(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014026
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】手動操作型放音具
(51)【国際特許分類】
A63H 5/00 20060101AFI20230119BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
A63H5/00 J
G10K15/04 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111854
(22)【出願日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2021117892
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】508302693
【氏名又は名称】株式会社AQUA
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(74)【代理人】
【識別番号】100091649
【弁理士】
【氏名又は名称】初瀬 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】若宮 里子
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA12
2C150CA02
2C150CA30
2C150DD00
2C150DF01
2C150DF36
2C150DK18
2C150EB41
2C150FB13
2C150FB14
2C150FB43
(57)【要約】
【課題】放音の際に使用者が本体部の姿勢を意識する必要がなく、しかも乱暴に扱っても、壊れることがない手動操作型放音具を提供する。
【解決手段】手動操作型放音具1は、本体部3と使用者の手5で握られるグリップ部7と音発生部9を備えている。本体部3は、圧縮可能で且つ圧縮力を開放すると復元される復元性と音を伝播する音伝播性を有する充填材料4を含む内包部11に、使用者の手5が入る空洞部13を備えている。グリップ部7は空洞部13に固定状態で配置されている。音発生部9は、グリップ部7に装着され、手5の握力がグリップ部7に加えられると握力により操作されて音を発生させる。本体部3は、音発生部9から発生した音を少なくとも内包部11を通して外部に放音するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮可能で且つ圧縮力を開放すると復元される復元性と音を伝播する音伝播性を有する材料を含んで構成された内包部に、使用者の手が入る空洞部を備えた本体部と、
前記空洞部内に配置され且つ前記内包部に取り付けられたグリップ部と、
前記グリップ部に装着され、前記使用者の前記手の握力が前記グリップ部に加えられると該握力により操作されて音を発生する音発生部とを備え、
前記本体部が、前記音発生部から発生した音を少なくとも前記内包部を通して外部に放音するように構成されていることを特徴とする手動操作型放音具。
【請求項2】
前記本体部には、前記空洞部に連通する手挿入口が形成されており、
前記グリップ部は、前記使用者が前記手挿入口から前記手を挿入した際に、前記グリップ部を把持することができる位置に設けられている請求項1に記載の手動操作型放音具。
【請求項3】
前記内包部及び前記手挿入口の形状及び寸法は、前記内包部を前記手挿入口から裏返した状態で前記グリップ部の取付または交換が可能に定められている請求項1に記載の手動操作型放音具。
【請求項4】
前記内包部には前記空洞部と連通する1以上の放音孔が形成されている請求項1に記載の手動操作型放音具。
【請求項5】
前記グリップ部は、前記音発生部の主要部を収容する柔軟性を有する筒状部と、前記筒状部の両端を前記内包部の内壁部に連結させる柔軟性を有する一対のアーム部を備えている請求項3に記載の手動操作型放音具。
【請求項6】
前記音発生部は、前記筒状部内に収納される弾力性を有する筒体と、前記筒体の一端の開口部に対して装着されて前記筒体の変形によって前記筒体から放出される空気によって吹かれる笛部を備えている請求項5に記載の手動操作型放音具。
【請求項7】
前記材料はスポンジ材料であり、
前記スポンジ材料が変形可能で且つ音伝播性を有する外装材によって包まれて前記内包部が構成されている請求項1に記載の手動操作型放音具。
【請求項8】
前記本体部は、最大直径が30cm以下の球状形状を有している請求項2に記載の手動操作型放音具。
【請求項9】
前記本体部の前記外装材には、前記使用者のズボンのベルト通しまたは前記使用者のバッグのベルト通し具に掛けることができるフック部材が装着されている請求項2に記載の手動操作型放音具。
【請求項10】
前記本体部は、動物の形状を有している請求項1に記載の手動操作型放音具。
【請求項11】
前記動物の頭部に相当する前記本体部の部分に前記内包部が配置されているか、また前記動物の胴部に相当する前記本体部の部分に前記内包部が配置されている請求項10に記載の手動操作型放音具。
【請求項12】
前記本体部は、衣服の形状を有している請求項1に記載の手動操作型放音具。
【請求項13】
前記衣服の胴部に相当する前記本体部の部分に前記内包部が配置されている請求項12に記載の手動操作型放音具。
【請求項14】
前記内包部には前記空洞部と連通する1以上の放音孔が形成されており、
前記衣服の袖口に相当する前記本体部の部分に前記1以上の放音孔が形成されている請求項13に記載の手動操作型放音具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に手動操作に基づいて音を発生する音発生部を備えた手動操作型放音具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実開昭47-32089号公報には、軟質性のプラクチック又はゴムで形成され、使用者の手が入る空洞部を備えた本体部と、空洞部の内部にぶら下がった状態で配置された空気を圧縮して放出する圧縮体と、圧縮体に送風管を介して接続されて指と手のひらで圧縮部を圧縮することにより発生した送風により音が発生する笛体(音発生部)を備えた手動玩具が開示されている。この手動玩具では、笛体の先に蛇腹状に構成されて送風管からの送風の有無により伸び縮みする舌体を備え、この舌体を本体部に設けた開口部内に配置している。そして圧縮体を押すことにより発生する送風で音を発生すると同時に舌体を伸ばしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の手動操作型放音具では、笛体からの音を放音する際に、舌体を本体部に設けた開口部から突出させるので、周囲の人に迷惑をかけないようにするために、使用者は音と舌体が出る開口部の位置を意識して、手動操作型放音具を使う必要があった。また、圧縮体は本体部の内部にぶら下がった状態で配置されているため、圧縮体に大きな振動や無理な力を加えると、圧縮体が壊れたり、圧縮体と送風管との接続が外れたりする問題が発生する。さらに従来の手動操作型放音具では、組み立てが用意ではないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、放音の際に使用者が本体部の姿勢を意識する必要がなく、しかも乱暴に扱っても、壊れることがない手動操作型放音具を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、上記目的に加えて、組み立てが容易な手動操作型放音具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の手動操作型放音具は、本体部と使用者の手で握られるグリップ部と音発生部を備えている。本体部は、圧縮可能で且つ圧縮力を開放すると復元される復元性と音を伝播する音伝播性を有する材料を含んで構成された内包部に、使用者の手が入る空洞部を備えた構造を有している。またグリップ部は、空洞部内に配置され且つ内包部に取り付けられて、使用者の手で握られる構造を有している。音発生部は、グリップ部に装着され、使用者の手の握力がグリップ部に加えられると該握力により操作されて音を発生する。そして本体部は、音発生部から発生した音を少なくとも内包部を通して外部に放音するように構成されている。本発明の手動操作型放音具によれば、本体部の少なくとも内包部を通して放音するため、音を出す際に本体部の姿勢を意識する必要がない上、周囲の人に本体部が当たったとしても、圧縮可能で復元性を有する材料が存在することにより、周囲の人に怪我をさせることもない。また、音発生部の操作は、固定状態にあるグリップ部を握ったまま握力を加えることで行われるため、指先に意識を集中させる必要がなく、また多少乱暴に扱ったとしても、グリップ部や音発生部が壊れることがない。
【0008】
本発明の手動操作型放音具は、例えば、スポーツの応援の場面でいわゆる鳴り物の応援具として使用する場合に、特に有用である。スポーツの応援では、応援を盛り上げるために音を発生させる鳴り物が使用される。しかしながら、スポーツの試合や競技の展開にも注意を向ける必要があるため、応援具の操作に意識を集中させることは難しい。そのため、操作を指先で行うような応援具では、スポーツを観戦しながら応援するための応援具としては不適切である。本発明の手動操作型放音具では、グリップ部を握ったまま握力を加える大雑把な操作で音を発生させることができるため、スポーツの試合や競技に注意を向けたままでも簡単に操作することができる。また、スポーツの試合は、1時間以上の長時間で行われるものも多いため、指先による操作ではなく、グリップ部を握ったままの操作であることにより、使用者の負担を軽減することができる。さらに、内包部が圧縮可能で復元性を有する材料を含んで構成されているため、応援時に本発明の手動操作型放音具を把持した手を振って応援した場合であっても、周囲の観戦者に接触して怪我を負わせてしまうことを防ぐことができる。また、本発明の手動操作型放音具を把持したまま、手拍子を打っても、内部の音発生部が反発材料により保護されているため、音発生部に強い衝撃が加わるのを防ぐことができる。
【0009】
本体部には、空洞部に連通する手挿入口が形成されている。そしてグリップ部は、使用者が手挿入口から手を挿入した際に、グリップ部を把持することができる位置に設けられているのが好ましい。このようにすると被用者がグリップ部を探すこと無く、スムーズに使用者が自然にグリップ部を把持することができるため、使用者は意識することなく、グリップ部を把持することができる。
【0010】
また内包部及び手挿入口の形状及び寸法は、内包部を前記手挿入口から裏返した状態でグリップ部の取付または交換が可能に定められている。このような構造にすれば、音発生部をグリップ部に装着することをグリップ部を内包部に取り付ける前または後のいずれにおいても、実施することができる。その上、グリップ部を内包部に装着する際には、内包部を裏返して作業を行えばよく、製造が非常に簡単になる。また音発生部が壊れた場合でも内包部を裏返してグリップ部を表に出すことにより、簡単に音発生部を交換することができる。
【0011】
なおグリップ部は、音発生部の主要部を収容する柔軟性を有する筒状部と、筒状部の両端を内包部の内壁部に連結させる柔軟性を有する一対のアーム部を備えた構造とすることができる。このような構造にすれば、音発生部の装着が容易な上、グリップ部を内包部に対してしっかりと取り付けることができる。このようなグリップ部を用いるときには、音発生部を、筒状部内に収納される弾力性を有する筒体と、筒体の一端の開口部に対して装着されて筒体の変形によって筒体から放出される空気によって吹かれる笛部を備えた構造とすることができる。このような構造の音発生部であれば、グリップ部を把持した使用者の握力で、音発生部の筒体を把持することになり、把持力を直接的に利用して、音発生部を操作することができる。筒体の硬度を適宜に定めることにより、弱い把持力でも、比較的に大きな音を生じさせることができる。また、このような構造の音発生部は、音発生部は安価に製造することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0012】
内包部に含める材料としてはスポンジ材料を用いることができる。この場合に、スポンジ材料を変形可能で且つ音伝播性を有する外装材によって包んで内包部を構成すれば、スポンジ材料を保護して、しかも内包部を通して音発生部が発生した音を外部にスムーズに放音することができる。
【0013】
また本体部の形状を、最大直径が30cm以下の球状形状にすると、本体部の存在が後ろに位置する他の観戦者の目障りになることを防ぐことができる。また球状形状にすることにより、観戦するスポーツのボールを模した外観にすることができ、使用者の趣向を高めることができる。
【0014】
本体部の外装材には、使用者のズボンのベルト通しまたは使用者のバッグのベルト通し具に掛けることができるフック部材が装着されていてもよい。このようなフック部材を装着することにより、本発明の手動操作型放音具の紛失を防止できるだけでなく、本発明の手動操作型放音具をアクセサリーとして使用することもできる。
【0015】
なお内包部には空洞部と連通する1以上の放音孔が形成されていてもよい。また本体部は、動物の形状を有していても、また衣服の形状を有していてもよい。本体部が動物の形状を有している場合には、動物の頭部に相当する本体部の部分に内包部が配置されているか、また動物の胴部に相当する本体部の部分に内包部が配置されていてもよい。本体部が衣服の形状を有している場合には、衣服の胴部に相当する本体部の部分に内包部が配置されていればよい。この場合、内包部には空洞部と連通する1以上の放音孔が形成されていてもよく、衣服の袖口に相当する本体部の部分に1以上の放音孔が形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(A)乃至(C)は、本発明の第1の実施の形態の手動操作型放音具の正面図、底面図及び右側面図である。
【
図3】
図1及び
図2の手動操作型放音具の本体部の一部を透明にした正面からみた内部構造図である。
【
図4】手動操作型放音具の内包部を裏返す際の工程を説明するために用いる図である。
【
図5】手動操作型放音具の内包部を裏返した状態の正面図である。
【
図6】内包部に充填材料を充填し且つ及びグリップ部に音発生部を挿入する際の作業を説明するために用いる概略図である。
【
図7】本発明の手動操作型放音具の第2の実施の形態の正面図である。
【
図8】(A)乃至(C)は、本発明の手動操作型放音具の第3乃至第5の実施の形態の構成を説明するために用いる概念図である。
【
図9】(A)及び(B)は、本発明の手動操作型放音具の第6の実施の形態の構成を説明するために用いる概念図及びフック部材付きの手動操作型放音具の正面図である。
【
図10】(A)及び(B)は、本発明の手動操作型放音具の第7の実施の形態の構成を説明するために用いる概念図及びフック部材付きの手動操作型放音具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の手動操作型放音具の実施の形態について詳細に説明する。
図1(A)乃至(C)は、本発明の第1の実施の形態の手動操作型放音具1の正面図、底面図及び右側面図である。
図2は
図1の手動操作型放音具1の斜視図であり、
図3は、
図1及び
図2の手動操作型放音具1の本体部3の一部を透明にした正面からみた内部構造図である。また
図4は、手動操作型放音具1の内包部11を裏返す際の工程を説明するために用いる図であり、
図5は手動操作型放音具1の内包部11を裏返した状態の正面図である。また
図6は、内包部11に充填材料4を充填し且つ及びグリップ部7に音発生部としての押し笛9を挿入する際の作業を説明するために用いる概略図である。
【0018】
これらの図に示された本実施の形態の手動操作型放音具1は、スポーツの試合観戦の応援時に使用される応援具として使用されるものである。応援具としての手動操作型放音具1は、本体部3と、本体部3の内包部11に固定状態で配置されて使用者の手5で握られるグリップ部7と、音発生部9としての押し笛を備えている。
【0019】
内包部11は、使用者の手が入る空洞部13と、空洞部13に連通する手挿入口15を備えている。内包部11は、
図6に裏返された状態で示されている外装材12の内部に、充填材料4が充填された構造を有している。外装材12は、通気性を有する布状材料からなり、充填材料4が充填された後に縫合される充填口12Aを備えている。充填材料4は、圧縮可能で且つ圧縮力を開放すると復元される復元性と音を伝播する音伝播性を有する材料であり、本実施の形態では、充填材料としてスポンジ材料が用いられている。内包部11をこのような構造にすると、内包部11を通して音発生部としての押し笛9が発生した音を外部に放音することができる。なお本実施の形態では、手挿入口15からも音が漏れ出るのは当然である。
【0020】
グリップ部7は、内包部11の内部に、使用者が手挿入口15から手を挿入した際に、グリップ部7を把持することができる位置に配置されている。本実施の形態では、内包部11の内壁部にグリップ部7が取り付けられている。
図6に示すように、グリップ部7は、音発生部9の主要部を収容する柔軟性を有する筒状部7Aと、筒状部7Aの両端を内包部11の内壁部に連結させる柔軟性を有する一対のアーム部7Bを備えている。グリップ部7も、外装材12と同様に、通気性を有する布状材料から構成されており、筒状部7Aには音発生部9を挿入した後に縫合される挿入口7Cが形成されている。このような構造にすれば、音発生部9の装着が容易な上、グリップ部7を内包部11に対してしっかりと取り付けることができる。
【0021】
本実施の形態で用いる音発生部9は、グリップ部7の筒状部7A内に収納される弾力性と通気性を有する筒体9Aと、筒体9Aの一端の開口部に対して装着されて筒体9Aの変形によって筒体9Aから放出される空気によって吹かれる笛部10と、笛部10の吹き出し部を外部に配置した状態で筒体9Aを全体的に包む細長いビニール袋等からなる気密性があり且つ柔軟性のある包囲体9Bとから構成されている。このような構造の音発生部9であれば、グリップ部7の筒状部7Aを把持した使用者の握力で、音発生部9の筒体9Aを把持することになり、把持力を直接的に利用して、音発生部9を操作することができる。筒体9Aの硬度を適宜に定めることにより、弱い把持力でも、比較的に大きな音を生じさせることができる。また、このような構造の音発生部9は、安価に製造することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0022】
本実施の形態では、
図4及び
図6に示すように、内包部11及び手挿入口15の形状及び寸法は、内包部11を手挿入口15から裏返した状態でグリップ部7の取付または交換が可能に定められている。このような構造にすれば、音発生部9をグリップ部7に装着することをグリップ部7を内包部11に取り付ける前または後のいずれにおいても、実施することができる。その上、グリップ部7を内包部11に装着する際には、
図6に示すように、内包部11を裏返して作業を行えばよく、製造が非常に簡単になる。また音発生部9が壊れた場合でも内包部11を部裏返してグリップ部7を表に出すことにより、簡単に音発生部を交換することができる。そして交換をした後は、
図5に示すように、内包部11を手挿入口15から逆に返すことにより、
図1に示す使用状態に戻すことができる。
【0023】
本実施の形態の応援具では、反発材料がスポンジ材料であるので、音発生部9から発生した音がスポンジ材料を通して外部に放音されやすくなる。また本実施の形態では、握力によって押されると音を発生する押し笛が音発生部9として用いられているので、音発生部に押し笛を用いると製造コストを抑えることができる。
【0024】
また本実施の形態では、グリップ部7が、使用者が手挿入口15から手5を挿入した際に、グリップ部7を把持することができる位置に設けられているので、使用者が手首を曲げることなくグリップ部7を把持することができる。そのため、使用者の負担を軽くすることができる。グリップ部7の両端部(7A及び7B)が、内包部11に取り付けられているので、使用者はグリップ部7を把持することにより、応援具全体を把持したのと同様の効果が得られる。
【0025】
なお本体部3は、最大直径が30cm以下の球状形状を有している。球状形状にすることにより、観戦するスポーツのボールを模した外観にすることができる。また本実施の形態では、グリップ部7を握ったまま握力を加える大雑把な操作で音を発生させることができるため、スポーツに注意を向けたままでも簡単に操作することができる。また、スポーツの試合は、1時間以上の長時間で行われるものも多いため、指先による操作ではなく、グリップ部7を握ったままの操作であることにより、使用者の負担を軽減することができる。さらに、本体部3が反発材料により形成されているため、応援時に手動操作型放音具1を把持した手を振って応援した場合であっても、周囲の観戦者に接触して怪我を負わせてしまうことを防ぐことができる。また、手動操作型放音具1を把持したまま、手拍子を打っても、内部の押し笛9が反発材料により保護されているため、押し笛9に強い衝撃が加わるのを防ぐことができる。
【0026】
図7は、本発明の手動操作型放音具の第2の実施の形態の正面図である。本実施の形態でも、スポーツの応援時に使用される応援具に、本発明の手動操作型放音具が適用されている。第2の実施の形態の手動操作型放音具101と第1の実施の形態の応援具の相違点は、手動操作型放音具101の本体部103の外装材には、使用者のズボンのベルト通しまたは使用者のバッグのベルト通し具に掛けることができるフック部材117が装着されていることである。本体部103の外装材の正面側から見た最上部には、環状部材119が設けられており、環状部材119にフック部材117が装着されている。フック部材117を装着することにより、スポーツの応援時以外では、手動操作型放音具101をアクセサリーとして使用することもできる。
【0027】
図8(A)乃至(C)は、本発明の手動操作型放音具の第3乃至第5の実施の形態の構成を説明するために用いる概念図である。
図8(A)乃至(C)において、
図1乃至
図6に示した第1の実施の形態を構成する部分と同様の部分には、
図1乃至
図6に示した符号と同じ符号を付してある。また
図8(A)乃至(C)は、内部構造が判るように、一部を切り欠いた状態で図示してある。第3乃至第5の実施の形態の手動操作型放音具1は、本体部3が動物の縫いぐるみの形態を呈するもので、スポーツ観戦等における応援具として使用されるものである。これらの手動操作型放音具1も、
図1乃至
図6に示した第1の実施の形態と同様に、本体部3と、本体部3の内包部11に固定状態で配置されて使用者の手5で握られるグリップ部7と、音発生部9としての押し笛を備えている。また内包部11は、使用者の手5が入る空洞部13と、空洞部13に連通する手挿入口15を備えている。本体部3は、頭部3Aと胴部3Bとから構成されており、
図8(A)に示した第3の実施の形態では、胴部3Bにグリップ部7及び音発生部9が収納される空洞部13が形成されており、胴部3Bの背面に手挿入口15が形成されている。
図8(B)に示した第4の実施の形態では、頭部3Aにグリップ部7及び音発生部9が収納される空洞部13が形成されており、頭部3Aの背面に手挿入口15が形成されている。
図8(C)に示した第45実施の形態では、頭部3Aにグリップ部7及び音発生部9が収納される空洞部13が形成されており、胴部3Bに手挿入口15が形成されている。これらの実施の形態でも、内包部11内には、充填材料4が充填されている。充填材料4は、圧縮可能で且つ圧縮力を開放すると復元される復元性と音を伝播する音伝播性を有する材料であり、これらの実施の形態でも、充填材料としてはスポンジ材料が用いられている。
【0028】
図9(A)及び(B)は、本発明の手動操作型放音具の第6の実施の形態の構成を説明するために用いる概念図及びフック部材117付きの手動操作型放音具1の正面図である。
図9(A)及び(B)において、
図1乃至
図6に示した第1の実施の形態を構成する部分と同様の部分には、
図1乃至
図6に示した符号と同じ符号を付してある。また
図9(A)は、内部構造が判るように、一部を切り欠いた状態で図示してある。第6の実施の形態の手動操作型放音具1は、本体部3が背番号付きのTシャツタイプのユニフォーム(衣服)の形態を呈するもので、スポーツ観戦等における応援具として使用されるものである。これらの手動操作型放音具1も、
図1乃至
図6に示した第1の実施の形態と同様に、本体部3と、本体部3の内包部11に固定状態で配置されて使用者の手5で握られるグリップ部7と、音発生部9としての押し笛を備えている。また内包部11は、使用者の手5が入る空洞部13と、空洞部13に連通する手挿入口15を備えている。また本体部3の両方の袖部の袖口に沿うとする部分には、空洞部13と連通する放音孔16が形成されている。そして本体部3の裾部に手挿入口15が形成されている。また本体部3の外装材の正面側から見た最上部には、環状部材119が設けられており、環状部材119にフック部材117が装着されている。
【0029】
図10(A)及び(B)は、本発明の手動操作型放音具の第7の実施の形態の構成を説明するために用いる概念図及びフック部材117付きの手動操作型放音具1の正面図である。
図10(A)及び(B)において、
図1乃至
図6に示した第1の実施の形態を構成する部分と同様の部分には、
図1乃至
図6に示した符号と同じ符号を付してある。また
図10(A)は、内部構造が判るように、一部を切り欠いた状態で図示してある。第7の実施の形態の手動操作型放音具1は、本体部3が背番号付きのタンクトップタイプのユニフォーム(衣服)の形態を呈するもので、スポーツ観戦等における応援具として使用されるものである。これらの手動操作型放音具1も、
図1乃至
図6に示した第1の実施の形態と同様に、本体部3と、本体部3の内包部11に固定状態で配置されて使用者の手5で握られるグリップ部7と、音発生部9としての押し笛を備えている。また内包部11は、使用者の手5が入る空洞部13と、空洞部13に連通する手挿入口15を備えている。手挿入口15は、本体部3の裾部に形成されている。また本体部3の外装材の正面側から見た最上部には、環状部材119が設けられており、環状部材119にフック部材117が装着されている。
【0030】
第6及び第7の実施の形態でも、内包部11内には、圧縮可能で且つ圧縮力を開放すると復元される復元性と音を伝播する音伝播性を有する充填材料4が充填されている。
【0031】
本体部3の形状は第1乃至第7の実施の形態に限定されるものはなく、片手で内部のグリップ部7を持つことができるものではあれば、いかなる形状であってもよいのは勿論である。
【0032】
また音発生部9の構造及び種類も上記実施の形態で用いる押し笛に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の手動操作型放音具によれば、本体部の少なくとも内包部を通して放音するため、音を出す際に本体部の姿勢を意識する必要がない上、周囲の人に本体部が当たったとしても、圧縮可能で復元性を有する材料が存在することにより、周囲の人に怪我をさせることもない。また、音発生部の操作は、固定状態にあるグリップ部を握ったまま握力を加えることで行われるため、指先に意識を集中させる必要がなく、また多少乱暴に扱ったとしても、グリップ部や音発生部が壊れることがない。
【符号の説明】
【0034】
1 手動操作型放音具
3 本体部
5 手
7 グリップ部
9 音発生部
11 内包部
13 空洞部
15 手挿入口
117 フック部材
119 環状部材