つの隣り合うディスク間の境界面に存在する必要はないものとなっている。
【0032】
図4は、中央シャフト16を示し、中央シャフトに、区画ハウジングおよび分離面が交互に配置されることができ、その後、そのようにして得られた組立体が、
図1に示されているように容器1内に配置される。シャフト16は次いで、区画ハウジングを回転させるために回転可能に駆動されることができる。分離面は、それ自体の回転が容器本体2の壁によって阻止されるため、それ自体の位置に保持される。
【0033】
図5a~
図5dは、容器1の容器本体2内に位置決めされた分離面7~10の上面図を示す。
図5dにおける分離面10、
図5cにおける分離面9、
図5bにおける分離面8の配向を、
図5aにおける分離面7の配向と比較すると、面10、9および8は、
図5aにおける分離面7に対して、それぞれの角度ガンマ、ベータおよびアルファにわたって回転させられていることに留意されたい。したがって、それら分離面のそれぞれの通路39、38および37もまた、分離面7の通路17に対して回転させられている。この回転は、容器の頂部から底部にかけて一直線のチャネルを防ぐためになされている。分離面7~10(および任意の後続の分離面)を回転させることによって、薬剤ユニットを螺旋形状経路に沿って移動させることができるレジスタがつくられる。
図5a~
図5dに示された実施形態は、1つの同じ分離面を使用し、これにより設計が単純となる。容器は、それら通路が区画ハウジングの区画と同じ距離にわたって相互に回転させられる場合に最適に使用されることができる。これは、
図2および
図5a~
図5dに示された分離面と
図5eによる分離面40とを交互に使用することによってなされることができ、通路41は、
図5aによる通路17に比して角度デルタにわたって回転させられている。所与の実施形態において、角度アルファは角度デルタの2倍であり、角度デルタは、
図4のディスクの2つのバッフル28、28(だけでなく任意の他の隣接対)間の角度と一致する。
【0034】
再び
図1を参照すると、容器本体2は、薬剤ユニット用の取り込み開口部42と、薬剤ユニット用の送出開口部43と、薬剤ユニットを供給する開位置(図示せず)と、容器を閉じる閉位置(図示)との間で可動である取り込み開口部用の蓋44であって、少なくとも閉位置において容器1とロック可能である蓋44と、を備えることを見ることができる。蓋44は、ヒンジ45によって容器本体に取り外し不能に連結されており、特に蓋に配置される、バー・コードもしくはQRコード(登録商標)、RFIDタグ、チップまたは磁気コード等の機械可読識別子46を備える。
【0035】
上記の例は、単に説明目的のためであり、特許請求の範囲によって規定されるような保護範囲を決して限定するものではない。
【外国語明細書】