(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140145
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】テンプレート、テンプレートの製造方法、および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230927BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046028
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福原 和也
(72)【発明者】
【氏名】高畑 和宏
【テーマコード(参考)】
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG05
4F209AH33
4F209AH73
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC05
4F209PN09
4F209PQ11
5F146AA32
(57)【要約】
【課題】高精度のアライメントが可能なアライメントマークを形成することができるテンプレートを提供する。
【解決手段】テンプレートは、第1の面と、第1の面に対して突出する第2の面を有し、第2の面に設けられた第1の凹部および第2の凹部を含む第1のパターンと、第1の面に対して突出する第3の面を有する第2のパターンと、を有する基材と、第1の凹部に設けられた光学層と、を具備する。テンプレートは、第2の凹部の底面は露出している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、
前記第1の面に対して突出する第2の面を有し、前記第2の面に設けられた第1の凹部および第2の凹部を含む第1のパターンと、
前記第1の面に対して突出する第3の面を有する第2のパターンと、
を有する基材と、
前記第1の凹部に設けられた光学層と、
を具備し、
前記第2の凹部の底面は露出している、テンプレート。
【請求項2】
前記第1のパターンは、複数の前記第1の凹部と、複数の前記第2の凹部と、を含み、
前記複数の第2の凹部は、前記複数の前記第1の凹部の周りに設けられる、請求項1に記載のテンプレート。
【請求項3】
前記第1のパターンは、アライメントマークのパターンである、請求項1に記載のテンプレート。
【請求項4】
第1の面と、
前記第1の面に対して突出する第2の面を有し、前記第2の面に設けられた第1の凹部および第2の凹部を含む第1のパターンと、
前記第1の面に対して突出する第3の面を有する第2のパターンと、
を有する基材を準備する工程と、
前記第1の凹部および第2の凹部を覆う光学層を形成する工程と、
前記光学層を部分的に除去することにより、前記第2の凹部の底面を露出させるとともに前記第1の凹部に前記光学層を残存させる工程と、
を具備する、テンプレートの製造方法。
【請求項5】
基板上の被加工膜にインプリント材料を塗布することにより形成された層に請求項1に記載のテンプレートを押しつけて前記層を成形し、成形された前記層を硬化させることにより、前記第2のパターンを前記層に転写する工程
を具備する、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
第1の面と、
前記第1の面に対して突出する第2の面を有し、前記第2の面に設けられた第1の凹部を含む第1のパターンと、
前記第1の面に対して突出する第3の面を有する第2のパターンと、
を有する基材と、
前記第1の凹部に設けられ、前記第1の面と略面一である露出面を有する光学層と、
を具備する、テンプレート。
【請求項7】
前記第1のパターンは、前記第2の面に設けられた第2の凹部をさらに含み、
前記第2の凹部の底面は露出している、請求項6に記載のテンプレート。
【請求項8】
前記第1のパターンは、アライメントマークのパターンである、請求項6または請求項7に記載のテンプレート。
【請求項9】
基材の第1の領域の一部と、前記基材の第2の領域の一部と、を覆う第1のマスクを形成する第1の工程と、
前記第1のマスクを用いて前記第1の領域の他の一部と前記第2の領域の他の一部とを加工することにより、第1の面と、前記第1の領域に設けられた第1の凹部を形成する工程と、
前記第1のマスクを残したまま前記第1の面を覆う第2のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクおよび前記第2のマスクを用いて前記第1の凹部を前記第1の面よりも窪むように加工する工程と、
前記第1の面と略面一である露出面を有する光学層を前記第1の凹部に形成する工程と、
を具備する、テンプレートの製造方法。
【請求項10】
基板上の被加工膜にインプリント材料を塗布することにより形成された層に請求項6に記載のテンプレートを押しつけて前記層を成形し、成形された前記層を硬化させることにより、前記第2のパターンを前記層に転写する工程
を具備する、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テンプレート、テンプレートの製造方法、および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造方法において、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)を用いて微細なパターンを形成する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-103915号公報
【特許文献2】特開2013-168604号公報
【特許文献3】特開2021-150629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の発明が解決しようとする課題は、高精度のアライメントが可能なアライメントマークを形成することができるテンプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のテンプレートは、第1の面と、第1の面に対して突出する第2の面を有し、第2の面に設けられた第1の凹部および第2の凹部を含む第1のパターンと、第1の面に対して突出する第3の面を有する第2のパターンと、を有する基材と、第1の凹部に設けられた光学層と、を具備する。テンプレートは、第2の凹部の底面は露出している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】テンプレートの構造例を説明するための斜視模式図である。
【
図2】テンプレートの構造例を説明するための断面模式図である。
【
図3】面MSのレイアウト例を説明するための上面模式図である。
【
図4】第1の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図である。
【
図5】アライメントマークパターンAMの形状例を示す上面模式図である。
【
図6】アライメントマークパターンAMの形状例を示す上面模式図である。
【
図7】アライメントマークパターンAMの形状例を示す上面模式図である。
【
図8】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図9】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図10】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図11】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図12】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図13】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図14】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図15】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図16】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図17】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図18】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図19】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図20】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図21】第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図22】周辺領域の光学層21の形成例を示す断面模式図である。
【
図23】周辺領域の光学層21の形成例を示す断面模式図である。
【
図24】第2の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図である。
【
図25】第2の実施形態のテンプレートの他の例を説明するための断面模式図である。
【
図27】アライメントマークパターンAMの形状例を示す上面模式図である。
【
図28】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図29】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図30】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図31】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図32】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図33】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図34】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図35】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図36】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図を説明するための上面模式図である。
【
図37】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図38】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図39】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図40】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図41】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図42】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図43】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図44】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図45】第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図46】光学層21の形状の違いによるインプリント材料層の形状の違いを説明するための模式図である。
【
図47】光学層21の形状の違いによるインプリント材料層の形状の違いを説明するための模式図である。
【
図48】第3の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図である。
【
図49】第3の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図である。
【
図50】第3の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図51】第3の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図52】第3の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図53】第3の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図54】NILを用いた半導体装置の製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図55】NILを用いた半導体装置の製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図56】NILを用いた半導体装置の製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【
図57】NILを用いた半導体装置の製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0008】
<第1の実施形態>
(テンプレートの構造例)
図1は、テンプレートの構造例を説明するための斜視模式図である。
図2は、テンプレートの構造例を説明するための断面模式図である。
図1および
図2は、X軸と、X軸に直交するY軸と、X軸およびY軸のそれぞれに直交するZ軸と、を示す。
図2は、
図1に示す線分A1-A2における断面の一部を示す。
【0009】
テンプレートは、
図1および
図2に示すように、メサと呼ばれる面MSと、凹部COと、を含む基材1を具備する。
図3は、面MSのレイアウト例を説明するための上面模式図であり、基材1のX-Y平面の一部を示す。面MSは、アライメントマークパターンAMとデバイスパターンDPとを含む。アライメントマークパターンAMは、NILを用いたパターン形成方法に用いられるアライメントマークを形成するためのパターンである。デバイスパターンDPは、NILを用いたパターン形成方法により転写されるデバイスパターンを形成するためのパターンである。アライメントマークパターンAMおよびデバイスパターンDPの数、位置、および形状は、特に限定されない。
【0010】
図4は、第1の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図であり、テンプレートのX-Z断面の一部を示す。第1の実施形態のテンプレートの例は、
図4に示すように、基材1と、光学層21と、を具備する。
【0011】
基材1は、光学検出器からの光に対して第1の光学定数を有する第1の材料を含有する。第1の材料は、例えば石英を含む。基材1は、光学検出器からの光を透過することが好ましい。
【0012】
基材1は、面1aと、アライメントマークパターンAMと、デバイスパターンDPと、を有する。
図4は、便宜のため、アライメントマークパターンAM、デバイスパターンDPを互いに隣り合うように模式的に図示しているが、実際のテンプレートでは、上記レイアウトに限定されない。
【0013】
NILを用いたパターン形成方法では、対象物の上に設けられた紫外性硬化樹脂等のインプリント材料層の上に型(テンプレート)を押しつけ、光を照射してインプリント材料を含む層を硬化させて、デバイスパターンDPをインプリント材料層に転写する。対象物は、例えばシリコンウエハ等の半導体基板の上方に形成された絶縁層である。
【0014】
アライメントマークパターンAMは、少なくとも一つの凸部11と、少なくとも一つの凹部12aと、凹部12aの周りに設けられた少なくとも一つの凹部12bと、を有する。
図4は、一例として、複数の凸部11と、凸部11の上面111に設けられた複数の凹部12aと、凸部11の上面111に設けられた複数の凹部12bと、を含むアライメントマークパターンAMを図示する。
【0015】
デバイスパターンDPは、少なくとも一つの凸部13aと、少なくとも一つの凹部14と、を有する。
図4は、一例として、複数の凸部13aと、凸部13aの上面130に設けられた複数の凹部14と、を含むラインアンドスペースパターンを有するデバイスパターンDPを図示する。
【0016】
凸部11および凹部12aは、例えばX軸方向において交互に設けられる。
図4は、凸部11の上面111よりも凸部13aの上面130が面1aに対して高い例を示すが、これに限定されず、凸部11の上面111および凸部13aの上面130は同じ高さを有していてもよい。
【0017】
凹部12bは、基材1の上面からみて凹部12aの周りに設けられる。凸部11および凹部12bは、例えばX軸方向において交互に設けられる。
【0018】
図4は、凹部12aの上面111に対する深さが、凹部12bの上面111に対する深さと同じである例を示すが、これに限定されず、凹部12aの上面111に対する深さは、凹部12bの上面111に対する深さと異なっていてもよい。
【0019】
図4は、凹部12aの上面111に対する深さは、凹部14の上面130に対する深さよりも浅い例を示すが、これに限定されず、凹部12aの上面111に対する深さは、凹部14の上面130に対する深さと同じまたは当該深さよりも深くてもよい。
【0020】
光学層21は、光学検出器からの光に対して上記第1の光学定数と異なる第2の光学定数を有する第2の材料を含有する。第2の材料は、例えばクロムが挙げられる。これに限定されず、第2の材料は、例えばチタン、タンタル、タングステン、クロム、銅、炭化珪素、およびフッ化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一つの材料を含む。光学層21は、例えば光学検出器からの光を反射する遮光層を形成することが好ましい。光学層21を設けることにより、凹部12aとその他の領域の間でコントラストを形成できるため、光学検出器を用いてアライメントマークパターンAMを容易に検出できる。これにより、テンプレートと対象物とのアライメントの精度を高めることができる。
【0021】
光学層21は、凹部12aに設けられるが、凹部12bには設けられない。すなわち、凹部12aの底面121は、光学層21に接しているのに対し、凹部12bの底面122は、光学層21に接しておらず、露出面を形成する。光学層21の厚さは、凹部12aの深さよりも小さくてもよい。光学層21は、複数の凹部12aの底面121の一部のみ接していてもよい。
【0022】
図5、
図6、および
図7は、アライメントマークパターンAMの形状例を示す上面模式図であり、凸部11と、光学層21が形成された凹部12aと、光学層21が形成されていない凹部12bと、を示す。
図5に示すアライメントマークパターンAMは、ストライプ状に配置された、凸部11と、凹部12aと、凹部12aを挟むように設けられた複数の凹部12bと、を有する。
図6に示すアライメントマークパターンAMは、格子状に配置された、凸部11と、複数の凹部12aと、複数の凹部12aの周りに設けられたドット状の複数の凹部12bと、を有する。
図7に示すアライメントマークパターンAMは、アレイ状に配置された、複数の凸部11と、複数の凹部12aと、複数の凹部12aの周りに設けられた複数の凹部12bと、を有する。基材1の上面において、凹部12bの面積は、光学層21を形成する際のマスクのアライメント精度に応じて適宜設定される。
【0023】
(テンプレートの製造方法例)
図8ないし
図21は、第1の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図であり、基材1のX-Z断面の一部を示す。テンプレートの製造方法例は、基材1のアライメントマークパターンAMが形成される領域R1と基材1のデバイスパターンDPが形成される領域R2とを模式的に図示して説明する。
図8ないし
図21に示す領域R1および領域R2のそれぞれは、面1aに面する。
【0024】
まず、
図8に示すように、面1aの上にハードマスク層31を形成し、次に、
図9に示すように、ハードマスク層31の上にレジストマスク層32を形成する。
【0025】
ハードマスク層31は、基材1を加工するためのハードマスクとしての機能を有する。ハードマスク層31は、例えばクロムを含有する。ハードマスク層31は、例えばスパッタリングや原子層堆積法(ALD)を用いて形成可能である。
【0026】
レジストマスク層32は、ハードマスク層31を加工するためのレジストマスクとしての機能を有する。レジストマスク層32は、領域R1に設けられた凸部32aと、領域R2に設けられた凸部32bと、を有する。凸部32aおよび凸部32bは、後にハードマスク層31を残す部分に設けられる。凸部32bは、凸部32aよりも面1aに対する高さが高い。レジストマスク層32は、例えばNILを用いたパターン形成方法を用いて形成される。
【0027】
次に、レジストマスク層32の一部を厚さ方向に除去してハードマスク層31の一部を露出させ、
図10に示すように、ハードマスク層31の露出部を除去する。レジストマスク層32は、凸部32aおよび凸部32bのそれぞれが部分的に残存するように加工される。レジストマスク層32は、例えば反応性イオンエッチング(RIE)により部分的に除去可能である。ハードマスク層31は、例えばドライエッチングにより部分的に除去可能である。ハードマスク層31を加工するドライエッチングは、例えば塩素(Cl
2)ガスと酸素(O
2)ガスの混合ガスを用いた誘導結合プラズマ(ICP)-反応性イオンエッチング(RIE)である。
【0028】
次に、
図11に示すように、ハードマスク層31およびレジストマスク層32をマスクとして用いたエッチングにより基材1の一部を厚さ方向に除去することにより、領域R1に、凸部11と、凹部12aと、凹部12bと、を形成するとともに、領域R2に、凸部13aと、凹部14と、を形成する。基材1は、例えばドライエッチング等の異方性エッチングにより面1aから例えば基材1の厚さ方向に部分的に除去されることにより加工される。基材1を加工するドライエッチングは、例えばトリフルオロメタン(CHF
3)ガスを用いた誘導結合プラズマ-反応性イオンエッチングである。
【0029】
次に、
図12に示すように、レジストマスク層32の一部を厚さ方向に除去してハードマスク層31の一部を露出させる。レジストマスク層32は、凸部32aが除去されるとともに凸部32bが部分的に残存するように加工される。
【0030】
次に、
図13に示すように、レジストマスク層32をマスクとして用いたエッチングによりハードマスク層31の露出部を除去する。
【0031】
次に、
図14に示すようにレジストマスク層32を除去し、その後、
図15に示すように、ハードマスク層31をマスクとして用いたエッチングにより基材1を部分的に除去する。これにより、凸部13aが保護されたまま、凸部11、凹部12a、凹部12b、および凹部14は、基材1の厚さ方向に加工される。
【0032】
次に、
図16に示すように、ハードマスク層31を除去し、その後、
図17に示すように、面1a、凸部11、凹部12a、凹部12b、凸部13a、および凹部14を覆う光学層21を形成する。光学層21は、例えば反応性スパッタリングにより光学層21に適用可能な材料を面1aに堆積させることにより形成される。
【0033】
次に、
図18に示すように、光学層21の上にレジストマスク層33を形成する。レジストマスク層33は、光学層21を加工するためのレジストマスクとしての機能を有する。レジストマスク層33は、凹部12aの上に設けられた凸部33aを有する。凸部33aは、後に光学層21を残す部分に設けられる。レジストマスク層33は、例えばNILを用いたパターン形成方法を用いて形成される。
【0034】
次に、
図19に示すように、レジストマスク層33の一部を厚さ方向に除去して凹部12aにおいてレジストマスク層33を残存させつつ光学層21の一部を露出させる。レジストマスク層33は、例えば反応性イオンエッチングにより部分的に除去可能である。
【0035】
次に、
図20に示すように、レジストマスク層33をマスクとして用いたエッチングにより光学層21の露出部を除去して凹部12b、凸部13a、および凹部14を露出させる。
【0036】
次に、
図21に示すようにレジストマスク層33を除去する。以上が第1の実施形態のテンプレートの製造方法例の説明である。
【0037】
上記のように光学層21を形成する場合、基材1に対する凸部33aのアライメント精度が低く、光学層21を残存させる部分の形成位置がずれると、アライメントマークパターンAMの端部に凹部12aに形成される光学層21よりも面積が大きい光学パターンが形成されてしまう場合がある。この場合、光学検出器からの光を用いてアライメントマークパターンAMを検出する際に、アライメントマークパターンAMの端部に広がる上記パターン部分が明るく光るノイズ光の原因となり、アライメント精度が悪化する原因となる。
【0038】
図22および
図23は、アライメントマークパターンAMの端部の光学層21の形成例を示す断面模式図である。仮に、
図22の比較例に示すように凹部12bを形成しない場合、光学層21のパターンの位置が例えばX軸において矢印Aの方向にずれると、
図22に示すようにアライメントマークパターンAMの端部に凹部12aに形成される光学層21よりも面積が大きい光学パターン部分21aが形成されやすい。
【0039】
これに対し、第1の実施形態のテンプレートおよびその製造方法では、光学層21が形成されない凹部12bを形成する。この場合、
図23に示すように、仮に凹部12aに形成される光学層21のパターンの位置がずれても、ずれた光学パターンの部分は凹部12bに形成されるため、アライメントマークパターンAMの端部に光学層21よりも面積が大きい光学パターン部分21aが形成されることを抑制できる。これにより、高精度のアライメントが可能なアライメントマークを形成することができる。
【0040】
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
【0041】
<第2の実施形態>
(テンプレートの構造例)
第2の実施形態のテンプレートは、第1の実施形態のテンプレートと同様に、面MSと、凹部COと、を含む基材1を具備し、面MSは、アライメントマークパターンAMとデバイスパターンDPとを含む。なお、第1の実施形態と同様の部分については、第2の実施形態の説明を適宜援用できる。
【0042】
図24は、第2の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図であり、テンプレートのX-Z断面の一部を示す。第2の実施形態のテンプレートの例は、第1の実施形態と同様に、基材1と、光学層21と、を具備する。
【0043】
アライメントマークパターンAMは、少なくとも一つの凸部11と、少なくとも一つの凹部12cと、を有する。
図24は、一例として、複数の凸部11と、複数の凹部12cと、を含むアライメントマークパターンAMを図示する。
【0044】
凸部11および凹部12cは、例えばX軸方向に交互に形成される。凹部12cの上面レイアウトとしては、例えば
図5、
図6、または
図7に示す凹部12aのレイアウトを適用できる。
【0045】
デバイスパターンDPは、凸部13bを有する。凸部13bは、凸状領域131と、凸状領域131よりも突出する凸状領域132と、を有する。
図24は、一例として、デュアルダマシン構造を対象物に形成するための一つの凸部13bを含むデバイスパターンDPを図示する。
図24において、凸部11の面1aに対する高さは、凸部13bの凸状領域132の面1aに対する高さと同じである。
【0046】
凹部12cの底面123は、面1aよりも深い位置に設けられる。
【0047】
アライメントマークパターンAMは、
図25に示すように、複数の凹部12cの間に少なくとも一つの凸部112を有していてもよい。
図25は、第2の実施形態のテンプレートの他の例を説明するための断面模式図であり、テンプレートのX-Z断面の一部を示す。
【0048】
凸部112は、アライメントマークを形成する光透過領域である。凸部112のX軸方向の幅は、凸部11のX軸方向の幅よりも広いことが好ましい。
【0049】
光学層21は、凹部12cに設けられる。凹部12cの底面123は、光学層21に接する。光学層21の厚さは、凹部12aの深さよりも小さくてもよい。
【0050】
光学層21の上面211は、
図26に示すように、面1aと略面一であることが好ましい。
図26は、
図24の一部の拡大図である。本明細書において、上面211および面1aが略面一であるとは、例えば、上面211と面1aとの高低差が±5nm以内であることを示す。
【0051】
光学層21は、第1の実施形態と同様に、光学検出器からの光に対して上記第1の光学定数と異なる第2の光学定数を有する第2の材料を含有する。
【0052】
図27は、アライメントマークパターンAMの形状例を示す上面模式図である。
図27に示すアライメントマークパターンAMは、アライメントマークパターン領域AR1と、アライメントマークパターン領域AR2と、を有する。アライメントマークパターン領域AR1およびアライメントマークパターン領域AR2のそれぞれは、複数の凹部12cに囲まれた凸部112を有する。アライメントマークパターン領域AR1およびアライメントマークパターン領域AR2では、凹部12cの延在方向が異なり、アライメントマークパターン領域AR1の凹部12cは、例えばX軸方向に延在し、アライメントマークパターン領域AR2の凹部12cは、例えばY軸方向に延在する。
【0053】
(テンプレートの製造方法例)
図28ないし
図45は、第2の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図であり、基材1のX-Z断面の一部を示す。テンプレートの製造方法例は、基材1のアライメントマークパターンAMが形成される領域R1と基材1のデバイスパターンDPが形成される領域R2とを模式的に図示して説明する。
図28ないし
図45に示す領域R1および領域R2のそれぞれは、面1aに面する。
【0054】
まず、
図28に示すように、面1aの上にハードマスク層34を形成し、次に、
図29に示すように、ハードマスク層34の上にレジストマスク層35を形成する。
【0055】
ハードマスク層34は、基材1を加工するためのハードマスクとしての機能を有する。ハードマスク層34は、例えばクロムを含有する。ハードマスク層34は、例えばスパッタリングやALDを用いて形成可能である。
【0056】
レジストマスク層35は、ハードマスク層34を加工するためのレジストマスクとしての機能を有する。レジストマスク層35は、領域R1に設けられた凸部35aと、領域R1に設けられた凹部35bと、領域R2に設けられた凸部35cと、領域R2に設けられた凸部35dと、を有する。凸部35a、凸部35c、および凸部35dは、後にハードマスク層34を残す部分に設けられる。
図29は、凸部35dが凸部35cよりも面1aに対する高さが高い例を示す。レジストマスク層35は、例えばNILを用いたパターン形成方法を用いて形成される。
【0057】
次に、レジストマスク層35の一部を厚さ方向に除去してハードマスク層34の一部を露出させ、
図30に示すように、ハードマスク層34の露出部を除去する。レジストマスク層35は、凸部35a、凸部35c、および凸部35dが部分的に残存するように加工される。レジストマスク層35は、例えば反応性イオンエッチングにより部分的に除去可能である。ハードマスク層34は、例えばドライエッチングにより部分的に除去可能である。ハードマスク層34を加工するドライエッチングは、例えば塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いた誘導結合プラズマ-反応性イオンエッチングである。
【0058】
次に、
図31に示すように、ハードマスク層34およびレジストマスク層35をマスクとして用いたエッチングにより基材1を部分的に除去することにより、領域R1に、凸部11と、凹部12cと、を形成するとともに、領域R2に凸状領域132を形成する。基材1は、例えばドライエッチング等の異方性エッチングにより面1aから例えば基材1の厚さ方向に部分的に除去されることにより加工される。基材1を加工するドライエッチングは、例えばトリフルオロメタンガスを用いた誘導結合プラズマ-反応性イオンエッチングである。
【0059】
次に、
図32に示すように、レジストマスク層35の一部を厚さ方向に除去して凸部35cを除去するとともにハードマスク層34の一部を露出させる。レジストマスク層35は、凸部35cが除去されるとともに、凸部35aおよび凸部35dが部分的に残存するように加工される。
【0060】
次に、
図33に示すように、レジストマスク層35をマスクとして用いたエッチングによりハードマスク層34の露出部を除去する。
【0061】
次に、
図34に示すように、レジストマスク層35を除去し、その後、
図35に示すように、凸部11、凹部12c、および凸状領域132を覆うレジストマスク層36を形成する。レジストマスク層36は、基材1を加工するためのレジストマスクとしての機能を有する。レジストマスク層36は、凸部11、および凹部12cのそれぞれと重なる位置に凹部36aを有する。レジストマスク層36は、例えばNILを用いたパターン形成方法を用いて形成される。
【0062】
次に、
図36に示すように、レジストマスク層36の一部を厚さ方向に除去して凹部12cと、凸部11に重なるハードマスク層34の一部と、を露出させる。レジストマスク層36は、例えば反応性イオンエッチングにより部分的に除去可能である。
【0063】
次に、
図37に示すように、ハードマスク層34およびレジストマスク層36をマスクとして用いたエッチングにより基材1を厚さ方向に部分的に除去する。これにより、凸部11および凸状領域132が保護されたまま、凹部12cは、基材1の厚さ方向に沿って面1aよりも深い位置まで加工される。
【0064】
次に、
図38に示すように、レジストマスク層36を除去し、その後、
図39に示すように、ハードマスク層34をマスクとして用いたエッチングにより基材1を厚さ方向に部分的に除去する。これにより、凸部11および凸状領域132の一部が保護されたまま、凹部12cが基材1の厚さ方向に沿って加工されるとともに、凸状領域132の他の一部が加工されて凸状領域131が形成される。
【0065】
次に、
図40に示すように、ハードマスク層34を除去し、その後、
図41に示すように、面1aを覆う光学層21を形成する。光学層21は、例えば反応性スパッタリングにより光学層21に適用可能な材料を面1aに堆積させることにより形成される。光学層21は、凸部11、凹部12c、凸状領域131、および凸状領域132のそれぞれの上にも形成される。
【0066】
次に、
図42に示すように、光学層21の上にレジストマスク層37を形成する。レジストマスク層37は、光学層21を加工するためのレジストマスクとしての機能を有する。レジストマスク層37は、凹部12aの上に設けられた凸部37aを有する。凸部37aは、後に光学層21を残す部分に設けられる。レジストマスク層37は、例えばNILを用いたパターン形成方法を用いて形成される。
【0067】
次に、
図43に示すように、レジストマスク層37の一部を厚さ方向に除去して凹部12cにおいてレジストマスク層37を残存させつつ光学層21の一部を露出させる。
【0068】
次に、
図44に示すように、レジストマスク層37をマスクとして用いたエッチングにより光学層21の露出部を除去して凸部11、凸状領域131、および凸状領域132を露出させる。
【0069】
次に、
図45に示すようにレジストマスク層37を除去する。以上が第2の実施形態のテンプレートの製造方法例の説明である。
【0070】
第2の実施形態のテンプレートは、光学層21の上面211と面1aとを略面一に形成することにより、アライメントマークパターンAMを含むテンプレートを用いたNILによりインプリント材料層にパターンを転写し、転写パターンを用いてアライメントマークを形成する際に設計ルールを違反することなく、高精度のアライメントが可能なアライメントマークを形成できる。
【0071】
図46および
図47は、光学層21の形状の違いによるインプリント材料層の形状の違いを説明するための模式図である。光学層21の上面211が面1aよりも高すぎる場合、
図46に示すように、凹部12cに対向して形成されるインプリント材料層である層102の凸部102aの高さが低くなる。この場合、凸部102aを含む転写パターンを用いて形成されるアライメントマークを所望の形状に形成することが困難となり、設計ルールに違反する場合がある。また、光学層21の上面211が面1aよりも低すぎる場合、
図47に示すように、凹部12cに対向して形成される層102の凸部102aの高さが低くなり、空隙Sを形成する場合がある。この場合、空隙Sが光学層21とも層102とも異なる光学特性を持つため、アライメント時の精度が劣化するおそれがある。
【0072】
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
【0073】
<第3の実施形態>
(テンプレートの構造例)
第3の実施形態のテンプレートは、第2の実施形態のテンプレートと同様に、面MSと、凹部COと、を含む基材1を具備し、面MSは、アライメントマークパターンAMとデバイスパターンDPとを含む。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の部分については、第2の実施形態の説明を適宜援用できる。
【0074】
図48は、第3の実施形態のテンプレートの例を説明するための断面模式図であり、テンプレートのX-Z断面の一部を示す。第3の実施形態のテンプレートの例は、第2の実施形態と同様に、基材1と、光学層21と、を具備する。
【0075】
アライメントマークパターンAMは、第2の実施形態と同様に、少なくとも一つの凸部11と、少なくとも一つの凹部12cと、を有するとともに、少なくとも一つの凹部12dをさらに有する。
【0076】
凸部11および凹部12dは、例えばX軸方向に交互に形成される。凹部12dの上面レイアウトとしては、例えば
図5、
図6、および
図7に示す凹部12bのレイアウトを適用できる。凹部12dの底面124は、面1aよりも深い位置に設けられる。
【0077】
デバイスパターンDPは、第2の実施形態と同様に、凸部13bを有する。
【0078】
アライメントマークパターンAMは、第2の実施形態と同様に、複数の凹部12cの間に
図25に示す凸部112を有していてもよい。
【0079】
光学層21は、凹部12cに設けられるが、凹部12dには設けられない。すなわち、凹部12cの底面121は、光学層21に接しているのに対し、凹部12dの底面124は、光学層21に接しておらず、露出面を形成する。光学層21の厚さは、凹部12cの深さよりも小さくてもよい。光学層21は、複数の凹部12cの底面123の一部のみ接していてもよい。
【0080】
光学層21の上面211は、
図49に示すように、面1aと略面一であることが好ましい。
図49は、
図48の一部の拡大図である。
【0081】
光学層21は、第3の実施形態と同様に、光学検出器からの光に対して上記第1の光学定数と異なる第2の光学定数を有する第2の材料を含有する。
【0082】
第3の実施形態のアライメントマークパターンは、第2の実施形態と同様に、
図27に示す形状例を有していてもよい。
【0083】
(テンプレートの製造方法例)
図50ないし
図53は、第3の実施形態のテンプレートの製造方法の例を説明するための断面模式図であり、基材1のX-Z断面の一部を示す。テンプレートの製造方法例は、基材1のアライメントマークパターンAMが形成される領域R1と基材1のデバイスパターンDPが形成される領域R2とを模式的に図示して説明する。
図50ないし
図53に示す領域R1および領域R2のそれぞれは、面1aに面する。
【0084】
まず、凹部12cと同一工程により凹部12dを形成することを除いては、第2の実施形態と同様に、
図28から
図41までの工程を経て、凸部11と、凹部12cと、凸部13bと、光学層21と、を形成する。凹部12dの形成方法については、凹部12cの形成方法の説明を適宜援用できる。
【0085】
次に、
図50に示すように、光学層21の上にレジストマスク層37を形成する。レジストマスク層37は、光学層21を加工するためのレジストマスクとしての機能を有する。レジストマスク層37は、凹部12cの上に設けられた凸部37aを有する。凸部37aは、後に光学層21を残す部分に設けられる。
図50において凸部37aは、Z軸方向において凹部12dに重なっていない。レジストマスク層37は、例えばNILを用いたパターン形成方法を用いて形成される。
【0086】
次に、
図51に示すように、レジストマスク層37の一部を厚さ方向に除去して凹部12cにおいてレジストマスク層37を残存させつつ光学層21の一部を露出させる。
【0087】
次に、
図52に示すように、レジストマスク層37をマスクとして用いたエッチングにより光学層21の露出部を除去して凸部11、凸状領域131、および凸状領域132を露出させる。
【0088】
次に、
図53に示すようにレジストマスク層37を除去する。以上が第3の実施形態のテンプレートの製造方法例の説明である。
【0089】
第3の実施形態のテンプレートおよびその製造方法では、凹部12dに光学層21を形成しない。この場合、仮に光学層21の位置がずれても、アライメントマークパターンAMの端部への光学層21のはみ出しを抑制できる。これにより、第1の実施形態と同様に高精度のアライメントが可能なアライメントマークを形成することができる。
【0090】
さらに、第3の実施形態のテンプレートおよびその製造方法では、第2の実施形態と同様に、光学層21の上面211と面1aとを略面一に形成することにより、アライメントマークパターンAMを含むテンプレートを用いたNILによりインプリント材料層にパターンを転写し、転写パターンを用いてアライメントマークを形成する際に設計ルールを違反することなく、高精度のアライメントが可能なアライメントマークを形成できる。
【0091】
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
【0092】
<第4の実施形態>
図54ないし
図57は、NILを用いた半導体装置の製造方法の例を説明するための断面模式図である。
【0093】
図54に示すように、対象物100の加工面の位置と、加工面に対向して配置された、テンプレート101のパターン形成面の位置と、を合わせる。上記位置は、例えばテンプレート101のアライメントマークパターンAMの位置と、対象物100に設けられたアライメントマークパターンの位置と、を相対的に調整することにより合わせられる。
【0094】
対象物100は、例えば半導体基板上に複数の膜を積層することにより形成された積層体である。対象物100の構成は、特に限定されない。
【0095】
テンプレート101は、第1ないし第3の実施形態のいずれか一つの製造方法により製造されるテンプレートである。
図54は、一例として第2の実施形態のテンプレートの製造方法により製造されたテンプレート101を図示する。
【0096】
層102は、上記アライメントの前または後に、上記加工面にインプリント材料を塗布することにより形成される。インプリント材料は、例えば光硬化性樹脂を含む。インプリント材料は、例えば滴下またはスピンコートにより塗布される。
【0097】
次に、
図55に示すように、テンプレート101を層102に押しつけて層102を成形し、成形された層102を硬化させることにより、デバイスパターンDPおよびアライメントマークパターンAMを層102に転写する。なお、層102の硬化前に、テンプレート101を層102に押しつけた状態で、対象物100とテンプレート101との精密なアライメントを行う。デバイスパターンDPが例えば凸状領域131と凸状領域132とを有する場合、硬化された層102は、
図55に示すように、デュアルダマシン構造を形成するためのパターンを有する。
【0098】
層102が光硬化性樹脂を含む場合は、層102は、テンプレート101を介して光を照射することにより硬化する。テンプレート101は、層102の硬化後に層102から分離される。
【0099】
次に、
図56に示すように、層102を用いて対象物100の一部を加工することにより、例えば開口部100aを形成する。対象物100は、例えばドライエッチングにより対象物100を構成する積層を部分的に除去することにより加工される。加工後の対象物100の形状は、デバイスパターンDPの形状に応じて決まる。
【0100】
次に、
図57に示すように、対象物100上に膜(被加工膜)を成膜し、膜を加工することにより開口部100aに層151を形成する。層151は、例えば金属材料を含有する導電層である。層151は、例えば埋め込み配線としての機能を有する。
【0101】
以上のように、本実施形態の半導体装置の製造方法の例は、第1ないし第3の実施形態のいずれかの製造方法により製造されたテンプレートを用いて対象物の上の塗布層を成形してデバイスパターンDPを転写する。よって、例えば不要な金属層を形成せずに半導体装置を製造できるため、半導体装置の性能の低下を抑制できる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1…基材、1a…表面、11…凸部、12a…凹部、12b…凹部、12c…凹部、12d…凹部、13…凸部、13a…凸部、13b…凸部、14…凹部、21…光学層、31…ハードマスク層、32…レジストマスク層、32a…凸部、32b…凸部、33…レジストマスク層、33a…凸部、34…ハードマスク層、35…レジストマスク層、35a…凸部、35b…凹部、35c…凸部、35d…凸部、36…レジストマスク層、36a…凹部、37…レジストマスク層、37a…凸部、100…対象物、100a…開口部、100b…開口部、101…テンプレート、102…層、102a…凸部、111…上面、112…凸部、121…底面、122…底面、123…底面、124…底面、130…上面、131…凸状領域、132…凸状領域、140…底面、150…層、151…層、211…上面。