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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140466
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/02 20060101AFI20230928BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230928BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20230928BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230928BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20230928BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20230928BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230928BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230928BHJP
【FI】
F21V21/02 300
F21S2/00 230
F21V21/00 130
F21V23/00 160
F21V23/00 170
F21V15/01 360
F21S8/00 100
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046318
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 竜男
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA04
(57)【要約】
【課題】壁面等への取付作業が容易な照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具100は、壁面Wに取り付けられる取付部材21と、光源部13と、前記光源部13に給電する電源装置17と、を有し、前記取付部材21を介して壁面Wに取り付けられる長尺状の灯具本体11と、を備え、前記取付部材21は、略L字状に形成されるとともに前記灯具本体11の両端に取り付けられ、L字状の一方に前記灯具本体11を取り付ける本体取付部22と、L字状の他方に前記壁面Wに取り付けられる取付部23を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付面に取り付けられる取付部材と、
光源部と、前記光源部に給電する電源部と、を有し、前記取付部材を介して前記被取付面に取り付けられる長尺状の灯具本体と、を備え、
前記取付部材は、略L字状に形成されるとともに前記灯具本体の両端に取り付けられ、L字状の一方に前記灯具本体を取り付ける本体取付部と、L字状の他方に前記被取付面に取り付けられる取付部を有する、照明器具。
【請求項2】
前記取付部材の少なくとも一部を覆うとともに、前記取付部材に係合可能なカバー部を備える、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記灯具本体を前記取付部材により前記被取付面に取り付けた際に、
前記灯具本体と前記被取付面との間に空間を形成し、
前記光源部から出射された光は、前記灯具本体から少なくとも前記空間に向かって照射される、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記取付部材には、端子台が取り付けられ、
前記取付部材は、前記L字状の他方に外部電源線を引き込む通線孔を有し、
前記通線孔と前記端子台は、側面視において重ならない、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記端子台を前記取付部材に取付可能な端子台取付部材を備える、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記カバー部は、前記被取付面側に向かってスライドさせて前記取付部材に取付可能である、請求項2に記載の照明器具。
【請求項7】
前記電源部は、前記灯具本体の長手方向の一方側に偏向して配置される、請求項1または請求項5に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からライン状に照射範囲が広がる照明器具が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、照明器具を収容する本体と、この本体の長手方向の両端を支持する上下支持部とを有する照明器具ユニットが開示されている。この照明器具ユニットは、上下支持部がブラケットを介して壁面に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-14305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具ユニットにおいては、上下支持部がブラケットを介して壁面に固定される構造であり、照明器具ユニットの長さ寸法に合わせてブラケットの取付位置を確認し、あらかじめブラケットを壁面に取り付けておく必要があるため、照明器具ユニットの取付作業が煩雑であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、壁面等への取付作業が容易な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、本願に開示する照明器具は、
被取付面に取り付けられる取付部材と、
光源部と、前記光源部に給電する電源部と、を有し、前記取付部材を介して前記被取付面に取り付けられる長尺状の灯具本体と、を備え、
前記取付部材は、略L字状に形成されるとともに前記灯具本体の両端に取り付けられ、L字状の一方に前記灯具本体を取り付ける本体取付部と、L字状の他方に前記被取付面に取り付けられる取付部を有するものである。
【0009】
本願に開示する照明器具において、
前記取付部材の少なくとも一部を覆うとともに、前記取付部材に係合可能なカバー部を備えることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、
前記灯具本体を前記取付部材により前記被取付面に取り付けた際に、
前記灯具本体と前記被取付面との間に空間を形成し、
前記光源部から出射された光は、前記灯具本体から少なくとも前記空間に向かって照射されることが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具において、
前記取付部材には、端子台が取り付けられ、
前記取付部材は、前記L字状の他方に外部電源線を引き込む通線孔を有し、
前記通線孔と前記端子台は、側面視において重ならないことが好ましい。
【0012】
本願に開示する照明器具において、
前記端子台を前記取付部材に取付可能な端子台取付部材を備えることが好ましい。
【0013】
本願に開示する照明器具において、
前記カバー部は、前記被取付面側に向かってスライドさせて前記取付部材に取付可能であることが好ましい。
【0014】
本願に開示する照明器具において、
前記電源部は、前記灯具本体の長手方向の一方側に偏向して配置されることが好ましい。
【0015】
本願に開示する照明器具において、
前記取付部材及び前記カバー部には、前記カバー部の落下防止のためのヒモを取り付ける落下防止ヒモ取付部がそれぞれ設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、壁面等への取付作業が容易な照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を示す斜視図。
図2】同じく照明器具を示す図であり、(a)は上面図(図1のX矢視図)、(b)は下面図(図1のY矢視図)、(c)は側面図(図1のZ矢視図)。
図3】同じく照明器具を示す図であり、(a)は照明器具を後方から見た背面図、(b)は透光パネルを取り外した状態の照明器具を後方から見た背面図。
図4図3(a)のA-A線における断面図。
図5図4における一部拡大断面図。
図6図5のB-B線における灯具本体の断面図。
図7】照明器具の左右方向の一端側(右側)を示す分解図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0019】
本発明の実施形態に係る照明器具100について、図1から図7を用いて説明する。本発明の実施形態に係る照明器具100の形状は、図1に示すように、照明器具100の外形形状は正面視において長尺の長方形状である。なお、照明器具100の外形形状は、本実施形態のように正面視において長尺の長方形状に限らず、その他の外径形状であってもよい。例えば、正面視において三角形状、四角形状、多角形状、円形状、楕円状等であってもよい。照明器具100は、例えば被取付面の一例である壁面W等に光を照射する間接照明として用いられる。照明器具100は、壁面W等に直接取り付ける照明器具であり、単独で設置したり、複数を長手方向に並べて連続して設置可能である。以下の説明では、図1及び図2における前後方向を照明器具100の「前後方向」として説明する。照明器具100の「後面側(背面側)」は光を照射する側とし、「前面側」は後面側の反対側として説明する。また、図1から図3における上下方向を、照明器具100の「上下方向」として説明する。図1から図3における左右方向を、照明器具100の「左右方向」として説明する。また、以下の説明において、上方から照明器具100等を見た状態を上面視とする。また、照明器具100等を側方から見た状態を側面視とする。また、照明器具100等の断面形状を見た状態を断面視とする。
【0020】
照明器具100は、図1図2及び図3に示すように、長尺状の灯具本体11と、壁面Wに取り付けられる取付部材21と、カバー部31とを備えている。
【0021】
灯具本体11は、取付部材21を介して壁面Wに取り付けられる長尺状のものである。灯具本体11は、壁面Wに向けて光を照射する。灯具本体11は、細長い略直方体である。灯具本体11は、主に筐体12、光源部13、透光パネル14、電源回路部15及び電源カバー16を有する電源装置17、及び端板部18を備えている。
【0022】
筐体12には、光源部13及び電源装置17が配置される。筐体12は、断面形状が略コ字型である。筐体12の両端には、端板部18が取り付けられる。筐体12及び端板部18は、放熱性を考慮し、熱伝導率の高いアルミニウム等の金属素材を用いて形成されている。筐体12は、押し出し材により形成されている。筐体12は、外壁となる、上下一対の横板部12aと、一対の横板部12aの前端の間に亘って形成される前板部12b(図1参照)とを有している。筐体12の一対の横板部12aの後方は開放されており、長手方向の両端部も開放されている。横板部12aの後部には、透光パネル14を差し込んで保持させる上下一対の後部溝部12cが対向して形成されている。上下一対の横板部12aの対向面における前後方向の中途部には、光源部13(基板81)を差し込んで保持させる上下一対の中途溝部12dが対向して形成されている。上下一対の中途溝部12dの前部には、端板部18をネジ30で取り付けるための断面視略コ字状の溝部であるネジ取付部12eが形成されている。前板部12bの後面側(背面側)における上下方向の略中央には、端板部18をネジ30で取り付けるための断面視略コ字状の溝部であるネジ取付部12fが形成されている。端板部18は、図4に示すように、筐体12の長手方向両端部に取り付けられて、筐体12の両端部の開放された部分を閉塞するものである。
【0023】
なお、筐体12及び端板部18は、アルミニウムなどの金属材料に限定されない。所望の熱伝導率及び強度などが確保できれば、樹脂等の材料を用いても良い。また、筐体12及び端板部18は、熱伝導率の高い材料で形成されていることが好ましいが、熱伝導率の高い材料であることは必須ではない。
【0024】
光源部13は、基板81の表面に点光源としての複数のLED素子82を備えたLEDモジュールを有している。光源部13は、筐体12の中途溝部12dに差し込まれて配置される。光源部13と電源装置17は、電線によって電気的に接続されている。LED素子82は、ピッチが一定になるように基板81上に配置されている。
なお、本実施形態では、光源としてLED素子82を用いたが、光源の種類はLED光源に限定されず、例えば有機EL素子(OLED)であっても実現可能である。
【0025】
透光パネル14は、筐体12の後部の開放部を閉塞し、筐体12内に配置された光源部13からの光を透過及び拡散させて、照射面を形成する板状の部材である。透光パネル14は、透光性を有する半透明のアクリル樹脂素材等で形成され、筐体12の後部溝部12cの長手方向の一端部から差し込んで、光源部13に対向する位置に保持される。透光パネル14は、セードともいう。
【0026】
電源装置17は、電源部の一例である。電源装置17は、電源回路部15と、電源カバー16とを有している。電源回路部15は、光源部13のLEDモジュールが有するLED素子82に給電を行って、LED素子82を点灯させるものである。具体的には、電源回路部15は、外部商用電源から供給される交流電流を直流電流に変換し、変換後の電流を光源部13に供給する。電源回路部15は、所定形状に加工されたプリント配線基板上に複数の電子部品が実装された電源基板である。電源装置17は、光源部13の前部に配置されている。電源装置17は、端子台40と電線(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0027】
電源装置17は、灯具本体11の長手方向の一方側(本実施形態では右側)に偏向して配置される。
【0028】
また、光源部13及び電源装置17は、灯具本体11の長手方向に沿ってそれぞれスライド可能に配置されている。これにより、灯具本体11内の光源部13と電源装置17の配置が容易に変更可能であることで組立の自由度が増し、照明器具の組立性が向上する。
【0029】
電源カバー16は、電源回路部15を覆う部材である。電源カバー16は、長手方向の長さ寸法が筐体12の長手方向の長さ寸法よりも短い細長い部材である。電源カバー16は、図4に示すように、断面視において略矩形状の部材である。電源カバー16は金属の板金部材で形成され、細長い断面視略コ字形状のカバー本体部16a(図6参照)と、該カバー本体部16aの長手方向の両端から電源回路部15を挟むように前方に延設される平板状の両端部16bを有している。両端部16bの前端には、電源カバー16の長手方向外側に向けて延出されたネジ取付部16cを有し、該ネジ取付部16cがネジ60で筐体12の前板部12bに固定される。電源装置17は、電源カバー16を固定することによって電源回路部15の上下前後方向を規制した状態で、筐体12の所定の位置に配置される。
【0030】
図7に示すように、端板部18は、灯具本体11の長手方向の両端部の端面を構成するとともに、取付部材21に支持されるものである。端板部18は、取付部材21が当接して取り付けられる端板本体19、及び端板本体19の後端から左右方向内側に延びる延出部20を有している。端板本体19は、筐体12の両端部の開放部を閉塞する部分である。端板本体19には、取付部材21を端板部18にネジ30で取り付けるための複数(本実施形態では3つ)の貫通孔19aと、電源装置17から延びる電線が挿通される挿通孔19bとが形成されている。電源装置17から延びる電線は、挿通孔19bを介して端子台40に電気的に接続される。複数の貫通孔19aは、端板本体19において筐体12が有するネジ取付部12e及びネジ取付部12fに対応した位置に設けられている。延出部20は、上下一対の後部溝部12cの後端側に嵌合可能であり、後部溝部12cに嵌合させることで、端板部18を筐体12に対して位置決めすることができる。
【0031】
図1に示すように、灯具本体11が取付部材21により壁面Wに取り付けられた際には、灯具本体11と壁面Wとの間に空間Sが形成される。光源部13から出射された光は、灯具本体11から少なくとも空間Sに向かって照射される。これにより、壁面Wの所定範囲が照らされて照明器具100が間接照明として機能する。
【0032】
端子台40は、外部商用電源からの外部電源線(図示せず)の端子が差込口に差し込まれて電気的に接続されるものである。端子台40の差込口はそれぞれ照明器具100の左右方向の一側(本実施形態では右側)に対向して設けられている。端子台40は、その後端面から後方に突出する上下一対の脚部40aを有する。本実施形態では、端子台40は、端子台取付部材41を介して取付部材21に取付可能である。
【0033】
端子台取付部材41は、細長い長方形の板を屈曲して形成される断面視略クランク状の部材である。端子台取付部材41は、取付部材21の本体取付部22に当接する第一当接部42と、第一当接部42に連設される段差部43と、段差部43に連設され、取付部材21の取付部23に後端部が当接する第二当接部44と、落下防止ヒモ取付部45とを有している。段差部43は、端子台40の脚部40aを挿通する貫通孔を有し、当該貫通孔に端子台40の脚部40aを挿通することで端子台40が段差部43に取り付けられる。第一当接部42の前端には、当該第一当接部42の上下端から上下方向外側に張り出す張出部42aが設けられている(図7参照)。張出部42aには、上下一対の貫通孔42bが設けられている。貫通孔42bは、端板部18の前側に設けられた貫通孔19aに対応する位置に設けられている。落下防止ヒモ取付部45は、第一当接部42の前端から右斜め前方に延びる板部を貫通する貫通孔である。端子台取付部材41は、張出部42aが後述する取付部材21の切欠部22b4に嵌め込まれることで、取付部材21に対して位置決めされる。第二当接部44の左右方向の外側の端部には、上下端から上下方向外側に張り出す張出部44aが設けられている(図7参照)。張出部44aは、後述する取付部材21の切欠部27に嵌め込むことで、取付部材21における端子台取付部材41の前後方向の変位を規制することができる。
【0034】
なお、図4に示すように、本実施形態では、右側の取付部材21に端子台取付部材41により端子台40を取り付けているが、例えば、照明器具100の取付位置に応じて、端子台取付部材41により端子台40を左側の取付部材21に取り付ける構成としてもよい。また、両側の取付部材21に端子台取付部材41及び端子台40を取り付ける構成としてもよい。
【0035】
取付部材21は、上面視において略L字状に形成されるとともに灯具本体11の両端に取り付けられる。取付部材21は、L字状の一方に灯具本体11を取り付ける本体取付部22と、L字状の他方に壁面Wに取り付けられる取付部23を有する。本体取付部22は、取付部23に対して略直角になるように連設される。取付部材21は、スタットともいう。
【0036】
本体取付部22は、灯具本体11の端板部18に当接して取り付けられる第一平面部22aと、第一平面部22aに連設される第一延出部22bとを有している。第一平面部22aは、端板部18の複数の貫通孔19aに対応する位置に設けられる複数の貫通孔22a1と、電源装置17から延びる電線を挿通する挿通孔22a2と、を有する。
【0037】
第一延出部22bは、第一平面部22aの上下方向の両端部から左右方向外側に延出される。第一延出部22bは、第一平面部22aの前側に配置される前側延出部22b1と、第一平面部22aの後側に配置される後側延出部22b2と、前側延出部22b1と後側延出部22b2との間に設けられる上下方向外側に延出される中間延出部22b3と、中間延出部22b3に対応する位置に設けられる切欠部22b4とを有する。後側延出部22b2は、前後方向中途部から前端部に亘って、さらに左右方向外側に延出された外側延出部22b5を有する。後側延出部22b2は、前端部から前後方向に直線状に切り欠いたガイド部22b6を有する。ガイド部22b6は、カバー部31を取付部材21に取り付ける際に、カバー部31が有する突条部36を係合して案内する。
【0038】
第一延出部22bは、第一平面部22aに対して略直角に曲げて延出されているため、第一平面部22aの曲げ等に対する機械的強度を確保することができる。
【0039】
図7に示すように、取付部23は、壁面Wに当接して取り付けられる第二平面部23aと、第二平面部23aに連設される第二延出部23bとを有している。第二平面部23aは、左右方向外側に外部電源線を引き込む通線孔24と、左右方向の中途部に貫通孔25を有している。取付部23は、貫通孔25にネジが挿通されて壁面Wに取り付けられる。通線孔24は、側面視において端子台40と重ならない。
【0040】
第二延出部23bは、第二平面部23aの上下方向の両端部から前後方向前側に延出される。第二延出部23bは、第二平面部23aの左右方向の外側に配置される外側延出部23b1と、第二平面部23aの左右方向の内側(灯具本体11側)に配置される内側延出部23b2とを有する。内側延出部23b2の左右方向の内側には、カバー部31の係合爪37が係合する係合孔26が設けられている。外側延出部23b1の左右方向の外側には、カバー部31の係合爪37に係合する係合孔26が設けられている。外側延出部23b1と内側延出部23b2の間には、切欠部27が設けられている。切欠部27は、上面視略L字状に形成されている(図5参照)。
【0041】
第二延出部23bは、第二平面部23aに対して略直角に曲げて延出されているため、第二平面部23aの曲げ等に対する機械的強度を確保することができる。
【0042】
取付部材21は、灯具本体11の左右方向における両端部に取り付けられる。まず、灯具本体11に位置決めされた端板部18の貫通孔19aに対して、取付部材21の貫通孔22a1(端子台取付部材41の貫通孔42b)の位置合わせを行う。つぎに、左右方向の外側からネジ30を挿通し、筐体12のネジ取付部12e及びネジ取付部12fに取付部材21の本体取付部22を取り付ける。これにより、端板部18、取付部材21及び端子台取付部材41のそれぞれの前後方向中途部が筐体12のネジ取付部12eに共締めされる。さらに、端板部18、取付部材21の各後端部が筐体12のネジ取付部12fに共締めされる。こうして、端板部18が筐体12の長手方向の両端部に固定されるとともに、取付部材21が灯具本体11の長手方向の両端部に固定される。このように共締めすることで、照明器具100の組立作業の作業性が向上し、部品点数を減らすことができる。
【0043】
カバー部31は、取付部材21の少なくとも一部を覆うとともに、取付部材21に係合可能である。カバー部31は、外形が直方体の箱形状であり、左右方向の内側面と後側面とが開口されている。カバー部31は、上下に対向して配置される略四角形状で一対の横壁部32・32と、横壁部32・32の前端の間に亘って形成される前壁部33と、横壁部32・32の左右方向の外側端の間に亘って形成される端壁部34と、落下防止ヒモ取付部35とを有する。横壁部32・32の内側面には、取付部材21の切欠部22b4に対応する位置に前後方向に延びる突条部36(図5参照)と、取付部材21の係合孔26に対応する位置に係合爪37とが設けられている。突条部36は、横壁部32の前端から前後方向中途部に亘って延出されており、横壁部32の内側面において左右方向の内側端近傍に設けられている。係合爪37は、横壁部32の内側面において後端近傍に設けられている。カバー部31は、突条部36をガイド部22b6に差し込んで、壁面W側(後面側)に向かってスライドさせて、係合爪37を係合孔26に係合させることで取付部材21に取付可能である。落下防止ヒモ取付部35は、前壁部33から後方に延びる内壁部38を貫通する貫通孔である。
【0044】
カバー部31を取付部材21に取り付ける際には、カバー部31の突条部36が取付部材21のガイド部22b6に案内される。これにより、カバー部31を取付部材21の適正な位置に配置することができる。
なお、本実施形態では、カバー部31に突条部36を設け、取付部材21に突条部36を案内するガイド部22b6を設ける構成であるが、例えば取付部材21に突条部を設け、カバー部に当該突条部を案内するガイド部を設ける構成であってもよい。
【0045】
カバー部31は、取付部材21に取り付けられた場合に、灯具本体11の前面部(筐体12の前板部12b)とカバー部31の前面部(前壁部33)が面一になるように形成されている。このように、カバー部31の前面部は、灯具本体11の前面部に対して面一になるように形成されるため、段差がある場合と比べると埃等が付着しにくく、かつ照明器具として外観がすっきりとした意匠にすることができる。
【0046】
次に、照明器具100の壁面Wへの取付作業について説明する。
取付部材21(取付部23)は、貫通孔25にネジが挿通されて壁面Wに取り付けられる。端板部18の挿通孔19bと取付部材21の挿通孔22a2から引き出された電源装置17から延びる電線を端子台40に電気的に接続する。そして、壁面Wの所定の箇所から引き出された外部電源線を取付部材21の通線孔24から引き込み、外部電源線の端子が端子台40の差込口に差し込まれて電気的に接続される。最後に、カバー部31が取付部材21に取り付けられて、図1に示すように、照明器具100が壁面Wに取り付けられる。
【0047】
以上説明した本実施形態の照明器具100では、取付部材21は、略L字状に形成されるとともに灯具本体11の両端に取り付けられ、L字状の取付部材21の一方に灯具本体11を取り付ける本体取付部22と、L字状の取付部材21の他方に壁面Wに取り付けられる取付部23を有している。これにより、取付部材21の取付部23を壁面Wに取り付けることで、灯具本体11を壁面Wに取り付けられるため、施工が容易である。すなわち、壁面W等への取付作業が容易な照明器具100を提供することができる。
【0048】
また、照明器具100では、取付部材21の少なくとも一部を覆うとともに、取付部材21に係合可能なカバー部31を備えている。これにより、ネジや電線等が露出した取付部材21がカバー部31により覆われるため、外観がすっきりした印象となり、照明器具としての外観の意匠性を高めることができる。
【0049】
また、照明器具100では、灯具本体11が取付部材21により壁面Wに取り付けられた際に、灯具本体11と壁面Wとの間に空間Sが形成される。光源部13から出射された光は、灯具本体11から少なくとも空間Sに向かって照射される。取付部材21により壁面Wと灯具本体11との距離を適切に設けることができ、壁面Wの所定の範囲が照らされて最適な間接照明光を得ることができる。
【0050】
また、照明器具100では、取付部材21に端子台40が取り付けられる。取付部材21は、L字状の他方である取付部23に、外部電源線を引き込む通線孔24を有している。通線孔24と端子台40は側面視において重ならず、端子台40は第二平面部23aよりも前方側に配置される。これにより、通線孔24から引き込まれる外部電源線と端子台40との間隔を確保することができるため、外部電源線を端子台40に結合しやすくなるとともに、外部電源線の屈曲させる角度が緩やかになるため外部電源線に負荷を与えにくい。
【0051】
また、照明器具100では、端子台40を取付部材21に取付可能な端子台取付部材41を備えている。これにより、取付部材21に端子台取付部材41を取り付けることで、取付部材21の剛性を高めるとともに、容易に端子台40を取付部材21の適切な位置に案内して取り付けることができる。
【0052】
また、照明器具100では、カバー部31は、壁面W側に向かってスライドさせて取付部材21に取付可能である。これにより、壁面Wの壁材などに負荷をかけず傷をつけにくい。また、複数の照明器具100を隣接して壁面Wに取り付ける場合、隣接方向(左右方向)にスライドさせるのではなく、壁面W側に向かってスライドさせるため、照明器具100を隣接して取り付けることが可能である。また、取付部材21からカバー部31を取り外せば、カバー部31の大きさに応じた所定の空間が確保できるため、配線作業スペースを容易に確保することができる。
【0053】
また、照明器具100では、電源装置17は、灯具本体11の長手方向の一方側(本実施形態では右側)に偏向して配置されている。これにより、電源装置17を灯具本体11の長手方向の中央付近に配置させた場合よりも、灯具本体11の中央付近に対する重量負荷がかかりにくく、灯具本体11の中央部が垂れ下がりにくい。
【0054】
また、照明器具100では、取付部材21及びカバー部31には、カバー部31の落下防止のためのヒモを取り付けるための落下防止ヒモ取付部45及び落下防止ヒモ取付部35がそれぞれ設けられている。落下防止ヒモ取付部35と落下防止ヒモ取付部45とを繋ぐヒモをあらかじめ取り付けておくことで、例えば壁面Wに固定した取付部材21にカバー部31を取り付ける際に、誤ってカバー部31が地面に落下することを防止することができる。これにより、照明器具100の取り付けを行う場合の作業性を向上させることができる。
【0055】
上記実施形態では、一例として壁面Wに照明器具100の長手方向が水平方向に沿う姿勢で取り付ける例を示したが、これに限らず、照明器具100の長手方向が垂直方向に沿う姿勢で取り付けることもできる。また、壁面Wではなく天井面などの被取付面に取り付けることもできる。
【符号の説明】
【0056】
11 灯具本体
13 光源部
17 電源装置(電源部)
21 取付部材
22 本体取付部
23 取付部
100 照明器具
W 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7