(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014040
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】巻取り機
(51)【国際特許分類】
B65H 54/547 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
B65H54/547
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112452
(22)【出願日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】10 2021 003 635.2
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】307031976
【氏名又は名称】エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D-42897 Remscheid, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ライナルト フォス
(72)【発明者】
【氏名】ディアク ヴィトコフスキー
【テーマコード(参考)】
3F056
【Fターム(参考)】
3F056GA03
3F056GB05
3F056GC01
3F056GC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テンション手段駆動装置への影響なしに、緊締チャックの傾倒を可能とする。
【解決手段】糸24を複数のパッケージ8へと巻成するための巻取り機であって、パッケージ8を受けるための少なくとも1つの中空円筒状の緊締チャック1を備える、巻取り機が記載される。緊締チャック1は、スピンドル支持体2によって保持された主軸に回転可能に組み付けられている。緊締チャック1を駆動するために、スピンドル支持体2にテンション手段駆動装置6が配置されている。緊締チャック1の支持端部が、スピンドル支持体2に回転可能に組み付けられた支持ブシュ5に回転するように弾性的に接続されていて、その周面にテンション手段駆動装置6のスプロケット6.3を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を複数のパッケージへと巻成するための巻取り機であって、前記パッケージを受けるための少なくとも1つの中空円筒状の緊締チャック(1)と、主軸(3)であって、スピンドル支持体(2)を越えて突出して保持されており、前記主軸(3)の周面に前記緊締チャック(1)が回転可能に組み付けられている、主軸(3)と、前記緊締チャック(1)を駆動するために、前記スピンドル支持体(2)に配置されていて、前記緊締チャック(1)の支持端部(1.1)に作用するテンション手段駆動装置(6)と、を備える巻取り機において、
前記緊締チャック(1)の前記支持端部(1.1)は、前記スピンドル支持体(2)に回転可能に組み付けられた支持ブシュ(5)に回転するように弾性的に接続されており、前記テンション手段駆動装置(6)は、前記支持ブシュ(5)にスプロケット(6.3)によって連結されていることを特徴とする、巻取り機。
【請求項2】
前記スプロケット(6.3)は、前記支持ブシュ(5)の周面に不動に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の巻取り機。
【請求項3】
前記支持ブシュ(5)と前記緊締チャック(1)の前記支持端部(1.1)との間に弾性連結手段(15)が配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載の巻取り機。
【請求項4】
前記連結手段(15)は、前記支持ブシュ(5)と前記緊締チャック(1)との間に保持された弾性連結リング(16)によって形成されていることを特徴とする、請求項3記載の巻取り機。
【請求項5】
前記連結リング(16)は、前記支持ブシュ(5)の内側歯列(17)と前記緊締チャック(1)の外側歯列(18)との間に形状嵌合によって保持されていることを特徴とする、請求項4記載の巻取り機。
【請求項6】
前記連結手段(15)は、複数のピン(19)によって形成されており、該ピン(19)は、突出して前記支持ブシュ(5)の端面(5.1)に保持されていて、突出端部にゴムリング(20)を支持しており、前記緊締チャック(1)の前記支持端部(1.1)の端面(23)が、前記ピン端部(19)を収容するための複数の開口(22)を有することを特徴とする、請求項3記載の巻取り機。
【請求項7】
前記ピン(19)は、それぞれ前記支持ブシュ(5)の前記端面(21)に摺動ブシュ(27)によって保持されていることを特徴とする、請求項6記載の巻取り機。
【請求項8】
前記スピンドル支持体(2)に設けられた前記テンション手段駆動装置(6)は、駆動ホイール(6.1)を有しており、該駆動ホイール(6.1)は、電気モータ(6.4)に接続されていて、歯付きベルト(6.1)またはチェーン(6.1)によって、前記支持ブシュ(5)の周面に設けられた前記スプロケット(6.3)に接続されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項9】
調整可能なテンションローラ(12)が、前記スピンドル支持体(2)に配置されていて、前記歯付きベルト(6.1)または前記チェーン(6.1)に作用することを特徴とする、請求項8記載の巻取り機。
【請求項10】
前記スピンドル支持体(2)は、機械フレーム(4)に回転可能に保持されていて、回転可能に駆動される緊締チャック(1)を備える第2の主軸(3)を支持しており、2つの前記緊締チャック(1)は、別体のテンション手段駆動装置(6)によって駆動可能であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の巻取り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、糸を複数のパッケージへと巻成するための巻取り機に関する。
【背景技術】
【0002】
糸を複数のパッケージへと巻成するための一般的な巻取り機は、独国特許出願公開第102016006148号明細書から知られている。
【0003】
既知の巻取り機では、複数の糸が、互いに平行に同時にパッケージへと巻成される。このために、巻取り機は、長く突出した緊締チャックを有している。この緊締チャックの周面には、パッケージを受けるために、複数のパッケージ巻管が緊締されている。緊締チャックは、主軸の周面に回転可能に組み付けられている。主軸は、スピンドル支持体に不動に接続されている。このスピンドル支持体は、通常、別の緊締チャックを取り付けるための第2の主軸を有している。したがって、主軸は、互いに180°ずらされてスピンドル支持体に配置されている。スピンドル支持体は、機械フレームに回転可能に組み付けられており、これによって、交互の緊締チャックにおいて、実質的に連続的な糸の巻取りが可能となる。緊締チャックは、テンション手段駆動装置、特に歯付きベルト駆動装置によって駆動される。このテンション手段駆動装置は、緊締チャックの周面に設けられたスプロケットにわたって案内され、駆動ホイールによって駆動される。スプロケットは、緊締チャックの支持端部に直接取り付けられている。しかしながら、緊締チャックが極めて長い突出量を有していると、パッケージの重量が増大するにつれて、緊締チャックが曲げ負荷に起因して変形するという問題が生じてしまう。したがって、テンション手段駆動装置に直接影響を与える傾角が緊締チャックに形成される。このような負荷によって、特にテンション手段に高い摩耗が発生してしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、一般的なタイプの巻取り機を改良して、極めて長く突出した緊締チャックでさえ、テンション手段駆動装置によって安全に駆動することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によれば、緊締チャックの支持端部が、スピンドル支持体に回転可能に組み付けられた支持ブシュに回転するように弾性的に接続されており、テンション手段駆動装置が、支持ブシュにスプロケットによって連結されていることによって解決される。
【0006】
本発明の有利な改良形態は、特徴および特徴の組合せによって規定される。
【0007】
本発明は、スピンドル支持体に設けられたテンション手段駆動装置が、緊締チャックの負荷から独立している分に作用するという特別な利点を有している。テンション手段駆動装置と緊締チャックとの間に直接的な接続は存在していない。このために、緊締チャックの支持端部は、スピンドル支持体に回転可能に組み付けられた支持ブシュに回転するように弾性的に接続されている。したがって、テンション手段駆動装置を支持ブシュにスプロケットによって連結することができる。パッケージ重量の増大により生じる緊締チャックの傾斜位置は、支持ブシュと緊締チャックとの間の回転するように弾性的な接続によって吸収され、テンション手段駆動装置には伝達されない。
【0008】
安定した駆動のために、スプロケットは、好適には、支持ブシュの周面に不動に配置されており、これによって、テンション手段が支持ブシュに直接係合している。
【0009】
トルクを緊締チャックのあらゆる位置から独立して伝達することができるようにするために、本発明の改良形態では、好ましくは、支持ブシュと緊締チャックの支持端部との間に弾性連結手段が配置されていることが特定されている。したがって、有利には、緊締チャックの傾斜位置において生じる相対的な軸線方向運動を、トルク伝達に影響を与えることなしに補償することができる。
【0010】
第1の代替形態では、連結手段は、支持ブシュと緊締チャックとの間に保持された弾性連結リングによって形成されている。したがって、支持ブシュ内への緊締チャックのコンパクトかつ確実な進入が可能となる。
【0011】
確実なトルク伝達のために、連結リングは、支持ブシュの内側歯列と緊締チャックの外側歯列との間に形状嵌合によって保持されている。
【0012】
緊締チャックを回転するように弾性的に接続するための別の代替形態では、連結手段は、複数のピンによって形成されており、これらのピンは、突出して支持ブシュの端面に保持されていて、突出端部にゴムリングを支持している。この構成では、緊締チャックの支持端部の端面が、ピン端部を収容するための複数の開口を有している。こうして、特に高いトルクを支持ブシュと緊締チャックとの間で伝達することができる。
【0013】
緊締チャックと支持ブシュとの間での相対的な軸線方向運動を吸収することができるようにするために、ピンは、それぞれ支持ブシュの端面に摺動ブシュによって保持されている。
【0014】
テンション手段として、スピンドル支持体に設けられたテンション手段駆動装置は両方とも、歯付きベルトによって形成されていてもよいし、チェーンによって形成されていてもよい。この歯付きベルトまたはチェーンは、電気モータに接続された駆動ホイールと、支持ブシュの周面に設けられたスプロケットとによって案内される。
【0015】
特定のベルト張力またはチェーン張力を維持するために、さらに、調整可能なテンションローラがスピンドル支持体に配置されていて、歯付きベルトまたはチェーンに作用することが特定されている。
【0016】
可能な限り大幅な中断なしに、糸をパッケージへと連続的に巻成することができるように、本発明に係る巻取り機は、好ましくは、スピンドル支持体が、機械フレームに回転可能に保持されていて、回転可能に駆動される緊締チャックを備える第2の主軸を支持しており、2つの緊締チャックが、互いに別体のテンション手段駆動装置によって駆動可能であるように構成されている。こうして、緊締チャックを運転領域と切換領域との間で交互に相前後して移動させることができ、個別に駆動することができる。
【0017】
緊締チャックの強度が比較的高いため、本発明に係る巻取り機は、複数のパッケージを緊締チャックの周面に同時に巻成するために特に適している。2mを超える突出した緊締チャック長さを達成することができる。
【0018】
本発明を提示するために、以下に、本発明に係る巻取り機の例示的な実施形態を添付の図面を参照しながらより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】運転中の本発明に係る巻取り機の例示的な実施形態の概略的な側面図である。
【
図2】
図1に示した例示的な実施形態のスピンドル支持体の概略的な正面図である。
【
図3】
図1に示した例示的な実施形態の1つの緊締チャックの概略的な縦断面図である。
【
図4】
図3に示した緊締チャックの概略的な横断面図である。
【
図5】代替的な連結手段を備えた、
図3に示した緊締チャックの概略的な縦断面図の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、本発明に係る巻取り機の第1の例示的な実施形態が概略的に側面図で示してある。例示的な実施形態は、複数の糸24がそれぞれパッケージ8へと巻成される運転状況を示している。このパッケージ8はパッケージ巻管7に巻成される。このパッケージ巻管7は、緊締チャック1の周面に緊締されている。緊締チャック1は、突出してスピンドル支持体2に配置されている。緊締チャック1は回転可能に組み付けられており、テンション手段駆動装置6を介して駆動される。以下に、緊締チャック1の構造およびテンション手段駆動装置6との接続をより詳しく説明する。
【0021】
この例示的な実施形態では、テンション手段駆動装置6は、テンション手段6.1と、駆動ホイール6.2と、スプロケット6.3と、モータ6.4とによって形成されている。このために、スプロケット6.3は、支持ブシュ5の周面に配置されている。
【0022】
スピンドル支持体2における待機位置に第2の緊締チャック1が保持されており、その周面に複数のパッケージ巻管7が緊締されている。糸24の巻取りを可能な限り連続的に可能にするために、スピンドル支持体2は、機械フレーム4に回転可能に組み付けられている。スピンドル支持体2は、図示の構成では、回転駆動装置11に連結されており、したがって、緊締チャック1を巻取り領域と待機領域とに交互に案内することができる。
【0023】
巻取り領域に保持された緊締チャック1は、パッケージ8を巻成するための接触ローラ9および転向装置10と協働する。糸24は、糸ヘッダガイド25によって分離され、個々のパッケージ位置に供給される。転向装置10は、糸24をパッケージ8のパッケージ幅の範囲内で往復案内するために、各々の糸用の1つ以上の転向用の糸ガイドを有している。この例示的な実施形態では、接触ローラ9は、可動のローラ支持体26によって保持されている。
【0024】
緊締チャック1を巻取り領域で駆動することができるようにするために、各々の緊締チャック1にそれぞれ別体のテンション手段駆動装置6が割り当てられている。
図2に示したように、2つのテンション手段駆動装置6はスピンドル支持体2に保持されている。
【0025】
テンション手段駆動装置6は構造が同一であり、それぞれ軸によってモータ6.4に接続された駆動ホイール6.2から成っている。駆動ホイール6.2は、スピンドル支持体2の前側に配置されていて、スプロケット6.3と共にテンション手段平面を形成しており、このテンション手段平面内でテンション手段6.1が案内される。テンション手段6.1として、チェーンまたは歯付きベルトが使用されてよい。
【0026】
駆動ホイール6.2とスプロケット6.3との間でテンション手段6.1にテンションローラ12が割り当てられている。テンションローラ12は、スピンドル支持体2の前側で調整可能であるように構成されていて、駆動のために必要となる引張り応力をテンション手段6.1に発生させる。
【0027】
図2から明らかなように、緊締チャック1およびテンション手段駆動装置6は、スピンドル支持体2上で180°ずらされて配置されている。
【0028】
緊締チャック1の一つとテンション手段駆動装置6の一つとをさらに説明するために、以下では
図3に言及する。
図3には、緊締チャック1の縦断面図が概略的に示してある。
【0029】
緊締チャック1は中空円筒状であり、突出した主軸3に緊締チャック支承要素13を介して回転可能に組み付けられている。主軸3はスピンドル支持体2に取り付けられている。緊締チャック1は、支持端部1.1と自由突出端部1.2とを有している。緊締チャック1の突出端部1.2は、パッケージ巻管7を受け入れかつパッケージ8を取り外すために用いられる。
【0030】
緊締チャック1の支持端部1.1は、支持ブシュ5によって間隔を置いて覆われている。支持ブシュ5は、ブシュ支承要素14を介してスピンドル支持体2に回転可能に組み付けられている。図示の構成では、支持ブシュ5は、突出した駆動端部5.1を有している。この駆動端部5.1はその周面にテンション手段駆動装置6のスプロケット6.3を支持している。図示の構成では、スプロケット6.3は、支持ブシュ5に不動に接続されている。
【0031】
回転運動を伝達するために、支持ブシュ5は、緊締チャック1に弾性的に連結されている。このために、支持ブシュ5の駆動端部5.1と緊締チャック1の支持端部1.1との間に連結手段15が配置されている。この例示的な実施形態では、連結手段15は、支持ブシュ5と緊締チャック1との間に形状嵌合により保持された連結リング16によって形成されている。
【0032】
連結手段を説明するために、
図4にも言及する。
図4には、支持端部1.1における緊締チャック1の横断面図が概略的に示してある。
【0033】
連結リング16を形状嵌合によって支持ブシュ5と緊締チャック1との間に保持するために、駆動端部5.1における支持ブシュ5の内面に内側歯列17が形成されている。内側歯列17は、緊締チャック1の周面に設けられた外側歯列18に向かい合って位置している。弾性連結リングは、内側歯列17と外側歯列18との間に配置されている。連結リング16は、好ましくはエラストマーから製作されている。したがって、緊締チャック1の支持端部1.1は、テンション手段駆動装置6から弾性的に分離されており、これによって、巻成の終了時のパッケージ負荷下での緊締チャック1の傾倒運動が、支持ブシュ5とスプロケット6.3とにマイナスの影響を与えない。
【0034】
図3および
図4に示した連結手段15は、その実施形態における一例として、支持ブシュ5と緊締チャック1との間の連結リング16として示してある。原則的には、回転伝達のための類似の機能の弾性連結手段が、支持ブシュ5と緊締チャックとの間に配置されてもよい。
【0035】
図5には、支持ブシュ5と緊締チャック1との間での回転伝達のための、
図1の例示的な実施形態での使用に適しているような別の例示的な実施形態が、概略的に縦断面図で示してある。
【0036】
図5に示した例示的な実施形態では、突出した複数のピン19が、互いに離間して支持ブシュ5の端面21に保持されている。ピン19は、支持ブシュ5を越えて突出した端部の周面にそれぞれゴムリング20を有している。図示の構成では、ピン19が、ゴムリング20でそれぞれ緊締チャック1の開口22内に係合している。開口22は、等間隔を空けて緊締チャック1の端面23に形成されており、これによって、開口22が、ピン19をゴムリング20と共に収容することができる。
【0037】
支持ブシュ5と緊締チャック1との間での相対的な軸線方向運動が可能となるように、ピン19は、支持ブシュ5の端面21でそれぞれ摺動ブシュ27に保持されている。
【0038】
支持ブシュ5は、反対側の端部でブシュ支承要素14を介してスピンドル支持体2に回転可能に組み付けられている。支持ブシュ5は、スピンドル支持体2の外側でテンション手段駆動装置6のスプロケット6.3を支持している。多数のピン19によって形成された連結手段16によって、支持ブシュ5と緊締チャック1との間で比較的高いレベルのトルクを伝達することが可能となる。ここでは、力伝達経路内に位置するゴム要素20が、駆動される緊締チャック1へのむらのある力伝達を減衰する。連結の特性には、ゴムリング20の形状および硬さによって影響を与えることができる。
【0039】
連結手段の構造的な構成にかかわらず、本発明に係る巻取り機は、テンション手段駆動装置6と緊締チャック1とが直接的な接続を有していないという利点を有している。したがって、緊締チャック1をテンション手段駆動装置6から独立して取り外し、取り付けることができる。したがって、緊締チャック1の交換が問題なく可能となる。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を複数のパッケージへと巻成するための巻取り機であって、前記パッケージを受けるための少なくとも1つの中空円筒状の緊締チャック(1)と、主軸(3)であって、スピンドル支持体(2)を越えて突出して保持されており、前記主軸(3)の周面に前記緊締チャック(1)が回転可能に組み付けられている、主軸(3)と、前記緊締チャック(1)を駆動するために、前記スピンドル支持体(2)に配置されていて、前記緊締チャック(1)の支持端部(1.1)に作用するテンション手段駆動装置(6)と、を備える巻取り機において、
前記緊締チャック(1)の前記支持端部(1.1)は、前記スピンドル支持体(2)に回転可能に組み付けられた支持ブシュ(5)に回転するように弾性的に接続されており、前記テンション手段駆動装置(6)は、前記支持ブシュ(5)にスプロケット(6.3)によって連結されていることを特徴とする、巻取り機。
【請求項2】
前記スプロケット(6.3)は、前記支持ブシュ(5)の周面に不動に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の巻取り機。
【請求項3】
前記支持ブシュ(5)と前記緊締チャック(1)の前記支持端部(1.1)との間に弾性連結手段(15)が配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載の巻取り機。
【請求項4】
前記連結手段(15)は、前記支持ブシュ(5)と前記緊締チャック(1)との間に保持された弾性連結リング(16)によって形成されていることを特徴とする、請求項3記載の巻取り機。
【請求項5】
前記連結リング(16)は、前記支持ブシュ(5)の内側歯列(17)と前記緊締チャック(1)の外側歯列(18)との間に形状嵌合によって保持されていることを特徴とする、請求項4記載の巻取り機。
【請求項6】
前記連結手段(15)は、複数のピン(19)によって形成されており、該ピン(19)は、突出して前記支持ブシュ(5)の端面(5.1)に保持されていて、突出端部にゴムリング(20)を支持しており、前記緊締チャック(1)の前記支持端部(1.1)の端面(23)が、前記ピン端部(19)を収容するための複数の開口(22)を有することを特徴とする、請求項3記載の巻取り機。
【請求項7】
前記ピン(19)は、それぞれ前記支持ブシュ(5)の前記端面(21)に摺動ブシュ(27)によって保持されていることを特徴とする、請求項6記載の巻取り機。
【請求項8】
前記スピンドル支持体(2)に設けられた前記テンション手段駆動装置(6)は、駆動ホイール(6.1)を有しており、該駆動ホイール(6.1)は、電気モータ(6.4)に接続されていて、歯付きベルト(6.1)またはチェーン(6.1)によって、前記支持ブシュ(5)の周面に設けられた前記スプロケット(6.3)に接続されていることを特徴とする、請求項1記載の巻取り機。
【請求項9】
調整可能なテンションローラ(12)が、前記スピンドル支持体(2)に配置されていて、前記歯付きベルト(6.1)または前記チェーン(6.1)に作用することを特徴とする、請求項8記載の巻取り機。
【請求項10】
前記スピンドル支持体(2)は、機械フレーム(4)に回転可能に保持されていて、回転可能に駆動される緊締チャック(1)を備える第2の主軸(3)を支持しており、2つの前記緊締チャック(1)は、別体のテンション手段駆動装置(6)によって駆動可能であることを特徴とする、請求項1記載の巻取り機。
【外国語明細書】