(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140029
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】通信機能システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20230927BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230927BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20230927BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20230927BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230927BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230927BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20230927BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230927BHJP
【FI】
H05B47/18
F21V23/00 115
F21V23/04 500
F21V23/06
F21S8/04 110
F21V15/01 100
F21V21/03
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045864
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】522116720
【氏名又は名称】株式会社ナックス
(71)【出願人】
【識別番号】521407463
【氏名又は名称】日笠 克己
(71)【出願人】
【識別番号】522114232
【氏名又は名称】株式会社ヒューロビント
(71)【出願人】
【識別番号】522114243
【氏名又は名称】笹竹 佑太
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】日笠 克己
(72)【発明者】
【氏名】笹竹 佑太
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014GA03
3K014HA00
3K273PA10
3K273QA28
3K273QA31
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA37
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA12
3K273TA13
3K273TA15
3K273TA16
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA70
3K273TA75
3K273UA29
3K273VA05
(57)【要約】
【課題】通信機能モジュールの機能低下の抑制を図りうる通信機能システムを提供する。
【解決手段】第2通信機能モジュール20を構成する第2制御装置24の第2機能を発揮するための演算処理負荷が閾値を超えた場合、当該演算処理負荷の一部が第1通信機能モジュール10を構成する第1制御装置14により分担される。これにより、第2通信機能モジュール20の第2機能の低下の抑制が図られる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置とともに建造物に対して取り付けられる第1通信機能モジュールおよび第2通信機能モジュールを備えている通信機能システムであって、
前記第1通信機能モジュールが、前記照明装置の電源から当該照明装置および前記第2通信機能モジュールのそれぞれに対して電力を供給する機能、第1外部機器から第1信号を受信する機能および前記第2通信機能モジュールに対して当該第1信号を送信する機能を含む第1機能を発揮するように構成され、
前記第2通信機能モジュールが、前記第1通信機能モジュールから前記第1信号を受信する機能、外部状態を検出する機能および検出された外部状態に関する第2信号を第2外部機器に送信する機能を含む第2機能を発揮するように構成され、
前記第1通信機能モジュールが、前記第2通信機能モジュールによる前記第2機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されている
通信機能システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信機能システムにおいて、
前記第2通信機能モジュールが、前記第1通信機能モジュールによる前記第1機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されている
通信機能システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信機能システムにおいて、
前記第2通信機能モジュールに蓄電池が搭載され、前記第1通信機能モジュールから供給される電力により前記蓄電池を充電する機能および前記蓄電池から前記第2通信機能モジュールによる第2機能の発揮のために電力を供給する機能が前記第2機能に含まれている
通信機能システム。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の通信機能システムにおいて、
前記第1通信機能モジュールが、前記第2通信機能モジュールを通信可能かつ給電可能に接続するための一または複数の第1コネクタ部を備えている
通信機能システム。
【請求項5】
請求項4に記載の通信機能システムにおいて、
複数の前記第2通信機能モジュールのそれぞれが相互に通信可能かつ給電可能に接続するための一または複数の第2コネクタ部を備え、
一の前記第2通信機能モジュールが、他の前記第2通信機能モジュールによる前記第2機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されている
通信機能システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器との通信機能を有する通信機能システムに関する。
【背景技術】
【0002】
天井および/または壁面の雰囲気を損なうことなく、監視カメラ、光センサ、電波中継器、マイクロホン、スピーカ、プロジェクタおよび/または光無線ユニットなどの各種の機能を利用することができる通信機能モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。通信機能モジュールは、天井の照明装置用取付器具付近に取り付けられ、各種の信号の授受を行う機能を備えている。通信機能モジュールは、照明装置を電源に接続するとともに機械的に保持するための取付器具を備えている。あるいは、通信機能モジュールは、照明装置と一体に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、通信機能モジュールの演算処理能力は、当該通信機能モジュールを構成する各機器に搭載されている演算処理装置の演算処理能力によって制限されるため、通信機能モジュールの各種機能が制限される可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、通信機能モジュールの機能低下の抑制を図りうる通信機能システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信機能システムは、
照明装置とともに建造物に対して取り付けられる第1通信機能モジュールおよび第2通信機能モジュールを備えている通信機能システムであって、
前記第1通信機能モジュールが、前記照明装置の電源から当該照明装置および前記第2通信機能モジュールのそれぞれに対して電力を供給する機能、第1外部機器から第1信号を受信する機能および前記第2通信機能モジュールに対して当該第1信号を送信する機能を含む第1機能を発揮するように構成され、
前記第2通信機能モジュールが、前記第1通信機能モジュールから前記第1信号を受信する機能、外部状態を検出する機能および検出された外部状態に関する第2信号を第2外部機器に送信する機能を含む第2機能を発揮するように構成され、
前記第1通信機能モジュールが、前記第2通信機能モジュールによる前記第2機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されている。
【0007】
前記構成の通信機能システムにおいて、
前記第2通信機能モジュールが、前記第1通信機能モジュールによる前記第1機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されていることが好ましい。
【0008】
前記構成の通信機能システムにおいて、
前記第2通信機能モジュールに蓄電池が搭載され、前記第1通信機能モジュールから供給される電力により前記蓄電池を充電する機能および前記蓄電池から前記第2通信機能モジュールによる第2機能の発揮のために電力を供給する機能が前記第2機能に含まれていることが好ましい。
【0009】
前記構成の通信機能システムにおいて、
前記第1通信機能モジュールが、前記第2通信機能モジュールを通信可能かつ給電可能に接続するための一または複数のコネクタ部を備えていることが好ましい。
【0010】
前記構成の通信機能システムにおいて、
複数の前記第2通信機能モジュールのそれぞれが相互に通信可能かつ給電可能に接続するための一または複数の第2コネクタ部を備え、
一の前記第2通信機能モジュールが、他の前記第2通信機能モジュールによる前記第2機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態としての通信機能システムの配置形態に関する説明図。
【
図2】本発明の一実施形態としての通信機能システムの構成に関する説明図。
【
図3】本発明の一実施形態としての通信機能システムの機能に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(構成)
図1および
図2に示されている本発明の一実施形態としての通信機能システムは、第1通信機能モジュール10および第2通信機能モジュール20を備えている。
【0013】
図1に示されているように、第1通信機能モジュール10は、天井Xに配置されている電線P1およびローゼット(図示略)を介して電源P0(例えば、商用電源)に接続されている。第1通信機能モジュール10は、ローゼットに対して取り外し可能に機械的に固定されている。第1通信機能モジュール10には、照明装置Lが電気的に接続されている。第1通信機能モジュール10は、照明装置Lを取り外し可能に機械的に保持している。第1通信機能モジュール10は、例えば、略円柱状の外形を有し、その側面には一または複数のコネクタ部102が設けられている。
【0014】
図2に示されているように、第1通信機能モジュール10は、第1通信機器12および第1制御装置14を備えている。第1通信機器12は、第1外部機器41(例えば、スマートフォンなどの情報処理端末)との無線通信機能および第2通信機能モジュール20との複合線P2を介した有線通信機能(または無線通信機能)を有している。第1制御装置14は、第1通信機器12による送受信に関する制御処理、ならびに、照明装置Lおよび第2通信機能モジュール20のそれぞれに対する電力供給に関する制御処理を実行する。
【0015】
前記構成を有する第1通信機能モジュール10は第1機能を発揮する。「第1機能」には、照明装置Lの電源P0から当該照明装置Lおよび第2通信機能モジュール20のそれぞれに対して電力を供給する機能、第1外部機器41から第1信号を受信する機能および第2通信機能モジュール20に対して当該第1信号を送信する機能が含まれている。
【0016】
図1に示されているように、第2通信機能モジュール20は、第1通信機能モジュール10の(ハウジングの)側面に形成されているコネクタ部102に接続された電線および信号線の複合線P2を介して第1通信機能モジュール10に対して取り外し可能に接続されている。コネクタ部102に対する複合線P2の接続方式はUSB接続方式など、さまざまな方式が採用されてもよい。第2通信機能モジュール20は、例えば略直方体状の外形を有し、その一側面において天井Xに対して取り付けられる。第2通信機能モジュール20の天井Xにおける取付箇所は、後述するように第2通信機能モジュールの外部状態検出機能が照明装置Lによって損なわれないように調節される。
【0017】
第1通信機能モジュール10に複数のコネクタ部102が設けられ、当該複数のコネクタ部102のそれぞれに接続された複数の複合線P2のそれぞれを介して、複数の第2通信機能モジュール20のそれぞれが取り外し可能に接続されていてもよい。
【0018】
複合線P2は、第2通信機能モジュール20に対して固定されていてもよいが、第2通信機能モジュール20に設けられたコネクタ部(図示略)を介して第2通信機能モジュール20に対して取り外し可能に接続されていてもよい。第1通信機能モジュール10および第2通信機能モジュール20が複合線P2に代えて電線によって電気的に接続され、無線方式で信号を送受信するように構成されていてもよい。
【0019】
図2に示されているように、第2通信機能モジュール20は、第2通信機器22、第2制御装置24、外部状態センサ26および蓄電池28を備えている。第2通信機器22は、第2外部機器42(例えば、スマートフォンなどの情報処理端末)との無線通信機能および第1通信機能モジュール10との複合線P2を介した有線通信機能(または無線通信機能)を有している。第1外部機器41および第2外部機器42は共通の外部機器であってもよい。第2制御装置24は、第2通信機器22による送受信に関する制御処理、および、外部状態センサ26による外部状態の検出に関する制御処理を実行する。外部状態センサ26は、第2通信機能モジュール20が配置された空間の状態に応じた信号を出力するように構成されている。例えば、非接触式の人感センサ、撮像装置、温度センサ、湿度センサ、酸素および/または二酸化炭素などの指定成分の濃度センサなどが外部状態センサ26に該当する。蓄電池28は、リチウムバッテリなどの二次電池により構成され、第1通信機能モジュール10から供給される電力の蓄電および第2通信機能モジュール20に第2機能を発揮させるために必要な電力を第2制御装置24等に対して供給する。蓄電池28は省略されていてもよい。
【0020】
前記構成の第2通信機能モジュール20は第2機能を発揮する。「第2機能」には、第1通信機能モジュール10から第1信号を受信する機能、外部状態を検出する機能および検出された外部状態に関する第2信号を第2外部機器42に送信する機能が含まれている。本実施形態では、第2通信機能モジュール20に蓄電池28が搭載されているので、「第2機能」には、第1通信機能モジュール10から供給される電力により蓄電池28を充電する機能および蓄電池28から第2通信機能モジュール20による第2機能の発揮のために電力を供給する機能が含まれている。
【0021】
(機能)
前記構成の通信機能システムの機能について説明する。
【0022】
まず、第1通信機能モジュール10において、第1通信機器12により第1外部機器41から第1信号が受信されたか否かが判定される(
図3/STEP12)。「第1信号」は、例えば、外部状態の検出および通知に関する要求が含まれ、第1外部機器41において、その入力インターフェースを構成するタッチパネルの指定操作に応じて当該第1外部機器41から送信される。
【0023】
当該判定結果が否定的である場合(
図3/STEP12‥NO)、今回周期の処理が終了し、次回周期の処理が開始される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図3/STEP12‥YES)、第1通信機器12により第2通信機能モジュール20に対して第1信号が送信される(
図3/STEP14)。
【0024】
第2通信機能モジュール20において、第2通信機器22により第1通信機能モジュール10から第1信号が受信されたか否かが判定される(
図3/STEP22)。当該判定結果が否定的である場合(
図3/STEP22‥NO)、今回周期の処理が終了し、次回周期の処理が開始される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図3/STEP22‥YES)、外部状態センサ26の出力信号に基づいて第2制御装置24により外部状態が検出される(
図3/STEP24)。そして、検出された外部状態に関する第2信号が、第2通信機器22により第2外部機器42に対して送信される(
図3/STEP28)。
【0025】
例えば、検出対象である外部状態が特定人物および/または特定物体が存在しているか否かである場合、撮像装置を通じた撮像画像の取得および当該撮像画像の画像解析処理および当該特定人物等の有無の判定が第2制御装置24により実行される。この場合、第2信号は、当該撮像画像および/または特定人物等の有無を表わしている。第2外部機器42において、その出力インターフェースまたはこれを構成する画像出力装置(および/または音響出力装置)に外部状態の検出結果が出力される。
【0026】
さらに、第2制御装置24の外部状態の検出機能等の第2機能の発揮のための演算処理負荷が閾値以下であるか否かが判定される(
図3/STEP28)。当該判定結果が肯定的である場合(
図3/STEP28‥YES)、今回周期の処理が終了し、次回周期の処理が開始される。
【0027】
その一方、当該判定結果が肯定的である場合(
図3/STEP28‥NO)、第1通信機能モジュール10により第2機能の発揮のための第2通信機能モジュール20の演算処理負荷が分担される(
図3/STEP18)。
【0028】
具体的には、外部状態センサ26の出力信号の時系列の一部が第2通信機能モジュール20から第1通信機能モジュール10に送信される。そして、第1通信機能モジュール10において、第1制御装置14により、例えば、当該出力信号の時系列の一部に基づいて外部状態が検出され、第1通信機器12を通じて当該検出結果が第2外部機器42に対して送信される。これにより、当該一部の時系列に対応する期間における外部状態に関する第2信号の欠落、ひいては当該期間における外部状態が欠落した状態で第2外部機器42に出力される事態が回避されうる。
【0029】
[発明の効果]
本発明の通信機能システムによれば、第2通信機能モジュール20を構成する第2制御装置24の第2機能を発揮するための演算処理負荷が閾値を超えた場合、当該演算処理負荷の一部が第1通信機能モジュール10を構成する第1制御装置14により分担される(
図3/STEP28‥NO→STEP18参照)。これにより、第2通信機能モジュール20の第2機能の低下の抑制が図られる。第1通信機能モジュール10および第2通信機能モジュール20のそれぞれの仕様の組み合わせがさまざまに変更されうるので、通信機能システムにより発揮可能な第2機能(および第1機能)のバリエーションの幅が拡張されうる。
【0030】
(本発明の他の実施形態)
第2通信機能モジュール20が、第1通信機能モジュール10による第1機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されていてもよい。具体的には、第1通信機能モジュール10を構成する第1制御装置14の第1機能を発揮するための演算処理負荷が閾値を超えた場合、当該演算処理負荷の一部が第2通信機能モジュール20を構成する第2制御装置24により分担されてもよい(
図3/STEP28‥NO→STEP18参照)。これにより、第1通信機能モジュール10の第1機能の低下の抑制が図られる。第1通信機能モジュール10および第2通信機能モジュール20のそれぞれの仕様の組み合わせがさまざまに変更されうるので、通信機能システムにより発揮可能な第2機能(および第1機能)のバリエーションの幅が拡張されうる。
【0031】
第2通信機能モジュール20に一または複数のコネクタ部(例えば、第1通信機能モジュール10のコネクタ部102と同様の構成のコネクタ部)が設けられ、当該コネクタ部に接続された複合線を介して、他の第2通信機能モジュール20のそれぞれが取り外し可能に接続されていてもよい。この場合、一の第2通信機能モジュール20が、他の第2通信機能モジュール20による第2機能の発揮のための演算処理の一部を分担するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10‥第1通信機能モジュール
12‥第1通信機器
14‥第1制御装置
20‥第2通信機能モジュール
22‥第2通信機器
24‥第2制御装置
26‥外部状態センサ
28‥蓄電池
41‥第1外部機器
42‥第2外部機器
102‥コネクタ部
L‥照明装置
P0‥電源
P1‥電線
P2‥複合線。