(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140447
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 29/13 20060101AFI20230928BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20230928BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B41J29/13
B41J29/00 C
H05K7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046292
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】平馬 寿洋
【テーマコード(参考)】
2C061
4E352
【Fターム(参考)】
2C061AQ04
2C061AS06
2C061AS14
2C061BB21
2C061CG12
4E352AA02
4E352AA03
4E352AA16
4E352BB02
4E352BB04
4E352BB10
4E352CC07
4E352DD10
4E352DD13
4E352DR02
4E352DR40
4E352GG11
4E352GG12
4E352GG16
(57)【要約】
【課題】本発明に係るプリンタによれば、複数のインターフェースに対応したカバーによって、プリンタ内部への埃やごみの進入を防ぐことができる。
【解決手段】本発明に係るプリンタ1は、少なくとも電源ケーブルを着脱可能な電源コネクタ31を備えたコネクタ部を有する基板3と、基板3を収容し、電源ケーブルを着脱方向に挿通するケーブル接続溝215を備える筐体本体21と、ケーブル接続溝215を覆うコネクタカバーとを有する筐体2と、を備え、前記コネクタカバーは、前記着脱方向に貫通する電源開口部50と前記着脱方向に貫通する第一インターフェース開口部51とを有するカバー本体と、第一インターフェース開口部51を覆う第一開口カバー部60と、を有し、第一開口カバー部60は、第一開口カバー部60の一部に第一開口カバー部60とカバー本体とを連結する第一連結部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも電源ケーブルを着脱可能な電源コネクタを備えたコネクタ部を有する基板と、
前記基板を収容し、前記電源ケーブルを着脱方向に挿通するケーブル接続溝を備える筐体本体と、前記ケーブル接続溝を覆うコネクタカバーとを有する筐体と、
を備え、
前記コネクタカバーは、前記着脱方向に貫通する電源開口部と前記着脱方向に貫通する第一インターフェース開口部とを有するカバー本体と、前記第一インターフェース開口部の少なくとも一部を覆う第一開口カバー部と、を有し、
前記第一開口カバー部は、前記第一開口カバー部と前記カバー本体とを連結する第一連結部を有する
プリンタ。
【請求項2】
前記コネクタ部は、インターフェースケーブルを前記着脱方向に着脱可能なインターフェースコネクタをさらに備え、
前記コネクタカバーの前記カバー本体は、前記着脱方向に貫通する第二インターフェース開口部をさらに備える
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記第二インターフェース開口部は、前記コネクタカバーに備えられた前記第二インターフェース開口部を覆う第二開口カバー部を製造時に取り外されており、前記着脱方向からみて前記インターフェースコネクタを露出する
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記コネクタ部は、前記カバー本体に近い前記基板の一辺側に、前記一辺に沿って配列されている
請求項2または請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記電源コネクタは、前記着脱方向からみて前記電源開口部から露出する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記第一インターフェース開口部と前記第一開口カバー部とは、少なくとも2つ以上備えられる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記第一連結部は、前記着脱方向において前記第一連結部の他の部分よりも厚みの薄い薄肉部を有する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記第一連結部は、第一開口カバー部に外力を与えられると、前記薄肉部から切断される
請求項7に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記電源開口部は、前記電源開口部を覆うカバーを有さない
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記第一開口カバー部は、前記着脱方向の装着側に外力を与えられると、前記基板の縁部に係合するストッパーを備えている
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記ストッパーと前記第一連結部とは、前記第一開口カバー部の中心を通る中心軸を挟んで両側に備えられる
請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記第一開口カバー部は、前記第一連結部を2つ以上備えている
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記第一開口カバー部は、前記第一開口カバー部と前記カバー本体とを連結する第二連結部をさらに備え、
前記第一連結部と前記第二連結部とは、前記第一開口カバー部の中心を通る中心軸を挟んで両側に備えられる
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項14】
前記第一開口カバー部は、前記第一インターフェース開口部よりも大きく形成され、前記着脱方向からみて前記第一インターフェース開口部全体に重なる
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタの筐体内に収容された回路基板に対して、AC電源などの電源供給装置から供給される電力(電源)によるプリンタの動作を可能とするため、電源コネクタが用いられる。また、外部装置から電気信号の送受信を可能とするため、一般に、インターフェースコネクタが用いられる。(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のように、複数のインターフェースコネクタを実装可能な基板に対応した装置の場合は、基板に実装されたコネクタに応じて、外装部品であるコネクタカバーを設定する必要があった。この場合、あらかじめコネクタに接続されるケーブルが挿通可能な開口部を複数コネクタカバーに設けることで、1つのコネクタカバーを適用できる。しかし、ケーブルが挿通しない開口部は、プリンタ内部へ埃やごみ等が侵入してしまうため、別途開口部を覆うカバーを後付けしたり、製造時にケーブルが挿通しない開口部を覆った状態のコネクタカバーを用意したりする必要があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、複数のインターフェースに対応したカバーによって、プリンタ内部への埃やごみの進入を防ぐことができるプリンタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係るプリンタは、少なくとも電源ケーブルを着脱可能な電源コネクタを備えたコネクタ部を有する基板と、前記基板を収容し、前記電源ケーブルを着脱方向に挿通するケーブル接続溝を備える筐体本体と、前記ケーブル接続溝を覆うコネクタカバーとを有する筐体と、を備え、前記コネクタカバーは、前記着脱方向に貫通する電源開口部と前記着脱方向に貫通する第一インターフェース開口部とを有するカバー本体と、前記第一インターフェース開口部の少なくとも一部を覆う第一開口カバー部と、を有し、前記第一開口カバー部は、前記第一開口カバー部と前記カバー本体とを連結する第一連結部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るプリンタによれば、複数のインターフェースに対応したカバーによって、プリンタ内部への埃やごみの進入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの斜視図である。
【
図3】
図1のA-A断面に沿う同プリンタの内部構成を示す側面図である。
【
図4】
図1の同プリンタの下カバー及び基板を除きA-A断面に沿って同プリンタの内部構成を示したプリンタ全体の斜視図である。
【
図5】同プリンタの
図4の状態における下カバー及び基板を示す斜視図である。
【
図6】
図5のB-B断面に沿う同プリンタの前側からみた下カバー及び基板の状態を示す断面斜視図である。
【
図7】
図5のB-B断面に沿う同プリンタの後側からみた下カバー及び基板の状態を示す断面斜視図である。
【
図8】同プリンタの筐体本体に基板が取り付けられ、下カバーが取り外された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態について、
図1から
図8を参照して説明する。なお、以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0010】
[プリンタ1]
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタ1の斜視図である。
図2は、プリンタ1を後側RRからみた側面図である。
図3は、
図1のA-A断面に沿う、プリンタ1の内部構成を示す側面図である。
図4は、
図1のプリンタ1の下カバー22及び基板3を除きA-A断面に沿う同プリンタの内部構成を示したプリンタ1全体の斜視図である。
プリンタ1は、本実施形態では、熱によって記録紙Pに対して印刷を行うサーマルプリンタである。プリンタ1は、記録紙Pに対して印刷を行う。本実施形態の記録紙Pは、例えば、サーマル印字方式に使用される感熱ロール紙である。記録紙Pは、印字面が外側を向いた状態で、筒状の芯材R1(
図3参照)に巻き回されることで、ロール紙Rを構成している。なお、ロール紙Rは、芯材R1を有しない構成であってもよい。プリンタ1は、
図1に示すように、ケーシング(筐体)2と、基板3と、印刷ユニット4とを備える。
【0011】
ここで、プリンタ1は、設置面G上に設置されている。以下の説明において、設置面Gに対して垂直な方向を上下方向とする。上下方向において、上方は上側UPとし、上側UPと反対側は下側DWとする。また、上下方向に直交し、記録紙Pが搬送される方向を前後方向とする。前後方向において、記録紙Pがプリンタ1から排出される一方側は前側FRとし、前側FRと反対側は後側RRとする。また、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向とする。左右方向において、一方側は左側LHとし、左側LHと反対側は右側RHとする。
【0012】
[ケーシング(筐体)2]
ケーシング(筐体)2は、箱型に形成されている。ケーシング2は、収容空間内に基板3や印刷ユニット4を収容する。ケーシング2は、水分や埃等から基板3や印刷ユニット4を保護するため、密閉するように収容空間を形成するのが好ましい。ケーシング2は、上カバー20と、筐体本体21と、下カバー22とを備えている。
【0013】
[上カバー20]
上カバー20は、
図3に示すように、筐体本体21の上端開口部21aを開閉する。具体的に、上カバー20は、下側DWに開口する箱型に形成され、平面視において、筐体本体21と同等の形状を呈している。上カバー20は、閉位置において、筐体本体21に上側UPから重ね合わせられ、筐体本体21の上端開口部21aを閉塞する。また、このとき筐体本体21と上カバー20との間には、ケーシング2の内外を連通させるとともに、左右方向に延びるスリット状に形成された排出口23が形成される。排出口23は、印刷ユニット4で印刷された記録紙Pが前側FRに向けて排出される。一方、上カバー20は、開位置において、筐体本体21の上方から退避して、筐体本体21の上端開口部21aを開放する。
【0014】
[筐体本体21]
筐体本体21は、
図2から
図4に示すように、上側UPに上端開口部21aを備え、下側DWに下端開口部21bを備える。筐体本体21は、前後方向に前壁211と後壁212とを備え、左右方向に左壁213と右壁214とを備える無底の箱型状に形成されている。前壁211、後壁212、左壁213及び右壁214は、筐体本体21の外壁の一部である。
【0015】
前壁211は、筐体本体21の前側FRに備えられる。後壁212は、筐体本体21の後側RRに備えられる。前壁211及び後壁212は、略同じ大きさ及び形状であり、上下方向と左右方向とによって形成される水平面に沿う板状部材である。左壁213は、筐体本体21の左側LHに備えられる。右壁214は、筐体本体21の右側RHに備えられる。左壁213及び右壁214は、略同じ大きさ及び形状であり、上下方向と前後方向とによって形成される水平面に沿う板状部材である。
【0016】
本実施形態では、筐体本体21は、後壁212にケーブル接続溝215を有する。ケーブル接続溝215は、後壁212の下側DWに形成されている。ケーブル接続溝215は、前後方向に電源ケーブル71またはインターフェースケーブル72(
図5参照)等が挿通する。ケーブル接続溝215の左右方向における幅は、特に限定されない。本実施形態では、ケーブル接続溝215は、上述のケーブルが挿通可能であり、後述のコネクタカバー25の有する開口カバー取付部261の複数の開口部のすべてがケーブル接続溝215に重ならない程度の幅を有する。
【0017】
ここで、電源ケーブル71またはインターフェースケーブル72は、前後方向の後側RRから前側FRに向けて基板3のコネクタ部30に装着したり、取り外ししたりしてコネクタ部30に対して着脱可能である。前後方向は、ケーブルの着脱方向と略一致する。
【0018】
[下カバー22]
図5は、プリンタ1の
図4の状態における下カバー22及び基板3を示す斜視図である。なお、図中の点線は、下カバー22を示している。
図6は、
図5のB-B断面に沿うプリンタ1の前側FRからみた下カバー22及び基板3の状態を示す断面斜視図である。
図7は、
図5のB-B断面に沿うプリンタ1の後側RRからみた下カバー22及び基板3の状態を示す断面斜視図である。
下カバー22は、筐体本体21の下側DWに備えられ、設置面G上に設置されている。下カバー22は、基板カバー24と、コネクタカバー25とを備える。
【0019】
[基板カバー24]
基板カバー24は、筐体本体21に下側DWから取り付けられる。基板カバー24は、ケーシング2に収容された基板3を覆う。基板カバー24は、基板カバー底部240と、基板カバー側壁241とを備える。
【0020】
基板カバー底部240は、基板カバー24の下側DWに備えられた略矩形状の板状部材である。基板カバー底部240は、平面視において、筐体本体21と同等の形状を呈している。基板カバー底部240は、後側RRに基板カバー溝243を備える。
【0021】
基板カバー溝243は、
図5に示すように、基板カバー底部240の後側RRに形成されている。基板カバー溝243は、前後方向において上述のケーブル71、72の先端に備えられたコネクタ71a、72aよりもわずかに長くなるように形成されるのが好ましい。基板カバー溝243は、上下方向から見て前側FRに底縁部243aを備え、左右方向に側縁部243bを備えた略U字状に形成されている。基板カバー溝243の左右方向における幅は、特に限定されないが、本実施形態では、ケーブル接続溝215の幅と略同じ大きさである。基板カバー底部240の前後方向における長さは、基板カバー溝243が後側RRに形成された状態で、基板カバー溝243よりも前側FRに基板3が十分に配置できるように形成される。なお、基板カバー溝243は、必須の構成ではない。
【0022】
基板カバー側壁241は、
図5に示すように、基板カバー溝243を除く基板カバー底部240の縁部240aに備えられる。基板カバー側壁241は、ボルトや接着剤等の公知の方法により筐体本体21に取付けられ、筐体本体21と下カバー22とを一体化する。基板カバー側壁241は、例えば、基板3が筐体本体21に取り付けられた際に、基板3が下側DWに突出した分を覆うことができる程度の高さに設定される。
【0023】
[コネクタカバー25]
コネクタカバー25は、
図4または
図5に示すように、下カバー22の後側RRに備えられる。コネクタカバー25は、筐体本体21の後壁212に備えられたケーブル接続溝215を覆う。コネクタカバー25は、カバー本体26と、第一開口カバー部60と、備える。
【0024】
ここで、コネクタカバー25は、ケーブルの着脱方向である前後方向において筐体本体21の後壁212に備えられたケーブル接続溝215を覆う。以降の説明において、コネクタカバー25における前側FRは、ケーブルの装着側ともいう。また、コネクタカバー25における後側RRは、ケーブルの取外し側ともいう。なお、コネクタカバー25は、筐体本体21の後側RRに配置されていなくてもよく、本実施形態に限定されない。
【0025】
[カバー本体26]
カバー本体26は、
図4に示すように、開口カバー取付部261と両側部262と上壁部263とを備える。開口カバー取付部261は、下端部を基板カバー溝243の底縁部243aに接続され、上側UPに向かって立設する。両側部262は、下端部を基板カバー溝243の左右方向に備えられた側縁部243bに接続され、上側UPに向かって立設する。上壁部263は、それぞれの開口カバー取付部261と両側部262との上端部に取り付けられ、カバー本体26の上側UPを覆う。カバー本体26は、この構成により、上述のケーブルのコネクタ部分を覆う空間S3を形成する。そのため、カバー本体26は、基板3のコネクタ部30にケーブル71、72を装着した際に、ケーブル71、72の先端に備えられたコネクタ71a、72aを空間S3内によって覆い、埃やごみ等を入りにくくすることができる。
【0026】
カバー本体26の開口カバー取付部261は、電源開口部50と、複数の第一インターフェース開口部51と、第二インターフェース開口部52とを備える。
【0027】
電源開口部50は、前後方向に貫通する開口部である。電源開口部50は、
図5に示す電源ケーブル71が挿通して着脱可能な大きさを有する。電源開口部50の形状や大きさは、電源ケーブル71が接続可能な電源コネクタ31の接続面によって任意に変更できる。電源開口部50は、電源コネクタ31の接続面が前後方向の後側RRからみて重なるように開口カバー取付部261に配置される。また、電源開口部50は、電源開口部50を覆うカバー等を有していない。そのため、電源開口部50は、前後方向の後側RRからみて開口カバー取付部261よりも前側FRに備えられた電源コネクタ31を露出させる。
【0028】
第一インターフェース開口部51は、前後方向に貫通する開口部である。第一インターフェース開口部51は、後述のインターフェースケーブル72が挿通可能な大きさを有する。なお、第一インターフェース開口部51の形状や大きさは、インターフェースケーブル72が接続可能なインターフェースコネクタ32の接続面によって任意に変更できる。第一インターフェース開口部51は、インターフェースコネクタ32の接続面が前後方向の後側RRからみて重なるように開口カバー取付部261に配置される。第一インターフェース開口部51の個数は、特に限定されず、1つのみであってもよいし、複数備えられていてもよい。本実施形態では、第一インターフェース開口部51は、電源開口部50よりも左側LHに二つ備えられている。第一インターフェース開口部51は、プリンタ1の基板3に実装されたインターフェースコネクタ32の個数に合わせて形成することができる。
【0029】
第二インターフェース開口部52は、前後方向に貫通する開口部である。第二インターフェース開口部52は、後述のインターフェースケーブル72が挿通可能な大きさを有する。なお、第二インターフェース開口部52の形状や大きさはインターフェースケーブル72が接続可能なインターフェースコネクタ32の接続面によって任意に変更できる。第二インターフェース開口部52の個数は、特に限定されず、複数備えられていてもよい。また、第二インターフェース開口部52は、必須の構成ではない。本実施形態では、第二インターフェース開口部52は、電源開口部50よりも右側RHに一つ備えられている。
【0030】
ここで、コネクタカバー25は、さらに第二開口カバー部65を備える。第二開口カバー部65は、第二インターフェース開口部65を覆う。しかし、
図2に示すように、第二開口カバー部65は、製造時に取り外される。そのため、第二インターフェース開口部52は、前後方向の後側RRからみて開口カバー取付部261よりも前側FRに備えられた前記インターフェースコネクタ32を露出させる。なお、第二開口カバー部65は、後述の第一開口カバー部60と同様の構成である。
【0031】
開口カバー取付部261において、二つの第一インターフェース開口部51、電源開口部50及び第二インターフェース開口部52は、左右方向に沿ってこの順に配列されている。ただし、各開口部の順番は特に限定されず、基板のコネクタ部の各コネクタの順番に合わせて開口カバー取付部261に形成される。
【0032】
[第一開口カバー部60]
第一開口カバー部60は、第一インターフェース開口部51を覆う。第一開口カバー部60は、前後方向において開口カバー取付部261よりもわずかに前側FRに備えられている。第一開口カバー部60と開口カバー取付部261との前後方向における隙間は、なるべく小さく設定することで、第一インターフェース開口部51からの埃やごみ等の進入をより抑制することができる。第一開口カバー部60は、第一インターフェース開口部51と同じ個数だけ形成される。第一開口カバー部60の前後方向における幅は、開口カバー取付部261の幅と略同じである。また、第一開口カバー部60は、第一インターフェース開口部51と略同じ形状と大きさとに形成される。そのため、カバー本体26は、製造時に容易に第一開口カバー部60を形成することができる。なお、第一開口カバー部60は、第一インターフェース開口部51の少なくとも一部を覆っていればよい。第一開口カバー部60は、上側UPに第一連結部61と、下側DWにストッパー64とを備えている。なお、本実施形態では、第二開口カバー部65は、第一開口カバー部60と同様の構成であり、第一連結部61と、ストッパー64とを備えているが、本説明では省略する。
【0033】
[第一連結部61]
第一連結部61は、第一開口カバー部60の一部に備えられ、第一開口カバー部60とカバー本体26の開口カバー取付部261とを連結する。第一連結部61の形状は、特に限定されない。なお、本実施形態では、第一連結部61は、第一開口カバー部60の上側UPに備えられている。ただし、第一連結部61は、第一開口カバー部60の一部に備えられていればよく、特に限定されない。前後方向における第一連結部61の幅は、例えば、2.5mm程度に設計されている。第一連結部61は、切り込み部62と、薄肉部63とを備える。
【0034】
切り込み部62は、
図6に示すように、第一連結部61の後側RRの裏面61bから前側FRに向かって左右方向に沿って略V字状に切り込まれた部分である。なお、切り込み部62の形状は特に限定されない。切り込み部62の切り込み幅は、本実施形態では、切り込み部62の最も切り込まれた位置から、第一連結部61の前側FRの表面61aまで直線距離で1mm程度に形成されている。なお、切り込み部62の切り込み幅は、特に限定されないが、製造段階では、薄肉部63から切断されず、製品出荷前に作業者によって第一開口カバー部60を前側FRに押し込む力(外力)を与えることによって、容易に薄肉部63が切断可能な程度に設計されているのが好ましい。
【0035】
[薄肉部63]
薄肉部63は、
図6に示すように、前後方向において、第一連結部61の他の部分よりも厚みの薄い部分である。具体的には、薄肉部63は、第一連結部61の切り込み部62よりも前側FRの薄肉部分である。薄肉部63は、第一連結部61の前側FRの表面61aに形成される。薄肉部63の前後方向の厚みは、切り込み部62に応じて任意に変更可能である。第一開口カバー部60は、上述のように前側FRに押し込む力(外力)を与えられると、第一連結部61を起点として前後方向に沿って回転する。このとき、第一連結部61よりも前後方向に厚みの薄い薄肉部63には、よりせん断力が働く。そのため、第一連結部61は、薄肉部63から切断される。
【0036】
[ストッパー64]
ストッパー64は、
図6に示すように、第一開口カバー部60の下側DWに備えられる。そのため、ストッパー64と第一連結部61とは、上下方向おいて第一開口カバー部60の中心を通る中心軸を挟んで両側に備えられる。ストッパー64は、第一開口カバー部60の下端部から下側DWに突出している。第一開口カバー部60が前後方向において、前側FR(装着側)に押し込む力(外力)を与えられると、基板3の後側RRに備えられた後縁部3pに係合する。
【0037】
ケーシング2は、内部に設けた複数の仕切り板等によって、ケーシング2の内部に少なくとも空間S1と、ケーシング2の下側DWに備えられた空間S2とを有する。
【0038】
空間S1は、後述する印刷ユニット4が内部に収納可能な程度の大きさを有する空間である。空間S1は、本実施形態では、仕切り板と、上カバー20と、筐体本体21とによって密閉空間を形成している。空間S1は、上下方向においてケーブル接続溝215の上縁215aよりも上側UPに備えられるのが好ましい。この構成により、筐体本体21は、空間S1の有する密閉の収容空間を保つことができる。
【0039】
空間S2は、基板3を収容する程度の大きさを有する空間である。空間S2は、筐体本体21の下端開口部21bを下カバー22の基板カバー24によって覆われ、後壁212のケーブル接続溝215を下カバー22のコネクタカバー25によって覆われて形成される。空間S2は、上述の構成により密閉空間を形成する。なおケーシング2は、本実施形態に限らず、複数の仕切り板によって区画された複数の空間を設けていてもよい。
【0040】
[基板3]
基板3は、複数の電子部品が実装された回路基板である。基板3は、例えば図示しないボタンや、外部機器からの入力に応じて、電気信号や制御信号を出力したり、制御信号を出力したりして、プリンタ1の各種機能の総合的な制御を行っている。基板3は、長手方向である前後方向に一対の短辺を備え、短手方向である左右方向に一対の長辺を備えた矩形板状に形成される。基板3は、上面3aにコネクタ部30を備える。また、基板3の後側RRの後縁部3pは、前後方向において、前側FRに第一開口カバー部60に押し込む力(外力)を与えられると、ストッパー64に係合する。
【0041】
[コネクタ部30]
コネクタ部30は、例えば、電源コネクタ31と、インターフェースコネクタ32とを備える。なお、コネクタ部30は、本実施形態に限定されず、1つのコネクタのみを備えてもよいし、複数のコネクタを備えていてもよい。
【0042】
[電源コネクタ31]
電源コネクタ31は、基板3の上面3aに備えられる。電源コネクタ31は、基板3に対して図示しない電気接続部材等を介して電気的接続されている。電源コネクタ31は、電源ケーブル71が接続(着脱)可能である。電源コネクタ31は、電源ケーブル71が接続可能な接続面を後側RRに向けて、基板3の後側RRに配置される。また、電源コネクタ31は、前後方向の後側RRからみて電源開口部50から露出してみえる位置に配置されている。
【0043】
[インターフェースコネクタ32]
インターフェースコネクタ32は、電源コネクタ31と同様に、基板3の上面3aに備えられる。インターフェースコネクタ32は、基板3に対して図示しない電気接続部材等を介して電気的接続されている。インターフェースコネクタ32は、インターフェースケーブル72が接続(着脱)可能である。インターフェースコネクタ32は、例えばUSBコネクタである。また、このとき、インターフェースケーブル72は、USBコネクタである。インターフェースコネクタ32は、インターフェースケーブル72が接続可能な接続面を後側RRに向けて、基板3の後側RRに配置される。また、インターフェースコネクタ32は、前後方向の後側RRからみて第二インターフェース開口部52から露出してみえる位置に配置されている。インターフェースコネクタ32は、特に必須の構成ではない。プリンタ1は、例えばBluetooth(登録商標)等の無線通信を行う場合には基板3にインターフェースコネクタ32を実装しない。インターフェースケーブル72は、USBコネクタに限定されず、LAN(Local Area Network)コネクタやイーサネット(Ethernet)規格のコネクタ等を用いることができる。
【0044】
コネクタ部30は、基板3においてカバー本体26に近い前後方向の後側RRの短辺(一辺)側に備えられる。また、コネクタ部30は、基板3の前後方向の後側RRの短辺に沿って一列に並ぶように配置されている。本実施形態では、インターフェースコネクタ32は、電源コネクタ31よりも右側RHに配置されている。また、基板3において、電源コネクタ31の左側LHにはさらに複数のインターフェースコネクタ32が実装できる程度のスペースが設けられている。この状態において、電源コネクタ31は、前方方向の後側RRから見て電源開口部50から露出してみえる状態で基板3に実装される。また、インターフェースコネクタ32は、前方方向の後側RRから見て第二インターフェース開口部52から露出してみえる状態で基板3に実装される。配置される各コネクタの間隔は、特に限定されないが、外部から各コネクタに対応するケーブルを複数装着したときにノイズが発生しないことを考慮した間隔で配置されるのが望ましい。
【0045】
[印刷ユニット4]
印刷ユニット4は、
図2に示すように、プラテンローラ40と、サーマルヘッド41と、カッターユニット42とを備えている。
【0046】
プラテンローラ40は、左右方向に延びるゴムローラである。プラテンローラ40は、筐体本体21内の前端部(排出口23寄りに位置する部分)に設けられている。プラテンローラ40は、左右方向に沿う軸線O1回りに回転可能であり、記録紙Pの搬送時において、不図示の駆動モータの駆動力に応じて回転する。
【0047】
サーマルヘッド41は、上カバー20内において、排出口23寄りに位置する部分に設けられている。サーマルヘッド41は、左右方向に沿って直線状に並ぶ複数の発熱素子を備えている。サーマルヘッド41は、発熱素子が下方を向いた状態で上カバー20の前端部に固定されている。
【0048】
プラテンローラ40及びサーマルヘッド41は、上下方向において記録紙Pを間に挟んで向かい合っている。サーマルヘッド41は、上カバー20が閉位置にあるとき、プラテンローラ40に密接する。記録紙Pは、プラテンローラ40の回転に応じて、プラテンローラ40とサーマルヘッド41との間を通過する。サーマルヘッド41は、基板3から出力される信号に基づいて発熱素子の発熱パターンが制御される。発熱素子の熱が記録紙Pの印字面に伝わることで、発熱パターンに応じた情報(文字や図形等)が記録紙Pに印刷される。
【0049】
[カッターユニット42]
カッターユニット42は、
図2に示すように、固定刃420と、可動刃421とを備える。カッターユニット42は、図示しない移動機構により、可動刃421を記録紙Pに対して往復移動させ、可動刃421と固定刃420との間の記録紙Pを挟みこむことにより、記録紙Pに切れ目をいれる。なお、カッターユニット42は、固定刃420または可動刃421の刃先に、凹部(不図示)を形成してもよい。カッターユニット42は、凹部を備えることで、記録紙Pを切断した際、記録紙Pのうち凹部と向かい合う部分に切断残りを形成する(いわゆる、パーシャルカット)。なお、凹部の数は特に限定されず、凹部を複数設けてもよい。また、凹部は、必須の構成ではない。
【0050】
固定刃420は、
図3に示すように、筐体本体21内において、プラテンローラ40と排出口23との間であって、記録紙Pと反対側の面に配置されている。固定刃420は、左右方向に延びる板状に形成されている。固定刃420の刃先の形状は、特に限定されず、例えば上下方向においてV字状などの従来公知の形状を用いることができる。固定刃420は、筐体本体21内に備えられる支持部(不図示)によって所定の手段で固定される。
【0051】
可動刃421は、
図3に示すように、上カバー20内において、サーマルヘッド41と排出口23との間であって、記録紙Pの印字面側に配置されている。可動刃421は、左右方向に延びる板状に形成されている。また、可動刃421は、筐体本体21内に備えられる支持部(不図示)によって所定の手段で、固定される。さらに可動刃421は、図示しない移動機構によって進行方向Bにおいて往復移動する。
【0052】
[作用]
次に、上述したプリンタ1の作用としてプリンタ1の製造方法について説明する。
図8は、プリンタ1の筐体本体21に基板3が取り付けられ、下カバー22が取り外された状態を示す斜視図である。
【0053】
まず、作業者は、
図8に示すように、プリンタ1の筐体本体21に印刷ユニット4を備えた状態で、ケーシング2のうち上カバー20と、筐体本体21とを一体化する。その後、筐体本体21に基板3が取り付けられる。基板3は、ケーシング2の下側DWの空間S3に収容される。このとき、前後方向において後側RRの短辺に沿うように配列されたコネクタ部30が後側RRを向くように筐体本体21に取り付けられる。
【0054】
次に、作業者は、基板3に備えられたコネクタ部30に対応するケーブルを挿通(着脱)可能とするために、コネクタカバー25の備える各開口部を覆うカバーを取り外す。本実施形態では、電源開口部50は、開口を覆うカバーを有していない。また、第一インターフェース開口部51は、第一開口カバー部60を備えている。しかし、基板3は、ケーブルを第一インターフェース開口部51に挿通(着脱)させるコネクタを有していない。そのため、第一開口カバー部60は、第一インターフェース開口部51から取り外されない。
【0055】
基板3は、インターフェースケーブル72を第二インターフェース開口部52に挿通(着脱)可能なインターフェースコネクタ32を有する。そのため、作業者は、第二インターフェース開口部52から、コネクタカバー25に備えられた第二インターフェース開口部52を覆う第二開口カバー部65を取り外す。具体的には、第二開口カバー部65は、上述の通り第一開口カバー部60と同様の構成である。そのため、第二開口カバー部65は、前側FRに押し込む力(外力)を与えられると、第一連結部61を起点として回転する。このとき、第一連結部61よりも前後方向に厚みの薄い薄肉部63には、よりせん断力が働く。そのため、第一連結部61は、薄肉部63から切断される。すると、第一開口カバー部60は、コネクタカバー25から取り外される。なお、押し込む力(外力)は前後方向に1回のみ与えられてもよいし、複数回与えられてもよい。また、第二開口カバー部65は、第一開口カバー部60と同様に、前後方向において開口カバー取付部261よりもわずかに前側FRに備えられている。そのため、作業者は、第二開口カバー部65を前側FRに押し込みやすい。
【0056】
次に、ケーシング2の空間S3に基板3が収容され第二インターフェース開口部52が開口した状態で、下側DWから下カバー22が筐体本体21に取り付けられる。
【0057】
下カバー22は、コネクタカバー25が後側RRを向くように取り付けられる。下カバー22は、筐体本体21の下端開口部21bを覆い、筐体本体21の後壁212のケーブル接続溝215を覆う。
【0058】
下カバー22のコネクタカバー25に備えられたカバー本体26の開口カバー取付部261は、基板3の各コネクタの後側RRに配置される。ここで、開口カバー取付部261と各コネクタ31、32との隙間は、ケーブル71、72のコネクタ71a、72aが各開口部を挿通後、すぐに各コネクタ31、32に接続されるように形成されるのが好ましい。本実施形態では、電源開口部50は、基板3の電源コネクタ31の後側RRに配置され、電源コネクタ31を露出する。第二インターフェース開口部52は、基板3のインターフェースコネクタ32の後側RRに配置され、インターフェースコネクタ32を露出する。下カバー22は、筐体本体21に取り付けられ一体化する。以上の製造過程により、プリンタ1が形成される。
【0059】
本実施形態では、プリンタ1のコネクタカバー25が電源開口部50と、第一インターフェース開口部51と、第二インターフェース開口部52とを備える。そのため、基板3に実装された各コネクタに対してコネクタカバー25を複数設けなくても、基板3に実装された種々のコネクタに応じて、各コネクタに接続されるケーブルを各開口部に挿通してコネクタに取り付けることができる。本実施形態では、基板3に実装された種々のコネクタに応じて異なるコネクタカバーを用意する必要がないため、プリンタ1に係る部品点数を削減することができる。
【0060】
また、本実施形態では、ケーブルを挿通しない第一インターフェース開口部51は、第一開口カバー部60によって覆われている。そのため、第一開口カバー部60は、第一インターフェース開口部51を塞ぎ、埃やごみ等の進入を防ぐことができる。
【0061】
また、本実施形態では、電源コネクタ31が配置される電源開口部50には、開口を覆うカバーを有さない。そのため、一般に基板3に取り付けられる電源コネクタ31に対して、カバーを取り外す必要なく容易に電源ケーブル71を取り付けることができる。
【0062】
また、本実施形態では、第二開口カバー部65は、作業者によって押し込む力(外力)が与えられると、コネクタカバー25から取り外すことができる。そのため、第二インターフェース開口部52に挿通させたいインターフェースケーブル72がある場合に、コネクタカバー25が形成されたのち、第二開口カバー部65を取り外すことができる。
【0063】
また、本実施形態では、第一開口カバー部60及び第二開口カバー部65は、第一連結部61に薄肉部63を備えている。そのため、第一開口カバー部60または第二開口カバー部65を取り外す際に、作業者が切断用の工具などを用いなくても、容易に手で第一開口カバー部60または第二開口カバー部65を取り外すことができる。
【0064】
また、本実施形態では、第一開口カバー部60及び第二開口カバー部65は、ストッパー64を備えている。そのため、第一開口カバー部60及び第二開口カバー部65は、前側FRに押し込まれても、ストッパー64が基板3の後縁部3pに係合して、第一開口カバー部60及び第二開口カバー部65が取り外されるのを防ぐことができる。また、ストッパー64は、第一連結部61に対して第一開口カバー部60の中心を通る中心軸を挟んで反対側に備えられるため、第一開口カバー部60及び第二開口カバー部65が前後方向において前側FRに移動して第一連結部61が薄肉部63から切断されるのを抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態では、薄肉部63は、第一連結部61の前側FRの表面61aに形成される。そのため、第一開口カバー部60または第二開口カバー部65を取り外したさいにバリなどの鋭い突起が形成されても、コネクタカバー26のカバー本体26よりも後側RRに出にくい。そのため、作業者は、プリンタ1を使用する際に、バリによって手を負傷してしまう虞を無くすことができる。
【0066】
なお、上記の一実施形態により本発明が限定されるものではない。また、一実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、一実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0068】
(変形例)
本発明の第一開口カバー部は、第一インターフェース開口部よりも大きく形成され、前後方向からみて前記第一インターフェース開口部全体に重なるように形成されてもよい。この構成により、第一開口カバー部と第一インターフェース開口部との隙間をさらに減らし、より埃やごみ等の進入を抑制することができる。
【0069】
また、上述の実施形態の第一開口カバー部は、第一連結部を2つ以上備えていてもよい。この構成により、第一開口カバー部は、よりカバー本体に固定される。そのため、第一開口カバー部は、作業者の手が当たったり、振動したりして、カバー本体から外れてしまう虞を減らすことができる。また、第一開口カバー部は、第一開口カバー部とカバー本体とを連結する第二連結部をさらに備えていてもよい。第一開口カバー部は、第二連結部を第一連結部に対して第一開口カバー部の中心を通る中心軸を挟んで反対側に備える。そのため、第一連結部と第二連結部とは、第一開口カバー部の中心を通る中心軸を挟んで両側に備えられる。この構成により、第一開口カバー部は、よりカバー本体に固定される。そのため、上述と同様の効果を得ることができる。また、第二連結部は、第一連結部よりも断面積を小さくして形成されていてもよい。なお、第一開口カバー部と同様に、第二開口カバー部が同様の構成を備えていてもよい。
【0070】
本実施形態では、プリンタとしてサーマルプリンタを例として説明したが、プリンタは特に限定されず、種々のプリンタに適用できる。
【0071】
いずれの上記形態においても、本発明に係るプリンタによれば、複数のインターフェースに対応したカバーによって、プリンタ内部への埃やごみの進入を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るプリンタによれば、複数のインターフェースに対応したカバーによって、プリンタ内部への埃やごみの進入を防ぐことができるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 プリンタ
2 ケーシング(筐体)
215 ケーブル接続溝
20 上カバー
21 筐体本体
22 下カバー22
23 排出口
24 基板カバー
25 コネクタカバー
26 カバー本体
3 基板
30 コネクタ部
31 電源コネクタ
32 インターフェースコネクタ
4 印刷ユニット
40 プラテンローラ
41 サーマルヘッド
42 カッターユニット
50 電源開口部
51 第一インターフェース開口部
52 第二インターフェース開口部
60 第一開口カバー部
61 第一連結部
62 切り込み部
63 薄肉部
64 ストッパー
65 第二開口カバー部
71 電源ケーブル
72 インターフェースケーブル
P 記録紙
O1 軸線