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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140011
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】積層バリスタ
(51)【国際特許分類】
H01C 7/112 20060101AFI20230927BHJP
【ＦＩ】
H01C7/112
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022045844
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高村 真史
(72)【発明者】
【氏名】秋山 優斗
(72)【発明者】
【氏名】矢内 剣
【テーマコード（参考）】
5E034
【Ｆターム（参考）】
5E034CC02
5E034DA07
(57)【要約】
【課題】クロストークの発生を抑制すること。
【解決手段】積層バリスタ１は、焼結体２と、焼結体２の内部に設けられた第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４と、を備える。第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第１主面側から第１内部電極Ｅ１、第３内部電極Ｅ３、第４内部電極Ｅ４、第２内部電極Ｅ２の順で配置される。第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４とは電気的に接続されている。第３方向から見て、第１内部電極Ｅ１の少なくとも一部と、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部と、が重なる。第３方向から見て、第２内部電極Ｅ２の少なくとも一部と、第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部と、が重なる。
【選択図】図１
【解決手段】積層バリスタ１は、焼結体２と、焼結体２の内部に設けられた第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４と、を備える。第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第１主面側から第１内部電極Ｅ１、第３内部電極Ｅ３、第４内部電極Ｅ４、第２内部電極Ｅ２の順で配置される。第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４とは電気的に接続されている。第３方向から見て、第１内部電極Ｅ１の少なくとも一部と、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部と、が重なる。第３方向から見て、第２内部電極Ｅ２の少なくとも一部と、第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部と、が重なる。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第１方向において互いに対向する第１端面及び第２端面と、前記第１方向と交差する第２方向において互いに対向する第１側面及び第２側面と、前記第１方向及び前記第２方向と交差する第３方向において互いに対向する第１主面及び第２主面と、を有する焼結体と、
前記焼結体の内部に設けられた第１内部電極、第２内部電極、第３内部電極及び第４内部電極と、を備え、
前記第１内部電極、前記第２内部電極、前記第３内部電極及び前記第４内部電極は、前記第１主面側から前記第１内部電極、前記第３内部電極、前記第４内部電極、前記第２内部電極の順で配置され、
前記第３内部電極と前記第４内部電極とは電気的に接続されており、
前記第３方向から見て、前記第１内部電極の少なくとも一部と、前記第３内部電極の少なくとも一部と、が重なり、
前記第３方向から見て、前記第２内部電極の少なくとも一部と、前記第４内部電極の少なくとも一部と、が重なる
積層バリスタ。
前記焼結体の内部に設けられた第１内部電極、第２内部電極、第３内部電極及び第４内部電極と、を備え、
前記第１内部電極、前記第２内部電極、前記第３内部電極及び前記第４内部電極は、前記第１主面側から前記第１内部電極、前記第３内部電極、前記第４内部電極、前記第２内部電極の順で配置され、
前記第３内部電極と前記第４内部電極とは電気的に接続されており、
前記第３方向から見て、前記第１内部電極の少なくとも一部と、前記第３内部電極の少なくとも一部と、が重なり、
前記第３方向から見て、前記第２内部電極の少なくとも一部と、前記第４内部電極の少なくとも一部と、が重なる
積層バリスタ。
【請求項2】
前記第３方向から見て、前記第３内部電極の少なくとも一部と、前記第４内部電極の少なくとも一部と、が重なる
請求項１に記載の積層バリスタ。
請求項１に記載の積層バリスタ。
【請求項3】
前記第３方向から見て、前記第１内部電極の少なくとも一部と、前記第２内部電極の少なくとも一部と、前記第３内部電極の少なくとも一部と、前記第４内部電極の少なくとも一部と、が重なる
請求項１に記載の積層バリスタ。
請求項１に記載の積層バリスタ。
【請求項4】
前記第３方向に沿った前記第３内部電極と前記第４内部電極との第１距離は、前記第３方向に沿った前記第１内部電極と前記第３内部電極との第２距離、及び、前記第３方向に沿った前記第２内部電極と前記第４内部電極との第３距離の各々よりも長い
請求項１～３のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
請求項１～３のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【請求項5】
前記第３方向に沿った前記第３内部電極と前記第４内部電極との第１距離は、前記第３方向に沿った前記第１内部電極と前記第３内部電極との第２距離、及び、前記第３方向に沿った前記第２内部電極と前記第４内部電極との第３距離の各々の０．５倍以上である
請求項１～３のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
請求項１～３のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【請求項6】
前記第３方向に沿った前記第３内部電極と前記第４内部電極との第１距離は、前記第３方向に沿った前記第１内部電極と前記第３内部電極との第２距離、及び、前記第３方向に沿った前記第２内部電極と前記第４内部電極との第３距離の各々の１．２倍以上である
請求項１～３のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
請求項１～３のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【請求項7】
前記第３方向に沿った前記第１主面と前記第１内部電極との第４距離は、前記第３方向に沿った前記第１内部電極と前記第３内部電極との第２距離よりも長く、
前記第３方向に沿った前記第２主面と前記第２内部電極との第５距離は、前記第３方向に沿った前記第２内部電極と前記第４内部電極との第３距離よりも長い
請求項１～６のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
前記第３方向に沿った前記第２主面と前記第２内部電極との第５距離は、前記第３方向に沿った前記第２内部電極と前記第４内部電極との第３距離よりも長い
請求項１～６のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【請求項8】
前記第１内部電極と前記第１主面との間に配置される第５内部電極と、
前記第２内部電極と前記第２主面との間に配置される第６内部電極と、を更に備え、
前記第５内部電極は、前記第３内部電極と電気的に接続され、
前記第６内部電極は、前記第４内部電極と電気的に接続される
請求項１～７のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
前記第２内部電極と前記第２主面との間に配置される第６内部電極と、を更に備え、
前記第５内部電極は、前記第３内部電極と電気的に接続され、
前記第６内部電極は、前記第４内部電極と電気的に接続される
請求項１～７のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【請求項9】
前記焼結体の表面に設けられた第１外部電極、第２外部電極及び第３外部電極と、を更に備え、
前記第１内部電極は、前記第１外部電極と電気的に接続され、
前記第２内部電極は、前記第２外部電極と電気的に接続され、
前記第３内部電極及び前記第４内部電極は、前記第３外部電極と電気的に接続される
請求項１～８のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
前記第１内部電極は、前記第１外部電極と電気的に接続され、
前記第２内部電極は、前記第２外部電極と電気的に接続され、
前記第３内部電極及び前記第４内部電極は、前記第３外部電極と電気的に接続される
請求項１～８のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【請求項10】
前記第１内部電極と前記第３内部電極との間の第１静電容量、及び、前記第２内部電極と前記第４内部電極との間の第２静電容量の各々は２００ｐＦ以下であり、
前記第１静電容量と前記第２静電容量との差は、前記第１静電容量の２０％以下である
請求項１～９のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
前記第１静電容量と前記第２静電容量との差は、前記第１静電容量の２０％以下である
請求項１～９のいずれか１項に記載の積層バリスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は積層バリスタに関し、より詳細には、複数の内部電極を備える積層バリスタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電製品や車載電子機器において小型化が進んでおり、その部品であるバリスタも小型化が求められている。また、バリスタが使用される回路の高周波化が進むと、バリスタの静電容量が性能（バリスタによるサージ吸収性能）に影響を与える可能性がある。そのため、所定のバリスタ電圧を確保しながら、静電容量が小さく、そのばらつきも小さいバリスタが求められている。またバリスタをペアで使う場合、ペア間の静電容量の差を小さくするために、１素子の中に２個のバリスタを形成したものが提案されている。なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例として、特許文献１が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平７－２３５４０６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の積層バリスタでは、一方のバリスタを構成する内部電極と他方のバリスタを構成する内部電極の間で浮遊容量が発生することで、一方の内部端子から他方の内部端子に信号が漏れるクロストークが発生しやすくなるという問題があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、クロストークの発生を抑制することができる積層バリスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る積層バリスタは、焼結体と、前記焼結体の内部に設けられた第１内部電極、第２内部電極、第３内部電極及び第４内部電極と、を備える。前記焼結体は、第１方向において互いに対向する第１端面及び第２端面と、前記第１方向と交差する第２方向において互いに対向する第１側面及び第２側面と、前記第１方向及び前記第２方向と交差する第３方向において互いに対向する第１主面及び第２主面と、を有する。前記第１内部電極、前記第２内部電極、前記第３内部電極及び前記第４内部電極は、前記第１主面側から前記第１内部電極、前記第３内部電極、前記第４内部電極、前記第２内部電極の順で配置される。前記第３内部電極と前記第４内部電極とは電気的に接続されている。前記第３方向から見て、前記第１内部電極の少なくとも一部と、前記第３内部電極の少なくとも一部と、が重なる。前記第３方向から見て、前記第２内部電極の少なくとも一部と、前記第４内部電極の少なくとも一部と、が重なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、クロストークの発生を抑制することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る積層バリスタ１について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態（変形例を含む）は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0010】
（１）概要
以下、積層バリスタ１の概要について、図１～図４を参照して説明する。なお、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下、積層バリスタ１の概要について、図１～図４を参照して説明する。なお、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
積層バリスタ１は、焼結体２と、焼結体２の内部に設けられた第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４と、を備える。
【0012】
焼結体２は、第１方向において互いに対向する第１端面Ｓ１１及び第２端面Ｓ１２と、第１方向と交差する第２方向において互いに対向する第１側面Ｓ２１及び第２側面Ｓ２２と、第１方向及び第２方向と交差する第３方向において互いに対向する第１主面Ｓ３１及び第２主面Ｓ３２と、を有する。
【0013】
第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第１主面Ｓ３１側から第１内部電極Ｅ１、第３内部電極Ｅ３、第４内部電極Ｅ４、第２内部電極Ｅ２の順で配置される。
【0014】
第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４とは電気的に接続されている。
【0015】
第３方向から見て、第１内部電極Ｅ１の少なくとも一部と、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部と、が重なる。
【0016】
第３方向から見て、第２内部電極Ｅ２の少なくとも一部と、第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部と、が重なる。
【0017】
本実施形態の積層バリスタ１において、第１内部電極Ｅ１と第３内部電極Ｅ３との間で第１バリスタ領域Ａ１が形成され、第２内部電極Ｅ２と第４内部電極Ｅ４との間で第２バリスタ領域Ａ２が形成される。第１バリスタ領域Ａ１において、第１内部電極Ｅ１と第３内部電極Ｅ３との間にサージ電圧が印加された場合に、サージ電流が流れる。また第２バリスタ領域Ａ２においては、第２内部電極Ｅ２と第４内部電極Ｅ４との間にサージ電圧が印加された場合に、サージ電流が流れる。
【0018】
積層バリスタ１は、例えば２線式差動電圧伝送方式で通信を行う通信用ＩＣの近傍に配置されて使用される。通信用ＩＣ２には２つの信号ラインのランドと、グランドラインのランドが接続されている。ここで、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２は、２つの信号ラインのランドの各々に電気的に接続される。また、第３内部電極Ｅ４及び第４内部電極Ｅ４はグランドラインのランドに電気的に接続される。
【0019】
上記の実施形態によれば、第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４との間に間隔が設けられるため、第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４の機能が１つの内部電極によって実現される場合と比較して、第１内部電極Ｅ１と第２内部電極Ｅ２との間の距離を長くすることができる。これにより、第１内部電極Ｅ１と第２内部電極Ｅ２との間の浮遊容量を小さくことができ、第１バリスタ領域Ａ１を構成する第１内部電極Ｅ１から、第２バリスタ領域Ａ２を構成する第２内部電極Ｅ２に信号が漏れるクロストークの発生を抑制することができる。
【0020】
【0021】
【0022】
積層バリスタ１は、上述したように、焼結体２と、焼結体２の内部に設けられた例えば４つの内部電極（第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４）を備える。なお、内部電極の数は４つに限定されず、適宜変更可能である。また、積層バリスタ１は、焼結体２の表面に設けられた第１外部電極Ｇ１、第２外部電極Ｇ２及び第３外部電極Ｇ３を更に備える。第１内部電極Ｅ１は、第１外部電極Ｇ１と電気的に接続されている。第２内部電極Ｅ２は、第２外部電極Ｇ２と電気的に接続されている。第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第３外部電極Ｇ３と電気的に接続されている。つまり、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第３外部電極Ｇ３を介して電気的に接続されている。
【0023】
焼結体２は、例えば、長さ１.６ｍｍ、幅０.８ｍｍ、高さ０．８ｍｍの直方体状に形成されている。なお、図１等において、焼結体２の外形は直方体状に図示されているが、焼結体２の角部には適宜面取り加工を施してもよく、焼結体２の角部は丸みを帯びていてもよい。
【0024】
以下の説明では、焼結体２の長辺方向（左右方向）を「Ｘ軸方向」、焼結体２の奥行き方向（前後方向）を「Ｙ軸方向」、焼結体２の厚み方向（上下方向）を「Ｚ軸方向」とする。これらの方向を規定するＸ軸、Ｙ軸及びＺ軸は、互いに直交する。さらに、Ｘ軸方向の正の向きを右側、Ｙ軸方向の正の向きを前側、Ｚ軸方向の正の向きを上側と規定する。ただし、これらの方向は一例であり、積層バリスタ１の使用時の方向を限定する趣旨ではない。また図面における「Ｘ軸方向」、「Ｙ軸方向」及び「Ｚ軸方向」を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0025】
焼結体２は、図２～図４に示すように、Ｘ軸方向において互いに対向する第１端面Ｓ１１及び第２端面Ｓ１２、Ｙ軸方向において互いに対向する第１側面Ｓ２１及び第２側面Ｓ２２、並びにＺ軸方向において互いに対向する第１主面Ｓ３１及び第２主面Ｓ３２を有する。つまりＸ軸方向が、第１端面Ｓ１１及び第２端面Ｓ１２が対向する「第１方向」に相当する。また、Ｙ軸方向が、第１側面Ｓ２１及び第２側面Ｓ２２が対向する「第２方向」に相当する。また、Ｚ軸方向が、第１主面Ｓ３１及び第２主面Ｓ３２が対向する「第３方向」に相当する。
【0026】
焼結体２は、非直線性抵抗特性を有する半導体セラミックス成分で構成されている。この焼結体２は、例えば、ＺｎＯを主成分とし、副成分としてＢｉ２Ｏ３、Ｃｏ２Ｏ３、ＭｎＯ２、Ｓｂ２Ｏ３のうちの少なくとも１種を含んでもよく、Ｐｒ６Ｏ１１、Ｃｏ２Ｏ３、ＣａＣＯ３、Ｃｒ２Ｏ３のうちの少なくとも１種を含んでもよい。焼結体２は、ＺｎＯが焼結し、その粒界にその他の副成分が析出している。そして、ＺｎＯ粒子間に形成される粒界障壁により非直線性抵抗特性が発現する。焼結体２は、例えば、ＺｎＯを主成分とする５つの層ＬＹ１～ＬＹ５（図２参照）を第３方向に積層した後に焼結して形成されている。なお、焼結体２の表面は、焼結体２よりも抵抗の大きい高抵抗層に覆われていてもよい。
【0027】
第１外部電極Ｇ１、第２外部電極Ｇ２及び第３外部電極Ｇ３は、焼結体２の表面に設けられる。図１に示すように、本実施形態の積層バリスタ１は２つの第３外部電極Ｇ３（第３外部電極Ｇ３１、Ｇ３２）を備えている。すなわち、本実施形態の積層バリスタ１は所謂４端子型の積層バリスタである。なお第３外部電極Ｇ３の数は２つに限定されず、１つでもよいし、３つ以上でもよい。
【0028】
第１外部電極Ｇ１、第２外部電極Ｇ２及び第３外部電極Ｇ３１、Ｇ３２は、例えば銀、銅、白金、又はそれらの合金等の金属により形成されている。なお、第１外部電極Ｇ１、第２外部電極Ｇ２及び第３外部電極Ｇ３１、Ｇ３２は、例えば銀、銅、白金、又はそれらの合金等の金属により形成された一次電極と、一次電極の表面に形成されたニッケル又は錫等のめっき層からなる二次電極と、で構成されてもよい。
【0029】
第１外部電極Ｇ１及び第２外部電極Ｇ２は、例えば、焼結体２の第１端面Ｓ１１及び第２端面Ｓ１２の各々に導電性ペーストをディッピングすることによって形成される。
【0030】
第１外部電極Ｇ１は、第１端面Ｓ１１の全面と、第１側面Ｓ２１、第２側面Ｓ２２、第１主面Ｓ３１及び第２主面Ｓ３２の各々の左端部とに設けられている。
【0031】
第２外部電極Ｇ２は、第２端面Ｓ１２の全面と、第１側面Ｓ２１、第２側面Ｓ２２、第１主面Ｓ３１及び第２主面Ｓ３２の各々の右端部とに設けられている。
【0032】
第３外部電極Ｇ３１、Ｇ３２は、例えば、焼結体２の表面に導電性ペーストをローラ転写することによって形成されている。
【0033】
第３外部電極Ｇ３１は、第１側面Ｓ２１の中央部と、第１主面Ｓ３１の後端部の中央と、第２主面Ｓ３２の後端部の中央とに設けられている。
【0034】
第３外部電極Ｇ３２は、第２側面Ｓ２２の中央部と、第１主面Ｓ３１の前端部の中央と、第２主面Ｓ３２の前端部の中央とに設けられている。
【0035】
第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、焼結体２の内部に設けられる。
【0036】
ここで、上述したように、焼結体２は、第３方向に積層した５つの層ＬＹ１～ＬＹ５（図２参照）を有している。図２に示すように、層ＬＹ１～ＬＹ５は、上から層ＬＹ１、ＬＹ２、ＬＹ３、ＬＹ４、ＬＹ５の順に並ぶように積層されている。
【0037】
第１内部電極Ｅ１は、例えば層ＬＹ２の上面（以下、第１積層面ＳＦ１とも言う）に設けられている。第２内部電極Ｅ２は、例えば、層ＬＹ５の上面（以下、第２積層面ＳＦ２とも言う）に設けられている。第３内部電極Ｅ３は、例えば層ＬＹ３の上面（以下、第３積層面ＳＦ３とも言う）に設けられている。第４内部電極Ｅ４は、例えば層ＬＹ４の上面（以下、第４積層面ＳＦ４とも言う）に設けられている。これにより、第３方向（上下方向）において、第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第１主面Ｓ３１側から第１内部電極Ｅ１、第３内部電極Ｅ３、第４内部電極Ｅ４、第２内部電極Ｅ２の順に、各々が隔てられた状態で配置される。詳細には、図２に示すように、第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４とは、第３方向に沿って、第１距離Ｄ１だけ隔てて配置されている。第１内部電極Ｅ１と第３内部電極Ｅ３とは、第３方向に沿って、第２距離Ｄ２だけ隔てて配置されている。第２内部電極Ｅ２と第４内部電極Ｅ４とは、第３方向に沿って、第３距離Ｄ３だけ隔てて配置されている。
【0038】
ここにおいて、第１距離Ｄ１は、第２距離Ｄ２及び第３距離Ｄ３の各々の０．５倍以上であることが好ましい。本実施形態では、第１距離Ｄ１は、第２距離Ｄ２及び第３距離Ｄ３の各々よりも長い距離である。なお、第１距離Ｄ１は、第２距離Ｄ２及び第３距離Ｄ３の各々の１．２倍以上であることが更に好ましい。
【0039】
これにより、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２の距離が、第２距離Ｄ２及び第３距離Ｄ３と比較して長くなるため、第１内部電極Ｅ１と第２内部電極Ｅ２との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0040】
第１内部電極Ｅ１は、第１主面Ｓ３１と、第３方向に沿って第４距離Ｄ４だけ隔てて配置されている。第４距離Ｄ４は第２距離Ｄ２よりも長い距離である。
【0041】
これにより、第１内部電極Ｅ１と、第１主面Ｓ３１の右端に設けられた第２外部電極Ｇ２の一部との間の距離が、第２距離Ｄ２と比較して十分に長くなる。ここで、上述したように、第２外部電極Ｇ２は第２内部電極Ｅ２と電気的に接続されている。したがって、第１内部電極Ｅ１と第２内部電極Ｅ２との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0042】
また、第２内部電極Ｅ２は、第２主面Ｓ３２と、第３方向に沿って第５距離Ｄ５だけ隔てて配置されている。第５距離Ｄ５は第３距離Ｄ３よりも長い距離である。
【0043】
これにより、第２内部電極Ｅ２と、第２主面Ｓ３２の左端に設けられた第１外部電極Ｇ１の一部との間の距離が、第３距離Ｄ３と比較して十分に長くなる。ここで、上述したように、第１外部電極Ｇ１は第１内部電極Ｅ１と電気的に接続されている。したがって、第１内部電極Ｅ１と第２内部電極Ｅ２との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0044】
第１内部電極Ｅ１は、図３及び図４に示すように、第１対向部Ｆ１と第１引出部Ｂ１とを有している。第１引出部Ｂ１は、第１対向部Ｆ１よりも第２方向における幅が狭く、第１対向部Ｆ１から第１方向に沿って左側に突出している。第１引出部Ｂ１の左端は、第１外部電極Ｇ１と電気的に接続されている。
【0045】
第２内部電極Ｅ２は、第２対向部Ｆ２と第２引出部Ｂ２とを有している。第２引出部Ｂ２は、第２対向部Ｆ２よりも第２方向における幅が狭く、第２対向部Ｆ２から第１方向に沿って右側に突出している。第２引出部Ｂ２の右端は、第２外部電極Ｇ２と電気的に接続されている。
【0046】
第１対向部Ｆ１の第２方向における幅は、例えば、第２対向部Ｆ２の第２方向における幅と等しくなるように形成されている。また、第１対向部Ｆ１の第１方向における幅は、例えば、第２対向部Ｆ２の第１方向における幅と等しくなるように形成されている。
【0047】
第３内部電極Ｅ３は、第３対向部Ｆ３と例えば２つの第３引出部Ｂ３とを有している。２つの第３引出部Ｂ３は、第３対向部Ｆ３よりも第１方向における幅が狭く、第３対向部Ｆ３から第２方向に沿って前後方向に各々突出している。後側に突出した第３引出部Ｂ３は、第３外部電極Ｇ３１に電気的に接続され、前側に突出した第３引出部Ｂ３は、第３外部電極Ｇ３２に電気的に接続されている。
【0048】
第４内部電極Ｅ４は、第４対向部Ｆ４と２つの第４引出部Ｂ４とを有している。２つの第４引出部Ｂ４は、第４対向部Ｆ４よりも第１方向における幅が狭く、第４対向部Ｆ４から例えば第２方向に沿って前後方向に各々突出している。後側に突出した第４引出部Ｂ４は、第３外部電極Ｇ３１に電気的に接続され、前側に突出した第４引出部Ｂ４は、第３外部電極Ｇ３２に電気的に接続されている。したがって、第３内部電極Ｅ３と第４内部電極Ｅ４とは第３外部電極Ｇ３１、Ｇ３２を介して、電気的に接続されている。
【0049】
図３に示すように、第１内部電極Ｅ１及び第３内部電極Ｅ３は、上方から見て、第１内部電極Ｅ１の少なくとも一部と、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部とが重なるように配置されている。具体的には、上方から見て、第３内部電極Ｅ３の第３対向部Ｆ３は、第１内部電極Ｅ１の第１対向部Ｆ１よりも大きく、第３対向部Ｆ３に第１対向部Ｆ１と第１引出部Ｂ１の一部が含まれる。これにより、第１対向部Ｆ１及び第１引出部Ｂ１の一部と、第３対向部Ｆ３との間で、第１バリスタ領域Ａ１が形成される。第１バリスタ領域Ａ１の第１静電容量は２００ｐＦ以下であることが好ましい。
【0050】
また、図４に示すように、第２内部電極Ｅ２及び第４内部電極Ｅ４は、下方から見て、第２内部電極Ｅ２の少なくとも一部と、第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部とが重なるように配置されている。具体的には、下方から見て、第４内部電極Ｅ４の第４対向部Ｆ４は、第２内部電極Ｅ２の第２対向部Ｆ２よりも大きく、第４対向部Ｆ４に第２対向部Ｆ２と第２引出部Ｂ２の一部が含まれる。これにより、第２対向部Ｆ２及び第２引出部Ｂ２の一部と、第４対向部Ｆ４との間で、第２バリスタ領域Ａ２が形成される。第２バリスタ領域Ａ２の第２静電容量は２００ｐＦ以下であることが好ましい。また、第１静電容量と第２静電容量との差は、第１静電容量の２０％以下であることが好ましい。これにより、第１静電容量と第２静電容量との差が積層バリスタ１のサージ吸収特性に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0051】
また、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第３方向から見て、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部と、第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部とが重なるように配置される。具体的には、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、例えば第３方向から見て同一形状に形成されており、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第３方向から見て各々の全領域において重なった状態となっている。
【0052】
したがって、本実施形態においては、第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４は、第３方向から見て、第１内部電極Ｅ１の少なくとも一部と、第２内部電極Ｅ２の少なくとも一部と、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部と、第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部と、が重なるように配置されている。
【0053】
これにより、第３内部電極Ｅ３の少なくとも一部及び第４内部電極Ｅ４の少なくとも一部が、第１内部電極Ｅ１の少なくとも一部を、第２内部電極Ｅ２の少なくとも一部から遮蔽するため、クロストークの発生を抑制することができる。また、これにより、積層バリスタ１を小型化することができる。
【0054】
（３）変形例
以下、上記実施形態の変形例について説明する。ただし上記実施形態と共通する構成要素については同じ参照符号を付して、適宜その説明を省略する。また、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
以下、上記実施形態の変形例について説明する。ただし上記実施形態と共通する構成要素については同じ参照符号を付して、適宜その説明を省略する。また、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0055】
（３．１）変形例１
変形例１の積層バリスタ１Ａでは、図５及び図６に示すように、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２が、第３方向から見て、重ならないように配置されている。詳細には、バリスタ１Ａでは、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２が、第３方向から見て、前後方向に並ぶように配置されている。
変形例１の積層バリスタ１Ａでは、図５及び図６に示すように、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２が、第３方向から見て、重ならないように配置されている。詳細には、バリスタ１Ａでは、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２が、第３方向から見て、前後方向に並ぶように配置されている。
【0056】
積層バリスタ１Ａでは、例えば、第３内部電極Ｅ３の第３対向部Ｆ３と、第４内部電極Ｅ４の第４対向部Ｆ４とが、第３方向から見て、前後方向に並んで配置されている。言い換えると、第３内部電極Ｅ３の第３対向部Ｆ３と、第４内部電極Ｅ４の第４対向部Ｆ４とは、第３方向から見て、重ならない位置に配置されている。ここで、第３対向部Ｆ３は、上記実施形態と同様に、第１対向部Ｆ１よりも大きく、第３対向部Ｆ３に第１対向部Ｆ１と第１引出部Ｂ１の一部が含まれる。また、下方から見て、第４対向部Ｆ４は、上記実施形態と同様に、第２対向部Ｆ２よりも大きく、第４対向部Ｆ４に第２対向部Ｆ２と第２引出部Ｂ２の一部が含まれる。
【0057】
これにより、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２との距離を、上記実施形態と比較して長くすることができるため、第１内部電極Ｅ１と第２内部電極Ｅ２との間の浮遊容量をより小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0058】
なお、第１内部電極Ｅ１及び第２内部電極Ｅ２は、第３方向から見て、左右方向に並ぶように配置されてもよい。
【0059】
（３．２）変形例２
変形例２の積層バリスタ１Ｂでは、図７に示すように、第１引出部Ｂ１の第２方向における幅と、第１対向部Ｆ１の第２方向における幅とが等しくなるように構成されている。また、第２引出部Ｂ２の第２方向における幅と、第２対向部Ｆ２の第２方向における幅とが等しくなるように構成されている。
変形例２の積層バリスタ１Ｂでは、図７に示すように、第１引出部Ｂ１の第２方向における幅と、第１対向部Ｆ１の第２方向における幅とが等しくなるように構成されている。また、第２引出部Ｂ２の第２方向における幅と、第２対向部Ｆ２の第２方向における幅とが等しくなるように構成されている。
【0060】
これにより、第１引出部Ｂ１の第１外部電極Ｇ１との接続安定性及び第２引出部Ｂ２の第２外部電極Ｇ２との接続安定性を向上させることができる。
【0061】
（３．３）変形例３
変形例３の積層バリスタ１Ｃは、図８に示すように、焼結体２の内部に第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４を備える。また、積層バリスタ１Ｃは、第５内部電極Ｅ５と第６内部電極Ｅ６とを更に備える。
変形例３の積層バリスタ１Ｃは、図８に示すように、焼結体２の内部に第１内部電極Ｅ１、第２内部電極Ｅ２、第３内部電極Ｅ３及び第４内部電極Ｅ４を備える。また、積層バリスタ１Ｃは、第５内部電極Ｅ５と第６内部電極Ｅ６とを更に備える。
【0062】
第５内部電極Ｅ５は、第１内部電極Ｅ１と第１主面Ｓ３１との間に配置される。
【0063】
第５内部電極Ｅ５は、第３内部電極Ｅ３と電気的に接続される。具体的には、第５内部電極Ｅ５は、第３外部電極Ｇ３と電気的に接続される。つまり、第５内部電極Ｅ５は、第３外部電極Ｇ３を介して、第３内部電極Ｅ３と電気的に接続されている。
【0064】
第６内部電極Ｅ６は、第２内部電極Ｅ２と第２主面Ｓ３２との間に配置される。
【0065】
第６内部電極Ｅ６は、第４内部電極Ｅ４と電気的に接続される。具体的には、第６内部電極Ｅ６は、第３外部電極Ｇ３と電気的に接続される。つまり、第６内部電極Ｅ６は、第３外部電極Ｇ３を介して、第４内部電極Ｅ４と電気的に接続されている。
【0066】
第５内部電極Ｅ５は、例えば第１内部電極Ｅ１の第１対向部Ｆ１を覆うように形成されている。これにより、第５内部電極Ｅ５が、第１対向部Ｆ１を、第１主面Ｓ３１の右端に設けられた第２外部電極Ｇ２から遮蔽することができ、クロストークの発生を抑制することができる。また、第１対向部Ｆ１と第５内部電極Ｅ５との間にもバリスタ領域が形成されるため、積層バリスタ１Ｃのサージ電流耐量を増やすことができる。
【0067】
第６内部電極Ｅ６は、例えば第２内部電極Ｅ２の第２対向部Ｆ２を覆うように形成されている。これにより、第６内部電極Ｅ６が、第２対向部Ｆ２を、第２主面Ｓ３２の左端に設けられた第１外部電極Ｇ１から遮蔽することができ、クロストークの発生を抑制することができる。また、第２対向部Ｆ２と第６内部電極Ｅ６との間にもバリスタ領域が形成されるため、積層バリスタ１Ｃのサージ電流耐量を増やすことができる。
【0068】
（３．４）変形例４
変形例４の積層バリスタ１Ｄは、図９に示すように、焼結体２の内部に、例えば２つの第１内部電極Ｅ１（Ｅ１１、Ｅ１２）と、例えば２つの第２内部電極Ｅ２（Ｅ２１、Ｅ２２）と、例えば３つの第３内部電極Ｅ３（Ｅ３１、Ｅ３２、Ｅ３３）と、例えば３つの第４内部電極Ｅ４（Ｅ４１、Ｅ４２、Ｅ４３）と、を備える。
変形例４の積層バリスタ１Ｄは、図９に示すように、焼結体２の内部に、例えば２つの第１内部電極Ｅ１（Ｅ１１、Ｅ１２）と、例えば２つの第２内部電極Ｅ２（Ｅ２１、Ｅ２２）と、例えば３つの第３内部電極Ｅ３（Ｅ３１、Ｅ３２、Ｅ３３）と、例えば３つの第４内部電極Ｅ４（Ｅ４１、Ｅ４２、Ｅ４３）と、を備える。
【0069】
これらの内部電極は、第１主面Ｓ３１側から、第３内部電極Ｅ３１、第１内部電極Ｅ１１、第３内部電極Ｅ３２、第１内部電極Ｅ１２、第３内部電極Ｅ３３、第４内部電極Ｅ４１、第２内部電極Ｅ２１、第４内部電極Ｅ４２、第２内部電極Ｅ２２、第４内部電極Ｅ４３の順で配置されている。
【0070】
第１内部電極Ｅ１１、Ｅ１２は第１外部電極Ｇ１に電気的に接続されている。
【0071】
第２内部電極Ｅ２１、Ｅ２２は第２外部電極Ｇ２に電気的に接続されている。
【0072】
第３内部電極Ｅ３１、Ｅ３２、Ｅ３３は、第３外部電極Ｇ３に電気的に接続されている。
【0073】
第４内部電極Ｅ４１、Ｅ４２、Ｅ４３は、第３外部電極Ｇ３に電気的に接続されている。
【0074】
第３内部電極Ｅ３１は、例えば第１内部電極Ｅ１１の第１対向部Ｆ１１を覆うように形成されている。これにより、第３内部電極Ｅ３１が、第１対向部Ｆ１１を、第１主面Ｓ３１の右端に設けられた第２外部電極Ｇ２から遮蔽することができ、クロストークの発生を抑制することができる。また、第１対向部Ｆ１１と第３内部電極Ｅ３１との間にもバリスタ領域が形成されるため、積層バリスタ１Ｄのサージ電流耐量を増やすことができる。
【0075】
第４内部電極Ｅ４３は、例えば第２内部電極Ｅ２２の第２対向部Ｆ２２を覆うように形成されている。これにより、第４内部電極Ｅ４３が、第２対向部Ｆ２２を、第２主面Ｓ３２の左端に設けられた第１外部電極Ｇ１から遮蔽することができ、クロストークの発生を抑制することができる。また、第２対向部Ｆ２２と第４内部電極Ｅ４３との間にもバリスタ領域が形成されるため、積層バリスタ１Ｄのサージ電流耐量を増やすことができる。
【0076】
【0077】
積層バリスタ１Ｅでは、第１側面Ｓ２１の中央部に、第１外部電極Ｇ１Ｅ（Ｇ１１Ｅ）及び第２外部電極Ｇ２Ｅ（Ｇ２１Ｅ）が第１方向に並んで設けられている。また第１側面Ｓ２１において、第１外部電極Ｇ１１Ｅの左側に第３外部電極Ｇ３Ｅ（Ｇ３１Ｅ）が設けられ、第２外部電極Ｇ２１Ｅの右側に第３外部電極Ｇ３Ｅ（Ｇ３２Ｅ）が設けられる。つまり、第１方向において、第３外部電極Ｇ３１Ｅ、第１外部電極Ｇ１１Ｅ、第２外部電極Ｇ２１Ｅ、及び第３外部電極Ｇ３２Ｅがこの順に並んでいる。
【0078】
同様に、第２側面Ｓ２２の中央部に、第１外部電極Ｇ１Ｅ（Ｇ１２Ｅ）及び第２外部電極Ｇ２Ｅ（Ｇ２２Ｅ）が第１方向に並んで設けられている。また第２側面Ｓ２２において、第１外部電極Ｇ１２Ｅの左側に第３外部電極Ｇ３Ｅ（Ｇ３３Ｅ）が設けられ、第２外部電極Ｇ２２Ｅの右側に第３外部電極Ｇ３Ｅ（Ｇ３４Ｅ）が設けられる。つまり、第１方向において、第３外部電極Ｇ３３Ｅ、第１外部電極Ｇ１２Ｅ、第２外部電極Ｇ２２Ｅ、及び第３外部電極Ｇ３４Ｅがこの順に並んでいる。
【0079】
積層バリスタ１Ｅでは、図１０に示すように、焼結体２の内部に、第１主面Ｓ３１側から第１内部電極Ｅ１Ｅ、第３内部電極Ｅ３Ｅ、第４内部電極Ｅ４Ｅ、第２内部電極Ｅ２Ｅが、この順に、各々が隔てられた状態で配置される。第３内部電極Ｅ３Ｅと第４内部電極Ｅ４Ｅとは、第３方向に沿って、第１距離Ｄ１Ｅだけ隔てて配置されている。第１内部電極Ｅ１Ｅと第３内部電極Ｅ３Ｅとは、第３方向に沿って、第２距離Ｄ２Ｅだけ隔てて配置されている。第２内部電極Ｅ２Ｅと第４内部電極Ｅ４Ｅとは、第３方向に沿って、第３距離Ｄ３Ｅだけ隔てて配置されている。第１距離Ｄ１Ｅは、第２距離Ｄ２Ｅ及び第３距離Ｄ３Ｅの各々よりも長い距離である。
【0080】
第１内部電極Ｅ１Ｅは、第１主面Ｓ３１と、第３方向に沿って第４距離Ｄ４Ｅだけ隔てて配置されている。第４距離Ｄ４Ｅは第２距離Ｄ２Ｅよりも長い距離である。
【0081】
また、第２内部電極Ｅ２Ｅは、第２主面Ｓ３２と、第３方向に沿って第５距離Ｄ５Ｅだけ隔てて配置されている。第５距離Ｄ５Ｅは第３距離Ｄ３Ｅよりも長い距離である。
【0082】
第１内部電極Ｅ１Ｅは、第１対向部Ｆ１Ｅと、２つの第１引出部Ｂ１Ｅとを有している。第１方向において、第１引出部Ｂ１Ｅは第１対向部Ｆ１Ｅよりも幅が狭い。２つの第１引出部Ｂ１Ｅは、第１対向部Ｆ１Ｅから前側及び後側に各々突出している。後側に突出した第１引出部Ｂ１Ｅは、第１外部電極Ｇ１１Ｅに電気的に接続され、前側に突出した第１引出部Ｂ１Ｅは、第１外部電極Ｇ１２Ｅに電気的に接続されている。
【0083】
第２内部電極Ｅ２Ｅは、第２対向部Ｆ２Ｅと、２つの第２引出部Ｂ２Ｅとを有している。第１方向において、第２引出部Ｂ２Ｅは第２対向部Ｆ２Ｅよりも幅が狭い。２つの第２引出部Ｂ２Ｅは、第２対向部Ｆ２Ｅから前側及び後側に各々突出している。後側に突出した第２引出部Ｂ２Ｅは、第２外部電極Ｇ２１Ｅに電気的に接続され、前側に突出した第２引出部Ｂ２Ｅは、第２外部電極Ｇ２２Ｅに電気的に接続されている。
【0084】
第３内部電極Ｅ３Ｅは、第３対向部Ｆ３Ｅと、第１連結部Ｊ３１と、第１突出部Ｔ３１と、第２連結部Ｊ３２と、第２突出部Ｔ３２と、を有する。
【0085】
第１連結部Ｊ３１は、第３外部電極Ｇ３１Ｅと第３外部電極Ｇ３３Ｅとの間を連結する。第１突出部Ｔ３１は、第２方向において第３対向部Ｆ３Ｅよりも幅が狭く、第３対向部Ｆ３Ｅから左側に突出して第１連結部Ｊ３１に接続される。
【0086】
第２連結部Ｊ３２は、第３外部電極Ｇ３２Ｅと第３外部電極Ｇ３４Ｅとの間を連結する。第２突出部Ｔ３２は、第２方向において第３対向部Ｆ３Ｅよりも幅が狭く、第３対向部Ｆ３Ｅから右側に突出して第２連結部Ｊ３２に接続される。
【0087】
第４内部電極Ｅ４Ｅは、第４対向部Ｆ４Ｅと、第１連結部Ｊ４１と、第１突出部Ｔ４１と、第２連結部Ｊ４２と、第２突出部Ｔ４２と、を有する。
【0088】
第１連結部Ｊ４１は、第３外部電極Ｇ３１Ｅと第３外部電極Ｇ３３Ｅとの間を連結する。第１突出部Ｔ４１は、第２方向において第４対向部Ｆ４Ｅよりも幅が狭く、第４対向部Ｆ４Ｅから左側に突出して第１連結部Ｊ４１に接続される。
【0089】
第２連結部Ｊ４２は、第３外部電極Ｇ３２Ｅと第３外部電極Ｇ３４Ｅとの間を連結する。第２突出部Ｔ４２は、第２方向において第４対向部Ｆ４Ｅよりも幅が狭く、第４対向部Ｆ４Ｅから右側に突出して第２連結部Ｊ４２に接続される。
【0090】
図１１に示すように、上方から見て、第３対向部Ｆ３Ｅは、第１対向部Ｆ１Ｅよりも大きく、第３対向部Ｆ３Ｅに第１対向部Ｆ１Ｅと第１引出部Ｂ１Ｅの一部が含まれる。
【0091】
また、図１２に示すように、下方から見て、第４対向部Ｆ４Ｅは、第２対向部Ｆ２Ｅよりも大きく、第４対向部Ｆ４Ｅに第２対向部Ｆ２Ｅと第２引出部Ｂ２Ｅの一部が含まれる。
【0092】
第３内部電極Ｅ３Ｅ及び第４内部電極Ｅ４Ｅは、例えば第３方向から見て同一形状に形成されており、第３内部電極Ｅ３Ｅ及び第４内部電極Ｅ４Ｅは、第３方向から見て各々の全領域において重なった状態となっている。
【0093】
これにより、第３内部電極Ｅ３Ｅの少なくとも一部及び第４内部電極Ｅ４Ｅの少なくとも一部が、第１内部電極Ｅ１Ｅの少なくとも一部を、第２内部電極Ｅ２Ｅの少なくとも一部から遮蔽するため、第１内部電極Ｅ１Ｅから第２内部電極Ｅ２Ｅに信号が漏れるクロストークの発生を抑制することができる。
【0094】
（４）まとめ
以上述べたように、第１の態様に係る積層バリスタ（１）は、焼結体（２）と、焼結体（２）の内部に設けられた第１内部電極（Ｅ１）、第２内部電極（Ｅ２）、第３内部電極（Ｅ３）及び第４内部電極（Ｅ４）と、を備える。焼結体（２）は、第１方向において互いに対向する第１端面（Ｓ１１）及び第２端面（Ｓ１２）と、第１方向と交差する第２方向において互いに対向する第１側面（Ｓ２１）及び第２側面（Ｓ２２）と、第１方向及び第２方向と交差する第３方向において互いに対向する第１主面（Ｓ３１）及び第２主面（Ｓ３２）と、を有する。第１内部電極（Ｅ１）、第２内部電極（Ｅ２）、第３内部電極（Ｅ３）及び第４内部電極（Ｅ４）は、第１主面（Ｓ３１）側から第１内部電極（Ｅ１）、第３内部電極（Ｅ３）、第４内部電極（Ｅ４）、第２内部電極（Ｅ２）の順で配置される。第３内部電極（Ｅ３）と第４内部電極（Ｅ４）とは電気的に接続されている。第３方向から見て、第１内部電極（Ｅ１）の少なくとも一部と、第３内部電極（Ｅ３）の少なくとも一部と、が重なる。第３方向から見て、第２内部電極（Ｅ２）の少なくとも一部と、第４内部電極（Ｅ４）の少なくとも一部と、が重なる。
以上述べたように、第１の態様に係る積層バリスタ（１）は、焼結体（２）と、焼結体（２）の内部に設けられた第１内部電極（Ｅ１）、第２内部電極（Ｅ２）、第３内部電極（Ｅ３）及び第４内部電極（Ｅ４）と、を備える。焼結体（２）は、第１方向において互いに対向する第１端面（Ｓ１１）及び第２端面（Ｓ１２）と、第１方向と交差する第２方向において互いに対向する第１側面（Ｓ２１）及び第２側面（Ｓ２２）と、第１方向及び第２方向と交差する第３方向において互いに対向する第１主面（Ｓ３１）及び第２主面（Ｓ３２）と、を有する。第１内部電極（Ｅ１）、第２内部電極（Ｅ２）、第３内部電極（Ｅ３）及び第４内部電極（Ｅ４）は、第１主面（Ｓ３１）側から第１内部電極（Ｅ１）、第３内部電極（Ｅ３）、第４内部電極（Ｅ４）、第２内部電極（Ｅ２）の順で配置される。第３内部電極（Ｅ３）と第４内部電極（Ｅ４）とは電気的に接続されている。第３方向から見て、第１内部電極（Ｅ１）の少なくとも一部と、第３内部電極（Ｅ３）の少なくとも一部と、が重なる。第３方向から見て、第２内部電極（Ｅ２）の少なくとも一部と、第４内部電極（Ｅ４）の少なくとも一部と、が重なる。
【0095】
この態様によれば、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくすることができ、第１内部電極（Ｅ１）から第２内部電極（Ｅ２）に信号が漏れるクロストークの発生を抑制することができる。
【0096】
第２の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１の態様において、第３方向から見て、第３内部電極（Ｅ３）の少なくとも一部と、第４内部電極（Ｅ４）の少なくとも一部と、が重なる。
【0097】
この態様によれば、第３内部電極（Ｅ３）の少なくとも一部及び第４内部電極（Ｅ４）の少なくとも一部が、第１内部電極（Ｅ１）の少なくとも一部を、第２内部電極（Ｅ２）の少なくとも一部から遮蔽するため、クロストークの発生を抑制することができる。
【0098】
第３の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１の態様において、第３方向から見て、第１内部電極（Ｅ１）の少なくとも一部と、第２内部電極（Ｅ２）の少なくとも一部と、第３内部電極（Ｅ３）の少なくとも一部と、第４内部電極（Ｅ４）の少なくとも一部と、が重なる。
【0099】
この態様によれば、第３内部電極（Ｅ３）の少なくとも一部及び第４内部電極（Ｅ４）の少なくとも一部が、第１内部電極（Ｅ１）の少なくとも一部を、第２内部電極（Ｅ２）の少なくとも一部から遮蔽するため、クロストークの発生を抑制することができる。また、この態様によれば、積層バリスタ（１）を小型化することができる。
【0100】
第４の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１～第３のいずれかの態様において、第３方向に沿った第３内部電極（Ｅ３）と第４内部電極（Ｅ４）との第１距離（Ｄ１）は、第３方向に沿った第１内部電極（Ｅ１）と第３内部電極（Ｅ３）との第２距離（Ｄ２）、及び、第３方向に沿った第２内部電極（Ｅ２）と第４内部電極（Ｅ４）との第３距離（Ｄ３）の各々よりも長い。
【0101】
この態様によれば、第１内部電極（Ｅ１）及び第２内部電極（Ｅ２）の距離が、第２距離（Ｄ２）及び第３距離（Ｄ３）と比較して長くなるため、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0102】
第５の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１～第３のいずれかの態様において、第３方向に沿った第３内部電極（Ｅ３）と第４内部電極（Ｅ４）との第１距離（Ｄ１）は、第３方向に沿った第１内部電極（Ｅ１）と第３内部電極（Ｅ３）との第２距離（Ｄ２）、及び、第３方向に沿った第２内部電極（Ｅ２）と第４内部電極（Ｅ４）との第３距離（Ｄ３）の各々の０．５倍以上である。
【0103】
この態様によれば、第１内部電極（Ｅ１）及び第２内部電極（Ｅ２）の距離が、第２距離（Ｄ２）及び第３距離（Ｄ３）と比較して長くなるため、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0104】
第６の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１～第３のいずれかの態様において、第３方向に沿った第３内部電極（Ｅ３）と第４内部電極（Ｅ４）との第１距離（Ｄ１）は、第３方向に沿った第１内部電極（Ｅ１）と第３内部電極（Ｅ３）との第２距離（Ｄ２）、及び、第３方向に沿った第２内部電極（Ｅ２）と第４内部電極（Ｅ４）との第３距離（Ｄ３）の各々の１．２倍以上である。
【0105】
この態様によれば、第１内部電極（Ｅ１）及び第２内部電極（Ｅ２）の距離が、第２距離（Ｄ２）及び第３距離（Ｄ３）と比較して長くなるため、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0106】
第７の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１～第６のいずれかの態様において、第３方向に沿った第１主面（Ｓ３１）と第１内部電極（Ｅ１）との第４距離（Ｄ４）は、第３方向に沿った第１内部電極（Ｅ１）と第３内部電極（Ｅ３）との第２距離（Ｄ２）よりも長い。第３方向に沿った第２主面（Ｓ３２）と第２内部電極（Ｅ２）との第５距離（Ｄ５）は、第３方向に沿った第２内部電極（Ｅ２）と第４内部電極（Ｅ４）との第３距離（Ｄ３）よりも長い。
【0107】
この態様によれば、第１内部電極（Ｅ１）と、第１主面（Ｓ３１）の右端に設けられた第２外部電極（Ｇ２）の一部との間の距離が、第２距離（Ｄ２）と比較して十分に長くなるため、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。また、第２内部電極（Ｅ２）と、第２主面（Ｓ３２）の左端に設けられた第１外部電極（Ｇ１）の一部との間の距離が、第３距離（Ｄ３）と比較して十分に長くなるため、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくすることができ、クロストークの発生を抑制することができる。
【0108】
第８の態様に係る積層バリスタ（１）では、第１～第７のいずれかの態様において、第５内部電極（Ｅ５）と、第６内部電極（Ｅ６）と、を更に備える。第５内部電極（Ｅ５）は、第１内部電極（Ｅ１）と第１主面（Ｓ３１）との間に配置される。第６内部電極（Ｅ６）は、第２内部電極（Ｅ２）と第２主面（Ｓ３２）との間に配置される。第５内部電極（Ｅ５）は、第３内部電極（Ｅ３）と電気的に接続される。第６内部電極（Ｅ６）は、第４内部電極（Ｅ４）と電気的に接続される。
【0109】
この態様によれば、第５内部電極（Ｅ５）が、第１内部電極（Ｅ１）の少なくとも一部を、第１主面（Ｓ３１）の右端に設けられた第２外部電極（Ｇ２）から遮蔽することにより、クロストークの発生を抑制することができる。また、第６内部電極（Ｅ６）が、第２内部電極（Ｅ２）の少なくとも一部を、第２主面（Ｓ３２）の左端に設けられた第１外部電極（Ｇ１）から遮蔽することにより、クロストークの発生を抑制することができる。
【0110】
第９の態様に係る積層バリスタ（１）は、第１～第８のいずれかの態様において、焼結体（２）の表面に設けられた第１外部電極（Ｇ１）、第２外部電極（Ｇ２）及び第３外部電極（Ｇ３）と、を更に備える。第１内部電極（Ｅ１）は、第１外部電極（Ｇ１）と電気的に接続される。第２内部電極（Ｅ２）は、第２外部電極（Ｇ２）と電気的に接続される。第３内部電極（Ｅ３）及び第４内部電極（Ｅ４）は、第３外部電極（Ｇ３）と電気的に接続される。
【0111】
この態様によれば、第１内部電極（Ｅ１）と第２内部電極（Ｅ２）との間の浮遊容量を小さくことができ、第１内部電極（Ｅ１）から第２内部電極（Ｅ２）に信号が漏れるクロストークの発生を抑制することができる。
【0112】
第１０の態様に係る積層バリスタ（１）は、第１～第９のいずれかの態様において、第１内部電極（Ｅ１）と第３内部電極（Ｅ３）との間の第１静電容量、及び、第２内部電極（Ｅ２）と第４内部電極（Ｅ４）との間の第２静電容量の各々は２００ｐＦ以下である。第１静電容量と第２静電容量との差は、第１静電容量の２０％以下である。
【0113】
この態様によれば、第１静電容量と第２静電容量との差が積層バリスタ（１）のサージ吸収特性に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0114】
なお、第２～第１０の態様は積層バリスタ（１）に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【符号の説明】
【0115】
１ 積層バリスタ
２ 焼結体
Ｄ１ 第１距離
Ｄ２ 第２距離
Ｄ３ 第３距離
Ｄ４ 第４距離
Ｄ５ 第５距離
Ｅ１ 第１内部電極
Ｅ２ 第２内部電極
Ｅ３ 第３内部電極
Ｅ４ 第４内部電極
Ｅ５ 第５内部電極
Ｅ６ 第６内部電極
Ｇ１ 第１外部電極
Ｇ２ 第２外部電極
Ｇ３ 第３外部電極
Ｓ１１ 第１端面
Ｓ１２ 第２端面
Ｓ２１ 第１側面
Ｓ２２ 第２側面
Ｓ３１ 第１主面
Ｓ３２ 第２主面
２ 焼結体
Ｄ１ 第１距離
Ｄ２ 第２距離
Ｄ３ 第３距離
Ｄ４ 第４距離
Ｄ５ 第５距離
Ｅ１ 第１内部電極
Ｅ２ 第２内部電極
Ｅ３ 第３内部電極
Ｅ４ 第４内部電極
Ｅ５ 第５内部電極
Ｅ６ 第６内部電極
Ｇ１ 第１外部電極
Ｇ２ 第２外部電極
Ｇ３ 第３外部電極
Ｓ１１ 第１端面
Ｓ１２ 第２端面
Ｓ２１ 第１側面
Ｓ２２ 第２側面
Ｓ３１ 第１主面
Ｓ３２ 第２主面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】