(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140429
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20230928BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20230928BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20230928BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20230928BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/262 P
H01M50/507
H01M50/209
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046260
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】吉戸 大二
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS04
5H040AT02
5H040AY06
5H040CC12
5H040CC14
5H040CC16
5H040CC23
5H040DD03
5H040NN03
5H043AA19
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA04
5H043CA05
5H043FA04
5H043JA01F
5H043JA02F
5H043KA42F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】エンドプレートにバスバケースを容易に係合する。
【解決手段】蓄電モジュール1において、バスバケース45は、複数のバスバ41を保持する。バスバケース45は、第1端部ケース46と、第2端部ケース47と、接続部48とを有する。第1端部ケース46は、第1エンドプレート20と係合する。第2端部ケース47は、第1端部ケース46に対して第1方向D1に離隔して位置しつつ第2エンドプレート30と係合する。接続部48は、第1端部ケース46および第2端部ケース47を互いに接続する。接続部48は、第1方向D1において伸縮可能な第1伸縮部481を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並ぶように配置された複数のセルと、
前記第1方向において前記複数のセルの一方側にさらに並ぶように配置された第1エンドプレートと、
前記複数のセルから見て前記第1エンドプレートとは反対側にて前記複数のセルにさらに並ぶように配置された第2エンドプレートと、
前記複数のセル、前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートから見て、前記第1方向に直交する第2方向における一方側に配置されたバスバモジュールとを備え、
前記複数のセルの各々は、一対の外部端子を有し、
前記バスバモジュールは、前記第1方向に互いに隣接する外部端子同士を電気的に接続する複数のバスバと、前記複数のバスバを保持するバスバケースとを有し、
前記バスバケースは、前記第1エンドプレートと係合する第1端部ケースと、該第1端部ケースに対して前記第1方向に離隔して位置しつつ前記第2エンドプレートと係合する第2端部ケースと、前記第1端部ケースおよび前記第2端部ケースを互いに接続する接続部とを有し、
前記接続部は、前記第1方向において伸縮可能な第1伸縮部を有する、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記接続部は、
前記第1伸縮部を介して前記第1端部ケースと接続する中央ケースと、
該中央ケースおよび前記第2端部ケースを互いに接続しつつ前記第1方向において伸縮可能な第2伸縮部とをさらに有する、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記第1エンドプレートは、
前記第2方向に沿って延びている基部と、
該基部から前記第1方向に沿って延出し、かつ、前記第2方向に沿って延びる貫通孔が形成された被係止部とを有し、
前記第1端部ケースは、
前記第2方向に沿って延び、前記貫通孔に挿通された柱状部と、
該柱状部の先端に位置して、前記第2方向において前記被係止部と係止可能な係止部とを有する、請求項1または請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記中央ケースは、前記第2方向に沿って突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記複数のセルのうちの一対のセル間に位置している、請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記一対のセル間に配置されたセンタープレートをさらに備え、
前記センタープレートは、前記突出部と係合する中央被係合部を有する、請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記突出部は、前記一対のセルと接するように前記一対のセルの間に嵌め込まれている、請求項4に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2021-132016号公報(特許文献1)には、複数の蓄電素子と、一対のエンドプレートと、バスバーと、バスバーフレームとを備える蓄電装置が開示されている。蓄電素子は、第一方向に突出する電極端子を有する。一対のエンドプレートは、複数の蓄電素子を第一方向と交差する第二方向において挟む位置に配置される。バスバーフレームは、バスバーの位置規制を行うことができる絶縁部材である。バスバーフレームは、複数の蓄電素子の第一方向に配置され、一対のエンドプレートの双方に取り付けられる。バスバーフレームは、複数の蓄電素子に対して位置決めされる。これにより、バスバーが、複数の蓄電素子に対して位置決めされて、複数の蓄電素子が有する電極端子に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の蓄電モジュールにおいて、一対のエンドプレートが並ぶ方向における複数のセルの合計長さ、もしくは、バスバケース(バスバーフレーム)の長さは、設計寸法に対して公差の範囲内で異なる場合がある。これらの長さが設計寸法に対して比較的大きく異なる場合には、蓄電モジュールの製造時において、一対のエンドプレートとバスバケース(バスバーフレーム)との係合が困難となる場合がある。
【0005】
本開示は上記の課題に鑑みてなされたものであり、エンドプレートにバスバケースを容易に係合できる蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従う蓄電モジュールは、複数のセルと、第1エンドプレートと、第2エンドプレートと、バスバモジュールとを備えている。複数のセルは、第1方向に並ぶように配置されている。複数のセルの各々は、一対の外部端子を有している。第1エンドプレートは、第1方向において複数のセルの一方側にさらに並ぶように配置されている。第2エンドプレートは、複数のセルから見て第1エンドプレートとは反対側にて複数のセルにさらに並ぶように配置されている。バスバモジュールは、複数のセル、第1エンドプレートおよび第2エンドプレートから見て、第1方向に直交する第2方向における一方側に配置されている。バスバモジュールは、複数のバスバと、バスバケースとを有している。複数のバスバは、第1方向に互いに隣接する外部端子同士を電気的に接続する。バスバケースは、複数のバスバを保持する。バスバケースは、第1端部ケースと、第2端部ケースと、接続部とを有する。第1端部ケースは、第1エンドプレートと係合する。第2端部ケースは、第1端部ケースに対して第1方向に離隔して位置しつつ第2エンドプレートと係合する。接続部は、第1端部ケースおよび第2端部ケースを互いに接続する。接続部は、第1方向において伸縮可能な第1伸縮部を有する。
【0007】
上記の構成によれば、第1方向における複数のセルの合計長さが設計寸法に対して比較的大きく異なる場合であっても、第1伸縮部を伸縮させることで、バスバケースを第1エンドプレートおよび第2エンドプレートに容易に係合させることができる。
【0008】
本開示の一形態において、接続部は、中央ケースと、第2伸縮部とをさらに有する。中央ケースは、第1伸縮部を介して第1端部ケースと接続する。第2伸縮部は、中央ケースおよび第2端部ケースを互いに接続しつつ第1方向において伸縮可能である。
【0009】
上記の構成によれば、第1方向における複数のセルの長さが設計寸法に対して比較的大きく異なる場合であっても、第1伸縮部に加えて第2伸縮部を伸縮させることで、バスバケースを第1エンドプレートおよび第2エンドプレートにより容易に係合させることができる。
【0010】
本開示の一形態において、第1エンドプレートは、基部と、被係止部とを有する。基部は、第2方向に沿って延びている。被係止部は、基部から第1方向に沿って延出している。被係止部には、第2方向に沿って延びる貫通孔が形成されている。第1端部ケースは、柱状部と、係止部とを有する。柱状部は、第2方向に沿って延び、貫通孔に挿通されている。係止部は、柱状部の先端に位置して、第2方向において被係止部と係止可能である。
【0011】
上記の構成によれば、バスバケースと第1エンドプレートとを第2方向においてより強固に係合させることができる。
【0012】
本開示の一形態において、中央ケースは、第2方向に沿って突出する突出部を有する。突出部は、複数のセルのうちの一対のセル間に位置している。
【0013】
上記の構成によれば、蓄電モジュールの製造時に突出部をセル間に入れることで、複数のセルに対して、第1方向における中央ケースの相対的な位置を容易に決定できる。
【0014】
本開示の一形態において、蓄電モジュールは、一対のセル間に配置されたセンタープレートをさらに備えている。センタープレートは、突出部と係合する中央被係合部を有する。
【0015】
上記の構成によれば、蓄電モジュールの製造時に突出部を中央被係合部に係合させることで、複数のセルに対して、第1方向における中央ケースの相対的な位置をより容易に決定できる。
【0016】
本開示の一形態において、突出部は、一対のセルと接するように一対のセルの間に嵌め込まれている。
【0017】
上記の構成によれば、蓄電モジュールの製造時に突出部をセル間に嵌め込むことで、複数のセルに対して、第1方向における中央ケースの相対的な位置をより容易に決定できる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、エンドプレートにバスバケースを容易に係合できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールの平面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールを、一部の構成を省略して示す平面図である。
【
図3】
図1の蓄電モジュールをIII-III線矢印方向から見た部分的な断面図である。
【
図4】
図1の領域IVを拡大して示す部分的な平面図である。
【
図5】バスバモジュールの一部を示す部分的な平面図である。
【
図6】
図1の蓄電モジュールをVI-VI線矢印方向から見た部分的な断面図である。
【
図7】
図6の蓄電モジュールをVII-VII線矢印方向から見た部分的な断面図である。
【
図8】本開示の一実施形態の変形例に係る蓄電モジュールの部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールについて説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールの平面図である。
図2は、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールを、一部の構成を省略して示す平面図である。
図1および
図2に示すように、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュール1は、複数のセル10と、第1エンドプレート20と、第2エンドプレート30と、バスバモジュール40と、センタープレート50とを備えている。なお、
図2においては、バスバモジュール40を省略して蓄電モジュール1を図示している。蓄電モジュール1は、たとえば車両に搭載される。
【0022】
複数のセル10としては、たとえばリチウムイオン電池が挙げられる。複数のセル10は、第1方向D1に並ぶように配置されている。複数のセル10の各々は、第1方向D1に直交する第3方向D3に沿って並ぶ一対の外部端子11を有している。一対の外部端子11の一方は正極端子であり、他方は負極端子である。
【0023】
複数のセル10の各々は、略直方体形状のケース12をさらに有する。ケース12は、電極などを収容している。ケース12は、アルミニウムなどで形成されている。外部端子11の各々は、第1方向D1および第3方向D3の両方に直交する第2方向D2に沿ってケース12から突出している。
【0024】
複数のセル10の各々は、ケース12内に収容された液体電解質を有する電池であってもよい。複数のセル10の各々は、ケース12内に収容された固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。
【0025】
第1エンドプレート20は、第1方向D1において複数のセル10の一方側にさらに並ぶように配置されている。第1エンドプレート20は、絶縁材料からなり、たとえば合成樹脂などからなる。
【0026】
図3は、
図1の蓄電モジュールをIII-III線矢印方向から見た部分的な断面図である。
図3に示すように、第1エンドプレート20は、基部21と、被係止部25とを有する。
【0027】
基部21は、第2方向D2に沿って延びている。基部21は、第2方向D2および第3方向D3の両方に沿って延びる平板状の外形を有している。
【0028】
被係止部25は、基部21から第1方向D1に沿って延出している。被係止部25は、基部21から見て複数のセル10とは反対側に延出している。被係止部25は、基部21の第2方向D2における端部から延出している。被係止部25には、第2方向D2に沿って延びる貫通孔251が形成されている。また、
図2に示すように、被係止部25には、複数の貫通孔251が形成されている。複数の貫通孔251は、第3方向D3に並んで位置している。
【0029】
第2エンドプレート30は、複数のセル10から見て第1エンドプレート20とは反対側にて複数のセル10にさらに並ぶように配置されている。第2エンドプレート30は、複数のセル10から見て、第1エンドプレート20に対して略線対称に配置される。また、第2エンドプレート30は、第1方向D1において第1エンドプレート20に対して略線対称の外形を有する。
【0030】
図4は、
図1の領域IVを拡大して示す部分的な平面図である。
図5は、バスバモジュールの一部を示す部分的な平面図である。
図1から
図5に示すように、バスバモジュール40は、複数のセル10、第1エンドプレート20および第2エンドプレート30から見て、第2方向D2における一方側に配置されている。バスバモジュール40は、複数のバスバ41と、バスバケース45とを有している。なお、
図1においては、バスバケース45について、平面視におけるその外形のみを模式的に示している。
【0031】
複数のバスバ41は、第1方向D1に互いに隣接する外部端子11同士を電気的に接続する。複数のバスバ41の各々は、一のセル10の正極端子と、一のセル10と隣り合う他の一のセル10の負極端子とを、電気的に接続している。
【0032】
複数のバスバ41の各々は、一対の被溶接部411を有する。一対の被溶接部411は、第1方向D1に並んで位置する。被溶接部411は、第1方向D1および第3方向D3に沿って延びる平板状の外形を有する。一対の被溶接部411が、それぞれ、外部端子11に溶接されることで、バスバ41と外部端子11とが互いに電気的に接続される。
【0033】
バスバケース45は、複数のバスバ41を保持する。バスバケース45は、絶縁材料からなり、たとえば合成樹脂などからなる。バスバケース45は、第1端部ケース46と、第2端部ケース47と、接続部48とを有する。バスバケース45においては、第1端部ケース46と、第2端部ケース47と、接続部48とが互いに一体的に成形されている。
【0034】
第1端部ケース46は、バスバ41を第1方向D1および第3方向D3に係止するように、バスバ41を保持する。第1端部ケース46は、バスバ41を少なくとも1つ保持する。本実施形態において、第1端部ケース46は、バスバ41を1つのみ保持する。第1端部ケース46は、第1エンドプレート20と係合する。
【0035】
第1端部ケース46は、柱状部461と、係止部462と、当接部463とを有する。柱状部461は、第2方向D2に沿って延び、貫通孔251に挿通されている。係止部462は、柱状部461の先端に位置して、第2方向D2において被係止部25と係止可能である。係止部462は爪状の外形を有している。当接部463は、第1方向D1において貫通孔251と少なくとも当接する。当接部463は、第2方向D2に沿って延び、貫通孔251に挿通されている。当接部463は、第1方向D1において柱状部461と離隔して位置している。係止部462は、柱状部461から見て当接部463とは反対側にて柱状部461から突出する。係止部462は、柱状部461の先端側に向かうに従って当接部463に近づくテーパ面を有する。これにより、柱状部461、係止部462、および当接部463を貫通孔251に挿通させることが容易となる。このように、第1端部ケース46は、いわゆるスナップフィット形状によって第1エンドプレート20と係合する。
【0036】
また、第1端部ケース46は、第1エンドプレート20における複数の貫通孔251と対応するように、それぞれ、複数の柱状部461、複数の係止部462および複数の当接部463を有している。
【0037】
第2端部ケース47は、第1端部ケース46に対して第1方向D1に離隔して位置している。第2端部ケース47は、バスバ41を第1方向D1および第3方向D3に係止するように、バスバ41を保持する。第2端部ケース47は、バスバ41を少なくとも1つ保持する。本実施形態において、第2端部ケース47は、バスバ41を1つのみ保持する。第2端部ケース47は、第2エンドプレート30と係合する。
【0038】
第2端部ケース47は、接続部48から見て、第1端部ケースに対して略線対称に配置される。また、第2端部ケース47は、第1方向D1において第1端部ケース46に対して略線対称の外形を有している。
【0039】
接続部48は、第1端部ケース46および第2端部ケース47を第1方向D1において互いに接続する。接続部48は、第1伸縮部481と、中央ケース482と、第2伸縮部483とを有する。
【0040】
第1伸縮部481は、第1方向D1において伸縮可能である。第1伸縮部481は、板バネ状であり、第1方向D1において弾性変形可能に構成されている。第1伸縮部481は、第1端部ケース46および中央ケース482を、これらが第1方向D1において互いに離れる方向に付勢可能に構成される。ひいては、第1伸縮部481は、第1端部ケース46および第2端部ケース47を、これらが第1方向D1において互いに離れる方向に付勢可能に構成される。また、接続部48は、複数の第1伸縮部481を有する。複数の第1伸縮部481は、第3方向D3において並んで位置している。
【0041】
なお、第1伸縮部481の具体的な形状は板バネ状に限定されない。第1伸縮部481は、ヒンジであってもよいし、第1端部ケース46および中央ケース482が互いに第1方向D1においてスライド可能な連結機構であってもよい。
【0042】
中央ケース482は、第1伸縮部481を介して第1端部ケース46に接続する。中央ケース482は、複数のバスバ41を第1方向D1および第3方向D3に係止するように、複数のバスバ41を保持する。中央ケース482は、第1方向D1における寸法が、第1端部ケース46および第2端部ケース47のそれぞれの寸法より長い。これにより、蓄電モジュール1の製造時において、中央ケース482を把持したときに第1端部ケース46および第2端部ケース47が中央ケース482に対して垂れ下がることが抑制され、バスバモジュール40の取り回しが容易となる。中央ケース482は、第1方向D1における寸法が、第1端部ケース46および第2端部ケース47の第1方向D1におけるそれぞれの寸法の2倍以上であることが好ましい。
【0043】
図6は、
図1の蓄電モジュールをIV-IV線矢印方向から見た部分的な断面図である。
図7は、
図6の蓄電モジュールをVII-VII線矢印方向から見た部分的な断面図である。
図6および
図7に示すように、中央ケース482は、第2方向D2に沿って突出する突出部482aを有する。突出部482aは、複数のセル10のうちの一対のセル10間に位置している。本実施形態において、突出部482aは、第2方向D2から見たときに略十字状の外形を有する。中央ケース482は、複数の突出部482aを有している。複数の突出部482aは、第3方向D3に並んで位置している。
【0044】
第2伸縮部483は、中央ケース482および第2端部ケース47を互いに接続しつつ第1方向D1において伸縮可能である。第2伸縮部483も、第1伸縮部481と同様の板バネ状であり、第1方向D1において弾性変形可能に構成されている。第2伸縮部483は、第2端部ケース47および中央ケース482を、これらが第1方向D1において互いに離れる方向に付勢する。ひいては、第2伸縮部483は、第1端部ケース46および第2端部ケース47を、これらが第1方向D1において互いに離れる方向に付勢する。また、接続部48は、複数の第2伸縮部483を有する。複数の第2伸縮部483は、第3方向D3において並んで位置している。なお、第2伸縮部483も、第1伸縮部481と同様、板バネ状に限定されるものではない。
【0045】
センタープレート50は、一対のセル10間に配置されている。センタープレート50は、絶縁材料からなり、たとえば合成樹脂などからなる。
【0046】
センタープレート50は、突出部482aと係合する中央被係合部51を有する。中央被係合部51は、センタープレート50において中央ケース482側の端部に位置している。被係合部51には、第2方向D2に沿って延びる孔部511が形成されている。突出部482aは、孔部511に挿通されている。突出部482aは、第1方向D1において孔部511と当接することで、第1方向D1においてセンタープレート50に対する相対的な位置が固定されている。
【0047】
また、蓄電モジュール1は、複数のスペーサ60をさらに備えている。複数のスペーサは、それぞれ、第1方向D1において、複数のセル10間、セル10と第1エンドプレート20との間、セル10と第2エンドプレート30との間、および、センタープレート50とセル10との間に位置している。複数のスペーサ60は、絶縁部材からなり、たとえば合成ゴムなどからなる。
【0048】
また、蓄電モジュール1は、拘束バンド70をさらに備えている。拘束バンド70は、第1方向D1に沿って延びている。拘束バンド70は、第1エンドプレート20と第2エンドプレート30とにそれぞれ係合する。拘束バンド70は、第1方向D1に並ぶ複数のセル10、第1エンドプレート20、第2エンドプレート30、センタープレート50および複数のスペーサ60を第1方向D1に圧縮する方向に作用可能に構成されてもよい。これにより、複数のセル10、第1エンドプレート20、第2エンドプレート30、センタープレート50および複数のスペーサ60の互いの相対的な位置が決定される。
【0049】
上述のように、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュール1は、複数のセル10と、第1エンドプレート20と、第2エンドプレート30と、バスバモジュール40とを備えている。複数のセル10は、第1方向D1に並ぶように配置されている。複数のセル10の各々は、一対の外部端子11を有している。第1エンドプレート20は、第1方向D1において複数のセル10の一方側にさらに並ぶように配置されている。第2エンドプレート30は、複数のセル10から見て第1エンドプレート20とは反対側にて複数のセル10にさらに並ぶように配置されている。バスバモジュール40は、複数のセル10、第1エンドプレート20および第2エンドプレート30から見て、第1方向D1に直交する第2方向D2における一方側に配置されている。バスバモジュール40は、複数のバスバ41と、バスバケース45とを有している。複数のバスバ41は、第1方向D1に互いに隣接する外部端子11同士を電気的に接続する。バスバケース45は、複数のバスバ41を保持する。バスバケース45は、第1端部ケース46と、第2端部ケース47と、接続部48とを有する。第1端部ケース46は、第1エンドプレート20と係合する。第2端部ケース47は、第1端部ケース46に対して第1方向D1に離隔して位置しつつ第2エンドプレート30と係合する。接続部48は、第1端部ケース46および第2端部ケース47を互いに接続する。接続部48は、第1方向D1において伸縮可能な第1伸縮部481を有する。
【0050】
上記の構成によれば、第1方向D1における複数のセル10の合計長さが設計寸法に対して比較的大きく異なる場合であっても、第1伸縮部を伸縮させることで、バスバケース45を第1エンドプレート20および第2エンドプレート30に容易に係合させることができる。
【0051】
本開示の一実施形態において、接続部48は、中央ケース482と、第2伸縮部483とをさらに有する。中央ケース482は、第1伸縮部481を介して第1端部ケース46と接続する。第2伸縮部483は、中央ケース482および第2端部ケース47を互いに接続しつつ第1方向D1において伸縮可能である。
【0052】
上記の構成によれば、第1方向D1における複数のセル10の長さが設計寸法に対して比較的大きく異なる場合であっても、第1伸縮部に加えて第2伸縮部を伸縮させることで、バスバケース45を第1エンドプレート20および第2エンドプレート30により容易に係合させることができる。
【0053】
本開示の一実施形態において、第1エンドプレート20は、基部21と、被係止部25とを有する。基部21は、第2方向D2に沿って延びている。被係止部25は、基部21から第1方向D1に沿って延出している。被係止部25には、第2方向D2に沿って延びる貫通孔251が形成されている。第1端部ケース46は、柱状部461と、係止部462とを有する。柱状部461は、第2方向D2に沿って延び、貫通孔251に挿通されている。係止部462は、柱状部461の先端に位置して、第2方向D2において被係止部25と係止可能である。
【0054】
上記の構成によれば、バスバケース45と第1エンドプレート20とを第2方向D2においてより強固に係合させることができる。また、第1伸縮部481が第1方向D1において弾性変形している場合には、第1伸縮部481から受ける付勢力により第1端部ケース46が第1エンドプレート20から離れることを抑制し、第1端部ケース46と第1エンドプレート20との係合が解除されることを抑制できる。ひいては、第1端部ケース46を第1エンドプレート20に容易に組み付けることができる。
【0055】
本開示の一実施形態において、中央ケース482は、第2方向D2に沿って突出する突出部482aを有する。突出部482aは、複数のセル10のうちの一対のセル10間に位置している。
【0056】
上記の構成によれば、蓄電モジュール1の製造時に突出部482aをセル10間に入れることで、複数のセル10に対して、第1方向D1における中央ケース482の相対的な位置を容易に決定できる。
【0057】
本開示の一実施形態において、蓄電モジュール1は、一対のセル10間に配置されたセンタープレート50をさらに備えている。センタープレート50は、突出部482aと係合する中央被係合部51を有する。
【0058】
上記の構成によれば、蓄電モジュール1の製造時に突出部482aを中央被係合部51に係合させることで、複数のセル10に対して、第1方向D1における中央ケース482の相対的な位置をより容易に決定できる。
【0059】
なお、突出部482aは、上記の構造に限定されず、また、センタープレート50と係合していなくてもよい。
図8は、本開示の一実施形態の変形例に係る蓄電モジュールの部分的な断面図である。本開示の一実施形態の変形例において、突出部482bは、一対のセル10と接するように一対のセル10の間に嵌め込まれている。これにより、蓄電モジュール1の製造時に突出部482aをセル10間に嵌め込むことで、複数のセル10に対して、第1方向D1における中央ケース482の相対的な位置をより容易に決定できる。
【0060】
また、突出部482bは、その突出方向における先端側に向かうに従って、第1方向D1における幅寸法が小さくなるようなテーパ形状を有している。これにより、突出部482bの一対のセル10間への突出部482bの嵌め込みが容易となる。なお、センタープレート50は、上述した突出部482aに加えて、さらに、上述した突出部482aとは異なる本変形例における突出部482bを有していてもよい。
【0061】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
1 蓄電モジュール、10 セル、11 外部端子、12 ケース、20 第1エンドプレート、21 基部、25 被係止部、251 貫通孔、30 第2エンドプレート、40 バスバモジュール、41 バスバ、411 被溶接部、45 バスバケース、46 第1端部ケース、461 柱状部、462 係止部、463 当接部、47 第2端部ケース、48 接続部、481 第1伸縮部、482 中央ケース、482a,482b 突出部、483 第2伸縮部、50 センタープレート、51 被係合部、511 孔部、60 スペーサ、70 拘束バンド。