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  • 特開-ホイールアライメント測定具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140014
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ホイールアライメント測定具
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
G01M17/007 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045847
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】522097809
【氏名又は名称】株式会社インパルス
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 聡
(57)【要約】
【課題】
操舵時におけるトー角を容易且つ正確に測定することが可能なホイールアライメント測定具を提供する。
【解決手段】
自動車の左右の操舵輪のハブ面30一対のフレーム部110と、フレーム部110から支持されると共に、一対の角度測定手段120a、120bを取り付けるための一対のポール116を備え、ポール116は、ハブ面30に対して並行に且つ自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、ポール116の少なくとも一方を軸方向にスライド可能に構成することにより、操舵輪を操舵した状態においても、一対の角度測定手段120a、120bを角度測定可能な位置に配置することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の左右の操舵輪のハブ面又はホイール面に取り付ける一対のフレーム部(第1のフレーム部、第2のフレーム部)と、
前記第1のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の一方を取り付けるための第1のポールを備え、
前記第2のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の他方を取り付けるための第2のポールを備え、
前記第1、第2のポールは、前記ハブ面又はホイール面に対して並行に且つ前記自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、
前記第1、第2のポールの少なくとも一方を軸方向にスライド可能に構成することにより、前記操舵輪を操舵した状態においても、前記一対の角度測定手段の一方と他方を角度測定可能な位置に配置することができる
ことを特徴とするホイールアライメント測定具。
【請求項2】
自動車の左右の操舵輪のハブ面又はホイール面に取り付ける一対のフレーム部(第1のフレーム部、第2のフレーム部)と、
前記第1のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の一方を取り付けるための第1のポールを備え、
前記第2のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の他方を取り付けるための第2のポールを備え、
前記第1、第2のポールは、前記ハブ面又はホイール面に対して並行に且つ前記自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、
前記一対の角度測定手段の一方または他方のうち少なくとも一方を、前記ポールの所望の位置にスライド可能に構成することにより、前記操舵輪を操舵した状態においても、前記一対の角度測定手段の一方と他方を角度測定可能な位置に配置することができる
ことを特徴とするホイールアライメント測定具。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記フレーム部を前記ハブ面に取り付けて測定するとき、
前記フレーム部は、回転角度を計測可能な回転プレートを介して床面から支持される
ことを特徴とするホイールアライメント測定具。
【請求項4】
請求項3において、
前記回転プレートは、水平ステージ上に載置される
ことを特徴とするホイールアライメント測定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールアライメントの測定に関し、特に操舵時におけるトー角を簡単且つ正確に測定する測定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホイールアライメントの測定は広く行われているところである。その多くはハンドル正立位置での直進時の走行安定性を確保したり、タイヤの偏摩耗を防止する目的で行われている。
【0003】
また、動的ホイールアライメントの測定も行われているが、その多くは車体に対する車輪の上下動の変化を考慮して、その上下動の変化に伴う各種アライメントの変化を測定しようとするものである(非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】自動車の動的ホイールアライメント特性の簡易計測法:久留米工業大学研究報告https://kurumeit.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=125&item_no=1&page_id=28&block_id=49
【非特許文献2】みんから「トーを測ってみました」の記事https://minkara.carview.co.jp/userid/721030/blog/21240950/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般公道での使用を前提とした車両はともかく、各種モータースポーツ競技(例えばサーキット走行、ラリー、ジムカーナ、ドリフト等)で使用する車両の場合、走行中に直進状態であることの方が少ないケースも多い。即ち、走行中の多くはハンドルを切って操舵している状態であるため、ハンドル正立位置(直進時)におけるアライメントよりも、ハンドルを切った状態(操舵時)におけるアライメントが重要となり、操舵時のアライメント(特に操舵時の測定が難しいトー角)を正確に測定したいという要望がある。
【0006】
トー角の測定は、「トーインゲージ」といった器具を使って測定されるのが一般的である(非特許文献2及び図8を参照)。図8に示す通り、従来のトーインゲージ10は、一対のフレーム10a、10bの先端に角度測定手段12が備わって構成される。角度測定手段は様々な方式の物が存在するが、例えば、レーザー照射部12aと反射鏡12bとからなり、レーザー照射部12aから照射されたレーザーが反射鏡12bに反射して戻ってきた位置から角度を計測するといった構造のものである。
【0007】
この従来のトーインゲージ10は、図8(a)のように、まず一対のフレーム10a、10bを並行基準などに沿わせるなどした状態で、角度測定手段12a、12bが並行となるようにセットしておく(キャリブレーション)。
【0008】
その上で、車両の前輪にそれぞれセットする。両輪のトー角がそれぞれ「0°」であれば変化はないが、トー角が「0°」でない場合(例えば左右の前輪がそれぞれイン側(α、β)を向いている場合)は、レーザー照射部12aに対して反射鏡12bが非並行となる。その状態から、図8(b)のように、レーザー照射部12aに対して反射鏡12bが並行となるように反射鏡12bの角度を調整すれば、その調整した角度γがトー角(トータルトー角)として現れる。
【0009】
しかしこういった従来のトーインゲージはハンドル正立位置(直進時)を前提としたものであるため、操舵時においては角度測定手段(レーザー照射部12aと反射鏡12b)の位置に大きくズレが生じてしまい測定が不可能となる。また、操舵すると角度測定手段(レーザー照射部12aと反射鏡12b)の間に位置する車両が邪魔となり、測定することが容易ではなかった。
【0010】
そこで本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、操舵時におけるトー角を容易且つ正確に測定することが可能なホイールアライメント測定具を提供する事を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するべく、本願発明は、自動車の左右の操舵輪のハブ面又はホイール面に取り付ける一対のフレーム部(第1のフレーム部、第2のフレーム部)と、前記第1のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の一方を取り付けるための第1のポールを備え、前記第2のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の他方を取り付けるための第2のポールを備え、前記第1、第2のポールは、前記ハブ面又はホイール面に対して並行に且つ前記自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、前記第1、第2のポールの少なくとも一方を軸方向にスライド可能に構成することにより、前記操舵輪を操舵した状態においても、前記一対の角度測定手段の一方と他方を角度測定可能な位置に配置することができることを特徴とする。
【0012】
同様にして、自動車の左右の操舵輪のハブ面又はホイール面に取り付ける一対のフレーム部(第1のフレーム部、第2のフレーム部)と、前記第1のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の一方を取り付けるための第1のポールを備え、前記第2のフレーム部から支持されると共に、一対の角度測定手段の他方を取り付けるための第2のポールを備え、前記第1、第2のポールは、前記ハブ面又はホイール面に対して並行に且つ前記自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、前記一対の角度測定手段の一方または他方のうち少なくとも一方を、前記ポールの所望の位置にスライド可能に構成することにより、前記操舵輪を操舵した状態においても、前記一対の角度測定手段の一方と他方を角度測定可能な位置に配置することができることを特徴とする。
【0013】
このように、ポール自体を軸方向にスライドさせたり、若しくは、ポール上の所望の位置に角度測定手段をスライドさせることによって、操舵によって生じる角度測定手段の一方と他方のズレを解消し、更に、車両自体が測定の邪魔になることを回避することができる。その結果、操舵状態に関わらず左右の操舵輪同士の傾き(トータルトー角)を容易且つ正確に測定することができる。
【0014】
また、前記フレーム部を前記ハブ面に取り付けて測定するとき、前記フレーム部は、回転角度を計測可能な回転プレートを介して床面から支持されるのが望ましい。
【0015】
このように構成すれば、ハンドルの回転角度と左右操舵輪の操舵角度を把握するのが容易となる。
【0016】
また、前記回転プレートは、水平ステージ上に載置されるのが望ましい。
【0017】
このように構成すれば、左右操舵輪の操舵角度をより正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明を適用することで、操舵時におけるトー角(トータルトー角)を容易且つ正確に測定することが可能なホイールアライメント測定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態の一例であるホイールアライメント測定具の正面図である。
図2】同斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿ったホルダとポールの断面図である。
図4】ハンドル正立状態において、ホイールアライメント測定具を取り付けた状態を示す概略図である。
図5】ホイールアライメント測定具を取り付けたまま操舵した状態の一例を示した概略図である。
図6】ポールをスライドさせて、一対の角度測定手段を測定可能な位置に配置した状態を示した図である。
図7】ホイールアライメント測定具を実際に車両に取り付けた状態の参考写真である。
図8】従来のトーインゲージによる測定を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例であるホイールアライメント測定具100について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0021】
〈ホイールアライメント測定具の構成〉
図1及び図2に示しているように、本発明の実施形態の一例として示すホイールアライメント測定具100は、自動車の操舵輪30のハブ面に取り付けるフレーム部110をベースに構成される。本実施形態においてフレーム部110は、上方が円形とされた略台形状に形成され、下方に2つの脚部112を備えている。フレーム部110の上方中心に形成された大きな貫通孔111aは、車両のハブの中央突起を逃がすための穴である。その周りに形成された複数の穴は、ハブから突出しているボルト若しくはホイールボルトを貫通させるためのボルト孔111bである。
【0022】
フレーム部110の下方には、車両の幅方向に向かって延在するオフセットプレート113が取り付けられる。このオフセットプレート113は、使用状況に応じて段階的に取り付け高さを変更させることが可能となっている。
【0023】
オフセットプレート113の先端には、角度調整プレート114が取り付けられている。更に角度調整プレート114には2つのホルダ115が備わっており、当該2つのホルダ115を介してポール116が取り付けられている。ポール116は、ホルダ115に形成されたネジ穴115aに螺号する蝶ネジ115bによって固定される構成となっているため(図3参照)、この蝶ネジ115bを緩めるとポール116を軸方向にスライドさせたり回転させることが可能となっている。また、ホルダ115におけるポール116を通している貫通孔のハブ側面115cは、断面視すると例えばVカットされており(図3参照)、蝶ネジ115bを締め込んで固定すると自動的に最適な位置(高さ)に収まるように構成されている。
【0024】
なお、ハブ側面115cは必ずしもV字カットだけでなく、例えばその他にも、半径が異なる円形を組み合わせて締め込みによってポール116が正確に位置決めされるような構成を採用することもできる。具体的には、半径が大きな円の一部に半径が小さな円(ポール116の半径と一致している)を組み合わせるように貫通孔の内周面のハブ側面115cの形状を構成し、締め込みによってポール116が自然とその小さな半径で構成された場所に位置決めされるといった構成である。
【0025】
また、角度調整プレート114により、ポール116の軸の傾きを必要に応じて微調整可能となっている。なお、ポール116の軸は、常に車両のハブ面と並行となるように構成されている(角度調整プレート114によるポール116の軸の傾きを微調整した場合でもこの並行状態は常に保たれるよう構成されている。)。
【0026】
なお、図1及び図2では図示していないが、ポール116の先端には一対の角度測定手段の一方または他方が取り付けられる。一対の角度測定手段の内容は特に限定されるものではなく、レーザー照射器と反射鏡といったように、2つが一組となって角度を計測できるものであればその内容は限定されるものではない。
【0027】
また、当該ホイールアライメント測定具100を使用する時は、フレーム部110の下に回転角度を計測可能な回転プレート130を配置し、更にその下に水平ステージ140を介して床面から支持されるようにして使用する。
【0028】
本発明にかかるホイールアライメント測定具100は、上記説明した構成のものが2つ一組(同一のもの若しくは鏡像関係にあるもが2つで一組)となって機能する。よって、一方には一対の角度測定手段の一方が、他方には一対の角度測定手段の他方が取り付けられる。
【0029】
〈ホイールアライメント測定具の作用・機能〉
続いて、図4図6を参照しつつ本発明の実施形態の一例として示すホイールアライメント測定具100を使った操舵時のトー角(トータルトー角)の測定手順について説明する。
【0030】
最初に、一対のホイールアライメント測定具100に一対の角度測定器120の一方120aと他方120bをそれぞれ取り付ける。その上で、一対のホイールアライメント測定具100を並行が予め担保されている基準(並行基準)に固定し、2本のポール116が平行となる状態にしてキャリブレーションを行う(具体的には、例えば、取り付けた一対の角度測定手段120a、120bの角度計の数値をゼロ(=平行)に合わせる)。
【0031】
キャリブレーション後、自動車の左右の操舵輪のハブ面30にフレーム部110を取り付ける。ハブ面30にフレーム部110を取り付けることにより、上記で説明した構成により、取り付けたハブ面30とポール116とは並行となる(図4参照)。
【0032】
そしてステアリングを正立状態(直進状態)とした上で、操舵輪が直進方向を向いているか確認する。ステアリングの正立位置(直進位置)と、操舵輪の直進位置にずれが生じる場合はその時点で調整し、一致させることが望ましい。これは、現代の車はステアリングにセンサーが付いており、直進状態か、操舵状態かを感知し、様々な電子制御を行っている。そのため、ステアリングの直進状態と、操舵輪の直進状態を一致させる必要がある。このようなセンサーが装着されていない旧型車の場合は、操舵輪を直進状態にし、測定を進める。
【0033】
ハンドル正立状態(直進状態)での操舵輪のトー角(トータルトー角)を確認する。具体的には、一対の角度測定器120で角度を計測する。このとき。2つの操舵輪のトー角がいずれも「0°」であった場合は、キャリブレーション時と変わらない。
【0034】
その後、ステアリングを操作し、任意の操舵位置へ固定する(図5参照)。例えば、直進状態において左右の操舵輪のハブ面30が平行でトー角(トータルトー角)が0度であった場合であっても、操舵によって「アッカーマン角」「キングピン角」などの影響により平行が維持されず、左右差が生じる。
【0035】
また、操舵によって一対の角度測定手段120a、120bが大きくズレてしまい(図5参照)、この状態のままでは角度を測定することが不可能となる。もう少し具体的に説明すると、直進状態では、一対の角度測定手段の一方であるレーザー照射器120aは、一対の角度測定手段の他方である反射鏡120bに映り込む位置にいるが、操舵状態では鏡に映り込む状態にないため測定不可能となるのである。
【0036】
そこで図6に示すように、一方または両方のポール116を前後方向にスライドさせ、一対の角度測定手段120a、120bを角度測定が可能な位置に調整することにより、操舵時のトー角(トータルトー角)を容易に測定することが可能となる。
【0037】
上記構成でも説明した通り、本願発明は、自動車の左右の操舵輪のハブ面30に取り付ける一対の(2つの)フレーム部110(第1のフレーム部、第2のフレーム部)と、第1のフレーム部110から支持されると共に、一対の角度測定手段の一方120aを取り付けるための第1のポール160を備え、第2のフレーム部110から支持されると共に、一対の角度測定手段の他方120bを取り付けるための第2のポール116を備え、前記第1、第2のポール116は、ハブ面30に対して並行に且つ前記自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、第1、第2のポール116の少なくとも一方を軸方向にスライド可能に構成することにより、操舵輪を操舵した状態においても、一対の角度測定手段の一方120aと他方120bを角度測定可能な位置に配置することができることを特徴としていた。
【0038】
このように、ポール116自体を軸方向にスライドさせることによって、操舵によって生じる角度測定手段の一方120aと他方120bのズレを解消し、更に、車両自体が測定の邪魔になることを回避することができる。その結果、操舵状態に関わらず左右の操舵輪(バブ面30)同士の傾き(トータルトー角)を容易且つ正確に測定することができる。
【0039】
また、前記フレーム部を前記ハブ面に取り付けて測定するとき、前記フレーム部は、回転角度を計測可能な回転プレートを介して床面から支持されるのが望ましい。
【0040】
このように構成すれば、ハンドルの回転角度と左右操舵輪の操舵角度の関係を把握するのが容易となる。
【0041】
また、前記回転プレートは、水平ステージ上に載置されるのが望ましい。
【0042】
このように構成すれば、左右操舵輪の操舵角度をより正確に把握することができる。
【0043】
〈その他の構成例〉
上記では、フレーム部110を車両のハブ面30に直接取り付ける構成として説明しているが、ホイール(ホイール面)に取り付けるような構成を採用してもよい。
【0044】
また、上記では、一対の角度計測手段として角度計を使用していたが、角度計ではなく距離計を用い、そのデータに基づいて角度を算出することも可能である。
【0045】
また、ポール116は、操舵した場合に車両に当接することがない高さにセットするのが望ましい。
【0046】
また、上記では、ポール116自体が前後方向にスイラドする構成として説明していたが、ポール116を長くした上で、一対の角度測定手段120a、120bの少なくとも一方をポール116上の所望の位置にスライドさせるような構成を採用してもよい。即ち、自動車の左右の操舵輪のハブ面30に取り付ける一対の(2つの)フレーム部110(第1のフレーム部、第2のフレーム部)と、第1のフレーム部110から支持されると共に、一対の角度測定手段の一方120aを取り付けるための第1のポール116を備え、第2のフレーム部110から支持されると共に、一対の角度測定手段の他方120bを取り付けるための第2のポール116を備え、第1、第2のポール116は、ハブ面30に対して並行に且つ自動車の前後方向に延在するように配置されると共に、一対の角度測定手段の一方120aまたは他方120bのうち少なくとも一方を、ポール116の所望の位置にスライド可能に構成することにより、操舵輪を操舵した状態においても、一対の角度測定手段の一方120aと他方120bを角度測定可能な位置に配置することができる構成である。
【符号の説明】
【0047】
30・・・ハブ面
100・・・ホイールアライメント測定具
110・・・フレーム部
113・・・オフセットプレート
114・・・角度調整プレート
115・・・ホルダ
116・・・ポール
120・・・一対の角度測定手段
130・・・回転テーブル
140・・・水平ステージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8