(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140342
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】可変流れ自動設定式流体塗布装置
(51)【国際特許分類】
B05C 5/02 20060101AFI20230927BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230927BHJP
B05B 1/30 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/10
B05B1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023045632
(22)【出願日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】63/269,748
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/185,095
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】メル スティーブン レスリー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド マシュー オグデン
【テーマコード(参考)】
4F033
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F033AA01
4F033BA03
4F033CA05
4F033DA01
4F033EA01
4F033GA01
4F033GA07
4F033GA11
4F033LA13
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA13
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4F041BA36
4F041BA38
4F041CA03
4F041CA17
4F041CA18
4F042AA22
4F042BA06
4F042BA08
4F042BA12
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB10
4F042CB19
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】流体供給装置及び制御された体積の液体を基材に提供する方法の提供。
【解決手段】液体流体を保持するように構成された流体リザーバーを含む流体供給装置が提供され得る。流体供給装置は、流体出力ゾーンのうちの少なくとも1つが複数の流体ポンプを含む流体出力ゾーンを含み得る。流体ポンプのそれぞれは、液体流体が流体ポンプにより圧送される流量を有し得る。また、流体出力ゾーンのそれぞれに対するスロットを有するスロットダイが設けられ得る。流体供給装置はまた、流体ポンプのそれぞれに機械的に接続されたリリーフ弁と、制御装置とを含み得る。制御装置は、各リリーフ弁に機能的に接続することができ、制御装置は、各弁に対して開閉を選択的に指示し、それにより、各スロットを通る様々な体積流量の流体が、選択されたリリーフ弁に基づいて生成されるように適合され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体供給装置であって、
複数の流体ポンプであって、それぞれが流量を有するように構成され、流体が前記流量でもって前記流体ポンプにより圧送される、複数の流体ポンプと、
前記流体ポンプのそれぞれに機械的に接続されたリリーフ弁と、
各リリーフ弁に機能的に接続された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、各リリーフ弁に対して開閉を選択的に指示して、前記流体ポンプのそれぞれのための流体出力部を通る流体であって様々な体積流量の流体が、選択された前記リリーフ弁に基づいて、生成されるように適合される、
流体供給装置。
【請求項2】
前記流体は接着剤である、請求項1に記載の流体供給装置。
【請求項3】
前記流体出力部はスロットであり、前記流体供給装置は、プレナムであって前記プレナムから前記液体を受け取るためのプレナムを更に備える、請求項1に記載の流体供給装置。
【請求項4】
前記リリーフ弁は空気圧リリーフ弁である、請求項1に記載の流体供給装置。
【請求項5】
前記流体出力部は、少なくとも1つの流体出力ゾーンを含み、前記少なくとも1つの流体出力ゾーンは、前記流体ポンプのうちの、第1の流量を有する第1の流体ポンプと、前記流体ポンプのうちの、第2の流量を有する第2の流体ポンプとを含む、請求項1に記載の流体供給装置。
【請求項6】
前記第1の流量は、前記第2の流量とは異なる、請求項5に記載の流体供給装置。
【請求項7】
前記第1の流体ポンプは、前記第2の流体ポンプが動作している間に動作するように構成される、請求項6に記載の流体供給装置。
【請求項8】
前記流体を流体リザーバーから前記少なくとも1つの流体出力ゾーンに供給するためのマニホールドを更に備える、請求項5に記載の流体供給装置。
【請求項9】
制御された流体流量を提供するように適合された流体供給装置であって、
流体を収容するように構成された流体リザーバーと、
前記流体を少なくとも2つの流体ポンプから前記流体ポンプのそれぞれの流量でもって受け取る、少なくとも2つの流体出力ゾーンと、
前記流体ポンプのそれぞれに機械的に接続された制御可能なリリーフ弁と、
各制御可能なリリーフ弁に機能的に接続された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、各制御可能なリリーフ弁に対して開閉を選択的に指示して、様々な体積流量の流体が、選択された前記制御可能なリリーフ弁に基づいて、生成されるように適合される、
流体供給装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの流体出力ゾーンの各流体出力ゾーンに対するスロットを有するスロットダイを更に備える、請求項9に記載の流体供給装置。
【請求項11】
前記制御装置は、各出力ゾーンの各スロットに対して前記様々な体積流量を生成するように構成される、請求項10に記載の流体供給装置。
【請求項12】
前記流体は接着剤である、請求項9に記載の流体供給装置。
【請求項13】
前記リリーフ弁は、空気圧リリーフ弁又は電気リリーフ弁のうちの少なくとも一方である、請求項9に記載の流体供給装置。
【請求項14】
前記流体出力ゾーンのうちの少なくとも1つが、前記少なくとも2つの流体ポンプのうちの、第1の流量を有する第1の流体ポンプと、前記少なくとも2つの流体ポンプのうちの、第2の流量を有する第2の流体ポンプとを含む、請求項9に記載の流体供給装置。
【請求項15】
前記第1の流量は、前記第2の流量とは異なる、請求項14に記載の流体供給装置。
【請求項16】
前記第1の流体ポンプは、前記第2の流体ポンプが動作している間に動作するように構成される、請求項15に記載の流体供給装置。
【請求項17】
前記流体を前記流体リザーバーから前記少なくとも2つの流体出力ゾーンのそれぞれに供給するためのマニホールドを更に備える、請求項9に記載の流体供給装置。
【請求項18】
制御された体積の液体を基材に提供する方法であって、
第1のポンプの第1のリリーフ弁及び第2のポンプの第2のリリーフ弁を選択的に開閉して、複数の出力ゾーンのうちの1つに、様々な体積流量の流体を生成する、
ことを含む方法。
【請求項19】
前記液体を、選択的に開かれた前記第1のリリーフ弁及び選択的に開かれた前記第2のリリーフ弁を通して、スロットダイのスロットを介して、基材上に圧送することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のリリーフ弁及び前記第2のリリーフ弁を選択的に開閉することにより、前記出力ゾーンに流れる流体の量を変化させることを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮特許出願第63/269,748号(2022年3月22日付で出願)の優先権を主張し、その開示全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
背景
技術分野
本開示は、概して、ストランドをコーティングするシステム及び方法に関し、より詳細には、細長いストランド及び/又はウェブにコーティング(接着剤等)を塗布するシステム、サブシステム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の説明
不織布には、特定の機能、例えば、吸収性、撥液性、弾力性、伸縮性、柔らかさ、強度、難燃性、洗浄容易性、クッション性、フィルター性、バクテリアバリアとしての用途、無菌性等を提供する、エンジニアリングファブリックが含まれる。他の材料との組合せにより、不織布材料は、多様な特性を有する広範な製品を提供することができ、単独で、又は、衛生アパレル、家庭用家具、ヘルスケア、エンジニアリング、産業及び消費財の構成要素として使用することができる。このような製品は、乳幼児用おむつ、女性用衛生パッド、大人用おむつ、他の吸収性衛生製品等を含むことができる。
【0004】
一般的に、接着剤コーティングは、細長いストランド及び/又はウェブに塗布される。細長いストランド/ウェブが、接着剤フィラメントが供給されるノズルに位置合わせされる。さらに、複数の弾性ストランド/ウェブを、例えば物体又は人間の周りにフィットする柔軟性を可能にするために、不織布材料に配置及び接着することができ、ここで、接着剤塗布装置が、接触ノズル又は非接触ノズルのいずれかにより、糊をストランド/ウェブに塗布し得る。典型的に、塗布の速度は変化させることが難しく、直線的なパターン以外のデザインの妨げになっている。
【発明の概要】
【0005】
また、ホットメルト接着剤を利用した製造方法は非効率的であることが多く、再現が困難である。現在の流体供給装置は、選択された基材に塗布される流体の流量が不変である。典型的に、流体供給装置は、様々な製品に様々なパターンの接着剤を提供するために利用される。そのため、流体供給装置を新しい製品に利用する場合、新しい製品に求められる流量を実現するために、装置の調整、機器の追加、削除、又は変更等を行わなければならない。このようなプロセスは、多大な時間と資源を要するだけでなく、さらに、このような変更のために用いられる大きいスペースを必要とすることがある。
【0006】
簡単な説明
1つの実施の形態において、液体流体を保持する流体リザーバーを含む流体供給装置が提供され得る。流体供給装置は流体出力ゾーンを含むことができ、流体出力ゾーンのうちの少なくとも1つが複数の流体ポンプを含む。流体ポンプのそれぞれは、液体流体が流体ポンプにより圧送される流量(ポンプごとに同一又は異なる)を有し得る。また、流体出力ゾーンのそれぞれに対するスロットを有するスロットダイが設けられ得る。流体供給装置はまた、流体ポンプのそれぞれに機械的に接続されたリリーフ弁と、制御装置とを含み得る。制御装置は、リリーフ弁のそれぞれに機能的に接続することができ、制御装置は、各弁に対して、選択的に開閉するように指示し、それにより、スロットのそれぞれを通る様々な(異なる)体積流量(体積レート)の流体が、選択されたリリーフ弁に基づいて生成され得る。
【0007】
別の実施の形態において、制御された流体流量を提供するように適合された流体供給装置が提供され得る。流体供給装置は、液体流体を収容する流体リザーバーと、少なくとも2つの流体出力ゾーンとを含み得る。少なくとも1つのゾーンが少なくとも2つの流体ポンプを含み、各ポンプが所定の流量を有する。流体供給装置はまた、各ポンプに機械的に接続された制御可能なリリーフ弁と、制御装置とを含み得る。制御装置は、各弁に機能的に接続することができ、制御装置は、各弁に対して開閉を選択的に指示し、それにより、様々な体積流量の流体が、選択されたリリーフ弁に基づいて生成されるように適合させることができる。
【0008】
別の実施の形態において、制御された体積の液体を基材に提供する方法が提供され得る。方法は、液体リザーバーを設けることと、複数の出力ゾーンを設けることとを含み得る。方法はまた、複数の出力ゾーンのうちの少なくとも1つの出力ゾーンに対して第1のポンプ及び第2のポンプを設けることを含み得る。方法はまた、第1のポンプに対して第1の制御可能なリリーフ弁を設け、第2のポンプに対して第2の制御可能なリリーフ弁を設けることと、第1のリリーフ弁及び第2のリリーフ弁に連結された制御装置を設けることとを含み得る。この方法はまた、第1のリリーフ弁及び第2のリリーフ弁を選択的に開閉することを含み得る。
【0009】
図面の簡単な説明
本発明の主題は、添付の図面を参照しながら、非限定的な実施形態についての以下の説明を読むことによって理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【0011】
【
図2】1つの実施形態に係る装置の分解斜視図である。
【0012】
【
図3】1つの実施形態に係る装置の分解斜視図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【
図6】1つの実施形態に係る装置の制御システムの概略ブロック図である。
【0016】
【
図7】1つの実施形態に係る流体供給方法の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
典型的に接着剤の供給(分配)に用いられる流体供給(分配)装置を提供する。流体リザーバーが、複数の流体ポンプと共に、流体出力ゾーンを変化させるために設けられる。各流体ポンプから得られるプレナムへの流量は、対応する流体ポンプに機械的に接続された対応するリリーフ弁により電子的に制御されて、流体ポンプ群からプレナムへの流れを計量することができる。リリーフ弁の作動に基づき、様々な体積流量の流体が対応するノズルに供給される。各流体ポンプは、各流体ポンプを通る流体出力を制御する対応するリリーフ弁を有するため、各ポンプの個々の制御が達成され、機器を変更する必要なく流体供給装置の流体出力を所望のように変化させることができる。
【0018】
図1~
図5は、液体供給装置100の例示の実施形態を示している。1つの例において、液体供給装置100は、液体接着剤を含む流体を、繊維で構成されるストランド若しくはウェブ又は他の基材に塗布することができる。この流体は、エポキシ、糊、接着剤、塗料、保護コーティング、潤滑剤、ローション、ワックス、界面活性剤、インク等であり得る。例示の実施形態において、液体は、乳幼児用おむつ、女性用衛生パッド、大人用おむつ、他の吸収性衛生製品等を形成する基材を含む基材上に、パターンで塗布され得る。
【0019】
液体供給装置100は、マニホールド104にて流体を流体リザーバー102から受け取る。別の例においては、モジュールをマニホールドの代わりに用いることができ、一方、他の例においては、モジュールとマニホールドとの組合せが提示される。マニホールドは、複数の流体入力部106及び対応する流体出力部108を含み、それらの間に流体通路を有する。また、複数のポンプ110が設けられており、ここで、各流体入口106及び対応する流体出口108が、対応する流体ポンプを含む。複数のポンプ110のそれぞれが、マニホールド104の対応する流体入口106及び流体出口108の通路を通る流体の流れを制御する。流体ポンプ110の数は、製品の必要なパターンに基づいて変化し得る。したがって、いくつかの実施形態においては5個の流体ポンプを設けることができ、他の例示の実施形態においては10個以上の流体ポンプを設けることができる。さらに、各流体ポンプ110は交換可能とすることもできる。例えば、マニホールド104は、その中を通して配置された10個の流体通路を有し得るが、通路のうちの7個に対応する7個のポンプ110のみを有してもよい。このようにすると、通路のうちの3個はポンプを含まず、流体は通路を通ることができない。1つの実施形態において、流体物質は、実質的に重力によっては流れない接着剤である。他の実施形態において、ポンプ110を含まない通路を通って流体が流れることを防止するために、流体入口106、流体出口108、流体通路等を塞いでもよい。ポンプが交換可能であることにより、単にポンプ110を交換、追加等をするだけで、様々なパターンを迅速かつ効率的に提供することができる。
【0020】
1つの例において、複数のポンプ110は、アクチュエーター111により制御することができる。1つの実施形態において、アクチュエーターは、ポンプの動作を制御するサーボモーターであり得る。一例において、サーボモーターは、インライン構成、90度構成等を含み得る。
【0021】
流体ポンプ110のそれぞれは、流体ポンプ110に機械的に連結されたリリーフ弁112を含む。1つの例において、リリーフ弁112は、機械弁、空気圧リリーフ弁、電気リリーフ弁、ソレノイド弁等であり得る。各リリーフ弁112は、流体ポンプ110に対応する群からの流体を制御又は計量して、流体が流体出力ゾーン114に流れる速度を変化させるように作動させることができる。代替的に、流体出力ゾーンへのスプレーパターンを変化させてもよい。リリーフ弁112は、1回転あたり0.05cc(0.05cm3)という小さい流量での流体の流れの制御を提供することができる。1つの例において、操作者が、第1のポンプの流れが1回転あたり0.15ccであり、一方、第2のポンプが1回転あたり0.4ccで流れることを望む場合、リリーフ弁は、そのような精度を提供することができる。各流体出力ゾーン114への流量を変化させることができるリリーフ弁112を設けることにより、異なるパターンを有する新製品が提供される場合、操作者は、流体出力ゾーン114への流量を、流体出力ゾーン114に流体を供給する各個々のリリーフ弁112を作動させることにより調整しさえすればよく、流体供給装置全体を再構成する必要はない。その結果、時間、床面積等を、製造効率を高めつつ節約できる。
【0022】
1つの例において、流体出力ゾーン114はプレナムを含む。プレナムは、流体を基材上に供給するためのパターンを提供し得る。各流体出力ゾーン114は、個別の体積の流体出力流量(レート)を有する少なくとも1つの対応する流体ポンプ110を含む。流体出力ゾーン114はまた、流体出力ゾーン114に関連する2つ以上のポンプ110を含み得る。異なる流体出力ゾーン114の数、及び、各流体出力ゾーン114に対応するポンプ110の数は、基材上に設けられることが望まれるパターンに基づいて決定される。各流体出力ゾーン114は、対応する流体出口108を含む。1つの例において、各流体出口はスロットダイであり得る。代替的に、流体出口は、スプレーノズル、ストランド又はウェブ出力部、ビード出力部、ポート等を含んでもよい。流体ポンプ110の数、ポンプ110の位置、及び、各リリーフ弁112を通る流量を選択した結果、異なる流体出力ゾーン114において異なるコンシステンシーを含む接着剤116が、基材又は布地上に堆積される。
【0023】
1つの例において、各流体出力ゾーンは、各流体出力ゾーン114における接着剤116のコンシステンシーが異なり得るように、単一の流体ポンプ110及びそれに関連する対応するリリーフ弁112(例えば、
図4)を有し得る。その結果、各流体出力ゾーン114(例えば、
図5)において、様々な体積流量の流体が、リリーフ弁112の作動に基づいて塗布され得る。1つの例において、ポンプ及び/又はリリーフ弁は、同一の又は様々な距離で互いに間隔をあけて配置され得る。一例において、幅は、50ミリメートル(50mm)から300ミリメートル(300mm)まで変化し得る。他の実施形態において、その間隔は、50mm未満又は300mm超であり得る。
【0024】
1つの例において、特定の流体出力ゾーン114における接着剤のコンシステンシーを変化させる場合、流体出力ゾーンにおいて接着剤を異なる流量で形成する流体を計量するように、リリーフ弁112を作動させる。代替的に、複数の流体ポンプ110及び対応するリリーフ弁112を単一の流体出力ゾーン114に設けることができ、流体出力ゾーンにおける接着剤116のコンシステンシーを、流体出力ゾーン114に関連する異なるリリーフ弁112を単にオン及びオフすることにより変化させてもよい。例えば、単一の流体出力ゾーン114は、作動時に接着剤を流体出力ゾーン114に1cc/回転で堆積させる第1のポンプ110A及び第1のリリーフ弁112A、並びに、接着剤を流体出力ゾーン114に0.15cc/回転で堆積させる第2のポンプ110B及び第2のリリーフ弁112Bを含み得る(例えば、
図5)。このようにして、コントローラーは、第1のリリーフ弁112A及び第2のリリーフ弁112Bを、以下のように作動させることができる。すなわち、i.)第1のリリーフ弁112Aのみが接着剤116を流体出力ゾーン114に堆積させて1cc/回転の個別の体積流量を生成する、ii.)第2のリリーフ弁112Bのみが接着剤116を流体出力ゾーン114に堆積させて、0.15cc/回転の個別の体積流量を生成する、iii.)第1のリリーフ弁112A及び第2のリリーフ弁112Bの双方が接着剤116を流体出力ゾーン114に堆積させて1.15cc/回転の個別の体積流量を生成する、又は、iv.)第1のリリーフ弁112A若しくは第2のリリーフ弁112Bのいずれも接着剤を堆積させない。このようにして、様々な流量を生成するリリーフ弁(例えば、112A及び/又は112B)の作動を選択することにより、選択されたリリーフ弁112A、112Bに基づいて流体出力ゾーン114に異なる体積流量の流体を生成することができる。こうして、流体出力ゾーン114内の接着剤のコンシステンシーは、機器を変えずに、又は個々のリリーフ弁の個々の流量を変化させずに、変化させることができる。この例においては、それぞれの第1のリリーフ弁112A及び第2のリリーフ弁112Bを有する2つのポンプのみが記載されているが、他の例においては、3つのリリーフ弁を有する3つのポンプ、4つのリリーフ弁を有する4つのポンプ、又はそれより多数を設けることができ、それにより、個々の流体出力ゾーン114への多数の組合せ及び流量が達成され得る。例えば、それぞれが異なる流量を有する4つの異なるポンプを備え、かつ、4つの対応するリリーフ弁を有する場合、個々のリリーフ弁を制御することにより、単一の流体出力ゾーン114に対して最大12通りの流量の組合せを、ポンプ又は機器の交換を必要とせずに提供することができる。
【0025】
図6は、流体供給装置と電子的に連結し得る、及び/又は流体供給装置の一部であり得る制御システム600を示している。1つの例において、流体供給装置は、
図1~
図5に示されているような流体供給装置である。
【0026】
制御システム600は、プログラム命令、アプリケーション命令等を含む命令を実行することができる1つ以上のプロセッサ602を含み得る。制御システムはまた、1つ以上のプロセッサ602と通信し得る少なくとも1つの記憶装置604を含み得る。少なくとも1つの記憶装置604は、メモリであってもよく、1つ以上のプロセッサにより実行される命令等を記憶する。制御システムはまた、信号、データ、情報等を受信及び送信するトランシーバー606を含み得る。制御システム600はまた、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン等の入力部608も含み得る。制御システム600は、同様に、ディスプレイ、スピーカー等の出力部610を含み得る。いくつかの例において、入力部608及び出力部610は、同一の装置、例えばスクリーンであってもよい。
【0027】
制御システム600はまた、流体供給アプリケーション612を含み得る。流体供給アプリケーション612は、1つ以上のプロセッサが、特定の位置で基材上に堆積させることが望ましい接着剤のパターン又は量を決定することができるように、指示を提供し得る。例示の実施形態において、基材は、布、おむつ、女性用衛生製品等であり得る。流体供給アプリケーション612は、基材上に堆積される接着剤のコンシステンシーを含む複数の製品テンプレートを含み得るか、又はこれらにアクセスすることが可能であり得る。テンプレートは、トランシーバー606を介して取得され、アップロード、ダウンロード、作成、保存等され得る。各例において、個々の流体出力ゾーンごとの接着剤の量は、基材上に接着剤を塗布する前に予め決定され得る。その後、流体供給アプリケーション612は、各流体出力ゾーンに提供される接着剤の流れ又は量を、予め決定された量に応じて変化させ得る。
【0028】
1つの例において、2つ以上のポンプが、特定の流体出力ゾーンに接着剤を提供するために用いられ、流体出力ゾーンに流れる接着剤の量を加える、減じる、又は他の方法で変化させるために、各ポンプに対応するリリーフ弁が作動され得る。このようにして、流体供給アプリケーションは、所与の製品について各流体出力ゾーンに必要な接着剤の量に関する決定を行い、それに応じて様々なリリーフ弁を、各流体出力ゾーンに所望の量の接着剤が塗布されるように作動させ得る。
【0029】
図7は、基材上に流体を供給する方法700のブロックフロー図を示している。1つの例における流体は、接着剤であり得る。1つの例において、この方法は、本明細書で以前に説明したシステム、組立体、装置等のいずれかを用いて達成又は実行され得る。
【0030】
702において、複数の流体出力ゾーンが設けられ得る。1つの例において、流体出力ゾーンは、個別の量の流体が流れ得る流体出口を含み得る。1つの例において、スプレーパターンのための量の流体が提供され得る。別の例において、流体出力ゾーンは、プレナムの一部を含み得る。
【0031】
704において、少なくとも1つの流体出力ゾーンに対して少なくとも2つのポンプが設けられる。1つの例において、第1の体積の流体の流体流を制御する第1のポンプが設けられ、一方、第1の体積の流体とは異なる第2の体積の流体の流体流を制御する第2のポンプが設けられる。このようにして、1つ以上のプロセッサは、出口を通って流れる流体の量を、第1の体積の流体、第2の体積の流体、又は第1の体積の流体と第3の体積の流体との組合せを含むように制御することができる。このようにして、提供される流体の量を、システムの一部を変更する代わりに、単にポンプを作動させることにより変化させることができる。別の例においては、第1のポンプ及び第2のポンプは、同じ流量又は体積で流体の流れを提供することができ、同じ流量を提供することができる2つの異なるポンプを設けるか、又は代替的に、単一のポンプの2倍の流量を提供することができるポンプの組合せを設ける。さらに、単一の流体出力ゾーンに対して2つのポンプを用いることにより、流量を加える、減じる、又は他の方法で変化させることができる。
【0032】
706において、各ポンプに対して制御弁が設けられる。1つの例において、空気圧制御弁が設けられてもよく、他の例においては、ソレノイド制御弁、電気制御弁、油圧制御弁等が用いられ得る。制御弁は、流体出力ゾーンに望まれる個別の量の流体を提供するように作動され得る。
【0033】
708において、各空気圧制御弁に連結された制御装置が、各制御弁を選択的に開閉し得る。制御装置は、制御弁を、操作者入力、プログラム内のタイミング装置、プログラムの結果として、基材、布地等の位置を検出するセンサを含むセンサ情報に基づいて制御し得る。その結果、接着剤等の液体が、選択的に開かれた弁を通って基材、布地等の上に圧送され得る。1つの例において、スロットを有するスロットダイを用いて、スロットダイを通して流体が圧送されている状態で基材上にパターンを提供することができる。
【0034】
1つ以上の例示の実施形態において、液体流体を保持するように構成された流体リザーバーを含む流体供給装置が提供され得る。流体供給装置は、流体出力ゾーンを含み、流体出力ゾーンのうちの少なくとも1つが複数の流体ポンプを含み得る。流体ポンプのそれぞれは、液体流体が流体ポンプにより圧送される流量を有し得る。また、流体出力ゾーンのそれぞれに対するスロットを有するスロットダイが設けられ得る。流体供給装置はまた、流体ポンプのそれぞれに機械的に接続されたリリーフ弁と、制御装置とを含み得る。制御装置は、各リリーフ弁に機能的に接続することができ、制御装置は、各弁に対して、開閉するように指示し、それにより、各スロットを通る様々な体積流量の流体が、選択されたリリーフ弁に基づいて生成されるように適合され得る。
【0035】
任意選択で、液体流体は接着剤とすることができる。1つの態様において、流体出力ゾーンはプレナムを含むことができる。別の態様において、リリーフ弁は空気圧リリーフ弁であってもよい。1つの例において、流体出力ゾーンのうちの少なくとも1つは、第1の流量を有する第1の流体ポンプと、第2の流量を有する第2の流体ポンプとを含む。任意選択で、第1の流量は、第2の流量とは異なる。代替的に、第1の流体ポンプは、第2の流体ポンプが動作している間に動作し得る。別の例において、流体供給装置はまた、流体リザーバーから出力ゾーンのそれぞれに流体を供給するマニホールドを含み得る。
【0036】
1つ以上の例示の実施形態において、制御された流体流量を提供するように適合された流体供給装置が提供され得る。流体供給装置は、液体流体を収容する流体リザーバーと、少なくとも2つの流体出力ゾーンとを含み得る。少なくとも1つのゾーンが少なくとも2つの流体ポンプを含み、各ポンプが流量を有する。流体供給装置はまた、各ポンプに機械的に接続された制御可能なリリーフ弁と、制御装置とを含み得る。制御装置は、各弁に機能的に接続することができ、制御装置は、各弁に対して開閉を指示し、それにより、様々な体積流量の流体が、選択されたリリーフ弁に基づいて生成されるように適合させることができる。
【0037】
任意選択で、流体供給装置は、各出力ゾーンに対するスロットを有するスロットダイを含む。1つの態様において、制御装置は、各出力ゾーンに対する各スロットに対して様々な体積流量を生成するように構成される。別の態様において、液体流体は接着剤である。更に別の態様において、リリーフ弁は、空気圧リリーフ弁又は電気リリーフ弁のうちの少なくとも一方である。
【0038】
任意選択で、流体出力ゾーンのうちの少なくとも1つが、第1の流量を有する第1の流体ポンプと、第2の流量を有する第2の流体ポンプとを含む。1つの態様において、第1の流量は第2の流量とは異なる。別の態様において、第1の流体ポンプは、第2の流体ポンプが動作している間に動作するように構成される。1つの例において、流体供給装置はまた、流体リザーバーから出力ゾーンのそれぞれに流体を供給するマニホールドを含む。
【0039】
1つ以上の例示の実施形態において、制御された体積の液体を基材に提供する方法が提供され得る。方法は、液体リザーバーを設けることと、複数の出力ゾーンを設けることとを含み得る。方法はまた、複数の出力ゾーンのうちの少なくとも1つの出力ゾーンに対して第1のポンプ及び第2のポンプを設けることを含み得る。方法はまた、第1のポンプに対して第1の制御可能なリリーフ弁を設け、第2のポンプに対して第2の制御可能なリリーフ弁を設けることと、第1のリリーフ弁及び第2のリリーフ弁に連結された制御装置を設けることとを含み得る。この方法はまた、第1のリリーフ弁及び第2のリリーフ弁を選択的に開閉することを含み得る。
【0040】
任意選択で、方法はまた、選択的に開かれた第1のリリーフ弁及び第2のリリーフ弁を通して、スロットダイのスロットを介して基材上に液体を圧送することを含む。1つの態様において、方法はまた、第1のリリーフ弁及び第2のリリーフ弁を選択的に開閉することにより、出力ゾーンに流れる液体の量を変化させることを含み得る。
【0041】
単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈において別段明確に示されない限り、複数を指すことも含む。「任意選択の(optional)」又は「任意選択で(optionally)」は、続いて記載される事象又は状況が起こり得ること又は起こり得ないことを意味するとともに、説明には事象が起こる事例及び起こらない事例が含まれることを意味する。明細書及び請求項の全体にわたって本明細書において使用される概略化する用語は、この用語が関連し得る基本的機能に変化を生じさせることなく変動が許容される任意の定量的な表現を修飾するために適用され得る。このため、単数又は複数の用語、例えば「約(about)」、「実質的に(substantially)」、及び「略(approximately)」によって修飾される値は、特定される正確な値に限定されないものであってもよい。少なくともいくつかの事例において、概略化する用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。ここで、並びに明細書及び請求項の全体を通じて、範囲限定は、組み合わせること及び/又は互換することができ、このような範囲は、文脈又は用語において別段示されない限り、識別することができる、及びその中に含まれるすべての下位範囲を含めることができる。
【0042】
本書面においては、ベストモードを含む実施形態を開示する、並びに任意の装置又はシステムの製造及び使用、及び任意の組み込まれた方法を行うことを含め、当業者が実施形態を実施することを可能にするために、例を使用する。請求項は、本開示の特許可能な範囲を画定するものであり、当業者が思い至る他の例を含む。このような他の例は、それらが請求項の文言とは異ならない構造的要素を有する場合、又はそれらが請求項の文言とは僅かに異なる同等の構造的要素を有する場合には特許請求の範囲内に収まることを意図している。
【外国語明細書】