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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140464
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】光照射装置および光照射方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/082 20140101AFI20230928BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20230928BHJP
   G02F 1/29 20060101ALI20230928BHJP
   G02F 1/33 20060101ALI20230928BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20230928BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20230928BHJP
【FI】
B23K26/082
G02B26/08 A
G02F1/29
G02F1/33
B23K26/064 Z
B23K26/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046315
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】岡 淳一
【テーマコード(参考)】
2H141
2K102
4E168
【Fターム(参考)】
2H141MA12
2H141MB17
2H141MB24
2H141ME01
2H141MF01
2H141MG05
2H141MZ14
2K102AA21
2K102AA30
2K102BC04
2K102BC07
2K102BD10
2K102DA01
2K102EA21
2K102EB14
2K102EB20
4E168AD18
4E168CB03
4E168CB07
4E168DA43
4E168EA11
4E168EA15
4E168EA16
4E168FB06
4E168HA00
4E168JB02
4E168JB03
(57)【要約】
【課題】ドットパターンの位相ずれが発生する場合でも、容易に対応することができる技術を提供する。
【解決手段】光照射装置1は、基材Wの表面に光を照射する。光照射装置1は、ステージ基材を保持するステージ42と、所定周期のパルス光を出力するパルス光源31と、パルス光で基材Wの表面をX軸方向に走査する少なくとも1つのガルバノスキャナ357と、パルス光の回折角が変更可能な素子であって、回折角を変更することにより基材W上におけるパルス光の位置をX軸方向にシフトさせる少なくとも1つの音響光学素子353と、ガルバノスキャナ357および音響光学素子353を制御する制御部22を備える。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に光を照射する光照射装置であって、
基材を保持する保持部と、
所定周期のパルス光を出力するパルス光源と、
前記パルス光で前記基材の表面を第1方向に走査する少なくとも1つの走査部と、
前記パルス光の回折角が変更可能な素子であって、前記回折角を変更することにより前記基材上における前記パルス光の位置を前記第1方向にシフトさせる少なくとも1つの回折型偏向素子と、
前記少なくとも1つの走査部および前記少なくとも1つの回折型変更素子を制御する制御部と、
を備える、光照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光照射装置であって、
前記基材は、前記第1方向において互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、
前記制御部は、前記第1領域の走査を完了した後、前記第2領域の走査を開始する前に、前記第2領域の位置に応じて前記回折型変更素子の前記回折角を変更する、光照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光照射装置であって、
前記制御部は、前記第1領域の走査を完了してから、前記第2領域の走査を開始する前までの間、前記基材に対する前記パルス光の照射をオフする、光照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光照射装置であって、
前記制御部は、前記回折型偏向素子を制御することによって、前記基材に対する前記パルス光の照射をオフする、光照射装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光照射装置であって、
前記パルス光源から出力された前記パルス光を複数のパルス光に分岐させる分岐部、
をさらに備え、
前記複数のパルス光に対応する複数の前記走査部および複数の前記回折型変更素子を有する、光照射装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光照射装置であって、
前記回折型偏向素子が音響光学素子または電気光学素子を含む、光照射装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光照射装置であって、
前記走査部は、前記パルス光を前記第1方向に振るための第1ガルバノミラーを含む、光照射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光照射装置であって、
前記走査部は、前記パルス光を前記第1方向に交差する第2方向に振るための第2ガルバノミラーを含む、光照射装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の光照射装置であって、
前記パルス光の光路上において、前記第1ガルバノミラーと前記基材との間に位置する少なくとも1つのfθレンズ、をさらに備える、光照射装置。
【請求項10】
基材の表面に光を照射する光照射方法であって、
a) 基材を保持部に保持する工程と、
b) 前記工程a)の後、回折角が変更可能な回折型偏向素子によって回折したパルス光で前記基材を第1方向に走査する工程と、
を含み、
前記回折型偏向素子は、前記回折角の変更によって前記基材における前記パルス光の位置を第1方向にシフトさせ、
前記工程b)は、前記回折型偏向素子の前記回折角を第1回折角から第2回折角へ変更する工程を含む、光照射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、光照射装置および光照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザー光照射などの光照射によって対象物を加工する光加工技術が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-272430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばディスプレイパネルの製造工程では、パルスレーザーが出力するパルス光で基材の表面を等速で走査することにより、基材の表面に等間隔で点状のパターン(ドットパターン)が描画される場合がある。また、製造コストの抑制や製造工程の短縮化のため、1枚の基材に対して複数のパネル領域を設定する、いわゆる面付けが行われる場合がある。このような面付けが設定された基材に上記ドットパターンを描画する場合、走査方向に並ぶパネル領域間で、周期的に描画するべきドットパターンの位置がずれる、「位相ずれ」が発生する場合がある。
【0005】
パネル領域間でこのような位相ずれが発生する場合、従来の光照射装置では、パネル領域ごとに位相を合わせてドットパターンを描画する必要があった。この場合、1つのパネル領域について走査を行うたびに、パルスレーザーの消灯および点灯が行われるため、加工時間が長くなってしまう。
【0006】
加工時間を短縮するために、複数のパルスレーザーを用いることも考えられる。各パルスレーザーの発光の位相を各パネル領域におけるドットパターンの位置(位相)に合わせることによって、複数のパネル領域に対して異なる位相でドットパターンを描画できる。しかしながら、この場合、パルスレーザーが一般的に高価なため、パルスレーザーの数に応じて装置コストが増大してしまう。
【0007】
本発明の目的は、ドットパターンの位相ずれが発生する場合でも、容易に対応することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1態様は、基材の表面に光を照射する光照射装置であって、基材を保持する保持部と、所定周期のパルス光を出力するパルス光源と、前記パルス光で前記基材の表面を第1方向に走査する少なくとも1つの走査部と、前記パルス光の回折角が変更可能な素子であって、前記回折角を変更することにより前記基材上における前記パルス光の位置を前記第1方向にシフトさせる少なくとも1つの回折型偏向素子と、前記少なくとも1つの走査部および前記少なくとも1つの回折型変更素子を制御する制御部とを備える。
【0009】
第2態様は、第1態様の光照射装置であって、前記基材は、前記第1方向において互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、前記制御部は、前記第1領域の走査を完了した後、前記第2領域の走査を開始する前に、前記第2領域の位置に応じて前記回折型変更素子の前記回折角を変更する。
【0010】
第3態様は、第2態様の光照射装置であって、前記制御部は、前記第1領域の走査を完了してから、前記第2領域の走査を開始する前までの間、前記基材に対する前記パルス光の照射をオフする。
【0011】
第4態様は、第3態様の光照射装置であって、前記制御部は、前記回折型偏向素子を制御することによって、前記基材に対する前記パルス光の照射をオフする。
【0012】
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つの光照射装置であって、前記パルス光源から出力された前記パルス光を複数のパルス光に分岐させる分岐部、をさらに備え、前記複数のパルス光に対応する複数の前記走査部および複数の前記回折型変更素子を有する。
【0013】
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか1つの光照射装置であって、前記回折型偏向素子が音響光学素子(AOD)または電気光学素子(EOD)を含む。
【0014】
第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか1つの光照射装置であって、前記走査部は、前記パルス光を前記第1方向に振るための第1ガルバノミラーを含む。
【0015】
第8態様は、第7態様の光照射装置であって、前記走査部は、前記パルス光を前記第1方向に交差する第2方向に振るための第2ガルバノミラーを含む。
【0016】
第9態様は、第7態様または第8態様の光照射装置であって、前記パルス光の光路上において、前記第1ガルバノミラーと前記基材との間に位置する少なくとも1つのfθレンズをさらに備える。
【0017】
第10態様は、基材の表面に光を照射する光照射方法であって、a)基材を保持部に保持する工程と、b)前記工程a)の後、回折角が変更可能な回折型偏向素子によって回折したパルス光で前記基材を第1方向に走査する工程と、を含み、前記回折型偏向素子は、前記回折角の変更によって前記基材における前記パルス光の位置を第1方向にシフトさせ、前記工程b)は、前記回折型偏向素子の前記回折角を第1回折角から第2回折角へ変更する工程を含む。
【発明の効果】
【0018】
第1態様から第9態様の光照射装置によると、パルス光の回折角を変更することによってパルス光を第1方向にシフトできる。このため、走査中に、基材上に周期的に描画されるドットパターンの位置を第1方向にずらすことができる。
【0019】
第2態様の光照射装置によると、第2領域の位置に合わせて回折型偏向素子の回折方向を変更することによって、第2領域に対して適切な位置からドットパターンの描画を開始できる。
【0020】
第3態様の光照射装置によれば、第1領域の照射終了位置と第2領域の照射開始位置との間に対して、光の照射を抑制できる。
【0021】
第4態様の光照射装置によれば、回折型偏向素子を制御することによって、照射をオフできる。
【0022】
第5態様の光照射装置によれば、1つ光源から出力されるパルス光を複数のパルス光に分岐させることによって、複数台のパルス光源を用意する場合よりも、コストを抑えることができる。
【0023】
第6態様の光照射装置によれば、音響光学素子または電気光学素子の結晶に付与する超音波の周波数を調節することによって、回折方向を容易に制御できる効果を奏する。
【0024】
第7態様の光照射装置によれば、第1ガルバノミラーによってパルス光を第1方向に振ることができる。
【0025】
第8態様の光照射装置によれば、パルス光を2次元に振ることができる。
【0026】
第9態様の光照射装置によれば、fθレンズによって、パルス光を所望のビーム径に絞ることができる。また、fθレンズによって、第1ガルバノミラーの等角速度運動を、平面上におけるパルス光の等速走査に変換できる。
【0027】
第10態様の光照射方法によると、パルス光の回折角を変更することによってパルス光を第1方向にシフトできる。このため、走査中に、基材上に周期的に描画されるドットパターンの位置を第1方向にずらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態に係る光照射装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示される光照射装置が備える真空チャンバの内部構成および周辺構成を示す断面図である。
図3図1および図2に示される光照射部の構成を概略的に示す平面図である。
図4図3に示される光照射部の構成を概略的に示す斜視図である。
図5図3および図4に示される光学系の構成を概略的に示す斜視図である。
図6図5に示される光学系におけるパルス光の光路を概略的に示す図である。
図7】光照射部のうち1つの光学系が基材上面の走査範囲に描画する周期的なドットパターンを示す図である。
図8】パネル領域間で、ドットパターンの位相がずれない場合を示す図である。
図9】パネル領域間で、ドットパターンの位相がずれる場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
【0030】
図1および以降の各図には、互いに交差するX軸、Y軸およびZ軸をそれぞれ示す矢印が図示されている場合がある。X軸、Y軸およびZ軸は、好ましくは直交する。また、各矢印の先端が向く方を+(プラス)側とし、+側の反対側を-(マイナス)側とする。
【0031】
以下の説明では、Z軸に沿う方向を鉛直方向とし、X軸およびY軸に沿う各方向を、水平面と平行な水平方向とする。また、+Z側を「上側」とし、-Z側を「下側」として説明する。ただし、これらの各方向は、装置構成の位置関係を限定するものではない。
【0032】
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る光照射装置1の構成を概略的に示す斜視図である。図1においては、真空チャンバ12を支持するチャンバフレーム、または、実際に接続される配線などは、便宜のため図示が省略されている。
【0033】
図1に示されるように、光照射装置1は、真空チャンバ12と、外部固定部14と、ベローズ16Aと、光照射部18と、真空ポンプ21と、制御部22とを備える。
【0034】
真空チャンバ12は、内部に基材Wが収容される空間を有する。基材Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、セラミック基板、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)用基板、または、太陽電池用基板である。なお、当該基材Wは、例えば、上面に薄膜が形成された状態の基板である。
【0035】
また、真空チャンバ12の側面は、基材Wを搬入および搬出する際に基材Wが通過するための開口部12Aを有する。開口部12Aは、真空チャンバ12内が真空状態とされる際に適宜閉じられる。
【0036】
外部固定部14は、例えば石定盤である。ベローズ16Aは、真空チャンバ12と外部固定部14とを接続する。ベローズ16Aは、例えばステンレスなどで形成された伸縮性部材である。伸縮性部材としてのベローズ16Aは、ステンレス以外の金属または樹脂で形成されていてもよい。また、伸縮性部材は、蛇腹形状であることは必須ではない。
【0037】
光照射部18は、真空チャンバ12内に光を照射する。光照射部18は、真空チャンバ12内に収容された基材Wの上面に向けて光を照射する。光照射部18は、たとえばパルス光を照射することによって基材Wのアブレーション加工を行う。
【0038】
光照射部18は、図示しない照射窓(例えば、石英などで形成される透明板)を介して、真空チャンバ12の外部から真空チャンバ12内に収容された基材Wの上面に光を照射する。また、真空チャンバ12内の基材Wが光照射部18に対して相対的に移動することによって、または、光照射部18における光学系35の制御によって、光が基材Wの上面を走査する。光照射部18は、外部固定部14に取り付けられた架台24の上面に位置する。
【0039】
真空ポンプ21は、真空チャンバ12内を真空状態にする。本開示において、「真空」とは、基材Wの特性劣化を防止するために高真空(たとえば、0.00001Pa)であることが望ましいが、当該高真空に達しない程度の真空度も含むものとする。例えば、真空チャンバ12内の真空度は、真空チャンバ12外の大気圧よりも低い程度の真空度であってもよい。
【0040】
制御部22は、記憶装置と、処理回路と、入力装置と、出力装置とを有する。記憶装置は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、揮発性または不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVDなどを含むメモリ(記憶媒体)で構成される。処理回路は、例えば、記憶装置に格納されたプログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)で構成される。入力装置は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネルまたは各種スイッチなどの、情報を入力可能な装置で構成される。出力装置は、たとえばディスプレイ、液晶表示装置またはランプなどの、情報を出力可能な装置で構成される。
【0041】
制御部22は、光照射装置1が備える各駆動部を制御する。制御部22は、例えば、光照射部18の駆動制御および発光制御、真空ポンプ21の駆動制御、後述するリニアモータ機構50の駆動制御などを行う。
【0042】
図2は、図1に示される光照射装置1が備える真空チャンバ12の内部構成および周辺構成を示す断面図である。図2に示されるように、真空チャンバ12内には、ステージ42と、スライダー44と、ベース46と、リニアガイド48と、リニアモータ機構50と、リフトピン機構52とが配置される。
【0043】
ステージ42は、基材Wが配置される上面を有する。スライダー44は、Y軸方向に移動可能であり、かつ、ステージ42を下方から支持する。ベース46は、真空チャンバ12とは独立して外部固定部14に取り付けられている。リニアガイド48は、ベース46に取り付けられており、かつ、Y軸方向に延びる。リニアモータ機構50は、スライダー44をリニアガイド48に沿ってY軸方向に移動させる。リフトピン機構52は、ステージ42に形成された貫通孔(不図示)を貫通して基材Wを支持するリフトピン52Aを有する。リフトピン機構52は、例えばベース46に取り付けられる。
【0044】
ステージ42は、基材Wの加工面を上方に向けつつ、基材Wを略水平に保持する。スライダー44がリニアモータ機構50によってY軸方向に移動し、かつ、光照射部18からの光がX軸方向に移動することによって、平面視において基材Wの加工領域の全面が光で走査される。
【0045】
リニアモータ機構50は、真空チャンバ12の-X側面に形成された開口部12Bを介して、真空チャンバ12の+X側および-X側に位置する外部固定部14に取り付けられる。具体的には、リニアモータ機構50は、開口部12Bに溶接されるベローズ16Aの中を通る中空の柱状部材14Aの端部に取り付けられる。リニアモータ機構50に接続される配線などは、柱状部材14Aの内部を通って真空チャンバ12の外部に適宜導出される。柱状部材14Aは、ベローズ16Aから離れて位置する。
【0046】
ベース46は、真空チャンバ12の底面に形成された開口部12Cを介して、真空チャンバ12の-Z側に位置する外部固定部14に固定される。具体的には、ベース46は、開口部12Cに溶接されるベローズ16Bの中を通る柱状部材14Cの端部に取り付けられる。柱状部材14Cは、外部固定部14に含まれる外部部材14Bに取り付けられる。柱状部材14Cは、真空チャンバ12の底面に接続されたベローズ16Bから離れて位置する。
【0047】
なお、図2に示される例では、外部固定部14が、真空チャンバ12の+X側、-X側および-Z側の各位置にわたって位置するが、これらの位置において外部固定部14が連続していることは必須ではなく、これらの位置に分散して配置されていてもよい。また、外部固定部14は、真空チャンバ12の+X側、-X側および-Z側の各位置のうち、一部に配置されていてもよい。また、真空チャンバ12は、ベローズ16Bとは別にチャンバフレーム(不図示)によって鉛直方向下方から支持されて固定されるが、当該チャンバフレームは、外部固定部14とは独立して配置されていてもよい。
【0048】
図3は、図1および図2に示される光照射部18の構成を概略的に示す平面図である。図4は、図3に示される光照射部18の構成を概略的に示す斜視図である。図3および図4に示されるように、光照射部18は、パルス光源31と、分岐部33と、8個の光学系35とを有する。なお、図4においては、8個の光学系35のうち、3個の光学系35のみが図示されている。なお、光学系35の数は、8個に限定されない。光学系35の数は、7個以下であってもよいし、9個以上であってもよい。
【0049】
パルス光源31は、所定周期のパルス光を出力するパルスレーザーである。分岐部33は、複数(たとえば5個)のミラー331と、複数(たとえば7個)のビームスプリッタ333とを有する。分岐部33は、パルス光源31から出力されたパルス光を、各ビームスプリッタ333で8個のパルス光に分岐させる。分岐部33によって分岐された各パルス光は、各光学系35に入力される。各ビームスプリッタ333が適切な反射率および適正な透過率に設定されることによって、各光学系35に入力されるパルス光の光量が同じとなるようにパルス光が分岐される。
【0050】
光学系35は、入力されたパルス光をステージ42に保持されている基材Wへと導く。8個の光学系35は、X方向において等ピッチで配置されている。
【0051】
図5は、図3および図4に示される光学系35の構成を概略的に示す斜視図である。図5では、8つの光学系35のうち、+X側から数えて3つ目の光学系35が示されている。図5に示されるように、光学系35は、ウェッジ板351と、音響光学素子(AOD:acousto-optic device)353と、ビームエクスパンダ355と、ガルバノスキャナ357と、fθレンズ359とを有する。
【0052】
ウェッジ板351は、音響光学素子353の手前(パルス光源31側)に位置する。ウェッジ板351は、音響光学素子353から射出される1次光の光路が、ウェッジ板351に入射する光と平行となるように、パルス光を偏向する。さらに、音響光学素子353の後には、傾けた平行平板(不図示)が配置される。この平行平板により、音響光学素子353から射出される1次光の光路は、ウェッジ板351へ入射する前の光軸に戻される。
【0053】
光学系35に入力されたパルス光は、ウェッジ板351を通過した後、音響光学素子353に入力される。音響光学素子353は、回折型偏向素子の一例である。音響光学素子353は、パルス光が透過可能な結晶を圧電素子で振動させることによって、結晶内に屈折率の周期的変動(疎密波)を形成し、当該疎密波を回折格子として利用する光学素子である。
【0054】
音響光学素子353における回折格子の格子幅は、結晶に印加される振動周波数によって調整される。この格子幅の調整によって、パルス光の回折角(回折方向)がブラッグの法則に従って任意の角度に変更される。結晶に形成される回折格子の格子面に対する角度(すなわち、ブラッグ角)がθである場合、回折角は2θとなる。音響光学素子353の結晶に付与される振動周波数は、制御部22の制御信号に基づいて変更される。すなわち、音響光学素子353の回折角は、制御部22の指令に基づいて変更される。
【0055】
なお、回折型偏向素子は、音響光学素子に限定されるものではない。回折型偏向素子として、例えば、電気光学素子(EOD:Electro Optical Device)を用いることも可能である。電気光学素子は、パルス光が透過可能な結晶であって、電流を流す(電圧をかける)ことで、屈折率などの光学特性を変化させる結晶を有する。
【0056】
ビームエクスパンダ355は、音響光学素子353から出力されたパルス光のビーム径を必要な大きさに拡大する。ビームエクスパンダ355は、複数のレンズで構成される。
【0057】
ガルバノスキャナ357は、ビームエクスパンダ355から出力されるパルス光をX軸方向およびY軸方向に振る機構である。ガルバノスキャナ357は、第1ガルバノミラー357Aと第2ガルバノミラー357Bとを有する。第1ガルバノミラー357Aは、Y軸と平行な反射面を有するとともに、Y軸方向に延びる軸を中心に所定角度の範囲内で回転駆動される。第2ガルバノミラー357Bは、Z軸と平行な反射面を有しており、Z軸方向に延びる軸を中心に所定角度の範囲内で回転駆動される。ビームエクスパンダ355から出力されたパルス光は、まず、第2ガルバノミラー357Bで反射した後、第1ガルバノミラー357Aで反射する。第1ガルバノミラー357Aおよび第2ガルバノミラー357Bの駆動は、制御部22によって制御される。なお、第1ガルバノミラー357Aおよび第2ガルバノミラー357Bの向きまたは姿勢等は、装置の制約等に応じて任意に設定し得る。例えば、ガルバノミラー357BをZ軸に対してY軸まわりに所定の角度(例えば、5~15°)傾けてもよい。この場合、音響光学素子353もZ軸からY軸まわりに同じ角度だけ傾けられる。
【0058】
ガルバノスキャナ357は、走査部の一例である。なお、走査部はガルバノスキャナ357に限定されるものではなく、ポリゴンミラーを備えていてもよい。また、ガルバノスキャナ357パルス光に対して基材WをX軸方向に移動させることにより、X軸方向の走査が行われてもよい。
【0059】
音響光学素子353およびガルバノスキャナ357は、ビームエクスパンダ―355光学系において略共役関係となる位置関係で配置される。このような配置により、ガルバノスキャナ357のミラーサイズを小さくできるため、高速走査において有利となる。
【0060】
fθレンズ359は、パルス光の光路上において、ガルバノスキャナ357と基材Wとの間に位置する。fθレンズ359は、ガルバノスキャナ357から出力されるパルス光のビーム径を、所望のビーム径に絞る。また、fθレンズ359は、ガルバノスキャナ357の等角速度運動を、基材Wの平面上におけるパルス光の等速走査に変換する。
【0061】
図6は、光学系35におけるパルス光の光路を概略的に示す図である。音響光学素子353において、結晶に付与する振動周波数を微小に変化させると音響光学素子353の回折角が変化し、1次光L1の光路が微小に変化する。例えば、図6中、矢印で示されるように、1次光L1が、破線で示す位置から実線で示す位置へ移動する。
【0062】
音響光学素子353は、回折角の変更によって基材Wにおけるパルス光の照射位置がX軸方向に変化するように配置されている。このため、走査中に音響光学素子353の回折角を調節することによって、基材Wに対するパルス光の照射位置をX軸方向に瞬時にシフトすることが可能となっている。
【0063】
また、図6に示されるように、音響光学素子353において、結晶に付与する超音波をオフすると、音響光学素子353の結晶を透過したパルス光(0次光L0)は、遮光板36に入射する。これにより、基材Wに対するパルス光の照射がオフされる。なお、パルス光を0次光L0に変調することなく、パルス光の光路上に遮光部材を配置することによって、パルス光を遮断してもよい。
【0064】
図7は、光照射部18のうち1つの光学系35が基材W上面の走査範囲R1に描画する周期的なドットパターンd1を示す図である。制御部22は、第1ガルバノミラー357Aを駆動することによって、X軸方向(第1方向)の走査を行う。この走査により、パルス光源31におけるパルス周期に応じたピッチでドットパターンd1が基材Wに描画される。第1ガルバノミラー357Aを一定の角速度で回転させた場合、等ピッチで並ぶドットパターンd1の列が描画される。例えば、パルス光源31の繰返し周波数を100kHz、走査速度を10m/secとすると場合、100μm間隔でドットパターンd1が描画される。
【0065】
1回の走査が完了すると、制御部22は、第2ガルバノミラー357Bを駆動して、パルス光の照射位置をY軸方向(第2方向)に1行分だけずらすとともに、第1ガルバノミラー357Aを初期位置に戻す、戻し動作を行う。この戻し動作の間、音響光学素子353によって、パルス光が遮断される。戻し動作の後、制御部22は、再び走査を行う。これにより、次の列のドットパターンd1が基材Wに描画される。このように、制御部22は、1回の走査と戻し動作とを繰り返し行うことによって、各光学系35が走査可能な走査範囲R1にドットパターンd1が描画される。なお、図4に示されるように、X方向に隣接する光学系35の走査範囲R1が、X方向にオーバーラップするように設定されていてもよい。
【0066】
なお、第2ガルバノミラー357Bは省略されてもよい。この場合、ガルバノスキャナ357は、第1ガルバノミラー357Aによって、X軸方向のみの1次元走査を行う。
【0067】
図4に示されるように、基材Wに対して、複数のパネル領域A1が設定される、いわゆる多面付けが行われる場合がある。以下では、X軸方向に隣接する2つのパネル領域の境界部分におけるドットパターンd1の描画について、図8および図9を参照しつつ説明する。
【0068】
図8および図9は、X軸方向に隣接するパネル領域A11,A12間の境界部分br1におけるドットパターンd1の描画例を示す図である。図8および図9では、音響光学素子353の結晶に印加される振動周波数が示されている。また、図8は、パネル領域A11,A12間で、ドットパターンd1の位相がずれない場合を示しており、図9は、パネル領域A11,A12間で、ドットパターンd1の位相がずれる場合を示している。
【0069】
パネル領域A11,A12間で、ドットパターンd1の位相がずれない場合、図8に示されるように、パネル領域A11(第1領域)を走査する間と、パネル領域A12(第2領域)を走査する間とで、制御部22は、同じ振動周波数(f1)を印加する。これにより、パネル領域A11,A12の各走査において、音響光学素子353の回折角が同じとなるため、パルス光はX軸方向にシフトしない。したがって、パネル領域A11,A12に対して、ドットパターンd1が同じ位相で描画される。
【0070】
なお、境界部分br1において、ドットパターンd1の描画が不要である場合、図8に示されるように、制御部22は、パネル領域A11の走査完了からパネル領域A12の走査開始前までの間、周波数をゼロにして、パルス光の照射を一時的にオフする。これにより、境界部分br1におけるドットパターンd1の描画が抑制される。
【0071】
パネル領域A11,A12間でドットパターンd1の位相がずれる場合、図9に示されるように、制御部22は、パネル領域A11の走査では、振動周波数f1を印加させ、パネル領域A12の走査では、振動周波数f1とは異なる振動周波数f2を印加させる。これにより、パネル領域A11の走査完了後、パネル領域A12の走査開始前までに、音響光学素子353におけるパルス光の回折角が、振動周波数f1に対応する第1回折角から、振動周波数f2に対応する第2回折角に変更される。この回折角の変更によって、パルス光の照射位置がX軸方向(図9に示される例では、+X方向)にΔxだけシフトする。したがって、パネル領域A12に描画されるドットパターンd1の位相がΔxだけシフトされる。シフト量Δxは、パネル領域A12の位置に応じて、より詳細にはパネル領域A12におけるドットパターンd1を描画する位置に合わせて設定される。
【0072】
図9に示される例は、パネル項の照射位置を+Xにシフトさせている。しかしながら、パルス光の照射位置が-X方向にシフトするように、音響光学素子353の回折角が変更されてもよい。
【0073】
図9に示されるように、境界部分br1においてドットパターンd1の描画が不要である場合、パネル領域A11の走査完了後、パネル領域A12の走査開始前までの間、周波数がゼロに設定されることによって、パルス光の照射が一時的にオフにされる。
【0074】
<効果>
光照射装置1によれば、回折型偏向素子である音響光学素子353の回折角を変更することにより、パルス光の照射位置がX軸方向にシフトする。このため、音響光学素子353の回折角を調節することによって、ドットパターンd1の位相を変更できる。したがって、パネル領域A11,A12間で、ドットパターンd1の位相ずれが発生する場合でも、容易に対応できる。
【0075】
また、音響光学素子353において、振動周波数の変更は、パルス光源31におけるパルス周期に比べて充分高速に行うことができる。これにより、第1ガルバノミラー357Aで走査している間であっても、迅速にパルス光をシフトさせることができる。
【0076】
また、光照射装置1によれば、パルス光源31から出力されるパルス光を、分岐部33によって複数のパルス光に分岐させ、複数のパルス光で走査が行われる。このため、パルス光源の数を抑えることができるため、装置コストを抑制できる。また、光照射装置1によれば、同時に複数のパルス光で基材Wを走査できるため、照射範囲を拡げることができる。また、各光学系35に音響光学素子353が備えられているため、光学系35毎に、ドットパターンd1の位相を変更できる。これにより、いずれの光学系35もドットパターンd1の位相ずれに対応できるため、任意の面付けのパターンに対応できる。
【0077】
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 光照射装置
18 光照射部
22 制御部
31 パルス光源
33 分岐部
35 光学系
42 ステージ(保持部)
331 ミラー
333 ビームスプリッタ
353 音響光学素子(回折型偏向素子)
357 ガルバノスキャナ(走査部)
357A 第1ガルバノミラー
357B 第2ガルバノミラー
359 fθレンズ
A11 パネル領域(第1領域)
A12 パネル領域(第2領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に光を照射する光照射装置であって、
基材を保持する保持部と、
所定周期のパルス光を出力するパルス光源と、
前記パルス光で前記基材の表面を第1方向に走査する少なくとも1つの走査部と、
前記パルス光の回折角が変更可能な素子であって、前記回折角を変更することにより前記基材上における前記パルス光の位置を前記第1方向にシフトさせる少なくとも1つの回折型偏向素子と、
前記少なくとも1つの走査部および前記少なくとも1つの回折型偏向素子を制御する制御部と、
を備える、光照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光照射装置であって、
前記基材は、前記第1方向において互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、
前記制御部は、前記第1領域の走査を完了した後、前記第2領域の走査を開始する前に、前記第2領域の位置に応じて前記回折型偏向素子の前記回折角を変更する、光照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光照射装置であって、
前記制御部は、前記第1領域の走査を完了してから、前記第2領域の走査を開始する前までの間、前記基材に対する前記パルス光の照射をオフする、光照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光照射装置であって、
前記制御部は、前記回折型偏向素子を制御することによって、前記基材に対する前記パルス光の照射をオフする、光照射装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光照射装置であって、
前記パルス光源から出力された前記パルス光を複数のパルス光に分岐させる分岐部、
をさらに備え、
前記複数のパルス光に対応する複数の前記走査部および複数の前記回折型偏向素子を有する、光照射装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光照射装置であって、
前記回折型偏向素子が音響光学素子または電気光学素子を含む、光照射装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光照射装置であって、
前記走査部は、前記パルス光を前記第1方向に振るための第1ガルバノミラーを含む、光照射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光照射装置であって、
前記走査部は、前記パルス光を前記第1方向に交差する第2方向に振るための第2ガルバノミラーを含む、光照射装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の光照射装置であって、
前記パルス光の光路上において、前記第1ガルバノミラーと前記基材との間に位置する少なくとも1つのfθレンズ、をさらに備える、光照射装置。
【請求項10】
基材の表面に光を照射する光照射方法であって、
a) 基材を保持部に保持する工程と、
b) 前記工程a)の後、回折角が変更可能な回折型偏向素子によって回折したパルス光で前記基材を第1方向に走査する工程と、
を含み、
前記回折型偏向素子は、前記回折角の変更によって前記基材における前記パルス光の位置を第1方向にシフトさせ、
前記工程b)は、前記回折型偏向素子の前記回折角を第1回折角から第2回折角へ変更する工程を含む、光照射方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するため、第1態様は、基材の表面に光を照射する光照射装置であって、基材を保持する保持部と、所定周期のパルス光を出力するパルス光源と、前記パルス光で前記基材の表面を第1方向に走査する少なくとも1つの走査部と、前記パルス光の回折角が変更可能な素子であって、前記回折角を変更することにより前記基材上における前記パルス光の位置を前記第1方向にシフトさせる少なくとも1つの回折型偏向素子と、前記少なくとも1つの走査部および前記少なくとも1つの回折型偏向素子を制御する制御部とを備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第2態様は、第1態様の光照射装置であって、前記基材は、前記第1方向において互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、前記制御部は、前記第1領域の走査を完了した後、前記第2領域の走査を開始する前に、前記第2領域の位置に応じて前記回折型偏向素子の前記回折角を変更する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つの光照射装置であって、前記パルス光源から出力された前記パルス光を複数のパルス光に分岐させる分岐部、をさらに備え、前記複数のパルス光に対応する複数の前記走査部および複数の前記回折型偏向素子を有する。