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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140164
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
G06F9/50 150A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046057
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大毅
(72)【発明者】
【氏名】白川 健治
(72)【発明者】
【氏名】石原 丈士
(57)【要約】
【課題】ユーザから要求された処理を実行する計算機システムに対して、より適切に計算処理のために必要なリソース割り当てする。
【解決手段】リソース割り当て制御装置では、依存関係情報取得部は、タスクを構成する細分化した処理項目と、処理項目の依存関係とを示す依存関係情報を取得する。リソース情報取得部は、タスクにどのようなリソース割り当てが可能であるかを表す情報であるリソース情報を取得する。スコア算出部は、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順と、リソース割り当てに対するスコアを算出する。探索部は、スコアが優れた組み合わせを探索する。出力部は、探索部が発見した優れたスコアに対応するリソース割り当てを出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タスクを構成する細分化した処理項目と、前記処理項目の依存関係とを示す依存関係情報を取得する依存関係情報取得部と、
前記タスクにどのようなリソース割り当てが可能であるかを表す情報であるリソース情報を取得するリソース情報取得部と、
前記依存関係情報に基づいた前記処理項目の処理手順と、前記リソース割り当てに対するスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコアが優れた組み合わせを探索する探索部と、
前記探索部が発見した優れたスコアに対応するリソース割り当てを出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記タスクを実際に実行するタスク実行装置と接続されており、
前記リソース情報取得部は、前記リソース情報として前記タスク実行装置上の空きリソースの量を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記タスクを実際に実行するタスク実行装置と接続されており、
前記リソース情報取得部は、前記リソース情報として前記タスク実行装置に増設および取り外し可能な計算リソース量を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記スコア算出部は、前記リソース割り当てと前記スコアの対応関係を表す最適化補助情報を算出し、
前記探索部は、前記最適化補助情報に基づいてリソース割り当てを更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記最適化補助情報は、前記リソース割り当ての変動に対するスコアの変動の割合である、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記最適化補助情報を、前記リソース割り当てに対するスコアの勾配を計算して求める、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記最適化補助情報は、前記リソース割り当てからスコアを計算するための関数である、請求項4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実行するタスクを細分化した各処理の依存関係に基づいてリソース割り当てするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10949261号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、ユーザから要求された処理を実行する計算機システムに対して、より適切に計算処理のために必要なリソース割り当てすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、情報処理装置は、依存関係情報取得部と、リソース情報取得部と、スコア算出部と、探索部と、出力部とを備え、依存関係情報取得部は、タスクを構成する細分化した処理項目と、処理項目の依存関係とを示す依存関係情報を取得し、リソース情報取得部は、タスクにどのようなリソース割り当てが可能であるかを表す情報であるリソース情報を取得し、スコア算出部は、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順と、リソース割り当てに対するスコアを算出し、探索部は、スコアが優れた組み合わせを探索し、出力部は、探索部が発見した優れたスコアに対応するリソース割り当てを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態にかかるタスク実行システムの構成の一例を示す図。
図2】第1の実施形態にかかるリソース割り当て制御装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図3】第1の実施形態にかかるパラメタの例を示す図。
図4】第1の実施形態にかかるリソース割り当てを決定する例を示す図。
図5】第1の実施形態にかかるリソース割り当て決定手順を示すフローチャート。
図6】第2の実施形態にかかるプランの例を示す図。
図7】第2の実施形態にかかるリソース割り当て決定手順を示すフローチャート。
図8】本実施形態にかかるハードウェア構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる情報処理装置であるリソース割り当て制御装置を含むタスク実行システムを詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1実施の形態のタスク実行システム1の一例を示す模式図である。
【0009】
タスク実行システム1は、リソース割り当て制御装置2と、タスク実行装置3と、を備える。タスク実行装置3は、複数のサーバ装置から構成されるものである。例えば、サーバ装置31及びサーバ装置32が、タスク実行装置3として機能する。サーバ装置31及びサーバ装置32は、ネットワークを介して互いにデータを送受信することができる。
【0010】
リソース割り当て制御装置2とタスク実行装置3とは、ネットワークを介して接続されている。
【0011】
リソース割り当て制御装置2は、PC(Personal Computer)、ワークステーション、またはサーバ装置などの情報処理装置である。
【0012】
リソース割り当て制御装置2は、実行したいタスクに対して割り当てるべきタスク実行装置上の計算リソースを決定する装置である。ここでタスクとは、複数の処理項目をまとめたプログラム等であり、ユーザから要求された処理の一例である。タスク実行装置3は、リソース割り当て制御装置2から指定された計算リソースを利用して、実際にタスクを実行する装置(計算機システム)である。すなわち、タスク実行装置3は、ユーザから要求された処理を実行する計算機システムである。ここで計算リソースとは、プロセッサやメモリ、ストレージ、ネットワーク等の計算処理のために必要なリソースであり、タスク実行装置3は、その一部ないし全部をあるタスクの実行に割り当てることができる。例えば、マルチコアプロセッサの内のコアの1つや、使用可能メモリ領域の一部、ネットワーク帯域の一部を、タスクに割り当てるなどである。
【0013】
ところで、タスクを細分化した処理項目の処理手順を変更しても同一の処理結果が得られる場合がある。たとえば、関係データベース上のテーブルを内部結合する処理と条件式で絞り込みを行う処理は、順序を入れ替えても同一の処理結果が得られる。また内部結合処理の具体的な実行手順としてはハッシュ結合やマージ結合など複数の手順が存在しており、どれを選んでも同一の処理結果が得られる。リソース割り当て制御装置は、タスクを実行するための複数の処理手順の組み合わせを考慮し、できるだけ少ないリソース割り当てでできるだけ早くタスクを実行できる処理手順の組み合わせを決定する。
【0014】
図2は、第1実施形態にかかるリソース割り当て制御装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、リソース割り当て制御装置2は、依存関係情報取得部21と、リソース情報取得部22と、探索部23と、スコア算出部24と、出力部25とを備える。
【0015】
依存関係情報取得部21は、タスクを構成する細分化した処理項目と、前記処理項目の依存関係とを示す依存関係情報を取得する。依存関係情報取得部21は、タスクを取得すると、タスクを解析して、複数の処理項目に細分化する。そして、依存関係情報取得部21は、複数の処理項目の依存関係を特定する。
【0016】
ここで依存関係とは、処理項目間の実行順を特定するための情報である。例えば、第1処理項目の出力内容が、第2処理項目の入力内容に対応する場合、第2処理項目は、第1処理項目を実行した後に実行する必要がある。依存関係情報取得部21は、各処理項目の入力内容・出力内容を定めると共に、各処理項目の入力内容を定めるために必要な他の処理項目の出力内容を特定することで、複数の処理項目の依存関係を特定して、処理項目間の依存関係を示す情報を生成する。このように、依存関係情報取得部21は、処理項目間の依存関係を示す情報を生成することで、依存関係情報を取得する。なお、依存関係情報取得部21は、外部装置から依存関係情報を取得してもよい。
【0017】
リソース情報取得部22は、タスクにどのようなリソース割り当てが可能であるかを表す情報であるリソース情報を取得する。リソース情報取得部22は、タスク実行装置3を構成するサーバ装置31及びサーバ装置32からそれぞれのリソース情報を取得する。ここで、図3にリソース情報のパラメタの例を示す。
【0018】
図3に示すように、パラメタとして、演算ユニットの種別・性能情報、メモリ及びストレージの種別・性能情報、及びネットワークの構成・性能情報がある。演算ユニットの種別・性能情報、メモリ及びストレージの種別・性能情報は、タスク実行装置3によって異なる情報であり、メモリ増設等により変更可能な情報である。ネットワークの構成・性能情報は、タスク実行装置3が利用するネットワークの構成・性能に関する情報である。
【0019】
リソース情報取得部22は、サーバ装置31及びサーバ装置32から現在の空きリソースの情報をリソース情報として取得するようにしてもよい。また、リソース情報取得部22は、物理的なサーバ装置ではなく、仮想化技術によって構成された仮想サーバやコンテナに対して割り当て可能なリソース情報を取得するようにしてもよい。仮想サーバやコンテナに対して割り当て可能なリソース情報は、仮想サーバやコンテナの稼働しているインフラの稼働状況および未使用リソース量などの情報から計算することができる。また、リソース情報取得部22は、物理的なコンピュータクラスタなどのハードウェアインフラに対して増設ないし取り外し可能な計算リソース情報を取得するようにしてもよい。
【0020】
探索部23は、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順の複数のパターンと、タスクに対するリソース割り当てとの組み合わせを探索する。
【0021】
スコア算出部24は、探索部23により探索された各組合せにおけるスコアを算出する。スコア算出部24は、スコア算出部の一例である。ここで、スコアとは、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順の複数のパターンと、各パターンにおける処理項目に割り当てるリソースとの組み合わせに基づくスコアである。また、スコアは、スコアが高い程、適切な組み合わせであるものとする。一般に、タスクの実行費用や実行時間、消費電力が少ないほどスコアは高くなる。また一般に、タスクを正しく実行できる確率、すなわち信頼性が高いほどスコアは高くなるが、スコアの算出基準はこれに限らない。
【0022】
出力部25は、スコア算出部24により算出されたスコアができるだけ高くなるようなリソース割り当てを出力する。
【0023】
続いて、図4を用いて、リソース割り当て制御装置2が、依存関係情報に基づいてタスクの処理の実行パターンおよび複数のリソース割り当てパターンに対するスコアを算出する例を説明する。
【0024】
まず、リソース情報として、リソース割り当て候補(1)及びリソース割り当て候補(2)の情報がある。リソース割り当て候補(1)は、例えば、サーバ装置31をタスク実行に割り当てた場合に計算に利用可能なリソースの量を表している。リソース割り当て候補(2)は、例えば、サーバ装置32をタスク実行に割り当てた場合に計算に利用可能なリソースの量を表している。リソース割り当て候補(1)のサーバ装置31は、プロセッサ性能が大きく、メモリ容量が大きく、単位時間あたりの使用価格が$100であるサーバ装置であることが示されている。また、リソース割り当て候補(2)のサーバ装置32は、プロセッサ性能が小さく、メモリ容量が小さく、単位時間あたりの使用価格が$10であるサーバ装置であることが示されている。
【0025】
また、タスクは、身長データを年齢別に合計した値を、年齢別にソートするというものとする。探索部23は、このタスクの依存関係情報に基づいて図4に示す実行順序Aのパターンと実行順序Bのパターンを探索する。探索部23は、リソース割り当て候補(1)及びリソース割り当て候補(2)の何れかと、実行順序A及び実行順序Bの何れかとの組み合わせを探索する。スコア算出部24は、各組合せにおけるスコアであるスコアを算出する。実行時間が少ない程スコアが上がり、価格が少ない程スコアが上がるものとする。
【0026】
探索部23が探索した4つの組み合わせの内、リソース割り当て候補(2)で、実行順序Bでタスクを実行した場合のスコアが最も高いことを示している。出力部25は、最も高いスコアを持つリソース割り当て候補(2)を最適なリソース割り当てとして出力する。
【0027】
続いて、第1実施形態にかかるリソース割り当て制御装置2によるスコア算出手順について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0028】
前提として、リソース割り当て制御装置2が、リソース情報及び依存関係情報を取得しているものとする。まず、リソース割り当て制御装置2は、初期値を設定する(ステップS1)。リソース割り当て制御装置2は、変数maxを0に設定する。また、Lmax=スコアLに設定する。
【0029】
続いて、リソース割り当て制御装置2は、全てのパターンについてスコアを計算済みか否かについて判断する(ステップS2)。ステップS2において、リソース割り当て制御装置2が、全てのパターンについて計算済みでない場合(ステップS2:No)、探索部23は、未計算のリソース割り当てを選ぶ(ステップS3)。このリソース割り当てを、パラメタθで表す。また、探索部23は、パラメタθに最も適した実行順序を選択する。そして、スコア算出部24は、選択したリソース割り当てと、選択した実行順序とに基づくスコアLを計算する。
【0030】
ステップS5において、スコアLとLmaxとを比較して、スコアLの方がLmaxより大きい場合(ステップS5:Yes)、探索部23は、変数maxをjとして、LmaxにスコアLの値を入力して(ステップS6)、ステップS2へ進む。
【0031】
なお、ステップS5において、スコアLとLmaxとを比較して、スコアLの方がLmaxより大きくない場合(ステップS5:No)、ステップS2へ進む。
【0032】
ステップS2において、リソース割り当て制御装置2は、全てのパターンに対して計算済みであると判断した場合(ステップS2:Yes)、Lmaxに基づくリソース割り当てを出力部25へ接続するI/F部へ通知する(ステップS7)。出力部25は、Lmaxに基づくリソース割り当てを出力する(ステップS8)。
【0033】
第1実施形態にかかるリソース割り当て制御装置2は、依存関係情報取得部21は、タスクを構成する細分化した処理項目と、処理項目の依存関係とを示す依存関係情報を取得する。リソース情報取得部22は、タスクを実行可能な装置の複数パラメタに基づくリソースの情報であるリソース情報を取得する。探索部23は、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順の複数のパターンと、パターンにおける処理項目に割り当てるリソースとの組み合わせを探索する。スコア算出部24は、各組合せにおけるスコアを算出する。出力部25は、スコアができるだけ高くなるようなリソース割り当てを出力する。
【0034】
このように、リソース割り当て制御装置2は、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順の複数のパターンと、パターンにおける処理項目に割り当てるリソースとの組み合わせを探索するので、処理手順を変更することを考慮せずにリソース割り当てをする場合と比較して、より多くの処理手順とリソースの組み合わせを探索するので、より適切にリソース割り当てすることができる。
【0035】
また、リソース割り当て制御装置2は、リソース情報として空きリソースの情報を取得するようにしてもよい。この場合、リソース割り当て制御装置2は、現状利用可能なリソースに基づいてスコアを算出することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、依存関係情報に基づいた処理項目の処理手順の複数のパターンと、リソース割り当ての複数のパターンとの全ての組み合わせのスコアを算出する場合について述べた。しかし、全ての組み合わせについてスコアを算出すると処理負荷が高くなる可能性がある。そこで、最適化補助情報を用いて、リソース割り当てを更新する。
【0037】
図6に、タスクのパターンの例を示す。タスクを細分化した処理項目の実行順序に基づいて2つのパターン(プラン)がある。サーバ1をコンピュータサーバ、サーバ2をストレージサーバとする。
【0038】
プラン1は、データをサーバ2(サーバ装置32)から読み出し、データをサーバ1(サーバ装置31)に転送して、データをサーバ1で絞込み、データをサーバ1で加工する。すなわち、プラン1では、データをサーバ2で読み出した後は、サーバ1のみで処理するものである。
【0039】
データをサーバ2から読み出す処理時間は、N/Rである。Nは、絞り込み前のデータ量である。Rは、ストレージサーバであるサーバ2のストレージのリード性能である。データをサーバ1に転送する処理時間は、N/Bである。Bは、ネットワークのバンド幅である。データをサーバ1で絞り込む処理時間は、CN/Pである。Cは、絞り込み/集計処理の負荷係数である。Pは、サーバ1のプロセッサ性能である。データをサーバ1で加工する処理時間は、CM/Pである。Cは、絞り込み/集計処理の負荷係数である。Mは、絞り込み後のデータ量である。
【0040】
プラン2は、データをサーバ2から読み出し、データをサーバ2で絞り込み、データをサーバ1に転送して、データをサーバ1で加工する。すなわち、プラン2では、サーバ2でデータを絞り込む処理を実行した上で、サーバ1にデータを転送している。
【0041】
データをサーバ2で絞り込む処理時間は、CN/Pである。Pは、サーバ2のプロセッサ性能である。データをサーバ1に転送する処理時間は、M/Bである。
【0042】
プラン1の処理時間は、t=N/R+N/B+CN/P+CM/Pである。また、プラン2の処理時間は、t=N/R+CN/Ps+M/B+CM/Pである。
【0043】
プラン1とプラン2のスコアを、それぞれL=1/tおよびL=1/tとする。さらに、プラン1とプラン2のうちスコアのより高い方を選択したときのスコアを、パラメタθ=(Pc、Ps、B、R)(プロセッサ性能、バンド幅、リード性能)の関数として表したものを、スコア関数L(θ)=max(L1、)とする。
【0044】
また、本来のスコアの近似関数をスコア関数L(θ)としても構わない。たとえばプラン1とプラン2のスコアの重み付き和でスコア関数L(θ)=0.6×L+0.4×Lを計算しても構わない。
【0045】
ここで、上記スコア関数L(θ)を最大化できるパラメタθ=(Pc、Ps、B、R)(プロセッサ性能、バンド幅、リード性能)を発見するのに利用される、パラメタとスコア関数L(θ)の対応関係を表す情報を最適化補助情報とする。
【0046】
たとえば、最適化補助情報は、パラメタθに対するスコアを計算するためのスコア関数L(θ)であっても構わない。このとき、スコア関数L(θ)を最大化するパラメタθを、数理最適化などの技法を用いて計算することで、スコアを最大化できるリソース割り当てを計算することができる。
【0047】
また、最適化補助情報は、スコア関数の勾配∂L/∂θであっても構わない。これはパラメタθの変動に対するスコア関数Lの変動の割合と見なせる。このとき、スコア関数L(θ)を最大化するパラメタθを、勾配法などの技法を用いて計算することで、スコアを最大化できるリソース割り当てを計算することができる。
【0048】
また、最適化補助情報は、パラメタθをたとえば10%増やしたときのスコアの変化度合いであっても構わない。これは勾配と同様、パラメタθの変動に対するスコア関数Lの変動の割合と見なせる。このとき、スコア関数L(θ)を最大化するパラメタθを、勾配法などの技法を用いて計算することで、スコアを最大化できるリソース割り当てを計算することができる。
【0049】
続いて、第2の実施形態にかかるリソース割り当て制御装置2によるスコア算出手順について図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0050】
前提として、リソース割り当て制御装置2が、リソース情報及び依存関係情報を取得しているものとする。まず、リソース割り当て制御装置2は、Lmax、θを初期化する(ステップS11)。また、変数jを0とする。
【0051】
スコア算出部24は、パラメタθに基づくスコアLと、最適化補助情報Iとを算出する(ステップS12)。
【0052】
ステップS13において、スコアLとLmaxとを比較して、スコアLの方がLmaxより大きい場合(ステップS13:Yes)、探索部23は、変数maxをjとして、LmaxをスコアLとして(ステップS14)、ステップS15へ進む。
【0053】
ステップS15において、スコア算出部24は、最適化補助情報Iを用いてパラメタθj+1を更新して(ステップS15)、ステップS12へ進む。
【0054】
なお、ステップS13において、スコアLとLmaxとを比較して、スコアLの方がLmaxより大きくない場合(ステップS13:No)、ステップS16へ進む。Lmaxに基づくリソース割り当てをI/F部へ通知する(ステップS16)。出力部25は、Lmaxに基づくリソース割り当てを出力する(ステップS17)。
【0055】
第2実施形態にかかるリソース割り当て制御装置2は、スコアを最大化するリソース割り当てを発見するのに用いられる最適化補助情報を算出し、最適化補助情報に基づいてリソース割り当てを更新し、更新したリソース割り当てを用いてスコアを算出する。
【0056】
このように、リソース割り当て制御装置2は、最適化補助情報を算出して、当該最適化補助情報に基づいてリソース割り当てを更新し、スコアを算出した結果、過去のスコアより向上しない場合、これ以上リソース割り当てを変更する必要が無いと推測することができ、全ての組み合わせについてスコアを算出することなく、適切にリソース割り当てをすることができる。
【0057】
(ハードウェア構成)
次に、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3(サーバ装置31、サーバ装置32)のハードウェア構成の一例を説明する。図8は、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2、タスク実行装置3のハードウェア構成図の一例である。
【0058】
上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3は、CPU86などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)88やRAM(Random Access Memory)90やHDD(ハードディスクドライブ)92などの記憶装置と、各種機器とのインタフェースであるI/F部82と、各部を接続するバス96とを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0059】
上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3では、CPU86が、ROM88からプログラムをRAM90上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現される。
【0060】
なお、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDD92に記憶されていてもよい。また、上記実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM88に予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0061】
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態のリソース割り当て制御装置2及びタスク実行装置3で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0062】
なお、上記には、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、上記実施の形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 タスク実行システム、2 リソース割り当て制御装置、3 タスク実行装置、21 依存関係情報取得部、23 探索部、24 スコア算出部、25 出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8