(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139984
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】軸重値送信装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/12 20060101AFI20230927BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20230927BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20230927BHJP
G01G 23/00 20060101ALI20230927BHJP
F16C 41/00 20060101ALI20230927BHJP
F16C 19/18 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
G01G19/12 A
G08C15/00 E
G08C15/06 G
G01G23/00 Z
F16C41/00
F16C19/18
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045810
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】今井 聡
(72)【発明者】
【氏名】堀 賢治
【テーマコード(参考)】
2F073
3J217
3J701
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA32
2F073AB02
2F073BB01
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073DD01
2F073DE01
2F073EF08
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
2F073GG09
3J217JA02
3J217JA14
3J217JC03
3J701AA03
3J701AA32
3J701AA43
3J701AA54
3J701AA62
3J701BA80
3J701FA25
3J701GA03
(57)【要約】
【課題】外部装置との通信量を低減する。
【解決手段】外部装置3に軸重値を送信する軸重値送信装置2は、車両に搭載されて前記車両の車軸にかかる荷重である軸重値を検出するセンサが検出した軸重値を順次取得する軸重値取得部231と、軸重値取得部231が取得した最新の軸重値が、直前に外部装置3に送信した軸重値と異なるか否かを判定する送信判定部233と、送信判定部233によって異なると判定された場合には、前記最新の軸重値を外部装置3に送信する軸重値送信部234と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に軸重値を送信する軸重値送信装置であって、
車両に搭載されて前記車両の車軸にかかる荷重である軸重値を検出するセンサが検出した軸重値を順次取得する軸重値取得部と、
前記軸重値取得部が取得した最新の軸重値が、直前に前記外部装置に送信した軸重値と異なるか否かを判定する送信判定部と、
前記送信判定部によって異なると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信する軸重値送信部と、
を備える、軸重値送信装置。
【請求項2】
前記送信判定部は、前記車両が走行を開始した後に取得された前記最新の軸重値が、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値と異なるか否かを判定する、
請求項1に記載の軸重値送信装置。
【請求項3】
前記送信判定部は、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値が前記センサの検出値として正常な値の正常値範囲に含まれている場合に、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれているか否かを判定し、
前記軸重値送信部は、前記最新の軸重値が前記正常値範囲外であると判定されたときには、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信する、
請求項1又は2に記載の軸重値送信装置。
【請求項4】
前記送信判定部は、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値及び前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれている場合、前記最新の軸重値と前記直前に前記外部装置に送信した軸重値との軸重値差が、前記車両に応じた送信閾値以上であるか否かを判定し、
前記軸重値送信部は、
前記軸重値差が前記送信閾値以上であると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信し、
前記軸重値差が前記送信閾値未満であると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信しない、
請求項3に記載の軸重値送信装置。
【請求項5】
前記送信判定部は、前記直前に送信した軸重値が前記センサの検出値として正常な値の正常値範囲に含まれていない場合に、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれるか否かを判定し、
前記軸重値送信部は、
前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信し、
前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれていないと判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信しない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の軸重値送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車軸にかかる荷重である軸重値を送信する軸重値送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車軸にかかる荷重である軸重値を検出する技術が知られている。特許文献1には、車軸の軸受ユニットに組み込まれた変位センサの検出信号に基づいて軸重値を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検出した軸重値をサービスに利用するためには、サービスを提供するサーバ等の外部装置に軸重値を送信する必要がある。しかしながら、軸重値が検出される毎に、軸重値を送信すると、外部装置との通信量が増加してしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、外部装置との通信量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、外部装置に軸重値を送信する軸重値送信装置であって、車両に搭載されて前記車両の車軸にかかる荷重である軸重値を検出するセンサが検出した軸重値を順次取得する軸重値取得部と、前記軸重値取得部が取得した最新の軸重値が、直前に前記外部装置に送信した軸重値と異なるか否かを判定する送信判定部と、前記送信判定部によって異なると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信する軸重値送信部と、を備える、軸重値送信装置を提供する。
【0007】
前記送信判定部は、前記車両が走行を開始した後に取得された前記最新の軸重値が、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値と異なるか否かを判定してもよい。
【0008】
前記送信判定部は、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値が前記センサの検出値として正常な値の正常値範囲に含まれている場合に、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれているか否かを判定し、前記軸重値送信部は、前記最新の軸重値が前記正常値範囲外であると判定されたときには、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信してもよい。
【0009】
前記送信判定部は、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値及び前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれている場合、前記最新の軸重値と前記直前に前記外部装置に送信した軸重値との軸重値差が、前記車両に応じた送信閾値以上であるか否かを判定し、前記軸重値送信部は、前記軸重値差が前記送信閾値以上であると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信し、前記軸重値差が前記送信閾値未満であると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信しないようにしてもよい。
【0010】
前記送信判定部は、前記直前に送信した軸重値が前記センサの検出値として正常な値の正常値範囲に含まれていない場合に、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれるか否かを判定し、前記軸重値送信部は、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信し、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれていないと判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信しないようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部装置との通信量を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】軸重値を利用したサービスを提供するサービスシステムの概要を説明するための図である。
【
図2】軸重値送信装置の構成を説明するための図である。
【
図3】軸重値を送信するか否かを判定する条件を説明するための図である。
【
図4】軸重値差が送信閾値以上であれば最新軸重値を送信することを説明するための図である。
【
図5】軸重値を送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[サービスシステムSの概要]
図1は、軸重値を利用したサービスを提供するサービスシステムSの概要を説明するための図である。サービスシステムSは、車両1に搭載された軸重値送信装置2及び外部装置3を含む。
【0014】
外部装置3は、車両1の軸重値を利用したサービスを提供するサーバである。軸重値を利用したサービスは、例えば、道路に対する通行許可を電子的に得るサービス、荷台の空き部分を販売して荷物を混載するサービス、軸重値に応じた道路料金を徴収するサービスである。外部装置3は、同じ軸重値であれば同一のサービスを提供する。一例を挙げると、外部装置3は、同じ軸重値であれば同じ道路料金を徴収する。
【0015】
車両1は、トラックやトレーラーなどの物品を輸送する車両であるが、これに限らない。車両1は、軸重値センサ11、車速センサ12及び軸重値送信装置2を搭載している。
【0016】
軸重値センサ11は、車両1の車軸にかかる荷重である軸重値を検出するセンサユニットであり、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶部とマイクロプロセッサなどの計算リソースを含む。例えば、軸重値センサ11は、車軸の軸受ユニットに組み込まれた変位センサの検出信号に基づいて軸重値を検出する。軸重値センサ11は、車両1が始動している間、所定時間毎に軸重値を検出し、軸重値を検出する毎に軸重値送信装置2に出力する。所定時間は、例えばマイクロプロセッサの処理周期であり、一例を挙げると100ミリ秒である。
【0017】
軸重値センサ11は、軸重値を正常に検出できているか否かを判定する。軸重値センサ11は、検出した軸重値が検出値として正常な値の正常値範囲内であれば、軸重値を正常に検出できていると判定し、検出した軸重値を軸重値送信装置2に出力する。正常値範囲は、適宜定めればよく、例えば16進法で2バイトであれば[0000]から[FAFF]である。軸重値センサ11は、検出した軸重値が正常値範囲外であれば、軸重値を正常に検出できていないと判定し、正常に検出できていないことを示す値(以下「故障値」という。)を軸重値送信装置2に出力する。故障値の具体的な値は、例えば16進法で2バイトであれば[FEFF]である。
【0018】
軸重値センサ11は、自身が起動したら、起動した直後であることを示す値(以下「初期値」という。)を軸重値送信装置2に出力する。例えば、軸重値センサ11は、車両1が始動したことにより軸重値センサ11に電力が供給されて自身が起動したら、初期値を軸重値送信装置2に出力する。初期値の具体的な値は、例えば16進法で2バイトであれば[FFFF]である。
【0019】
車速センサ12は、車両1の車速を検出するセンサである。例えば、車速センサ12は、単位時間当たりの車軸の回転数に比例したパルス信号の数量に応じた車速を検出する。車速センサ12は、車軸が回転していない場合、車速として0を検出する。また、車速センサ12は、単位時間当たりの車軸の回転数が所定値未満であると、車速として0を検出する。車速センサ12は、単位時間当たりの車軸の回転数が所定値以上になると、車軸の回転数に応じた車速を検出する。車速センサ12は、検出した車速を軸重値送信装置2に出力する。
【0020】
軸重値送信装置2は、軸重値センサ11から出力される軸重値を取得し、取得した軸重値を外部装置3に送信する。ただし、軸重値センサ11から出力される軸重値を取得する毎に、軸重値送信装置2が取得した軸重値を外部装置3に送信すると、軸重値送信装置2と外部装置3の間の通信量が増加してしまう。さらに、同一の軸重値を外部装置3に送ったとしても提供されるサービスに変化はないので、直前に送信した軸重値と取得した最新の軸重値が異なる場合(つまり軸重値が更新されたとき)だけ、最新の軸重値を送信すればよい。
【0021】
そこで、軸重値送信装置2は、取得した最新の軸重値と直前に外部装置3に送信した軸重値とが異なる場合に最新の軸重値を送信し、最新の軸重値と直前に送信した軸重値が異ならない(一致する)場合には最新の軸重値を送信しない。これにより、軸重値送信装置2は、軸重値に変化が無いときの不必要な軸重値を送信せずにすみ、外部装置3との通信量を低減できる。
【0022】
[軸重値送信装置2の構成]
図2は、軸重値送信装置2の構成を説明するための図である。軸重値送信装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。通信部21は、外部装置3と情報を送受信するための無線通信モジュールである。例えば、通信部21は、インターネットを介して外部装置3と情報を送受信する。
【0023】
記憶部22は、ROM、RAM及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶する。
【0024】
制御部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、軸重値取得部231、車速取得部232、送信判定部233及び軸重値送信部234としての機能を実現する。軸重値取得部231は、軸重値センサ11が検出した軸重値を順次取得する。
【0025】
車速取得部232は、車速センサ12が検出した車速を順次取得する。車速取得部232は、取得した車速が0である間、車両1が停止していると判定する。車速取得部232は、停止中の車両1の車速が0より大きくなったら、車両1が走行を開始したと判定する。
【0026】
送信判定部233は、軸重値取得部231が取得した最新の軸重値(以下「最新軸重値」という。)を送信するか否かを判定する。例えば、送信判定部233は、車両1が走行を開始した後に取得された最新軸重値と、直前に外部装置3に送信した軸重値(以下「直前送信軸重値」という。)が異なるか否かに基づき、最新軸重値を送信するか否かを判定する。
【0027】
図3は、軸重値を送信するか否かを判定する条件を説明するための図である。
図3に示すとおり、送信判定部233は、最新軸重値と直前送信軸重値が異なる場合には最新軸重値を送信すると判定し、最新軸重値と直前送信軸重値が異ならない(一致する)場合には最新軸重値を送信しないと判定する。以下、具体的に説明する。
【0028】
送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲内に含まれている場合に、最新軸重値が正常値範囲に含まれているか否かに基づき、最新軸重値を送信するか否かを判定する。具体的には、送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲内に含まれ、最新軸重値が正常値範囲外であれば、最新軸重値と直前送信軸重値が異なるので最新軸重値を送信すると判定する。
図3の表の例では、送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲内であり、最新軸重値が初期値又は故障値である場合、最新軸重値を送信すると判定する。
【0029】
送信判定部233は、直前送信軸重値及び最新軸重値がともに正常値範囲内であれば、最新軸重値と直前送信軸重値の軸重値差が送信閾値以上であるか否かに基づき、最新軸重値を送信するか否かを判定する。送信閾値は、車両1に応じた値であり、例えば車両1に搭載される物品の種別に応じて設定され、具体的な値は例えば車両1のユーザにより入力される。送信閾値は、軸重値センサ11の検出精度に応じて設定されてもよい。送信閾値の一例は、軸重値の最大値の10%であるが、これに限定するものではない。送信判定部233は、軸重値差が送信閾値以上であれば最新軸重値を送信すると判定し、軸重値差が送信閾値未満であれば最新軸重値を送信しないと判定する。
【0030】
送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲外である場合、最新軸重値が正常値範囲に含まれているか否かに基づき、最新軸重値を送信するか否かを判定する。送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲外であり、最新軸重値が正常値範囲内であれば、最新軸重値を送信すると判定する。
【0031】
送信判定部233は、直前送信軸重値及び最新軸重値がともに正常値範囲に含まれていなければ、最新軸重値を送信しないと判定する。具体的には、送信判定部233は、直前送信軸重値及び最新軸重値が初期値であれば、最新軸重値である初期値を送信しないと判定する。また、送信判定部233は、直前送信軸重値及び最新軸重値が故障値であれば、故障値を送信しないと判定する。
【0032】
なお、送信判定部233は、直前送信軸重値及び最新軸重値がともに正常値範囲外であっても、直前送信軸重値及び最新軸重値が異なる値であれば、最新軸重値を送信すると判定する。具体的には、送信判定部233は、直前送信軸重値が初期値で最新軸重値が故障値である場合、及び直前送信軸重値が故障値で最新軸重値が初期値である場合には、最新軸重値を送信すると判定する。
【0033】
軸重値送信部234は、送信判定部233によって最新軸重値を送信すると判定された場合には、最新軸重値を外部装置3に通信部21を介して送信する。例えば、軸重値送信部234は、直前送信軸重値が正常範囲内で最新軸重値が正常値範囲外であることにより最新軸重値を送信すると判定されたときには、最新軸重値を外部装置3に送信する。具体例を挙げると、軸重値送信部234は、直前送信軸重値が正常範囲内で、最新軸重値が故障値であれば、故障値を送信する。
【0034】
軸重値送信部234は、軸重値差が送信閾値以上であり最新軸重値を送信すると判定されたら、最新軸重値を送信する。軸重値送信部234は、軸重値差が送信閾値未満であり最新軸重値を送信しないと判定されたら、最新軸重値を送信しない。
【0035】
図4は、軸重値差が送信閾値以上であれば最新軸重値を送信することを説明するための図である。
図4の横軸は時刻を示し、縦軸は軸重値を示す。軸重値送信部234は、時刻T1よりも前に、軸重値W1を送信しているものとする。
【0036】
時刻T1は、車両1が停車した時刻である。時刻T1から時刻T2までの停車中に、車両1に物品が積み下ろしされて、軸重値が増減している。送信判定部233は、時刻T1から時刻T2までの車両1の停車中に軸重値が変化しても、直前送信軸重値と最新軸重値が異なるか否かを判定しない。これにより、軸重値送信部234は、車両1の停車中に軸重値が変化して軸重値差が送信閾値以上になっても軸重値を送信しないので、外部装置3との通信量を低減できる。
【0037】
時刻T2は、荷物の積み下ろしが終わって車両1が走行を開始した時刻である。時刻T2の軸重値W2は、正常範囲内である。時刻T1で送信された軸重値W1と、時刻T2で取得された軸重値W2の軸重値差は送信閾値以上である。送信判定部233は、時刻T2で、軸重値W1と軸重値W2の軸重値差が送信閾値以上であるので軸重値W2を送信すると判定する。軸重値送信部234は、軸重値W2を外部装置3に送信する。これにより、軸重値送信部234は、荷物の積み下ろしが終わって車両1が走行を開始した後の最新軸重値を送信できる。
【0038】
時刻T3は、車両1が停車した時刻である。時刻T3から時刻T4までの停車中に、車両1から物品が下ろされて、軸重値が減少している。時刻T4は、車両1が走行を開始した時刻である。時刻T2で送信された軸重値W2と、時刻T4で取得された軸重値W3の軸重値差は送信閾値未満であるとする。送信判定部233は、軸重値W2と軸重値W3の軸重値差が送信閾値未満であるので軸重値W3を送信しないと判定する。これにより、軸重値送信部234は、直前送信軸重値との変化が小さい不必要な最新軸重値を送信しないので、通信量を低減できる。
【0039】
軸重値送信部234は、直前送信軸重値が初期値又は故障値であり、最新軸重値が正常値範囲内であれば、最新軸重値を送信する。軸重値送信部234は、直前送信軸重値及び最新軸重値がともに故障値であれば、故障値を送信しない。これにより、軸重値送信部234は、継続して故障値が取得されているときには故障値を送信しないので、軸重値センサ11の故障が継続しているときに不必要な通信を抑制できる。また、軸重値送信部234は、直前送信軸重値及び最新軸重値がともに初期値であれば初期値を送信しない。
【0040】
[軸重値送信装置2が実行する軸重値を送信する処理]
図5は、軸重値を送信する処理の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、車両1が停車したら実行される。
【0041】
車速取得部232は、車両1の車速に基づき車両1が走行を開始したか否かを判定する(ステップS1)。車速取得部232は、車両1が走行を開始していない場合(ステップS1でNo)、車両1が走行を開始するまでステップS1を繰り返す。車両1が走行を開始したら(ステップS1でYes)、軸重値取得部231は、車両1が走行を開始した後の最新軸重値を取得する(ステップS2)。
【0042】
送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲内であるか否かを判定する(ステップS3)。送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲内であれば(ステップS3でYes)、最新軸重値が正常値範囲内であるか否かを判定する(ステップS4)。送信判定部233は、最新軸重値が正常値範囲内であれば(ステップS4でYes)、最新軸重値と直前送信軸重値の軸重値差が送信閾値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0043】
軸重値送信部234は、最新軸重値と直前送信軸重値の軸重値差が送信閾値以上であれば(ステップS5でYes)、最新軸重値を外部装置3に送信する(ステップS6)。軸重値送信部234は、最新軸重値と直前送信軸重値の軸重値差が送信閾値未満であれば(ステップS5でNo)、最新軸重値を送信しない(ステップS8)。
【0044】
軸重値送信部234は、直前送信軸重値が正常値範囲内であり、最新軸重値が正常値範囲外であれば(ステップS4でNo)、最新軸重値を外部装置3に送信する(ステップS6)。具体的には、軸重値送信部234は、直前送信軸重値が正常値範囲内であり、最新軸重値が初期値又は故障値であれば、最新軸重値を外部装置3に送信する。
【0045】
送信判定部233は、直前送信軸重値が正常値範囲外(初期値又は故障値)であれば(ステップS3でNo)、最新軸重値が正常値範囲内であるか否かを判定する(ステップS7)。軸重値送信部234は、直前送信軸重値が正常値範囲外であり、最新軸重値が正常値範囲内であれば(ステップS7でYes)、最新軸重値を外部装置3に送信する(ステップS6)。軸重値送信部234は、直前送信軸重値及び最新軸重値がともに正常値範囲外であれば(ステップS7でNo)、最新軸重値を送信しない(ステップS8)。
【0046】
[軸重値送信装置2の効果]
以上説明したとおり、軸重値送信装置2は、直前に送信した直前送信軸重値と最新軸重値が異なる場合に最新軸重値を送信する。これにより、軸重値送信装置2は、例えば同じ軸重値であれば同一のサービスを提供する外部装置3に、軸重値が更新されたときだけ最新軸重値を送信して、軸重値が更新されていない場合には最新軸重値を送信しない。その結果、軸重値の更新が無いときの不必要な軸重値を送信せずにすみ、外部装置3との通信量を低減できる。
【0047】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0048】
S サービスシステム
1 車両
11 軸重値センサ
12 車速センサ
2 軸重値送信装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 軸重値取得部
232 車速取得部
233 送信判定部
234 軸重値送信部
3 外部装置
【手続補正書】
【提出日】2023-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に軸重値を送信する軸重値送信装置であって、
車両に搭載されて前記車両の車軸にかかる荷重である軸重値を検出するセンサが検出した軸重値を順次取得する軸重値取得部と、
前記軸重値取得部が取得した最新の軸重値が、直前に前記外部装置に送信した軸重値と異なるか否かを判定する送信判定部と、
前記送信判定部によって異なると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信する軸重値送信部と、
を備え、
前記送信判定部は、前記直前に送信した軸重値が前記センサの検出値として正常な値の正常値範囲に含まれていない場合に、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれるか否かを判定し、
前記軸重値送信部は、
前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信し、
前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれていないと判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信しない、
軸重値送信装置。
【請求項2】
前記送信判定部は、前記車両が走行を開始した後に取得された前記最新の軸重値が、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値と異なるか否かを判定する、
請求項1に記載の軸重値送信装置。
【請求項3】
前記送信判定部は、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値が前記正常値範囲に含まれている場合に、前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれているか否かを判定し、
前記軸重値送信部は、前記最新の軸重値が前記正常値範囲外であると判定されたときには、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信する、
請求項1又は2に記載の軸重値送信装置。
【請求項4】
前記送信判定部は、前記直前に前記外部装置に送信した軸重値及び前記最新の軸重値が前記正常値範囲に含まれている場合、前記最新の軸重値と前記直前に前記外部装置に送信した軸重値との軸重値差が、前記車両に応じた送信閾値以上であるか否かを判定し、
前記軸重値送信部は、
前記軸重値差が前記送信閾値以上であると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信し、
前記軸重値差が前記送信閾値未満であると判定された場合には、前記最新の軸重値を前記外部装置に送信しない、
請求項3に記載の軸重値送信装置。