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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140238
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】模擬臓器強度試験装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20230927BHJP
   G01N 3/08 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A61F2/44
G01N3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046162
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】522115136
【氏名又は名称】LandTrading合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 昭一
(72)【発明者】
【氏名】綾香 悦子
(72)【発明者】
【氏名】青木 剛
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 城二
【テーマコード(参考)】
2G061
4C097
【Fターム(参考)】
2G061AA02
2G061AB01
2G061CA20
2G061DA01
4C097AA10
4C097BB01
4C097BB10
(57)【要約】
【課題】より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供する。
【解決手段】模擬臓器強度試験装置は、模擬臓器に荷重をかけることによって強度試験を行う模擬臓器強度試験装置であって、駆動部10と、荷重発生部20と、荷重伝達部30とを備え、荷重発生部20は、駆動部10によって回転する第1円板体21と、第1円板体21に対向する第2円板体22と、第2円板体22に配置された複数の突起24と、第1円板体21に配置され、第1円板体21の回転によって突起24を通過する際に第2円板体22を傾ける押圧体23とを有し、荷重伝達部30は、模擬臓器に荷重をかける第3円板体31と、第2円板体22と第3円板体31とを連結する複数のコイルばね32とを有し、荷重伝達部30は、荷重発生部20によって発生した荷重を模擬臓器の軸方向に対して任意の斜めの方向から模擬臓器100に伝達する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模擬臓器に荷重をかけることによって強度試験を行う模擬臓器強度試験装置であって、
荷重を発生させる荷重発生部と、
当該荷重発生部によって発生した荷重を、模擬臓器の軸方向に対して、任意の斜めの方向から、模擬臓器に伝達する荷重伝達部とを備えることを特徴とする模擬臓器強度試験装置。
【請求項2】
前記荷重発生部を動作させる駆動部を更に備え、
前記荷重発生部は、前記駆動部によって駆動され、模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾く板状の第1傾斜部材を有し、
前記荷重伝達部は、模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾く板状の第2傾斜部材と、前記第1傾斜部材と前記第2傾斜部材とを連結する弾性体と、を有し、
前記第2傾斜部材を介して模擬臓器に荷重をかけることを特徴とする請求項1記載の模擬臓器強度試験装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記第1傾斜部材の支点となる支点軸と、前記荷重発生部を駆動させるモータと、を有し、
前記荷重発生部は、前記モータによって回転する板状の回転部材と、前記第1傾斜部材の板面に配置された複数の突起と、前記回転部材に配置され、前記回転部材の回転によって前記突起を通過する際に前記突起を押圧して前記第1傾斜部材を模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾ける押圧体と、を更に有し、
前記回転軸は、模擬臓器の軸方向に対して傾いた方向に前記回転軸の軸方向を傾けることが可能であり、前記回転軸の傾きに応じて、模擬臓器の軸方向に対する前記第2傾斜部材の板面の角度が可変であることを特徴とする請求項2記載の模擬臓器強度試験装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模擬臓器強度試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、死体骨または模擬骨の表面、若しくはそれらに装着する部材表面に応力発光物質層を設け、前記骨に作用する応力によって発光する前記応力発光物質の光をカメラで測定することにより、死体骨または模擬骨の表面、若しくはそれらに装着する部材表面の応力分布を測定する、という技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-149943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、新規に開発された医療機器(例えば、インプラント等の後発品ではない製品)を市販する場合、同等品が市場にないため安全性の検証を行う必要がある。この場合、人に直接埋入する臨床試験において治験(PhaseIII:第III相臨床試験)を行う必要がある。この治験では、ある一定数の患者を用いて試験を行うため、高額な費用と3年ほどの時間が必要になる。また、治験では、開始からフォローアップ期間のみでの評価を行うため、統計上結果が良好であれば、市販することが可能となる。そのため、市販後の不具合を予測することができないため、患者に対しての不利益も生じている。
【0005】
また、患者の臓器(例えば、骨、血管等)の立体的なデータを、CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)により取得し、このデータを元に作製された立体臓器(模擬臓器、模擬血管等)を用いて医療機器(例えば、インプラント等)の性能及び安全性を評価する模擬臨床試験が知られている。
【0006】
模擬臨床試験は非臨床試験であるが、立体臓器やインプラントに対して、所定の精度が担保された模擬臨床試験を行うことで、臨床試験の治験を省略し、非臨床試験の模擬臨床試験のみで厚生労働大臣の承認を取得した例も増えている。インプラントを市販する者にとって、治験を回避できれば、コストや開発から市販するまでの時間を削減できる。
【0007】
所定の精度が担保された模擬臨床試験を行うためには、模擬臓器(立体臓器やインプラントが取り付けられた立体臓器)に対して、実際の人の動作に応じて力が発生する方向からの負荷をかけることができる模擬臓器強度試験装置が必要となる。
【0008】
しかしながら、従来の試験装置は、模擬臓器に対して、人の動作に応じて力が発生する方向からの負荷をかけるものはなかった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決し、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のような模擬臓器強度試験装置を提供する。
【0011】
(1)模擬臓器(例えば、模擬臓器100)に荷重をかけることによって強度試験を行う模擬臓器強度試験装置(例えば、多軸脊椎運動試験装置1)であって、
荷重を発生させる荷重発生部(例えば、荷重発生部20)と、
当該荷重発生部によって発生した荷重を、模擬臓器の軸方向(試験装置のトルクを軸荷重に変換することで)に対して、任意の斜めの方向から、模擬臓器に伝達する荷重伝達部(例えば、荷重伝達部30)とを備えることを特徴とする模擬臓器強度試験装置。
【0012】
(1)によれば、模擬臓器の軸方向に対して任意の斜めの方向から模擬臓器に荷重をかけることが可能になり、人の動作に応じて力が発生する方向からの負荷をかけることが可能になる。これにより、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することが可能になる。
【0013】
(2)(1)において、前記荷重発生部を動作させる駆動部(例えば、駆動部10)を更に備え、
前記荷重発生部は、前記駆動部によって駆動され、模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾く板状の第1傾斜部材(例えば、第2円板体22)を有し、
前記荷重伝達部は、前記第1傾斜部材に連動して模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾く板状の第2傾斜部材(例えば、第3円板体31)と、前記第1傾斜部材と前記第2傾斜部材とを連結する弾性体(例えば、コイルばね32)と、を有し、
前記第2傾斜部材を介して模擬臓器に荷重をかけることを特徴とする模擬臓器強度試験装置。
【0014】
(2)によれば、第1傾斜部材と第2傾斜部材とが弾性体によって連結されているため、第1傾斜部材を傾けることによって荷重を発生させた場合に、第1傾斜部材に連動して第2傾斜部材が傾くようになり、模擬臓器の軸方向に対して第1傾斜部材の傾きに応じた斜めの方向から模擬臓器に荷重をかけることが可能になる。これにより、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することが可能になる。
【0015】
(3)(2)において、前記駆動部は、前記第1傾斜部材の支点となる支点軸(例えば、支点軸12)と、前記荷重発生部を駆動させるモータ(例えば、モータ11)と、を有し、
前記荷重発生部は、前記モータによって回転する板状の回転部材(例えば、第1円板体21)と、前記第1傾斜部材の板面に配置された複数の突起(例えば、突起24)と、前記回転部材に配置され、前記回転部材の回転によって前記突起を通過する際に前記突起を押圧して前記第1傾斜部材を模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾ける押圧体(例えば、押圧体23)と、を更に有し、
前記回転軸は、模擬臓器の軸方向に対して傾いた方向に前記回転軸の軸方向を傾けることが可能であり、前記回転軸の傾きに応じて、模擬臓器の軸方向に対する前記第2傾斜部材の板面の角度が可変であることを特徴とする模擬臓器強度試験装置。
【0016】
(3)によれば、モータによって板状の回転部材を回転させることにより、押圧体が突起を通過する際に突起を押圧して、第1傾斜部材を模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾ける。この第1傾斜部材に連動して弾性体が伸縮することによって第2傾斜部材が傾くようになり、第2傾斜部材が模擬臓器に対して斜めの方向から荷重をかけることが可能になる。しかも、支点軸の傾きに応じて、第2傾斜部材の板面の角度が可変であるため、押圧体が突起に当接していない状態において、模擬臓器に対する第2傾斜部材の板面の角度を任意の斜め方向にすることが可能になる。これにより、任意の斜めの方向から模擬臓器に荷重をかけることが可能になり、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における模擬臓器強度試験装置により強度試験が行われる模擬臓器を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態における多軸脊椎運動試験装置1の外観を示す斜視図である。
図3】多軸脊椎運動試験装置1の押圧体23が第2円板体22に当接している状態を模式的に示す図である。
図4】多軸脊椎運動試験装置1の押圧体23が突起24の頂上に位置している状態を模式的に示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る荷重発生部20の変形例の外観を示す斜視図である。
図6】発明の他の実施形態における多軸脊椎運動試験装置1の外観を示す斜視図である。
図7図6に示す他の実施形態に係る荷重発生部20の変形例の外観を示す斜視図である。
図8図6に示す他の実施形態に係る荷重発生部20の別の変形例の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
[模擬臨床試験の概要]
図1は、本発明の一実施形態における模擬臓器強度試験装置により強度試験が行われる模擬臓器を説明する図である。
例えば、脊椎すべり症、脊髄空間の狭窄症等の疾患を発症した場合、脊髄空間を正常に保つために、金属製のインプラント120を、当該骨に埋入する処置が行われる。このインプラント120が新規に開発された物である場合、このインプラント120を市販するために、所定の精度が担保された模擬臨床試験を行うことで、臨床試験の治験を省略することができる。
【0021】
模擬臨床試験では、生体のヤング率に模した立体臓器(例えば、模擬骨)110を用いて、そこにインプラント120を埋入した模擬臓器100の強度試験を行う。なお、模擬臓器100は、立体臓器110にインプラント120を埋入したものに限らず、立体臓器110だけのものも含まれる。
【0022】
立体臓器110は、患者の臓器(例えば、骨、血管等)の立体的なデータを、CTやMRIにより取得し、取得した患者のデータから算出された生体ヤング率を模した強度(例えば、骨密度等)で製造される。このような立体臓器110にインプラント120を埋入した立体臓器110の強度試験を行うことで、インプラント120を実際の患者の臓器に埋入した場合におけるインプラント120が患者の臓器に与える影響について検証することが可能となる。
【0023】
一方、立体臓器110は、金属で生成してもよい。このような金属製の立体臓器110にインプラント120を埋入した立体臓器110の強度試験を行うことで、インプラント120自体の強度について検証することが可能となる。このようなインプラント120自体の強度を検証することで、過強度な製品による患者骨損傷も減少させる製品を開発可能となる。
【0024】
上記模擬臨床試験によれば、立体臓器110やインプラント120に対する臨床試験の治験を省略することが可能になり、また、強度試験を繰り返すことで、時系列で、模擬臓器100の状態が目視観察できるため、途中で不具合が発生する予兆を観察及び確認することが可能となり、不具合が発生する前に、設計変更をすることによって、より安全な製品を提供できるようになる。また、例えば、立体臓器110の強度(例えば、模擬骨の骨密度等)を様々に変化させた複数種類の立体臓器110に対して、それぞれ強度試験を行うことで、立体臓器110の強度(例えば、模擬骨の骨密度等)がどのくらいから安全性が低下するかの考察も可能となる。
【0025】
そして、このような模擬臨床試験を行うためには、生体の運動である、前屈、後背、側屈、捻り等が行われた場合に、模擬臓器100に対する軸圧縮応力や、捻られた場合に生ずる応力や、負荷がかかる角度等を検証可能な多軸脊椎治具が必要となる。
【0026】
多軸脊椎治具を用いることで、模擬臓器100の強度を検証する際、従来のようなFEA(有限要素法:Finite Element Analysis)ではなく、実際の物理試験で患者の日常運動試験、事故時のリスク分析試験を行うことが可能となる。FEAによるシミュレーションでも、データの表示による可視化はできるが、あくまで数値解析上の理論である。物理試験では、実際の荷重やトルクに対しての詳細な挙動が数値上及び目視として確認でき、また、時系列での思わぬ事象を検証できるところが非常に有意義な点となる。
【0027】
本発明に係る模擬臓器強度試験装置の一例である多軸脊椎運動試験装置1は、このような多軸脊椎治具として機能する。なお、以下の説明では、脊椎を模した模擬臓器100に対する試験を行う治具である多軸脊椎運動試験装置1を例に説明するが、本発明は、これに限らず、他の臓器を模した模擬臓器100に対する試験を行う治具にも適用できる。
【0028】
[多軸脊椎運動試験装置1の構成]
図2は、本発明の一実施形態における多軸脊椎運動試験装置1の外観を示す斜視図である。
多軸脊椎運動試験装置1は、駆動部10と、荷重発生部20と、荷重伝達部30と、ベース部40と、高さ調整部50と、を備えている。
【0029】
駆動部10は、荷重発生部20を駆動させるモータ11と、荷重発生部20の支点となる支点軸12と、を有している。
【0030】
荷重発生部20は、モータ11によって回転する板状の第1円板体21と、第1円板体21に対向する第2円板体22と、第1円板体21に固定される押圧体23と、第2円板体22に固定され、押圧体23によって押圧される突起24と、を有している。
【0031】
第1円板体21の中心軸上に支点軸12が挿通されており、支点軸12の先端部が第2円板体22に対向する第1円板体21の板面(以下、第1円板体21の下面と称する)の中心から突出している。第2円板体22は、第1円板体21の半径と略同一の半径の円板である。
【0032】
押圧体23は、上部から下方に向かって拡がるくし形の形状の部材である。押圧体23の上面は平面状に形成されており、下面は球面状に形成されている。押圧体23の上部の長さは、第1円板体21の外縁において中心に対して90度となる2点を結ぶ直線よりも若干小さく設定されている。押圧体23の上部は、この直線に沿って第1円板体21の下面の縁部に固定される。
【0033】
突起24は、半球形の部材であり、第1円板体21に対向する第2円板体22の板面(以下、第2円板体22の上面と称する)の縁部に4個配置される。4個の突起24は互いに等間隔に配置されている。すなわち、隣り合う突起24、24と第2円板体22の上面の中心とによってなされる角度は90度である。
【0034】
第2円板体22の中央部には上下の板面を貫通する長孔25(図3(a)参照)が形成されている。長孔25は、第2円板体22の上面の中心に対して点対称の位置にある2つの突起24、24を結ぶ直線に対して45度傾いた方向に延びている。
【0035】
荷重伝達部30は、第3円板体31と、コイルばね32と、ユニバーサルジョイント33と、円筒状の軸受け34と、を有している。
【0036】
第3円板体31は、第1円板体21及び第2円板体22の半径と略同一の半径の円板である。
【0037】
コイルばね32は、弾性体の一例であり、第2円板体22の中心軸と第3円板体31の中心軸とが一致するように第2円板体22と第3円板体31とを連結する部材である。コイルばね32は、第2円板体22の下面及び第3円板体31の上面の外周部に4個配置されており、互いに等間隔に並んでいる。ここで、コイルばね32は、第2円板体22の下面における突起24に対向する部位よりも若干中心寄りに配置される。なお、コイルばねの代わりに、ゴム等の弾性体を用いてもよい。
【0038】
ユニバーサルジョイント33は、一端部が第3円板体31の中心に固定され、他端部に軸受け34が連結されている。
【0039】
第2円板体22と第3円板体31とが4個のコイルばね32によって連結されたときに、軸受け34が、長孔25(図3参照)を通って第2円板体22の中央部から突出する。この軸受け34に、第1円板体21から突出している支点軸12の先端部が挿入され、押圧体23が第2円板体22の上面に当接する。すなわち、支点軸12は、ユニバーサルジョイント33を基点として揺動可能である。
【0040】
第1円板体21は第2円板体22に対して独立して回転可能であり、押圧体23の下面は第1円板体21が回転することにより突起24に摺接する。なお、押圧体23の下面の幅は、第1円板体21が回転しているときに、突起24が押圧体23の下面から外れない大きさに設定されている。
【0041】
また、第3円板体31には、ベース部40と連結するための円柱状の貫通孔からなる孔部35(図2参照)が形成されている。この孔部35(図2参照)は、互いに点対称となる2箇所に形成されており、第3円板体31の上面における、隣り合うコイルばね32、32を結ぶ直線の中央の部位よりも外側寄りに形成されている。
【0042】
ベース部40は、円柱状のベース台41と、2本の円柱状の支柱42と、2本の支柱42にそれぞれ遊挿される2本のコイルばね43と、を有している。
【0043】
ベース台41は、第3円板体31の半径と略同一の半径の円柱体である。支柱42、42は、ベース台41に立設され、コイルばね43、43が挿入される。支柱42、42は、第3円板体31の中心軸とベース台41の中心軸とが一致するようにベース台41の上方に第3円板体31を配置した場合に、ベース台41における孔部35、35に対向する部位に一端部が固定され、他端部が孔部35、35に遊嵌する。
【0044】
コイルばね43、43の直径は、孔部35、35の直径よりも大きく設定されており、支柱42、42の他端部が第3円板体31の孔部35、35に挿入されたときに、コイルばね43、43の先端部が第3円板体31の下面に当接する。これにより、コイルばね43、43のばね力によって第3円板体31が、ベース台41の上方で揺動可能に支持される。
【0045】
高さ調整部50は、模擬臓器100の上下位置を調整する機能を有しており、ベース台41上に必要に応じて載置される。
【0046】
そして、ベース部40の上方に、荷重伝達部30、荷重発生部20、駆動部10の順に配置することにより、図2に示すように多軸脊椎運動試験装置1が組み立てられる。模擬臓器100は、第3円板体31とベース台41との間に配置される。なお、模擬臓器100の大きさに応じて高さ調整部50をベース台41上に載置して、第3円板体31と高さ調整部50との間に模擬臓器100を配置してもよい。
【0047】
[多軸脊椎運動試験装置1の基本動作]
次に、多軸脊椎運動試験装置1の基本動作について説明する。
図3は多軸脊椎運動試験装置1の押圧体23が第2円板体22に当接している状態を模式的に示す図であり、図3(a)は第2円板体22の平面図、図3(b)は多軸脊椎運動試験装置1の側面図である。図4は多軸脊椎運動試験装置1の押圧体23が突起24の頂上に位置している状態を模式的に示す図であり、図4(a)は第2円板体22の平面図、図4(b)は多軸脊椎運動試験装置1の側面図である。
【0048】
多軸脊椎運動試験装置1には、例えば、脊椎の模擬臓器100における連続する2つの模擬臓器100がベース台41上に載置される。
【0049】
多軸脊椎運動試験装置1は、図3(a)に示すように、押圧体23が第2円板体22に当接しており、第1円板体21、第2円板体22及び第3円板体31は、図3(b)に示すように、互いに平行な水平状態に維持されている状態を基本状態とする。この状態において、第3円板体31は模擬臓器100に対して鉛直下方に荷重を加える。なお、ベース台41が水平面上に載置された場合、ベース台41上に載置される模擬臓器100の軸方向は、鉛直方向である。
【0050】
基本状態において駆動部10のモータ11が駆動されると、第1円板体21が回転し、この回転によって押圧体23が周回移動する。押圧体23が周回移動すると、押圧体23の下面に突起24が当接し、更に押圧体23が周回移動すると押圧体23が突起24に摺動しながら徐々に乗り上げる。そして、押圧体23の最下部位が突起24を通過した後、再び押圧体23が第2円板体22に当接する。
【0051】
押圧体23が突起24に乗り上げることによって第2円板体22に荷重が発生し、突起24が押圧体23によって徐々に押下され、第2円板体22が第1円板体21に対して傾斜する。そして、図4(a)に示すように、押圧体23の最下部位が突起24の頂上に到達すると、図4(b)に示すように、第2円板体22は第1円板体21に対して最大に傾斜する。そして、押圧体23の最下部位が突起24を通過して再び押圧体23が第2円板体22に当接すると、第2円板体22は第1円板体21に対して平行な状態に戻る。
【0052】
第2円板体22が傾斜すると、第2円板体22への荷重が4個のコイルばね32を介して第3円板体31に伝達され、図4(b)に示すように、第2円板体22に連動して第3円板体31が傾斜する。
【0053】
以下の説明の便宜上、第1円板体21における4つの突起24を押圧体23の移動方向の順に突起24a、突起24b、突起24c、突起24dと称する。
【0054】
第1円板体21が回転すると、第2円板体22における突起24aの当接部位が押下され、第2円板体22は突起24a側に傾斜してから元に戻る。次に、第2円板体22における突起24bの当接部位が押下され、第2円板体22は突起24b側に傾斜してから元に戻る。次に、第2円板体22における突起24cの当接部位が押下され、第2円板体22は突起24c側に傾斜してから元に戻る。次に、第2円板体22における突起24dの当接部位が押下され、第2円板体22は突起24d側に傾斜してから元に戻る。このように、第2円板体22における突起24a、突起24b、突起24c、突起24dの当接部位が順に押下されることによって、第2円板体22は傾斜する部位を順番に変えながら縁部が上下方向に揺動する。
【0055】
第3円板体31は、第2円板体22に連動して、傾斜する部位を順番に変えながら縁部が上下方向に揺動する。このとき、第2円板体22の動きが4個のコイルばね32を介して第3円板体31に伝達されるため、第3円板体31は第2円板体22に対して若干遅れて移動する。
【0056】
このように、基本状態において、第1円板体21が回転することにより、第3円板体31とベース台41との間に載置された模擬臓器100に対して、第3円板体31から模擬臓器100を周回するように斜め方向から荷重が加えられる。これにより、図4(b)に示すように、模擬臓器100に荷重が加わるごとに2つの模擬臓器100の上側の模擬臓器100が動作する。
【0057】
[多軸脊椎運動試験装置1の使用例]
駆動部10には、モータ11を駆動制御する図示しない駆動制御回路が備えられており、第1円板体21の回転態様を適宜設定することが可能である。例えば、第1円板体21を一方向に回転させたり、逆回転させたりする以外にも、押圧体23が突起24aの両側を交互に移動するように第1円板体21を往復動させたり、押圧体23が隣り合う2つの突起24を通過するように第1円板体21を往復動させたりすることが可能である。
【0058】
また、支点軸12は、ユニバーサルジョイント33によって傾斜させることが可能である。例えば、支点軸12を長孔25の長手方向に対して直角方向に予め傾斜させて、第1円板体21、第2円板体22及び第3円板体31の軸方向を模擬臓器100の軸方向に対して傾けることが可能である。また、支点軸12を長孔25の長手方向に沿って傾斜させて、第1円板体21及び第2円板体22の軸方向を、第3円板体31の軸方向に対して傾けることが可能である。
【0059】
本実施形態の多軸脊椎運動試験装置1によれば、支点軸12の傾斜角や第1円板体21の回転態様を適宜設定することにより、模擬臓器100に対して多様な方向から荷重を加えることが可能である。
【0060】
具体例を上げると、図3(a)において、支点軸12を長孔25の長手方向に沿って突起24bと突起24cとの間に向けて傾ける。このとき、突起24b及び突起24cに対応するコイルばね32が圧縮される。このため、模擬臓器100が突起24b及び突起24cに対応するコイルばね32から受ける荷重を大きくすることが可能になる。この状態で、押圧体23が突起24b及び突起24cを往復するように第1円板体21を往復動させることにより、模擬臓器100にかける荷重を増加させることが可能になる。
【0061】
模擬臓器100の強度試験においては、多軸脊椎運動試験装置1に模擬臓器100を載置して、駆動部10を駆動させ、模擬臓器100に所定回数荷重を加えた後に、模擬臓器100の摩耗具合や破損等を検査する。これにより、模擬臓器100の疲労強度を把握することが可能になる。また、模擬臓器100に対して荷重をかける方向を変えて同様に検査することにより、模擬臓器100の疲労強度をより正確に把握することが可能になる。
【0062】
なお、模擬臓器100に加える荷重は、例えば、第1円板体21や第2円板体22の重さを変えることによって調整することも可能である。
【0063】
以上説明したように構成された本実施形態によれば、模擬臓器の軸方向に対して任意の斜めの方向から模擬臓器100に荷重をかけることが可能になり、人の動作に応じて力が発生する方向からの負荷をかけることが可能になる。これにより、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な多軸脊椎運動試験装置1を提供することが可能になる。
【0064】
また本実施形態によれば、第2円板体22と第3円板体31とが複数のコイルばね32によって連結されているため、第2円板体22を傾けることによって荷重を発生させ、第2円板体22に連動して第3円板体31が傾くことによって、模擬臓器の軸方向に対して斜めの方向から模擬臓器に荷重をかけることが可能になる。
【0065】
また本実施形態によれば、駆動部10が第1円板体21を回転させることにより、押圧体23が突起24を通過する際に突起24を押圧して第2円板体22を模擬臓器の軸方向に対して斜め方向に傾ける。この第2円板体22に連動して第3円板体31が傾くことにより、第3円板体31が模擬臓器100に対して斜めの方向から荷重をかけることが可能になる。しかも、支点軸12の傾きに応じて、第1円板体21、第2円板体22及び第3円板体31の板面の角度が可変であるため、押圧体23が第2円板体22の板面に当接して突起24に当接していない状態において、模擬臓器100に対する第3円板体31の板面の角度を任意の斜め方向にすることが可能になる。これにより、模擬臓器100に対して任意の斜めの方向から荷重をかけることが可能になり、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することが可能になる。
【0066】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限るものではない。例えば、第2円板体22及び第3円板体31におけるコイルばね32の取付位置に有底の孔部を形成し、この孔部にコイルばね32を挿入して、挿脱自在に支持させてもよい。これにより、模擬臓器100が人体の骨格を拡大あるいは縮小したサイズのものである場合等に、異なるばね定数のコイルばね32に付け替えることが可能になる。
【0067】
また、第1円板体21に対して押圧体23を付け替え可能に構成してもよい。これにより、高さが互いに異なる複数の押圧体23を用意し、押圧体23を付け替えることで第3円板体31が模擬臓器100を押圧する角度を変えることを可能にしてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態によれば、突起24が半球形であるが、押圧体23が円滑に乗り越えることが可能な形状であれば、他の形状であってもよい。
【0069】
図5は、荷重発生部20の変形例を示す斜視図である。荷重発生部20の変形例は、図2に示す第1円板体21の下面の中心から突出する支点軸12の代わりにコイルばね26を取り付け、突起24の代わりに半月板27を取り付け、更に、第2円板体22の上面の中心にコイルばね26の先端部を挿入し、コイルばね26を回転自在に支持する孔部(図示せず)を形成したものである。
【0070】
半月板27は、凸状の曲面である上面と、平面である下面と、第2円板体22の外周面と同じ曲率の湾曲面からなる外側側面と、を備えている。半月板27の上面は、突起24の上面より寸法が大きい円弧形状に形成されている。これにより、上述した実施形態に比べ、より緩やかに荷重を増加させることが可能となる。
【0071】
また、半月板27は、下面が第2円板体22の上面の縁部に固定され、外側側面と第2円板体22の外周面とが同一の仮想円柱の側面に含まれる。第2円板体22の上面には4枚の半月板27が等間隔に配置されている。
【0072】
このように構成された荷重発生部20の変形例を駆動部10によって回転させると、第1円板体21が第2円板体22に対して独立して回転し、押圧体23が半月板27に乗り上げることにより第2円板体22が押下されて、第2円板体22が第1円板体21に対して傾斜する。第2円板体22が傾斜するとそれに連動して第3円板体31が傾斜して、第3円板体31が模擬臓器100を斜め方向から押圧する。更に、第1円板体21が回転すると隣合う半月板27、27の間に押圧体23に位置付けられ、更に、第1円板体21が回転すると次の半月板27に押圧体23が乗り上げる。このように、押圧体23が4枚の半月板27の上面に順に乗り上げることにより、上述した実施形態と同様に第3円板体31から模擬臓器100に対して、模擬臓器100を周回するように斜め方向から圧力を加えることができる。また本実施形態によれば、第1円板体21と第2円板体22とがコイルばね26によって連結されているため、第1円板体21を傾けることによって、第2円板体22に連動して第3円板体31が傾く。これにより、模擬臓器100の軸方向に対して斜めの方向から模擬臓器100に荷重をかけることが可能になり、より精度のよい模擬臓器の強度試験を実現可能な模擬臓器強度試験装置を提供することが可能になる。
【0073】
上述したように構成された変形例によれば、押圧体23の最下部位が半月板27の最上部位を乗り越えた後に、第1円板体21が回転すると隣合う半月板27、27の間に押圧体23に位置付けられるため、第2円板体22の回転をより安定させることが可能になる。
【0074】
[他の実施形態]
図6は、本発明の他の実施形態における多軸脊椎運動試験装置1の外観を示す斜視図である。なお、図6に示す部材において、図2に示す多軸脊椎運動試験装置1に係る部材と同一の部材若しくは同一機能の部材については、同一の符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0075】
図6に示す多軸脊椎運動試験装置1は、図2に示す多軸脊椎運動試験装置1から荷重伝達部30を省略するとともに、第1円板体21の下面から突出する支点軸12の代わりに、図5に示す荷重発生部20と同様に、第1円板体21と第2円板体22とをコイルばね26によって連結したものである。第1円板体21の上面の中心に孔部(図示せず)が形成されており、この孔部にコイルばね26の先端部を挿入することにより、第2円板体22がコイルばね26により支持される。
【0076】
図2に示す多軸脊椎運動試験装置1によれば、荷重伝達部30を介して模擬臓器100に荷重をかけることで、荷重設定による試験が可能となる。一方、図6に示す多軸脊椎運動試験装置1によれば、荷重伝達部30を省略し、荷重発生部20により発生させた荷重を直接的に模擬臓器100にかけることで、変位設定による試験が可能となる。
【0077】
第2円板体22は、ベース部40に支持される。具体的には、図2に示す多軸脊椎運動試験装置1に係る第3円板体31が支柱42及びコイルばね43によって揺動可能に支持されるのと同様に、第2円板体22が支柱42及びコイルばね43によって揺動可能に支持される。
【0078】
図6に示す多軸脊椎運動試験装置1によれば、第1円板体21が回転して押圧体23が突起24に乗り上げることによって第2円板体22が揺動する。これにより、第2円板体22を介してベース台41に載置された模擬臓器100に対して荷重が伝達される。
【0079】
[他の実施形態における荷重発生部20の変形例]
図7は、図6に示す他の実施形態に係る荷重発生部20の変形例の外観を示す斜視図である。なお、図7に示す部材において、図6に示す荷重発生部20に係る部材と同一の部材若しくは同一機能の部材については、同一の符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0080】
図7に示す荷重発生部20は、図6に示す荷重発生部20に示す押圧体23の代わりに車輪体23aを備えている。
【0081】
車輪体23aは、直径が第1円板体21の厚さよりも大きく第1円板体21の直径よりも小さい円板状の部材である。第1円板体21は、板面の外周部に半径方向に対して直角方向に延びる長孔21aを備えている。長孔21aは、車輪体23aの直径よりも若干長く、車輪体23aの幅よりも若干大きい貫通穴である。また、長孔21aは、第1円板体21を回転させた場合に、長孔21aの中央部が突起24を通過する位置に配置されている。車輪体23aの中心には、円柱状の支持軸23bが挿入可能な孔部が形成されている。
【0082】
第1円板体21の側部には、支持軸23bが挿入される孔部21bが形成されている。この孔部21bは、第1円板体21の側面における長孔21aの外側の部位から半径方向に延びており、長孔21aの壁面の中央部を通って第1円板体21の中心近くまで延びている。
【0083】
そして、車輪体23aを長孔21aの内部に配置し、車輪体23aの孔部の中心軸と第1円板体21の孔部21bの中心軸とを一致させた状態で、支持軸23bを車輪体23a及び第1円板体21の孔部21bに挿入する。これにより、車輪体23aが支持軸23bによって回転自在な状態で第1円板体21に取り付けられる。車輪体23aにおける第1円板体21の板面から突出する部分の長さは、コイルばね26によって連結された状態で互いに対向する第1円板体21の板面と第2円板体22の板面との幅の長さに設定されている。このため、車輪体23aが第2円板体22の板面に当接した状態において、第1円板体21と第2円板体22とが平行な状態で維持される。なお、車輪体23aは、支持軸23bを取り外すことで、他の車輪体23a(例えば、直径が異なる車輪体23a等)と交換可能である。これにより、試験の内容に応じて、発生させる荷重の大きさを調整することが可能となる。
【0084】
このように構成された図7に示す荷重発生部20を使用した多軸脊椎運動試験装置1によれば、車輪体23aが第1円板体21の回転とともに回転しながら突起24に乗り上げることによって第2円板体22が揺動する。これにより、車輪体23aが第1円板体21の回転とともに回転するため、突起24への乗り上げを円滑に行うことが可能となり、よりスムーズに、模擬臓器100に対して荷重を伝達することが可能となる。
【0085】
図8は、図6に示す他の実施形態に係る荷重発生部20の別の変形例の外観を示す斜視図である。
【0086】
図8に示す荷重発生部20は、図7に示す荷重発生部20に示す4つの球状の突起24の代わりに、4つの三角柱形状の突起28を第2円板体22に配置したものである。突起28の底面は正三角形であり、突起28の一側面が第2円板体22の板面に当接した状態で固定される。この時、突起28の中心軸が第2円板体22の半径方向に延びる。
【0087】
ここで、4つの三角柱形状の突起28をそれぞれ突起28a、突起28b、突起28c、突起28dと称することとし、第1円板体21の回転によって車輪体23aが突起28a、突起28b、突起28c、突起28dそして突起28aの順で乗り上げ可能なものとする。このように、突起を三角柱形状とすることで、模擬臓器100にかける荷重の変位カーブにおける傾きをより大きくすることが可能となるので、急激に荷重が増加する事故を想定した解析が可能となる。
【0088】
図8示す荷重発生部20によれば、互いに対向する突起28aと突起28c、及び突起28bと突起28dが同形であり、隣り合う突起28aと突起28bとは底面となる正三角形の大きさが異なっている。図8示す荷重発生部20によれば、突起28a、28cよりも突起28c、28dの方が第2円板体22の板面から大きく突出している。
【0089】
このように構成された図8に示す荷重発生部20を使用した多軸脊椎運動試験装置1によれば、車輪体23aが第1円板体21の回転とともに回転しながら突起28に乗り上げることによって第2円板体22が揺動する。
【0090】
なお、図8に示す荷重発生部20によれば、突起28a、28cよりも突起28c、28dの方が大きく突出しているが、それに限らず、4つの突起28の大きさが全て異なってもよく、また、4つの突起28を着脱自在とすることにより、突起28の大きさを適宜調整可能としてもよい。図7に示す荷重発生部20における突起24も同様であり、4つの突起24を着脱自在とすることにより、突起24の大きさを適宜調整可能としてもよい。
【0091】
また、図7図8に示す荷重発生部20を、図2に示す多軸脊椎運動試験装置1に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 模擬臓器強度試験装置
10 駆動部
11 モータ
12 回転軸
20 荷重発生部
21 第1円板体
21a 長孔
21b 孔部
22 第2円板体
23 押圧体
23a 車輪体
23b 支持軸
24、24a~24d 突起
25 長孔
26 コイルばね
27 半月板
28、28a~28d 突起
30 荷重伝達部
31 第3円板体
32 コイルばね
33 ユニバーサルジョイント
34 軸受け
35 孔部
40 ベース部
41 ベース台
42 支柱
43 コイルばね
50 高さ調整部
100 模擬臓器
110 立体臓器
120 インプラント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8