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特開2023-140284情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140284
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20230927BHJP
【FI】
G06Q30/0202 318
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004135
(22)【出願日】2023-01-13
(62)【分割の表示】P 2022045289の分割
【原出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB04
(57)【要約】
【課題】動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御する受付部と、動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた所定操作に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する提供制御部と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御する受付部と、
前記動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた前記所定操作に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する提供制御部と、を有する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームアイテムや動画等のデジタルコンテンツをブロックチェーンの技術を使って、売買・管理するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、デジタルコンテンツの管理にブロックチェーンを用いることでデジタルコンテンツの流通数を管理することが容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-152815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、コンテンツの希少性等の価値は市場における流通数によって左右されることになるが、数を限定してコンテンツを販売する場合には、コンテンツの提供数は販売元が決めることが一般的である。そのため、コンテンツの提供数に需要者側の反応を反映させることができず、提供されるコンテンツの価値が需要者の評価と乖離したものとなってしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御する受付部と、動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた所定操作に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する提供制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概略構成図である。
図2】プレイ動画視聴画面の一例を示す図である。
図3】プレイヤ指定画面の一例を示す図である。
図4】プレゼント指定画面の一例を示す図である。
図5】場面設定の一例を示す説明図である。
図6】デジタルコンテンツ表示画面の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能の説明図である。
図8】プレイ動画情報の一例を示す図である。
図9】イベント情報の一例を示す図である。
図10】場面情報の一例を示す図である。
図11】デジタルコンテンツ情報の一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0010】
また、本明細書及び図面にて説明される画面の例も一例に過ぎず、画面構成及びデザイン、表示情報の内容、並びに、GUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及び視聴者の好み等に応じて自由に設計することができ、また、適宜変更され得る。
【0011】
<本実施形態に係るシステムの概要>
図1に示される通信システム(以下、情報処理システムSという。)は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置(以下、サーバ10という。)を含む通信システムである。
情報処理システムSは、競技の実施に関連する業務全般を担うコンピュータシステムであり、競技に参加(出場)する個人又はチーム等の参加者(以下、プレイヤという。)、及び、競技にプレイヤとしては参加せずプレイヤのプレイを視聴(観戦)等する視聴者に対して、競技及びその他競技に関連するサービスを提供する。具体的には、プレイヤに対しては、競技をプレイする環境等を提供し、視聴者に対しては、プレイヤが競技をプレイしている様子が映された映像(プレイ動画)を配信して、そのプレイ動画を視聴する環境等を提供する。なお、配信されるプレイ動画は、生中継等のライブ配信に限らず、オンデマンド等による録画動画の配信も含む。
【0012】
競技とは、コンピュータゲーム又はスポーツ等、一定のルールに従ってプレイヤが技術又は能力等の優劣を競うゲームである。競技には、1又は複数の試合が組まれて開催される大会を含み、複数の試合が組まれて開催される場合、勝者又は順位を決定する方式は、トーナメント方式(勝ち抜き戦)、リーグ方式(総当たり戦)、トーナメント方式とリーグ方式とを組み合わせた方式、又は、これらを派生された方式等であってもよいし、その他の方式であってもよい。また、競技は、本選と、本選への出場者を選抜するための予選(予選会)とから構成されていてもよい。また、複数の試合が組まれて開催される場合、一種目の競技を複数試合行う場合に限らず、異なる種目の競技が複数組み合わされていてもよい。
【0013】
本実施形態では、数ある競技の一例として、コンピュータゲームにおいてプレイヤ同士が勝敗を競う対戦ゲームであるeスポーツ(エレクトロニックスポーツ)の大会(以下、競技大会という。)を挙げて説明する。
なお、eスポーツのゲームジャンルは特に限定されず、任意のゲームジャンルであってよい。例えば、格闘ゲーム、スポーツゲーム、シューティングゲーム、レースゲーム、パズルゲーム、言葉遊びゲーム、カードゲーム、ボードゲーム、ロールプレイングゲーム又はシミュレーションゲーム等であってもよい。また、eスポーツは、個人戦であってもよいし団体戦であってもよい。また、人間同士がプレイヤとして対戦するものであってもよいし、人間とコンピュータ(例えば、AI又はロボット等)とが対戦するものであってもよい。
【0014】
本実施形態のeスポーツは、情報処理システムSを利用して提供されるオンラインゲームである。具体的には、プロゲーマー等のプレイヤがプレイヤ端末11にて競技であるeスポーツをプレイする操作(プレイ操作)を行うと、プレイヤ端末11は、サーバコンピュータ(以下、サーバ10という。)から配信される競技の進行に関するデータを受信する。プレイヤ端末11では、受信したデータに応じた映像及び音声が出力され、プレイヤは、出力される映像及び音声を確認しながら、競技を進行させる。また、プレイヤ端末11は、プレイ操作等のプレイヤの操作内容を示すデータをサーバ10に向けて送信し、サーバ10は、その操作内容に応じたデータをプレイヤ端末11に向けて送信する。このようなサーバ10とプレイヤ端末11との間のデータ送受信は、プレイヤがプレイする試合が終了するまで繰り返し実施される。
【0015】
一方、本実施形態においては、情報処理システムSのユーザである視聴者は、プレイヤとは異なる立場であって、プレイヤのように競技大会に参加して実際に競技をプレイして試合を行うことはなく、視聴者端末12にて、プレイ動画を視聴して試合を観戦するユーザとして説明する。なお、視聴者は競技大会に参加して競技を行うプレイヤを兼ねても構わない。具体的には、視聴者端末12は、サーバ10から配信される競技の進行に関するデータを受信する。視聴者端末12では、受信したデータに応じた映像及び音声が出力され、視聴者は、出力される映像及び音声を視聴する。
【0016】
また、視聴者は、配信されたプレイ動画を単に視聴するのみならず、プレイ動画の配信中に任意のタイミングで種々の所定操作を行うことができる。具体的には、視聴者端末12は、視聴者が行う種々の所定操作の内容を示すデータをサーバ10に向けて送信し、サーバ10は、その操作内容に応じたデータを視聴者端末12に向けて送信する。このようなサーバ10と視聴者端末12との間のデータ送受信は、視聴者がプレイ動画を視聴している間、繰り返し実施される。
【0017】
所定操作とは、プレイ動画の配信中に、視聴者が任意のタイミングで行うことが可能な操作であって、後述するデジタルコンテンツの提供数に影響を与える操作である。なお、所定操作を行う際には、所定操作を行う対象となるプレイヤを指定してもよいし、プレイヤを指定せずに、プレイ動画又はプレイ動画の1シーン(以下、場面という。)に対して所定操作を行ってもよい。
【0018】
所定操作には、例えば、配信中のプレイ動画にアクセスするための操作等、プレイ動画を単に視聴するための操作の他、いいね、コメント、スタンプ若しくは音声(声援)等をプレイ中のプレイヤに送る応援、金銭等の所定の価値をプレイ中のプレイヤに提供する寄付又はプレゼント、並びに、プレイ中のプレイヤの勝利を予想して行う投票等の操作を含む。なお、投票には、金銭等の所定の価値を賭けて指定したプレイヤが勝利した場合に配当を得ることができる場合と、金銭等の所定の価値を賭けることなく単に勝者を予想するだけの場合(配当を得られない場合)とを含む。
【0019】
所定操作は、所定の価値を消費することにより実行可能な第1操作と、所定の価値を消費しなくても実行可能な第2操作とを含む。例えば、金銭や所定のゲーム媒体等の所定の価値をプレイヤに提供して寄付する場合、又は、金銭や所定のゲーム媒体等の所定の価値を賭けてプレイヤに投票する場合等は第1操作となる。また、コメント等を送る場合は、所定の価値を消費する必要があるコメント等は第1操作となり、所定の価値を消費しなくても可能なコメント等は第2操作となる。なお、第2操作には、所定の価値を消費する必要がない代わりに、回数制限を設けてもよい。すなわち、視聴者が所定期間において第2操作を行った回数が、視聴者に対して定められた上限回数に達した場合には、所定期間において第2操作が制限されることとしてよい。また、第1の価値(所定の価値の一例)を消費して第1操作を可能とし、第1の価値とは異なる第2の価値を消費して第2操作を可能としてもよい。一例として、第1の価値は有償の媒体、第2の価値は無償の媒体であってよい。
【0020】
また、第1操作と第2操作とでは、後述するデジタルコンテンツの提供数を決定する際に与える影響度が異なる。すなわち、所定の価値を消費する必要がある第1操作の場合は、所定の価値を消費する必要がない第2操作よりもデジタルコンテンツの提供数の変化に与える度合いが大きく、デジタルコンテンツの提供数の変化率が相対的に大きくなる。
【0021】
所定の価値として消費できる価値としては、金銭の他、例えば、競技で実施されているゲーム又はその他のゲームで使用可能な専用通貨及びゲームアイテム等のゲーム媒体等を含む。ゲーム媒体には、そのゲーム媒体を入手するために課金等の行為を行って購入する必要がある有償のゲーム媒体、及び、課金等の必要なくログインボーナス等で入手可能な無償のゲーム媒体を含む。
また、第1操作を行う際に消費する所定の価値の種類及び量(金銭の場合は金額)は、視聴者の選択により決定されてもよいし、視聴者の意図とは関係なく自動的又はランダムに決定されてもよい。また、競技若しくは試合ごと又はプレイヤごとに消費することが可能な所定の価値の種類及び量が予め設定されていてもよい。例えば、ランクが高い優勝候補のプレイヤ、決勝戦に進出して優勝間近なプレイヤ、又は、人気があるプレイヤ等に対しては、第1操作を行う際に必要となる所定の価値の量が相対的に高く設定されていてもよい。さらに、所定の価値の種類及び量は、視聴者が所定操作を行うタイミングによって変動してもよい。例えば、大会開始前、予選や一回戦の途中等の大会が開始してまもなくの期間等は、第1操作を行う際に必要となる所定の価値の量が相対的に低く設定されており、決勝戦又は優勝候補同士の試合等は、第1操作を行う際に必要となる所定の価値の量が相対的に高く設定されていてもよい。
なお、以下では、特に明記する場合を除き、所定の価値の一例として金銭を挙げて説明する。
【0022】
所定操作は、図2に示されるようなプレイ動画視聴画面G1にて行う。
図2に示されるように、プレイ動画視聴画面G1は、視聴者がプレイ動画の視聴中に上記に例示したような所定操作を行う画面であって、プレイ動画表示領域41、及び、各種の所定操作ボタン42が表示されている。プレイ動画表示領域41には、プレイ動画が再生されている。所定操作ボタン42は、視聴者が選択可能な所定操作の内容、例えば、いいね、コメント、プレゼント及び投票等の所定操作を受け付けるボタンが表示されている。視聴者は、プレイ動画視聴画面G1上で、任意の所定操作ボタン42をタップ等すると、いいねをタップした場合を除き、不図示のコメント入力画面又は金額入力画面等に遷移し、プレイ動画の場面又はプレイ中のプレイヤに対して所定操作を行うことができる。
なお、コメントについては、所定の価値を消費せずにメッセージを送るコメント(ノーマルコメント)の場合は第2操作となる。一方、視聴者が自身のコメントを目立たせるために所定の価値を消費して行うコメント(スーパーコメント)、ノーマルコメントであっても所定の価値を消費して入手したスタンプや絵文字等を使用するコメント、所定の価値をプレイヤに提供するプレゼント、及び、所定の価値を賭けて行う投票等は、第1操作となる。
【0023】
また、視聴者は、複数のプレイヤの中から任意のプレイヤを指定する指定操作を行うこともできる。なお、指定操作は、一部所定操作と重複する場合があり得る。
【0024】
指定操作とは、プレイヤが参加する試合の終了前、具体的には、競技若しくは各試合(プレイヤが参加する試合)の開始前、又は、競技若しくは各試合の実施途中に、競技又は試合に参加する複数のプレイヤの中から1又は複数のプレイヤを視聴者が選択するために行う操作である。視聴者が指定するプレイヤは、応援対象となるプレイヤの他、試合の勝者となるプレイヤ(勝敗予想を行って投票等を行う先のプレイヤ)、及び、第2操作の対象となるプレイヤ(プレゼントの送付先となるプレイヤ)等が含まれる。なお、指定操作を行う視聴者には、視聴者以外のユーザ、例えば、試合開始前に応援対象の指定や勝敗予想だけ行って実際にはプレイ動画の全部又は一部を視聴しないユーザを含んでもよい。
【0025】
指定操作は、例えば、図3に示されるようなプレイヤ指定画面G2にて行う。
図3に示されるように、プレイヤ指定画面G2は、視聴者がプレイヤを任意に選択する画面であって、競技又は試合に参加する複数のプレイヤ(例えばプレイヤA~C・・・)を識別するための情報が一覧で表示されている。プレイヤ指定画面G2には、各プレイヤを識別可能な情報、例えば、プレイヤの名前(又はチーム名)及びアイコン等の画像が表示されている。視聴者は、プレイヤ指定画面G2上で任意のプレイヤに対応する指定ボックス43をタップ等してチェックしたうえで決定ボタン44をタップ等することにより、そのプレイヤを指定することができる。なお、ここでプレイヤを指定しておくと、その後にプレゼント等の第2操作を行う場合の宛先には、この指定したプレイヤが自動的に設定される。
【0026】
また、指定操作は、例えば、図4に示されるようなプレゼント指定画面G3にて行うこともできる。
図4に示されるように、プレゼント指定画面G3は、視聴者がプレゼントの送付先となるプレイヤを任意に選択する画面であって、プレゼントの宛先となる複数のプレイヤ(例えばプレイヤA~C・・・)を識別するための情報が一覧で表示されている。プレゼント指定画面G3には、各プレイヤを識別可能な情報、例えば、プレイヤを示すアイコン等の画像が表示されている。視聴者は、プレゼント指定画面G3上で任意のプレイヤに対応する指定ボックス45をタップ等してチェックしたうえで決定ボタン46をタップ等することにより、そのプレイヤを指定することができる。そして、プレゼントの宛先となるプレイヤが決定すると、不図示のプレゼント内容選択画面、例えば、プレイヤに寄付する金銭の額等を入力する画面に遷移する。
【0027】
本実施形態では、上記の所定操作に基づいて、デジタルコンテンツの提供数が設定される。
デジタルコンテンツとは、デジタル資産として代替不可能な固有のデータであって、プレイ動画の所定場面を含むデジタル動画、例えば、所有者が任意のタイミングで視聴可能な競技中の少なくとも一部を含む動画(ハイライト動画等を含む。)に相当するデータである。デジタルコンテンツの一例としては、既知のブロックチェーン上のデータとして管理される非代替性トークン、すなわち、NFTと称されるノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token)が該当する。
本実施形態のデジタルコンテンツは、NFTのように、他のデジタルコンテンツとの区別を可能にするための固有の識別子(識別ID)を有し、他のデジタルコンテンツと区別される独自の価値を有する。また、デジタルコンテンツは、NFTと同様、ブロックチェーン上において取引することも可能であり、デジタルコンテンツの取引履歴は、ブロックチェーンのような分散型台帳技術を利用して記録することができる。また、ブロックチェーンのような分散型台帳技術を利用して、デジタルコンテンツの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0028】
本実施形態では、デジタルコンテンツは、プレイ動画に含まれる各場面に対応した形で生成される。具体的には、図5に示されるように、攻撃が成功した場合等の特定のイベントに基づいて場面設定を行う。例えば、イベントaが発生した場合、そのイベントaの発生時点を含む所定期間(例えば、前後各5秒間)をイベントaに対応する場面aとして設定する。同様に、例えば、イベントbが発生した場合、そのイベントbの発生時点を含む前後各5秒間をイベントbに対応する場面bとして設定する。
【0029】
上記のとおり、本実施形態のデジタルコンテンツは代替不可能なデータであるため、そのデジタルコンテンツの提供数によってデジタルコンテンツの希少性が左右される。デジタルコンテンツの提供数は、対応する場面に対して視聴者から受け付けた所定操作の回数及び内容、又は、対応する場面の視聴者数に基づいて決定される。すなわち、デジタルコンテンツの提供数は、デジタルコンテンツに対応する場面に対する視聴者の反応に基づいて決定される。例えば、所定操作の回数が多い場面、所定操作のうち特に第1操作の回数が多い場面、又は、視聴者数が多い場面については、視聴者からの反応が良好であって視聴者からの評価が高い場面であると判定され、その場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を上げるため、同デジタルコンテンツの提供数が少なく設定される。
【0030】
具体的には、具体的には、図5に示されるように、特定のゲームイベントが発生した場合はそのゲームイベントを含む所定期間がそのゲームイベントに対応する場面と設定され、さらに、その場面を含む所定期間(例えば、前後5秒間)、すなわち、そのイベントへの期待又はイベント後の余韻で視聴者が盛り上がる確率が高い前後の期間を、その場面に対応するデジタルコンテンツの提供数を決定するための判定期間として設定する。例えば、イベントaに対応する場面a(第1の場面に相当)に関連する判定期間a(イベントa及び場面aを含む期間)に受け付けた所定操作の回数の方が、イベントbに対応する場面b(第2の場面に相当)に関連する判定期間b(イベントb及び場面bを含む期間)に受け付けた所定操作の回数よりも多い場合は、場面aに対応するデジタルコンテンツaの方が場面bに対応するデジタルコンテンツbよりも視聴者の反応が良好で評価が高い(人気がある)と判定し、デジタルコンテンツaの提供数をデジタルコンテンツbの提供数よりも少なく設定してデジタルコンテンツaの希少性(価値)を上げる。なお、判定期間が重複した場合は、双方の場面に対する所定操作として数えてもよいし、どちらかの場面(例えば、先に発生したイベントに対応する場面)に対する所定操作として数えてもよい。
【0031】
また、判定期間aに受け付けた所定操作の内容が第1操作であり、判定期間bに受け付けた所定操作の内容が第2操作の場合は、場面aに対応するデジタルコンテンツaの方が場面bに対応するデジタルコンテンツbよりも視聴者の反応が良好で評価が高いと判定し、デジタルコンテンツaの提供数をデジタルコンテンツbの提供数よりも少なく設定してデジタルコンテンツaの希少性を上げる。また、同じ第1操作であっても、判定期間aに受け付けた第1操作で消費された金額の方が、判定期間bに受け付けた第1操作で消費された金額よりも高い場合は、場面aに対応するデジタルコンテンツaの方が場面bに対応するデジタルコンテンツbよりも視聴者の反応が良好で評価が高いと判定し、デジタルコンテンツaの提供数をデジタルコンテンツbの提供数よりも少なく設定してデジタルコンテンツaの希少性を上げる。
【0032】
試合が終了してプレイ動画の配信が終了すると、プレイ動画の配信中に所定操作を行った視聴者の視聴者端末12には、例えば、図6に示されるようなデジタルコンテンツ表示画面G4が表示される。
図6に示されるように、デジタルコンテンツ表示画面G4は、視聴者が購入するデジタルコンテンツを任意に選択する画面であって、配信終了したプレイ動画に関連するデジタルコンテンツを識別するための情報が一覧で表示されている。具体的には、デジタルコンテンツ表示画面G4のデジタルコンテンツ表示領域47には、各デジタルコンテンツに関して、試合及び対応する場面の時間帯を示す情報(例えば、X試合02:10~02:15)、各デジタルコンテンツのタイトル(例えば、〇〇撃破シーン)、価格、並びに、上記のとおり決定された提供数が表示されている。そして、視聴者は、デジタルコンテンツ表示画面G4上で任意のデジタルコンテンツに対応する指定ボックス48をタップ等してチェックしたうえで決定ボタン49をタップ等することにより、そのデジタルコンテンツを指定して購入することができる。
【0033】
また、デジタルコンテンツ表示画面G4では、視聴者が所定操作を行っていない場面に対応するデジタルコンテンツについては、グレーアウトさせて表示する等、視聴者が所定操作を行った場面に対応するデジタルコンテンツと所定操作を行っていない場面に対応するデジタルコンテンツとが識別可能に表示されている。なお、本実施形態では、視聴者が所定操作を行っていない場面に対応するデジタルコンテンツ、すなわち、グレーアウトしているデジタルコンテンツについては、視聴者は選択できないこととする。ただし、グレーアウトしているデジタルコンテンツを購入可能としてもよいし、グレーアウトしているデジタルコンテンツについては、所定操作を行った視聴者よりも価格を高く設定する等、他の視聴者よりも不利な条件で購入可能としてもよい。
【0034】
また、本実施形態では、場面に対して所定操作を行った視聴者の中から、抽選又は先着順等の所定の基準で選択された視聴者(提供対象者)に対して、場面に対応したデジタルコンテンツを提供する。すなわち、抽選によってそのデジタルコンテンツを受け取ることができる視聴者を選択したり、そのデジタルコンテンツに対応する場面に対する所定操作を受け付けた順番が所定の順番(例えば、先着10人)までの視聴者を選択したりする。また、提供対象者に提供するデジタルコンテンツの数は、設定された提供数の一部であることが好ましく、例えば、デジタルコンテンツの提供数が1000個の場合、その中の10個を提供対象者に提供し、残りの990個を通常通りデジタルコンテンツ表示画面G4を介して視聴者に販売する。
【0035】
また、第1操作を行った視聴者の中でも第1の金額(例えば1000円)を指定して所定操作を行った第1の視聴者に対しては、第1の金額よりも少ない第2の金額(例えば200円)を指定して所定操作を行った第2の視聴者よりも優先的にその場面に対応するデジタルコンテンツを提供してもよい。
具体的には、第1視聴者にはデジタルコンテンツを優先的に付与して第2視聴者には付与しない場合の他、一般的にレアリティが高く貴重なシリアル番号の若いデジタルコンテンツ、例えば1番の識別子が付与されたデジタルコンテンツを第1視聴者に優先的に付与する。すなわち、第1視聴者には、シリアル番号の小さいデジタルコンテンツを付与可能とするとともに、第2視聴者にはシリアル番号の大きいデジタルコンテンツを付与可能とすることとしてよい。また、第1視聴者は、抽選で優先的に当選しやすくしてもよい。なお、デジタルコンテンツの提供数は、第1操作を行った視聴者数よりも多く設定し、第1操作を行った視聴者は全員必ずそのデジタルコンテンツを入手できるとしてもよい。また、デジタルコンテンツの提供数は、所定金額以上(例えば2000円以上)の第1操作を行った視聴者数よりも多く設定し、所定金額以上の第1操作を行った視聴者は全員必ずそのデジタルコンテンツを入手できるとしてもよい。
【0036】
また、対応する場面において受け付けた所定操作の回数又は金額等が閾値以上の場合は、デジタルコンテンツの希少性が高くなるため、報酬的な意味合いで、競技の勝者又は指定操作において競技の勝者を指定した視聴者(勝敗予想が的中した視聴者又は応援対象が勝利した視聴者)に対して、そのデジタルコンテンツを提供したり、抽選で有利な条件を設定したりする等、優先的に提供可能としてもよい。なお、この場合も、競技の勝者又は競技の勝者を指定した視聴者(提供対象者)に提供するデジタルコンテンツの数は、設定された提供数の一部であることが好ましい。
【0037】
<本実施形態に係る情報処理装置、プレイヤ端末及び視聴者端末の構成>
次に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び各種端末の構成について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、競技大会の進行に関するデータを配信して競技大会の運営を担うコンピュータ、厳密にはサーバコンピュータ(以下、サーバ10という。)によって構成されている。サーバ10は、コンピュータの一例であり、図1に示されるように、複数のプレイヤ端末11及び視聴者端末12とネットワーク14を介して通信可能に接続されており、プレイヤ端末11及び視聴者端末12と共に情報処理システムSを構築している。ネットワーク14は、例えばインターネット又はモバイル通信ネットワークからなる通信回線網であり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及び、イントラネット等を含むものであってもよい。
【0038】
本実施形態の情報処理システムSでは、上記構成により、サーバ10とプレイヤ端末11及び視聴者端末12とが協働することにより、競技が進行し、プレイ動画が配信され、デジタルコンテンツが提供される。具体的には、競技の進行処理(各試合の進行処理を含む。)、及び、デジタルコンテンツの提供処理(デジタルコンテンツの生成を含む。)の一部をサーバ10側で行い、グラフィック処理等の一部をプレイヤ端末11及び視聴者端末12で実行する。例えば、サーバ10側で、一定のルール、ロジック及びアルゴリズムを含むプログラムを実行する。一方、プレイヤ端末11及び視聴者端末12側では、サーバ10と同期しつつ、サーバ10で実行されているプログラムと同様のルール、ロジック及びアルゴリズムにより、競技を進行させ、デジタルコンテンツを提供する。
【0039】
サーバ10は、本発明の「情報処理装置」の一例であり、競技の進行及びデジタルコンテンツの提供に必要なデータの生成や送受信等、各種の情報処理を実行するコンピュータ、より詳しくは本実施形態ではSNSサーバである。サーバ10は、1台のコンピュータで構成されてもよく、並列分散された複数台のコンピュータによって構成されてもよい。また、サーバ10は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。この場合、一連の情報処理の工程(ただし、情報の入力及び表示を除く。)がサーバ10によって実行されるので、プレイヤ端末11及び視聴者端末12側では、サーバ10に引き渡す情報の入力、及びサーバ10から配信される情報の表示等を行えばよい。
【0040】
サーバ10は、ハードウェア機器として、図1に示されるように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インターフェース23、及びストレージ24を有し、これらの機器がバス25を介して電気的に接続されている。また、サーバ10には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)と、競技の進行及びデジタルコンテンツの提供に関する情報処理用の専用プログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。プロセッサ21が上記のプログラムにしたがって動作することで、サーバ10は、本発明の情報処理装置として機能し、競技の進行及びデジタルコンテンツの提供に関する一連の処理を実行する。
なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得してもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワーク14を介して取得(ダウンロード)してもよい。
【0041】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
【0042】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0043】
通信用インターフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インターフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インターフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0044】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。また、ストレージ24は、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよい。さらに、ストレージ24は、サーバ本体と通信可能に接続された外部コンピュータ(例えば、データベースサーバ)等によって構成されてもよい。なお、各種データを記録する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いると好適である。
【0045】
サーバ10は、競技の進行及びデジタルコンテンツの提供に必要な情報を各プレイヤ及び各視聴者へ配信し、また、各プレイヤ及び各視聴者から情報を収集して記憶する。サーバ10が記憶する情報には、競技に関する情報、プレイヤに関する情報、及び、視聴者に関する情報の他、プレイ動画に関する情報、イベントに関する情報、場面に関する情報、及び、デジタルコンテンツに関する情報等が含まれる。また、サーバ10は、その他、競技の進行及びデジタルコンテンツの提供に関する様々な情報処理を実行する。
【0046】
プレイヤ端末11は、プレイヤが競技をプレイするために操作するクライアント端末である。また、視聴者端末12は、視聴者がプレイ動画を視聴したり、所定操作、指定操作及びデジタルコンテンツの購入操作等を行ったりするために操作するクライアント端末である。
プレイヤ端末11及び視聴者端末12は、例えば、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、及びウェアラブル端末等によって構成される。なお、図1には、図示の都合上、2台のプレイヤ端末11と3台の視聴者端末12とを図示しているが、当然ながら、実際には、プレイヤ及び視聴者の人数に応じた台数分のプレイヤ端末11及び視聴者端末12が存在する。
【0047】
プレイヤ端末11及び視聴者端末12は、サーバ10からデータを受信し、そのデータが示す画像(映像)をプレイヤ端末11若しくは視聴者端末12のディスプレイ又はプレイヤ端末11若しくは視聴者端末12に接続されたTV等の表示器に表示したり、音声をスピーカ等から出力したりする。すなわち、本実施形態において、プレイヤ端末11及び視聴者端末12は、表示部及び音声出力部として機能する。例えば、プレイヤ端末11には、不図示の競技プレイ画面、及び、デジタルコンテンツ表示画面G4等が表示される。また、視聴者端末12には、プレイ動画視聴画面G1、プレイヤ指定画面G2、プレゼント指定画面G3、及び、デジタルコンテンツ表示画面G4等が表示される。
【0048】
また、プレイヤ端末11及び視聴者端末12は、競技中(試合中を含む。)に行われるプレイヤ又は視聴者の操作を受け付け、その操作内容に応じた情報をサーバ10に向けて送信する。例えば、プレイヤは、競技をプレイするためのプレイ操作等をプレイヤ端末11にて行い、それらの操作に基づく情報をサーバ10に送信する。一方、視聴者は、所定操作、指定操作及びデジタルコンテンツの購入操作等を視聴者端末12にて行い、それらの操作に基づく情報をサーバ10に送信する。なお、上記操作以外にも、プレイヤ及び視聴者は、本実施形態の情報処理システムSにより提供されるサービスを享受するうえで必要な操作をプレイヤ端末11又は視聴者端末12にて適宜行う。
【0049】
<本発明の一実施形態の情報処理装置の機能>
本実施形態に係る情報処理装置であるサーバ10の構成について、機能面から改めて説明する。
サーバ10は、図7に示されるように、記憶部30、情報取得部31、表示制御部32、提供制御部33、及び、競技制御部34を有する。これらのうち、記憶部30は、メモリ22又はストレージ24によって実現され、それ以外の機能部は、サーバ10を構成するハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。なお、サーバ10が複数台のコンピュータによって構成される場合には、上記の機能を分散させて、複数台のコンピュータの各々が互いに異なる機能を発揮してもよい。
以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0050】
(記憶部)
記憶部30は、競技大会の進行に必要な各種の情報を記憶する。具体的には、プレイ動画に関する情報、イベントに関する情報、場面に関する情報、及び、デジタルコンテンツに関する情報等を記憶する。また、その他、不図示の競技に関する情報、プレイヤに関する情報、及び、視聴者に関する情報等の各種情報を記憶する。
【0051】
プレイ動画に関する情報(プレイ動画情報)は、図8に示されるように、各プレイ動画を特定する識別情報(識別ID等)に各種情報が紐付けられ、プレイ動画ごとに記憶されている。
例えば、プレイ動画情報の項目には、プレイ動画のタイトル、プレイ動画が配信又は収録された日時、プレイ動画が配信又は収録された会場、プレイ動画を視聴している視聴者数、プレイ動画の最中に発生したイベント(関連付けられたイベント情報の識別ID)、イベントに関連して設定された場面(関連付けられた場面情報の識別ID)、及び、イベント(厳密には場面)ごとに生成されたデジタルコンテンツ(関連付けられたデジタルコンテンツ情報の識別ID)等を示す情報が含まれる。視聴数を示す情報には、現在の視聴者数の他、過去の視聴者数及び視聴者の増減推移等を示す情報が含まれる。イベント、場面及びデジタルコンテンツを示す情報は、プレイ動画配信開始時にはブランクとなっており、プレイ動画の配信途中で適宜追加される。なお、上記以外の情報がプレイ動画情報に含まれていてもよい。
【0052】
イベントに関する情報(イベント情報)は、図9に示されるように、各イベントを特定する識別情報(識別ID等)に各種情報が紐付けられ、プレイ動画の配信中に発生したイベントごとに記憶されている。
例えば、イベント情報の項目には、イベントが発生したプレイ動画(関連付けられたプレイ動画情報の識別ID)、イベントを含む場面(関連付けられた場面情報の識別ID)、イベントを含む場面に対応したデジタルコンテンツ(関連付けられたデジタルコンテンツ情報の識別ID)、イベントの発生時間、及び、発生したイベントの内容等を示す情報が含まれる。なお、上記以外の情報がイベント情報に含まれていてもよい。
【0053】
場面に関する情報(場面情報)は、図10に示されるように、各場面を特定する識別情報(識別ID等)に各種情報が紐付けられ、プレイ動画の配信中にイベントが発生した場合に、そのイベントを含む所定時間(例えば、前後数秒間~数分間等)の場面ごとに記憶されている。
例えば、場面情報の項目には、場面が含まれるプレイ動画(関連付けられたプレイ動画情報の識別ID)、場面に含まれるイベント(関連付けられたイベント情報の識別ID)、場面に対応したデジタルコンテンツ(関連付けられたデジタルコンテンツ情報の識別ID)、プレイ動画中における場面の時間、場面に対して視聴者から所定操作を受け付ける判定期間、場面に対して視聴者から受け付けた第1操作、及び、場面に対して視聴者から受け付けた第2操作等を示す情報が含まれる。第1操作及び第2操作を示す情報には、それぞれの操作の内容及び回数を示す情報が含まれる。なお、上記以外の情報が場面情報に含まれていてもよい。
【0054】
デジタルコンテンツに関する情報(デジタルコンテンツ情報)は、図11に示されるように、各デジタルコンテンツを特定する識別情報(識別ID等)に各種情報が紐付けられ、プレイ動画の配信中に発生したイベントを含む場面に対応したデジタルコンテンツが生成された場合に、そのデジタルコンテンツごとに記憶されている。例えば、デジタルコンテンツ情報は、所定のブロックチェーンにより管理されることとしてよい。
例えば、デジタルコンテンツ情報の項目には、タイトル、デジタルコンテンツに対応する場面が含まれるプレイ動画(関連付けられたプレイ動画情報の識別ID)、デジタルコンテンツに対応する場面に含まれるイベント(関連付けられたイベント情報の識別ID)、デジタルコンテンツに対応する場面(関連付けられた場面情報の識別ID)、価格、提供数、所有者、及び、履歴等を示す情報が含まれる。価格には、デジタルコンテンツ生成時の価格(初期設定価格)が含まれる。提供数には、対応する場面において視聴者から受け付けた所定操作に基づいて決定されたデジタルコンテンツの提供数が含まれる。所有者には、デジタルコンテンツの所有者として関連付けられた視聴者又はプレイヤが存在する場合、その視聴者又はプレイヤを識別する情報(識別ID等)が含まれる。履歴には、デジタルコンテンツの所有者が変更した場合等、その変更回数及び変更履歴(過去及び現在の所有者)等を示す情報が含まれる。なお、上記以外の情報がデジタルコンテンツ情報に含まれていてもよい。
【0055】
また、図示は略すが、競技に関する情報(競技情報)には、各競技を特定する識別情報(識別ID等)に、競技の名称(タイトル)、開催期間、賞金、報酬、競技内容、及び、競技の結果等の各種情報が紐付けられ、競技ごとに記憶されている。
また、プレイヤに関する情報(プレイヤ情報)には、各プレイヤを特定する識別情報(識別ID又はアカウント名等)に、プレイヤの名前、戦績、賞金、及び、所有するデジタルコンテンツ等の各種情報が紐付けられ、プレイヤごとに記憶されている。
また、視聴者に関する情報(視聴者情報)には、各視聴者を特定する識別情報(識別ID又はアカウント名等)に、視聴履歴、操作履歴、及び、所有するデジタルコンテンツ等の各種情報が紐付けられ、視聴者ごとに記憶されている。
【0056】
(情報取得部)
情報取得部31は、本発明の受付部に相当し、プレイヤ及び視聴者が、プレイヤ端末11又は視聴者端末12において行った操作に基づく情報(データ)を、プレイヤ端末11又は視聴者端末12と通信することによって取得する。情報取得部31によって取得される情報には、例えば、プレイヤが行うプレイ操作及びデジタルコンテンツの購入操作等に基づく情報等が含まれ、また、視聴者が行う所定操作(プレイ動画を視聴するために行う操作を含む。)、指定操作及びデジタルコンテンツの購入操作等に基づく情報等が含まれる。特に、情報取得部31は、所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御し、所定の価値を消費して実行可能な第1操作と、所定の価値を消費せずに実行可能な第2操作とを視聴者から受け付ける。
なお、情報取得部31によって取得される情報には、上記情報の他、競技の開催中及び開催前後において、プレイヤ又は視聴者が行う各種の選択、指定、指示、要求、命令、許可又は拒否、登録及びその他の入力操作等に基づく情報が含まれる。
【0057】
(表示制御部)
表示制御部32は、プレイヤ端末11又は視聴者端末12を制御し、競技の進行及びデジタルコンテンツの提供に必要な各種の情報をプレイヤ端末11又は視聴者端末12の画面に表示させる。具体的には、表示制御部32は、後述する提供制御部33及び競技制御部34等による情報処理の結果等を表示するための表示データを生成し、生成されたその表示データをネットワーク14によりプレイヤ端末11又は視聴者端末12に向けて送信する。
【0058】
例えば、表示制御部32は、競技制御部34による情報処理の結果を反映させたプレイ動画を配信し、プレイヤ端末11には不図示の競技プレイ画面、視聴者端末12にはプレイ動画視聴画面G1を表示させる。また、プレイヤ端末11には、デジタルコンテンツ表示画面G4等を表示させ、視聴者端末12には、プレイヤ指定画面G2、プレゼント指定画面G3及びデジタルコンテンツ表示画面G4等を表示させる。特に、表示制御部32は、プレイ動画の配信終了後にそのプレイ動画の視聴者の視聴者端末12にそのプレイ動画において発生したイベントを含む場面に対応するデジタルコンテンツを表示するためのデジタルコンテンツ表示画面G4を表示可能に制御する。また、表示制御部32は、デジタルコンテンツ表示画面G4において、視聴者が所定操作を行った場面に対応するデジタルコンテンツと所定操作を行っていない場面に対応するデジタルコンテンツとを識別可能に表示する。
【0059】
(提供制御部)
提供制御部33は、プレイ動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた所定操作に基づいて、その場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する。また、提供制御部33は、プレイ動画に含まれる場面の視聴者数に基づいて、その場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する。
具体的には、情報取得部31が取得した所定操作の回数及び内容、又は、視聴者数に基づいて場面ごとにポイントが積み立てられ、その積み立てられたポイントに基づいて場面に対応するデジタルコンテンツの提供数を決定し、その決定したデジタルコンテンツの提供数を、デジタルコンテンツごとに関連付けて記憶部30に記憶する。このとき、例えば、場面に対応するデジタルコンテンツの提供数を、場面に対し設定されるポイントが多い方が、ポイントが少ないよりも少なくすることとしてよい。具体的には、所定操作に基づいて算出したポイントが所定の基準値に到達するごとに、提供数を初期設定値から減らすこととし、減らす際はX個ずつ減らすこととしてもよいし、現在の提供数のY割削減することとしてもよいし、場面ごとに設定される所定値を、場面ごとのポイント数で割った商をデジタルコンテンツの提供数としてもよい。なお、デジタルコンテンツの提供数を決定する際、初期設定値から増減させることとした場合、その初期設定値は、全てのデジタルコンテンツで同一であってもよいし、デジタルコンテンツごとに初期設定値を異なるものとしてもよい。
【0060】
例えば、提供制御部33は、受け付けた所定操作の回数が多い場面については、視聴者の反応が良好であって視聴者からの評価が高い場面であると判断し、その場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を上げるため、同デジタルコンテンツの提供数を少なく設定する。すなわち、プレイ動画に含まれる第1の場面において受け付けた所定操作の回数が、同じくプレイ動画に含まれる第2の場面において受け付けた所定操作の回数よりも多い場合には、第1の場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を、第2の場面に対応したデジタルコンテンツの提供数よりも少なく設定する。
また、提供制御部33は、受け付けた所定操作の内容が所定の価値を消費して行った第1操作の場合、所定の価値を消費せずに実行した第2操作の場合よりも、デジタルコンテンツの提供数に対する影響度を大きくし、デジタルコンテンツの提供数を大きく変化させる。すなわち、所定操作が所定の価値を消費してまで行った第1操作の場合には、第2操作の場合よりもその場面に対する視聴者の反応が良好であって視聴者からの評価が高いと判断し、その場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を上げるため、同デジタルコンテンツの提供数を大きく減少させ、その結果、同デジタルコンテンツの提供数が少なく設定されることになる。また例えば、場面に対して第1操作が行われた場合に場面に加算する第1ポイントを、場面に対して第2操作が行われた場合に加算する第2ポイントより大きく設定することとしてよい。
さらに、提供制御部33は、場面に対して有償の価値を消費して実行可能な所定操作を行った視聴者の数に基づいて、その場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する。すなわち、第1の場面に対して有償の価値を消費して実行可能な所定操作を行った視聴者の数が、第2の場面に対して有償の価値を消費して実行可能な所定操作を行った視聴者の数よりも多い場合には、第1の場面に対する視聴者の反応が良好であって視聴者からの評価が高いと判断し、第1の場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を、第2の場面に対応したデジタルコンテンツの提供数よりも少なく設定することとしてよい。
【0061】
また、提供制御部33は、視聴者がプレイ動画の所定場面に対して所定操作を行った場合、その視聴者に対して所定場面に対応したデジタルコンテンツを提供可能に制御する。このとき、所定場面に対して第1操作を行った視聴者に対しては、第2操作を行った視聴者よりも優先的に所定場面に対応したデジタルコンテンツを提供可能に制御する。また、所定場面に対して第1操作を行った視聴者の中でも第1の金額を指定して所定操作を行った第1の視聴者に対しては、第1の金額よりも少ない第2の金額を指定して所定操作を行った第2の視聴者よりも優先的に所定場面に対応したデジタルコンテンツを提供可能に制御する。
また、提供制御部33は、所定場面に対して所定操作を行った視聴者の中から、抽選又は先着順等の所定の基準で選択された視聴者に対して、所定場面に対応したデジタルコンテンツを提供する。具体的には、デジタルコンテンツを提供対象者として選択された視聴者に関連付けて記憶部30に記憶し、視聴者情報を更新することにより、視聴者にデジタルコンテンツを提供する。なお、このとき選択される視聴者の数は、決定したデジタルコンテンツの提供数以下(例えば1/100)としてよい。
さらに、提供制御部33は、所定操作の数が閾値以上の場面に対応するデジタルコンテンツについては、所定操作の数が閾値より大きい場面よりもデジタルコンテンツの提供数は少なく設定されることになるが、競技の勝者(プレイヤ)又は競技の勝者を指定した視聴者の中から選択された少なくとも一人に対して、その閾値以上の場面に対応したデジタルコンテンツを提供することとしてもよい。具体的には、提供制御部33は、デジタルコンテンツを提供対象者として選択されたプレイヤ又は視聴者に関連付けて記憶部30に記憶し、プレイヤ情報又は視聴者情報を更新することにより、プレイヤ又は視聴者にデジタルコンテンツを提供する。なお、このとき選択されるプレイヤ又は視聴者の数は、決定したデジタルコンテンツの提供数以下(例えば1/100)とする。
【0062】
(競技制御部)
競技制御部34は、eスポーツ等の競技の進行に必要な情報処理を実行するものであり、情報取得部31が取得した各種情報に応じて競技を進行させる。具体的には、競技制御部34は、試合を開始し、試合中にプレイヤが行った操作に応じてキャラクタ等のゲーム媒体を動かす等、操作に応じた演出等を実施する。また、試合の進行状況等に応じて、ゲーム媒体のパラメータの設定を変更する。例えば、競技内容が対戦型の格闘ゲームの場合、情報取得部31が取得した情報に基づいて、プレイヤの操作するキャラクタを移動させたり、他のキャラクタを攻撃させたりするように制御する。キャラクタによる攻撃が他のキャラクタに命中等した場合は、キャラクタの攻撃力及び他のキャラクタの防御力等のパラメータに基づいて、他のキャラクタに関連付けられた体力等のパラメータを減少させる。
【0063】
以上、サーバ10、プレイヤ端末11及び視聴者端末12のそれぞれの構成について説明した。なお、一般的に、サーバ10、プレイヤ端末11及び視聴者端末12は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における情報処理システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0064】
<本発明の一実施形態に係る情報処理フロー>
次に、図12を参照しながら、上記構成からなる情報処理システムSにおいて実行される情報処理の流れ(以下、情報処理フローという。)について説明する。情報処理フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、コンピュータシステムとして機能する情報処理システムSを用いることで実現される。換言すると、情報処理フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。なお、以下に説明する情報処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0065】
(情報処理フロー)
この情報処理フローは、視聴者からの所定操作に基づいてデジタルコンテンツの提供数を決定するという本発明の根幹を為す情報処理であり、例えば、図12に示す流れに沿って進行する。
なお、ここでは、プレイ動画の所定場面に対して所定操作を行った視聴者に対して所定場面に対応したデジタルコンテンツを提供可能とする場合、すなわち、所定場面に対して所定操作を行った視聴者が所定場面のデジタルコンテンツを購入可能な場合を挙げて説明する。
【0066】
図12に示されるように、先ず、コンピュータであるサーバ10は、視聴者端末12との通信を通じ、視聴者が行った指定操作に基づく情報を取得してプレイヤの指定を受け付け(S101)、そのプレイヤが参加する試合が開始すると、ネットワーク14を介して、視聴者端末12にその試合のプレイ動画の配信を開始する(S102)。
【0067】
そして、サーバ10は、プレイ動画の配信中に、視聴者端末12との通信を通じ、視聴者が任意のタイミングで行った所定操作に基づく情報を取得して所定操作を受け付けると(S103)、場面の判定期間に受け付けた所定操作の回数及び内容等に基づいて、その場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する(S104)。具体的には、判定期間中に受け付けた所定操作の回数が多い場合、所定操作が第1操作の場合、又は、所定操作が有償の価値を消費して行った場合等は、その場面に対応するデジタルコンテンツの提供数を少なく設定する。
【0068】
そして、サーバ10は、試合が終了し、動画の配信を終了すると(S105)、所定場面に対して第1操作を行った視聴者、また、所定場面に対して第1操作を行った視聴者の中でも第2の金額よりも多い第1の金額を指定して所定操作を行った第1の視聴者等、他の視聴者よりもその所定場面に対応するデジタルコンテンツを優先的に提供可能となる視聴者を決定する(S106)。
【0069】
さらに、サーバ10は、所定場面に対して所定操作を行った視聴者の中から、抽選又は先着順等の所定の基準でデジタルコンテンツの提供対象者となる視聴者を選択し(S107)、また、所定場面に対する所定操作の回数が閾値以上の場合には(S108:YES)、競技の勝者(プレイヤ)又は指定操作により競技の勝者を指定していた視聴者の中からデジタルコンテンツの提供対象者となる勝者又は視聴者を選択し(S109)、提供対象者として選択したプレイヤ又は視聴者とその所定場面に対応するデジタルコンテンツとを関連付けることにより、プレイヤ又は視聴者にデジタルコンテンツを提供する(S110)。なお、所定場面に対する所定操作の回数が閾値以上でない場合には(S108:NO)、S109の処理を行わずにS110の処理に移行する。
【0070】
そして、サーバ10は、提供数が決定したデジタルコンテンツの情報を表示させるための表示データを生成し、その生成した表示データを、所定操作を行った視聴者の視聴者端末12に送信することにより、デジタルコンテンツを購入することが可能なデジタルコンテンツ表示画面G4を視聴者端末12に表示させ(S111)、処理を終了する。
以上が、本発明の情報処理フローの一例である。
【0071】
<その他の実施形態>
以上までに、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関して、具体例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態も考えられ得る。
【0072】
上記の実施形態では、競技の一例としてeスポーツを挙げ、eスポーツのプレイ動画に含まれる各場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する場合について説明した。ただし、これに限らず、他の競技のプレイ動画に含まれる各場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する場合にも適用可能である。例えば、開催される野球、サッカー又はボクシング等、実在するプロスポーツの動画に含まれる各場面(ホームランシーン、ゴールシーン又はダウンシーン等)に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定することができる。なお、この場合、eスポーツとは異なり試合自体は情報処理システムS外で開催されることになるが、プレイ動画の配信は情報処理システムS内のサーバ10により実行される。
【0073】
上記の実施形態では、サーバ10が本発明の情報処理装置として機能しているが、これに限定されるものではなく、サーバ10が有する機能のうちの一部が視聴者端末12に備わっていてもよい。例えば、提供制御部33の一部又は全部の機能が、プレイヤ端末11又は視聴者端末12に備わっていてもよい。
【0074】
上記の実施形態では、動画情報、イベント情報、場面情報、及び、デジタルコンテンツ情報等は、サーバ10に記憶することとしたが、不図示のデータベースサーバを別途設けて、そのデータベースサーバに一括して記憶することとしてもよいし、プレイヤ端末11又は視聴者端末12側に記憶することとしてもよい。
【0075】
上記の実施形態では、視聴者は、原則として無料で全ての機能を享受することができるが、一部の機能を限定し、所定の利用料金を支払うことによって、その限定された機能が利用できてもよい。また、所定の利用料金を支払った課金視聴者に対しては、所定操作を行った場合にデジタルコンテンツの提供数に対する影響度を大きくしてもよいし、プレイ動画の視聴の際又はデジタルコンテンツの購入の際に有利になるように、各種条件等を設定したりしてもよい。例えば、課金視聴者に対しては、課金額に応じて特別なアングル(例えば、指定プレイヤに特化したアングル)から撮影したり、特別な編集を施したりしたプレイ動画を視聴可能としてもよい。なお、この利用料金については、従量課金制としてもよいし、サブスクリプションのように、一度支払えば一定期間(例えば、1か月間又は1年間等)、その視聴者に対して効果を有することとしてもよい。
【0076】
<まとめ>
本発明の一実施形態に係る課題は、需要者(ユーザ)に提供するデジタルコンテンツの希少性を需要者(ユーザ)の評価に応じて決定することである。例えば、上記課題は、デジタルコンテンツが動画の場面に対応するものである場合には、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することであってよい。
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0077】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御する受付部と、動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた所定操作に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する提供制御部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、視聴者の所定操作に基づいてデジタルコンテンツの提供数を決定するため、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0078】
[2]上記の情報処理装置において、所定操作は動画に対する視聴操作を含み、提供制御部は、場面の視聴者数に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する。
視聴者数に基づいてデジタルコンテンツの提供数を決定することにより、より一層正確且つ簡易的に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0079】
[3]上記の情報処理装置において、受付部は、所定の価値を消費して実行可能な第1操作と、所定の価値を消費せずに実行可能な第2操作とを視聴者から受付可能であり、提供制御部は、所定操作が第1操作の場合には、第2操作の場合よりもデジタルコンテンツの提供数に対する影響度を大きくする。
所定の価値を消費して行った第1操作がデジタルコンテンツの希少性に与える影響を所定の価値を消費せずに行う第2操作がデジタルコンテンツの希少性に与える影響よりも大きく設定できる。これにより、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の所定の価値の消費の大きさに応じて決定することができる。
【0080】
[4]上記の情報処理装置において、動画は、第1の場面と第2の場面とを含み、第1の場面において受け付けた所定操作の回数が、第2の場面において受け付けた所定操作の回数よりも多い場合に、提供制御部は、第1の場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を、第2の場面に対応したデジタルコンテンツの提供数よりも少なくする。
視聴者から多くの所定操作を受け付けた場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を少なくすることにより、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0081】
[5]上記の情報処理装置において、提供制御部は、場面に対して所定操作を行った視聴者の中から所定の基準で選択された視聴者に対して、当該場面に対応したデジタルコンテンツを提供する。
所定操作を行った視聴者にはその場面に対応したデジタルコンテンツを入手できる機会が与えられるため、視聴者に対して所定操作を行うことへの動機付けを与えることができる。これにより、入手を希望する場面に対して所定操作が多く実行されることとなるため、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0082】
[6]上記の情報処理装置において、提供制御部は、動画の第1の視聴者が動画の複数の場面に対して所定操作を行った場合に、当該複数の場面から選択された1以上の場面に対応したデジタルコンテンツを第1の視聴者に提供可能に制御する。
所定操作を行うことがその場面に対応したデジタルコンテンツを入手するための条件となるため、視聴者に対して所定操作を行うことへの動機付けとなるうえ、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0083】
[7]上記の情報処理装置において、動画が、複数の参加者により競われる競技の動画である場合、受付部は、視聴者から複数の参加者から参加者を指定する指定操作を受け付け可能に制御し、提供制御部は、競技の勝者又は競技の勝者を指定した視聴者の少なくとも一人に対して、所定操作の数が閾値以上の場面に対応したデジタルコンテンツを提供可能に制御する。
競技の勝者又は競技の勝者を指定して所定操作を行った視聴者にはその場面に対応したデジタルコンテンツを入手できる機会が与えられるため、特定の競技者に対する応援や、視聴者に対して所定操作を行うことへの動機付けとなるうえ、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0084】
[8]上記の情報処理装置において、所定操作は、有償の価値を消費して実行可能な操作であり、提供制御部は、場面に対して所定操作を行った視聴者の数に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する。
場面ごとに有償の価値を消費して所定操作を行った視聴者数に基づいてデジタルコンテンツの提供数を決定することにより、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0085】
[9]上記の情報処理装置において、動画の所定場面に対して第1の視聴者から第1の金額を指定した所定操作を受け付け、第2の視聴者から第1の金額よりも少ない第2の金額を指定した所定操作を受け付けた場合に、提供制御部は、第1の視聴者に対して第2の視聴者よりも優先的に、所定場面に対応したデジタルコンテンツを提供可能に制御する。
第2の視聴者よりも高い金額を指定して所定操作を行った第1の視聴者にはその場面に対応したデジタルコンテンツを入手できる機会が優先的に与えられるため、視聴者に対して高い金額を指定することへの動機付けとなるうえ、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0086】
[10]上記の情報処理装置において、動画の配信終了後に当該動画の場面に対応したデジタルコンテンツを購入可能な画面を当該動画の視聴者の端末に表示可能に制御する表示制御部を有する。
動画の配信終了後にデジタルコンテンツを購入可能な画面が表示されるため、デジタルコンテンツを購入するための利便性が向上し、視聴者に対して所定操作を行うことへの動機付けとなるうえ、より一層正確に、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0087】
[11]上記の情報処理装置において、表示制御部は、画面において視聴者が所定操作を行った場面に対応するデジタルコンテンツと所定操作を行っていない場面に対応するデジタルコンテンツとを識別可能に表示する。
自身が所定操作を行った場面に対応するデジタルコンテンツが識別可能に表示されるため、視聴者が所望するデジタルコンテンツを識別することが容易となる。
【0088】
[12]上記の情報処理装置において、デジタルコンテンツは、ブロックチェーン上のデータとして管理されるノンファンジブルトークンである。
デジタルコンテンツを複製不可なノンファンジブルトークンとすることにより、デジタルコンテンツの提供数の管理が容易となる。
【0089】
[13]本実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータが、所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御し、コンピュータが、動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた所定操作に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定する。
上記の情報処理方法によれば、視聴者の所定操作に基づいてデジタルコンテンツの提供数を決定するため、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【0090】
[14]本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、所定期間における動画の配信中に、視聴者から所定操作を受け付け可能に制御させ、動画に含まれる場面に対して視聴者から受け付けた所定操作に基づいて、当該場面に対応したデジタルコンテンツの提供数を決定させる。
上記のプログラムによれば、視聴者の所定操作に基づいてデジタルコンテンツの提供数を決定するため、動画の場面に対応したデジタルコンテンツの希少性を視聴者の反応に応じて決定することができる。
【符号の説明】
【0091】
10 サーバ
11 プレイヤ端末
12 視聴者端末
14 ネットワーク
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インターフェース
24 ストレージ
25 バス
30 記憶部
31 情報取得部(受付部)
32 表示制御部
33 提供制御部
34 競技制御部
41 プレイ動画表示領域
42 所定操作ボタン
43 指定ボックス
44 決定ボタン
45 指定ボックス
46 決定ボタン
47 デジタルコンテンツ表示領域
48 選択ボタン
49 決定ボタン
G1 プレイ動画視聴画面
G2 プレイヤ指定画面
G3 プレゼント指定画面
G4 デジタルコンテンツ表示画面
S 情報処理システム
図1
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図3
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