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  • 特開-車両用灯具用樹脂製リフレクタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139902
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】車両用灯具用樹脂製リフレクタ
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/37 20180101AFI20230927BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20230927BHJP
   F21V 7/24 20180101ALI20230927BHJP
   F21V 15/00 20150101ALI20230927BHJP
   F21S 41/33 20180101ALI20230927BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230927BHJP
   F21W 102/135 20180101ALN20230927BHJP
【FI】
F21S41/37
F21V7/09 200
F21V7/24
F21V15/00
F21S41/33
F21Y115:10
F21W102:135
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045673
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110004060
【氏名又は名称】弁理士法人あお葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100139745
【弁理士】
【氏名又は名称】丹波 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 由希
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【弁理士】
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】森下 和樹
(57)【要約】      (修正有)
【課題】羅列された複数の前方反射領域を有する反射部を有する変形が生じにくいリフレクタの提供。
【解決手段】羅列された複数の前方反射領域3~6を有する反射部2と、反射部2の上端部2aに一体に成形された上壁部7と、反射部2の下端部に一体に成形された下壁部8と、を有する車両用灯具用樹脂製リフレクタ1において、下壁部8、反射部2及び上壁部7の各外周面上に跨がるように一体形成された、連続補強リブ15~18を有することを特徴とする、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羅列された複数の前方反射領域を有する反射部と、前記反射部の上端部に一体に成形された上壁部と、前記反射部の下端部に一体に成形された下壁部と、を有する車両用灯具用樹脂製リフレクタにおいて、
前記下壁部、前記反射部及び前記上壁部の各外周面上に跨がるように一体形成された、連続補強リブを有することを特徴とする、車両用灯具用樹脂製リフレクタ。
【請求項2】
前記上壁部は、前記反射部の上端部から後方に突出する後壁部を備え、
前記連続補強リブが、前記下壁部、前記反射部及び前記上端部の後壁部の各外周面上に跨がるように連続一体形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具用樹脂製リフレクタ。
【請求項3】
前記上壁部及び下壁部のうち少なくとも一方の肉厚が、前記反射部の肉厚よりも薄く形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具用樹脂製リフレクタ。
【請求項4】
前記連続補強リブが、前記反射部の複数の反射領域の裏面毎に形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具用樹脂製リフレクタ。
【請求項5】
前記連続補強リブが、前記反射部の複数の反射領域の裏面毎に複数ずつ形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具用樹脂製リフレクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
羅列された複数の前方反射領域を有する反射部を有するリフレクタに関する技術。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図1及び図2には、前面視が矩形形状の反射面を有する樹脂反射鏡と、樹脂反射鏡の中央にフィラメント式のヘッドランプバルブ(電球)を1つ配置したヘッドランプが開示されている。
【0003】
特許文献1の樹脂反射鏡は、図2に示すように放物面形状の反射面を有する反射部の上端部から前方に突出する上壁部と、反射部の下端部から前方に突出する下壁部と、邦舞部面形状の反射面の裏側外周面に形成された補強リブ3Cとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-185503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の自動車用ヘッドランプは、光源にLEDを採用するものが多く、LEDヘッドランプの中には、拡散性や照度の低いLEDの光を拡散かつ十分に照射するために、複数のLED光源から出射した光をLED光源毎に左右に羅列配置された反射面を有するリフレクタによって反射し、前照灯用配光パターンを表示するものがある。このようなリフレクタは、全体的に横長になり、反射部の上壁部及び下壁部も横長に形成される。
【0006】
横長に形成された樹脂製リフレクタの上壁部及び下壁部は、成形後に金型から取り外されて冷却硬化する際に、肉厚の違いによって反射部よりも早く冷却硬化する場合がある。上壁部及び下壁部よりも遅れて硬化する反射部には、熱収縮が生じ、上壁部及び下壁部には、反射部に生じた熱収縮によってそれぞれの前端部が内側に倒れるような変形が発生する場合がある。このようにリフレクタの上壁部及び下壁部が内側に倒れる変形は、反射面の一部に変形を生じさせ、特に表示される前照灯配光パターンのカットオフラインの形状に悪影響を及ぼす点で問題となる。
【0007】
本願は、上記問題に鑑みて、冷却固化の際にリフレクタの上壁部及び下壁部において内側に倒れる変形を生じにくく、前照灯配光パターンのカットオフライン形状に悪影響の生じにくい車両用灯具用樹脂製リフレクタを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
羅列された複数の前方反射領域を有する反射部と、前記反射部の上端部に一体に成形された上壁部と、前記反射部の下端部に一体に成形された下壁部と、を有する車両用灯具用樹脂製リフレクタにおいて、前記下壁部、前記反射部及び前記上壁部の各外周面上に跨がるように一体形成された、連続補強リブを設けた。
【0009】
(作用)リフレクタの下壁部及び下壁部の外周壁に設けた補強リブを反射部外周面の補強リブで繋ぐことで連続補強リブとすることにより、金型からの射出時において、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、内側に曲げられにくくなる。
【0010】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタにおいて、前記上壁部は、前記反射部の上端部から後方に突出する後壁部を備え、前記連続補強リブが、前記下壁部、前記反射部及び前記上端部の後壁部の各外周面上に跨がるように連続一体形成されることが望ましい。
【0011】
(作用)上壁部に後壁部を設け、下壁部、反射部に連続する連続補強リブを後壁部の外周まで一体に連続形成することにより、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、更に曲げられにくくなる。
【0012】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタにおいて、前記上壁部及び下壁部のうち少なくとも一方の肉厚が、前記反射部の肉厚よりも薄く形成されることが望ましい。
【0013】
(作用)リフレクタの反射部に生じる熱収縮変形によって上壁部及び下壁部に生じる内側への変形は、上壁部及び下壁部が反射部よりも薄肉に形成される場合に最も発生しやすくなるため、少なくとも一方が反射部よりも薄肉に形成された上壁部及び下壁部に設けた補強リブを反射部外周面の補強リブで繋ぐことで連続補強リブとすることにより、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、内側に曲げられにくくなる。
【0014】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタにおいて、前記連続補強リブが、前記反射部の複数の反射領域の裏面毎に形成されることが望ましい。
(作用)連続補強リブが、反射部の複数の反射領域毎に形成されることにより、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、更に曲げられにくくなる。
【0015】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタにおいて、前記連続補強リブは、前記反射部の複数の反射領域の裏面毎に複数ずつ形成されることが望ましい。
【0016】
(作用)連続補強リブが、反射部の複数の反射領域毎に複数ずつ形成されることにより、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、更に曲げられにくくなる。
【発明の効果】
【0017】
車両用灯具用樹脂製リフレクタによれば、金型からの射出時における冷却固化において、リフレクタの上壁部及び下壁部に内側に倒れる変形が生じにくくなるため、前照灯配光パターンのカットオフライン形状に悪影響が生じにくくなる。
【0018】
また、金型からの射出時における冷却固化において、リフレクタの上壁部及び下壁部に生じる内側方向への変形は、薄肉状で先に冷却固化する上壁部及び下壁部が、後から冷却固化する厚肉部の熱収縮変形の影響を受けることによって生じやすくなるため、本願の車両用灯具用樹脂製リフレクタによれば、リフレクタの厚肉状の反射部に熱収縮が発生しても、反射部から上壁部及び下壁部まで連続形成された1本の連続補強リブで繋がれることにより、上壁部及び下壁部が、内側に曲げられにくくなる。
【0019】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタによれば、反射部の複数の反射領域毎に設けられた連続補強リブにより、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、更に曲げられにくくなる。
【0020】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタによれば、連続補強リブが、反射部の複数の反射領域毎に複数ずつ設けられることで、リフレクタの反射部に熱収縮が発生しても、上壁部及び下壁部が、更に曲げられにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願発明の第1の実施形態にかかる車両用灯具用樹脂製リフレクタの正面図。
図2】本願発明の第1の実施形態にかかる車両用灯具用樹脂製リフレクタを右斜め前方かつ右斜め上方から見た参考斜視図。
図3】本願発明の第1の実施形態にかかる車両用灯具用樹脂製リフレクタを右斜め後方かつ右斜め下方から見た参考斜視図。
図4】本願発明の第1の実施形態にかかる車両用灯具用樹脂製リフレクタを含む車両用灯具について、図1のI-Iの位置で切断したと仮定した参考断面図。
図5】(a)本願発明の第2の実施形態にかかる車両用灯具用樹脂製リフレクタを示す断面図。(b)本願発明の第3の実施形態にかかる車両用灯具用樹脂製リフレクタを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本願発明の車両用灯具用樹脂製リフレクタの第1の実施形態を図1から図4に基づいて説明する。各図においては、車両に対する各方向を(上方:下方:左方:右方:前方:後方=Up:Lo:Le:Ri:Fr:Re)として説明する。
【0023】
図1図2は、一例として、本発明の車両用灯具用樹脂製リフレクタ1を示す。車両用灯具用樹脂製リフレクタ1は、車両の左前照灯用のリフレクタであって、左右に羅列かつ一体化された複数の反射領域3~6を有する反射部2と、反射部2の上端部2a(図4を参照)に一体に形成された上壁部7と、反射部2の下端部2b(図4を参照)に一体化された下壁部8を有し、左右に延びる横長形状に形成される。
【0024】
図1図2に示すように、反射領域3~6は、仕切壁9~11にそれぞれ仕切られた、4つの反射領域として形成される。尚、4つの反射領域3~6は、一例であって、左右に羅列された反射領域は、複数であれば、4つに限られない。反射領域は3~6は、光源の光を前方に反射する鏡面状の反射面3a~6aを有する。下壁部8の上面には、反射面3a~6aの各前端部にそれぞれ対応する位置に設けられた、前後に延びる多数の溝状凹凸部からなるローレット8a~8dが設けられる。また、仕切壁9~11にもまた、多数の溝状凹凸部からなるローレット9a~11aが設けられる。
【0025】
また、図2に示すように、上壁部7には、反射領域3~6毎に光源基板(図4にて、反射領域5の光源基板12のみ図示。他の光源基板は、同一の構成を有するが、図示せず)を固定するための上下の貫通孔である光源取付孔3b~6bが、それぞれ設けられる。図4に示すように、光源基板12は、LED発光素子等からなる光源13と基板14によって構成され、光源13を下向きにして光源取付孔5bに挿通させた状態で、上壁部7の上面7a(外周面)に固定される。
【0026】
また、図3に示すように、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1の上壁部7には、反射部2を形成する反射領域3~6のそれぞれの上端部2aから後方に延出する後壁部7bが設けられる。また、反射部の反射領域3~6の裏面(外周面)には、各反射領域3~6の左右の中央に、連続補強リブ15~18が、1つずつ設けられている。連続補強リブ15~18は、下壁部8の下面(外周面)、各反射領域3~6の裏面(外周面)及び上壁部の下面(外周面)にそれぞれ跨がるようにそれぞれ一体形成されている。
【0027】
図3に示すように、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1には、後方に延出形成された、上下エイミングスクリュー用ブラケット19、左右エイミングスクリュー用ブラケット20及びエイミング支点ブラケット21が、設けられる。図4に示すように、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1は、上下エイミングスクリュー用ブラケット19及び左右エイミングスクリュー用ブラケット20にそれぞれ設けられるエイミングナット(図示せず)に螺着された、上下エイミングスクリュー24及び左右エイミングスクリュー(図示せず)と、エイミング支点ブラケット21に設けられる球孔状のエイミング支点受部(図示せず)に揺動自在に取り付けられたエイミング支点部材25により、ランプボディ22に固定される。車両用灯具用樹脂製リフレクタ1は、ランプボディ22と前面カバー23の内側の灯室S内に設けられて、車両用灯具である左車両用前照灯の一部を構成し、上下エイミングスクリュー24及び左右エイミングスクリュー(図示せず)により、上下左右に傾動調整される。
【0028】
図4に示すように、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1の反射部を形成する反射領域5(反射領域3,4,6も同様)の肉厚t1は、上壁部7及び下壁部8のj各肉厚t2よりも厚肉に形成される(t1>t2とする)ことがより望ましいが、同じ厚さ(t1=t2)としてもよい。また、上壁部7と下壁部8の肉厚は、異なる寸法としても良い。
【0029】
尚、図1から図4に示す車両用灯具用樹脂製リフレクタ1を金型から射出すると、上壁部7及び下壁部8が、先に冷却固化し、これらよりも厚肉の反射部2(反射領域3~6)が、後から冷却固化する。図3及び図4に本実施形態の車両用灯具用樹脂製リフレクタ1には、反射領域3~6の裏面に、それぞれ連続補強リブ15~18を設けているが、仮に連続補強リブ15~18を設けていない場合、図1に示す、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1の上壁部7の左右の中央部7dは、反射領域3~6に後から生じる熱収縮変形によって下向きに凸となるように湾曲し、下壁部8の左右の中央部8fもまた、上向きに凸となるように湾曲し、上壁部7及び下壁部8の中央が、共に内側に倒れるように変形するという問題を生じる。
【0030】
車両用灯具用樹脂製リフレクタ1によれば、反射領域3~6の各裏面に、後方に突出する連続補強リブ15~18が設けられており、連続補強リブ15~18は、図4の連続補強リブ17と同一の形態を有する。連続補強リブ17は、下壁部8の下面8eに一体化された第1リブ17a、反射領域5の裏面に一体化された第2リブ17b及び上壁部7の後壁部7bの下面7cに一体化された第3リブ17cを1本に連続一体形成したリブであるため、上壁部7及び下壁部8の各中央を内側に変形させにくくする。連続補強リブ15~18は、上壁部7を倒れる変形を防止することにより、3b~6b光源取付孔の変形を防止するため、取り付けた光源基板12の光源13における取付位置のずれを防止する。
【0031】
また、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1の上壁部7及び下壁部8の変形は、反射領域3~6のカットオフライン構成面の変形を生じさせることにより、配光パターンを本来求められる形状から逸脱した形状に変形させるため、連続補強リブ15~18によって上壁部7及び下壁部8の変形を防止する、本実施形態の車両用灯具用樹脂製リフレクタ1によれば、所定形状から逸脱した配光パターンの変形が生じにくくなる。図4に示すように、光源13から出射した光L1は、反射領域5の反射面5aや、ローレット8cによって前面レンズ23の前方に反射され、反射面5aによる反射光L1は、変形のない所定形状の配光パターンを表示する。
【0032】
尚、本実施形態において、図3に示すように、反射部2の反射領域3~6毎に設けられた連続補強リブ15~18は、必ずしも反射領域毎に設けなくても良いが、上壁部7及び下壁部8のより強固な変形防止を実現する観点から、出来るだけ反射領域3~6毎に設けることが望ましい。また、連続補強リブ15~18は、本実施形態のように反射領域毎に1箇所ずつ設けることに限られず、各反射領域に複数ずつ連続補強リブを設けることが、より望ましい。
【0033】
次に、図5(a)により、本願の車両用灯具用樹脂製リフレクタの第2の実施形態をそれぞれ説明する。第2の実施形態における車両用灯具用樹脂製リフレクタ31は、連続補強リブ35の形態が、第1の実施形態における連続補強リブ15~18と異なる他、車両用灯具用樹脂製リフレクタ1と共通の構成を有する。
【0034】
具体的には、図4及び図5(a)に示す通り、第1の実施形態における連続補強リブ17は、第3リブ17cを上壁部7の後壁部7bの下面7cにのみ設けているが、第2の実施形態における連続補強リブ35は、第3リブ35cを、後壁部7bの下面7c(外周面)のみならず、後面7e(外周面)、上面7f(外周面)にも一体に設けてある点で、連続補強リブ17と異なる。第3リブ35cは、下壁部8に一体化される第1リブ35a及び反射領域5の裏面に設けられる第2リブ35bと1本になるように連続一体形成される。連続補強リブ35は、第3補強リブ35cが、後壁部7bの後面7e及び上面7fにも形成されることにより、反射部2の熱収縮変形時において、第1の実施形態の連続補強リブ15~18よりも強く、上壁部7及び下壁部8の内側に倒れる変形を防止する。
【0035】
次に、図5(b)により、本願の車両用灯具用樹脂製リフレクタの第3の実施形態をそれぞれ説明する。第3の実施形態における車両用灯具用樹脂製リフレクタ41は、反射部2’の上壁部7’が、第1の実施形態における上壁部7と異なり、後壁部7bを備えていないため、連続補強リブ45の形態が、連続補強リブ15~18と異なる他、第1の実施形態における車両用灯具用樹脂製リフレクタ1と共通の構成を有する。
【0036】
図5に示す、連続補強リブ45は、下壁部8’の下面8e’に一体化された第1リブ45a、反射領域5’の裏面に一体化された第2リブ45b及び後壁部を備えない上壁部7’の上面7f’(外周面)に一体化された第3リブ45cを1本に連続一体形成したリブである。本実施形態の連続補強リブ45によれば、上壁部に後壁部を有さない車両用灯具用樹脂製リフレクタであっても、第3リブ45cを上壁部7’の上面7f’に設けることで、上壁部7’及び下壁部8が、共に内側に倒れる変形を防止することが出来る。
【符号の説明】
【0037】
1 車両用灯具用樹脂製リフレクタ
2 反射部
2a 上端部
2b 下端部
3~6 反射領域
3a~6a 反射面
7 上壁部
7a 上面
7b 後壁部
7c 下面
7e 後面
7f 上面
8 下壁部
8e 下面
9~11 仕切壁
15~18 連続補強リブ
t1 反射部の肉厚
t2 上壁部及び下壁部の肉厚
図1
図2
図3
図4
図5