(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140453
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0208 20230101AFI20230928BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
G06Q30/02 322
G06Q20/38 310
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046299
(22)【出願日】2022-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】暗号資産を決済通貨に用いて売買されるNFTに関し、ユーザに関連付けられたNFTを元に当該ユーザにポイントを付与すること。
【解決手段】ポイントと暗号資産との間の換算を行う換算部と、ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額以下である場合に、マーケットに対して、交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して売却対象非代替性トークンの売り注文を出すポイント交換制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイント交換対象データと前記ポイント交換対象データの関係者とが関連付けられたポイント交換対象管理データを記憶するポイント交換対象管理データ記憶部と、
ユーザから前記ユーザが関係者として前記ポイント交換対象管理データにおいて関連付けられた売却対象ポイント交換対象データを、ポイント管理装置によって管理されるポイントに、前記ユーザが指定する交換ポイント数で交換するポイント交換要求を受け付ける受付部と、
前記売却対象ポイント交換対象データに関連付けてブロックチェーン上で登録された売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額を、前記売却対象非代替性トークンを扱うマーケットから取得する取引情報取得部と、
ポイントと暗号資産との間の換算を行う換算部と、
前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が前記関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額以下である場合に、前記マーケットに対して、前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して前記売却対象非代替性トークンの売り注文を出すポイント交換制御部と、を備え、
前記ポイント交換制御部は、前記売却対象非代替性トークンの売却が成立した場合に、前記売却対象ポイント交換対象データと前記ユーザとの関連付けを解消させると共に、前記売却対象非代替性トークンの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数を前記ユーザのポイント残数に加算する付与ポイント数として前記ポイント管理装置へ通知する、
情報処理装置。
【請求項2】
暗号資産と法定通貨との間の換算レートである暗号資産換算レートを取得する暗号資産換算レート取得部をさらに備え、
前記換算部は、ポイントと法定通貨との間の所定の換算レートであるポイント換算レートと前記暗号資産換算レートとを使用してポイントと暗号資産との間の換算を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ポイントと暗号資産との間の換算レートであるポイント対暗号資産換算レートを取得する暗号資産換算レート取得部をさらに備え、
前記換算部は、前記ポイント対暗号資産換算レートを使用してポイントと暗号資産との間の換算を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ポイント交換対象データと前記ポイント交換対象データの関係者との関連付けを示すデータは、前記ブロックチェーン上に記録されない、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンは、前記売却対象非代替性トークンの基のデジタル資産を基に生成された別個の非代替性トークン、又は前記売却対象非代替性トークンの基のデジタル資産に関連するデジタル資産を基に生成された非代替性トークンである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ポイント交換対象管理データは、前記ポイント管理装置によって管理されるユーザのポイント残数がポイント交換対象データに対応する非代替性トークンの購入のために消費されることによって、当該ユーザと当該ポイント交換対象データとが関連付けされたデータである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ポイント交換対象データと前記ポイント交換対象データの関係者とが関連付けられたポイント交換対象管理データをポイント交換対象管理データ記憶部に記憶するステップと、
ユーザから前記ユーザが関係者として前記ポイント交換対象管理データにおいて関連付けられた売却対象ポイント交換対象データを、ポイント管理装置によって管理されるポイントに、前記ユーザが指定する交換ポイント数で交換するポイント交換要求を受け付けるステップと、
前記売却対象ポイント交換対象データに関連付けてブロックチェーン上で登録された売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額を、前記売却対象非代替性トークンを扱うマーケットから取得するステップと、
ポイントと暗号資産との間の換算を行うステップと、
前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が前記関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額以下である場合に、前記マーケットに対して、前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して前記売却対象非代替性トークンの売り注文を出すステップと、
前記売却対象非代替性トークンの売却が成立した場合に、前記売却対象ポイント交換対象データと前記ユーザとの関連付けを解消させると共に、前記売却対象非代替性トークンの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数を前記ユーザのポイント残数に加算する付与ポイント数として前記ポイント管理装置へ通知するステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を購入したりサービスを利用したりしたユーザに対してポイントを付与し、ユーザに付与されたポイントを管理し、ユーザが保有するポイントを商品等と交換したり株式等の金融商品の運用情報に基づいたポイント運用を行ったりすることが行われている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6042011号公報
【特許文献2】特許第6183942号公報
【特許文献3】特許第6357521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタル資産に対して唯一性や保有者を証明することができるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)が注目されている。そして、そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)が開設されており、NFTマーケットプレイスを利用してNFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。
【0005】
このようなNFTの状況においては、上述したユーザに付与されるポイントの運用管理方法の一つとして、ユーザが保有するポイントを消費させることにより当該ユーザに関連付けるNFTを購入することが考えられる。また、ユーザに関連付けられたNFTを元に、当該ユーザにポイントを付与することが考えられる。しかしながら、上述した特許文献1,2,3に記載されたポイント運用管理技術では、ユーザが保有するポイントの管理とNFTの管理とを連携させることができないために、上述したNFTに関するポイントの運用管理方法を実現することが難しい。また、NFTマーケットプレイスでは、特定の暗号資産(仮想通貨とも称される)がNFTの売買の決済通貨に使用されており、且つ暗号資産の価値が暗号資産マーケットにおいて時時刻刻に変化するために、ユーザが売買を希望するNFTに対応するポイント数が分からない。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、暗号資産を決済通貨に用いて売買されるNFTに関し、ユーザに関連付けられたNFTを元に当該ユーザにポイントを付与することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、ポイント交換対象データと前記ポイント交換対象データの関係者とが関連付けられたポイント交換対象管理データを記憶するポイント交換対象管理データ記憶部と、ユーザから前記ユーザが関係者として前記ポイント交換対象管理データにおいて関連付けられた売却対象ポイント交換対象データを、ポイント管理装置によって管理されるポイントに、前記ユーザが指定する交換ポイント数で交換するポイント交換要求を受け付ける受付部と、前記売却対象ポイント交換対象データに関連付けてブロックチェーン上で登録された売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額を、前記売却対象非代替性トークンを扱うマーケットから取得する取引情報取得部と、ポイントと暗号資産との間の換算を行う換算部と、前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が前記関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額以下である場合に、前記マーケットに対して、前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して前記売却対象非代替性トークンの売り注文を出すポイント交換制御部と、を備え、前記ポイント交換制御部は、前記売却対象非代替性トークンの売却が成立した場合に、前記売却対象ポイント交換対象データと前記ユーザとの関連付けを解消させると共に、前記売却対象非代替性トークンの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数を前記ユーザのポイント残数に加算する付与ポイント数として前記ポイント管理装置へ通知する、情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、暗号資産と法定通貨との間の換算レートである暗号資産換算レートを取得する暗号資産換算レート取得部をさらに備え、前記換算部は、ポイントと法定通貨との間の所定の換算レートであるポイント換算レートと前記暗号資産換算レートとを使用してポイントと暗号資産との間の換算を行う、上記(1)の情報処理装置である。
(3)本発明の一態様は、ポイントと暗号資産との間の換算レートであるポイント対暗号資産換算レートを取得する暗号資産換算レート取得部をさらに備え、前記換算部は、前記ポイント対暗号資産換算レートを使用してポイントと暗号資産との間の換算を行う、上記(1)の情報処理装置である。
(4)本発明の一態様は、前記ポイント交換対象データと前記ポイント交換対象データの関係者との関連付けを示すデータは、前記ブロックチェーン上に記録されない、上記(1)から(3)のいずれかの情報処理装置である。
(5)本発明の一態様は、前記売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンは、前記売却対象非代替性トークンの基のデジタル資産を基に生成された別個の非代替性トークン、又は前記売却対象非代替性トークンの基のデジタル資産に関連するデジタル資産を基に生成された非代替性トークンである、上記(1)から(4)のいずれかの情報処理装置である。
(6)本発明の一態様は、前記ポイント交換対象管理データは、前記ポイント管理装置によって管理されるユーザのポイント残数がポイント交換対象データに対応する非代替性トークンの購入のために消費されることによって、当該ユーザと当該ポイント交換対象データとが関連付けされたデータである、上記(1)から(5)のいずれかの情報処理装置である。
【0008】
(7)本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ポイント交換対象データと前記ポイント交換対象データの関係者とが関連付けられたポイント交換対象管理データをポイント交換対象管理データ記憶部に記憶するステップと、ユーザから前記ユーザが関係者として前記ポイント交換対象管理データにおいて関連付けられた売却対象ポイント交換対象データを、ポイント管理装置によって管理されるポイントに、前記ユーザが指定する交換ポイント数で交換するポイント交換要求を受け付けるステップと、前記売却対象ポイント交換対象データに関連付けてブロックチェーン上で登録された売却対象非代替性トークンに関連する関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額を、前記売却対象非代替性トークンを扱うマーケットから取得するステップと、ポイントと暗号資産との間の換算を行うステップと、前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が前記関連非代替性トークンの売値である暗号資産の金額以下である場合に、前記マーケットに対して、前記交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して前記売却対象非代替性トークンの売り注文を出すステップと、前記売却対象非代替性トークンの売却が成立した場合に、前記売却対象ポイント交換対象データと前記ユーザとの関連付けを解消させると共に、前記売却対象非代替性トークンの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数を前記ユーザのポイント残数に加算する付与ポイント数として前記ポイント管理装置へ通知するステップと、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、暗号資産を決済通貨に用いて売買されるNFTに関し、ユーザに関連付けられたNFTを元に当該ユーザにポイントを付与することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る取引システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係るポイント交換対象管理データの構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るNFTマーケットデータ(取引情報)の構成例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る購入管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係るポイント管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】一実施形態に係るポイント管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る取引システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置1は、ユーザに付与されるポイントとNFT(非代替性トークン)とに関わる取引(ポイント-NFT取引)処理を実行する。ポイント-NFT取引処理の種類として、NFT購入取引処理とNFTポイント付与取引処理とがある。
【0012】
NFT購入取引処理は、ユーザが保有するポイントを消費させることにより当該ユーザに関連付けるNFTを購入するための処理である。NFTポイント付与取引処理は、ユーザに関連付けられたNFTを元に、当該ユーザにポイントを付与するための処理である。
【0013】
情報処理装置1は、ユーザが使用する端末(ユーザ端末)7との間で通信回線を介してデータを送受する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、情報処理装置1に対してポイント-NFT取引処理に関する要求を行うことができる。ユーザが行うことができるポイント-NFT取引処理に関する要求の種類として、NFT購入取引処理に関するNFT購入要求と、NFTポイント付与取引処理に関するポイント交換要求とがある。NFT購入要求は、ユーザが保有するポイントを消費させることにより当該ユーザに関連付けるNFTを購入することの要求である。ポイント交換要求は、ユーザに関連付けられたNFTを元に、当該ユーザにポイントを付与することの要求である。
【0014】
情報処理装置1は、通信回線を介してポイント管理装置2とデータを送受する。
【0015】
ポイント管理装置2は、ユーザが保有するポイントを管理する。ユーザは、ポイント管理装置2に登録されており、ユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザID)が付与されている。ポイント管理装置2は、ユーザ毎に、ユーザに付与されたポイントを管理する。
【0016】
ポイントは、例えば、ユーザが商品を購入したりサービスを利用したりした際に、当該ユーザが保有するポイントの残数(ポイント残数)に所定の付与ポイント数が加算される。また、ポイントは、例えば、ユーザがポイントを交換した対象の商品に設定されている消費ポイント数が当該ユーザのポイント残数から減算される。また、ポイントは、例えば、NFT購入取引処理によりユーザに関連付けるNFTに関して、当該NFTの買値(暗号資産の金額)から換算された消費ポイント数が当該ユーザのポイント残数から減算される。また、ポイントは、例えば、NFT購入取引処理によりユーザに関連付けられたNFTに関して、当該NFTを元に、NFTポイント付与取引処理により当該ユーザに付与されるポイントのポイント数が当該ユーザのポイント残数に加算される。
【0017】
ポイント管理装置2は、ユーザ端末7との間で通信回線を介してデータを送受する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、ポイント管理装置2に対して、ポイント残数の照会や、ポイントとNFT以外の所定の商品やサービスとの交換などの依頼を行うことができる。
【0018】
情報処理装置1は、通信回線を介してNFTマーケット4とデータを送受する。NFTマーケット4は、NFTの購入や販売等の流通の場(NFTマーケットプレイス)である。
【0019】
なお、NFTマーケット4は、NFTに関する例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付やNFTの代金の決済処理やNFTの保有者情報の管理等のNFTマーケットプレイスの機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム(NFTマーケットソフトウェア)を実行するコンピュータ(NFTマーケットサーバ)によって実現されてもよい。したがって、NFTマーケット4は、NFTマーケットサーバを指してもよい。
【0020】
NFTマーケット4が扱うNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFTマーケット4が扱うNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFTマーケット4が扱うNFTの保有者が証明される。
【0021】
情報処理装置1は、ユーザからのNFT購入要求に応じて、NFT購入取引処理を実行する。情報処理装置1は、NFT購入取引処理において、NFT購入要求の要求元のユーザ(購入要求元ユーザ)が保有するポイント残数によって、ユーザが購入を希望するNFT(購入対象NFT)の売値である暗号資産の金額に足りる場合に、NFTマーケット4に対して、購入対象NFTの買い注文を出すと共に、購入対象NFTの保有者を所定の購入管理者に変更するように要求する。
【0022】
より具体的には、情報処理装置1は、ポイント管理装置2が管理するポイントと法定通貨(例えば日本円など)との間の所定の換算レートであるポイント換算レートと、NFTマーケット4においてNFTの売買の決済通貨に使用される暗号資産と法定通貨との間の換算レートである暗号資産換算レートとを使用して、購入要求元ユーザのポイント残数を暗号資産に換算する。ポイント換算レートは、例えばポイント管理装置2の管理者によって予め設定される。暗号資産換算レートは、暗号資産マーケットにおいて時時刻刻に変化する。このため、情報処理装置1は、所定の情報提供サーバから、常時、最新の暗号資産換算レートを取得する。情報処理装置1は、購入要求元ユーザのポイント残数から換算された暗号資産の金額が購入対象NFTの売値である暗号資産の金額以上である場合に、NFTマーケット4に対して、購入対象NFTの買い注文を出すと共に、購入対象NFTの保有者を所定の購入管理者に変更するように要求する。
【0023】
NFTマーケット4は、購入対象NFTの買い注文及び購入対象NFTの保有者を購入管理者に変更する要求に応じて、ブロックチェーン5に対して購入対象NFTの保有者を当該購入管理者に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上に記録されている購入対象NFTの保有者が当該購入管理者に変更される。購入管理者は、購入要求元ユーザとは異なる。購入管理者は、例えばポイント管理装置2を管理する管理者である。
【0024】
情報処理装置1は、ブロックチェーン5上で保有者が購入管理者に変更された購入対象NFTに関するNFTデータを、NFTマーケット4から取得する。NFTデータは、NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。NFTに関するブロックチェーン5上のメタデータは、当該NFTについての、識別子や作成日時や保有者を示す保有者アドレスや対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、NFTが保有者を証明する対象物であるデジタル資産(オリジナルのデジタルデータ)の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが保有者を証明する対象物であるデジタル資産は、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々である。
【0025】
情報処理装置1は、ブロックチェーン5上で保有者が購入管理者に変更された購入対象NFTに関するNFTデータをブロックチェーン5の外部で記録する。
【0026】
情報処理装置1は、NFTマーケット4に対する購入対象NFTの買い注文に伴って、購入対象NFTの買値に対応する代金を支払うための代金決済処理を実行する。
【0027】
情報処理装置1は、ユーザからのポイント交換要求に応じて、NFTポイント付与取引処理を実行する。情報処理装置1は、NFTポイント付与取引処理において、ポイント交換要求の要求元のユーザ(ポイント交換要求元ユーザ)に関連付けられたNFT(売却対象NFT)が、ポイント交換要求元ユーザが指定する交換ポイント数で交換することができる場合に、NFTマーケット4に対して、売却対象NFTの売り注文を出す。
【0028】
より具体的には、情報処理装置1は、ポイント管理装置2が管理するポイントと法定通貨(例えば日本円など)との間の所定の換算レートであるポイント換算レートと、NFTマーケット4においてNFTの売買の決済通貨に使用される暗号資産と法定通貨との間の換算レートである暗号資産換算レートとを使用して、ポイント交換要求元ユーザが指定する交換ポイント数を暗号資産に換算する。ポイント換算レートは、例えばポイント管理装置2の管理者によって予め設定される。暗号資産換算レートは、暗号資産マーケットにおいて時時刻刻に変化する。このため、情報処理装置1は、所定の情報提供サーバから、常時、最新の暗号資産換算レートを取得する。情報処理装置1は、ポイント交換要求元ユーザが指定する交換ポイント数から換算された暗号資産の金額がNFTマーケット4における売却対象NFTに関連するNFT(関連NFT)の売値である暗号資産の金額以下である場合に、NFTマーケット4に対して、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して売却対象NFTの売り注文を出す。売却対象NFTの関連NFTは、売却対象NFTの基のデジタル資産を基に生成された別個のNFT、又は売却対象NFTの基のデジタル資産に関連するデジタル資産を基に生成されたNFTである。
【0029】
NFTマーケット4は、売却対象NFTの売却の取引が成立すると、ブロックチェーン5に対して売却対象NFTの保有者を売却先の保有者に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上で管理されている売却対象NFTの保有者が元の保有者(購入管理者)から売却先の保有者に変更される。
【0030】
情報処理装置1は、NFTマーケット4に対する売却対象NFTの売り注文に伴って、売却対象NFTの売値に対応する代金を受け取るための代金決済処理を実行する。
【0031】
情報処理装置1は、売却対象NFTの売却が成立した場合に、売却対象NFTとポイント交換要求元ユーザとの関連付けを解消させると共に、売却対象NFTの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数をポイント交換要求元ユーザのポイント残数に加算する付与ポイント数としてポイント管理装置2へ通知する。
【0032】
情報処理装置1は、通信回線を介してNFTマーケット4とデータを送受する。情報処理装置1は、NFTマーケット4から、NFTに関する取引情報(NFTマーケットデータ)を取得する。NFTマーケットデータは、NFTマーケット4が扱うNFTについての、識別子や対象物のカテゴリや取引価格(暗号資産の売値)や取引日や対象物URL等の情報を含む。
【0033】
情報処理装置1は、NFTマーケット4から取得したNFTマーケットデータをユーザに提供する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、情報処理装置1からNFTマーケットデータを取得する。
【0034】
ユーザは、NFTマーケットデータによって、NFTマーケット4で販売されている各NFTについて、対象物のカテゴリ(例えば、デジタルアート、ゲームアイテム、トレーディングカード等)や取引価格(暗号資産の売値)などを認識することができる。これにより、ユーザは、自分が所望するNFTに関して、そのNFTの価値を取引価格(暗号資産の売値)から判断することができる。そして、ユーザは、その判断の結果から、自分が購入を希望するNFT(購入対象NFT)を決めることができる。
なお、情報処理装置1は、NFTマーケットデータに含まれるNFTの取引価格(暗号資産の売値)をポイント管理装置2が管理するポイントに換算してから、NFTマーケットデータをユーザに提供してもよい。これにより、ユーザは、NFTの取引価格をポイントで認識することができる。
【0035】
また、ユーザは、ユーザ端末7を使用して、NFTマーケットデータに含まれる対象物URLにアクセスし、NFTの対象物(オリジナルのデジタルデータ)を確認することができる。
【0036】
情報処理装置1は、既にNFTが関連付けられているユーザに対しては、当該NFTに関連するNFT(関連NFT)の取引情報をNFTマーケット4から取得し、取得された関連NFTの取引情報を提供する。関連NFTの取引情報は、関連NFTについての最新の取引価格(暗号資産の売値)および取引日を含む情報である。
【0037】
あるNFT(NFT_Aとする)の関連NFT(NFT_Bとする)は、例えば、NFT_Aの基のデジタル資産を基に生成された別個のNFTである。この場合、NFT_AとNFT_Bとは、同一のデジタル資産を基に生成された一群のNFTである。
【0038】
あるNFT(NFT_Aとする)の関連NFT(NFT_Bとする)は、例えば、NFT_Aの基のデジタル資産aに関連する別個のデジタル資産bを基に生成されたNFTである。デジタル資産aに関連する別個のデジタル資産bは、例えば、デジタルアートaを描いたアーティストが描いた別個のデジタルアートbである。デジタル資産aに関連するデジタル資産bは、例えば、ゲームアイテムaと同一ゲームで使用可能な別個のゲームアイテムbである。デジタル資産aに関連するデジタル資産bは、例えば、トレーディングカードaに写るアイドルが写る別個のトレーディングカードbである。
【0039】
既にNFTが関連付けられているユーザは、関連NFTの取引情報を、当該ユーザに関連付けられているNFTに関するNFTマーケット4上の取引価格(暗号資産の売値)や需要の参考にすることができる。
なお、情報処理装置1は、関連NFTの取引情報に含まれる関連NFTの取引価格(暗号資産の売値)をポイント管理装置2が管理するポイントに換算してから、NFTマーケットデータをユーザに提供してもよい。これにより、ユーザは、関連NFTの取引価格をポイントで認識することができる。
【0040】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2において、情報処理装置1は、記憶部10と、受付部11と、取引情報取得部13と、暗号資産換算レート取得部14と、換算部15と、ポイント交換制御部16と、購入管理部31と、購入制御部32とを備える。購入管理部31は、購入管理テーブル33を備える。
【0041】
情報処理装置1の各機能は、情報処理装置1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報処理装置1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、情報処理装置1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、情報処理装置1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は情報処理装置1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、情報処理装置1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0042】
記憶部10は、ポイント交換対象管理データ110等の各種のデータを記憶する。
図3は、本実施形態に係るポイント交換対象管理データの構成例を示す図である。
図3の例では、ポイント交換対象管理データ110は、各ユーザについて、ユーザIDとNFTデータとが関連付けられたデータである。ポイント交換対象管理データ110において、ユーザ(ユーザID)に関連付けられたNFTデータは、当該ユーザが保有するポイントが当該NFTデータに対応するNFTの購入のために消費されることによって、当該ユーザに関連付けされたものである。NFTデータは、NFTマーケット4から取得される。本実施形態において、ポイント交換対象管理データ110におけるNFTデータは、ポイント交換対象データに対応する。また、ポイント交換対象管理データ110におけるユーザ(ユーザID)は、NFTデータの関係者に対応する。
【0043】
また、
図3の例では、ポイント交換対象管理データ110は、各ユーザについて、NFTデータに対してさらに交換ポイント数の指定値が関連付けられたデータである。NFTデータに関連付けられた交換ポイント数の指定値は、当該NFTデータが関連付けられたユーザが指定した値である。交換ポイント数の指定値は、各ユーザが任意に指定することができる。
【0044】
受付部11は、ユーザ端末7から所定の各種の要求を受付ける。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、情報処理装置1に対して所定の各種の要求を行うことができる。例えば、ポイント管理装置2によって管理されるポイントを保有するユーザは、所望のNFT(購入対象NFT)のNFT購入要求を情報処理装置1に行うことができる。受付部11は、ユーザ端末7からNFT購入要求を受付ける。例えば、ポイント交換対象管理データ110においてNFTデータが関連付けられたユーザは、当該NFTデータをポイントに交換するポイント交換要求を情報処理装置1に行うことができる。受付部11は、ユーザ端末7からポイント交換要求を受付ける。
【0045】
取引情報取得部13は、NFTマーケット4からNFTマーケットデータを取得する。取引情報取得部13は、ポイント交換対象管理データ110においてポイント交換要求元ユーザに関連付けられているNFTデータ(売却対象NFTデータ)に関連付けてブロックチェーン5上で登録された売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額を含むNFTマーケットデータを、NFTマーケット4から取得する。
【0046】
図4は、本実施形態に係るNFTマーケットデータ(取引情報)の構成例を示す図である。
図4の例では、ポイント交換対象管理データ110においてユーザに関連付けられた各NFTデータについて、関連NFTのNFTデータ(関連NFTデータ)と、取引情報(最新の売値(暗号資産の金額)および取引日)とがNFTマーケットデータに含められる。
【0047】
情報処理装置1は、NFTマーケット4から取得したNFTマーケットデータをユーザに提供する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、NFTマーケットデータに含められた情報を認識する。
【0048】
暗号資産換算レート取得部14は、所定の情報提供サーバから、暗号資産換算レートの情報を取得する。暗号資産換算レート取得部14が情報提供サーバから取得する暗号資産換算レートの情報は、NFTマーケット4においてNFTの売買の決済通貨に使用される暗号資産と法定通貨との間の換算レート(暗号資産換算レート)であって、最新の暗号資産換算レートを含む情報である。暗号資産換算レートは暗号資産マーケットにおいて時時刻刻に変化するため、情報提供サーバが配信する暗号資産換算レートの情報は、絶えず更新される。このため、情報処理装置1は、情報提供サーバから、常時、暗号資産換算レートの情報を取得する。
【0049】
また、暗号資産換算レート取得部14が情報提供サーバから取得する暗号資産換算レートの情報は、最新の暗号資産換算レートに加えて、過去の一定期間における暗号資産換算レートの変動を示す暗号資産換算レート変動情報や、過去の一定期間における暗号資産換算レートの統計値などを含んでもよい。
【0050】
暗号資産換算レート取得部14は、情報提供サーバから取得した暗号資産換算レートの情報に基づいて、後述する換算部15が使用する暗号資産換算レートを決定する。例えば、暗号資産換算レート取得部14は、最新の暗号資産換算レートを、換算部15が使用する暗号資産換算レートに決定する。例えば、暗号資産換算レート取得部14は、最新の暗号資産換算レートと暗号資産換算レート変動情報と暗号資産換算レートの統計値とのうち少なくともいずれかに基づいて、換算部15が使用する暗号資産換算レートを決定してもよい。
【0051】
換算部15は、ポイント換算レートと暗号資産換算レートとを使用して、ポイントと暗号資産との間の換算を行う。ポイント換算レートは、ポイント管理装置2が管理するポイントと法定通貨(例えば日本円など)との間の所定の換算レートである。換算部15が使用するポイント換算レートは、例えばポイント管理装置2の管理者によって、予め設定される。換算部15が使用する暗号資産換算レートは、暗号資産換算レート取得部14によって決定された暗号資産換算レートである。
【0052】
換算部15は、ポイント換算レートと暗号資産換算レートとを使用して、ポイント交換要求元ユーザが指定した交換ポイント数を、暗号資産の金額に換算する。また、換算部15は、ポイント換算レートと暗号資産換算レートとを使用して、売却対象NFTの売値である暗号資産の金額を、ポイント数に換算する。
【0053】
ポイント交換制御部16は、受付部11が受付けたポイント交換要求に基づいてポイント交換制御処理を実行する。ポイント交換制御部16は、ポイント交換制御処理において、ポイント交換要求元ユーザが指定する交換ポイント数から換算された暗号資産の金額がNFTマーケット4における売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額以下である場合に、NFTマーケット4に対して、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して売却対象NFTの売り注文を出す。また、ポイント交換制御部16は、ポイント交換制御処理において、売却対象NFTの売却が成立した場合に、ポイント交換対象管理データ110において売却対象NFTデータとポイント交換要求元ユーザとの関連付けを解消させると共に、売却対象NFTの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数をポイント交換要求元ユーザのポイント残数に加算する付与ポイント数としてポイント管理装置2へ通知する。
【0054】
ポイント交換制御部16は、NFTマーケット4に対する売却対象NFTの売り注文に伴って、売却対象NFTの売値に対応する代金を受け取るための代金決済処理を実行する。NFTマーケット4では、特定の暗号資産がNFTの売買の決済通貨に使用されている。したがって、ポイント交換制御部16は、NFTマーケット4で使用されている暗号資産で売却代金の受領処理を実行する。
【0055】
購入管理部31は、NFTマーケット4において購入されたNFTに関する管理を行う。購入管理部31は、購入管理テーブル33を用いて、購入要求元ユーザからのNFT購入要求に応じて購入された各NFTに関する管理を行う。
【0056】
図5は、本実施形態に係る購入管理テーブルの構成例を示す図である。
図5の例では、各ユーザについて、ユーザID、購入済NFTデータ及び購入済みのNFTの保有者の識別子(NFT保有者ID)が購入管理テーブル33に格納される。ユーザIDは、購入要求元ユーザのユーザIDである。購入済NFTデータは、購入要求元ユーザからのNFT購入要求に応じて購入された購入対象NFTに関するNFTデータであって、NFTマーケット4から取得される。NFT保有者IDは、購入済みの購入対象NFTの保有者の識別子である。したがって、NFT保有者IDは、購入済NFTデータに含まれる保有者アドレスで示される保有者の識別子である。
【0057】
本実施形態では、購入済みの購入対象NFTの保有者は、所定の購入管理者である。購入管理者は、購入要求元ユーザとは異なる者である。したがって、NFT保有者IDは、購入管理者の識別子(購入管理者ID)であって、ユーザIDとは異なる。購入管理者は、例えばポイント管理装置2を管理する管理者である。
【0058】
本実施形態において、購入済みの購入対象NFTの保有者を購入管理者にする理由は、例えば、NFTマーケット4において、購入管理者が購入窓口として一括して、NFTの売買の決済に使用される暗号資産のウォレットを作成することにより、ユーザ毎にユーザ専用の暗号資産のウォレットを作成する必要がなくなる、などである。
【0059】
購入制御部32は、NFTの購入に関する制御を行う。
【0060】
購入制御部32は、購入要求元ユーザからのNFT購入要求に応じて、NFTマーケット4に対して、購入対象NFTのNFT購入処理を実行する。購入制御部32は、NFT購入処理において、購入要求元ユーザのポイント残数(購入用ポイント数)から換算された暗号資産の金額が購入対象NFTの売値である暗号資産の金額以上である場合に、NFTマーケット4に対して、購入対象NFTの買い注文を出すと共に、ブロックチェーン5上に記録される購入対象NFTの保有者を所定の購入管理者に変更するように要求する。
【0061】
なお、本実施形態では、購入要求元ユーザのポイント残数の全部を購入用ポイント数にするが、購入用ポイント数は購入要求元ユーザのポイント残数以下であればよい。例えば、購入用ポイント数は、購入要求元ユーザのポイント残数のうち所定の割合(例えば90%等)に限定してもよい。
また、購入用ポイント数は、購入要求元ユーザが指定してもよい。
【0062】
また、購入制御部32は、ポイント管理装置2に対して、購入要求元ユーザのポイント残数のうち少なくとも購入用ポイント数を購入対象NFTの購入期限までは購入対象NFTの購入用に確保するように要求してもよい。これにより、購入要求元ユーザのポイント残数が購入対象NFTの購入以外の用途に使用されることによって購入対象NFTの購入に対してポイント不足の状態で購入対象NFTの購入が実行されてしまうことを未然に防ぐことができる。
購入対象NFTの購入期限は、購入要求元ユーザから指定されてもよく、又は購入要求元ユーザによるNFT購入要求時から一定期間であってもよい。
【0063】
なお、購入制御部32は、購入要求元ユーザからの購入対象NFTの購入要求時に、ポイント管理装置2に対して、購入要求元ユーザのポイント残数のうち少なくとも購入用ポイント数を購入対象NFTの購入用に確保するように要求してもよい。
また、購入制御部32は、購入対象NFTの買い注文をNFTマーケット4に出す際に、購入要求元ユーザのポイント残数が購入用ポイント数以上であることを確認し、当該確認がとれた場合に、当該買い注文を出すと共に、ポイント管理装置2に対して、購入要求元ユーザのポイント残数のうち少なくとも購入用ポイント数を購入対象NFTの購入用に確保するように要求してもよい。
【0064】
NFTマーケット4は、購入対象NFTの買い注文及び購入対象NFTの保有者を購入管理者に変更する要求に応じて、ブロックチェーン5に対して購入対象NFTの保有者を当該購入管理者に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上に記録されている購入対象NFTの保有者が当該購入管理者に変更される。
【0065】
購入制御部32は、ブロックチェーン5上で保有者が購入管理者に変更された購入対象NFTに関するNFTデータ(購入済NFTデータ)を、NFTマーケット4から取得する。購入制御部32は、NFTマーケット4から取得された購入済NFTデータを記録するように、購入管理部31へ指示する。購入管理部31は、購入制御部32からの指示に従って、購入済NFTデータを、購入要求元ユーザのユーザID及びNFT保有者IDとしての購入管理者IDに関連付けて購入管理テーブル33に格納する。
【0066】
購入制御部32は、NFTマーケット4に対する購入対象NFTの買い注文に伴って、購入対象NFTの買値に対応する代金を支払うための代金決済処理を実行する。NFTマーケット4では、特定の暗号資産がNFTの売買の決済通貨に使用されている。したがって、購入制御部32は、NFTマーケット4で使用されている暗号資産で購入代金の支払処理を実行する。
【0067】
購入管理部31は、購入対象NFTの買値である暗号資産の金額から換算されたポイント数を、購入要求元ユーザのポイント残数から減算させる消費ポイント数としてポイント管理装置2へ通知する。これにより、ポイント管理装置2は、購入要求元ユーザのポイント残数から当該消費ポイント数を減算することにより、購入要求元ユーザのポイントを消費させる。
【0068】
図6は、本実施形態に係るポイント管理装置の構成例を示すブロック図である。
図6において、ポイント管理装置2は、ポイント管理部21と、ポイント制御部22とを備える。ポイント管理部21は、ポイント管理テーブル23を備える。
【0069】
ポイント管理装置2の各機能は、ポイント管理装置2がCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、ポイント管理装置2として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、ポイント管理装置2は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、ポイント管理装置2の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、ポイント管理装置2は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又はポイント管理装置2の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、ポイント管理装置2として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0070】
ポイント管理部21は、ユーザが保有するポイントを管理する。ポイント管理部21は、ポイント管理テーブル23を用いて、各ユーザのポイントを管理する。
【0071】
図7は、本実施形態に係るポイント管理テーブルの構成例を示す図である。
図7の例では、各ユーザについて、ユーザID及びポイント残数(ユーザが保有するポイントの残数(保有ポイント))がポイント管理テーブル23に格納される。
【0072】
ポイント制御部22は、ポイントに関する制御を行う。ポイント制御部22は、ポイント管理部21に対して、ポイントを付与させるポイント付与指示を行う。ポイント管理部21は、ポイント制御部22からのポイント付与指示に従って、ポイントの付与を行う。ポイント制御部22は、ポイント管理部21に対して、ポイントを消費させるポイント消費指示を行う。ポイント管理部21は、ポイント制御部22からのポイント消費指示に従って、ポイントの消費を行う。
【0073】
例えば、ポイント管理装置2は、情報処理装置1からの購入要求元ユーザの消費ポイント通知に応じて、当該購入要求元ユーザのポイント残数から、当該消費ポイント通知で指定された消費ポイント数を減算することにより、当該購入要求元ユーザのポイントを消費させる。例えば、ポイント管理装置2は、情報処理装置1からのポイント交換要求元ユーザの付与ポイント通知に応じて、当該ポイント交換要求元ユーザのポイント残数に、当該付与ポイント通知で指定された付与ポイント数を加算することにより、当該ポイント交換要求元ユーザにポイントを付与する。
【0074】
次に
図8を参照して本実施形態に係る情報処理方法を説明する。
図8は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0075】
(ステップS11) ユーザ(ポイント交換要求元ユーザ)は、ユーザ端末7を使用して、情報処理装置1に対して、ポイント交換対象NFTデータ(売却対象NFTデータ)及び交換ポイント数を指定し、当該売却対象NFTデータを当該交換ポイント数でポイントに交換するポイント交換要求を行う。売却対象NFTデータは、ポイント交換対象管理データ110においてポイント交換要求元ユーザに関連付けられているNFTデータである。ユーザ端末7は、ユーザによるポイント交換要求の操作に応じて、ポイント交換要求依頼データを情報処理装置1へ送信する。ポイント交換要求依頼データは、ポイント交換要求元ユーザのユーザID、売却対象NFTデータの識別子(売却対象NFTデータ_ID)及び交換ポイント数を含むデータである。情報処理装置1は、ユーザ端末7から送信されたポイント交換要求依頼データを受信する。情報処理装置1において、受付部11は、ユーザ端末7から受信したポイント交換要求依頼データにより、ポイント交換要求を受け付ける。なお、交換ポイント数は、ポイント交換要求元ユーザによって事前に指定された指定値がポイント交換対象管理データ110に格納されていてもよい。
【0076】
(ステップS12) 情報処理装置1において取引情報取得部13は、受付部11が受付けたポイント交換要求元ユーザからのポイント交換要求に応じて、売却対象NFTデータに対応する売却対象NFT(売却対象NFT_ID)に関連する関連NFTの売値をNFTマーケット4に照会する。
【0077】
(ステップS13) NFTマーケット4は、情報処理装置1からの関連NFTの売価の照会に応じて、関連NFTの登録情報から関連NFTの売価(暗号資産の金額)を取得し、取得した関連NFTの売価(暗号資産の金額)を情報処理装置1へ応答する。NFTマーケット4が管理するNFTの売価(暗号資産の金額)は、当該NFTの売主によってNFTマーケット4に登録される。
【0078】
(ステップS14) 情報処理装置1において暗号資産換算レート取得部14は、所定の情報提供サーバから、暗号資産換算レートの情報を取得する。暗号資産換算レート取得部14は、取得した暗号資産換算レートの情報に基づいて、換算部15が使用する暗号資産換算レートを決定する。暗号資産換算レート取得部14は、常時、情報提供サーバから暗号資産換算レートの情報を取得し、取得した暗号資産換算レートの情報に基づいて、換算部15が使用する暗号資産換算レートを更新する。したがって、換算部15が使用する暗号資産換算レートは、情報提供サーバが配信する暗号資産換算レートの情報が暗号資産マーケット上の暗号資産換算レートの変化に応じて更新される度に、更新される。これにより、換算部15が使用する暗号資産換算レートは、暗号資産マーケットにおいて時時刻刻と変わる暗号資産換算レートが的確に反映されたものになる。
【0079】
(ステップS15) 情報処理装置1において換算部15は、予め設定されたポイント換算レートと、暗号資産換算レート取得部14によって決定された暗号資産換算レートとを使用して、ポイント交換要求元ユーザが指定した交換ポイント数を、暗号資産の金額に換算する。換算部15は、暗号資産換算レート取得部14によって決定される暗号資産換算レートが更新される度に、更新された最新の暗号資産換算レートを使用して、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算する暗号資産の金額を更新する。これにより、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額は、暗号資産マーケットにおいて時時刻刻と変わる暗号資産換算レートが的確に反映されたものになる。
【0080】
(ステップS16) 情報処理装置1においてポイント交換制御部16は、受付部11が受付けたポイント交換要求元ユーザからのポイント交換要求に関して、NFTマーケット4に対する売却対象NFTの売り注文の判断を行う。ポイント交換制御部16は、売却対象NFTの売り注文の判断において、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額以下であるか否かを判断する。ポイント交換制御部16は、換算部15によってポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が更新される度に、更新された最新の暗号資産の金額が売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額以下であるか否かを判断する。
【0081】
ポイント交換制御部16は、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額以下である場合に、NFTマーケット4に対する売却対象NFTの売り注文を行うと判断する。この後、ステップS17に進む。
【0082】
なお、受付部11がポイント交換要求元ユーザからのポイント交換要求を受け付けてから所定の売却待ち時間が経過しても、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額以下にならない場合には、情報処理装置1は、ポイント交換要求元ユーザのユーザ端末7に対して、その旨の通知と、ポイント交換要求元ユーザに対する売却対象NFTデータのポイント交換要求を継続するか又は中止するかの問合せとを行ってもよい。この問合せの結果、売却対象NFTデータのポイント交換要求を継続する場合には、情報処理装置1(ポイント交換制御部16)は、再度、所定の売却待ち時間になるまで、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額が売却対象NFTに関連する関連NFTの売値である暗号資産の金額以下であるか否かを判断する。一方、売却対象NFTデータのポイント交換要求を中止する場合には、
図8の手順を終了する。
【0083】
(ステップS17、S18) ポイント交換制御部16は、NFTマーケット4に対して、ポイント交換要求元ユーザの交換ポイント数から換算された暗号資産の金額を売値に指定して売却対象NFT(売却対象NFT_ID)の売り注文を出す。NFTマーケット4は、売却対象NFTの売却の取引が成立すると、ブロックチェーン5に対して売却対象NFTの保有者を売却先の保有者に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上で管理されている売却対象NFTの保有者が元の保有者(購入管理者)から売却先の保有者に変更される。
【0084】
ポイント交換制御部16は、NFTマーケット4において売却対象NFTの売却の取引が成立すると、売却対象NFTの売値に対応する売却代金を受け取るための代金決済処理を実行する。NFTマーケット4では、特定の暗号資産がNFTの売買の決済通貨に使用されている。したがって、ポイント交換制御部16は、NFTマーケット4で使用されている暗号資産で売却代金の受領処理を実行する。
【0085】
(ステップS19) 情報処理装置1において購入管理部31は、ステップS17、S18におけるNFT売却処理が完了すると、売却対象NFTデータに関する登録データを、購入管理テーブル33から削除する。
【0086】
(ステップS20) 情報処理装置1においてポイント交換制御部16は、ポイント交換対象管理データ110において、ポイント交換要求元ユーザと売却対象NFTデータとの関連付けを解消させる。例えば、ポイント交換制御部16は、売却対象NFTデータに関する登録データを、ポイント交換対象管理データ110から削除する。
【0087】
(ステップS21) 情報処理装置1において換算部15は、ポイント換算レートと暗号資産換算レートとを使用して、売却対象NFTの売値である暗号資産の金額をポイント数に換算する。
【0088】
(ステップS22) 情報処理装置1においてポイント交換制御部16は、売却対象NFTの売値である暗号資産の金額から換算されたポイント数を、ポイント交換要求元ユーザ(ポイント交換要求元ユーザのユーザID)のポイント残数に加算する付与ポイント数としてポイント管理装置2へ通知する。
【0089】
(ステップS23) ポイント管理装置2においてポイント管理部21は、情報処理装置1からのポイント交換要求元ユーザ(ポイント交換要求元ユーザのユーザID)の付与ポイント数の通知に応じて、ポイント交換要求元ユーザ(ポイント交換要求元ユーザのユーザID)のポイント残数に当該付与ポイント数を加算する。このポイントの加算結果は、ポイント管理テーブル23において、ポイント交換要求元ユーザ(ポイント交換要求元ユーザのユーザID)の最新のポイント残数として記録される。
【0090】
(ステップS24) 情報処理装置1においてポイント交換制御部16は、ポイント交換要求元ユーザのユーザ端末7に対してNFT売却報告を送信する。NFT売却報告は、売却対象NFTの売却が完了したことを示す情報であって、売却対象NFTデータから交換された付与ポイント数がポイント交換要求元ユーザに付与されたことを示す情報を有する。ユーザは、ユーザ端末7を使用して、ポイント管理装置2に対してポイント残数の照会を行い、自己のポイント残数を確認することができる。
【0091】
なお、上述した実施形態では、換算部15は、法定通貨を介在させてポイントと暗号資産との間の換算を行ったが、ポイントと暗号資産とを直接に換算してもよい。ポイントと暗号資産とを直接に換算する場合、暗号資産換算レート取得部14はポイントと暗号資産との間の換算レートであるポイント対暗号資産換算レートを取得し、換算部15は、ポイント対暗号資産換算レートを使用してポイントと暗号資産との間の換算を行う。
【0092】
上述したように本実施形態によれば、暗号資産を決済通貨に用いて売買されるNFTに関し、ユーザに関連付けられたNFTを元に当該ユーザにポイントを付与することができるという効果が得られる。
【0093】
なお、これにより、例えばユーザが保有するポイントを活用するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0095】
例えば、上述した実施形態では、情報処理装置1及びポイント管理装置2はそれぞれに一装置として構成されたがこれに限定されない。例えば、情報処理装置1とポイント管理装置2とが統合された一装置として構成されてもよい。また、情報処理装置1及びポイント管理装置2が、同一のコンピュータを利用して実現されてもよく、又は複数のコンピュータを利用して実現されてもよい。
【0096】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0097】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…情報処理装置、2…ポイント管理装置、4…NFTマーケット、5…ブロックチェーン、7…ユーザ端末、10…記憶部、11…受付部、13…取引情報取得部、14…暗号資産換算レート取得部、15…換算部、16…ポイント交換制御部、31…購入管理部、32…購入制御部、33…購入管理テーブル、21…ポイント管理部、22…ポイント制御部、23…ポイント管理テーブル