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特開2023-140364充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法
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  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図1
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図2
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図3
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図4
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図5
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  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図7
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図8
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図9
  • 特開-充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140364
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230928BHJP
   F16B 21/07 20060101ALI20230928BHJP
   H04M 1/02 20060101ALN20230928BHJP
【FI】
H05K5/02 L
F16B21/07 Z
H04M1/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039569
(22)【出願日】2022-03-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】追分 裕行
【テーマコード(参考)】
3J037
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
3J037AA08
3J037BA01
3J037DB01
3J037JA02
3J037JA04
4E360AB02
4E360AB42
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA12
4E360ED02
4E360ED03
4E360FA12
4E360GA29
4E360GA53
4E360GB26
4E360GC02
4E360GC08
4E360GC14
5K023AA07
5K023BB25
5K023LL04
5K023MM25
5K023NN07
5K023PP02
5K023PP12
(57)【要約】
【課題】保守作業などで充電端子を交換する場合に、ケースから充電端子を容易に取り外すことを目的とする。
【解決手段】充電端子の防水構造1では、孔部11が設けられたケース10と、孔部11を覆った状態でケース10に装着された充電端子20と、を備え、ケース10は、孔部11の開口縁13に環状の第1刃状リブ30を有し、充電端子20は、孔部11の開口縁13に対向する対向部21に環状の第2刃状リブ40を有し、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40は、少なくとも一方の刃先31,41が撓みながら互いに当接している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔部が設けられたケースと、
前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着された充電端子と、を備え、
前記ケースは、前記孔部の開口縁に環状の第1刃状リブを有し、
前記充電端子は、前記孔部の開口縁に対向する対向部に環状の第2刃状リブを有し、
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブは、少なくとも一方の刃先が撓みながら互いに当接している、充電端子の防水構造。
【請求項2】
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブのそれぞれは、前記孔部を中心とした同心円状に複数形成されている、請求項1に記載の充電端子の防水構造。
【請求項3】
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブの一方は、刃先に向かって縮径した外周面を有し、
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブの他方は、前記外周面が当接すると共に、刃先に向かって拡径する内周面を有する、請求項1または2に記載の充電端子の防水構造。
【請求項4】
前記充電端子は、前記孔部に挿入された軸部を備え、
前記ケースは、前記孔部に対して前記軸部を抜き差し可能に固定する固定部を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の充電端子の防水構造。
【請求項5】
前記軸部は、周面に環状溝を有し、
前記固定部は、前記環状溝に係合する一対の係合爪を有する、請求項4に記載の充電端子の防水構造。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の充電端子の防水構造を備える、電子機器。
【請求項7】
ケースに設けられた孔部の開口縁に、環状の第1刃状リブを形成し、
前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着される充電端子の前記孔部の開口縁に対向する対向部に、環状の第2刃状リブを形成し、
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブを、少なくとも一方の刃先を撓ませながら互いに当接させる、電子機器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電端子の防水構造、電子機器、及び電子機器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、穴が設けられた本体ケースと、本体ケースの穴を囲んで設けられた壁体と、壁体に高周波溶着されるカバーと、を有する防水構造を備えた携帯電話機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-297895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記携帯電話機などでは、充電端子の交換のみで、電子機器を再利用できる場合がある。しかしながら、上記防水構造は、一度組み立ててしまうと、後で分解することが困難であった。このため、上記防水構造を採用した場合、充電端子をケースごと交換しなければならず、コスト的な観点のみならず環境保護の観点からも望ましいものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決する充電端子の防水構造、電子機器、及び電子機器の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に示される充電端子の防水構造は、孔部が設けられたケースと、前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着された充電端子と、を備え、前記ケースは、前記孔部の開口縁に環状の第1刃状リブを有し、前記充電端子は、前記孔部の開口縁に対向する対向部に環状の第2刃状リブを有し、前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブは、少なくとも一方の刃先が撓みながら互いに当接している。
【0007】
また、本発明に示される電子機器は、上記充電端子の防水構造を備える。
【0008】
また、本発明に示される電子機器の製造方法は、ケースに設けられた孔部の開口縁に、環状の第1刃状リブを形成し、前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着される充電端子の、前記孔部の開口縁に対向する対向部に、環状の第2刃状リブを形成し、前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブを、少なくとも一方の刃先を撓ませながら互いに当接させる。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明によれば、保守作業などで充電端子を交換する場合に、ケースから充電端子を容易に取り外すことができる充電端子の防水構造、電子機器、及び電子機器の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の最小構成例にかかる充電端子の防水構造の構成図である。
図2】本実施形態にかかる電子機器の斜視図である。
図3】本実施形態にかかる電子機器の分解斜視図である。
図4】本実施形態にかかる充電端子の防水構造の斜視図である。
図5】本実施形態にかかる充電端子の斜視図である。
図6】本実施形態にかかるインナーケースの要部の斜視図である。
図7】本実施形態にかかる電子機器の製造方法を説明する斜視図である。
図8】本実施形態にかかるインナーケースに充電端子を装着する様子を示す断面図である。
図9図8に示す領域Aの拡大図であって、第1刃状リブと第2刃状リブが当接し始めた様子を示している。
図10図8に示す領域Aの拡大図であって、第1刃状リブと第2刃状リブが当接により変形した様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の最小構成例について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の最小構成例にかかる充電端子の防水構造1の構成図である。
図1に示すように、充電端子の防水構造1は、孔部11が設けられたケース10と、孔部11を覆った状態でケース10に装着された充電端子20と、を備えている。
【0012】
ケース10は、非導電性の材料(例えば樹脂等)から形成されている。充電端子20は、導電性の材料(例えば金属等)から形成されている。充電端子20は、軸部22を備えている。ケース10は、孔部11の延長線上に固定部12を備えている。軸部22は、孔部11に挿入され、固定部12によって抜き差し可能に固定されている。
【0013】
ケース10は、孔部11の開口縁13に環状の第1刃状リブ30を有している。充電端子20は、孔部11の開口縁13に対向する対向部21に環状の第2刃状リブ40を有している。第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40は、少なくとも一方の刃先31,41(図1の例では両方の刃先31,41)が撓みながら互いに当接している。
【0014】
孔部11の周囲は、第1刃状リブ30と第2刃状リブ40との当接によって、全周に亘って防水性が担保されている。一方で、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40は、溶着等されることなく当接している。したがって、孔部11から充電端子20を引き抜くことで、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0015】
このように、上記最小構成にかかる充電端子の防水構造1によれば、保守作業などで充電端子20を交換する場合に、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0016】
また、最小構成にかかる電子機器は、上記充電端子の防水構造1を備える。このため、保守作業などで充電端子20を交換する場合に、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0017】
また、最小構成にかかる電子機器の製造方法は、ケース10に設けられた孔部11の開口縁13に、環状の第1刃状リブ30を形成し、孔部11を覆った状態でケース10に装着される充電端子20の孔部11の開口縁13に対向する対向部に、環状の第2刃状リブ40を形成し、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40を、少なくとも一方の刃先31,41を撓ませながら互いに当接させる。このため、保守作業などで充電端子20を交換する場合に、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0018】
図2図10を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、図2図10において、図1と共通の構成には同一符号を付し、説明を簡略化する。
【0019】
図2は、本実施形態にかかる電子機器2の斜視図である。図3は、本実施形態にかかる電子機器2の分解斜視図である。
図2に示す電子機器2は、防水無線端末である。電子機器2は、略矩形箱状のケース10と、ケース10の下面に設けられた一対の充電端子20と、を備えている。
【0020】
ケース10の正面には、表示部3と、操作部4と、受話部5と、送話部6と、が設けられている。表示部3は、例えば、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等から形成されて画像や文字等を表示する。操作部4は、電源キー、テンキーや各種の機能キーから構成されており、ユーザによる各種の操作指示を受け付ける。
【0021】
受話部5は、表示部3の上方に配置され、ケース10内に設けられた不図示のスピーカと外部とを連通している。送話部6は、操作部4の下方に配置され、ケース10内に設けられた不図示のマイクと連通している。送話部6は、防水シート7によって覆われている。なお、受話部5も図示しない防水構造を備えている。
【0022】
図3に示すように、ケース10は、フロントケース10Aと、インナーケース10Bと、第1のバックケース10Cと、第2のバックケース10Dと、を備えている。インナーケース10Bは、フロントケース10Aにネジ止めされる。第1のバックケース10C及び第2のバックケース10Dは、フロントケース10A及びインナーケース10Bの背面側に係合される。
【0023】
インナーケース10Bには、充電端子20、バッテリー8、及び防水無線端末に必要な各種モジュールが搭載されている。フロントケース10Aには、充電端子20を露出させる開口部10aが形成されている。インナーケース10Bは、充電端子20の防水対策として、上述した充電端子の防水構造1を備えている。
【0024】
図4は、本実施形態にかかる充電端子の防水構造1の斜視図である。
図4に示すように、インナーケース10Bは、孔部11(後述する図6参照)、固定部12の他、充電端子20の対向部21を収容する収容溝15と、充電端子20の軸部22の先端が挿入される挿入孔16と、を備えている。なお、充電端子20は、挿入孔16の先で、上述したバッテリー8と電気的に接続された図示しない電気接点と当接している。
【0025】
図5は、本実施形態にかかる充電端子20の斜視図である。
図5に示すように、充電端子20は、円板状の対向部21と、円柱状の軸部22と、を備えている。対向部21と軸部22の中心軸は、一致している。以下、この中心軸に沿う方向を軸方向という。また、この中心軸と直交する方向を径方向という。また、この中心軸を周回する方向を周方向という。
【0026】
軸部22には、軸方向の中間よりやや対向部21側の位置に、環状溝23が形成されている。環状溝23は、軸部22の周面から径方向内側に一定の深さで形成されている。環状溝23には、図4に示すケース装着状態で、固定部12の一対の係合爪14が係合する。一対の係合爪14は、インナーケース10Bと一体で形成され、インナーケース10Bの材料の弾性を利用して、環状溝23に離脱可能に係合している。
【0027】
図5に示すように、対向部21の軸部22側を向く面には、上述した第2刃状リブ40が形成されている。第2刃状リブ40は、軸部22を中心とした同心円状に複数(本実施形態では2つ)形成されている。第2刃状リブ40は、刃先41に向かって拡径する内周面42を有する。また、第2刃状リブ40は、一定の外径の外周面43を有する。第2刃状リブ40の内周面42と外周面43は、軸方向に沿う断面視で鋭角に交わっている。この鋭角で交わる部分が、第2刃状リブ40の刃先41となっている。
【0028】
図6は、本実施形態にかかるインナーケース10Bの要部の斜視図である。
図6に示すように、インナーケース10Bは、収容溝15の底面の中心に孔部11を備えている。収容溝15と孔部11の中心軸は、一致している。以下、この中心軸に沿う方向を軸方向という。また、この中心軸と直交する方向を径方向という。また、この中心軸を周回する方向を周方向という。
【0029】
孔部11の開口縁13には、上述した第1刃状リブ30が形成されている。第1刃状リブ30は、孔部11を中心とした同心円状に複数(本実施形態では2つ)形成されている。第1刃状リブ30は、刃先31に向かって縮径する外周面33を有する。また、第1刃状リブ30は、一定の内径の内周面32を有する。第1刃状リブ30の内周面32と外周面33は、軸方向に沿う断面視で鋭角に交わっている。この鋭角で交わる部分が、第1刃状リブ30の刃先31となっている。
【0030】
図7は、本実施形態にかかる電子機器の製造方法を説明する斜視図である。図8は、本実施形態にかかるインナーケース10Bに充電端子20を装着する様子を示す断面図である。
図7に示すように、充電端子20は、インナーケース10Bの孔部11に軸部22を挿入することで装着される。
【0031】
図8に示すように、軸部22を固定する一対の係合爪14の孔部11側には、傾斜面14aが形成されている。傾斜面14aは、一対の係合爪14の間に軸部22の先端を誘い込む。軸部22の先端は、図7に示すように、一対の係合爪14を押し広げる。押し広げられた一対の係合爪14は、復元変形し、軸部22の環状溝23に係合する。
【0032】
このように、充電端子20をインナーケース10Bの孔部11に挿入すると、固定部12が充電端子20の位置を保持する。これと同時に充電端子20に設けられた第2刃状リブ40が、インナーケース10Bに設けられた第1刃状リブ30を撓ませながら強固に噛み合い、防水性を担保する。
【0033】
図9は、図8に示す領域Aの拡大図であって、第1刃状リブ30と第2刃状リブ40が当接し始めた様子を示している。図10は、図8に示す領域Aの拡大図であって、第1刃状リブ30と第2刃状リブ40が当接により変形した様子を示している。
図9に示すように、充電端子20をインナーケース10Bの孔部11に挿入すると、充電端子20に設けられた第2刃状リブ40の内周面42が、インナーケース10Bに設けられた第1刃状リブ30の外周面33に当接する。
【0034】
ここで、第2刃状リブ40の内周面42は径方向外側に傾斜し、第1刃状リブ30の外周面33は径方向内側に傾斜している。金属製の第2刃状リブ40に対し相対的に柔らかい樹脂製の第1刃状リブ30の刃先31は、第2刃状リブ40の内周面42の傾斜面に沿って滑り、図10に示すように、径方向内側に撓み変形する。なお、インナーケース10Bに設けられた第1刃状リブ30の撓み量は材料の弾性変形範囲内に留まるため、充電端子20の着脱によって刃先31が塑性変形する懸念はない。
【0035】
上述した充電端子の防水構造1は、溶着や防水両面テープ等を必要としないため、防水無線端末を保守する際に充電端子20の着脱が可能となり、インナーケース10Bを廃棄する必要がなくなる。また、上述した充填端子の防水構造1は、充電端子20及びインナーケース10Bに第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40を追加するのみで実装可能となる。したがって、金型改造規模が小さいため、容易に従来品からの置き換えができる。
【0036】
このように、上述した本実施形態の充電端子の防水構造1では、孔部11が設けられたケース10(インナーケース10B)と、孔部11を覆った状態でケース10に装着された充電端子20と、を備え、ケース10は、孔部11の開口縁13に環状の第1刃状リブ30を有し、充電端子20は、孔部11の開口縁13に対向する対向部21に環状の第2刃状リブ40を有し、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40は、少なくとも一方の刃先31,41が撓みながら互いに当接している。この構成によれば、保守作業などで充電端子20を交換する場合に、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0037】
また、本実施形態においては、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40のそれぞれは、孔部11を中心とした同心円状に複数形成されている。この構成によれば、孔部11が二重にシールされるため、防水性が高まる。
【0038】
また、本実施形態においては、第1刃状リブ30(第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40の一方)は、刃先31に向かって縮径した外周面33を有し、第2刃状リブ40(第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40の他方)は、第1刃状リブ30の外周面33が当接すると共に、刃先41に向かって拡径する内周面42を有する。この構成によれば、充電端子20をインナーケース10Bの孔部11に挿入するのと同時に、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40の傾斜面を利用して刃先41を撓ませることができる。また、傾斜面によって、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40の当接面積が広く確保できるため、防水性がより高まる。
【0039】
また、本実施形態においては、充電端子20は、孔部11に挿入された軸部22を備え、ケース10は、孔部11に対して軸部22を抜き差し可能に固定する固定部12を備える。この構成によれば、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0040】
また、本実施形態においては、軸部22は、周面に環状溝23を有し、固定部12は、環状溝23に係合する一対の係合爪14を有する。この構成によれば、一対の係合爪14の間隔を広げることで、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0041】
また、本実施形態の電子機器2では、上記充電端子の防水構造1を備える。この構成によれば、保守作業などで充電端子20を交換する場合に、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0042】
また、本実施形態の電子機器2の製造方法では、ケース10に設けられた孔部11の開口縁13に、環状の第1刃状リブ30を形成し、孔部11を覆った状態でケース10に装着される充電端子20の孔部11の開口縁13に対向する対向部に、環状の第2刃状リブ40を形成し、第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40を、少なくとも一方の刃先31,41を撓ませながら互いに当接させる。この構成よれば、保守作業などで充電端子20を交換する場合に、ケース10から充電端子20を容易に取り外すことができる。
【0043】
なお、上述した本実施形態は、以下のような変形例を採用してもよい。
【0044】
第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40は、円環状に限定されない。第1刃状リブ30及び第2刃状リブ40は、環状であれば、楕円状、多角形状、その他、円形や多角形等が組み合わされた形状等であってもよい。
【0045】
固定部12は、一対の係合爪14に限定されない。固定部12は、孔部11に対して軸部22を抜き差し可能に固定できれば、弾性変形可能なフック部材や、ネジ止め等により着脱可能な固定部材などであってもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0047】
なお、本発明の適用分野としては、防水無線端末だけでなく、接点方式の充電端子を具備し、防水性が要求される電子機器全般に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 充電端子の防水構造
2 電子機器
3 表示部
4 操作部
5 受話部
6 送話部
7 防水シート
8 バッテリー
10 ケース
10a 開口部
10A フロントケース
10B インナーケース
10C 第1のバックケース
10D 第2のバックケース
11 孔部
12 固定部
13 開口縁
14 係合爪
14a 傾斜面
15 収容溝
16 挿入孔
20 充電端子
21 対向部
22 軸部
23 環状溝
30 第1刃状リブ
31 刃先
32 内周面
33 外周面
40 第2刃状リブ
41 刃先
42 内周面
43 外周面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔部が設けられたケースと、
前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着された充電端子と、を備え、
前記ケースは、前記孔部の開口縁に環状の第1刃状リブを有し、
前記充電端子は、前記孔部の開口縁に対向する対向部に、前記第1刃状リブと同じ形状の環状の第2刃状リブを有し、
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブは、全周に亘って、少なくとも一方の刃先が撓みながら互いに当接しており、
前記充電端子は、前記孔部に挿入された軸部を備え、
前記ケースは、前記孔部に対して前記軸部を抜き差し可能に固定する固定部を備える、
充電端子の防水構造。
【請求項2】
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブのそれぞれは、前記孔部を中心とした同心円状に複数形成されている、
請求項1に記載の充電端子の防水構造。
【請求項3】
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブの一方は、刃先に向かって縮径した外周面を有し、
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブの他方は、前記外周面が当接すると共に、刃先に向かって拡径する内周面を有する、
請求項1または2に記載の充電端子の防水構造。
【請求項4】
前記軸部は、周面に環状溝を有し、
前記固定部は、前記環状溝に係合する一対の係合爪を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の充電端子の防水構造。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の充電端子の防水構造を備える、電子機器。
【請求項6】
ケースに設けられた孔部の開口縁に、環状の第1刃状リブを形成し、
前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着される充電端子の前記孔部の開口縁に対向する対向部に、前記第1刃状リブと同じ形状の環状の第2刃状リブを形成し、
前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブを、全周に亘って、少なくとも一方の刃先を撓ませながら互いに当接させ
前記充電端子の軸部を、前記ケースの固定部に、前記孔部に対して抜き差し可能に固定する、
充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法に関するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決する充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法の提供を目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に示される充電端子の防水構造は、孔部が設けられたケースと、前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着された充電端子と、を備え、前記ケースは、前記孔部の開口縁に環状の第1刃状リブを有し、前記充電端子は、前記孔部の開口縁に対向する対向部に、前記第1刃状リブと同じ形状の環状の第2刃状リブを有し、前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブは、全周に亘って、少なくとも一方の刃先が撓みながら互いに当接しており、前記充電端子は、前記孔部に挿入された軸部を備え、前記ケースは、前記孔部に対して前記軸部を抜き差し可能に固定する固定部を備える
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明に示される充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法は、ケースに設けられた孔部の開口縁に、環状の第1刃状リブを形成し、前記孔部を覆った状態で前記ケースに装着される充電端子の前記孔部の開口縁に対向する対向部に、前記第1刃状リブと同じ形状の環状の第2刃状リブを形成し、前記第1刃状リブ及び前記第2刃状リブを、全周に亘って、少なくとも一方の刃先を撓ませながら互いに当接させ、前記充電端子の軸部を、前記ケースの固定部に、前記孔部に対して抜き差し可能に固定する
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記本発明によれば、保守作業などで充電端子を交換する場合に、ケースから充電端子を容易に取り外すことができる充電端子の防水構造、電子機器、及び充電端子の防水構造を備える電子機器の製造方法を提供できる。