(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140112
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230927BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20230927BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 301D
A63H11/00 Z
H02J7/34 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045986
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩一
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 敦
(72)【発明者】
【氏名】二村 渉
(72)【発明者】
【氏名】児玉 雅彦
【テーマコード(参考)】
2C150
5G503
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA02
2C150DA23
2C150DF04
2C150DF33
2C150EB01
2C150ED38
2C150EF16
2C150EF29
2C150FA03
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA03
5G503CA08
5G503DA04
5G503DA15
5G503DB02
5G503EA05
5G503EA08
5G503GB08
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】二次電池の劣化を抑制し、充電を好適に行う。
【解決手段】制御装置は、動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御部と、充電制御部へ供給されている電力を推定する電力推定部と、充電制御部が二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部と、電力推定部により推定される電力が、動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、充電状態取得部により取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、所定の動作を制限するように制御する動作制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御部と、
前記充電制御部へ供給されている電力を推定する電力推定部と、
前記充電制御部が前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部と、
前記電力推定部により推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得部により取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記所定の動作は、前記動作部が間欠的に実行する間欠動作であり、
前記動作制御部は、前記間欠動作の間隔を前記所定の充電状態にない場合の間隔よりも大きくすることによって動作を制限するように制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記動作部はロボットの動作部であり、前記所定の動作は呼吸動作である、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記所定の動作は、モータを駆動する動作を含み、
前記動作制御部は、前記モータを駆動する動作を行わないように制御することで前記所定の動作を制限する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記電力推定部は、前記所定の動作を除く動作の終了からの経過時間に基づき前記電力を推定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記充電制御部の充電方式はCCCV方式であり、前記所定の充電状態は、定電圧で充電をしている状態である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記所定の充電状態は、充電電流が所定の値以下である状態である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御ステップと、
前記動作部及び前記二次電池へ供給されている電力を推定する電力推定ステップと、
前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得ステップと、
前記電力推定ステップにより推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得ステップにより取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御ステップと、
を含む制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御部、
前記充電制御部へ供給されている電力を推定する電力推定部、
前記充電制御部が前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部、
前記電力推定部により推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得部により取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
充電可能な二次電池として駆動する小型の電子機器が頻繁に使用されている。
小型の電子機器として、例えば、生物のような外観や動きをすることによって、生き物感を表現できるロボットが開発されてきている。例えば、モータを用いることにより、脚部を駆動して歩行する、尻尾を振る等、生き物感を表現できるペット型ロボットが開示されている。例えば、特許文献1には、電磁誘導による充電機能を備えたペット型ロボットの内部に二次電池及び受電用誘導コイルを内蔵し、外部の充電器に送電用誘導コイルを備え、二次電池を充電している間についても、尾を振る動作をさせたり、餌を食べているように頭を上下に動作させることにより、仮想ペットとしての動作や感情等の情緒表現をすることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、充電しながらの放電、または満充電後に放電し続ける、等の動作になり、動きによってはいつまでも満充電されない、または満充電後の放電で、すぐに充電が必要となり、充放電を繰り返す”繰り返し充電”の状態となり、二次電池の劣化を早めるなどのデメリットが発生してしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、二次電池の劣化を抑制し、充電を好適に行うことのできる制御装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る制御装置は、
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御部と、
前記充電制御部へ供給されている電力を推定する電力推定部と、
前記充電制御部が前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部と、
前記電力推定部により推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得部により取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、二次電池の劣化を抑制し、充電を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るロボットの外観を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る充電装置にロボットを載置した状態で側面から図示した断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るロボット及び充電装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るロボットの二次電池の充電時における充電電流及び充電電圧を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るロボットの本体部の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る無線給電制御処理のフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態に係る動作制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施の形態)
本発明における機器の制御装置を
図1に示すロボット200に適用した実施形態について、図面を参照して説明する。実施形態に係るロボット200は、充電可能な二次電池で駆動する、小型の動物を模したペット型ロボットである。ロボット200は、
図1に示すように、目を模した装飾部品202及びふさふさの毛203を備えた外装201に覆われている。また、外装201の中には、ロボット200の筐体207が収納されている。
【0011】
図2は、本発明の実施の形態に係るロボット200を充電装置300に載置した状態で側面から図示した断面図である。具体的に、
図2は、ロボット200を充電装置300における好適な位置に載置した状態を示している。なお、当該ロボット200と充電装置300とを合わせて、ロボット200の充電システムとも言う。
【0012】
図2に示すように、ロボット200の筐体207は、頭部204、連結部205及び胴体部206で構成され、頭部204と胴体部206とが連結部205で連結されている。胴体部206は、前後方向に延びており、ロボット200が置かれている床やテーブル等の載置面に、外装201を介して接触する。また、胴体部206の前端部にひねりモータ2151が備えられており、頭部204が連結部205を介して胴体部206の前端部に連結されている。そして、連結部205には、上下モータ2152が備えられている。なお、ひねりモータ2151は連結部205に備えられていてもよいし、頭部204に備えられていてもよい。
【0013】
連結部205は、連結部205を通り胴体部206の前後方向に延びる第1回転軸を中心として(ひねりモータ2151により)回転自在に、胴体部206と頭部204とを連結している。ひねりモータ2151は、頭部204を、胴体部206に対して、第1回転軸を中心として時計回り(右回り)に正転角度範囲内で回転(正転)させたり、反時計回り(左回り)に逆転角度範囲内で回転(逆転)させたりする。
【0014】
また、連結部205は、連結部205を通り胴体部206の幅方向に延びる第2回転軸を中心として(上下モータ2152により)回転自在に、胴体部206と頭部204とを連結する。上下モータ2152は、頭部204を、第2回転軸を中心として上方に正転角度範囲内で回転(正転)させたり、下方に逆転角度範囲内で回転(逆転)させたりする。
【0015】
また、ロボット200は、頭部204にタッチセンサ2141を備え、ユーザがロボット200を撫でたり叩いたりしたことを検出することができる。また、タッチセンサ2141は、胴体部206の左側面の前後、及び右側面の前後にもそれぞれ備えられており(図示せず)、ユーザが胴体部206を撫でたり叩いたりしたことを検出することができる。
【0016】
また、ロボット200は、胴体部206に加速度センサ2142を備え、ロボット200の姿勢(向き)の検出や、ユーザによって持ち上げられたり、向きを変えられたり、投げられたりしたことを検出することができる。また、ロボット200は、胴体部206にジャイロセンサ2143を備え、ロボット200が振動したり回転したりしていることを検出することができる。ロボット200は、タッチセンサ2141等により外部刺激を検出すると、モータを動作させることにより外部刺激に応じた動きを行い、仮想ペットとしての動作を表現する。
【0017】
また、ロボット200は、胴体部206にマイクロフォン2144を備え、外部の音を検出することができる。さらに、ロボット200は、胴体部206にスピーカ2161を備え、スピーカ2161を用いて鳴き声を発したり、歌を歌ったりすることができる。
【0018】
また、胴体部206には、受電コイル101が設けられている。受電コイル101は、例えば、渦巻状に巻回された平面コイルであり、充電装置300の床面302に対して平行になるようにコイル面が配置されている。受電コイル101は、充電装置300に設けられた送電コイル102と電磁誘導などの磁界結合によって電力を受電する。これにより、充電装置300からロボット200の二次電池に、非接触で電力を供給することができる。なお、当該二次電池に充電された電力が、ひねりモータ2151、上下モータ2152の駆動電力となる。
【0019】
充電装置300は、ロボット200の巣を模したかご状の外観をなしており、外枠301と、楕円形の形状の床面302と、を備えている。
【0020】
外枠301は、例えばプラスチックなどの絶縁部材により構成される。床面302は、ロボット200の胴体部206が載置される面であり、ロボット200を載置した場合に、胴体部206に設けられている受電コイル101に対して平行になるように構成されている。
【0021】
床面302の下方、当該充電装置300の内部には、送電コイル102が設けられている。送電コイル102は、例えば、渦巻状に巻回された平面コイルであり、床面302に対して平行になるようにコイル面が配置されている。すなわち、送電コイル102は、受電コイル101と平行に対向するよう配置されている。このように、充電装置300は、送電コイル102を含む非接触で電力を送電するための構成を備えている。この実施の形態では、充電装置300の外部または内部に設けられ、家庭用コンセントに接続されたACアダプタから供給された直流電圧を交流に変換し、送電コイル102から電力を伝送する。そして、ロボット200に設けられた受電コイル101が、電磁誘導などの磁界結合によって電力を受電し、二次電池を充電する。これにより、充電装置300からロボット200の二次電池に、非接触で電力を供給する。ロボット200は、前述のタッチセンサ等により外部刺激が検出されない状態においても自発的な動作として呼吸動作を周期的に行っており、充電装置300から二次電池を充電している間においても、呼吸動作を行い、生き物感を表現する。
【0022】
次に、ロボット200及び充電装置300の機能構成について説明する。ロボット200は、
図3に示すように、本体部210、二次電池220、充電制御部230、受電部240、受電コイル101を備える。また、充電装置300は、送電コイル102、送電部310を備える。
【0023】
本体部210は、ロボット200全体の動作を制御する制御部、ロボット200の動きを表現するための可動部を駆動する駆動部等を備える。本体部210の詳細は後述する。
【0024】
二次電池220は、リチウムイオン電池等の、充電可能な電池である。この二次電池220は、ロボット200を構成する各種の負荷部に対して駆動電力を供給する電源電池である。充電装置300から受電コイル101、受電部240、充電制御部230を介して電力の供給を受けて、二次電池220の充電が行われる。
【0025】
受電部240は、充電装置300からの電力を受電するための処理を制御する。受電部240は、受電回路241と、受電制御部242とを備え、受電した電力を充電制御部230に出力する。受電回路241は、受電コイル101を介して充電装置300の送電回路311との間のデータ及び電力の伝送を行う回路である。受電制御部242は、受電制御マイコンからなり、受電回路241を制御する。また、受電制御部242は、メモリ等から制御プログラムを読み込み、実行することにより、ロボット200における充電処理を実現する。具体的には、受電制御部242は、負荷の電流を測定して、必要な電力を算出して、充電装置300の送電部310へ通知する。また、受電制御部242は、受電の有無の信号を、本体部210へ出力している。受電部240の出力には、負荷変動を吸収するために、平滑コンデンサ243が接続されている。ただし、想定される負荷変動をすべて吸収するためには、大容量のコンデンサが必要であり、その分サイズが大きくなり、ロボットに内蔵するだけのスペースを確保することが難しい。したがって、平滑コンデンサ243は、一定範囲内の負荷変動に対応する容量を有する。
【0026】
受電コイル101は、充電装置300の送電コイル102との間で、データの送受信及び充電するための電力の受電等を行う。
【0027】
充電制御部230は、二次電池220に対する充電動作の制御を行う。すなわち、充電制御部230は、二次電池220に対して受電部240から供給された電力を二次電池220に供給することで、二次電池220を充電する。また、充電制御部230は、本体部210へ電力を供給する。すなわち、充電制御部230は、上述したように二次電池220に対して充電する機能と、本体部210に対して電力を供給する機能との2つの機能を少なくとも有している。また、充電制御部230は、1つのIC(Integrated Circuit)の中に含まれている。
【0028】
また、充電制御部230は、本体部210に対して供給する電力の供給元を外部電源と二次電池220との間で切り替える制御を行える。ロボット200が充電装置300に載置されておらず、受電部240を介して外部電源から電力が供給されていない場合、充電制御部230は本体部210に対して供給する電力の供給元を二次電池220に切り替える制御を行い、ロボット200は二次電池220で動作する。ロボット200が充電装置300に載置され、受電部240を介して外部電源から電力が供給されている状態において、二次電池220が満充電の状態でない場合、充電制御部230は外部電源から本体部210及び二次電池220の両方に対して電力を供給する制御を行い、二次電池220を充電しながら、ロボット200も動作する。ロボット200が充電装置300に載置され、受電部240を介して外部電源から電力が供給されている状態において、二次電池220が満充電の状態である場合、充電制御部230は外部電源から本体部210に対して電力を供給する制御を行い、ロボット200は外部電源の電力で動作する。すなわち、ロボット200は外部電源から優先的に電力の供給を受け付けることで動作する。
【0029】
充電制御部230は、受電部240から電力を二次電池220に供給し、定電流定電圧(Constant Current Constant Voltage:CCCV)充電方式により、二次電池220を充電する。
【0030】
充電制御部230は、受電部240から供給を受ける充電電流や充電電圧(充電パラメータ)を変化させて、CCCV充電方式で二次電池220を充電するように充電を制御する。このCCCV充電方式は、
図4に示すように、充電制御部230は、二次電池220の出力電圧が所定の切替電圧に達するまではCC(Constant Current)充電方式により二次電池220を定電流で充電し、所定の切替電圧に達したら、充電パラメータ(充電電流や充電電圧)を変化させて、充電方式をCV(Constant Voltage)充電方式に切り替えて二次電池220の充電を定電圧で行うように充電を制御する。そして、充電制御部230は、充電方式をCC充電からCV充電に切り替える時に、充電パラメータを変化させたことを通知する通知信号であるCV充電切替通知を本体部210の制御部211に送信する。また、充電制御部230は、二次電池220の電圧を測定し、本体部210の制御部211に送信する。また、充電制御部230は、充電電流が一定値以下になったら、満充電と判断し、二次電池220の充電が完了したことを通知する通知信号である満充電通知を本体部210の制御部211に送信する。
【0031】
充電装置300の送電部310は、送電回路311及び送電制御部312を備え、ロボット200の本体部210の動作および二次電池220の充電に必要な電力を送電コイル102を介して、ロボット200に送電する。送電制御部312は送電制御マイコンからなり、受電部240から必要な電力の通知を受け、当該電力に対応する電力を送電するよう送電回路311を制御する。ワイヤレス給電規格としてはQi、PMA、Rezence等を採用してよい。
【0032】
次に、ロボット200の本体部210の機能構成について説明する。本体部210は、
図5に示すように、制御部211、記憶部212、通信部213、センサ部214、駆動部215、出力部216、操作部217、を備える。
【0033】
制御部211は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、記憶部212に記憶されたプログラムにより、後述する各種処理を実行する。
【0034】
記憶部212は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等で構成される。ROMには、制御部211のCPUが実行するプログラム及びプログラムを実行する上で予め必要なデータが、記憶されている。フラッシュメモリは書き込み可能な不揮発性のメモリであり、電源OFF後も保存させておきたいデータが記憶される。RAMには、プログラム実行中に作成されたり変更されたりするデータが記憶される。記憶部212は、例えば後述する音声バッファ、音声履歴、タッチ履歴、感情データ2121、感情変化データ2122、成長テーブル2123、動作内容テーブル2124、成長日数データ2125等を記憶する。
【0035】
通信部213は、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等に対応した通信モジュールを備え、スマートフォン等の外部装置とデータ通信する。
【0036】
センサ部214は、前述したタッチセンサ2141、加速度センサ2142、ジャイロセンサ2143、及びマイクロフォン2144を備える。制御部211は、センサ部214が備える各種センサが検出した検出値を、ロボット200に作用する外部刺激を表す外部刺激データとして、取得する。
【0037】
タッチセンサ2141は、何らかの物体が接触したことを検出する。タッチセンサ2141は、例えば圧力センサや静電容量センサにより構成される。制御部211は、タッチセンサ2141からの検出値に基づいて、接触強度や接触時間を取得し、これらの値に基づいて、ユーザによってロボット200が撫でられていることや、叩かれたりしていること等の外部刺激を検出することができる。
【0038】
加速度センサ2142は、ロボット200の胴体部206の前後方向、幅(左右)方向及び上下方向から成る3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ2142は、ロボット200が静止しているときには重力加速度を検出するので、制御部211は、加速度センサ2142が検出した重力加速度に基づいて、ロボット200の現在の姿勢を検出することができる。また、例えばユーザがロボット200を持ち上げたり投げたりした場合には、加速度センサ2142は、重力加速度に加えてロボット200の移動に伴う加速度を検出する。したがって、制御部211は、加速度センサ2142が検出した検出値から重力加速度の成分を除去することにより、ロボット200の動きを検出することができる。
【0039】
ジャイロセンサ2143は、ロボット200の3軸の角速度を検出する。3軸の角速度の最大値から、制御部211は、ロボット200の振動状態を判定することができる。
【0040】
本実施形態では、後述するタッチ入力処理において、制御部211は、加速度センサ2142が検出した重力加速度に基づいてロボット200の現在の姿勢を、水平、裏返し、上向き、下向き、横向きのいずれであるかを判定する。
【0041】
マイクロフォン2144は、ロボット200の周囲の音を検出する。制御部211は、マイクロフォン2144が検出した音の成分に基づき、例えばユーザがロボット200に呼びかけていることや、手を叩いていること等を検出することができる。
【0042】
駆動部215は、ロボット200(自機)の動きを表現するための可動する動作部として、ひねりモータ2151及び上下モータ2152を備え、制御部211によって駆動される。制御部211が駆動部215を制御することにより、ロボット200は、例えば頭部204を持ち上げたり(第2回転軸を中心として上方に回転させたり)、横にひねったり(第1回転軸を中心として右方又は左方にひねり回転させたり)するような動作を表現することができる。また、ロボット200は、例えば頭部204を下方に向けた状態で横に回転させることにより移動することもできる。これらの動作を行うための動作制御データは、記憶部212に記録されており、検出した外部刺激や後述する成長値等に基づいて、ロボット200の動作が制御される。
【0043】
出力部216は、スピーカ2161を備え、制御部211が音のデータを出力部216に入力することにより、スピーカ2161から音が出力される。例えば、制御部211がロボット200の鳴き声のデータを出力部216に入力することにより、ロボット200は疑似的な鳴き声を発する。この鳴き声のデータも、記憶部212に記録されており、検出した外部刺激や後述する成長値等に基づいて鳴き声が選択される。なお、スピーカ2161で構成される出力部216は、音出力部とも呼ばれる。
【0044】
操作部217は、例えば、操作ボタン、ボリュームつまみ等から構成される。操作部217は、ユーザ(所有者や被貸与者)による操作、例えば、電源ON/OFF、出力音のボリューム調整等を受け付けるためのインタフェースである。なお、ロボット200は生き物感をより高めるために、操作部217として電源スイッチのみを外装201の内側に備え、それ以外の操作ボタンやボリュームつまみ等を備えなくてもよい。この場合でも、通信部213を介して接続した外部のスマートフォン等を用いてロボット200のボリューム調整等の操作を行うことができる。
【0045】
次に、記憶部212に記憶されるデータのうち、成長値等に基づいて決定される一般動作を決定するために必要なデータである、感情データ2121、感情変化データ2122、成長テーブル2123、動作内容テーブル2124及び成長日数データ2125について、順に説明する。
【0046】
感情データ2121は、ロボット200に疑似的な感情を持たせるためのデータであり、感情マップ上の座標を示すデータ(X,Y)である。感情マップX軸として安心度(不安度)の軸、Y軸として興奮度(無気力度)の軸を持つ2次元の座標系で表される。
【0047】
感情変化データ2122は、感情データ2121のX値及びY値の各々を増減させる変化量を設定するデータである。本実施形態では、感情データ2121のXに対応する感情変化データ2122として、X値を増加させるDXPと、X値を減少させるDXMとがあり、感情データ2121のY値に対応する感情変化データ2122として、Y値を増加させるDYPと、Y値を減少させるDYMとがある。すなわち、感情変化データ2122は、以下の4つの変数からなり、ロボット200の疑似的な感情を変化させる度合いを示すデータである。
DXP:安心し易さ(感情マップでのX値のプラス方向への変化し易さ)
DXM:不安になり易さ(感情マップでのX値のマイナス方向への変化し易さ)
DYP:興奮し易さ(感情マップでのY値のプラス方向への変化し易さ)
DYM:無気力になり易さ(感情マップでのY値のマイナス方向への変化し易さ)
【0048】
本実施形態では、ロボット200の疑似的な成長度合いを示す成長度合いデータ(成長値)として、これら4つの性格値の中で、最も大きい値を用いる。そして、制御部211は、ロボット200の疑似的な成長につれて(成長値が大きくなるにつれて)、ロボット200の動作内容にバリエーションが生じるように制御する。このために制御部211が用いるデータが成長テーブル2123である。
【0049】
成長テーブル2123には、センサ部214で検出された外部刺激等の動作トリガーに応じてロボット200が行う動作の種類と、成長値に応じて各動作が選択される確率(以下「動作選択確率」という)とが、記録されている。なお、動作トリガーとは、ロボット200が何らかの動作を行うきっかけとなった外部刺激等の情報である。そして、成長値が小さい間は、性格値とは関係なく、動作トリガーに応じて設定される基本動作が選択され、成長値が増加すると、性格値に応じて設定される性格動作が選択されるように、動作選択確率が設定されている。また、成長値が増加するほど、選択されうる基本動作の種類が増加するように、動作選択確率が設定されている。
【0050】
動作内容テーブル2124は、成長テーブル2123で規定された各動作種類の具体的な動作内容が記録されたテーブルである。ただし、性格動作については、性格の種類毎に、動作内容が規定される。
【0051】
成長日数データ2125は、初期値が1であり、1日経過する度に1ずつ加算されていく。成長日数データ2125により、ロボット200の疑似的な成長日数(疑似的な生誕からの日数)が表されることになる。
【0052】
次に、
図6に示すフローチャートを参照しながら、ロボット200の受電制御部242と充電装置300の送電制御部312が実行する無線給電制御処理について説明する。無線給電制御処理は、ロボット200を構成する各種の負荷に応じて、送電する電力を制御する処理である。無線給電で送電される電力が、常に一定の場合は、使用しない電力は熱となり、ロボット200の内部は発熱してしまう。したがって、二次電池220が満充電の状態において、ロボット200が呼吸動作のみの場合は、送電された電力の一部は、使用されないため、熱となり、内部温度が上昇してしまう。特に本実施形態においては、ロボット200の筐体207は外装201に覆われているため、内部に熱がたまり易く、外装201の内部が高温となり動作に支障をきたす可能性もある。そこで、充電装置300から必要最小限の電力を送電してもらい、受電電力を調整する制御を行う。
【0053】
ロボット200の受電制御部242は、ロボット200の電源がオンにされると、無線給電制御処理における受電側制御処理が開始される。また、充電装置300の送電制御部312は、ACアダプタが家庭用コンセントに接続されて電源がオンになると、無線給電制御処理における送電側制御処理が開始される。まず、受電制御部242は、初期化処理をする(ステップS101)。同様に、送電制御部312は、初期化処理を実行する(ステップS201)。
【0054】
そして、受電制御部242は、負荷の電力を測定する処理を実行する(ステップS102)。負荷の電力が測定されると、その値を、送電部310に通知する(ステップS103)。一方、送電制御部312は、初期化処理後、受電部240から送電要求の通知が有ったか否かを判定する(ステップS202)。送電制御部312は、送電要求の通知が有ったと判定した場合(ステップS202;Yes)、通知があった負荷の電力の値に応じて、要求された電力を送電する(ステップS203)。一方、送電制御部312は、送電要求の通知がないと判定した場合(ステップS202;No)、電力を送電しない(ステップS204)。例えば、ロボット200が充電装置300に載置されていない場合、送電制御部312に必要な電力値は通知されないために、送電部310は送電しない。
【0055】
受電制御部242は、ステップS103において、送電要求処理を行った後、一定時間処理を停止する(ステップS104)。受電制御部242は、処理を一定時間停止した後、ステップS102に戻り、再び負荷の電力を測定する処理を実行し、その後、ステップS103、ステップS104の処理を実行し、ステップS102~ステップS104の処理を繰り返す。また、送電制御部312は、ステップS203の送電処理又はステップS204の未送電処理を行った後、一定時間処理を停止する(ステップS205)。送電制御部312は、処理を一定時間停止した後、ステップS202に戻って、ステップS202以降のステップの処理を実行し、以後、これらの処理を繰り返す。このように、送電量を決定するための判断処理が一定周期ごとに行われる。ただし、送電自体は連続して行われる。
【0056】
上述のように、無線給電制御処理において、負荷に応じて送電する電力を変化させることにより、必要最小限の電力を送電してロボット内部の発熱量を抑制し、消費電力の削減を図ることができる。しかしながら、充電中において、二次電池が満充電近くになると、充電電流が低下するため、受電部240から供給される電力も低下する。この状態で負荷側の電力が変動すると、受電電力が不足するため、二次電池が放電することにより不足分の電力を補うことになる。負荷変動については、受電部240の出力にコンデンサを設けることによりこの変動分を吸収することで対処可能である。しかしながら、予想される負荷変動が大きい、例えばモータを動作させる呼吸動作の場合、負荷変動を吸収するために大容量のコンデンサが必要となる。コンデンサの容量が大きくなると、その分サイズが大きくなり、コストもアップする。したがって、コンデンサの容量は制限され、負荷変動は十分吸収されず、二次電池は満充電とならない。そこで、動作制御処理において、充電中に、二次電池が満充電近くになると、負荷変動である呼吸動作を制限する。これによって、負荷変動が少なくなり、通常の小容量の平滑コンデンサで吸収できるので、二次電池の放電が無くなり、満充電の状態を保つことができる。
【0057】
次に、
図7に示すフローチャートを参照しながら、ロボット200の制御部211が実行する動作制御処理について説明する。動作制御処理は、制御部211が、センサ部214からの検出値等に基づいて、ロボット200の動作(動きや鳴き声等)を制御する処理である。使用者がロボット200の電源を入れると、他の必要な処理と並行に、この動作制御処理のスレッドが実行開始される。動作制御処理により、駆動部215や出力部216が制御され、ロボット200の動きが表現されたり、鳴き声等の音が出力されたりする。
【0058】
まず、制御部211は、感情データ2121、感情変化データ2122、成長日数データ2125等の各種データを初期化する(ステップS301)。そして、制御部211は、センサ部214が備える各種センサから外部刺激を取得する処理を実行する(ステップS302)。続いて、制御部211は、センサ部214で検出される外部刺激が有ったか否かを判定する(ステップS303)。
【0059】
外部刺激が有ったなら(ステップS303;Yes)、制御部211は、各種センサから取得された外部刺激に応じて、感情データ2121に加算又は減算する感情変化データ2122を取得する(ステップS304)。具体的には、例えば、外部刺激として3軸加速度センサ2142により撫でられたことを検出すると、ロボット200は疑似的な安心感を得るので、制御部211は、感情データ2121のX値に加算する感情変化データ2122としてDXPを取得する。そして、制御部211は、ステップS304で取得された感情変化データ2122に応じて感情データ2121を設定する(ステップS305)。制御部211は、外部刺激に応じた動作を実行し(ステップS306)、ステップS309に進む。
【0060】
一方、ステップS303で外部刺激がなかったなら(ステップS303;No)、制御部211は、呼吸動作等の自発的な動作を行うか否かを判定する(ステップS307)。自発的な動作を行うか否かの判定方法は任意だが、本実施形態では、呼吸周期毎にステップS307の判定がYesになり、呼吸動作が行われるものとする。
【0061】
呼吸動作は、ひねりモータ2151及び上下モータ2152を駆動して周期的に外装201のロボットの背中にあたる部分に動きを与えて呼吸をしているように見せる動作である。さらに、スピーカ2161より呼吸音を発したりするようにしてもよい。外部刺激がない場合にこのように自発的な動作を行うことにより、より生き物らしさを表現することができ、使用者に愛着をわかせることができる。
【0062】
自発的な動作を行うなら(ステップS307;Yes)、制御部211は、自発的な動作である呼吸動作を実行し(ステップS308)、ステップS309に進む。
【0063】
ステップS309において、制御部211は、呼吸動作を除く外部刺激に基づく動作が終了してから所定の時間、例えば1分が経過したか否かを判定する。ここで、1分としたのは、外部刺激動作終了後、1分間は呼吸周期を短くすることにより、生物らしい動きを表現することとしたからであり、さらに、外部刺激動作終了から間欠的な呼吸動作のみを実行して1分経過すれば、本体部210の動作に必要な電力量が減少し、充電装置300から受電部240に供給される電力はある程度小さくなっていると判断できるからである。このように、外部刺激動作終了から1分が経過していると判定することは、充電制御部230へ供給される電力を推定する電力推定部に相当する。この場合、呼吸動作の実行時以外は本体部210が必要とする電力はほぼゼロであることから、電力推定部が推定する電力は、呼吸動作に要する電力よりも少ないと判定することができる。
【0064】
本実施形態においては、時間経過により充電制御部230へ供給される電力を推定したが、受電部240が充電制御部230へ供給する電力を直接計測してもよい。この場合は受電部240から充電制御部230に向う電力供給線に極小さい抵抗を入れ、電圧降下を見ることで電力を推定できる。受電制御部242である受電制御マイコンが、自身が供給する電力を通知する機能を持っていれば、それを利用してもよい。
【0065】
外部刺激動作終了から1分が経過していないと判定した場合(ステップS309;No)、制御部211は、呼吸周期を2秒と短く設定する(ステップS310)。
【0066】
一方、ステップS309で外部刺激動作終了から1分が経過していると判定した場合(ステップS309;Yes)、制御部211は、二次電池220の充電状態を取得し、ロボット200が充電中であり、かつ、充電方式がCC充電からCV充電に切り替わっているか否かを判定する(ステップS311)。
【0067】
ロボット200が充電装置300に載置されておらず、充電中でない、あるいは充電中であり、ある程度充電がなされているものの、まだ充電状態が十分でなく、充電方式がCC充電からCV充電に切り替わっていない場合(ステップS311;No)、制御部211は、呼吸周期を4秒に設定する(ステップS312)。ステップS311において、充電状態を判定するために充電状態を取得することは、充電制御部230が二次電池220を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部に相当する。
【0068】
一方、ロボット200が充電装置300に載置されて充電中であり、かつ、充電方式がCC充電からCV充電に切り替わっており、二次電池220の充電状態が満充電に近い状態である場合(ステップS311;Yes)、制御部211は、呼吸周期を8秒に設定する(ステップS313)。満充電に近い状態では、充電電流が小さく、受電部から供給される電力が小さい。呼吸周期を4秒ではなく8秒としたのは、呼吸周期が4秒のままだと、呼吸動作に伴う負荷変動により平滑コンデンサ243から放電がなされ、放電後に再び平滑コンデンサ243が充電されて元に戻るまでの充電時間として間に合わないからである。この場合、負荷変動を平滑コンデンサ243で吸収することができず、二次電池220から本体部210に電力が供給される。したがって、呼吸周期が4秒のままでは二次電池220は満充電と放電が繰り返されることとなる。呼吸周期を8秒とすることにより、呼吸による負荷変動があった場合でも、平滑コンデンサ243を再充電する時間を確保することが出来、小容量の平滑コンデンサで負荷変動を吸収できるので、二次電池220の放電が抑制され、満充電状態を保つことができる。このように、呼吸周期を長く設定して呼吸動作を制限することは、所定の動作を制限するように制御する動作制御部に相当する。
【0069】
ステップS310、ステップS312、又は、ステップS313において、呼吸周期が設定されると、制御部211は、クロック機能により、日付が変わったか否かを判定する(ステップS314)。日付が変わっていないなら(ステップS314;No)、制御部211はステップS302に戻る。
【0070】
日付が変わったなら(ステップS314;Yes)、制御部211は、第1期間中であるか否かを判定する(ステップS315)。第1期間を、ロボット200の疑似的な生誕(例えば購入後の使用者による初回の起動時)から例えば50日の期間とすると、制御部211は、成長日数データ2125が50以下なら第1期間中であると判定する。第1期間中でないなら(ステップS315;No)、制御部211は、ステップS317に進む。第1期間中なら(ステップS315;Yes)、制御部211は、感情変化データ2122の学習を行い、感情マップを拡大する(ステップS316)。そして、制御部211は、成長日数データ2125に1を加算し、感情データをX値、Y値ともに0に初期化して(ステップS317)、ステップS302に戻る。
【0071】
上記実施の形態では、ロボット200の自発的動作である呼吸動作の呼吸周期を長くすることにより、二次電池220を満充電の状態に保つが、満充電の状態を保つように負荷を変更するものであれば、異なる態様であってもよい。例えば、呼吸動作において消費電力が大きいモータの駆動を行わず、比較的消費電力が小さい呼吸音の発音のみを実施する呼吸動作に移行するようにしてもよい。このようにすれば、呼吸動作による負荷変動が小さくなるため、呼吸動作の周期が4秒のままであっても、平滑コンデンサ243により負荷変動を吸収することができる。
【0072】
ロボット200は発光部を備えてよく、例えば外装201の内側の胴体部206の背中側にLED(Light Emitting Diode)等の発光手段を設け、LEDをゆっくり明滅させることで呼吸動作を表現することもできる。LEDはモータ駆動に比較すると消費電力が小さいため、二次電池220が満充電に近い状態にあるときには、モータの駆動を行わず、呼吸音とLEDの発光のみを呼吸動作とすることもできる。
【0073】
自発的な動作は呼吸動作に限られず、他の動作であってもよい。例えば身体を震わせる動作や伸びをするような動作を自発的な動作としてもよい。
【0074】
また、ロボットに限られず、他の電子機器を制御する制御装置であってもよい。例えば、定時に人形が回転して時刻を知らせるような時計が充電中である場合に、満充電に近い場合には人形を回転させず、音や光のみで時刻を知らせるように制御することができる。また、人形を回転させる時刻通知の時間間隔を通常時より長くしてもよい。
【0075】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲とを逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上記実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0076】
(付記1)
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御部と、
前記充電制御部へ供給されている電力を推定する電力推定部と、
前記充電制御部が前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部と、
前記電力推定部により推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得部により取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御部と、
を備える制御装置。
【0077】
(付記2)
前記所定の動作は、前記動作部が間欠的に実行する間欠動作であり、
前記動作制御部は、前記間欠動作の間隔を前記所定の充電状態にない場合の間隔よりも大きくすることによって動作を制限するように制御する、
付記1に記載の制御装置。
【0078】
(付記3)
前記動作部はロボットの動作部であり、前記所定の動作は呼吸動作である、
付記1又は2に記載の制御装置。
【0079】
(付記4)
前記所定の動作は、モータを駆動する動作を含み、
前記動作制御部は、前記モータを駆動する動作を行わないように制御することで前記所定の動作を制限する、
付記1に記載の制御装置。
【0080】
(付記5)
前記電力推定部は、前記所定の動作を除く動作の終了からの経過時間に基づき前記電力を推定する、
付記1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
【0081】
(付記6)
前記充電制御部の充電方式はCCCV方式であり、前記所定の充電状態は、定電圧で充電をしている状態である、
付記1から5のいずれか1つに記載の制御装置。
【0082】
(付記7)
前記所定の充電状態は、充電電流が所定の値以下である状態である、
付記1から5のいずれか1つに記載の制御装置。
【0083】
(付記8)
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御ステップと、
前記動作部及び前記二次電池へ供給されている電力を推定する電力推定ステップと、
前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得ステップと、
前記電力推定ステップにより推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得ステップにより取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御ステップと、
を含む制御方法。
【0084】
(付記9)
コンピュータを、
動作部への電力供給と、二次電池の充電及び放電とを制御する充電制御部、
前記充電制御部へ供給されている電力を推定する電力推定部、
前記充電制御部が前記二次電池を充電する場合の充電状態を取得する充電状態取得部、
前記電力推定部により推定される電力が、前記動作部が実行する所定の動作に要する電力よりも少なく、かつ、前記充電状態取得部により取得される充電状態が所定の充電状態である、と判定された場合に、前記所定の動作を制限するように制御する動作制御部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0085】
101・・・受電コイル、102・・・送電コイル、200・・・ロボット、201・・・外装、202・・・装飾部品、203・・・毛、204・・・頭部、205・・・連結部、206・・・胴体部、207・・・筐体、210・・・本体部、211・・・制御部、212・・・記憶部、213・・・通信部、214・・・センサ部、215・・・駆動部、216・・・出力部、217・・・操作部、220・・・二次電池、230・・・充電制御部、240・・・受電部、241・・・受電回路、242・・・受電制御部、243・・・平滑コンデンサ、300・・・充電装置、310・・・送電部、311・・・送電回路、312・・・送電制御部、2121・・・感情データ、2122・・・感情変化データ、2123・・・成長テーブル、2124・・・動作内容テーブル、2125・・・成長日数データ