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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140417
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】食器洗い機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A47L15/42 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046241
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100116078
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 浩希
(72)【発明者】
【氏名】松本 光平
(72)【発明者】
【氏名】松浦 直紀
(72)【発明者】
【氏名】エン ギョウトウ
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BL02
(57)【要約】
【課題】洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能で、使用者が把持部を持ちやすく、把持部を送水経路に着脱しやすい食器洗い機を提供する。
【解決手段】本発明に係る食器洗い機は、筐体と、前記筐体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる開口部を有する洗浄槽と、前記開口部を開閉自在に覆う扉体と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する前記洗浄槽の天面に設置された天面洗浄ノズルと、前記洗浄槽に溜められた洗浄水を前記天面ノズルに送水し送水経路に配置された洗浄ポンプと、を備え、前記天面洗浄ノズルは、前記送水経路から着脱可能な把持部と、前記送水経路から送水された洗浄水により回転する回転体を有し、前記回転体の内径は、前記把持部の外径より小さいことを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる開口部を有する洗浄槽と、
前記開口部を開閉自在に覆う扉体と、
前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する前記洗浄槽の天面に設置された天面洗浄ノズルと、
前記洗浄槽に溜められた洗浄水を前記天面洗浄ノズルに送水し送水経路に配置された洗浄ポンプと、を備え、
前記天面洗浄ノズルは、前記送水経路から着脱可能な把持部と、前記送水経路から送水された洗浄水により回転する回転体とを有し、前記回転体の内径は、前記把持部の外径より小さいことを特徴とする、
食器洗い機。
【請求項2】
前記回転体は平板部から立設させた複数の羽根部を備え、前記羽根部間の平板部を一部切り欠いた切欠部を有している、請求項1記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記把持部は複数の通水枠体で構成される横方向への凸部を複数備え、前記通水枠体は、前記回転体の回転時に前記切欠部の鉛直下方に位置するパターンを有する、請求項2記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記把持部は複数の凹部を備え、前記凹部は、前記回転体の回転時に前記切欠部の鉛直下方に位置するパターンを有する、請求項2または3に記載の食器洗い機。
【請求項5】
前記把持部は凸リブを備え、前記回転体が前記把持部から外れにくいように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗い機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食器を配置する洗浄槽と、洗浄槽に貯められた洗浄水を循環経路に循環させる循環ポンプと、循環経路と連通し洗浄槽下方に設置された洗浄ノズルと、循環経路と連通し洗浄槽上面に設置された天面洗浄ノズルと、を備え、洗浄ノズルと天面洗浄ノズルから洗浄水やすすぎ水を洗浄槽内に噴射する食器洗い機が知られている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-68665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の食器洗い機においては、天面洗浄ノズルの構成という観点において未だ改善の余地がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、洗浄槽内を広範囲に噴射される天面洗浄ノズルを設け、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能な食器洗い機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の食器洗い機は、筐体と、前記筐体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる開口部を有する洗浄槽と、前記開口部を開閉自在に覆う扉体と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する前記洗浄槽の天面に設置された天面洗浄ノズルと、前記洗浄槽に溜められた洗浄水を前記天面洗浄ノズルに送水し送水経路に配置された洗浄ポンプと、を備え、前記天面洗浄ノズルは、前記送水経路から着脱可能な把持部と、前記送水経路から送水された洗浄水により回転する回転体を有し、前記回転体の内径は、前記把持部の外径より小さいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る食器洗い機によれば、洗浄槽内を広範囲に噴射される天面洗浄ノズルを設け、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能で、把持部を送水経路に着脱しやすい食器洗い機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1における扉体を回動させてかごを筐体から一部引き出した状態の食器洗い機の概略断面図
図2】本発明の実施の形態1における扉体を回動させてかごを筐体から一部引き出した状態の食器洗い機の概略斜視図
図3】本発明の実施の形態1における扉体を閉塞させた状態の食器洗い機の概略斜視図
図4】本発明の実施の形態1における図1図3の食器洗い機の外郭を壁で覆った状態の概略斜視図
図5】本発明の実施の形態1における扉体を取り外した状態での食器洗い機の下方斜視図
図6】(a)本発明の実施の形態1における洗浄ポンプおよび送水経路および天面洗浄ノズルを示す概略断面斜視図(b)本発明の実施の形態1における送水経路および天面洗浄ノズル(把持部および回転体)の分解斜視図(c)本発明の実施の形態1における把持部のみを送水経路に取り付けた状態の下方斜視図
図7】(a)本発明の実施の形態1における天面洗浄ノズルの把持部の上方斜視図(b)本発明の実施の形態1における天面洗浄ノズルの回転体の上方斜視図(c)本発明の実施の形態1における天面洗浄ノズルの把持部に回転体を装着した状態の上方斜視図
図8】本発明の実施の形態1における天面洗浄ノズルの把持部の他の角度からみた上方斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、洗浄槽内を広範囲に噴射される天面洗浄ノズルを設け、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能で、把持部を送水経路に着脱しやすい食器洗い機を実現するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
【0010】
従来の食器洗い機において、洗浄槽の天面に洗浄ノズルを設けるものが存在した。しかしながら、従来の食器洗い機においては、ノズル孔を洗浄槽の天面に設けているものの、洗浄槽内の食器を広範囲に洗浄することができない。また、洗浄槽の天面に、従来の筒状体にノズル孔を設けた大型で回転式の洗浄ノズルを設けることは、コストメリットも低く食器の載置の際にも邪魔になりかねない。洗浄槽内を広範囲に噴射される天面洗浄ノズルを設け、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能で、把持部を送水経路に着脱しやすい食器洗い機を実現する必要がある。
【0011】
ここで、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能で、送水経路に着脱しやすい天面洗浄ノズルを備える食器洗い機の以下の発明に至った。
【0012】
本発明の第1態様によれば、筐体と、前記筐体内に設けられ、食器等の被洗浄物が出し入れされる開口部を有する洗浄槽と、前記開口部を開閉自在に覆う扉体と、前記洗浄槽内に収容された被洗浄物を洗浄する前記洗浄槽の天面に設置された天面洗浄ノズルと、前記洗浄槽に溜められた洗浄水を前記天面洗浄ノズルに送水し送水経路に配置された洗浄ポンプと、を備え、前記天面洗浄ノズルは、前記送水経路から着脱可能な把持部と、前記送水経路から送水された洗浄水により回転する回転体とを有し、前記回転体の内径は、前記把持部の外径より小さいことを特徴とする食器洗い機を提供する。
【0013】
このような構成により、洗浄槽内を広範囲に噴射される天面洗浄ノズルを設け、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することが可能で、使用者が把持部を持ちやすく、把持部を送水経路に着脱しやすい食器洗い機を実現することができる。
【0014】
本発明の第2態様によれば、前記回転体は平板部から立設させた複数の羽根部を備え、前記羽根部間の平板部を一部切り欠いた切欠部を有している、第1態様に記載の食器洗い機を提供する。
【0015】
このような構成により、羽根部と平板部により洗浄水を略水平方向あるいは斜め下方に噴射させるとともに、平板部を一部切り欠いているため、洗浄水が天面洗浄ノズルの下方(直下)にも噴射されるので、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することができる。
【0016】
本発明の第3態様によれば、前記把持部は複数の通水枠体で構成される横方向への凸部を複数備え、前記通水枠体は、前記回転体の回転時に前記切欠部の鉛直下方に位置するパターンを有する、第2態様に記載の食器洗い機を提供する。
【0017】
このような構成により、羽根部と平板部により洗浄水を略水平方向あるいは斜め下方に噴射させるとともに、把持部の凸部が通水口を有しているため、洗浄水が天面洗浄ノズルの下方(直下)にも噴射されるので、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することができる。
【0018】
本発明の第4態様によれば、前記把持部は複数の凹部を備え、前記凹部は、前記回転体の回転時に前記切欠部の鉛直下方に位置するパターンを有する、第2または第3態様に記載の食器洗い機を提供する。
【0019】
このような構成により、羽根部と平板部により洗浄水を略水平方向あるいは斜め下方に噴射させるとともに、把持部が凹部を有しているため、洗浄水が天面洗浄ノズルの下方(直下)にも噴射されるので、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することができる。
【0020】
本発明の第5態様によれば、前記把持部は凸リブを備え、前記回転体が前記把持部から外れにくいように構成されている、第1~第4態様のいずれかに記載の食器洗い機を提供する。
【0021】
このような構成により、把持部と回転体を送水経路から取り外したときに、把持部と回転体とが分離するなどして、使用者が把持部と回転体のいずれかを無くすといったことを極力防ぐことができる。
【0022】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
[全体構成]
実施の形態1における食器洗い機1において、図1は扉体4を回動させてかご9を筐体2から一部引き出した状態の食器洗い機の概略断面図である。図2は扉体4を回動させてかご9を筐体2から一部引き出した状態の食器洗い機の概略斜視図である。詳しくは、扉体4を手前側下方に回動することにより、筐体2からかご9を一部引き出した状態である。図3は扉体4を閉塞させた状態の食器洗い機の概略斜視図である。
【0024】
また、実施の形態1の食器洗い機は、例えばシステムキッチンなどに搭載されるビルトイン式の食器洗浄機である。
【0025】
なお、実施の形態1において、図中に示すように、前方向は洗浄槽3からかご9が引き出される方向、あるいは開口部5側の方向、後方向は洗浄槽3にかご9が収納される方向、あるいは後壁2d側の方向、として説明する。また、食器洗い機の洗浄槽3の天壁2b側を上方、底壁2c側を下方とし、さらに扉体4の正面から見て右側を右方、左側を左方として、以降では、説明する。
【0026】
図1図3に示すように、実施の形態1の食器洗い機1は、筐体2と、筐体2の内部に設けられ、被洗浄物を収容する洗浄槽3と、洗浄槽の前面に位置する開口部5を開閉する回動式の扉体4などを備える。
【0027】
洗浄槽3は、前面に開口部5を有し、食器類8を収容する食器かご9と、回転洗浄ノズル10などを含む。開口部5は、筐体2に配設された扉体4で閉塞される。これにより、食器かご9は、前後方向(図1の紙面上では左右方向)へ、筐体2から出し入れ自在に支持される。
【0028】
食器かご9には、食器類8が載置される。食器かご9の出し入れは、扉体4を開放したのち、前方へ引き出すことで行われる。
【0029】
さらに食器洗い機1は、給水部、洗浄ポンプ13、洗浄ポンプ13から天面洗浄ノズル11への送水経路12、洗浄ポンプ13から回転洗浄ノズル10への洗浄経路(図示せず、天面洗浄ノズル11への送水経路12とはあえて異なる名称で呼ぶこととする。)、回転洗浄ノズル10、への洗浄経路や天面洗浄ノズル11への送水経路12へ洗浄水を分水する分水機構(いずれも図示せず)などを備える。給水部は、給水弁、給水ホースなどを含む(いずれも図示せず)。具体的には、まず、図示しないシステムキッチン上の分岐水栓などから給水弁を制御し、給水ホースなどの給水経路(図示せず)に水道水などの洗浄水が供給される。供給された洗浄水は、給水経路を経て、洗浄槽3内に必要な水位や必要量の給水がなされる。
【0030】
洗浄ポンプ13は洗浄水を回転洗浄ノズル10や天面洗浄ノズル11に圧送する。回転洗浄ノズル10が複数ある場合は、洗浄水は洗浄ポンプ13から分水機構を経由し、各回転洗浄ノズル10あるいは天面洗浄ノズル11へと圧送される。回転洗浄ノズル10は、圧送された洗浄水の反力により回転しながら食器かご9に載置された食器類8に向けて洗浄水を噴射するタイプの洗浄ノズルである。なお、回転洗浄ノズル10は、洗浄槽3内の側壁(天面以外の側壁)に設けられた洗浄経路(図示せず)を経て洗浄経路に設けられた洗浄孔から食器類8に向けて洗浄水を噴射するタイプの洗浄ノズルであってもよい。
【0031】
つまり、洗浄ポンプ13は、洗浄槽3内に溜められた洗浄水を加圧して回転洗浄ノズル10や天面洗浄ノズル11に供給する。回転洗浄ノズル10や天面洗浄ノズル11から噴射された洗浄水は、食器類8に衝突して汚れを落とし、洗浄を行う。なお、洗浄水は、洗剤を含んで被洗浄物に噴射される洗浄液と、被洗浄物をすすぐためのすすぎ液とを含む。さらに洗浄ポンプ13は、洗浄槽3内に給水された洗浄水を、洗浄経路や送水経路12を経て循環させ、回転洗浄ノズル10や天面洗浄ノズル11から洗浄水を噴射させる。そして、噴射された洗浄水で、食器類8の洗浄が可能に構成される。
【0032】
排水口7は、洗浄槽3内の底部に設けられる。残さいフィルタ(図示せず)は、排水口7に着脱自在に設けられ、被洗浄物から洗浄、除去された残さいを捕集する。洗浄ヒータ(図示せず)は洗い工程において、洗浄槽3内に溜められた洗浄水を加熱する。洗浄ヒータは洗浄槽3の底部近傍に配置される。なお、洗浄ヒータは洗浄槽3の底部近傍に配置されるのではなく、洗浄ポンプ13に内蔵されていてもよい。
【0033】
洗浄ポンプ13は、吸い込み側が排水口7に連通され、洗浄水を循環させる。さらに、洗浄ポンプ13は、循環時のモータの回転方向を反転させることにより排水ポンプとしても機能し、洗浄槽3から洗浄水を排出する構成としてもよいし。洗浄ポンプ13とは別に排水ポンプが独立して設けられてもよい。また、排水ポンプの代わりに排水弁が設けられ、排水弁の開放により、重力による自然落下で洗浄水が排水されるように構成されてもよい。
【0034】
また、実施の形態1の食器洗い機は、洗浄槽3から洗浄水を排水する排水経路(図示せず)を備える。排水経路は、排水口7、排水ポンプ(図示せず)、排水ホース(図示せず)などで構成される。食器類8の洗浄やすすぎが終了すると、排水ポンプが駆動され、洗浄水は、排水口7を通過したのち、排水ホースを介して、外部に排水される。また排水ホースは、洗浄槽3内の洗浄水をシステムキッチンのシンクなどに排水可能に構成される。
【0035】
実施の形態1の食器洗い機は、図2および図3で示す構成により、食器類8等の被洗浄
物を乾燥することができる。洗浄槽3の側壁下部に給気口(図示せず)が配置され、給気口に連通し、管状のヒータ(図示せず)および、乾燥のために空気を吸気口(図示せず)から取り入れて送風するファン(図示せず)が配置される乾燥風路23が洗浄槽3の側壁2aの外側に設置されている。ファンを駆動するときに管状のヒータも駆動することにより、乾燥風路23内で加熱された空気を給気口から洗浄槽3内の食器類8の被洗浄物に送風する。
【0036】
また、洗浄槽3の側壁上部には第1の排気口(図示せず)を有し、排気経路31が洗浄槽3の側壁2aの外側に設置されている。給気口から洗浄槽3内に供給された空気は洗浄槽3内の湿気を含んで、第1の排気口から排気経路31を経て、第2の排気口(図示せず)から機外に排気される。このように、加熱された空気の送風と湿気を含んだ空気の排気により、食器類8の乾燥を促進することができる。
【0037】
洗浄槽3の前面に位置する開口部5を開閉する扉体4は、前面に平面部42を備え、平面部42の上方に取っ手41を有する。平面部42は面材などにより覆われており、扉体4天面には操作部43や表示部44などが配置される。操作部43は、使用者の操作により、食器洗い機の洗浄コース、電源のオン、オフなどが設定される。表示部44は、洗浄や乾燥状況、動作状況、時間などを表示する。
【0038】
洗浄運転および乾燥運転を実行する制御部は、マイクロコンピュータやメモリー等を基板に搭載しており、制御基板として洗浄槽3の下方に設けられている。制御部は、食器類8を洗う洗い工程、食器類8に付着した洗剤および残さいをすすぐすすぎ工程、および、食器類8を乾燥させる乾燥工程、を含み、乾燥工程では管状のヒータおよびファンの駆動制御し、これら洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を逐次制御する。
【0039】
なお、図4で示すとおり、図1から図3で示した食器洗い機1の筐体2を天面・側面・後面を平坦な壁でさらに覆って構成してもよい。
【0040】
以上のように、実施の形態1の食器洗い機は構成される。
【0041】
[天面洗浄ノズルと送水経路の構成]
図1図2図5図6(a)で示されるとおり、洗浄槽3の天面(上面)の略中央には天面洗浄ノズル11は設置され、洗浄ポンプ13により洗浄槽3内に溜められた洗浄水を加圧し、送水経路12内で洗浄水を上昇させ、天面洗浄ノズル11から洗浄水が噴射されるように構成されている。
【0042】
送水経路12の上方端部付近には、下方に向けて筒状に突出する突出部12aが設けられ、突出部12aには側方に突き出たリブ状の係合部12bが2か所対向するように設けられている。係合部12bは、天面洗浄ノズル11の把持部15の筒状体の上部に設けられた逆L字状に切り欠いた2か所の係止部15eと係合する。
【0043】
係止部15eを逆L字状に切り欠いているので、把持部15の係止部15eを係合部12bに合わせて上方向に嵌め込み、把持部15を下方から見て右方向に回転させることによって、図6(c)のように、把持部15を送水経路12に取り付けることができる。
【0044】
把持部15を送水経路12に取り付けた状態で把持部15を下方から見て左方向に回転させ、把持部15の係止部15eを係合部12bに合わせて下方向に引き抜くことで把持部15を送水経路12から取り外すことができる。すなわち、把持部15は送水経路12から着脱可能となっている。
【0045】
回転体14は内径部14dを有する開口14eを設けているので、この開口14eを把持部15の筒状体15fに嵌め込むことができ、なおかつ回転体14が筒状体15fを軸に回転できるように筒状体15fの径と開口14eの径の寸法が設定されている。
【0046】
図7(c)のように把持部15に回転体14を嵌め込んだ状態で、上述および図6(b)で示すとおり、把持部15を送水経路12の突出部12aに取り付けることができるし、把持部15を送水経路12の突出部12aから取り外すこともできる。このとき、回転体14は把持部15の筒状体15fの周囲を回転可能に設置される。
【0047】
[天面洗浄ノズルの詳細構成]
図7(a)に示すとおり、把持部15は下部に横方向へ延びる凸部15aが複数(本実施の形態では4か所)設けられ、隣り合う凸部15a間に凹部15bが複数(本実施の形態では4か所)設けられている。このような構成により、凹部に使用者の指が収まるので、把持部15を使用者が持ちやすくなり、把持部15を左右方向に回転しやすくなり、把持部15を上下方向に嵌め込みまたは引き抜きがしやすくなっている。
【0048】
凸部15aはそれぞれ枠体状に構成され開孔を有する通水枠体15dで構成される。また、把持部15の筒状体15fの側面には扁平形状の通水口15cが4か所設けられ、上述のとおり、把持部15の筒状体15fの上部には逆L字状の係止部15eが2か所設けられている。
【0049】
図7(b)に示すとおり、回転体14は平板部14aに複数の湾曲した羽根部14bを立設させている。本実施の形態では羽根部14bを6か所ほぼ等間隔に立設させ、隣り合う羽根部14bの間に平板部14aを切り欠いた切欠部14cが2か所対向するように設けられている。さらに回転体14は内径部14dを有する開口14eを設けている。
【0050】
この回転体14の内径部14dの内径は、把持部15の凸部15aの周囲の最大外径dより小さい寸法となっている。これにより、把持部15を使用者が持ちやすくなり、把持部15を左右方向に回転しやすくなり、把持部15を上下方向に嵌め込みまたは引き抜きがしやすくなっている。
【0051】
図7(c)にて、把持部15に回転体14を嵌め込んだ構成で、洗浄水の噴射方向について説明する。
【0052】
送水経路12から筒状体15f内に入り込んだ洗浄水は、通水口15cから吐出され、湾曲した羽根部14bに当接し、水圧により回転体14をa方向(回転体14を上からみて左方向)に回転させながら、平板部14aおよび隣り合う羽根部14bで仕切られた空間からb方向に洗浄水が噴射される。すなわち、洗浄水を回転体14の水平方向あるいは回転体14の斜め下方向に向かって洗浄水が噴射される。
【0053】
他方で、送水経路12から筒状体15f内に入り込んだ洗浄水は、通水口15cから吐出され、隣り合う羽根部14bが切欠部14cを経由する場合には、洗浄水がc方向(回転体14の下方向)に向かって洗浄水が噴射される。
【0054】
また、把持部15の通水枠体15dが、回転体14の回転時に切欠部14cの鉛直下方に位置するパターンの場合、洗浄水がc方向(回転体14の下方向)に向かって洗浄水が噴射される。
【0055】
また、把持部15の凹部15bが、回転体14の回転時に切欠部14cの鉛直下方に位置するパターンの場合、洗浄水がc方向(回転体14の下方向)に向かって洗浄水が噴射
される。
【0056】
このような構成により、羽根部14bと平板部14aにより洗浄水を略水平方向あるいは斜め下方に噴射させるとともに、洗浄水が天面洗浄ノズル11の下方(直下)にも噴射されるので、洗浄槽3内の食器類8を広範囲に洗浄することができる。
【0057】
図8に示す通り、把持部15の筒状体15fの2つの係止部15eの上部には、筒状体15fの外方に突出した凸リブ15gが設けられている。凸リブ15gは筒状体15fの表面から0.5mm程度突出しており、回転部14の開口14eを筒状体15fに嵌め込むと、回転体14が凸リブ15gに引っ掛かることにより、把持部15を送水経路12の突出部12aから取り外した状態においては、回転体14が把持部15から外れにくくなっている。これにより、把持部15と回転体14を送水経路12の突出部12aから取り外したときに、把持部15と回転体14とが分離するなどして、使用者が把持部15と回転体14のいずれかを無くすといったことを極力防ぐことができる。
【0058】
凸リブ15gは筒状体15fの表面から0.5mm程度の突出であるため、回転体14を把持部15から着脱可能となっている。回転体14を把持部15から着脱可能であれば、凸リブ15gは筒状体15fの表面から0.3mm~2mmであってもよい。凸リブ15gは、筒状体15fの表面からの突出度合いが大きくなるほど回転体14を把持部15から着脱しにくくなるので、凸リブ15gは筒状体15fの表面から2mm以内の突出度合いが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明にかかる食器洗い機は、洗浄槽内を広範囲に噴射される天面洗浄ノズルを設け、洗浄槽内の食器類を広範囲に洗浄することができるので、特にキッチンへのビルトイン式の食器洗い機やキッチン上に載置して使用される卓上タイプの食器洗い機等として有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 食器洗い機
2 筐体
2a 側壁
2b 天壁
2c 底壁
2d 後壁
3 洗浄槽
4 扉体
5 開口部
7 排水口
8 食器類
9 食器かご
10 回転洗浄ノズル
11 天面洗浄ノズル
12 送水経路
12a 突出部
12b 係合部
13 洗浄ポンプ
14 回転体
14a 平板部
14b 羽根部
14c 切欠部
14d 内径部
14e 開口
15 把持部
15a 凸部
15b 凹部
15c 通水口
15d 通水枠体
15e 係止部
15f 筒状体
15g 凸リブ
23 乾燥風路
31 排気経路
41 取っ手
42 平面部
43 操作部
44 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8