(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140319
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ブルトン型チロシンキナーゼを分解するためのピリミジン
(51)【国際特許分類】
C07D 413/14 20060101AFI20230927BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20230927BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20230927BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230927BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61K31/513
A61P7/00
A61P43/00 111
A61P35/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023041655
(22)【出願日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/322,505
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジーグオ・ビアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ピー・バーク
(72)【発明者】
【氏名】ジャオジョン・ジェイ・ジア
(72)【発明者】
【氏名】シンユー・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・エイチ・カッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ベンカト・レディ・マリ
(72)【発明者】
【氏名】ビオレッタ・エル・マリン
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス・エル・ヌーイ
(72)【発明者】
【氏名】オカノ・アキノリ
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ・エイ・リブキン
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー・オー・ショルツ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・アール・ウォーラー
(72)【発明者】
【氏名】シエンルイ・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】アシュリー・エム・アダムス
(72)【発明者】
【氏名】ベレンジャー・ビアンニク
(72)【発明者】
【氏名】シャハブ・モルテザエイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・エヌ・ペイエット
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エイ・ザブロッキー
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA05
4C063BB09
4C063CC58
4C063DD29
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC71
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
【課題】ユビキチンタンパク質分解経路を介してBtkのタンパク質分解を誘導する化合物を提供すること。
【解決手段】本発明は、CLLの治療において薬剤として有用である、式(I)の化合物
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4A、R
4b及びR
5は、本明細書中に定義される通りである]及び薬学的に許容されるそれらの塩を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
[式中、
R
1は、水素、C
1~C
3アルキル、CN、C
1~C
3ハロアルキル、ハロ、CH
2OCH
3、CH
2OH及びCH
2CNからなる群から選択され;
R
2及びR
3は、水素及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択され;
R
4a及びR
4bは、水素、C
1~C
3アルキル及びCH
2OCH
3からなる群からそれぞれ独立に選択され;
R
5は、水素、ハロ及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される];
又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
R4aが、Hであり、R4bが、メチルである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
R1が、メチルである、請求項1又は2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
R2が、水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
R3が、水素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
R5が、水素である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
【化2】
である化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
【請求項9】
【請求項10】
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(プロパン-2-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{2-クロロ-4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;及び
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-フルオロフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療有効量の式(I)の請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)は、造血細胞型で発現する最重要なシグナル伝達酵素である。Btkは、細胞表面B細胞受容体(BCR)の刺激を下流の細胞内応答に関連づけるB細胞シグナル伝達経路において必要不可欠な役割を果たす。Btkは、B細胞の発生、活性化、シグナル伝達及び生存の最重要な制御因子である(Kurosaki、Curr Op Imm、2000年、276~281頁;Schaeffer and Schwartzberg、Curr Op Imm 2000年、282~288頁)。さらに、Btkは、他の造血細胞シグナル伝達経路、例えば、マクロファージにおけるToll様受容体(TLR)及びサイトカイン受容体が媒介するTNF-α産生、マスト細胞におけるIgE受容体(FcepsilonRI)シグナル伝達、B細胞系リンパ球細胞(B-lineage lymphoid cell)におけるFas/APO-1アポトーシスシグナル伝達の阻害、及びコラーゲンによって刺激された血小板凝集においてある役割を果たす。例えば、C.A.Jeffriesら、(2003年)、Journal of Biological Chemistry 278巻:26258~26264頁;N.J.Horwoodら、(2003年)、The Journal of Experimental Medicine 197巻:1603~1611;Iwakiら、(2005年)、Journal of Biological Chemistry 280巻(48号):40261~40270頁;Vassilevら、(1999年)、Journal of Biological Chemistry 274巻(3号):1646~1656頁及びQuekら、(1998年)、Current Biology 8巻(20号):1137~1140頁を参照のこと。現在、Btk阻害剤は、研究中である。阻害の代用として、Btkのタンパク質分解は、BCRシグナル伝達を遮断することによってだけでなく、細胞自体からBtkタンパク質の存在を減少させることによってもB細胞の機能に影響を与える可能性がある。Btkタンパク質を減少させることによって、Btkキナーゼ活性が低下する並びにBtkのあらゆるタンパク質相互作用又は足場機能が低下するはずである。したがって、Btk分解剤を開発する医学的なニーズがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0002】
【非特許文献1】Kurosaki、Curr Op Imm、2000年、276~281頁
【非特許文献2】Schaeffer and Schwartzberg、Curr Op Imm 2000年、282~288頁
【非特許文献3】C.A.Jeffriesら、(2003年)、Journal of Biological Chemistry 278巻:26258~26264頁
【非特許文献4】N.J.Horwoodら、(2003年)、The Journal of Experimental Medicine 197巻:1603~1611頁
【非特許文献5】Iwakiら、(2005年)、Journal of Biological Chemistry 280巻(48号):40261~40270頁
【非特許文献6】Vassilevら、(1999年)、Journal of Biological Chemistry 274巻(3号):1646~1656頁
【非特許文献7】Quekら、(1998年)、Current Biology 8巻(20号):1137~1140頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
いくつかの実施形態では、ユビキチンタンパク質分解経路を介してBtkのタンパク質分解を誘導する化合物が本明細書で提供される。
【0004】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、
【0005】
【化1】
[式中、
R
1は、水素、C
1~C
3アルキル、CN、C
1~C
3ハロアルキル、ハロ、CH
2OCH
3、CH
2OH及びCH
2CNからなる群から選択され;
R
2及びR
3は、水素及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択され;
R
4a及びR
4bは、水素、C
1~C
3アルキル及びCH
2OCH
3からなる群からそれぞれ独立に選択され;
R
5は、水素、ハロ及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される];
又は薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、R1は、水素、C1~C3アルキル、CN(シアノ)、C1~C3ハロアルキル、ハロ、CH2OCH3;CH2OH;及びCH2CN又は薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R1は、C1~C3アルキル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、CN又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、C1~C3ハロアルキル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、CF3又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、ハロ又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、Cl又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、F又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、CH2OCH3又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、CH2OH又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、CH2CN又は薬学的に許容されるその塩である。
【0007】
いくつかの実施形態では、R2は、水素及びハロ、又は薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R2は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R2は、ハロ又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R2は、F又は薬学的に許容されるその塩である。
【0008】
いくつかの実施形態では、R3は、水素及びハロ、又は薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R3は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R3は、ハロ又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R3は、F又は薬学的に許容されるその塩である。
【0009】
いくつかの実施形態では、R4a及びR4bは、水素、C1~C3アルキル及びCH2OCH3、又は薬学的に許容されるその塩からなる群からそれぞれ独立に選択される。いくつかの実施形態では、R4aは、水素であり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、メチルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、水素であり、R4bは、エチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、エチルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、メチルであり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、水素であり、R4bは、イソプロピル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、イソプロピルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、水素であり、R4bは、CH2OCH3又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R4aは、CH2OCH3であり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。
【0010】
いくつかの実施形態では、R5は、水素、ハロ及びC1~C3アルキル、又は薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R5は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、ハロ又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、F又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、Cl又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。
【0011】
いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R2は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R2は、水素であり、R3は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R2は、水素であり、R3は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R2は、水素であり、R3は、水素であり、R5は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R2は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R3は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。
【0012】
いくつかの実施形態では、R5は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチルであり、R3は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチルであり、R3は、水素であり、R2は、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、水素であり、R4aは、水素であり、R4bは、メチルであり、R3は、水素であり、R1は、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。
【0013】
いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R3は、ハロ又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R3は、F又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R2は、ハロ又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R1は、メチルであり、R2は、F又は薬学的に許容されるその塩である。
【0014】
いくつかの実施形態では、R5は、ハロであり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、Fであり、R4aは、水素であり、R4bは、メチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、ハロであり、R4aは、メチルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、Fであり、R4aは、メチルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、ハロであり、R4aは、水素であり、R4bは、エチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、Fであり、R4aは、水素であり、R4bは、エチル又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、ハロであり、R4aは、エチルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、R5は、Fであり、R4aは、エチルであり、R4bは、水素又は薬学的に許容されるその塩である。
【0015】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物が提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体と組み合わせて、治療有効量の
【0017】
【化2】
、又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物が提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0019】
【0020】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0021】
【0022】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0023】
【0024】
いくつかの実施形態では、化合物は、3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド又は薬学的に許容されるその塩である。
【0025】
いくつかの実施形態では、化合物は、3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドである。
【0026】
いくつかの実施形態では、化合物は、いくつかの実施形態では、化合物は、3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミドである。
【0027】
いくつかの実施形態では、化合物は、
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(プロパン-2-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{2-クロロ-4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;及び
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-フルオロフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド;又は薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。
【0028】
用語の定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、特段の規定がない限り、以下の用語は、示した意味を有する。
【0029】
本明細書及び所期の特許請求の範囲において使用される場合、別段文脈で明確に指示しない限り、単数形(「a」、「an」及び「the」)は、複数の対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「化合物」への参照には、単一の化合物並びに同じ若しくは異なる化合物のうちの1つ以上が含まれる。
【0030】
ある場合には、ある部分の炭素原子数は、接頭辞「Cx~Cy」により示され、xは、最小値であり、yは、置換基中の炭素原子の最大数である。したがって、例えば、「C1~C3アルキル」とは、1~3個の炭素原子を含有するアルキル置換基を意味する。
【0031】
用語「アルキル」とは、本明細書で使用される場合、別段規定がない限り、1、2、3、4、5若しくは6個の炭素原子を有する飽和の、直鎖又は分枝状の炭化水素鎖基を指す。用語「C1~C3アルキル」とは、1、2又は3個の炭素原子を有するアルキルを指す。アルキルの例は、それだけには限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アルキルは、メチルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、エチルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、プロピルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、イソプロピルである。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」とは、Cl(クロロ)、Br(ブロモ)、I(ヨード)及びF(フルオロ)を意味する。いくつかの実施形態では、ハロは、Cl又はFからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ハロは、Clである。いくつかの実施形態では、ハロは、Fである。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキル」とは、本明細書中に定義される通り、1個以上の水素原子は、ハロ基により置き換えられるアルキル基を指す。一例として、用語「C1~C3ハロアルキル」とは、1、2又は3個の炭素原子を有するハロアルキルを指す。いくつかの実施形態では、1、2又は3個の水素原子は、フルオロ基によりそれぞれ置き換えることができる。ハロアルキルの一例は、トリフルオロメチル又はCF3である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】C57BL/6マウスにおけるBtk
C481S突然変異を有するTCL1-駆動型CLL中の化合物1(実施例1)のインビボ活性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、リンカーを介して接続される2つのリガンドを含む。第1のリガンドは、Btkに結合することが可能である。第2のリガンドは、ユビキチンリガーゼを動員することが可能である。いくつかの実施形態では、ユビキチンリガーゼは、E3リガーゼである。いくつかの実施形態では、E3ユビキチンリガーゼは、セレブロン(CRBN)である及び/又はセレブロン(CRBN)を含む。いくつかの実施形態では、第2のリガンドは、CRBNを動員することが可能である。いくつかの実施形態では、第2のリガンドは、CRBNに結合することが可能である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、Btkに結合することが可能であり、セレブロンを含むユビキチンリガーゼを動員することが可能である。いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、E3リガーゼをBtkに動員し、ユビキチンプロテアソーム系(UPS)によるBtkの、近接によって誘導されるユビキチン化及び分解を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、Btkに結合し、分解によって細胞中のBtkの量を減少させることが可能である。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、慢性リンパ性白血病(CLL)の治療において有用である。例えば、本明細書に記載の化合物は、ユビキチンタンパク質分解経路を介して患者におけるBtkを分解することにより、CLLを治療するのに有用である。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書において開示される化合物は、BtkC481Sを発現する細胞株中でBtkC481Sタンパク質(C481突然変異を有するBtkタンパク質)を分解する。
【0038】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を患者に投与するステップを含む、CLLを伴う患者を治療する方法が提供される。
【0039】
いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、CLLを治療するための方法が提供される。
【0040】
語句「薬学的に許容される塩」とは、過度の毒性、刺激性及びアレルギー性反応などがなく、妥当な利益/危険比に見合う、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び下等動物の組織と接触して用いるのに適する、塩を指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、ヒトを指す。用語「ヒト」、「患者」及び「対象」は、本明細書中で同義的に用いられる。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療している」及び「治療」は、疾患及び/又はそれらの付随する症状を緩和する又は抑止する方法を指す。
【0043】
語句「治療有効量」とは、ある特定の対象又は対象集団において治療用に投与する場合、治療されている状態若しくは障害の症状のうちの1つ以上の発生を予防する又は治療されている状態若しくは障害の症状のうちの1つ以上をある程度緩和するのに十分である、化合物、又は薬学的に許容されるその塩の量を指す。いくつかの実施形態では、その量は、患者においてBtkを分解するのに効果的である。
【0044】
一般的な合成
本開示の化合物は、化合物を調製することができる手段を例証する次の合成スキーム及び方法に関連してより良く理解することができる。代表的な手順は、それだけには限らないが、スキーム1~5に示される。スキーム1~5において、可変基R1、R2、R3、R4及びR5は、本明細書に記載されている通りであり得る。本発明の最終化合物を、ACD/Name 2021.1.3(ファイルバージョンN15E41、Build 123232、2021年7月7日)ソフトウェアプログラムを用いることによって及び/又はCHEMDRAW(登録商標)Professional v.20.1.1.125の一部としてStruct=Name命名アルゴリズムを用いることによって命名した。中間体を、CHEMDRAW(登録商標)Professional v.20.1.1.125を用いて命名した。
【0045】
本発明の化合物は、以下に記載のスキームに従って調製することができる。
【0046】
【0047】
置換1-フェニルジヒドロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン基本単位1-6を調製するための方法を、スキーム1中で例証する。化合物1-1における置換基R5は、本明細書に記載されている通り、ハロ、水素又はC1~C3アルキルであり得る。イミダゾールの存在下でのtert-ブチルジメチルシリルクロリドとの化合物1-1の反応は、化合物1-2を提供することができる。熱を用いたアクリル酸との化合物1-2の反応は、化合物1-3を形成することができる。化合物1-3は、加熱した酢酸中で尿素と反応して、化合物1-4を生成することができる。化合物1-4を、HCl水溶液で処理して、中間体1-5を生成することができる。中間体1-5を、ヨウ素で処理し、その後、イミダゾールの存在下でPh3Pによって処理して、ヨード化合物1-6を生成することができ、又は中間体1-5を、CBr4で処理し、その後、Ph3Pで処理して、ブロモ化合物1-6を生成することができる。
【0048】
【0049】
置換基本単位2-7を調製するための方法を、スキーム2中で例証する。置換ベンズアルデヒド2-1[式中、R1、R2及びR3は、本明細書に記載されている通りであり得る]の、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド2-2との反応は、化合物2-3を生成することができる。グリニャール反応条件下でCH3MgBrと化合物2-3を反応させると、中間体2-4を生成することができる。ビス(ピナコラート)ジボロン及びパラジウム触媒を用いて、中間体2-5は、中間体2-4から合成することができる。アミン2-6は、強酸又はヨウ素を用いてt-ブチルスルフィニル基を除去することにより中間体2-5から調製することができる。ヘテロアリールカルボキサミド基本単位2-7は、メチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレートによりアミン2-6から直接合成することができる。
【0050】
【0051】
スキーム3に示す通り、基本単位3-4[式中、R4a及びR4bは、本明細書に記載されている通りである]は、水素化又はニトロ還元反応により化合物3-3から調製することができる。中間体化合物3-3は、SNAr反応又はバックワルド・ハートウィグ(Buchwald-Hartwing)クロスカップリング反応により2-ニトロ-5-ハロピリジン化合物3-1及び置換ピペラジン化合物3-2から調製することができる。
【0052】
【0053】
式4-5の中間体のための一般的な合成は、スキーム4に示されており、R1、R2、R3、R4a及びR4bは、本明細書に記載されている通りであり得る。中間体4-2は、基本単位2-7の4,6-ジクロロ(dicholo)ピリミジン4-1との鈴木反応によって調製することができる。中間体4-4は、置換2-アミノピリジン化合物3-4とのバックワルド・ハートウィグクロスカップリング反応によって化合物4-2から調製することができる。tert-ブチルオキシカルボニル保護基は、塩酸又はトリフルオロ酢酸を用いて開裂させて、基本単位4-5を生成することができる。
【0054】
【0055】
式5-4の標的化合物のための一般的な合成は、スキーム5に示されており、R1、R2、R3、R4a、R4b及びR5は、本明細書に記載されている通りであり得る。ヨード又はブロモ基本単位1-6は、ヨウ化ナトリウム及び塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを用いたアルキル化反応によって中間体4-5と反応して、標的化合物5-4を生成することができる。
【0056】
本開示の範囲は添付の特許請求の範囲において定義されるので、実施例セクション中で例証される合成スキーム及びある特定の例が、例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものと読み取るべきでないということを理解することができる。合成方法及びある特定の例のすべての代替物、改変及び等価物は、クレームの範囲内に含まれる。
【0057】
次の実施例は、例示的な目的のために用いることができ、本開示の範囲を狭くするとみなすべきでない。
【0058】
式(I)の例示的な化合物には、それだけには限らないが、以下の表1に示す化合物、及び薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。
【0059】
【実施例0060】
【0061】
分取HPLCを介して得られた最終化合物は、凍結乾燥を経て濃縮されてもよい。最終の例を、HPLC及びLCMSにより254nmで決定して、通常、純度≧95%まで精製した。1H NMRスペクトルを、Bruker Avance(商標)III 400MHz NMR分光計又はBruker Ascend(商標)500MHz NMR分光計で記録した。化学シフト(δ)を、内部参照として残留している非重水素化溶媒に対して百万分率(ppm)として報告した。
【0062】
[実施例1]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0063】
[実施例1A]
(S,E)-N-(4-ブロモ-2-メチルベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
5L反応器に、周囲温度でホウ酸トリイソプロピル(1.50L、6.53mol)、4-ブロモ-2-メチルベンズアルデヒド(1.00kg、5.02mol)及び(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(669g、5.53mol)を充てんした。混合物を80℃で12時間撹拌した。反応を、同じスケールで2回繰り返した。3バッチの合わせた反応混合物に水(10.0L)を加え、混合物を、酢酸エチル(4.0L×2)で抽出し、ブライン(5.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル(5.0L)中で2時間摩砕し、ろ過した。ろ過ケークを、石油エーテルで洗浄し、ケークを減圧下で乾燥して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 8.79 (s, 1H), 7.77 (d, J =6.4 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.43 (d, J =6.4 Hz, 1H), 2.59 (s, 3H), 1.27 (s, 9H) ppm.
【0064】
[実施例1B]
(S)-N-((R)-1-(4-ブロモ-2-メチルフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
50L反応器に、ジクロロメタン(20.0L)及び実施例1A(1.00kg、3.31mol)を充てんした。混合物を、-20℃で冷却した。CH3MgBr(テトラヒドロフラン中の3.0M、1.65L、4.96mol)を、-20℃で滴加した。次いで、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で冷却し、それに飽和NH4Cl水溶液(5.0L)を加えた。有機相を分離し、水性相を、ジクロロメタン(3.0L×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(5.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中で摩砕した。粗物質を、ろ過により単離し、石油エーテルで洗浄し、減圧下で乾燥した。同じ反応を5回繰り返して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.38-7.31 (m, 3H), 5.33 (d, J =5.2 Hz, 1H), 4.55 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 1.40 (d, J =5.2 Hz, 1H), 1.08 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z318.0、320.0(M+H)+。
【0065】
[実施例1C]
(S)-2-メチル-N-((R)-1-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド
5L反応器に、周囲温度で実施例1B(600g、1.89mol)、ジオキサン(3.6L)、ビス(ピナコラート)ジボロン(600g、2.36mol)、酢酸カリウム(370g、3.77mol)及びPd(dppf)Cl2([1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、23.0g、0.07mol)を充てんした。混合物を窒素で脱気し、窒素下にて85℃で8時間撹拌した。同じ反応を、同じスケールで4回繰り返した。5バッチの合わせた反応混合物を珪藻土によってろ過し、ろ過ケークを酢酸エチル(0.5L×3)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル及び酢酸エチルを用いてシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.58-7.38 (m, 3H), 5.31 (d, J =4.8 Hz, 1H), 4.60 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.40 (d, J =6.8 Hz, 1H), 1.27 (s, 12H), 1.08 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z366.2(M+H)+。
【0066】
[実施例1D]
(R)-1-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エタンアミン
3L反応器に、20℃で実施例1C(250g、680mmol)及び酢酸エチル(750mL)を充てんした。混合物を、0℃まで冷却した。混合物に、0℃で酢酸エチル(4M、750mL)中の塩化水素を加えた。反応混合物を、20℃で2時間撹拌した。混合物をろ過し、固体生成物を、酢酸エチル中で摩砕し、ろ過し、減圧下で乾燥して、塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): 8.62 (br s, 3 H), 7.52-7.60 (m, 3 H), 4.51-4.54 (br d, J = 5.2 Hz, 1 H), 2.35 (s, 3 H), 1.46 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.28 (s, 12 H) ppm.MS(ESI)m/z262.1(M+H)+。
【0067】
[実施例1E]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例1D(20g、77mmol)及びメチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(31.0g、168mmol)のエタノール(200mL)中溶液に、20℃でトリエチルアミン(64.0mL、459mmol)を加えた。混合物を65℃で16時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮してエタノールを除去した。水を、混合物に加え、混合物を、酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機層を、飽和塩化アンモニウム水溶液(1回)及びブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、粗物質を生成した。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル及び酢酸エチルで溶出して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.83 (d, J =7.7 Hz, 1H), 7.53 - 7.43 (m, 3H), 5.28 (五重線, J =7.1 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H), 1.45 (d, J =7.0 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 1.27 (s, 12H) ppm.MS(ESI)m/z414.3(M+H)+。
【0068】
[実施例1F]
4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)アニリン
3L反応器に、周囲温度で2-(4-アミノフェニル)エタン-1-オール(176g、1.28mol)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.8L)、イミダゾール(91.7g、1.35mol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(222g、1.48mol)を充てんした。混合物を、周囲温度で6時間撹拌した。混合物に酢酸エチル(500mL)及び水(300mL)を加えた。有機相を分離し、ブライン(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物を、(石油エーテル及び酢酸エチルで溶出して)フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z252.2(M+H)+。
【0069】
[実施例1G]
3-((4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)アミノ)プロパン酸
実施例1F(196g、0.78mol)を、3L反応器に充てんした。混合物に、トルエン(1.4L)及びアクリル酸(67.4g、0.94mol)を加えた。反応混合物を、窒素下で110℃で12時間撹拌した。混合物を、減圧下で乾燥するまで濃縮して、粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z324.2(M+H)+。
【0070】
[実施例1H]
4-(2,4-ジオキソテトラヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェネチルアセテート
粗実施例1G(252g、0.78mol))に、酢酸(1.8L)及び尿素(46.8g、0.78mol)を加えた。反応混合物を、窒素下で110℃で12時間撹拌し、周囲温度まで冷却した。混合物に、水(600mL)及び酢酸エチル(600mL)を加えた。有機相を分離し、水性相を、酢酸エチル(600mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下で乾燥するまで濃縮して粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z277.1(M+H)+。
【0071】
[実施例1I]
1-(4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)ジヒドロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
粗実施例1H(176g、0.63mol)に6N HCl水溶液(1.23L、7.39mol)を加え、混合物を、周囲温度で6時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で乾燥するまで濃縮して、残留物を、エタノール/酢酸エチル(250mL/250mL)で30分間摩砕した。本物質を、ろ過により単離し、真空下で乾燥して粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z235.1(M+H)+。
【0072】
[実施例1J]
1-(4-(2-ヨードエチル)フェニル)ジヒドロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
250mLフラスコに、実施例1I(10.0g、0.04mol)及びジクロロメタン(100mL)を充てんした。氷浴中で、ヨウ素(16.3g、0.06mol)を、少量ずつ加え、その後、Ph3P(16.8g、0.06mol)を少量ずつ加え、その後、イミダゾール(4.36g、0.06mol)を少量ずつ加えた。次いで、反応混合物を、周囲温度で3時間撹拌した。同じ反応を、並行して同じスケールで7回繰り返した。8バッチの反応混合物を合わせ、水(800mL)及び酢酸エチル(800mL)の混合物に注いだ。激しく撹拌した後、有機相を分離し、ろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.34 (s, 1H), 7.32-7.24 (m, 4H), 3.75 (m, 2H), 3.49 (m, 2H), 3.13 (m, 2H), 2.72 (m, 2H) ppm.MS(ESI)m/z345.0(M+H)+。
【0073】
[実施例1K]
tert-ブチル(S)-3-メチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
5-クロロ-2-ニトロピリジン(30g、189mmol)のトルエン(600mL)中溶液に、(S)-tert-ブチル3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(37.9g、189mmol)、リン酸カリウム(60.2g、284mmol)及び(R)-(+)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(5.89g、9.46mmol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、アルゴンを3回充てんし直し(backfilled)、酢酸パラジウム(II)(2.124g、9.46mmol)を20℃で1回で加えた。次いで、この槽を、排気し、再びアルゴンを3回充てんし直した。反応混合物を、90℃まで加温し、アルゴン雰囲気下で90℃で24時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、(0%~50%まで石油エーテル中のテトラヒドロフランで溶出した)シリカのフラッシュカラムにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 8.11-8.26 (m, 2 H), 7.42 (dd, J=9.38, 3.00 Hz, 1 H), 4.32 (br s, 1 H), 3.93 (br s, 1 H), 3.79 (br d, J=12.76 Hz, 2 H), 3.14-3.29 (m, 2 H), 3.06 (br s, 1 H), 1.42 (s, 9 H), 1.08 (d, J=6.63 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z323.2(M+H)+。
【0074】
[実施例1L]
tert-ブチル(S)-4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
Pd/C(10wt%、46.2g、43.4mmol)のテトラヒドロフラン(700mL)中懸濁液に、実施例1K(70g、217mmol)を加え、反応混合物を、水素(15psi)下で周囲温度で24時間撹拌した。同じ反応を、同じスケールで繰り返した。合わせた反応混合物を、珪藻土のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。本物質を、石油エーテル及び酢酸エチルで摩砕し、得られた固体をろ過し、ろ過ケークを真空下で乾燥して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.62 (d, J=2.63 Hz, 1 H), 7.20 (dd, J=8.76, 2.63 Hz, 1 H), 6.40 (d, J=8.76 Hz, 1 H), 5.56 (s, 2 H), 3.55 (br d, J=11.38 Hz, 1 H), 3.39 (br d, J=5.13 Hz, 2 H), 3.17 (br s, 2 H), 2.71 - 2.90 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H), 0.75 (d, J=6.25 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z293.2(M+H)+。
【0075】
[実施例1M]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-クロロピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
テトラヒドロフラン(400mL)中の実施例1E(10g、24.19mmol)及び4,6-ジクロロピリミジン(7.21g、48.4mmol)の混合物に、リン酸カリウム(10.27g、48.4mmol)の水(100mL)中溶液を20℃で加えた。混合物を窒素気流を用いて周囲温度で脱気し、混合物に、N2下で[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ-パラジウム(II)(0.885g、1.210mmol)を加えた。反応混合物を、80℃まで加熱し、2時間撹拌した。混合物を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中のテトラヒドロフランで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.93 (d, J=7.8 Hz, 1H), 9.07 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.09 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.63 (d, J=8.5 Hz, 1H), 5.33 (五重線, J=7.2 Hz, 1H), 2.48 - 2.47 (m, 1H), 2.47 (s, 2H), 1.50 (d, J=7.0 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z400.1(M+H)+。
【0076】
[実施例1N]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1L(25g、86mmol)の1,4-ジオキサン(500mL)中溶液に、実施例1M(34.2g、86mmol)、Cs2CO3(55.7g、171mmol)及び(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(4.95g、8.55mmol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、アルゴンを充てんし直し、そのプロセスを3回繰り返した。その後、(トリス(ジベンジリデン-アセトン)ジパラジウム(0))(3.91g、4.28mmol)を、アルゴン下で加えた。反応槽を、排気し、アルゴンを充てんし直し、そのプロセスを3回繰り返した。反応混合物を100℃まで加熱し、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中のテトラヒドロフランで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.02 (s, 1 H), 9.89 (d, J=7.88 Hz, 1 H), 8.71 (d, J=0.75 Hz, 1 H), 7.97 - 8.10 (m, 2 H), 7.79 - 7.88 (m, 2 H), 7.71 (br d, J=8.50 Hz, 1 H), 7.61 (d, J=8.63 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J=9.13, 2.88 Hz, 1 H), 5.33 (五重線, J=7.13 Hz, 1 H), 3.73 - 3.92 (m, 2 H), 3.60 (br d, J=11.51 Hz, 1 H), 3.31 (br s, 1 H), 3.16 (br d, J=11.88 Hz, 2 H), 2.88 - 3.01 (m, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (d, J=6.88 Hz, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.36 (s, 9 H), 0.88 (d, J=6.38 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z656.2(M+H)+。
【0077】
[実施例1O]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(2-メチル-4-(6-((5-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例1N(32g、48.8mmol)のジオキサン(300mL)中溶液に、塩酸塩(ジオキサン中の4N、300mL)を滴加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物をろ過して粗物質を単離し、これを真空下で乾燥した。粗物質を水(300mL)で希釈し、混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、pHを8に調整した。混合物を、酢酸エチルで(2回)抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.00 (s, 1 H), 9.88 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 8.70 (d, J=0.88 Hz, 1 H), 8.04 (br s, 1 H), 8.00 (d, J=2.89 Hz, 1 H), 7.79-7.89 (m, 2 H), 7.71 (br d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.61 (d, J=8.66 Hz, 1 H) 7.43 (dd, J=9.16, 2.89 Hz, 1 H) 5.33 (五重線, J=7.12 Hz, 1 H) 3.67-3.81 (m, 2 H), 3.67-3.81 (m, 1 H), 3.67-3.81 (m, 1 H), 3.08-3.17 (m, 1 H), 2.89-3.06 (m, 3 H), 2.74-2.89 (m, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (d, J=7.03 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.96 (d, J=6.53 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z556.2(M+H)+。
【0078】
[実施例1P]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例1O(24.7g、44.5mmol)のアセトニトリル(500mL)中溶液に、実施例1J(18.36g、53.3mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(46.6mL、267mmol)及びヨウ化ナトリウム(19.99g、133mmol)を20℃で加えた。次いで、反応混合物を、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、氷水に注ぎ、ろ過した。ろ過ケークを、酢酸エチル/テトラヒドロフランで(2回)摩砕した。本物質を、減圧下で乾燥して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.33 (s, 1 H), 9.99 (s, 1 H), 9.89 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 7.96 - 8.09 (m, 2 H), 7.80 - 7.87 (m, 2 H), 7.70 (br d, J=7.65 Hz, 1 H), 7.61 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J=9.10, 2.82 Hz, 1 H), 7.19 - 7.32 (m, 4 H), 5.33 (br t, J=7.28 Hz, 1 H), 3.86 (br d, J=6.65 Hz, 1 H), 3.76 (t, J=6.65 Hz, 2 H), 3.21 (br d, J=11.92 Hz, 1 H), 2.99 (br t, J=9.35 Hz, 1 H), 2.84 (br d, J=10.79 Hz, 1 H), 2.77 (br t, J=7.47 Hz, 2 H), 2.69 (br t, J=6.65 Hz, 3 H), 2.56 (br s, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 2.44 (br s, 1 H), 2.26 - 2.37 (m, 1 H), 1.51 (d, J=6.90 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.99 (d, J=6.27 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z772.2(M+H)+。
【0079】
[実施例2]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0080】
[実施例2A]
tert-ブチル(R)-3-メチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、(S)-tert-ブチル3-メチルピペラジン-1-カルボキシレートを(R)-tert-ブチル3-メチルピペラジン-1-カルボキシレートに置き換え、実施例1Kに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 8.13-8.24 (m, 2 H), 7.43 (dd, J=9.32, 3.06 Hz, 1 H), 4.32 (br s, 1 H), 3.85-4.03 (br s, 1 H), 3.79 (br d, J=12.88 Hz, 2 H), 2.97-3.30 (m, 3 H), 1.43 (s, 9 H), 1.08 (d, J=6.50 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z323.2(M+H)+。
【0081】
[実施例2B]
tert-ブチル(R)-4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、実施例1Kを実施例2Aに置き換え、実施例1Lに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.62 (d, J=2.63 Hz, 1 H), 7.20 (dd, J=8.76, 2.75 Hz, 1 H), 6.40 (d, J=8.76 Hz, 1 H), 5.54 (s, 2 H), 3.56 (br d, J=10.76 Hz, 1 H), 3.40 (br s, 2 H) 3.17 (br s, 2 H), 2.71 - 2.88 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H), 0.76 (d, J=6.13 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z293.1(M+H)+。
【0082】
[実施例2C]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、実施例1Lを実施例2Bに置き換え、実施例1Nに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.99 (s, 1 H), 9.87 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 8.70 (d, J=1.00 Hz, 1 H), 7.98 - 8.07 (m, 2 H), 7.79 - 7.88 (m, 2 H), 7.71 (br d, J=9.16 Hz, 1 H), 7.60 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.45 (dd, J=9.10, 2.82 Hz, 1 H), 5.33 (五重線, J=7.25 Hz, 1 H), 3.75 - 3.88 (m, 2 H), 3.56 - 3.65 (m, 1 H), 3.11 - 3.22 (m, 2 H), 2.90 (s, 1 H), 2.52 (br s, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (d, J=7.03 Hz, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.36 (s, 9 H), 0.89 (d, J=6.40 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z656.3(M+H)+。
【0083】
[実施例2D]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(2-メチル-4-(6-((5-((R)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例1Nを実施例2Cに置き換え、実施例1Oに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.97 (s, 1 H), 9.87 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 8.70 (d, J=1.00 Hz, 1 H), 8.03 (br s, 1 H), 7.98 (d, J=2.76 Hz, 1 H), 7.80 - 7.87 (m, 2 H), 7.69 (br d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.60 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.41 (dd, J=9.16, 2.89 Hz, 1 H), 5.26 - 5.40 (m, 1 H), 3.65 - 3.77 (m, 1 H), 3.01 - 3.15 (m, 1 H), 2.90 - 2.98 (m, 2 H), 2.84 - 2.90 (m, 1 H), 2.69 - 2.79 (m, 2 H), 2.52 (br d, J=1.88 Hz, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (d, J=6.90 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.96 (d, J=6.53 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z556.4(M+H)+。
【0084】
[実施例2E]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例1Oを実施例2Dに置き換え、実施例1Pに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.31 (br s, 1 H), 9.97 (s, 1 H), 9.87 (br d, J=6.02 Hz, 1 H), 8.70 (d, J=0.88 Hz, 1 H), 7.94 - 8.10 (m, 2 H), 7.78 - 7.89 (m, 2 H), 7.70 (br d, J=8.03 Hz, 1 H), 7.60 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.43 (dd, J=9.16, 2.89 Hz, 1 H), 7.18 - 7.32 (m, 4 H), 5.24 - 5.42 (m, 1 H), 3.81 - 3.90 (m, 1 H), 3.76 (t, J=6.65 Hz, 2 H), 3.16 - 3.26 (m, 1 H), 2.93 - 3.05 (m, 1 H), 2.84 (br d, J=10.67 Hz, 1 H), 2.73 - 2.81 (m, 2 H), 2.67 - 2.73 (m, 3 H), 2.53 - 2.62 (m, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 2.44 (br s, 1 H), 2.27 - 2.36 (m, 1 H), 1.51 (d, J=7.03 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.99 (d, J=6.40 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z772.2(M+H)+。
【0085】
[実施例3]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0086】
[実施例3A]
tert-ブチル4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、(S)-tert-ブチル3-メチルピペラジン-1-カルボキシレートをtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートに置き換え、実施例1Kに用いた手順に従って調製した。MS(ESI)m/z309.2(M+H)+。
【0087】
[実施例3B]
tert-ブチル4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、実施例1Kを実施例3Aに置き換え、実施例1Lに用いた手順に従って調製した。MS(ESI)m/z279.3(M+H)+。
【0088】
[実施例3C]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-(1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、実施例1Lを実施例3Bに置き換え、実施例1Nに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.03 (s, 1H), 9.90 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.06 (br d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.85 - 7.80 (m, 2H), 7.71 (br d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 2.9, 9.1 Hz, 1H), 5.38 - 5.28 (m, 1H), 3.46 (br d, J = 4.8 Hz, 4H), 3.12 - 3.02 (m, 4H), 2.47 (s, 3H), 1.51 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.42 (s, 9H), 1.37 - 1.34 (m, 9H) ppm.MS(ESI)m/z642.4(M+H)+。
【0089】
[実施例3D]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(2-メチル-4-(6-((5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例1Nを実施例3Cに置き換え、実施例1Oに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.01 (s, 1H), 9.89 (d, J=7.8 Hz, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.14-7.95 (m, 2H), 7.89-7.77 (m, 2H), 7.71 (br d, J=8.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.46 (dd, J=2.9, 9.1 Hz, 1H), 5.33 (五重線, J=7.1 Hz, 1H), 3.19-3.11 (m, 4H), 3.05-2.96 (m, 4H), 2.47 (s, 3H), 1.51 (d, J=7.0 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z542.3(M+H)+。
【0090】
[実施例3E]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例1Oを実施例3Dに置き換え、実施例1Pに用いた手順に従って調製した。1H NMR (500 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.34 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 9.88 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.08-8.00 (m, 2H) 7.85-7.80 (m, 2H), 7.69 (brs, 1H), 7.63-7.58 (m, 1H), 7.47 (dd, J = 9.1, 3.0 Hz, 1H), 7.30-7.21 (m, J = 8.3 Hz, 4H), 5.33 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 3.76 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.14 (brs, 4H), 2.79 (brs, 2H), 2.70 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.61 (brs, 5H), 2.47 (s, 3H), 1.51 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z758.3(M+H)+。
【0091】
[実施例4]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0092】
[実施例4A]
(E)-2-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)-N,N-ジメチルエテン-1-アミン
N,N-ジメチルホルムアミド(2.4L)中の2-フルオロ-4-メチル-1-ニトロベンゼン(1.50kg、9.63mol)及びN,N-ジメチルホルムアミド-ジメチルアセタール(1.72kg、14.5mol、1.92L)の混合物を、脱気し、窒素で3回パージし、混合物を窒素下にて120℃(内部読み取り)で2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮した。粗物質を、石油エーテル/tert-ブチルメチルエーテル(1:1、10.0L)で摩砕し、ろ過した。ろ過ケークを、石油エーテル/tert-ブチルメチルエーテル(1:1、2.0L)で洗浄し、真空下で乾燥して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.92 (t, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.03 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 6.89-6.84 (m, 2H), 5.05 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 2.95 (s, 6H) ppm.
【0093】
[実施例4B]
2-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)エタン-1-オール
水性塩酸(4M、7.50L)に、周囲温度で実施例4A(1.00kg、4.76mol)を少量ずつ加えた。混合物を、周囲温度で12時間撹拌し、2-メチルテトラヒドロフラン(3.0L×7)で抽出した。合わせた有機相をブライン(5.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を、減圧下で体積が10Lまで濃縮させ、氷浴中で冷却した。混合物に、氷浴中で水素化ホウ素ナトリウム(214g、5.68mol)を少量ずつ加え、反応混合物を、周囲温度で16時間撹拌した。混合物を、氷浴中で冷却し、0.5N塩酸水溶液(5.0L)でクエンチした。有機相を分離し、ブライン(3.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗表題化合物を生成した。
【0094】
[実施例4C]
tert-ブチル(3-フルオロ-4-ニトロフェネトキシ)ジメチルシラン
テトラヒドロフラン(4.4L)中の粗実施例4B(660g、3.56mol)及びイミダゾール(364g、5.34mol)の混合物に、周囲温度で部分に分けてtert-ブチルジメチルシリルクロリド(804g、5.34mol、654mL)を加えた。混合物を、周囲温度で12時間撹拌し、水(3.0L)を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3.0L)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(5.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル及び酢酸エチル)にかけて、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.92-8.05 (m, 1H), 7.11-7.20 (m, 2H), 3.79-3.92 (m, 2H), 2.80-2.93 (m, 2H), 0.80 (s, 9H), -0.09 (s, 6H) ppm.
【0095】
[実施例4D]
4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-2-フルオロアニリン
Pd/C(2.346g、2.204mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中懸濁液に、25℃で実施例4C(5.5g、18.37mmol)を加えた。得られた混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を、減圧下にて40℃で濃縮して、表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z270.1(M+H)+。
【0096】
[実施例4E]
3-((4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-2-フルオロフェニル)アミノ)プロパン酸
実施例4D(2.5g、9.28mmol)のトルエン(25mL)中溶液に、アクリル酸(0.802g、11.13mmol)を加えた。反応混合物を、120℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を、20℃まで冷却し、減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z342.1(M+H)+。
【0097】
[実施例4F]
4-(2,4-ジオキソテトラヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-3-フルオロフェネチルアセテート
実施例4E(3g、8.78mmol)の酢酸(30mL)中溶液に、尿素(1.583g、26.4mmol)を加えた。反応混合物を、120℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を、20℃まで冷却し、減圧下で濃縮した。粗物質を、分取HPLC(Phenomenex Luna(登録商標)C18カラム、50*250mm、10μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸を用いる)により精製して、表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z295.1(M+H)+。
【0098】
[実施例4G]
1-(2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)ジヒドロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例4F(1.1g、3.74mmol)の水(1mL)中溶液に、20℃で濃塩酸(37%、1mL)を加えた。反応混合物を、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z253.1(M+H)+。
【0099】
[実施例4H]
1-(4-(2-ブロモエチル)-2-フルオロフェニル)ジヒドロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
実施例4G(0.3g、1.189mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に、CBr4(0.789g、2.379mmol)を加え、その後、0℃でPh3P(0.624g、2.379mmol)を加えた。反応混合物を、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で40℃で濃縮した。残留物を、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル、0~100%)により精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.47 (s, 1H), 7.37 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.27 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 7.16 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.77 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.70 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.16 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.71 (t, J = 6.8 Hz, 2H) ppm.MS(ESI)m/z315.0、317.0(M+H)+。
【0100】
[実施例4I]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例1O(80mg、0.14mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液に、実施例4H(54mg、0.17mmol)、ヨウ化ナトリウム(65mg、0.43mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(56mg、0.43mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却してろ過した。ろ液を、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を生成した(Gilson GX-281 system、Waters(商標)Xbridge C18カラム、30×100mm×10μm、移動相として水及びアセトニトリル中の10mM炭酸水素アンモニウム)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.46 (s, 1 H), 9.99 (s, 1 H), 9.89 (d, J=7.89 Hz, 1 H), 8.70 (d, J=0.66 Hz, 1 H), 7.96 - 8.08 (m, 2 H), 7.80 - 7.86 (m, 2 H), 7.66 - 7.75 (m, 1 H), 7.60 (d, J=8.77 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J=9.21, 2.85 Hz, 1 H), 7.33 (t, J=8.11 Hz, 1 H), 7.24 (dd, J=11.62, 1.53 Hz, 1 H), 7.15 (dd, J=8.11, 1.53 Hz, 1 H), 5.33 (t, J=7.34 Hz, 1 H), 3.82 - 3.91 (m, 1 H), 3.69 (t, J=6.69 Hz, 2 H), 3.21 (br d, J=11.84 Hz, 1 H), 2.98 (br t, J=9.32 Hz, 1 H), 2.77 - 2.83 (m, 2 H), 2.69 - 2.72 (m, 2 H), 2.53 - 2.64 (m, 2 H), 2.52 (d, J=1.75 Hz, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 2.41 - 2.46 (m, 1 H), 2.26 - 2.32 (m, 1 H), 1.51 (d, J=7.02 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.98 (d, J=6.36 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+)m/z790.3(M+H)+。
【0101】
[実施例5]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例2D(100mg、0.18mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に、実施例4H(68mg、0.22mmol)、ヨウ化ナトリウム(81mg、0.54mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(70mg、0.54mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却してろ過した。ろ液を、逆相分取HPLCに直接かけて、表題化合物を単離した(Gilson GX-281 system、Phenomenex Luna(登録商標)C18カラム、30×75mm×3μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.45 (s, 1 H), 9.99 (s, 1 H), 9.88 (d, J=7.82 Hz, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 7.98 - 8.07 (m, 2 H), 7.79 - 7.87 (m, 2 H), 7.66 - 7.74 (m, 1 H), 7.60 (d, J=8.68 Hz, 1 H), 7.40 - 7.48 (m, 1 H), 7.33 (t, J=8.19 Hz, 1 H), 7.21 - 7.28 (m, 1 H), 7.15 (d, J=8.31 Hz, 1 H), 5.24 - 5.44 (m, 1 H), 3.76 - 3.97 (m, 1 H), 3.69 (t, J=6.66 Hz, 2 H), 3.13 - 3.26 (m, 2 H), 2.94 - 3.06 (m, 1 H), 2.77 - 2.92 (m, 3 H), 2.71 (t, J=6.66 Hz, 3 H), 2.56 - 2.65 (m, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 2.33 - 2.46 (m, 2 H), 1.51 (d, J=6.85 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.98 (d, J=6.24 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z790.2(M+H)+。
【0102】
[実施例6]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0103】
[実施例6A]
(S)-tert-ブチル3-エチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
5-フルオロ-2-ニトロピリジン(1.00g、7.04mmol)及び(S)-tert-ブチル3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.96g、9.15mmol)をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、炭酸カリウム(2.92g、21.11mmol)を加えた。反応混合物を、70℃で15時間撹拌し、減圧下で濃縮して、溶媒の大部分を除去した。残留物を、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 8.21 (d, J=2.88 Hz, 1 H), 8.15 (d, J=9.26 Hz, 1 H), 7.42 (dd, J=9.32, 2.94 Hz, 1 H), 3.89 - 4.17 (m, 3 H), 3.82 (br d, J=12.88 Hz, 1 H), 2.90 - 3.27 (m, 3 H), 1.47 - 1.69 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H), 0.90 (br s, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z337.0(M+H)+。
【0104】
[実施例6B]
(S)-tert-ブチル4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例6A(2.0g、5.95mmol)をメタノール(200mL)に溶解した。混合物に、Pd/C(10wt%、0.32g、3.0mmol)を加えた。反応混合物を、周囲温度で2日間水素バルーンを用いて水素化した。混合物を珪藻土でろ過し、固体ケークをメタノール及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.59 (br d, J=2.01 Hz, 1 H), 7.12 - 7.21 (m, 1 H), 6.40 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 5.46 (br s, 2 H), 3.47 - 3.76 (m, 2 H), 2.98 - 3.23 (m, 2 H), 2.85 (br d, J=4.64 Hz, 2 H), 2.52 (br d, J=1.88 Hz, 1 H), 1.41 (s, 9 H), 1.35 (s, 1 H), 1.25 (br s, 1 H), 0.77 (br t, J=7.22 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z307.2(M+H)+。
【0105】
[実施例6C]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1E(300mg、0.75mmol)の1,4-ジオキサン(6mL)中溶液に、実施例6B(253mg、0.83mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、34mg、0.038mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、43mg、0.075mmol)及び炭酸セシウム(489mg、1.50mmol)を加えた。混合物を、アルゴン気流を用いて脱気し、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.98 (s, 1 H), 9.89 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 7.96 - 8.07 (m, 2 H), 7.80 - 7.86 (m, 2 H), 7.66 - 7.74 (m, 1 H), 7.60 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.38 - 7.48 (m, 1 H), 5.33 (五重線, J=7.09 Hz, 1 H), 3.90 (br d, J=11.04 Hz, 2 H), 3.60 (br dd, J=6.53, 3.01 Hz, 1 H), 3.12 - 3.29 (m, 2 H), 2.89 - 3.05 (m, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 1.61 (s, 1 H), 1.51 (br d, J=6.90 Hz, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.36 (s, 9 H), 1.21 - 1.31 (m, 1 H), 0.86 (br s, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z670.4(M+H)+。
【0106】
[実施例6D]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(4-(6-((5-((S)-2-エチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例6C(150mg、0.22mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)中溶液に、塩酸塩(ジオキサン中の4N、3mL)を周囲温度で滴加した。混合物を2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、水(5mL)で希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で処理してpHを8に調整した。混合物を、酢酸エチル(15mL、3回)で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.94 (s, 1 H), 9.89 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 7.92 - 8.05 (m, 2 H), 7.80 - 7.87 (m, 2 H), 7.63 - 7.72 (m, 1 H), 7.60 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.37 (dd, J=9.03, 2.89 Hz, 1 H), 5.33 (五重線, J=7.09 Hz, 1 H), 3.45 (br dd, J=6.71, 2.45 Hz, 1 H), 3.09 - 3.17 (m, 1 H), 2.80 - 2.94 (m, 4 H), 2.66 - 2.74 (m, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 1.75 (ddd, J=13.61, 9.47, 7.40 Hz, 1 H), 1.51 (d, J=6.90 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 1.22 - 1.30 (m, 1 H), 0.79 (t, J=7.47 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z570.4(M+H)+。
【0107】
[実施例6E]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例6D(480mg、0.79mmol)、実施例1J(327mg、0.95mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(277μL、1.58mmol)及びヨウ化カリウム(657mg、3.96mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(8mL)中で混合した。混合物を80℃で4時間撹拌した。混合物を冷却し、数滴のギ酸でクエンチし、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Gemini(登録商標)AXA C18カラム、30×250mm×5μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (500 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.89 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 9.38 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 11.8, 2.1 Hz, 2H), 7.84 - 7.78 (m, 2H), 7.64 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 9.1, 3.1 Hz, 1H), 7.28 - 7.18 (m, 4H), 5.34 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 3.73 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.53 (s, 1H), 3.24 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 3.10 - 3.02 (m, 1H), 2.79 (ddt, J = 14.1, 7.8, 3.6 Hz, 4H), 2.68 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.60 (s, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.41 - 2.27 (m, 3H), 1.73 - 1.59 (m, 1H), 1.52 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 0.79 (t, J = 7.4 Hz, 3H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z786.7(M+H)+。
【0108】
[実施例7]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)-3-フルオロフェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例6D(120mg、0.21mmol)、実施例4H(100mg、0.32mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(184μL、1.05mmol)及びヨウ化ナトリウム(95mg、0.63mmol)を、アセトニトリル(2.4mL)中で混合した。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を冷却し、数滴のギ酸でクエンチし、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Luna(登録商標)C18カラム、30×75mm×3μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.46 (s, 1 H), 9.96 (s, 1 H), 9.89 (d, J=7.75 Hz, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 7.94 - 8.05 (m, 2 H), 7.80 - 7.86 (m, 2 H), 7.64 - 7.73 (m, 1 H), 7.60 (d, J=8.63 Hz, 1 H), 7.37 - 7.44 (m, 1 H), 7.33 (t, J=8.19 Hz, 1 H), 7.21 - 7.28 (m, 1 H), 7.08 - 7.17 (m, 1 H), 5.25 - 5.41 (m, 1 H), 3.68 (t, J=6.63 Hz, 2 H), 3.57 - 3.65 (m, 1 H), 3.00 (br t, J=10.57 Hz, 1 H), 2.86 - 2.95 (m, 2 H), 2.81 (br d, J=6.38 Hz, 2 H), 2.71 (br t, J=6.63 Hz, 2 H), 2.60 - 2.65 (m, 1 H), 2.47 (br s, 5 H), 2.21 - 2.31 (m, 2 H), 1.62 - 1.76 (m, 1 H), 1.51 (d, J=7.00 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 1.22 - 1.31 (m, 1 H), 0.81 (br t, J=7.38 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z804.3(M+H)+。
【0109】
[実施例8]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0110】
[実施例8A]
(R)-tert-ブチル3-エチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、(S)-tert-ブチル3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートを(R)-tert-ブチル3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートに置き換え、実施例6Aに用いた手順に従って調製した。LC/MS(ESI+):m/z337.0(M+H)+。
【0111】
[実施例8B]
(R)-tert-ブチル4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、実施例6Aを実施例8Aに置き換え、実施例6Bに用いた手順に従って調製した。LC/MS(ESI+):m/z307.2(M+H)+。
【0112】
[実施例8C]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート
表題化合物を、実施例6Bを実施例8Bに置き換え、実施例6Cに用いた手順に従って調製した。LC/MS(ESI+):m/z670.1(M+H)+。
【0113】
[実施例8D]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(4-(6-((5-((R)-2-エチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例6Cを実施例8Cに置き換え、実施例6Dに用いた手順に従って調製した。LC/MS(ESI+):m/z570.7(M+H)+。
【0114】
[実施例8E]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-エチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例6Dを実施例8Dに置き換え、実施例6Eに用いた手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ 9.95 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.33-7.28 (m, 4H), 5.34 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 3.75 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.40-3.32 (m, 4H), 3.28 (s, 2H), 3.20 (s, 1H), 3.10-3.03 (m, 1H), 3.00-2.90 (m, 3H), 2.69 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.46-2.45 (m, 5H), 1.52 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 0.83 (t, J = 7.1 Hz, 3H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z786.9(M+H)+。
【0115】
[実施例9]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0116】
[実施例9A]
tert-ブチル3,3-ジメチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
5-ブロモ-2-ニトロピリジン(5.68g、28.0mmol)及びtert-ブチル3,3-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(3.0g、14.00mmol)を、ジオキサン(150mL)に溶解した。混合物に、炭酸セシウム(9.12g、28.0mmol)、BINAP((R/S)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、0.872g、1.40mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.282g、1.40mmol)を加えた。反応混合物を、窒素雰囲気下にて120℃で15時間撹拌した。混合物を冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカクロマトグラフィー(酢酸エチル及びヘキサン)を用いて精製して表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+)m/z336.9(M+H)+。
【0117】
[実施例9B]
tert-ブチル4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3,3-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例9A(1.1g、3.27mmol)を、メタノール(100mL)に溶解した。混合物に、Pd/C(10wt%、0.17g、1.64mmol)を加えた。反応混合物を、周囲温度で2日間水素バルーンを用いて水素化した。混合物を珪藻土でろ過し、ろ過ケークをメタノール及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+)m/z307.2(M+H)+。
【0118】
[実施例9C]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-(1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3,3-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(6.5mL)中の実施例9B(400mg、1.30mmol)、実施例1E(522mg、1.30mmol)、ラセミBINAP-Pd-G3(CAS2151915-22-7、130mg、0.13mmol)及び炭酸セシウム(1276mg、3.92mmol)の撹拌した混合物を、Biotage(商標)Initiator+マイクロ波シンセサイザーにおいて105℃で2時間加熱した。混合物を冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンによりシリカクロマトグラフィーを用いて精製して、表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+):m/z670.6(M+H)+。
【0119】
[実施例9D]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-((5-(2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例9C(845mg、1.26mmol)を、1,4-ジオキサン(3mL)に溶解し、混合物に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、1.6mL)を加えた。混合物を、周囲温度で2時間撹拌し、減圧下で濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+):m/z570.7(M+H)+。
【0120】
[実施例9E]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例9D(200mg、0.35mmol)、実施例1J(145mg、0.42mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(123μL、0.70mmol)及びヨウ化カリウム(291mg、1.76mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(3.5mL)中で混合した。混合物を80℃で4時間撹拌した。混合物を冷却し、数滴のギ酸でクエンチし、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Gemini(登録商標)AXA C18カラム、30×250mm×5μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (500 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.25 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 9.81 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.68 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 7.80-7.76 (m, 2H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.27 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 3.70 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.01 (s, 2H), 2.70 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.64 (td, J = 6.7, 2.6 Hz, 2H), 2.50 - 2.43 (m, 4H), 2.41 (s, 3H), 2.37-2.27 (m, 2H), 1.45 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.29 (s, 9H), 0.94 (s, 6H).LC/MS(ESI+)m/z786.9(M+H)+。
【0121】
[実施例10]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0122】
[実施例10A]
1-ブロモ-2-フルオロ-4-ヨード-3-メチルベンゼン
5L反応器に、無水テトラヒドロフラン(2.0L)中の1-ブロモ-2-フルオロ-4-ヨードベンゼン(288g、0.96mol)を充てんした。混合物を、-60℃まで冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン中の2M、526mL、1.05mol)を加え、混合物を、-60℃で1時間撹拌した。ヨードメタン(163g、1.15mol)を加え、混合物を-60℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(1.0L)で希釈し、メチルtert-ブチルエーテル(1.0L×3)で抽出した。同じ反応を、同じスケールで3回繰り返した。4バッチの合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.46 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.10 (t, J =7.6 Hz, 1H), 2.41 (s, 3H) ppm.
【0123】
[実施例10B]
4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルベンズアルデヒド
5L反応器に実施例10A(360g、1.14mol)及び無水テトラヒドロフラン(1.8L)を充てんし、-60℃まで冷却した。iPrMgCl(イソプロピルマグネシウムクロリド、テトラヒドロフラン中の2M、572mL、1.14mol)を加え、混合物を-60℃で1時間撹拌した。混合物に、モルホリン-4-カルバルデヒド(158g、1.37mol)を-60℃で加えた。混合物を、0~5℃で4時間撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(0.8L)で希釈し、メチルtert-ブチルエーテル(1.7L×3)で抽出した。同じ反応を同じスケールで2回繰り返した。3バッチの合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 10.18 (s, 1H), 7.54 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J =8.4 Hz, 1H), 2.60 (s, 3H) ppm.
【0124】
[実施例10C]
(S,E)-N-(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
3L反応器に、周囲温度でホウ酸トリイソプロピル(840g、4.47mol)及び粗実施例10B(746g、3.44mol)及び(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(542g、4.47mol)を充てんした。混合物を70℃で12時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、水(3.0L)で希釈し、ジクロロメタン(2.0L×2)で抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、メチルtert-ブチルエーテルで摩砕して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 8.78 (s, 1H), 7.60 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.49 (t, J =7.6 Hz, 1H), 2.55 (s, 3 H), 1.28 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z320.0、322.0(M+H)+。
【0125】
[実施例10D]
(S)-N-((R)-1-(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
10L反応器に、無水ジクロロメタン(4.4L)及び実施例10C(220g、0.69mol)を充てんした。混合物を、0℃まで冷却した。CH3MgBr(テトラヒドロフラン中の3.0M 573mL、1.72mol)を0℃で滴加した。次いで、混合物を周囲温度で12時間撹拌した。反応混合物を、氷浴中で冷却し、混合物に飽和NH4Cl水溶液(2.2L)を加えた。有機相を分離し、水性相を、ジクロロメタン(2.2L×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中で摩砕し、ろ過し、減圧下で乾燥して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド): δ ppm 7.52 (t, J =8.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J =8.8 Hz, 1H), 5.43 (d, J =5.6 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 2.26 (s, 3H), 1.42 (d, J =6.8 Hz, 3H), 1.09 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z336.0、338.0(M+H)+。
【0126】
[実施例10E]
(S)-N-((R)-1-(3-フルオロ-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
実施例10D(10.5g、30.0mmol)の1,4-ジオキサン(200mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(9.13g、36.0mmol)及び酢酸カリウム(5.88g、60.0mmol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、窒素を3回充てんし直し、次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体(2.45g、3.00mmol)を加えた。反応槽を、排気し、再度窒素を3回充てんし直した。反応混合物を、100℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル及び酢酸エチルにより溶出することによりシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.38 - 7.48 (m, 1H), 7.24 (d, J =7.75 Hz, 1H), 5.35 - 5.43 (m, 1H), 4.53 - 4.69 (m, 1H), 2.19 (d, J =2.00 Hz, 3H), 1.42 (d, J =6.63 Hz, 3H), 1.28 (s, 12H), 1.08 (s, 9H) ppm.
【0127】
[実施例10F]
(R)-1-(3-フルオロ-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エタン-1-アミン
実施例10E(20.0g、52.2mmol)のメチルtert-ブチルエーテル(400mL)中溶液に、塩酸塩(メチルtert-ブチルエーテル中の4N、400mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、3時間撹拌し、減圧下で濃縮し、メチルtert-ブチルエーテル(50mL)中で摩砕した。固体をろ過により単離し、真空下で乾燥して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ 8.63 (br s, 3H), 7.56 - 7.49 (m, 1H), 7.43 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.57 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 2.22 (d, J = 1.8 Hz, 3H), 1.46 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.29 (s, 12H) ppm.MS(ESI)m/z280.0(M+H)+。
【0128】
[実施例10G]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(3-フルオロ-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例10F(7.00g、21.1mmol)及びメチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(9.70g、52.7mmol)のエタノール(140mL)中溶液に、20℃でトリエチルアミン(23.5mL、169mmol)を加えた。混合物を60℃で12時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮してエタノールを除去した。粗物質を、石油エーテル及び酢酸エチルで溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.90 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 7.38 - 7.22 (m, 1H), 5.28 (br t, J = 7.2 Hz, 1H), 2.33 - 2.18 (m, 3H), 1.46 (br d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.42 - 1.19 (m, 21H) ppm.MS(ESI)m/z432.2(M+H)+。
【0129】
[実施例10H]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
テトラヒドロフラン(120mL)中の実施例10G(2.80g、6.49mmol)及び4,6-ジクロロピリミジン(1.93g、12.98mmol)の混合物に、リン酸カリウム(2.76g、12.98mmol)の水(30mL)中溶液を20℃で加えた。窒素気流を用いて周囲温度で混合物を脱気し、混合物に、N2下で[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ-パラジウム(II)(265mg、0.33mmol)を加えた。反応混合物を、80℃まで加熱し、2時間撹拌した。混合物を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中のテトラヒドロフランで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.93 (d, J=7.8 Hz, 1H), 9.07 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.09 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.63 (d, J=8.5 Hz, 1H), 5.33 (五重線, J=7.2 Hz, 1H), 2.48 - 2.47 (m, 1H), 2.47 (s, 2H), 1.50 (d, J=7.0 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z418.2(M+H)+。
【0130】
[実施例10I]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-2-フルオロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例10H(500mg、1.20mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)中溶液に、実施例1L(385mg、1.32mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、55mg、0.06mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、69mg、0.12mmol)及び炭酸セシウム(780mg、2.39mmol)を加えた。混合物を、窒素気流を用いて脱気し、窒素雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+):m/z674.4(M+H)+。
【0131】
[実施例10J]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(3-フルオロ-2-メチル-4-(6-((5-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例10I(150mg、0.223mmol)のメチルtert-ブチルエーテル(2mL)中溶液に、塩酸塩(メチルtert-ブチルエーテル中の4N、2mL)を滴加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して塩酸塩として表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+):m/z574.4(M+H)+。
【0132】
[実施例10K]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例10J(100mg、0.17mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に、実施例1J(54mg、0.17mmol)、ヨウ化カリウム(145mg、0.87mmol)及び炭酸カリウム(48mg、0.35mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、ろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Gilson GX-281 system、Phenomenex Gemini(登録商標)NX C18カラム、30×75mm×3μm、移動相として水及びアセトニトリル中の10mM炭酸水素アンモニウム)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.33 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 9.93 (br d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.96 (br d, J = 2.4 Hz, 2H), 7.81 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.72 (br d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.43 (br d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.32-7.17 (m, 4H), 5.33 (五重線, J = 6.9 Hz, 1H), 3.92-3.83 (m, 1H), 3.76 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.26-3.16 (m, 1H), 2.98 (br t, J = 9.5 Hz, 1H), 2.85 (br d, J = 10.6 Hz, 1H), 2.81-2.74 (m, 2H), 2.69 (br t, J = 6.7 Hz, 3H), 2.61 - 2.54 (m, 2H), 2.46-2.42 (m, 1H), 2.35 (d, J = 1.8 Hz, 3H), 2.31-2.25 (m, 1H), 1.52 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H), 0.98 (d, J = 6.3 Hz, 3H) ppm.MS(ESI)m/z790.3(M+H)+。
【0133】
[実施例11]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0134】
[実施例11A]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-(1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-2-フルオロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例10H(2.40g、5.46mmol)の1,4-ジオキサン(80mL)中溶液に、実施例3B(1.67g、6.00mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、250mg、0.27mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、316mg、0.32mmol)及び炭酸セシウム(3.56g、10.91mmol)を加えた。混合物を、窒素気流を用いて脱気し、窒素雰囲気下で100℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.15 (s, 1H), 9.96 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.08 - 7.94 (m, 2H), 7.87 - 7.68 (m, 2H), 7.52 - 7.40 (m, 2H), 5.41 - 5.29 (m, 1H), 3.48 (br d, J = 4.8 Hz, 4H), 3.14 - 3.03 (m, 4H), 2.37 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 1.53 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.43 (s, 9H), 1.38 (s, 9H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z660.4(M+H)+。
【0135】
[実施例11B]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(3-フルオロ-2-メチル-4-(6-((5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例11A(3.15g、4.30mmol)の1,4-ジオキサン(40mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、40mL)を滴加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して塩酸塩として表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.11 (s, 1H), 10.06 - 9.88 (m, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.00 (br s, 2H), 7.87 - 7.64 (m, 2H), 7.45 (br d, J = 7.1 Hz, 2H), 5.35 (br t, J = 6.9 Hz, 1H), 3.04 (br s, 4H), 2.86 (br s, 4H), 2.37 (br s, 3H), 1.53 (br d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z560.3(M+H)+。
【0136】
[実施例11C]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-3-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例11B(130mg、0.21mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液に、実施例1J(86mg、0.25mmol)、臭化ナトリウム(129mg、1.25mmol)及び炭酸水素ナトリウム(70mg、0.84mmol)を加えた。混合物を80℃にて12時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、ろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Gemini(登録商標)NX C18カラム、40×80mm×3μm、移動相として水及びアセトニトリル中の10mM炭酸水素アンモニウム)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.34 (s, 1 H), 10.09 (s, 1 H), 9.94 (br d, J=7.63 Hz, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 8.01 (br s, 1 H), 7.81 (br t, J=8.07 Hz, 1 H), 7.39-7.49 (m, 2 H), 7.21-7.30 (m, 3 H), 5.33 (br t, J=6.94 Hz, 1 H), 3.76 (t, J=6.63 Hz, 2 H), 3.14 (br s, 5 H), 2.74-2.82 (m, 2 H), 2.69 (br t, J=6.69 Hz, 2 H), 2.52-2.64 (m, 6 H), 2.35 (d, J=1.50 Hz, 3 H), 1.51 (br d, J=6.88 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H) ppm.MS(ESI)m/z776.3(M+H)+。
【0137】
[実施例12]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0138】
[実施例12A]
4-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルベンズアルデヒド
2Lフラスコに、1-ブロモ-2-フルオロ-4-ヨード-5-メチルベンゼン(25g、79mmol)及び無水テトラヒドロフラン(400mL)を充てんし、-25℃まで冷却した。iPrMgCl(イソプロピルマグネシウムクロリド、テトラヒドロフラン中の1.3M、67.2mL、87mmol)を加え、混合物を、-25℃で30分間撹拌した。混合物に、無水N,N-ジメチルホルムアミド(7.38mL、96mmol)を-25℃で加えた。混合物を放置して、0~5℃まで加温し、1.5時間撹拌した。反応混合物を、1N塩酸(200mL)で慎重にクエンチし、混合物を酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 10.21 (d, J =1.7 Hz, 1H), 7.58-7.54 (m, 2H), 2.64 (s, 3H) ppm.
【0139】
[実施例12B]
(S,E)-N-(4-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1Lフラスコに、実施例12A(17.00g、78.0mmol)及びジクロロメタン(340mL)を充てんした。この撹拌した溶液に、周囲温度で(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(10.44g、86.0mmol)及びチタン(IV)エトキシド(35.7g、157mmol)を加えた。混合物を、16時間撹拌し、次いで、水(36mL)によって0℃でクエンチした。混合物をろ過し、ろ過ケークを、ジクロロメタンで(300mLを用いて3回)洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗物質をヘキサン(50mL)中で30分間摩砕した。固体をろ過により単離し、ヘキサンで洗浄し、高真空下で乾燥して表題化合物を生成した。
【0140】
[実施例12C]
(S)-N-((R)-1-(4-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2Lフラスコに、無水ジクロロメタン(400mL)及び実施例12B(21.6g、67.5mmol)を充てんした。混合物を、0℃まで冷却した。CH3MgBr(テトラヒドロフラン中の3.0M、56.2mL、169mmol)を0℃で滴加した。次いで、混合物を、0℃で5時間撹拌した。反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(500mL)でクエンチした。有機相を分離し、水性相を、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を単離した。
MS(ESI)m/z335.9、337.9(M+H)+。
【0141】
[実施例12D]
(S)-N-((R)-1-(5-フルオロ-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
実施例12C(15.0g、43.3mmol)の1,4-ジオキサン(300mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(13.19g、51.9mmol)及び酢酸カリウム(8.49g、87.0mmol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、窒素を3回充てんし直し、次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体(3.53g、4.33mmol)を加えた。反応槽を、排気し、再度窒素を3回充てんし直した。反応混合物を、100℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル及び酢酸エチルにより溶出することによりシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.51 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J=10.5 Hz, 1H), 4.80 (br d, J=3.4 Hz, 1H), 3.49 (br d, J=2.6 Hz, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.50 - 1.44 (m, 3H), 1.36 (s, 12H), 1.23 - 1.19 (m, 9H) ppm.
【0142】
[実施例12E]
(R)-1-(5-フルオロ-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エタン-1-アミン
実施例12D(3.00g、7.83mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、30mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、24時間撹拌し、減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z280.0(M+H)+。
【0143】
[実施例12F]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(5-フルオロ-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例12E(3.80g、13.61mmol)及びメチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(3.76g、20.42mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)中溶液に、2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(6.16mL、40.80mmol)を周囲温度で加えた。反応混合物を85℃で16時間撹拌し、冷却し、減圧下で濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルで溶出し、表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z432.2(M+H)+。
【0144】
[実施例12G]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-クロロピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例10Gを実施例12Fに置き換え、実施例10Hに用いた手順に従って調製した。MS(ESI)m/z418.2(M+H)+。
【0145】
[実施例12H]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-(1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(6.5mL)中の実施例3B(406mg、1.46mmol)、実施例12G(435mg、1.04mmol)、ラセミBINAP-Pd-G3(CAS2151915-22-7、99mg、0.1mmol)及び炭酸セシウム(746mg、2.29mmol)の撹拌した混合物を、窒素雰囲気下で110℃で4時間加熱した。混合物を冷却し、ろ過し、減圧下で濃縮し、残留物を、酢酸エチル及びヘキサンによりシリカクロマトグラフィーを用いて精製して、表題化合物を単離した。LC/MS(ESI+):m/z660.4(M+H)+。
【0146】
[実施例12I]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(5-フルオロ-2-メチル-4-(6-((5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物を、実施例11Aを実施例12Hに置き換え、実施例11Bに用いた手順に従って調製した。MS(ESI)m/z560.4(M+H)+。
【0147】
[実施例12J]
3-tert-ブチル-N-{(1R)-1-[4-(6-{[5-(4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル]エチル}-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例12I(100mg、0.17mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.7mL)中溶液に、実施例1J(81mg、0.24mmol)、ヨウ化カリウム(139mg、0.84mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(205μL、1.17mmol)を加えた。混合物を80℃にて2時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、ろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Gemini(登録商標)AXA C18カラム、30×250mm×5μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (500 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.34 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 9.87 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.04-7.95 (m, 2H) 7.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.72 (brs, 1H), 7.50-7.45 (m, 1H), 7.43 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 7.30-7.20 (m, 4H), 5.29 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 3.76 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.14 (brs, 4H), 2.81 (brs, 2H), 2.70 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.67-2.55 (m, 3H), 2.42 (s, 3H), 1.51 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z776.8(M+H)+。
【0148】
[実施例13]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(プロパン-2-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0149】
[実施例13A]
tert-ブチル(S)-3-イソプロピル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
ジメチルスルホキシド(10mL)中の5-フルオロ-2-ニトロピリジン(467mg、3.28mmol)の混合物に、N2下で20℃で(S)-tert-ブチル3-イソプロピルピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、2.190mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.147mL、6.57mmol)を加えた。反応混合物を、120℃で16時間撹拌した。混合物を冷却し、氷水(30mL)に注いだ。混合物中の物質を、ろ過により収集した。本物質を、酢酸エチル及び石油エーテルの混合物中で摩砕して、スラリを形成させた。スラリをろ過し、ろ過ケークを真空下で乾燥して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 8.25 (d, J=3.00 Hz, 1 H), 8.11 (d, J=9.26 Hz, 1 H), 7.46 (dd, J=9.38, 3.00 Hz, 1 H), 4.02-4.13 (m, 1 H), 3.92 (br d, J=12.26 Hz, 3 H), 3.18 (br s, 1 H), 2.84-3.10 (m, 2 H), 2.01-2.15 (m, 1 H), 1.41 (s, 9 H), 1.05 (br d, J=4.38 Hz, 3 H), 0.73 (d, J=6.75 Hz, 3 H) ppm.
【0150】
[実施例13B]
tert-ブチル(S)-4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-イソプロピルピペラジン-1-カルボキシレート
酢酸エチル(12mL)中のPd/C(10wt%、121mg、0.114mmol)の混合物に、周囲温度で実施例13A(400mg、1.142mmol)を加えた。混合物を、水素バルーンを用いて2時間水素化した。混合物を珪藻土のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.66 (br s, 1 H), 7.21 (br d, J=7.75 Hz, 1 H), 6.39 (d, J=8.75 Hz, 1 H), 5.49 (br s, 2 H), 3.35-3.65 (m, 2 H), 2.90 (br s, 3 H), 2.51-2.54 (m, 2 H), 1.77 (br s, 1 H), 1.41 (s, 9 H), 0.70 - 0.91 (m, 6 H) ppm.
【0151】
[実施例13C]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-イソプロピルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1M(200mg、0.49mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)中溶液に、実施例13B(233mg、0.73mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、44mg、0.049mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、28mg、0.049mmol)及び炭酸セシウム(316mg、0.97mmol)を加えた。混合物を、窒素気流を用いて脱気し、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、テトラヒドロフラン及び石油エーテルを用いてシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+):m/z684.5(M+H)+。
【0152】
[実施例13D]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(4-(6-((5-((S)-2-イソプロピルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例13C(280mg、0.372mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)中溶液に、塩酸塩(ジオキサン中の4N、3mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、1時間撹拌し、減圧下で濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.89 (s, 1 H), 8.67 (s, 1 H), 7.97 (br d, J=2.64 Hz, 2 H), 7.77 - 7.88 (m, 1 H), 7.74 - 7.89 (m, 1 H), 7.55 - 7.69 (m, 2 H), 7.21 - 7.43 (m, 2 H), 5.33 (五重線, J=7.12 Hz, 1 H), 3.21 - 3.31 (m, 3 H), 3.00 - 3.11 (m, 1 H), 2.83 - 2.92 (m, 1 H), 2.62 - 2.82 (m, 3 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (d, J=6.90 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.89 (d, J=6.53 Hz, 3 H), 0.75 (d, J=6.78 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z584.5(M+H)+。
【0153】
[実施例13E]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(プロパン-2-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例13D(220mg、0.34mmol)のアセトニトリル(5mL)中溶液に、実施例1J(175mg、0.51mmol)、ヨウ化ナトリウム(153mg、1.02mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(296μL、1.70mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、ろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Waters(商標)Xbridge C18カラム、30×100mm×10μm、移動相として水及びアセトニトリル中の10mM炭酸水素アンモニウム)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.35 (s, 1 H), 9.86-10.00 (m, 2 H), 8.68 (s, 1 H), 8.00 (br d, J=2.63 Hz, 2 H), 7.82 (br s, 2 H), 7.60 (br d, J=8.55 Hz, 2 H), 7.36-7.47 (m, 1 H), 7.25 (q, J=8.70 Hz, 4 H), 5.27-5.39 (m, 1 H), 3.69-3.80 (m, 2 H), 3.38-3.43 (m, 2 H), 3.09-3.20 (m, 1 H), 2.88 (br s, 1 H), 2.73-2.79 (m, 2 H), 2.67-2.71 (m, 2 H), 2.52 (d, J=1.75 Hz, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 2.28-2.35 (m, 2 H), 2.17-2.26 (m, 2 H), 1.51 (d, J=7.02 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 0.89 (d, J=6.58 Hz, 3 H), 0.76 (d, J=6.80 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z800.5(M+H)+。
【0154】
[実施例14]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{2-クロロ-4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0155】
[実施例14A]
(S,E)-N-(4-ブロモ-2-クロロベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1Lフラスコに、周囲温度でホウ酸トリイソプロピル(139g、0.74mol)、4-ブロモ-2-クロロベンズアルデヒド(125g、0.57mol)及び(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(90g、0.74mol)を充てんした.混合物を70℃で12時間撹拌した。水(0.5L)を加え、混合物を、ジクロロメタン(0.5L×3)で抽出し、ブライン(1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。反応を、同じスケールで3回繰り返した。全4バッチから得られた粗物質を合わせて表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z322.0、324.0(M+H)+。
【0156】
[実施例14B]
(S)-N-((R)-1-(4-ブロモ-2-クロロフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
5L反応器に、ジクロロメタン(3.5L)及び実施例14A(173g、0.53mol)を充てんした。混合物を、0℃で冷却した。CH3MgBr(テトラヒドロフラン中の3.0M、268mL、0.80mol)を0℃で滴加した。混合物を、周囲温度で12時間撹拌した。反応混合物を、氷浴中で冷却し、混合物に飽和NH4Cl水溶液(1.6L)を加えた。有機相を分離し、水性相を、ジクロロメタン(0.5L×3)で抽出した。反応を、同じスケールで4回繰り返した。合わせた有機層をブライン(5.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中で摩砕して、粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z338.0、340.0(M+H)+。
【0157】
[実施例14C]
(S)-N-((R)-1-(2-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
実施例14B(15.0g、40.0mmol)の1,4-ジオキサン(150mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(10.1g、40.0mmol)及び酢酸カリウム(7.82g、80.0mmol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、窒素を3回充てんし直し、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体(3.26g、4.0mmol)を加えた。反応槽を、排気し、再度窒素を3回充てんし直した。反応混合物を、110℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル及び酢酸エチルにより溶出することによりシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z386.2(M+H)+。
【0158】
[実施例14D]
(R)-1-(2-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エタン-1-アミン
実施例14C(8.00g、20.7mmol)の1,4-ジオキサン(100mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、100mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、2時間撹拌し、減圧下で濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z282.3(M+H)+。
【0159】
[実施例14E]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(2-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例14D(6.60g、20.8mmol)及びメチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(7.64g、41.5mmol)のエタノール(180mL)中溶液に、20℃でトリエチルアミン(17.4mL、125mmol)を加えた。混合物を80℃で12時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮してエタノールを除去した。粗物質を、石油エーテル及び酢酸エチルで溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.95 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.65 - 7.56 (m, 3H), 5.42 (五重線, J=7.2 Hz, 1H), 1.48 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H), 1.28 (s, 12H) ppm.MS(ESI)m/z434.4(M+H)+。
【0160】
[実施例14F]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-クロロピリミジン-4-イル)-2-クロロフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
1,4-ジオキサン(111mL)及び水(28mL)中の実施例14E(6.00g、13.83mmol)及び4,6-ジクロロピリミジン(2.47g、16.60mmol)の混合物に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ-パラジウム(II)(1.13g、1.38mmol)及びリン酸カリウム(5.87g、27.7mmol)を加えた。混合物を、窒素気流を用いて周囲温度で脱気し、窒素雰囲気下で80℃で1時間撹拌した。混合物を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、ヘキサン中の酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.02 (br d, J=7.63 Hz, 1H), 9.11 (d, J=0.63 Hz, 1H), 8.39 (d, J=0.75Hz, 1H), 8.31 (d, J=1.63 Hz, 1H), 8.23 (dd, J=8.25, 1.63 Hz, 1H), 7.74 (d, J=8.25 Hz, 1H), 5.47 (br t, J=7.19 Hz, 1H), 1.53 (d, J=7.00 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H) ppm.MS(ESI)m/z420.1、422.1(M+H)+。
【0161】
[実施例14G]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-クロロフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例14H(288mg、0.69mmol)の1,4-ジオキサン(6.4mL)中溶液に、実施例1L(240mg、0.82mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、38mg、0.04mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、40mg、0.07mmol)及び炭酸セシウム(447mg、1.37mmol)を加えた。混合物を、窒素気流を用いて脱気し、窒素雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.97-10.11 (m, 2H), 7.92-8.11 (m, 4H), 7.72 (d, J=8.11 Hz, 2H), 7.44 (dd, J=9.12, 2.80 Hz, 1H), 5.46 (m, 1H), 3.75-3.89 (m, 2H), 3.61 (br d, J=11.09 Hz, 1H), 3.17 (br d, J=11.80 Hz, 3H), 2.90-3.00 (m, 1H), 1.53 (d, J=7.03 Hz, 3H), 1.41 (s, 9H), 1.37 (s, 9H), 0.88 (d, J=6.32 Hz, 3H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z676.4(M+H)+。
【0162】
[実施例14H]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(2-クロロ-4-(6-((5-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例14G(258mg、0.38mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、3mL)を滴加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、水(10mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にして、pHを8に調整した。混合物を、ジクロロメタン(10mL、3回)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.08 (br s, 2H), 8.72 (s, 1H), 7.91-8.10 (m, 4H), 7.71 (br d, J=8.13 Hz, 2H), 7.40 (br dd, J=9.13, 2.75 Hz, 2H), 5.46 (br s, 1H), 3.64-3.80 (m, 1H), 3.01-3.15 (m, 1H), 2.79-2.98 (m, 3H), 2.62-2.77 (m, 2H), 1.53 (br d, J=6.88 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H), 0.95 (d, J=6.38 Hz, 3H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z576.3(M+H)+。
【0163】
[実施例14I]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{2-クロロ-4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例14H(85mg、0.15mmol)のアセトニトリル(2mL)中溶液に、実施例1J(102mg、0.30mmol)、ヨウ化ナトリウム(66mg、0.44mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(129μL、0.74mmol)を加えた。混合物を80℃にて16時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、ろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Luna(登録商標)C18カラム、30×75mm×3μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.34 (s, 1 H), 9.97-10.13 (m, 2 H), 8.73 (s, 1 H), 7.91-8.11 (m, 4 H), 7.72 (br d, J=8.13 Hz, 2 H), 7.47 (br d, J=8.00 Hz, 1 H), 7.20-7.33 (m, 4 H), 5.46 (五重線, J=7.10 Hz, 1 H), 3.80 - 3.95 (m, 1 H), 3.76 (t, J=6.63 Hz, 2 H), 3.16-3.26 (m, 2 H), 2.95-3.10 (m, 2 H), 2.57-2.93 (m, 8 H), 1.53 (d, J=7.00 Hz, 3 H), 1.37 (s, 9 H), 1.00 (br d, J=6.00 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z792.2(M+H)+。
【0164】
[実施例15]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0165】
[実施例15A]
(R)-1-ベンジル4-tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート
(R)-tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.5g、6.94mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)中溶液に、20℃で炭酸ナトリウム(2.205g、20.81mmol)の水(6.00mL)中溶液を加えた。クロロギ酸ベンジル(1.775g、10.40mmol)を、0℃で滴加した。反応混合物を、酢酸エチルで(3回)抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中の酢酸エチルを用いてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.28-7.39 (m, 5 H), 5.09 (s, 2 H), 4.82 (br t, J=4.63 Hz, 1 H), 3.97 (br d, J=13.63 Hz, 1 H), 3.80 (br d, J=12.76 Hz, 2 H), 3.34-3.49 (m, 2 H), 2.68-3.07 (m, 4 H), 1.99 (s, 1 H), 1.40 (s, 9 H), 1.17 (t, J=7.07 Hz, 1 H) ppm.MS(ESI)m/z295.2(M-tBu+H)+。
【0166】
[実施例15B]
(R)-1-ベンジル4-tert-ブチル2-(メトキシメチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート
実施例15A(2.0g、5.71mmol)を、ジクロロメタン(40mL)に溶解し、混合物を、0℃まで冷却した。混合物に、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(4.89g、22.83mmol)を1回で加え、次いで、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(3.38g、22.83mmol)を5分間にわたってゆっくりと加えた。混合物を、0℃で30分間撹拌し、放置して20℃まで加温し、1時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで(5回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中の酢酸エチルを用いてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.27-7.40 (m, 4 H), 5.01-5.17 (m, 2 H), 4.18 (br d, J=0.88 Hz, 1 H), 3.68-3.97 (m, 3 H), 3.32 (d, J=2.26 Hz, 2 H), 3.24 (br s, 3 H), 2.68-3.04 (m, 3 H), 1.40 (s, 9 H) ppm.
【0167】
[実施例15C]
tert-ブチル(R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート
Pd/C(10wt%、0.38g、0.357mmol)の酢酸エチル(26mL)中懸濁液に、実施例15B(1.3g、3.57mmol)を加えた。反応混合物を、周囲温度で16時間水素バルーンを用いて水素化した。混合物を珪藻土のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 3.65-3.87 (m, 2 H), 3.26 (s, 3 H), 3.20-3.22 (m, 1 H), 3.22 (d, J=6.02 Hz, 1 H), 2.83 (br d, J=11.80 Hz, 1 H), 2.59-2.77 (m, 2 H), 2.46-2.56 (m, 2 H), 2.30 (br s, 1 H), 1.40 (s, 9 H) ppm.
【0168】
[実施例15D]
(R)-tert-ブチル3-(メトキシメチル)-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート
ジメチルスルホキシド(16mL)中の5-フルオロ-2-ニトロピリジン(740mg、5.21mmol)の混合物に、周囲温度で実施例15C(800mg、3.47mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.820mL、10.42mmol)を加えた。反応混合物を、120℃まで加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水に注ぎ、混合物を、酢酸エチルで(2回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル中の酢酸エチルを用いてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 8.64 (d, J=2.88 Hz, 1 H), 8.44 (d, J=8.88 Hz, 1 H), 8.22 (d, J=3.00 Hz, 1 H), 8.16 (d, J=9.26 Hz, 1 H), 8.04 (dd, J=8.94, 2.81 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J=9.26, 3.00 Hz, 1 H), 4.34 (br s, 1 H), 3.96-4.07 (m, 1 H), 3.90 (br d, J=1.63 Hz, 1 H), 3.80 (br d, J=12.88 Hz, 1 H), 3.36 - 3.48 (m, 2 H), 3.32 (s, 1 H), 3.23 (s, 5 H), 1.42 (s, 9 H) ppm.MS(ESI)m/z353.3(M+H)+。
【0169】
[実施例15E]
(R)-tert-ブチル4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート
Pd/C(10wt%、362mg、0.341mmol)の酢酸エチル(36mL)中懸濁液に、実施例15D(1.2g、3.41mmol)を加えた。反応混合物を、周囲温度で16時間水素バルーンを用いて水素化した。反応混合物を珪藻土のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.62 (d, J=2.63 Hz, 1 H), 7.21 (dd, J=8.76, 2.50 Hz, 1 H), 6.40 (d, J=8.76 Hz, 1 H), 5.51 (br s, 2 H), 3.39-3.69 (m, 3 H), 3.01-3.18 (m, 5 H), 2.72-2.94 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H) ppm.
【0170】
[実施例15F]
tert-ブチル(R)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1E(300mg、0.75mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)中溶液に、実施例15E(363mg、1.13mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、69mg、0.075mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、43mg、0.075mmol)及び炭酸セシウム(489mg、1.50mmol)を加えた。混合物を、アルゴン気流を用いて脱気し、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.02 (s, 1 H), 9.91 (d, J=7.89 Hz, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 8.02 (br d, J=2.85 Hz, 1 H), 7.79 - 7.87 (m, 2 H), 7.65 - 7.74 (m, 1 H), 7.60 (d, J=8.55 Hz, 1 H), 7.46 (dd, J=9.21, 2.63 Hz, 1 H), 7.25 - 7.35 (m, 1 H), 5.24 - 5.39 (m, 1 H), 3.69 - 4.00 (m, 3 H), 3.24 - 3.33 (m, 2 H), 3.20 (br s, 5 H), 2.89 - 3.10 (m, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (d, J=6.80 Hz, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.36 (s, 9 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z686.5(M+H)+。
【0171】
[実施例15G]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(4-(6-((5-((R)-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例15F(450mg、0.66mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)中溶液に、塩酸塩(ジオキサン中の4N、3mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、1時間撹拌し、減圧下で(under reduced)濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.97 (s, 1 H), 9.91 (br d, J=8.11 Hz, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 7.95 - 8.00 (m, 1 H), 7.80 - 7.86 (m, 2 H), 7.55 - 7.70 (m, 2 H), 7.38 - 7.43 (m, 1 H), 7.27 - 7.34 (m, 1 H), 5.27 - 5.38 (m, 1 H), 3.67 - 3.81 (m, 2 H), 3.56 (s, 6 H), 3.51 - 3.61 (m, 1 H), 3.34 (s, 3 H), 3.14 - 3.20 (m, 3 H), 3.12 - 3.20 (m, 1 H), 2.92 - 3.05 (m, 1 H), 2.90 - 3.03 (m, 1 H), 2.78 - 2.86 (m, 1 H), 2.65 - 2.74 (m, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 1.51 (br d, J=6.80 Hz, 3 H), 1.33 - 1.39 (m, 9 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z586.4(M+H)+。
【0172】
[実施例15H]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2R)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-メチルフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例15G(130mg、0.22mmol)、実施例1J(115mg、0.33mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(194μL、1.11mmol)及びヨウ化ナトリウム(100mg、0.66mmol)を、アセトニトリル(5mL)中で混合した。混合物を80℃にて16時間撹拌した。混合物を冷却し、数滴のギ酸でクエンチし、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Phenomenex Luna(登録商標)C18カラム、30×75mm×3μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%ギ酸)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.33 (s, 1 H), 9.96 (s, 1 H), 9.88 (br d, J=7.65 Hz, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 8.00 (br d, J=2.38 Hz, 2 H), 7.76-7.91 (m, 2 H), 7.64-7.73 (m, 1 H), 7.60 (br d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.44 (br dd, J=8.91, 2.64 Hz, 1 H), 7.18-7.31 (m, 4 H), 5.33 (五重線, J=7.09 Hz, 1 H), 3.85-3.96 (m, 1 H), 3.76 (t, J=6.65 Hz, 2 H), 3.51-3.68 (m, 1 H), 3.29 (br s, 1 H), 3.17 (s, 3 H), 2.85-3.08 (m, 3 H), 2.73-2.82 (m, 2 H), 2.69 (br t, J=6.65 Hz, 2 H), 2.51-2.63 (m, 3 H), 2.47 (s, 3 H), 2.17-2.34 (m, 2 H), 1.51 (br d, J=6.90 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H) ppm.MS(ESI)m/z802.3(M+H)+。
【0173】
[実施例16]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0174】
[実施例16A]
(S,E)-N-(4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
500mLフラスコに、4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(10.00g、39.5mmol)及びジクロロメタン(100mL)を充てんした。撹拌した混合物に、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(6.23g、51.4mmol)を加え、次いで、周囲温度でチタン(IV)エトキシド(18.03g、79.0mmol)を加えた。混合物を30℃で12時間撹拌し、酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)でクエンチした。混合物をろ過し、有機相を分離した。水性相を、酢酸エチル(100mL、3回)で抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 8.89 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.09 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.91 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.79 (d, J=8.4 Hz, 1H), 1.31-1.21 (m, 9H) ppm.
【0175】
[実施例16B]
(S)-N-((R)-1-(4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
250mLフラスコに、無水トルエン(60mL)及び実施例16A(5.40g、15.16mmol)を充てんした。混合物を、-5℃まで冷却した。CH3MgBr(テトラヒドロフラン中の3.0M、10.1mL、30.3mmol)を滴加した。次いで、混合物を0℃で3時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液(120mL)を加えて反応をクエンチした。有機相を分離し、水性相を、酢酸エチル(30mL、3回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、酢酸エチル及び石油エーテルを用いてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド): δ ppm 7.92 (dd, J=8.50, 1.75 Hz, 1 H), 7.81 (d, J=1.88 Hz, 1 H), 7.74 (d, J=8.50 Hz, 1 H), 5.63 (d, J=4.50 Hz, 1 H), 4.69 (五重線, J=5.78 Hz, 1 H), 1.44 (d, J=6.63 Hz, 3 H), 1.06 (s, 9 H) ppm.MS(ESI)m/z372.0、374.0(M+H)+。
【0176】
[実施例16C]
(S)-N-((R)-1-(2-トリフルオロメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
実施例16B(1.00g、2.69mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(853mg、3.36mmol)及び酢酸カリウム(527mg、5.37mmol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、窒素を3回充てんし直し、次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体(197mg、0.27mmol)を加えた。反応槽を、排気し、再度窒素を3回充てんし直した。反応混合物を、80℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル及び酢酸エチルにより溶出することによりシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 7.93 (br d, J=6.58 Hz, 1 H), 7.71 - 7.89 (m, 2 H), 5.62 (br d, J=3.73 Hz, 1 H), 4.66 - 4.82 (m, 1 H), 1.45 (br d, J=6.14 Hz, 3 H), 1.30 (s, 9 H), 1.06 (br d, J=2.19 Hz, 12 H) ppm.MS(ESI)m/z420.2(M+H)+。
【0177】
[実施例16D]
(R)-1-(2-トリフルオロメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エタン-1-アミン
実施例16C(900mg、2.15mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、10mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、1時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): 8.94 (br s, 3 H), 8.01 - 8.15 (m, 2 H), 7.93 (s, 1 H), 4.52 (br d, J=4.75 Hz, 1 H), 1.54 (d, J=6.63 Hz, 3 H), 1.31 (s, 12 H) ppm.MS(ESI)m/z316.2(M+H)+。
【0178】
[実施例16E]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(2-トリフルオロメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例16D(360mg、1.02mmol)及びメチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(471mg、2.56mmol)のエタノール(8mL)中溶液に、20℃でトリエチルアミン(622mg、6.14mmol)を加えた。混合物を60℃で16時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮してエタノールを除去した。粗物質を、石油エーテル及び酢酸エチルで溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.04 (d, J=7.23 Hz, 1 H), 7.93 - 8.00 (m, 1 H), 7.84 - 7.92 (m, 2 H), 5.40 (五重線, J=6.91 Hz, 1 H), 1.49 (d, J=6.80 Hz, 3 H), 1.36 (s, 9 H), 1.30 (s, 12 H) ppm.MS(ESI)m/z468.2(M+H)+。
【0179】
[実施例16F]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-クロロピリミジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
テトラヒドロフラン(10mL)中の実施例16E(230mg、0.49mmol)及び4,6-ジクロロピリミジン(147mg、0.98mmol)の混合物に、リン酸カリウム(209mg、0.98mmol)の水(2.5mL)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ-パラジウム(II)(22mg、0.03mmol)中溶液を加えた。混合物を、窒素気流を用いて周囲温度で脱気し、窒素雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、ヘキサン中の酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.10 (br d, J=7.23 Hz, 1 H), 9.14 (s, 1 H), 8.52 - 8.59 (m, 2 H), 8.49 (s, 1 H), 8.06 (d, J=8.11 Hz, 1 H), 5.45 (br t, J=6.91 Hz, 1 H), 1.55 (d, J=6.80 Hz, 3 H), 1.37 (d, J=1.32 Hz, 9 H) ppm.MS(ESI)m/z454.1(M+H)+。
【0180】
[実施例16G]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例16F(170mg、0.38mmol)の1,4-ジオキサン(4mL)中溶液に、実施例1L(138mg、0.45mmol)、Pd2(dba)3(CAS52409-22-0、21mg、0.022mmol)、XantPhos(CAS161265-03-8、22mg、0.037mmol)及び炭酸セシウム(244mg、0.75mmol)を加えた。混合物を、窒素気流を用いて脱気し、窒素雰囲気下で100℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、酢酸エチル及び石油エーテルを用いて、シリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.24 (br s, 1 H), 10.10 (d, J=7.23 Hz, 1 H), 8.78 (s, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 8.29 (br d, J=8.33 Hz, 1 H), 7.99 - 8.07 (m, 2 H), 7.67 - 7.78 (m, 1 H), 7.49 (br dd, J=8.99, 2.41 Hz, 1 H), 7.25 - 7.35 (m, 1 H), 5.45 (br t, J=7.13 Hz, 1 H), 3.77 - 3.92 (m, 2 H), 3.56 - 3.69 (m, 1 H), 3.26 - 3.37 (m, 1 H), 3.19 (br d, J=11.18 Hz, 2 H), 2.91 - 3.01 (m, 1 H), 1.56 (br d, J=6.80 Hz, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.37 (s, 9 H), 0.89 (d, J=6.58 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z710.4(M+H)+。
【0181】
[実施例16H]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(2-トリフルオロメチル-4-(6-((5-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例16G(100mg、0.14mmol)のメタノール(20mL)中溶液に、塩酸塩(メタノール中の4N、20mL)を滴加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 9.99 - 10.17 (m, 2 H), 8.75 (s, 1 H), 8.35 (s, 1 H), 8.28 (br d, J=8.25 Hz, 1 H), 7.93 - 8.18 (m, 3 H), 7.65 - 7.78 (m, 1 H), 7.41 (dd, J=9.13, 2.75 Hz, 1 H), 7.22 - 7.35 (m, 1 H), 5.45 (五重線, J=6.69 Hz, 1 H), 3.68 - 3.78 (m, 1 H), 3.18 - 3.35 (m, 1 H), 3.01 - 3.12 (m, 1 H), 2.81 - 2.98 (m, 3 H), 2.66 - 2.77 (m, 2 H), 1.55 (br d, J=6.88 Hz, 3 H), 1.37 (s, 9 H), 0.96 (d, J=6.38 Hz, 3 H) ppm.LC/MS(ESI+):m/z610.3(M+H)+。
【0182】
[実施例16I]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例16H(63mg、0.11mmol)のアセトニトリル(2mL)中溶液に、実施例1J(56mg、0.16mmol)、ヨウ化ナトリウム(65mg、0.43mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(56μL、0.32mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、ろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した(Waters(商標)Xbridge C18カラム、30×100mm×10μm、移動相として水及びアセトニトリル中の10mM炭酸水素アンモニウム)。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.34 (br s, 1 H), 10.10 (s, 2 H), 8.75 (s, 1 H), 8.35 (s, 1 H), 8.28 (br d, J=8.25 Hz, 1 H), 8.10 (br s, 1 H), 8.02 (br d, J=10.38 Hz, 2 H), 7.72 (br s, 1 H), 7.39 - 7.54 (m, 1 H), 7.17 - 7.33 (m, 4 H), 5.45 (br d, J=5.88 Hz, 1 H), 3.88 (br d, J=5.13 Hz, 1 H), 3.76 (br t, J=6.57 Hz, 2 H), 3.22 (br d, J=11.88 Hz, 1 H), 2.99 (br t, J=9.38 Hz, 1 H), 2.86 (br d, J=10.76 Hz, 1 H), 2.78 (br t, J=7.32 Hz, 2 H), 2.66 - 2.73 (m, 4 H), 2.44 (br d, J=11.63 Hz, 2 H), 2.31 (br d, J=11.63 Hz, 1 H), 1.56 (br d, J=6.75 Hz, 3 H), 1.37 (s, 9 H), 0.99 (br d, J=6.25 Hz, 3 H) ppm.MS(ESI)m/z826.4(M+H)+。
【0183】
[実施例17]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-フルオロフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
【0184】
[実施例17A]
(S,E)-N-(4-ブロモ-2-フルオロベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1L反応器に、周囲温度でホウ酸トリイソプロピル(243g、1.29mol)、4-ブロモ-2-フルオロベンズアルデヒド(250g、1.23mol)及び(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(179g、1.48mol)を充てんした。混合物を70℃で12時間撹拌した。反応混合物に、水(500mL)を加え、混合物を、ジクロロメタン(500mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 8.82 (s, 1H), 7.81-8.92 (m, 1H), 7.30-7.47 (m, 2H), 1.26 (s, 9H) ppm.
【0185】
[実施例17B]
(S)-N-((R)-1-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
5L反応器に、無水ジクロロメタン(3.0L)及び実施例16A(150g、0.49mol)を充てんした。混合物を、0℃まで冷却した。CH3MgBr(テトラヒドロフラン中の3.0M、245mL、0.73mol)を滴加した。混合物を放置して、周囲温度まで加温し、12時間撹拌し、次いで、飽和NH4Cl水溶液(1.0L)を加えて反応をクエンチした。有機相を分離し、水性相を、ジクロロメタン(1.0L、3回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.21-7.28 (m, 3H), 4.73-4.90 (m, 1H), 3.33 (d, J=4.03 Hz, 1H), 1.56 (d, J=6.85 Hz, 3H), 1.20 (s, 9H) ppm.
【0186】
[実施例17C]
(R)-1-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)エタン-1-アミン
1L反応器に、実施例17B(87.0g、0.27mol)及びメタノール(870mL)を充てんした。0℃での撹拌した溶液に、塩酸塩(メタノール中の4N、435mL、1.74mol)を加えた。反応混合物を、0℃で2時間撹拌し、減圧下で乾燥するまで濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 8.80 (s, 3H), 7.59-7.76 (m, 2H), 7.53 (dd, J=8.38, 1.41 Hz, 1H), 4.41-4.63 (m, 1H), 1.44-1.57 (m, 3H) ppm.
【0187】
[実施例17D]
tert-ブチル(R)-(1-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)エチル)カルバメート
3L反応器に実施例17C(65.0g、0.30mol)、テトラヒドロフラン(650mL)及び水(650mL)を充てんした。0℃での撹拌した溶液に、水酸化ナトリウム(35.8g、0.89mol)及び二炭酸(decarbonate)ジ-tert-ブチル(78.1g、0.36mol)を加えた。反応を放置して、周囲温度まで加温し、2時間撹拌した。混合物を、水(1.0L)で希釈し、混合物を、酢酸エチル(1.0L、3回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、酢酸エチル及び石油を用いてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ ppm 7.18-7.39 (m, 3H), 4.88-4.95 (m, 1H), 1.28-1.49 (m, 12H) ppm.
【0188】
[実施例17E]
tert-ブチル(R)-(1-(2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)カルバメート
実施例17D(76.0g、0.24mol)の1,4-ジオキサン(760mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(72.8g、0.29mol)及び酢酸カリウム(46.9g、0.48mol)を20℃で加えた。反応槽を、排気し、窒素を3回充てんし直し、次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体(17.5g、0.02mol)を加えた。反応槽を、排気し、再度窒素を3回充てんし直した。反応混合物を100℃まで加熱し、窒素雰囲気下で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、珪藻土のパッドでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、石油エーテル及び酢酸エチルにより溶出することによりシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.54 (d, J = 7.50 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 11.03 Hz, 1H), 7.28 - 7.32 (m, 1H), 4.99 (s, 2H), 1.42 (s, 12H), 1.34 (s, 12H) ppm.
【0189】
[実施例17F]
(R)-1-(2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エタン-1-アミン
実施例17E(1030mg、2.15mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、14mL)を周囲温度で滴加した。混合物を、3時間撹拌し、減圧下で濃縮して塩酸塩として粗表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): 8.68 (br s, 3H), 7.64-7.72 (m, 1H), 7.56 (d, J=7.58 Hz, 1H), 7.40 (d, J=10.64, 1H), 4.62 (br s, 1H), 1.52 (d, J=6.85 Hz, 3H), 1.31 (s, 12H) ppm.MS(ESI)m/z249.2(M+H)+。
【0190】
[実施例17G]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例17F(850mg、2.82mmol)及びメチル3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキシレート(779mg、4.23mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に、周囲温度で1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU、1.28mL、8.46mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(50mL)及びブライン(20mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相を、酢酸エチル(20mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、ヘキサン及び酢酸エチルにより溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。1H NMR (400 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): 9.95 (d, J=7.70 Hz, 1H), 7.49-7.63 (m, 2H), 7.39 (d, J=10.64 Hz, 1H), 5.42 (t, J=7.27 Hz, 1H), 1.56 (d, J=6.97 Hz, 3H), 1.42 (s, 9H), 1.35 (s, 12H) ppm.MS(ESI)m/z418.2(M+H)+。
【0191】
[実施例17H]
(R)-3-(tert-ブチル)-N-(1-(4-(6-クロロピリミジン-4-イル)-2-フルオロフェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
1,4-ジオキサン(7.3mL)中の実施例17G(762mg、1.83mmol)及び4,6-ジクロロピリミジン(326mg、2.19mmol)の混合物に、リン酸カリウム(775mg、3.65mmol)の水(2mL)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ-パラジウム(II)(149mg、0.18mmol)中溶液を加えた。混合物を、窒素気流を用いて周囲温度で脱気し、窒素雰囲気下で85℃で20分間撹拌した。混合物を冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで(3回)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、ヘキサン中の酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗表題化合物を生成した。MS(ESI)m/z404.1(M+H)+。
【0192】
[実施例17I]
tert-ブチル(S)-4-(6-((6-(4-((R)-1-(3-(tert-ブチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド)エチル)-3-フルオロフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート
実施例17G(268mg、0.66mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)中溶液に、実施例1L(349mg、1.20mmol)、ラセミBINAP-Pd-G3(CAS2151915-22-7、66mg、0.066mmol)及び炭酸セシウム(649mg、1.99mmol)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下にて75℃で40分間加熱した。混合物を冷却し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル及びヘキサンによりシリカクロマトグラフィーを用いて精製して、表題化合物を単離した。LC/MS(ESI+):m/z660.4(M+H)+。
【0193】
[実施例17J]
3-(tert-ブチル)-N-((R)-1-(2-フルオロ-4-(6-((5-((S)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例17I(346mg、0.52mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、塩酸塩(1,4-ジオキサン中の4N、6.6mL)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、ジクロロメタン及びメタノールを用いて(メタノール中の7Nアンモニアを加えた)シリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を生成した。LC/MS(ESI+):m/z560.3(M+H)+。
【0194】
[実施例17K]
3-tert-ブチル-N-[(1R)-1-{4-[6-({5-[(2S)-4-{2-[4-(2,4-ジオキソ-1,3-ジアジナン-1-イル)フェニル]エチル}-2-メチルピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル}アミノ)ピリミジン-4-イル]-2-フルオロフェニル}エチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド
実施例17J(80mg、0.14mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液に、実施例1J(56mg、0.16mmol)、ヨウ化カリウム(119mg、0.72mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(50μL、0.29mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。これを、周囲温度まで冷却し、ろ過し、ろ液を、逆相分取HPLCに直接かけて、表題化合物を単離した(Phenomenex Gemini(登録商標)NX C18カラム、30×250mm×5μm、移動相として水及びアセトニトリル中の0.1%水酸化アンモニウム)。1H NMR (500 MHz, ジメチルスルホキシド-d6): δ ppm 10.30 (s, 1H), 9.98 (s, 1H), 9.86 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.94 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 11.5, 1.7 Hz, 1H), 7.66 - 7.57 (m, 2H), 7.37 (dd, J = 9.3, 2.9 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.34 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 3.80 (s, 1H), 3.69 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.15 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.93 (dd, J = 10.6 Hz, 1H), 2.79 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 2H), 2.66 - 2.59 (m, 2H), 2.55 - 2.42 (m, 2H), 2.38 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 2.31 - 2.20 (m, 2H), 1.49 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.30 (s, 9H), 0.93 (d, J = 6.3 Hz, 3H) ppm.MS(ESI)m/z776.4(M+H)+。
【0195】
総括
BTKスクリーニング
Btkキナーゼ活性を、電気泳動移動度シフト解析(MSA)を用いてインビトロで測定した。Btkが蛍光ペプチド基質(FAM-GEEPLYWSFPAKKK-NH2)をリン酸化する能力を測定した。キナーゼ反応を、384穴プレート中のウェル当たり総体積25μLでアセンブルした。各ウェルに次のものを加えた:以下にさらに記載する、化合物緩衝液((又は対照));酵素緩衝液;及び基質緩衝液。
【0196】
特に、次のものを加えた:(1)化合物緩衝液又は対照:5×化合物緩衝液5μL[(1×主要緩衝液、5%ジメチルスルホキシドのXμM試験化合物;(200mM HEPES、pH7.5、0.2%BSA及び0.02%Triton X-100からなる2X主要緩衝液)からなる5×化合物緩衝液];及び(2)酵素緩衝液:2.5×酵素緩衝液10μL(1×主要緩衝液、12.5mM MgCl2、2.5mM DTT、25μMオルトバナジン酸ナトリウム、25μMβ-グリセロリン酸及び1.25nM BTK酵素)。ヒトBTK酵素Nanosyn-293HEK、野生型、Nanosyn、Santa Clara、CAから入手可能)。酵素及び化合物を、15分間プレインキュベートした。さらに、次のものを加えた:(3)基質緩衝液:2.5×基質緩衝液10μL(1×主要緩衝液、50μM ATP及びペプチド基質FAM2.5μM)。各プレートを25℃で3時間インキュベートした。反応を各ウェルに加えることにより停止した。1.55×停止緩衝液45μL(1×主要緩衝液及び31mM EDTA)。最終反応混合物は、次の通りであった:100mM HEPES、pH7.5;0.1%BSA;0.01%Triton X-100;1mM DTT;5mM MgCl2;10μMオルトバナジン酸ナトリウム;10μMβ-グリセロリン酸;50μM ATP;1%ジメチルスルホキシド(化合物から得られた);1μM 蛍光ペプチド基質及び0.5nM BTK-酵素。
【0197】
停止した反応を、12チャネルLABCHIP(登録商標)3000マイクロ流体検出装置(Caliper Life Sciences、Waltham、MAから入手可能)を用いて分析した。ペプチドを酵素的にリン酸化することにより、実効荷電を変化させ、これによって、基質ペプチドからの生成物の電気泳動分離が可能になった。基質ペプチド及び生成物ペプチドが分離されるので、蛍光の2つのピークを観察した。基質及び生成物ピークの相対蛍光強度の変化は、酵素活性を反映する、測定されたパラメータであった。活性化合物の存在下で、生成物及び基質の間の比を変更した。生成物のシグナルは減少し、基質のシグナルは増加した。キャピラリー電気泳動図(RDA取得ファイル)を、HTS Well Analyzerソフトウェア(Caliper Life Sciences、Waltham、MAから入手可能)を用いて分析した。
【0198】
各サンプル中の活性を、生成物対合計比(PSR)として決定した。P/(S+P)[式中、Pは、生成物ペプチドのピーク高さであり、Sは、基質ペプチドのピーク高さであった]。化合物毎に、酵素活性を、様々な濃度(3×希釈間隔により間隔を開けた化合物の12種類の濃度)で測定した。陰性対照サンプル(活性化合物の非存在下で0%阻害)及び陽性対照サンプル(20mM EDTAの存在下で、100%阻害)を、4連でアセンブルし、各濃度で活性化合物毎に阻害値%を算出するために用いた。阻害パーセント(Pinh)を、次の等式を用いて決定した:Pinh=(PSR0%-PSRinh)/(PSR0%-PSR100%)*100[式中、PSRinhは、阻害剤の存在下での生成物合計比であり、PSR0%は、活性化合物の非存在下での平均の生成物合計比であり、PSR100%は、100%-阻害対照サンプルにおける平均の生成物合計比であった]。
【0199】
活性化合物のIC50値を、XLfit(登録商標)4ソフトウェア(IDBS、Boston、MA)を用いて、阻害曲線(Pinh対阻害剤濃度)の4つのパラメータS字形用量反応モデルフィッティングにより決定した。IC50値を、BTK IC50(nM)カラムにおいて表2中で報告する。
【0200】
セレブロン結合アッセイ
セレブロン結合を、製造者のプロトコールに従ってAlphaLISA(登録商標)ヒトセレブロン結合キット(PerkinElmer、Waltham、MA)を用いてインビトロで測定した(「Alpha」とは、増幅発光近接均一性アッセイを指す)。このアッセイにおいて、ドナービーズ及びアクセプタービーズは、CRBNタンパク質へのリガンド結合によって近接する。ドナービーズの励起によって、アクセプタービーズに対するエネルギー移動反応のカスケードを誘発するシングレット酸素の放出が刺激され、その結果、615nmで光の放出における急なピークをもたらす。
【0201】
特に、ニッケルキレートアクセプタービーズ(PerkinElmer AL108M)を用いて、6×HISによってタグされたCRBNタンパク質を捕捉し、ストレプトアビジンによってコーティングされたドナービーズ(PerkinElmer 6760002)を用いて、50nMビオチン化リガンドを捕捉した。各ウェルは次のものを含んでいた:サンプル又は対照;HISによってタグされたCRBNタンパク質;ビオチン化リガンド;ニッケルキレートアクセプタービーズ;及びストレプトアビジンドナービーズ。
【0202】
拮抗実験:100%ジメチルスルホキシド中の試験化合物を、11-点用量曲線及び3-倍希釈スキームにおいてLabcyte Echoアコースティックディスペンサーを用いて、白色の、少量の384穴プレート(PerkinElmer Proxiplate 384 plus #6008289)に播種した。これによって、緩衝液(緩衝液:10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、0.05%Tween-20及び10mM DTT)中のHisによってタグされたセレブロン/DDB1複合体及び50μMビオチン標識リガンドを含有するアッセイ混合物10μLを加えた後、10μM最高用量(出発濃度)及び0.1%DMSO最終濃度になった。プレートを、室温で30分間インキュベートした。
【0203】
検出:10μL検出試薬を、ニッケルキレートアクセプタービーズ及びストレプトアビジンドナービーズ(Perkin Elmer 6760002)を含有する、低光条件において加えた結果、最終濃度20μg/mlになった。プレートを、1時間インキュベートし、PerkinElmer(商標)Envision(商標)プレートリーダー(680nm励起及び570nM発光設定)で読み込んだ。各化合物のIC50を、無薬物及び無タンパク質対照から阻害パーセントを算出することにより決定し、各化合物のKiを、チェン-プルソフトランスフォーメーションを用いて算出した。Kiから、IC50値を決定した。IC50値を、CRBN IC50(nM)カラムにおいて表2中で報告する。
【0204】
ヒト全血MSD ELISAをベースにしたアッセイにおけるBikタンパク質
Btkタンパク質分解を、メソスケールディスカバリー-ELISAシステム(MSD-ELISA)を用いて試験した:(1)試験化合物をヒト全血に加え;(2)試験化合物で処理したヒト全血細胞を溶解し;(3)溶解した細胞を、捕捉抗体、Btkに対する抗体で処理し;(4)溶解した細胞を、Btkに対する抗-マウス一次抗体で処理し;(5)溶解した細胞を、(タグされた)抗-マウス抗体で処理した。
【0205】
特に、健常なドナーから得られた新鮮なヒト全血約80μLを、96-穴V底プレート(Costar、カタログ番号3894)の各ウェルに移した。TECAN(商標)D300e Digital Dispenser(Tecan))を用いて、1:4連続希釈した化合物[(8点アッセイ)3μM最高濃度で出発するDMSO溶液(最終0.2%)中の]を、2回加えた。その後、プレートを、37℃のインキュベーターに入れ、6時間インキュベートした。
【0206】
インキュベーションの終了時に、10×原液から調製した2X CST溶解緩衝液(Cell Signaling Technology、カタログ番号9803)80μLを、ウェル毎に加えて血液を溶解した。次いで、プレートを、プレートシーラーで密閉し、サンプルを-80℃で終夜凍結した。
【0207】
化合物処理後に血液サンプル中に残存するBtkタンパク質の総量を、MSD-ELISAを用いて測定した。凍結したプレートを解凍した後、血液ライセートを、完全に混合し、小型のスポット高結合MSDプレート(メソスケールディスカバリー、カタログ番号L45XB-3)に移し、補足する抗体、ウサギ抗-ヒトBTK(D3H5)(Cell Signaling Technology、カタログ番号8547CF)でコーティングした。その後、一次検出抗体、マウス抗-ヒトBTKモノクローナル抗体、(BD Biosciences、カタログ番号611117)及び二次検出抗体、抗-マウスSULFO-TAG(メソスケールディスカバリー、カタログ番号R32AC-1)を加えた。アッセイプレートを、2×MSD読み取り緩衝液(メソスケールディスカバリー、R92TC-1)を加えることにより、MSD S600プレートリーダーで読み込んだ。血液溶解を含めた、すべての試薬の移動を、Biomed i7リキッドハンドラーを用いて行った。用量反応曲線から、DC50値を、重複の実験から得られたデータを平均することにより算出し、曲線フィッティングを、GraphPad Prismを用いて非線形回帰により行った。DC50値を、hWB BTK DC50(nM)カラムにおいて表2中に報告する。Dmax値は、DMSOのみで処理したサンプルと比較して、化合物処理において観察されたBTK分解の最大量を表す。dMax(%)値を、hWB BTK dMax(%)カラムにおいて表2中に報告する。
【0208】
マウス骨髄アッセイ
雌のC57BL/6Jマウス(Jackson Laboratories)を本試験に用いた。化合物又はビヒクル/対照を、EtOH;PEG-400;Phosal 53 MCT(10:30:60、v/v)で調製した。マウス4匹を、化合物又はビヒクル/対照毎に試験した。1日目に、マウスを、用量Aの単回用量を投与した。2日目に(24時間後)、組織(骨髄)を、マウス当たり片側の後肢から採取した。
【0209】
MSD(メソスケールディスカバリー)ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)に基づいたアッセイを用いて、マウス骨髄中のBTK分解を決定した。次の材料及び装置を用いた:10%NP40溶液(非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤、ThermoFisher、カタログ番号28324);プロテアーゼ阻害剤ミニ錠剤(Roche、カタログ番号05 892 970 001);PhosphoSTOP(商標)錠(Roche、カタログ番号04 906 837 001);Pierce(商標)BCAタンパク質アッセイキット(ThermoFisher、カタログ番号23225);2.8mmビーズを有するPrecellys(登録商標)2mL溶解用チューブ(VWR、カタログ番号10032-756);Bertin Precellys(登録商標)24/Cryolys(登録商標)冷却システム;96-穴MSDストレプトアビジンプレコートプレート(MSD、カタログ番号L15SA-1);MSD Blocker A(MSD、カタログ番号R93BA-4);捕捉抗体、ビオチン化BTK mAb(BD Biosciences、カタログ番号624008;カスタムオーダー);一次検出抗体、BTK RpAb(ウサギポリクローナル抗体、CST、カタログ番号8547S、D3H5クローン);二次検出抗体、抗ウサギ-Sulfo-Tag(MSD、カタログ番号R32AB-1);読み取り緩衝液(read Buffer)、4×(MSD、カタログ番号R92TC-1);組換えBtkタンパク質(ThermoFisher、カタログ番号PR5442A);MSDトリス洗浄緩衝液(10×)(MSD、カタログ番号R61TX-1);PBS(リン酸緩衝食塩水);脱イオン水(ジH2O);溶解緩衝液[PBS中の0.2%NP40+プロテアーゼ阻害剤錠剤(1錠/10mL)+PhosphoSTOP錠(1錠/10mL)];3%MSD Blocker A[MSD Blocker A+450mLジH2O+50mL];及び10×MSDトリス洗浄緩衝液。
【0210】
手順
PDアッセイ用のサンプルプロセシング
マウス骨髄ライセート調製
溶解緩衝液[(PBS+0.2%NP40+PI(プロテアーゼ阻害剤)+PhosphoSTOP)]を調製し、十分に冷えるまで氷の上に置いた。氷冷溶解緩衝液(300μL)を、ビーズ及び骨髄サンプルを含有する各Precellys(登録商標)管に加えた。サンプル管を、Precellys(登録商標)機に移し、5000rpm - 2×20秒を用いてホモジナイズした。サンプルライセートを、ホモジナイズした後に、4℃で20分間14,000rpmで遠心した。
【0211】
タンパク質推定(BCA)
タンパク質濃度を、製造者の推奨するプロトコールに従って、Pierce(商標)BCAタンパク質アッセイキットを用いて決定した。タンパク質正規化標準溶液を、アッセイ用のサンプルライセート当たりタンパク質30μgを用いて調製した。
【0212】
標準曲線サンプルの調製
溶解緩衝液中の組換えBtkタンパク質の標準原液300ng/mlを調製し、サンプルを、3-倍希釈で連続希釈した(10-点アッセイ、最高濃度は、300ng/mLであり、最低濃度は、0.015ng/mLであった。)。
【0213】
MSDアッセイの実施
1日目
MSDプレートコーティング:コーティング抗体(ビオチン化-BTK mAb)原液を、PBS緩衝液中で1μg/mLで調製した。ウェル当たり50μLの捕捉抗体(ビオチン化BTK mAb)溶液を加え、プレートを、周囲温度で2時間穏やかに振り混ぜた。プレートを、プレートウォッシャー(ウェル当たり300μL)中で1×MSDトリス洗浄緩衝液で3回洗浄し、プレートを、3%MSD Blocker A(ウェル当たり150μL)で遮断した。プレートを、穏やかに振り混ぜながら周囲温度でさらに1~2時間インキュベートした。プレートを、プレートウォッシャーを用いて1×MSD洗浄緩衝液で3回洗浄した。ウェル当たりの最終体積50μLの骨髄ライセート(30μg)を、プレートに加えた。連続希釈した標準サンプルを、ウェル当たりの最終体積50μLの同じプレートに加えた。プレートを、穏やかに振り混ぜながら終夜4℃でインキュベートした。
【0214】
2日目
プレートを、プレートウォッシャーを用いて(10×濃度の緩衝液から調製した)1×MSD洗浄緩衝液で3回洗浄した。ウェル当たり50μLの一次検出抗体を加えた(BTK RpAb;1%MSD Blocker A中の1:1000希釈)。プレートを、穏やかに振り混ぜながら周囲温度で2時間インキュベートした。プレートを、プレートウォッシャーを用いて1×MSD洗浄緩衝液で3回洗浄した。抗ウサギ-SULFO-TAG二次抗体(ウェル当たり50μL)を加え、1%MSD Blocker A中で1:500に希釈し、プレートを、周囲温度で1~2時間インキュベートした。プレートを、プレートウォッシュを用いて1×MSDトリス洗浄緩衝液で3回洗浄した。MSD読み取り緩衝液(150μL)(1×)を加え、プレートをMSD機で読み取った。標準曲線を生成し、絶対BTK量を用いて、ビヒクル対処理したサンプル中の残存BTK%を算出した。サンプル中の残存BTK%を、表2中に報告する。
【0215】
実施例1~19についてのアッセイ結果を、「マウス骨髄(%)カラム」における表2に示す。
【0216】
【0217】
腫瘍細胞の発生
Eμ-TCL1 CLLトランスジェニックマウス(Crogen Pharmaceuticals LLC)を、BTKC481Sノックインマウス(AbbVie)と交配させて、BTKC481S突然変異を保因するEμ-TCL1トランスジェニックマウスを生み出した。これらのBTKC481S Eμ-TCL1トランスジェニックマウス(第1継代細胞)に由来する白血病脾細胞を、C57BL/6マウスに静脈内に移植したら、末梢血及び脾臓におけるCLL発生がもたらされた。レシピエントマウスにおける循環CLL負荷(以下に記載する通りCD5+CD19+細胞)が90%に達した場合、高CLL負荷を含有するそれらの脾細胞(第2継代細胞)を、凍結保存し、CLL有効性試験用に用いた。
【0218】
畜産
マウス腫瘍有効性試験を、カリフォルニア州南サンフランシスコのビバリウムで、AbbVieの動物実験委員会(動物実験委員会)及び米国国立保健研究所のGuide for Care and Use of Laboratory Animalsガイドラインに従って実施した。C57BL/6マウスを、Jackson Laboratoriesから入手し、14時間の明期:10時間の暗期のスケジュールで1ケージに付き5匹のグループで飼育した。
【0219】
腫瘍移植及び動物治療
高CLL負荷を含有する第2継代Eμ-TCL1 BTKC481S脾細胞を、解凍し、洗浄し、冷ハンクス平衡塩溶液(HBSS)中で70-μMストレーナを通してろ過した。HBSS0.2mL中の10×106脾細胞を、雌8~10週齢C57BL/6マウスの尾静脈にマウス毎に静脈内注射して、CLLを発生させた。
【0220】
白血球絶対数/総数を決定するために、全血球数を、Genesis(商標)動物用血液分析装置(Oxford Science Inc.)を用いてマウス毎に決定した。
【0221】
フローサイトメトリー
マウスの末梢血単核細胞(PMBC)から単離した細胞を収集して、抗原発現を決定した。PMBCを、マウスのCD5、CD19及びCD45に特異的な抗体で染色した(CD5+CD19+を発現する細胞は、マウスのB細胞白血病に頻繁に存在し、CLL細胞が考慮される)。細胞を、CD45+でゲート制御し、その後、そのサブセットから得られたCD5+CD19+であった細胞のパーセンテージを算出した。フローサイトメトリーを、BD LSRFortessa(商標)X-20 Cell Analyzer(BD Biosciences)で行った。
【0222】
全血を、腫瘍移植後に顎下頬(submandibular cheek)の出血を介して毎週収集した。循環白血病負荷を、絶対白血球数/全白血球数に、免疫表現型CD19+CD5+を有する白血球のパーセンテージを乗じることによりを算出した。
【0223】
接種の9日後に開始して、マウスを秤量し、失血させ、N=10(平均循環CD19+CD5+CLL細胞数が1,525/μLである)の5群にランダム化した。化合物1(実施例1)を、10%エタノール、30%PEG-400及び60%Phosal-50 MCTを含有するビヒクル中で異なる濃度で配合した。ビヒクルは、10%エタノール、30%PEG-400及び60%Phosal-50 MCTを含有した。
【0224】
CLL数のランダム化の2日後、マウスを、次の1日1回(QD)19日間で処理した。第1群:ビヒクル;第2群:化合物1 用量1;第3群:化合物1 用量2;第4群:化合物1 用量3;第5群:化合物1 用量4。
【0225】
図1に示す通り、化合物1(実施例1)は、用量依存の方式でC57BL/6マウスにおけるBTK
C481S突然変異を有するTCL1-駆動型CLLの循環白血病負荷を制御した。y軸は、マウスPMBC1μL当たりのCLL細胞(CD19+CD5+)数を示す。完全CLL負荷対照(すなわち、初回の腫瘍負荷から増加しない)は、化合物1により用量3及び用量4で達成した。
【0226】
本明細書中で挙げられるすべての刊行物及び特許は、それぞれの個々の刊行物又は特許が、具体的にかつ個々に参照により組み入れられていると示されているかの如く、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0227】
前述の詳細な説明及び添付の例が、単に例示的なものであり、添付の特許請求の範囲及びそれらの相当物により定義される、本開示の範囲において限定されるものと解釈するべきではないということが理解される。