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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140010
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230927BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20230927BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230927BHJP
【FI】
F21S2/00 612
F21V31/00 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045843
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 裕
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA02
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、水密構造のための製造コストの削減を図ることである。
【解決手段】照明器具A1は、照明光を放射する光源ユニット2と、器具本体1と、枠3と、レンズユニットB1と、シール部材5と、ボルト34及びナット35と、を備える。器具本体1は、金属板で形成され、光源ユニット2を支持する。枠3は、金属板で形成され、照明光が通過する窓を有して器具本体1に取り付けられる。レンズユニットB1は、照明光に対する透過性を有して窓に配置される。シール部材5は、レンズユニットB1の周縁に配置される。ボルト34及びナット35は、器具本体1に枠3を固定する。器具本体1は、シール部材5を挟んで枠3と対向するフランジ部11を有する。ボルト34とナット35は、枠3とフランジ部11の距離を縮めるように器具本体1と枠3を締結する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を放射する光源部と、
金属板で形成され、前記光源部を支持する器具本体と、
金属板で形成され、前記照明光が通過する窓を有して前記器具本体に取り付けられる枠と、
前記照明光に対する透過性を有して前記窓に配置される透光パネルと、
前記透光パネルの周縁に配置されるシール部材と、
前記器具本体に前記枠を固定する固定部材と、
を備え、
前記器具本体は、前記シール部材を挟んで前記枠と対向するフランジ部を有し、
前記固定部材は、前記枠と前記フランジ部の距離を縮めるように前記器具本体と前記枠を締結する、
照明器具。
【請求項2】
前記シール部材は、前記フランジ部に密着する第1面と前記枠に密着する第2面を有し、
前記第1面と前記第2面の少なくとも一方に前記第1面又は前記第2面から突出するリブが設けられる、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記器具本体は、前記フランジ部の外周縁から突出する突壁を更に有する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記突壁は、前記フランジ部と前記枠が対向する方向と交差する方向に沿って前記シール部材と対向する、
請求項3記載の照明器具。
【請求項5】
前記透光パネルは、
少なくとも一部が前記窓に挿通されるパネル本体と、
前記パネル本体の周縁から突出して前記シール部材が取り付けられる周縁部と、
を有する、
請求項1-4のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、水密構造を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の道路灯(照明器具)を例示する。特許文献1記載の道路灯(以下、従来例という。)は、アルミダイカスト製の灯具本体と、灯具本体の下面を覆う下面パネル体と、下面パネル体に支持されたグローブガラスと、灯具本体の光源室に収容される光源ユニットと、グローブガラスの縁部に嵌め込まれた環状のパッキンとを備えている。
【0003】
従来例は、灯具本体に設けられた包囲壁の先端をパッキンに密着させることによって、光源室を含む包囲壁の内部を水密にシールしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-175074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例においては、灯具本体(器具本体)がアルミダイカスト製であったため、パッキンと接する部分(包囲壁の先端面)を平面にしなければならず、製造コストの増大を招いていた。
【0006】
本開示の目的は、水密構造のための製造コストの削減を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、照明光を放射する光源部と、金属板で形成され、前記光源部を支持する器具本体と、金属板で形成され、前記照明光が通過する窓を有して前記器具本体に取り付けられる枠と、を備える。前記照明器具は、前記照明光に対する透過性を有して前記窓に配置される透光パネルと、前記透光パネルの周縁に配置されるシール部材と、前記器具本体に前記枠を固定する固定部材と、を備える。前記器具本体は、前記シール部材を挟んで前記枠と対向するフランジ部を有する。前記固定部材は、前記枠と前記フランジ部の距離を縮めるように前記器具本体と前記枠を締結する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明器具は、水密構造のための製造コストの削減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の前方から見た斜視図である。
図2図2は、同上の照明器具の後方から見た斜視図である。
図3図3は、同上の照明器具の分解斜視図である。
図4図4は、同上の照明器具の正面図である。
図5図5は、同上の照明器具の右側面図である。
図6図6は、同上の照明器具の背面図である。
図7図7は、同上の照明器具の平面図である。
図8図8は、同上の照明器具の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)概要
実施形態に係る照明器具A1は、照明光を放射する光源ユニット2(光源部)と、金属板で形成され、光源ユニット2を支持する器具本体1と、金属板で形成され、照明光が通過する窓300を有して器具本体1に取り付けられる枠3と、を備える。
【0012】
また、実施形態に係る照明器具A1は、照明光に対する透過性を有して窓300に配置されるレンズユニットB1(透光パネル)と、レンズユニットB1の周縁に配置されるシール部材5と、器具本体1に枠3を固定するボルト34及びナット35(固定部材)と、を備える。
【0013】
器具本体1は、シール部材5を挟んで枠3と対向するフランジ部11を有する。ボルト34とナット35は、枠3とフランジ部11の距離を縮めるように器具本体1と枠3を締結する。
【0014】
実施形態に係る照明器具A1は、金属板で形成される器具本体1のフランジ部11と、同じく金属板で形成される枠3とでシール部材5を挟み、ボルト34とナット35の締付力によってシール部材5とフランジ部11及び枠3との隙間をシールする。ここで、上記従来例のように器具本体がアルミダイカスト製であった場合、シール部材と接する部分を平面にするために器具本体の製造コストが増大してしまう。
【0015】
これに対して実施形態に係る照明器具A1では、シール部材5でシールされる器具本体1(のフランジ部11)及び枠3がそれぞれ金属板で形成されるため、アルミダイカスト製に比べて、水密構造のための製造コストの削減を図ることができる。
【0016】
(2)詳細
実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、例えば、屋外の駐車場、グランド、などに照明光を照射する用途に用いられる。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図1に矢印で示す上下、前後、左右の各方向を照明器具A1の上下、前後、左右の各方向と定義する。
【0017】
照明器具A1は、器具本体1、光源ユニット2、枠3、アーム4、シール部材5、電源ユニット6、電源ケーブル7、レンズユニットB1、などを備える。
【0018】
(2-1)器具本体
器具本体1は、電源ユニット6を収容する収容部10と、光源ユニット2及びレンズユニットB1を支持するフランジ部11と、を有する(図2及び図3参照)。
【0019】
収容部10は、前面が開放された四角い箱状に形成されている(図3参照)。収容部10の内底面に電源ユニット6が取り付けられている。電源ユニット6は、例えば、スイッチング電源回路を備え、電源ケーブル7を通して電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する。電源ケーブル7は、収容部10の底を貫通する穴から収容部10の後方に引き出されている(図2図5及び図6参照)。ただし、電源ケーブル7は、ケーブルグランド14によって収容部10の外底面に固定されている(図2参照)。ケーブルグランド14は、電源ケーブル7を器具本体1に固定するとともに電源ケーブル7と収容部10の底の穴との隙間をシールしている。
【0020】
フランジ部11は、前後方向から見て四角形の枠状に形成され、収容部10の前端(開口端)から全周に渡って外向きに突出している。フランジ部11の外周端には、全周に渡って前方へ突出する突壁13が設けられている(図3参照)。また、フランジ部11の四隅と4つの辺の中央にそれぞれ円形の挿通穴111が設けられている。さらに、フランジ部11の内周縁における4つの辺の両端にそれぞれ円筒形のめねじ部112が設けられている(図2及び図3参照)。
【0021】
器具本体1を構成する収容部10とフランジ部11と突壁13は、金属板(例えば、純アルミニウム製の板材)が絞り加工及び曲げ加工されることによって一体に形成されている。
【0022】
(2-2)光源ユニット
光源ユニット2は、LEDモジュール20と、LEDモジュール20が取り付けられる取付板21と、を有している(図3参照)。
【0023】
LEDモジュール20は、四角形の基板201と、基板201の前面に実装される複数のLED200と、を備える。複数のLED200はそれぞれ、パッケージ型の照明用白色LEDである。基板201は、例えば、アルミ板をベースとする金属ベース基板である。基板201が金属ベース基板であることによって、複数のLED200が発する熱を効率的に放熱することができる。なお、複数のLED200は、基板201の表面において、縦方向(上下方向)及び横方向(左右方向)に沿って複数列かつ略等間隔に並べて実装される。
【0024】
取付板21は、例えば、アルミ板によって四角形の平板状に形成されている。なお、取付板21の縦(上下)及び横(左右)の長さは、LEDモジュール20の基板201の縦及び横の長さよりも長い。したがって、取付板21の前面にLEDモジュール20がねじ止めされた状態において、LEDモジュール20の周囲に取付板21の周辺部分がはみ出ている(図3参照)。なお、LEDモジュール20の周囲にはみ出した取付板21の周辺部分において、上側及び下側のそれぞれ左右両端に挿通穴が1つずつ設けられている。
【0025】
光源ユニット2は、取付板21の周辺部分に設けられた複数(4つ)の挿通穴に1本ずつ挿通される取付ねじ22が、フランジ部11の4つのめねじ部112に1本ずつねじ込まれることでフランジ部11にねじ止めされる(図8参照)。
【0026】
(2-3)枠
枠3は、枠本体30と、一対の取付部31と、突片32と、を有している。なお、枠3を構成する枠本体30と一対の取付部31と突片32は、金属板(例えば、純アルミニウム製の板材)が打ち抜き加工及び曲げ加工されることによって一体に形成されている。
【0027】
枠本体30は、上側の窓枠となる上側板301と、下側の窓枠となる下側板302と、左側の窓枠となる左側板303と、右側の窓枠となる右側板304と、を有している。上側板301と下側板302は、幅細の帯板状に形成されて厚み方向が上下方向に沿うように配置されている。また、左側板303と右側板304は、幅細の帯板状に形成されて厚み方向が左右方向に沿うように配置されている。なお、上側板301の左右両端が左側板303及び右側板304のそれぞれの上端とつながり、下側板302の左右両端が左側板303及び右側板304のそれぞれの下端とつながっている。しかして、枠本体30は、上側板301、下側板302、左側板303、及び右側板304を窓枠とする窓300を有している。なお、上側板301の長手方向(左右方向)の両端に隠し部33が1つずつ形成されている(図7参照)。これら2つの隠し部33は台形状に形成され、上側板301の長手方向の両端の後端から突出している。
【0028】
突片32は、前後方向から見て四角形の枠状に形成され、上側板301、下側板302、左側板303、及び右側板304の前端から窓300に向かって突出している。突片32の四隅と4つの辺の長手方向の中央のそれぞれに挿通穴320が1つずつ設けられている(図3参照)。
【0029】
一対の取付部31は、台形状に形成され、左側板303及び右側板304のそれぞれ下部(上下方向の中央から下の部分)の後端から後方に突出するように枠本体30と一体に形成されている(図3及び図5参照)。一対の取付部31の下部にナット81が1つずつ固定されている(図3及び図6参照)。各ナット81は、かしめナット(ピアスナット又はリベットナットとも呼ばれる。)であり、取付部31に設けられた貫通穴にかしめて固定される。
【0030】
(2-4)アーム
アーム4は、固定部40と、一対のアーム部41と、を有する。固定部40と一対のアーム部41は、金属板(例えば、純アルミニウム製の板材)が打ち抜き加工及び曲げ加工されることによって一体に形成されている。
【0031】
固定部40は、台形の平板状に形成されている(図7参照)。固定部40には円形の取付穴400が一列に並ぶように3つ設けられている。例えば、これら3つの取付穴400に、コンクリート製の台座などに埋め込まれたアンカーボルトが1本ずつ挿通され、各アンカーボルトにナットが締め付けられることで固定部40が被固定物(台座)に固定される。
【0032】
一対のアーム部41は、略L字形に形成され、固定部40の一対の斜辺(台形の脚に相当する辺)から斜め上後方に突出している。一対のアーム部41の先端部分に挿通穴410がそれぞれ1つずつ設けられている(図3参照)。
【0033】
アーム4は、2本のボルト80で枠3に取り付けられる。詳しくは、各アーム部41の挿通穴410に挿通されるボルト80が、枠3の各取付部31に固定されているナット81にねじ込まれることによって、各アーム部41が各取付部31に回転可能に取り付けられる(図4図7参照)。
【0034】
(2-5)レンズユニット
レンズユニットB1は、ユニット本体90と、周縁部91と、複数のレンズ92と、を有する(図3参照)。なお、ユニット本体90と周縁部91と複数のレンズ92は、透光性を有する合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂)で一体に形成されている。
【0035】
ユニット本体90は、四角のトレイ状に形成されている。ユニット本体90の外側の底面(前面)が平面であり、ユニット本体90の内側の底面に複数のレンズ92が形成されている。複数のレンズ92は、LEDモジュール20の複数のLED200と一対一に対応している。すなわち、各LED200から放射される光の配光を、各LED200と一対一に対応した各レンズ92で制御する。
【0036】
周縁部91は、ユニット本体90の周縁から全周に渡って突出している。周縁部91の上下両端の左右方向の中央、及び周縁部91の左右両端の上下方向の中央のそれぞれに半円形のねじ挿通溝910が1つずつ設けられている(図3参照)。
【0037】
(2-6)シール部材
シール部材5は、シリコーンゴムにより、前後方向から見て4角形の枠状に形成されている(図3参照)。ただし、シール部材5は、シリコーンゴム以外の弾性材料で形成されても構わない。
【0038】
シール部材5は、第1シール部51と第2シール部52を有する(図8参照)。第1シール部51及び第2シール部52は、いずれも長方形の枠状に形成されている。第1シール部51の外周端と第2シール部52の外周端が、長方形の枠状に形成された連結部53で連結されている。つまり、シール部材5の内部には、第1シール部51、第2シール部52及び連結部53で囲われて内周面に開口する溝54がシール部材5の全周にわたって形成されている(図8参照)。
【0039】
第1シール部51の前面及び後面には、2つのリブ55が全周にわたって形成されている(図8参照)。同様に、第2シール部52の前面及び後面にも2つのリブ55が全周にわたって形成されている。また、シール部材5の上下方向及び左右方向のそれぞれの両端と中央にねじ挿通溝56が1つずつ設けられている(図3参照)。
【0040】
(2-7)照明器具の組立て
次に、照明器具A1の組立ての手順を説明する。ただし、以下に説明する組立ての手順は一例であって、幾つかの手順の順序が入れ替わっても構わない。
【0041】
まず、組立て作業を行う作業者は、器具本体1の収容部10の内底面に電源ユニット6を取り付けた後、電源ユニット6に電源ケーブル7を電気的に接続する。それから、作業者は、収容部10の底を貫通する穴から電源ケーブル7を収容部10の外に引き出し、ケーブルグランド14によって収容部10の外底面に電源ケーブル7を固定する。
【0042】
続いて、作業者は、光源ユニット2の取付板21に設けられた4つの挿通穴に1本ずつ取付ねじ22を挿通し、これら4本の取付ねじ22を、フランジ部11の4つのめねじ部112に1本ずつねじ込むことでフランジ部11に光源ユニット2をねじ止めする。なお、作業者は、光源ユニット2をフランジ部11にねじ止めする前に、電源ユニット6から引き出されている出力用の電線をLEDモジュール20の基板201に実装されているコネクタに電気的に接続する。
【0043】
続いて、作業者は、シール部材5の溝54に周縁部91を挿入するようにして、ユニット本体90の周縁部91にシール部材5を装着する。それから、作業者は、シール部材5を装着したレンズユニットB1をフランジ部11の前面に載せた後、前方から枠3をシール部材5に被せる。
【0044】
そして、作業者は、突片32の複数(8つ)の挿通穴320及びフランジ部11の複数(8つ)の挿通穴111のそれぞれに、ボルト34を前方から1本ずつ挿通する。作業者は、フランジ部11の各挿通穴111に挿通されたボルト34にナット35を2つずつ締め付けて枠3を器具本体1のフランジ部11に固定する(図8参照)。
【0045】
最後に、作業者は、一対のアーム部41の挿通穴410にボルト80を1本ずつ挿通し、一対の取付部31に固定されている各ナット81にボルト80を1本ずつねじ込むことにより、アーム4を枠3に取り付ける。
【0046】
以上の手順で照明器具A1の組立て作業が完了する。
【0047】
(3)実施形態の利点
従来例のように器具本体がアルミダイカスト製であった場合、シール部材と接する部分を平面にするために器具本体の製造コストが増大してしまう。これに対して照明器具A1は、金属板で形成される器具本体1のフランジ部11と、同じく金属板で形成される枠3とでシール部材5を挟み、ボルト34とナット35の締付力によってシール部材5とフランジ部11及び枠3との隙間をシールしている。しかして、照明器具A1は、シール部材5でシールされる器具本体1(のフランジ部11)及び枠3がそれぞれ金属板で形成される。そのため、照明器具A1は、アルミダイカスト製に比べて、水密構造のための製造コスト(シール部材5と接する部分を平面にするための製造コスト)の削減を図ることができる。
【0048】
また、実施形態における透光パネル(レンズユニットB1)は、光源ユニット2を保護する保護機能と、LEDモジュール20の配光を制御する配光制御機能と、を有している。すなわち、照明器具A1は、配光制御機能と光源ユニット2の保護機能を1つの部品(レンズユニットB1)に持たせているので、部品点数の削減により、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0049】
さらに、照明器具A1は、シール部材5の第1面(第2シール部52の後面)と第2面(第1シール部51の前面)に第1面及び第2面から突出するリブ55が設けられている。すなわち、照明器具A1は、固定部材(ボルト34とナット35)で器具本体1と枠3が締結されることでリブ55が押し潰されるように変形するので、リブ55と第1面及び第2面が接する面積を増やしてシール性能の向上を図ることができる。
【0050】
ところで、器具本体1は、フランジ部11の外周縁から突出する突壁13を有している(図8参照)。シール部材5は、突壁13の内側に収められる。つまり、シール部材5は、突壁13にガイドされてフランジ部11の前面の所定の位置に配置される。しかして、照明器具A1は、器具本体1の突壁13でシール部材5(レンズユニットB1)をガイドすることにより、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0051】
さらに、照明器具A1は、突壁13によってシール部材5の周囲を囲っているので、シール部材5の上下方向及び左右方向の移動を突壁13で規制することができる。その結果、レンズユニットB1に設けられている複数のレンズ92と複数のLED200との位置ずれの抑制を図ることができる。
【0052】
ここで、レンズユニットB1のユニット本体90が四角のトレイ状に形成されており、ユニット本体90の前面と周縁部91の前面の間に段差(ギャップG1)が形成されている(図8参照)。しかして、照明器具A1は、左右方向及び上下方向から見て、ギャップG1の範囲内に枠本体30の突片32が収まるように枠3が器具本体1に取り付けられる(図8参照)。その結果、照明器具A1は、レンズユニットB1を透過して放射される照明光が枠3(突片32)にけられることを抑制しつつ、枠3の前面からレンズユニットB1が突出する量を減らして外観上の見栄えの向上を図ることができる。
【0053】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明器具(A1)は、照明光を放射する光源部(光源ユニット2)と、金属板で形成され、光源部を支持する器具本体(1)と、金属板で形成され、照明光が通過する窓(300)を有して器具本体(1)に取り付けられる枠(3)と、を備える。第1の態様に係る照明器具(A1)は、照明光に対する透過性を有して窓(300)に配置される透光パネル(レンズユニットB1)と、透光パネルの周縁に配置されるシール部材(5)と、器具本体(1)に枠(3)を固定する固定部材(ボルト34とナット35)と、を備える。器具本体(1)は、シール部材(5)を挟んで枠(3)と対向するフランジ部(11)を有する。固定部材は、枠(3)とフランジ部(11)の距離を縮めるように器具本体(1)と枠(3)を締結する。
【0054】
第1の態様に係る照明器具(A1)は、シール部材(5)でシールされる器具本体(1)及び枠3がそれぞれ金属板で形成されるので、アルミダイカスト製の器具本体に比べて、水密構造のための製造コストの削減を図ることができる。
【0055】
本開示の第2の態様に係る照明器具(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(A1)において、シール部材(5)は、フランジ部(11)に密着する第1面(第2シール部52の後面)と枠(3)に密着する第2面(第1シール部51の前面)を有することが好ましい。第1面と第2面の少なくとも一方に第1面又は第2面から突出するリブ(55)が設けられることが好ましい。
【0056】
第2の態様に係る照明器具(A1)は、リブ(55)と第1面又は第2面が接する面積を増やしてシール性能の向上を図ることができる。
【0057】
本開示の第3の態様に係る照明器具(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(A1)において、器具本体(1)は、フランジ部(11)の外周縁から突出する突壁(13)を更に有することが好ましい。
【0058】
第3の態様に係る照明器具(A1)は、器具本体(1)の突壁(13)でシール部材(5)をガイドすることにより、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0059】
本開示の第4の態様に係る照明器具(A1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(A1)において、突壁(13)は、フランジ部(11)と枠(3)が対向する方向と交差する方向に沿ってシール部材(5)と対向することが好ましい。
【0060】
第4の態様に係る照明器具(A1)は、シール部材(5)の移動を突壁(13)で規制することができる。
【0061】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(A1)において、透光パネルは、少なくとも一部が窓(300)に挿通されるパネル本体(ユニット本体90)と、パネル本体の周縁から突出してシール部材(5)が取り付けられる周縁部(91)と、を有することが好ましい。
【0062】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1)は、透光パネルの少なくとも一部が窓(300)に挿通された状態で枠(3)が器具本体(1)に取りけられる。その結果、第5の態様に係る照明器具(A1)は、透光パネルを透過して放射される照明光が枠(3)にけられることを抑制しつつ、枠(3)から透光パネルが突出する量を減らして外観上の見栄えの向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0063】
A1 照明器具
B1 レンズユニット(透光パネル)
1 器具本体
2 光源ユニット(光源部)
3 枠
5 シール部材
11 フランジ部
13 突壁
34 ボルト(固定部材)
35 ナット(固定部材)
55 リブ
90 ユニット本体(パネル本体)
91 周縁部
300 窓
図1
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