IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通テン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図1
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図2
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図3
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図4A
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図4B
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図5
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図6
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図7A
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図7B
  • 特開-情報通知装置および情報通知方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139918
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報通知装置および情報通知方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230927BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045695
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三谷 将哲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】情報提供者が提供する情報を、当該情報の利用対象であるユーザの状況に応じて適切に通知することができる技術を提供する。
【解決手段】例示的な本発明の情報通知装置は、情報提供者が提供する提供情報を当該提供情報の利用対象となるユーザに通知する情報通知装置であって、前記ユーザの行動に関する情報である行動情報、および、前記提供情報を含む複数種類の情報を取得する処理部を備える。前記処理部は、前記行動情報を用いて前記ユーザの疲労度を推定し、前記提供情報を前記疲労度に応じて通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供者が提供する提供情報を当該提供情報の利用対象となるユーザに通知する情報通知装置であって、
前記ユーザの行動に関する情報である行動情報、および、前記提供情報を含む複数種類の情報を取得する処理部を備え、
前記処理部は、
前記行動情報を用いて前記ユーザの疲労度を推定し、
前記提供情報を前記疲労度に応じて通知する、情報通知装置。
【請求項2】
前記複数種類の情報には、前記ユーザの現在位置を示す現在位置情報が含まれ、
前記処理部は、前記提供情報の通知に際して前記疲労度に加えて前記現在位置情報を用いる、請求項1に記載の情報通知装置。
【請求項3】
前記複数種類の情報には、前記ユーザの属性を示す属性情報が含まれ、
前記処理部は、前記提供情報の通知に際して前記疲労度に加えて前記属性情報を用いる、請求項1又は2に記載の情報通知装置。
【請求項4】
前記処理部は、通信ネットワークを介して前記行動情報を取得する、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報通知装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記疲労度の推定に際して、前記ユーザの複数の身体部位ごとの疲労度を推定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報通知装置。
【請求項6】
前記提供情報には、クーポン情報および移動手段情報のうちの少なくとも一方が含まれる、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報通知装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記疲労度に応じて通知対象となる前記提供情報を決定し、前記通知対象に決定された前記提供情報を前記ユーザが使用可能な端末装置に送信する、請求項1から6のいずれか1項に記載の情報通知装置。
【請求項8】
前記複数種類の情報には、前記ユーザがイベントに参加したか否かの情報が含まれ、
前記処理部は、前記イベントへの参加者と非参加者とで、前記ユーザに通知する前記提供情報の決定の仕方を異ならせる、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報通知装置。
【請求項9】
情報提供者が提供する提供情報を当該提供情報の利用対象となるユーザに通知する情報通知装置を用いて行われる情報通知方法であって、
前記ユーザの行動に関する情報である行動情報を用いて前記ユーザの疲労度を推定するステップと、
前記提供情報を前記疲労度に応じて通知するステップと、
を備える、情報通知方法。
【請求項10】
前記提供情報を前記ユーザが利用可能な端末装置に送信して画面に表示させる、請求項9に記載の情報通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供者が提供する情報を当該情報の利用対象となるユーザに通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗で特典を受けられる電子クーポンを携帯端末等のユーザ端末に電子的に配布する技術が知られる(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、ユーザ端末からの閲覧要求に基づいて、ユーザ端末の位置する現在地情報を基準とした所定範囲内に配置された電子クーポンを、現在地情報に基づいてユーザ端末に表示させることが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-128774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザの現在地からクーポンを利用できる店舗までの距離が遠いと感じられる場合、ユーザは、当該クーポンの利用を諦めることが多いと考えられる。しかし、現在値からクーポンが利用できる店舗までの距離が遠いと感じるか否かは、個人個人によって異なると考えられる。また、遠いと感じるか否かは、その時の身体の状態等によっても異なると考えられる。このために、従来においては、各個人に適したクーポン情報を通知できていない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、情報提供者が提供する情報を、当該情報の利用対象であるユーザの状況に応じて適切に通知することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な本発明の情報通知装置は、情報提供者が提供する提供情報を当該提供情報の利用対象となるユーザに通知する情報通知装置であって、前記ユーザの行動に関する情報である行動情報、および、前記提供情報を含む複数種類の情報を取得する処理部を備える。前記処理部は、前記行動情報を用いて前記ユーザの疲労度を推定し、前記提供情報を前記疲労度に応じて通知する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、情報提供者が提供する情報を、当該情報の利用対象となるユーザの状況に応じて適切に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報通知システムの概略構成を示す図
図2】情報通知装置の構成を示すブロック図
図3】メモリ部に蓄積される情報の一例を示す図
図4A】ユーザが参加するイベントの種類と、疲労部位および疲労度との関係を例示するテーブル
図4B】ユーザの歩数情報と疲労度との関係を例示するテーブル
図5】情報通知方法の流れを例示するフローチャート
図6】各店舗のクーポン情報をユーザへの通知対象とするか否かを判定する手法例を説明するための図
図7A】ユーザ端末におけるクーポン情報の画面表示例を示す図
図7B】ユーザ端末におけるクーポン情報の画面表示例を示す図
図8】変形例の情報通知装置のメモリ部に蓄積される情報を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
<1.情報通知システムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報通知システム100の概略構成を示す図である。情報通知システム100は、当該システム100を利用するユーザからの要求に応じて、要求を行ったユーザに情報を通知するシステムである。図1に示すように、情報通知システム100は、情報通知装置1と、ユーザ端末2と、提供情報管理サーバ3と、イベント管理サーバ4とを備える。
【0011】
情報通知装置1は、情報提供者が提供する提供情報を当該提供情報の利用対象となるユーザに通知する。情報提供者は、例えば、サービスを提供するサービス提供者や、店舗で商品を販売する販売者等である。サービス提供者は、例えば、飲食物を提供する飲食店の経営者、カラオケ施設等の娯楽施設を提供する施設経営者、タクシーの配車を管理する事業者、又は、旅行ツアーを企画する事業者等である。
【0012】
提供情報には、クーポン情報および移動手段情報のうち少なくとも一方が含まれることが好ましい。これにより、各ユーザに対してお薦めのクーポン情報の提供や、タクシー等の移動手段の利用案内等を行い易くすることができる。
【0013】
なお、クーポン情報は、商品の販売やサービスの利用の促進を図るために配布される特典情報である。クーポン情報には、例えば、優待券情報や割引券情報が含まれる。移動手段情報は、ユーザが移動に用いる手段に関わる情報であり、好ましくは、ユーザに対して移動手段の提案を行う情報(移動手段提案情報)である。移動手段情報は、例えばタクシーの配車案内等であってよい。提供情報には、ユーザに対して提供される推奨情報が広く含まれてよく、例えば、旅行ツアーにおけるオプショナルツアーの情報等が含まれてもよい。
【0014】
情報通知装置1は、インターネット等の通信ネットワーク5と、有線又は無線によって接続可能に設けられる。情報通知装置1の詳細については後述する。
【0015】
ユーザ端末2は、クーポン情報等の提供情報の利用対象となるユーザが所有する端末装置である。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末2は、好ましくは、スマートフォン等の携帯端末である。ユーザ端末2は、通信ネットワーク5と有線又は無線によって接続可能に設けられる。ユーザ端末2と情報通知装置1とは、通信ネットワーク5を介して通信可能に設けられる。情報通知装置1は、ユーザ端末2から各種の情報を取得できる。情報通知装置1は、ユーザ端末2へ情報を送信することができる。なお、図1に示す例では、通信ネットワーク5に接続されるユーザ端末2の数は1つであるが、通信ネットワーク5に接続されるユーザ端末2の数は複数であることが好ましい。
【0016】
提供情報管理サーバ3は、クーポン情報等の提供情報の管理を行うサーバである。当該サーバは、物理サーバであっても、クラウドサーバであってもよい。提供情報管理サーバ3は、例えばクーポン情報等を提供する情報提供者自身が管理するサーバであってよい。また、提供情報管理サーバ3は、複数の情報提供者の提供情報(クーポン情報等)を一括して取り扱う事業者が管理するサーバであってもよい。提供情報管理サーバ3は、通信ネットワーク5と有線又は無線によって接続可能に設けられる。提供情報管理サーバ3と情報通知装置1とは、通信ネットワーク5を介して通信可能に設けられる。情報通知装置1は、提供情報管理サーバ3からクーポン情報等の提供情報を取得することができる。
【0017】
なお、図1に示す例では、通信ネットワーク5に接続される提供情報管理サーバ3の数は1つであるが、通信ネットワーク5に接続される提供情報管理サーバ3の数は複数であってよい。また、クーポン情報等の提供情報は、通信ネットワーク5を介することなく情報通知装置1に与えられる構成としてもよく、この場合には、情報通知システム100は、提供情報管理サーバ3を備えなくてもよい。
【0018】
イベント管理サーバ4は、イベントに関わる管理を行うサーバである。当該サーバは、物理サーバであっても、クラウドサーバであってもよい。イベント管理サーバ4は、通信ネットワーク5と有線又は無線によって接続可能に設けられる。詳細には、イベント管理サーバ4は、イベント予約用のウェブサイト(web site)を管理する構成であってよい。例えば、イベント管理サーバ4が管理するウェブサイトには、予約可能なイベントの、種別、開催日時、および、会場等のイベント情報が含まれる構成であってよい。この場合、情報通知装置1は、イベント予約用のウェブサイトからイベントの開催日時等のイベント情報を取得することができる。
【0019】
また、イベント管理サーバ4は、イベントへの予約を行った者の情報を管理する構成であってよい。この場合において、イベント管理サーバ4と情報通知装置1とは、通信ネットワーク5を介して通信可能に設けられてよい。これにより、情報通知装置1は、イベント管理サーバ4からイベント予約者の情報を取得することができる。
【0020】
なお、図1に示す例では、通信ネットワーク5に接続されるイベント管理サーバ4の数は1つであるが、通信ネットワーク5に接続されるイベント管理サーバ4の数は複数であってよい。また、イベント管理サーバ4は、本発明に必須の構成ではない。すなわち、情報通知システム100は、イベント管理サーバ4を備えなくてもよい。
【0021】
<2.情報通知装置の詳細>
本実施形態では、情報通知装置1は、コンピュータ装置によって構成されるサーバである。情報通知装置1は、物理サーバであってもクラウドサーバであってもよい。なお、本発明の情報通知装置は、単数のサーバで構成されても、複数のサーバで構成されてもよい。また、本発明の情報通知装置は、サーバだけでなく、サーバと端末とで構成されてもよい。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る情報通知装置1の構成を示すブロック図である。なお、図2においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素を示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。図2に示すように、情報通知装置1は処理部11を備える。情報通知装置1は、メモリ部12および通信部13をさらに備える。なお、情報通知装置1は、キーボード等の入力装置や、ディスプレイ等の出力装置を備える構成であってもよい。
【0023】
処理部11は、演算処理等を行うプロセッサを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成されてよい。処理部11は、1つのプロセッサで構成されてもよいし、複数のプロセッサで構成されてもよい。複数のプロセッサで構成される場合には、それらのプロセッサは互いに通信可能に接続されればよい。
【0024】
メモリ部12は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含んで構成される。揮発性メモリには、例えばRAM(Random Access Memory)が含まれてよい。不揮発性メモリには、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又は、ハードディスドライブが含まれてよい。不揮発性メモリには、コンピュータにより読み取り可能なプログラムおよびデータが格納される。
【0025】
通信部13は、通信ネットワーク5に接続するためのインターフェース回路を有する通信インターフェースとして構成される。
【0026】
図2に示すように、処理部11は、その機能として、情報取得部111と、疲労度推定部112と、通知部113とを備える。本実施形態においては、処理部11の機能は、メモリ部12に記憶されるプログラムにしたがった演算処理をプロセッサが実行することによって実現される。
【0027】
なお、本実施形態の範囲には、情報通知装置1の少なくとも一部の機能をプロセッサ(コンピュータ)に実現させるコンピュータプログラムが含まれてよい。また、本実施形態の範囲には、そのようなコンピュータプログラムを記録するコンピュータ読取り可能な不揮発性記録媒体が含まれてよい。不揮発性記録媒体には、例えば、上述の不揮発性メモリの他、光記録媒体(例えば光ディスク)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、USBメモリ、SDカード等が含まれてよい。
【0028】
また、各機能部111~113は、1つのプログラムにより実現されてもよいが、例えば、機能部ごとに別々のプログラムにより実現される構成としてもよい。また、各機能部111~113が別々のサーバとして実現されてもよい。また、各機能部111~113は、上述のように、プロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現されてよいが、他の手法により実現されてもよい。各機能部111~113は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて実現されてもよい。すなわち、各機能部111~113は、専用のIC等を用いてハードウェアにより実現されてもよい。また、各機能部111~113は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現されてもよい。また、各機能部111~113は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能が、複数の構成要素に分散されてよい。また、複数の構成要素が有する機能が1つの構成要素に統合されてもよい。
【0029】
情報取得部111は、装置1の外部から情報を取得する。情報取得部111は、例えば通信ネットワーク5および通信部13を介して外部から情報を取得する。通信ネットワーク5を介して得られる情報には、ウェブサイトの情報、ユーザ端末2からの情報、他のサーバ(提供情報管理サーバ3やイベント管理サーバ4等)からの情報が含まれてよい。また、情報取得部111は、情報通知装置1と接続される入力装置、または、情報通知装置1が備える入力装置を利用した手入力によって外部から情報を取得してもよい。また、情報取得部111は、光ディスク等の記録媒体から情報を読み取ることにより、外部から情報を取得してもよい。
【0030】
情報取得部111は、外部から取得した情報をメモリ部12に蓄積する。好ましくは、情報取得部111は、外部から取得した情報をデータベース化してメモリ部12に蓄積する。なお、メモリ部12にデータベース化して蓄積された情報の少なくとも一部は、所定期間が過ぎた時点で削除されてもよい。図3は、メモリ部12に蓄積される情報の一例を示す図である。図3において、「DB」は「データベース」のことである。図3に示すように、メモリ部12には、例えば、地図情報データベース121と、提供情報データベース122と、イベント情報データベース123と、行動情報データベース124とが格納されている。
【0031】
地図情報データベース121に含まれる地図情報は、例えば光ディスク等の記録媒体や、ウェブサイトから取得することができる。
【0032】
提供情報データベース122に含まれるクーポン情報等の提供情報は、例えば提供情報管理サーバ3等から取得される。提供情報は、情報取得部111からの要求によって取得される構成でも、提供情報管理サーバ3から定期的に配信される構成であってもよい。提供情報は、例えば、店舗情報と関連付けられて提供情報データベース122に格納される。店舗情報には、例えば、店舗の位置、ジャンル、特徴等が含まれてよい。店舗のジャンルには、例えば、飲食店や娯楽施設等が含まれてよい。娯楽施設には、例えばカラオケが含まれてよい。店舗の特徴には、例えば、座席の有無、座席数、個室の有無、店の雰囲気等が含まれてよい。
【0033】
イベント情報データベース123に含まれるイベント情報は、例えばイベント予約サイト(ウェブサイト)から取得される。イベント情報は、情報取得部111からの要求によって取得される構成でも、イベント管理サーバ4から定期的に配信される構成であってもよい。イベント情報データベース123に格納されるイベント情報には、例えば、イベント名、イベントの種別、イベントの開催日時、イベント会場等が含まれる。イベントの種別には、例えば、ライブ、音楽フェスティバル、スポーツ観戦、百貨店の催事、アイドルとそのファンとの集い等が含まれてよい。なお、イベント情報は、例えばユーザ端末2において撮影されたイベントのチケット画像から取得されてもよい。
【0034】
行動情報データベース124に含まれる行動情報は、ユーザの行動に関する情報である。なお、ここで言うユーザは、クーポン情報等の提供情報の利用対象者である。行動情報は、例えば、個々のユーザを識別可能とする識別情報と関連付けられて行動情報データベース124に格納される。行動情報は、例えば、ユーザの、イベントへの参加に関わる情報、所定期間における歩数情報、所定期間における移動距離情報、所定期間における睡眠時間情報、起床時間情報、イベント会場までの移動手段に関する情報等であってよい。イベントへの参加に関わる情報は、ユーザがイベントに参加する日時等であってよい。
【0035】
行動情報は、例えば、イベント管理サーバ4やユーザ端末2から取得される。行動情報は、情報取得部111からの要求によって取得される構成でも、イベント管理サーバ4やユーザ端末2から定期的に配信される構成であってもよい。詳細には、ユーザのイベントへの参加情報は、イベント管理サーバ4やユーザ端末2から取得することができる。例えば、ユーザ端末2からユーザのイベントへの参加情報を取得する場合には、ユーザ端末2にインストールされたスケジュールアプリの機能が利用されてよい。なお、アプリは、アプリケーションソフトウェアの略語である。また、ユーザ端末2がカメラによる撮影機能を備える場合、カメラによるチケットの撮影情報からイベントへの参加情報が取得されてもよい。
【0036】
また、ユーザの歩数情報、睡眠時間情報、イベント会場までの移動手段に関する情報等も、ユーザ端末2にインストールされるアプリの機能を利用して取得されてよい。なお、ユーザ端末2は、ユーザの歩数情報や睡眠時間情報等を、自身が有する計測機能を利用して取得する構成でも、ユーザが身に着けるウェアラブル端末の計測機能を利用して取得する構成でもよい。ユーザ端末2がウェアラブル端末であってもよい。
【0037】
以上からわかるように、処理部11は複数種類の情報を取得する。複数種類の情報には、ユーザの行動に関する情報である行動情報、および、情報提供者が提供する提供情報が含まれる。そして、処理部11は、通信ネットワーク5を介して行動情報を取得する。このような構成とすることで、ユーザの行動に関する種々の情報を容易に取得することができる。通信ネットワーク5を利用してユーザ端末2やウェブサイトを管理する管理サーバから情報を自動的に取得することができ、ユーザが情報を入力する手間を省くことができる。なお、行動情報は、例えば、ユーザがユーザ端末2に手入力した情報であってもよい。
【0038】
本実施形態では、複数種類の情報には、地図情報およびイベント情報がさらに含まれる。複数種類の情報には、ユーザの現在位置を示す現在位置情報が含まれることが好ましい。ユーザの現在位置情報は、例えば、ユーザ端末2が備えるGPS(Global Positioning System)機能によって取得されるユーザ端末2の現在位置情報であってよい。
【0039】
疲労度推定部112は、行動情報を用いてユーザの疲労度を推定する。すなわち、処理部11は、行動情報を用いてユーザの疲労度を推定する。ユーザの疲労度は、例えば、疲労の度合を数値化したデータであっても、疲労の度合をランク分けしたデータであってもよい。疲労度は、例えば、ユーザの様々な行動情報と、当該行動情報に対する疲労に関わるデータとを蓄積して、経験的に決められる構成であってよい。疲労に関わるデータは、ユーザの感想を統計的に分類したデータや、心拍数等の生体データ等であってよい。
【0040】
本実施形態では、疲労度は、ユーザの複数の身体部位ごとに推定される。すなわち、処理部11は、疲労度の推定に際して、ユーザの複数の身体部位ごとの疲労度を推定する。このような構成によれば、ユーザの漠然とした疲労度ではなく、ユーザの身体部位のいずれが疲労しているかを把握することができる。この結果、クーポン情報等の提供情報の、ユーザへの通知をより適切に行うことができる。ユーザの身体部位としては、例えば、足、手、腕、腰、目、喉などが挙げられる。なお、疲労には肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労が含まれてもよく、身体部位の分類の中に「精神」が含まれてもよい。
【0041】
例えば、行動の種類ごとに、身体の疲労部位および疲労度が関連付けられたテーブルが予め作成され、当該テーブルがメモリ部12に記憶されている構成としてよい。このようにすれば、疲労度推定部112は、情報取得部111で取得したユーザの行動情報に応じてユーザの身体部位ごとの疲労度を推定することができる。
【0042】
図4Aは、ユーザが参加するイベントの種類と、疲労部位および疲労度との関係を例示するテーブルである。図4Aにおいて、「A」、「B」、「C」は、疲労度のランクである。疲労度「A」が最も疲労度が大きい。疲労度「C」が最も疲労度が小さい。疲労度「A」、「B」、「C」の順に、疲労度が小さくなる。なお、図4Aでは、疲労度は、3つランクに分類されているが、2つ又は4つ以上に分類されてもよい。
【0043】
図4Aに示す例では、ライブに参加したユーザの疲労度が大きい身体部位は、「足」および「喉」である。ライブにおいては、参加者は長時間立った姿勢となることが多く、足の疲労が大きくなるためである。また、ライブにおいては、参加者が叫ぶことが多く、参加者の喉の疲労が大きくなり易いためである。
【0044】
また、図4Aに示す例では、スポーツ観戦に参加したユーザの疲労度が大きい身体部位は、「腰」である。スポーツ観戦においては、長時間座った姿勢となることが多く、腰の疲労が大きくなるためである。なお、スポーツ観戦においては、選手やボールの動きを目で追う時間が長くなり易いために、目の疲労度のランクが最低ランクより1つ高いランクに設定されている。また、スポーツ観戦においては、選手を応援するために大きな声を出すことがあるために、喉の疲労度のランクが最低ランクより1つ高いランクに設定されている。
【0045】
また、図4Aに示す例では、百貨店催事に参加したユーザの疲労度が大きい身体部位は、「腕」(又は「手」)である。百貨店催事においては、多くの荷物を持ち運ぶことが多く、腕の疲労が大きくなるためである。なお、百貨店催事においては、多くの荷物を持って歩き回ることになり易いために、足の疲労度のランクが最低ランクより1つ高いランクに設定されている。
【0046】
その他、図4Aには示されないが、歩き回るイベントである音楽フェスティバルや展示会等に参加したユーザの疲労度が特に大きい(ランク「A」となる)身体部位は、例えば「足」である。また、座れるイベントである映画鑑賞に参加したユーザの疲労度が特に大きい身体部位は、例えば「腰」である。また、荷物が多くなり易いアニメやアイドルのファインイベントに参加したユーザの疲労度が特に大きい身体部位は、例えば「腕」または「手」である。また、照明等が明るいイベントに参加したユーザの疲労度が特に大きい身体部位は、例えば「目」である。照明が明るいイベントは、例えば、屋内でスポットライトを使うライブイベント等である。
【0047】
また、図4Aに示す例では、野球やサッカーといったスポーツの観戦を1つのジャンルにまとめているが、スポーツの種類によってスポーツ観戦における疲労度が出やすい身体部位が異なる可能性がある。このために、スポーツ観戦の種類を細分化して疲労度を推定する構成としてよい。例えば、野球観戦とサッカー観戦とを別のジャンルとして疲労度を推定する構成としてよい。野球観戦ではイニングごとに切れ目があるために、サッカー観戦に比べて座ったままの姿勢となる時間が短くなる傾向がある。このために、野球観戦とサッカー観戦とで腰の疲労度に差を設けてもよい。なお、ジャンルの細分化を行ってよい点は、ライブ等の他のイベント種類にも当てはまる。
【0048】
また、イベント情報に座席情報が含まれる場合には、当該座席情報も加味して疲労度が推定されてよい。例えば、スタンディング席では「足」の疲労度が大きいと推定されてよい。また、VIP席では、他の座席に比べて「腰」の疲労度が小さいと推定されてよい。また、イベント情報からイベントの時間的な長さが分かる場合には、当該時間的長さを加味して疲労度が推定されてよい。
【0049】
図4Bは、ユーザの歩数情報と疲労度との関係を例示するテーブルである。図4Bにおいても、図4Aと同様に、「A」、「B」、「C」は、疲労度のランクである。疲労度「A」、「B」、「C」の順に、疲労度が小さくなる。なお、歩数情報は、所定期間にどれだけ歩いたかを示す情報である。所定期間は、例えば、起床してから当該疲労度を推定するまでの期間である。歩数情報は、例えば、「足」の疲労度を推定するために利用される。図4Bに示すように、歩数が多くなると、足の疲労度は大きくなる。歩数情報は、上述のように、例えばユーザ端末2から取得することができる。
【0050】
なお、図4Bに示す例では、身体部位の疲労度と関係する数値化された行動情報が、歩数情報である。ただし、これは例示である。身体部位の疲労度と関係する数値化された行動情報は、例えば、移動距離情報、起床時間情報、睡眠時間情報、会計情報等であってもよい。これらの情報は、例えばユーザ端末2から取得することができる。起床時間が朝早い場合や睡眠時間が短い場合に、例えば身体部位の全体が、疲労度が大きいと推定してよい。また、起床時間が朝早い場合や睡眠時間が短い場合に、例えば精神的な疲労度が大きいと推定してもよい。数値化された情報を用いることにより、疲労度をより正確に推定することが可能になる。
【0051】
なお、会計情報は、例えば、ユーザが百貨店催事等の荷物が多くなり易いイベントに参加しているという情報と共に利用することができる。ユーザのイベント参加中の会計情報から、ユーザが購入した荷物が多いか否かを推定することができ、この結果、ユーザの「腕」又は「手」の疲労度を推定することができる。このように、複数種類の行動情報を組み合わせて疲労度が推定されてもよい。例えば、ユーザのイベント参加情報と、イベント会場までの移動手段情報とを組み合わせて、疲労度が推定されてもよい。詳細には、情報取得部111によって取得される情報から、ユーザが自身で車の運転をしてイベントに参加したと判定される場合に、例えば身体部位の全体の疲労や、精神的な疲労が大きいと推定する構成としてよい。
【0052】
通知部113は、クーポン情報等の提供情報をユーザの疲労度に応じて通知する。すなわち、処理部11は、提供情報を疲労度に応じて通知する。このような構成とすると、ユーザの疲労度が大きい場合に、例えば遠距離に存在する店舗のクーポン情報を通知するといったことを無くすことができ、ユーザに適切なクーポン情報を通知することができる。すなわち、ユーザの利便性や満足度を向上することができる。また、ユーザの疲労度に応じて提供情報を通知することにより、例えば特定の店舗のクーポン情報が偏ってユーザに通知されることを抑制することができる。この結果、例えば各店舗における客の来店の機会損失を低減して地域の活性化を図ることができる。また、例えば、特定の店舗にユーザが集中することを抑制して混雑緩和を図ることができる。
【0053】
なお、通知部113は、クーポン情報等の提供情報の通知に際に、疲労度に加えてユーザの現在位置を示す現在位置情報をさらに用いることが好ましい。すなわち、処理部11は、提供情報の通知に際して疲労度に加えて現在位置情報を用いることが好ましい。これにより、ユーザの疲労度に加えてユーザの現在位置を加味した適切な情報の通知を行うことができる。
【0054】
通知部113は、疲労度に応じて通知対象となる提供情報を決定し、通知対象に決定された提供情報をユーザが使用可能な端末装置に送信する構成であってよい。すなわち、処理部11は、疲労度に応じて通知対象となる提供情報を決定し、通知対象に決定された提供情報をユーザが使用可能な端末装置に送信する構成であってよい。このような構成とすると、通知対象となる提供情報の数を疲労度に応じて絞ることができる。この結果、端末装置に対して送信する情報を少なくすることができ、送信負担や、端末装置側の処理負担を低減することができる。
【0055】
ただし、通知部113は、疲労度に応じて提供情報に関する通知の優先度(優先順位)を決定して、優先度情報を各提供情報に付して、ユーザが使用可能な端末装置に通知する構成であってもよい。この構成では、端末装置側において、優先度に応じてユーザへの通知の仕方を選択することができる。端末装置は、例えば、提供情報を優先度に応じて色分けして表示することができる。また、端末装置は、例えば、優先度が高い方から順に所定順位以内に絞って提供情報を表示することができる。
【0056】
なお、ユーザが使用可能な端末装置は、通信ネットワーク5を介して情報通知装置1と通信可能な端末装置である。当該端末装置は、好ましくはユーザ端末2である。ただし、ユーザが使用可能な端末装置は、ユーザが個人的に所有する端末装置ではなく、複数の者が共用して利用できる端末装置であってもよい。
【0057】
疲労度に応じて通知対象となる提供情報を決定するに際して、通知部113は、次のような処理を行ってよい。例えば、通知部113は、足の疲労度が大きい(例えば、上述の疲労ランク「A」)ユーザに対して、ユーザの現在位置から遠い店舗や立ち飲みの店の提供情報を、通知対象から除外するか、通知の優先度を下げてよい。また、例えば、通知部113は、喉の疲労度が大きいユーザに対して、カラオケ店の提供情報を通知対象から除外するか、通知の優先度を下げてよい。また、例えば、通知部113は、腰の疲労度が大きいユーザに対して、運動を促すことを意図してユーザの現在位置から遠い店舗の提供情報を。通知対象とするか、通知の優先度を上げてよい。また、例えば、通知部113は、腕の疲労度が大きいユーザに対して、個室を備える飲食店の提供情報を、通知対象とするか、通知の優先度を上げてよい。また、例えば、通知部113は、目の疲労度が大きいユーザに対して、照明が暗めの落ち着いた店舗の提供情報を、通知対象とするか、通知の優先度を上げてよい。
【0058】
なお、通知部113は、足の疲労度が小さいユーザに対して、例えば健康促進等を理由として、ユーザの現在位置から少し距離が遠い店舗の提供情報を、敢えて通知対象とするか、通知の優先度を上げてもよい。このような決定を行うに際して、例えば、ユーザが予め設定した歩数の目標値や、ユーザの普段の平均歩数情報等が疲労度に合わせて利用されてもよい。また、例えば、通知部113は、いずれの身体部位も疲労していないと推定される場合に、ユーザの現在位置から遠い店舗の提供情報を、積極的に通知対象とするか、通知の優先度を上げてよい。
【0059】
通知部113は、例えば、ユーザの現在位置から所定範囲(距離範囲)内に存在する店舗の提供情報であって、通知対象から除外されなかった店舗の提供情報を最終的な通知対象に決定してよい。また、例えば、通知部113は、ユーザの現在位置から所定範囲(距離範囲)内に存在する店舗の提供情報であって、優先度が高い方から順に所定順位以内に入る店舗の提供情報を最終的な通知対象に決定してもよい。優先順位は、例えば、ユーザの疲労度と、店舗の詳細を示す登録情報とに基づいて決定されてよい。登録情報は、例えば、店舗の位置、店舗の座席数、個室の有無、店の雰囲気等を含んでよい。
【0060】
<3.情報通知方法>
次に、情報通知装置1を用いて行われる情報通知方法について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る情報通知方法の流れを例示するフローチャートである。図5に示す例では、一例として、提供情報は、店舗が提供するクーポン情報であることとする。図5に示す処理は、一例として、ユーザがユーザ端末2にインストールされるアプリを用いてクーポン情報の通知を要求することにより開始される。
【0061】
なお、本実施形態の情報通知方法の少なくとも一部をコンピュータ装置に実現させるコンピュータプログラムは、本実施形態の範囲に含まれる。また、そのようなコンピュータプログラムを記録するコンピュータ読取り可能な不揮発性記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。
【0062】
ステップS1では、情報取得部111が、クーポン情報の通知に必要な情報を、メモリ部12のデータベースや装置外部から取得する。情報取得部111は、例えば、ユーザの現在位置情報、クーポン情報、ユーザの行動情報、および、地図情報を取得する。情報取得部111は、ユーザの行動情報としてイベント参加が含まれる場合、イベントの詳細内容を確認するためにイベント情報を適宜取得する。情報取得部111が必要な情報を取得すると、次のステップS2に処理が進められる。
【0063】
ステップS2では、疲労度推定部112が、取得した行動情報を用いてクーポン情報の要求を行ったユーザの疲労度を推定する。すなわち、情報通知方法は、ユーザの行動に関する情報である行動情報を用いてユーザの疲労度を推定するステップを備える。疲労度は、例えば、身体部位ごとに推定される。また、疲労度は、上述のように、その大きさを数値化したもの、又は、その大きさを複数段階に分類したもの(例えば疲労度ランク)等であってよい。例えば、ユーザがライブ(イベント)に参加していた場合、ユーザの足および喉の疲労度を示す数値や疲労度ランクが高く推定される。疲労度が推定されると、次のステップS3に処理が進められる。
【0064】
ステップS3では、通知部113が、クーポン情報の通知を要求したユーザに対して通知すべきクーポン情報(通知対象)を、疲労度に応じて決定する。例えば、通知部113は、まず、ユーザの現在位置から所定範囲内に存在する店舗のクーポン情報を、通知対象とするか否かを判定する判定対象とする。そして、通知部113は、判定対象となったクーポン情報について、ユーザの疲労度に応じて通知すべきか否かをそれぞれ判定する。
【0065】
図6は、各店舗のクーポン情報をユーザへの通知対象とするか否かを判定する手法例を説明するための図である。図6に示す例では、ユーザの足および喉の疲労度が大きい(例えば疲労度ランク「A」)と推定された場合を想定する。
【0066】
ユーザの足の疲労度が大きい場合、例えば、クーポン情報を提供する店舗のユーザの現在位置からの距離と、座席の有無とが重要となる。このために、図6に示す例では、判定要素として「距離」および「座席」が抽出されている。また、ユーザの喉の疲労度が大きい場合、例えば、クーポン情報を提供する店舗のジャンルが重要となる。このために、図6に示す例では、判定要素として「ジャンル」も抽出されている。なお、店舗のジャンルとしては、例えば食事処、居酒屋、バー、カラオケ店等が挙げられる。身体の疲労部位に応じて、どのような判定要素を抽出するかについては、例えば、疲労身体部位と判定要素とを関係付けたテーブルが利用されてよい。当該テーブルは、例えば経験則等に基づいて予め作成され、メモリ部12に記憶されていることとしてよい。
【0067】
図6に示す例では、ユーザの現在位置から近い場所にある店舗は、お薦め度が高くなるために、「距離」が「OK」とされる。逆に、ユーザの現在位置から遠い場所にある店舗は、お薦め度が低くなるために、「距離」が「NG」とされる。距離が近いか否かは、例えば、予め決められた閾値を用いて判定されてよい。また、座席を有する店舗は、お薦め度が高くなるために、「座席」が「OK」とされる。逆に、店舗が立ち飲み屋等で座席が無い場合には、当該店舗は、お薦め度が低くなるために、「座席」が「NG」とされる。また、ユーザが大きな声を出す必要があるジャンルの店舗(カラオケ店等)は、お薦め度が低くなるために、「ジャンル」が「NG」とされる。逆に、大きな声を出すことが想定されない店舗は、お薦め度が高く、「ジャンル」が「OK」とされる。なお、図6に示す例では、「OK」か「NG」かの2分類の判定が行われる構成となっているが、3分類以上の判定が行われる構成してもよい。
【0068】
また、以上では、疲労度が大きい身体部位に着目して判定要素を抽出する例を示したが、これは例示である。例えば、ユーザの疲労度が小さい身体部位に着目して判定要素を抽出してもよい。例えば、足の疲労度が小さいと推定されるユーザには、上記の足の疲労度が大きい場合とは逆に、ユーザの現在位置からある程度離れた場所にある店舗のお薦め度を高くして、「OK」や「NG」の判定がなされてもよい。また、以上における、判定要素を疲労度に応じて抽出する構成は例示である。判定要素は、予め決められた一定の要素であってもよい。この場合、予め決められた判定要素のそれぞれに対して、疲労度に応じた判定が行われてもよい。
【0069】
判定対象となったクーポン情報を提供する各店舗に対する判定が全て完了すると、通知部113は、例えば、各店舗における「OK」および「NG」の数に応じて得点を算出する。例えば、「OK」は3点で、「NG」は0点であるとする。この場合、図6に示す例では、店舗Aは9点、店舗Bおよび店舗Cは3点となる。通知部113は、判定対象となったクーポン情報を提供する店舗について、得点の高い順に並べる。そして、通知部113は、得点が高い方から順に所定順位以内の店舗が提供するクーポン情報を通知対象として決定する。なお、通知対象の決定手法は例示であり、例えば、「NG」となる項目か1つでもある店舗のクーポン情報は、通知対象から除外するという構成としてもよい。
【0070】
図5に戻って、判定対象となったクーポン情報から通知対象とすべきクーポン情報が決まると、ステップS4に処理が進められる。
【0071】
ステップS4では、通知部113は、通知対象となったクーポン情報を、通信ネットワーク5を介してユーザ端末2に送信する。すなわち、情報通知装置1からユーザ端末2にクーポン情報が通知される。情報通知方法は、クーポン情報(提供情報)を疲労度に応じて通知するステップを備える。クーポン情報の送信が完了すると、次のステップS5に処理が進められる。
【0072】
ステップS5では、クーポン情報を送信されたユーザ端末2がクーポン情報の表示処理を行う。すなわち、情報通知方法は、クーポン情報(提供情報)をユーザが利用可能な端末装置に送信して画面に表示させるステップを備える。これにより、クーポン情報等の提供情報をユーザが把握し易くすることができる。なお、クーポン情報等の提供情報の通知を受けた端末装置は、画面表示に代えて、或いは、画面表示に加えて、音声案内等の画面表示とは異なる手法で提供情報をユーザに提示してもよい。
【0073】
また、クーポン情報の表示処理は、ユーザ端末2にインストールされているアプリを、ユーザ端末2が備えるプロセッサが実行することにより実現される機能であってよい。図7Aおよび図7Bは、ユーザ端末2におけるクーポン情報の画面表示例を示す図である。図7Aおよび図7Bにおいて、黒塗りの丸印が、クーポン情報を提供している店舗を示す。また、図7Aおよび図7Bにおいて、斜線を施したイベント会場Pがユーザの現在位置である。
【0074】
図7Aは、イベント参加によってユーザの足の疲労度が大きくなった場合の表示例を示す。図7Bは、足の疲労度が小さい場合の表示例を示す。図7Aでは、足の疲労度が大きいことが考慮されて、ユーザの現在位置であるイベント会場Pに近い場所にある店舗が提供するクーポン情報が表示されている。一方、図7Bでは、足の疲労度が小さいことが考慮されて、ユーザの現在位置であるイベント会場Pからある程度離れた場所にある店舗が提供するクーポン情報が表示されている。特に、イベント会場Pから近い場所に存在する店舗は、イベントへの参加者が利用する可能性が高い。このために、足の疲労度が小さいことを考慮して、イベント会場Pから少し離れた場所にある店舗が提供するクーポン情報を通知することで、通知を受けたユーザは混雑した店舗の利用を避けることができる。すなわち、ユーザの満足度を向上することもできる。また、イベント会場周辺の店舗の混雑を緩和することも可能である。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の情報通知方法によれば、ユーザの疲労度を考慮して、各ユーザの状況に適したクーポン情報等の提供情報をユーザに通知することができる。すなわち、ユーザの利便性や満足度を向上することができる。また、ユーザの疲労度に応じて提供情報を通知することにより、ユーザ毎に通知されるクーポン情報等の提供情報が異なることになり、ユーザが訪れる店舗を分散させることができる。すなわち、店舗の混雑の緩和を図ることができる。
【0076】
<4.変形例>
[4-1.第1変形例]
図8は、第1変形例の情報通知装置のメモリ部12Aに蓄積される情報を示す図である。本変形例のメモリ部12Aに蓄積される情報は、図3に示す構成と概ね同様である。ただし、属性情報データベース125が記憶される点が、図3に示す構成とは異なる。
【0077】
属性情報データベースには、各ユーザの属性情報がユーザの識別情報と関連付けて含まれる。ユーザの属性情報には、例えば、ユーザの年齢、性別、普段の運動量等が含まれてよい。ユーザの属性情報は、例えばユーザ端末2やウェブサイトを管理する管理サーバ等から取得される。
【0078】
すなわち、 本変形例では、処理部11(情報取得部111)が取得する複数種類の情報には、ユーザの属性を示す属性情報が含まれる。そして、本変形例では、処理部11(通知部113)は、提供情報(クーポン情報等)の通知に際して疲労度に加えて属性情報を用いる。このような構成とすることで、各ユーザに対して、より適切な提供情報を通知することができる。
【0079】
例えば、上述の判定要素を用いた「OK」または「NG」の判定(図6参照)を行う際に、属性情報を加味した判定が行われてよい。詳細には、疲労度の推定結果から足の疲労度が大きいと推定される場合であっても、年齢の違いや普段の運動量に応じて、「OK」とするか、「NG」とするかの基準が変更されてよい。この結果、例えば、若くて運動量が多いユーザに対して、足の疲労が大きいと推定されるにもかかわらず、ユーザの現在位置から離れた店舗のクーポン情報が通知される構成としてもよい。
【0080】
このように属性情報を加味して通知対象となるクーポン情報が決められる構成とすると、同じイベントに参加した者同士の間でも、通知対象となるクーポン情報に違いが生じ易くなる。すなわち、イベント後における各店舗の混雑を緩和し易くすることができる。また、多くの店舗に対して集客の機会を与えることができる。
【0081】
なお、ユーザの属性情報は、疲労度の推定結果と共に利用されるのではなく、疲労度の推定を行う際に利用されてもよい。すなわち、ユーザの疲労度は、ユーザの行動情報に属性情報を加味して推定されてもよい。
【0082】
また、処理部11(情報取得部111)が取得する複数種類の情報には、ユーザがイベントに参加したか否かの情報が含まれてよい。イベントに参加した否かは、例えば、イベント管理サーバ4が有するイベント参加者情報を取得することによって判断されてよい。そして、処理部11(通知部113)は、イベントの参加者と非参加者とで、ユーザに通知する提供情報(クーポン情報等)の決定の仕方を異ならせてよい。
【0083】
このような構成すると、ユーザの需要に応じた通知ができ、更には、店舗の混雑緩和を図ることができる。例えば、図7Aに示すように、イベント会場Pが駅STの北側であった場合を想定する。この場合、イベント参加者には、イベント会場Pに近い駅STの北側の店舗のクーポン情報を優先して通知するようにする。一方、イベント非参加者には、イベント会場Pから遠い駅STの南側の店舗のクーポン情報を優先して通知するようにする。これにより、例えば、イベント非参加者が、イベントの開催を知らずに混雑した店舗を訪れてしまうといった状況の発生を抑制することができる。
【0084】
[4-2.第2変形例]
上述のように、情報提供者が提供する提供情報には、移動手段情報が含まれてよい。処理部11(通知部113)は、ユーザの疲労度に応じてタクシー等の移動手段の利用を提案する通知を行ってよい。例えば、ユーザの足の疲労度が大きいと推定される場合に、タクシーの配車提案を行ってもよい。また、例えば、ユーザの腕の疲労度が大きい場合には荷物が多いと推定されるために、タクシーの配車提案を行ってもよい。
【0085】
タクシーの配車提案を行う場合、当該配車提案は、クーポン情報が表示される画面と同じ、又は、異なる画面に表示されてよい。画面上に表示される配車提案をタッチ操作すると、自動的に配車予約が行われる構成としてもよい。疲労度に応じて移動手段情報を通知する構成とすると、ターゲットを絞った配車提案等を行うことができ、広告効果を高めることができる。
【0086】
[4-3.第3変形例]
上述のように、情報提供者が提供する提供情報には、旅行ツアーにおけるオプショナルツアーの情報が含まれてもよい。すなわち、本発明は、旅行先における行先提案に利用されてよい。例えば、処理部は、旅行ツアーの予定を示すツアー予定情報(ユーザの行動情報の一例)を取得して、当該ツアー予定情報を用いてユーザの疲労度を推定し、疲労度に応じたオプショナルツアーをユーザに通知してもよい。
【0087】
<5.留意事項等>
本明細書の、発明を実施するための形態に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書の、発明を実施するための形態に開示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0088】
1・・・情報通知装置
2・・・ユーザ端末
5・・・通信ネットワーク
11・・・処理部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8