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特開2023-14050風力タービンのタワー用のプラットフォームおよび風力タービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014050
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】風力タービンのタワー用のプラットフォームおよび風力タービン
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/20 20160101AFI20230119BHJP
   F03D 80/00 20160101ALI20230119BHJP
   E04B 5/43 20060101ALI20230119BHJP
   E04H 12/20 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F03D13/20
F03D80/00
E04B5/43 Z
E04H12/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112903
(22)【出願日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】21185816
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519081710
【氏名又は名称】シーメンス ガメサ リニューアブル エナジー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】Siemens Gamesa Renewable Energy A/S
【住所又は居所原語表記】Borupvej 16, 7330 Brande, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス レンセン
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA02
3H178AA40
3H178BB35
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD67X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タワー壁におけるプラットフォームの改良された支持を可能にする風力タービン用のプラットフォームを提供する。
【解決手段】風力タービンのタワー用のプラットフォームであって、プラットフォーム(6)は、タワーの内部での懸吊配置に適合しており、かつタワー壁に対して水平方向においてプラットフォーム(6)を支持するための少なくとも1つの支持手段(9)を有しており、支持手段(9)は、タワー壁との接触用の足部分(10)と、プラットフォーム(6)に取り付けられた接合部(11)と、予荷重手段(12)とを有しており、予荷重手段は、タワー壁の方に向けられた予荷重力でもって、接合部(11)に対して足部分(10)に予荷重を加えており、足部分(10)は、プラットフォーム(6)の方に向けられた、足部分(10)に作用する力が予荷重力を超えた場合に、少なくとも部分的にプラットフォーム(6)に向かって可動である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(1)のタワー(2)用のプラットフォームであって、当該プラットフォーム(6)は、前記タワー(2)の内部での懸吊配置に適合しており、かつタワー壁(7)に対して水平方向において当該プラットフォーム(6)を支持するための少なくとも1つの支持手段(9)を有しており、該支持手段(9)は、前記タワー壁(7)との接触用の足部分(10)と、当該プラットフォーム(6)に取り付けられた接合部(11)と、予荷重手段(12)とを有しており、該予荷重手段は、前記タワー壁(7)の方に向けられた予荷重力(F)でもって、前記接合部(11)に対して前記足部分(10)に予荷重を加えており、前記足部分(10)は、前記プラットフォーム(6)の方に向けられた、前記足部分(10)に作用する力(F)が前記予荷重力(F)を超えた場合に、少なくとも部分的に当該プラットフォーム(6)に向かって可動である、プラットフォーム。
【請求項2】
当該プラットフォーム(6)は、前記支持手段(9)を複数有しており、該支持手段(9)は、当該プラットフォーム(6)の周の周りに配置されている、請求項1記載のプラットフォーム。
【請求項3】
前記接合部(11)は、少なくとも部分的に前記予荷重手段(12)と前記足部分(10)の一部とを包囲するU字形ブラケット(14)を有しており、前記予荷重手段(12)は、前記U字形ブラケット(14)に前記足部分(10)のプレート部分(17)を押し当てている、請求項1または2記載のプラットフォーム。
【請求項4】
前記足部分(10)は、前記タワー壁(7)と接触するために少なくとも前記プレート部分(17)と前記足部分(10)の基部(13)との間に延びるロッド(19)を有している、請求項3記載のプラットフォーム。
【請求項5】
前記ロッド(19)は、前記プレート部分(17)に設けられた開口(28)を貫通して延びており、前記接合部(11)から前記タワー壁(7)に向かって突出する前記足部分(10)の一部の長さは調節可能である、請求項4記載のプラットフォーム。
【請求項6】
前記予荷重手段(12)には、ばね、特にコイルばね、板ばね、皿ばね、またはガスばね、および/または圧縮された弾性部材が含まれる、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラットフォーム。
【請求項7】
前記予荷重手段は、調節可能であり、前記予荷重力(F)は、前記予荷重手段(12)の調節に左右される、請求項1から6までのいずれか1項記載のプラットフォーム。
【請求項8】
前記支持手段(9)は、当該プラットフォーム(6)に向かう前記足部分(10)の移動をガイドするための少なくとも1つのガイド手段(22)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のプラットフォーム。
【請求項9】
前記ガイド手段(22)は、前記接合部(11)に設けられた溝(23,24)であり、前記足部分の突起(25,26)が、前記溝(23)に係合している、請求項8記載のプラットフォーム。
【請求項10】
前記プラットフォームは、複数の取付け手段(8)を有しており、該取付け手段(8)は、当該プラットフォーム(6)の周の周りに配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のプラットフォーム。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載のプラットフォーム(6)を少なくとも1つ有している風力タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンのタワー用のプラットフォームであって、プラットフォームは、タワーの内部での懸吊配置に適合しており、かつタワー壁に対して水平方向においてプラットフォームを支持するための少なくとも1つの支持手段を有している、プラットフォームに関する。さらに本発明は、風力タービンに関する。
【0002】
タワー内部の1つ以上のレベルに風力タービンコンポーネントを配置可能にするために、風力タービンのタワーの内部には、1つ以上のプラットフォームを設けることができる。プラットフォームは、例えばプラットフォームがタワー壁から懸吊された懸吊配置でタワー壁に取り付けられてよい。このような懸吊配置は、タワーの内部でのプラットフォームの水平方向移動の制限を必要とすることがある。これに関連して、プラットフォームに取り付けられていて、タワー壁を水平方向に押圧している機械足部分を使用することが周知である。
【0003】
韓国登録特許第10-1676202号公報には、懸吊配置で配置された風力タービンのタワー用のプラットフォームが記載されている。このプラットフォームは、タワーの内壁に対してプラットフォームを水平方向において支持する複数の支持構造体を有している。したがって、支持構造体はそれぞれ、プラットフォームの縁部と押圧部との間に配置されたばねを使用してタワー壁に押し当てられる押圧部を有している。
【0004】
本発明は、タワー壁におけるプラットフォームの改良された支持を可能にする風力タービン用のプラットフォームを提供する、という課題に基づくものである。
【0005】
本発明によれば、この課題は冒頭に記載したようなプラットフォームにより解決され、このプラットフォームにおいて、支持手段は、タワー壁との接触用の足部分と、プラットフォームに取り付けられた接合部と、予荷重手段とを有しており、予荷重手段は、タワー壁の方に向けられた予荷重力でもって、接合部に対して足部分に予荷重を加えており、足部分は、プラットフォームの方に向けられた、足部分に作用する力が予荷重力を超えた場合に、少なくとも部分的にプラットフォームに向かって可動である。
【0006】
予荷重手段は、接合部に対して足部分に予荷重力を加える。予荷重手段は圧縮可能であり、支持手段の無負荷状態において少なくとも部分的に圧縮されて配置され得る。特に予荷重手段は、予荷重力を超える負荷を吸収するためにさらに圧縮可能であってもよい。
【0007】
接合部は、プラットフォームに取り付けられており、これにより、予荷重手段は例えば、隣接するタワー内壁の方に向けられた予荷重力でもって、接合部に対して足部分を押圧する。足部分は、プラットフォームの縁部から少なくとも部分的に突出していてよい。特に足部分の突出部が、隣接するプラットフォームの縁部に向かって可動であるか、または足部分全体が、それぞれプラットフォームの中央または中央部に向かって可動であってもよい。したがって、支持手段は順応性でありかつ/または少なくとも部分的に後退可能であり、この場合、タワー壁から足部分に作用する力が予荷重力を超えると、足部分が後退する。
【0008】
接合部に対して足部分を押圧することにより予荷重力が生ぜしめられ、足部分の移動および/または予荷重手段の圧縮などが可能となる前には、タワー壁から足部分に作用する力が予荷重力を超過する必要がある。このことは、足部分に作用する負荷が予荷重力よりも低い場合に、支持手段、または1つ以上の支持手段により支持されたプラットフォームはそれぞれ剛性挙動を示す、という利点を有している。
【0009】
有利には、予荷重力よりも低い力または負荷それぞれに対する支持手段の固有の剛性は、負荷ピークが発生しない通常運転中のプラットフォームの移動を防止する。柔軟性は、タワー壁から支持手段に小さな力だけが作用する通常運転中でもプラットフォームの振動を許容し、これによりプラットフォーム上での歩行または作業を危険にする恐れがある。さらに、プラットフォームのこのような永続的な振動または運動は、プラットフォームと隣接する構造物、例えば1つ以上のプラットフォーム間および/または風力タービンの別の部分間に取り付けられたはしご、支持支柱および他の構造物との間に疲労問題を引き起こすことがある。
【0010】
したがって、支持手段は、予荷重力を超過する力または負荷それぞれに対してのみ順応性を有しているため、タワー壁から支持手段の足部分に、より高い負荷または負荷ピークがそれぞれ作用した場合には、支持手段がプラットフォームを損傷から保護するようになっている。プラットフォームとタワー壁との間に配置された支持手段のこの順応性は、プラットフォームを水平方向に大きく加速させる極度の負荷を低下させることに役立つ。プラットフォームの慣性およびその懸吊の性質に基づき、このような加速は結果として、支持手段を介して伝達される高負荷を生ぜしめることがある。永続的に剛性の支持手段の場合には、これらの負荷がプラットフォーム自体に伝達され、電気キャビネット、ケーブルトレイおよびガイドなどの、プラットフォームに取り付けられた構造物を緊張させる恐れがある。
【0011】
予荷重力の供給は、プラットフォームが高負荷ピークから保護される、という利点を有している。これにより、プラットフォームが引き受けねばならない最大負荷がより低くなるようにプラットフォームを構成することができるので、プラットフォームを製造するために必要な材料の量が削減される。有利には、本発明によるプラットフォームは、より少ない材料および部品を用いて、かつ/またはより少量の支持構造体を用いて製造され得、これにより、製造コストを削減することができる。さらに、プラットフォームの重量も減らすことができ、これにより、プラットフォームの運搬および設置が容易になる。
【0012】
接合部に対して足部分に予荷重を加える予荷重手段は、支持手段が、通常運転中は剛性に作用するが、極度な負荷が加えられた状態では順応性に作用することができるようするため、プラットフォームは、風力タービンの通常運転中は完全に安定させられている。同時に、極度な負荷のプラットフォームへの伝達が回避され、これにより、支持手段と、プラットフォームと、プラットフォームに取り付けられた別の構造物とに対する要求が低下することになる。
【0013】
好適には、プラットフォームは複数の支持手段を有しており、この場合、支持手段は、プラットフォームの周の周りに配置されている。特に、プラットフォームは円形であってよく、これにより、プラットフォームは円形の外周を有している。ただし、プラットフォームが配置されるべき風力タービンのタワーの横断面幾何学形状に応じて、矩形、正方形などの、他のプラットフォーム形状も可能である。
【0014】
複数の支持手段を設けることにより、プラットフォームを、その外周全体にわたり支持することができ、これによりプラットフォームは、あらゆる方向の水平荷重を引き受けることができる。特に支持手段は、プラットフォームの周の周りに等間隔で配分されてよい。例えば3つの支持手段を有する円形のプラットフォームにおいて、これらの支持手段は、円形の外周の周りに120°ずつ離間されていてよい。
【0015】
1つの好適な実施形態では、接合部は、少なくとも部分的に予荷重手段と足部分の一部とを包囲するU字形ブラケットを有しており、この場合、予荷重手段は、U字形ブラケットに足部分のプレート部分を押し当てている。特に、足部分は、U字形ブラケットの脚部の間に配置されている。足部分は、U字形ブラケットまたは接合部それぞれのインナブラケットと考えられてもよい。
【0016】
予荷重手段は、特にU字形ブラケットの中間部分に足部分のプレート部分を押し当てており、この場合、U字形ブラケットの中間部分からタワー壁の方向に突出した足部分の一部は、タワー内壁の部分に結合されているか、または直接に接触している。反対側では、U字形ブラケットの脚部はプラットフォームに直接にまたは接合部の1つ以上の別の部分を介して取り付けられていてよい。プレート部分は、平らなプレートであってよいか、またはより複雑な幾何学形状を有する部分の一部であってもよい。
【0017】
好適には、足部分は、タワー壁と接触するために少なくともプレート部分と足部分の基部との間に延びるロッドを有している。プレート部分は、基部から離れていてよく、この場合、基部とプレート部分とは両方共、それぞれロッドに固く結合され得るか、またはロッドと一体に鋳造され得る。
【0018】
1つの実施形態では、ロッドはプレート部分に設けられた開口を貫通して延びており、この場合、接合部からタワー壁に向かって突出する足部分の一部の長さは調節可能である。
【0019】
好適には、ロッドは、開口を貫通して延びるねじ山部分を有している。ねじ山部分は、ねじ山部分に係合する少なくとも2つのナットにより、プレート部分に取り付けられていてよい。このことは、接合部から、特に接合部のU字形ブラケットの中間部分から突出した足部分の長さを調節することを可能にする。足部分が接合部から突出する長さを調節することにより、プラットフォームとタワーの内壁との間の小さなギャップに架橋することができる。特に、ロッド部分は、近接するタワー内壁または隣接するタワー内壁部分のそれぞれに向けられた接合部の側から1cm~20cm突出するように調節され得る、ということが可能であってよい。
【0020】
好適には、予荷重手段には、ばね、特にコイルばね、板ばね、皿ばね、またはガスばね、および/または圧縮された弾性部材が含まれる。好適には、予荷重手段には、少なくとも部分的に足部分のロッド部分の周りに配置されたヘリカルコイルばねが含まれていてもよい。圧縮ばねおよび/または圧縮された弾性部材を含む予荷重手段は、予荷重力を生ぜしめるために、接合部に対して足部分を押圧し得る。さらに、足部分に作用する負荷が予荷重力を超えると、予荷重手段のさらなる圧縮が可能になり、これにより負荷ピークを、支持手段またはその予荷重手段それぞれにより減衰させかつ/または少なくとも部分的に吸収することができる。
【0021】
好適には、予荷重手段は、調節可能であり、この場合、予荷重力は、予荷重手段の調節に左右される。例えば予荷重手段のばねは、予荷重手段に予荷重が加えられた状態で、または支持手段の無負荷状態でそれぞれ圧縮を調節可能なばねが設けられることにより、調節され得る。予荷重手段のガスばねは、例えばガスばねのガス圧を変化させることにより調節され得る。また、予荷重手段に予荷重が加えられた状態での圧縮量が異なる弾性部材が設けられていてもよい。
【0022】
1つの実施形態では、支持手段は、プラットフォームに向かう足部分の移動をガイドするための少なくとも1つのガイド手段を有している。ガイド手段は、足部分に作用する、予荷重力を超える負荷に基づき予荷重手段が圧縮された場合に、足部分をガイドすることができる。足部分は直線的にガイドされ得、これにより足部分の移動は、特にプラットフォームの縁部および/または中央に向かう横方向移動に制限される。
【0023】
好適には、ガイド手段は、接合部に設けられた溝であり、この場合、足部分の突起が溝に係合している。特に、ガイド手段は、接合部のU字形ブラケットの脚部に設けられた溝であってよい。溝には、足部分の突起、例えば足部分のプレート部分の突起が係合していてよい。U字形ブラケットの両方の脚部が、ガイド手段としての溝を有することが可能である。
【0024】
好適には、プラットフォームは、複数の取付け手段を有しており、この場合、取付け手段は、プラットフォームの周の周りに配置されている。取付け手段は、例えば取付け支柱であってよく、この場合、プラットフォームとは反対の側の各支柱の端部が、タワー壁に取付け可能である。このことは、プラットフォームをタワーの内部に懸吊配置で配置することを可能にする。
【0025】
本発明による風力タービンは、本発明によるプラットフォームを少なくとも1つ有している。特に、風力タービンは、風力タービンの中空のタワーの内部に配置された複数のプラットフォームを有していてよい。例えば、風力タービンはタワーの内部に1~10の、例えば6つのプラットフォームを有していてよい。
【0026】
本発明によるプラットフォームに関連して説明した全ての詳細および利点は、本発明による風力タービンに相応して適用され、その逆も同様である。
【0027】
本発明の別の課題および特徴は、添付の図面と併せて考慮される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、図面は単に例示のためだけに作成された原理的なスケッチであるにすぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による風力タービンの1つの実施形態を示す図である。
図2】本発明によるプラットフォームの1つの実施形態を示す図である。
図3】本発明によるプラットフォームの支持手段の第1の実施形態を示す斜視図である。
図4】本発明によるプラットフォームの支持手段の第1の実施形態を示す平面図である。
図5】本発明によるプラットフォームの支持手段の第2の実施形態を示す平面図である。
【0029】
図1には、風力タービン1の1つの実施形態が示されている。風力タービン1は、風力タービン1のナセル3を支持するタワー2を有している。ナセル3はハブ4を支持しており、ハブ4には、風力タービン1の複数のロータブレード5が取り付けられている。タワー2の内部には、複数のプラットフォーム6が配置されている。プラットフォーム6は、タワー2の内部に懸吊されて配置されており、この場合、プラットフォーム6は、複数の取付け手段8によりタワー内壁7に取り付けられている。取付け手段8とタワー2の内壁7との間の取付けは、プラットフォーム6の表面から離隔された取付け手段8の端部において行われ、これにより、プラットフォーム6はそれぞれタワー2の内部に懸吊配置で配置されている。
【0030】
図2には、プラットフォーム6の1つの実施形態が示されている。プラットフォーム6は、円形のプラットフォーム6の外周の周りに配置された複数の取付け手段8を有している。取付け手段8は、円形のプラットフォーム6の外周の周りに対で等間隔に配置された取付け支柱として設けられている。プラットフォーム6が、異なる形状、異なる数の取付け手段8および/またはプラットフォーム6上の取付け手段8の異なる配置を有することも可能である。
【0031】
タワー内壁7に対して水平方向においてプラットフォーム6を支持することを可能にするために、プラットフォーム6は複数の支持手段9を有している。各支持手段9は足部分10を有しており、足部分10は、タワー壁7の、支持手段9にすぐ隣接する部分に接触する。支持手段9により、タワー内部のプラットフォーム6の水平方向での支持が達成される。
【0032】
支持手段9は、プラットフォーム6の外周の周りに配置されている。支持手段9は、周の周りに等間隔で配置され得る。また、周の周りにおける支持手段9の別の配分も可能である。この実施形態では、プラットフォーム6は3つの支持手段を有しており、支持手段はそれぞれ、プラットフォーム6の円周のうち120°だけずらされて配置されている。
【0033】
図3には、支持手段9の第1の実施形態が斜視図で示されている。支持手段9は、タワー壁7との接触用の足部分10と、プラットフォーム6に取り付けられる接合部11と、接合部11に対して足部分10に予荷重を加える予荷重手段12とを有している。この実施形態では、予荷重手段はヘリカルコイルばねとして設けられている。予荷重手段12は、タワー壁7の方に向けられた、または足部分10の基部13の方に向けられた予荷重力Fでもって、接合部11に対して足部分10にそれぞれ予荷重を加える。
【0034】
接合部11は、予荷重手段12と、足部分10の一部とを包囲するU字形ブラケット14を有している。U字形ブラケット14は、2つの脚部15,16を有しており、この場合、予荷重手段12と足部分10の一部とは、脚部15,16の間に配置されている。予荷重手段12は、足部分10のプレート部分17をU字形ブラケット14の中間部分18に押し当てる。プレート部分17は、足部分10のロッド19に取り付けられており、この場合、ロッド19は、接合部14に設けられた、特にU字形ブラケット14の中間部分18に設けられた開口20を貫通して延びている。この実施形態では、接合部11は、複数のねじ21によりプラットフォーム6に取り付けられている。足部分10は、U字形ブラケット14に対するインナブラケットを形成している。
【0035】
予荷重力Fは、足部分10のプレート部分17をU字形ブラケット14または接合部11の中間部分18にそれぞれ押し当てる。タワー壁2からの荷重力Fが足部分10に作用する場合には、予荷重手段12がさらに圧縮されひいては足部分10の移動が生じる前に、まず予荷重力Fを超えねばならない。このことは、力Fが予荷重力F未満であるため、タワー2の内壁7におけるプラットフォーム6の堅固な支持をもたらす。
【0036】
予荷重力Fを超える荷重Fに対しては、プラットフォーム6の順応支持が達成される。予荷重力Fを超える比較的高い荷重Fの部分は、予荷重手段12のさらなる圧縮と足部分10の相応の移動とにより、少なくとも部分的に吸収され得る。予荷重手段12の圧縮により、可動の足部分10は、プラットフォーム6の縁部に向かってまたはプラットフォーム6の中央部分に向かってそれぞれ後退する。
【0037】
この後退移動をガイドするために、支持手段9は、2つのガイド手段22を有している。ガイド手段22はそれぞれ、U字形ブラケット14の脚部15,16のうちの1つに配置された溝23,24を有している。足部分10のプレート部分17は、2つの突起25,26を有しており、突起25,26はそれぞれ、溝23,24のうちの1つに係合している。
【0038】
図4には、支持手段9の平面図が示されている。足部分10のロッドセクション19は、プレート部分17に設けられた開口28を貫通して延びるねじ山部分27を有している。足部分10の長さを調節することができるように、ねじ山部分27には2つのナット29,30が取り付けられている。特に、プラットフォーム6の縁部からタワー内壁7に向かって突出する足部分10の部分の長さを調節することができる。これにより、タワー壁7とプラットフォーム6との間の異なるサイズのギャップに架橋することが可能になる。足部分10は、例えばU字形ブラケット14の中間部分18からタワー内壁7に向かって1cm~20cm突出するように調節可能であってよい。
【0039】
取付け部11のU字形ブラケット14は、プラットフォーム6に直接取り付けられてよい。プラットフォーム6の上面および/または下面に、取付け部11またはU字形ブラケット14がそれぞれ取り付けられたアタッチメント構造体を設けることも可能である。
【0040】
図5には、支持手段9の第2の実施形態が示されている。この実施形態では、取付け部11は、プラットフォーム6に取り付けられたベースプレート31を有している。ベースプレート31は、ねじ21によりU字形ブラケット14に結合されている。
【0041】
ベースプレート31は、雌ねじ山を備える開口32を有しており、開口32を貫通して、支持手段9の調節手段33が延びている。調節手段33は、予荷重手段12と直接接触するプレート部分34を有している。さらに調節手段33は、開口32を貫通して突出しかつ開口32の雌ねじ山に係合するねじ山部分35を有している。調節手段33は、ベースプレート31をU字形ブラケット14の中間部分18に近づけるように移動させることにより、予荷重手段12の予荷重力Fの調節を可能にする。これにより、予荷重手段12の初期圧縮が増大し、その結果、支持手段9の無負荷状態での力Fも大きくなる。調節手段33の位置をさらに固定するために、1つ以上のナット36がねじ山部分35に取り付けられてもよい。
【0042】
コイルばねに加えてまたはこれに代えて、別の形式の予荷重手段12も使用され得る。板ばね、皿ばね、ガスばね、またはこれらの形式のばねの組合せを含む予荷重手段を使用することも可能である。追加的または択一的に、圧縮された弾性部材を予荷重手段12として使用することも可能である。予荷重力Fの調節は、第2の実施形態に関して説明したように、別の形式の予荷重手段12により行われてもよい。ガスばねを使用した場合には、ガスばね内のガス圧を調節することによる調節も可能である。
【0043】
予荷重手段12により、特に1kN~100kN、特に5kN~25kNの予荷重力、例えば10kNの力が加えられる。このことは、風力タービン1の通常の負荷条件下での、タワー2の内部におけるプラットフォーム6の堅固な配置を可能にする。
【0044】
例えば風により増大させられたタワー2の運動に基づき、より高い負荷が発生すると、予荷重力Fを超過し、これにより、予荷重手段12は部分的に圧縮され、足部分10が少なくとも部分的に、プラットフォーム6の方に向かって移動する。有利には、支持手段9による高負荷ピークの吸収は、プラットフォーム6の材料および/または支持構造体の量の削減を可能にするため、風力タービン1においてプラットフォーム6により必要とされる重量および材料を減らすことができる。
【0045】
本発明を、好適な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明は、開示した例に限定されるものではなく、これらの例から当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく他の変化形を導き出すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(1)のタワー(2)用のプラットフォームであって、当該プラットフォーム(6)は、前記タワー(2)の内部での懸吊配置に適合しており、かつタワー壁(7)に対して水平方向において当該プラットフォーム(6)を支持するための少なくとも1つの支持手段(9)を有しており、該支持手段(9)は、前記タワー壁(7)との接触用の足部分(10)と、当該プラットフォーム(6)に取り付けられた接合部(11)と、予荷重手段(12)とを有しており、該予荷重手段は、前記タワー壁(7)の方に向けられた予荷重力(F)でもって、前記接合部(11)に対して前記足部分(10)に予荷重を加えており、前記足部分(10)は、前記プラットフォーム(6)の方に向けられた、前記足部分(10)に作用する力(F)が前記予荷重力(F)を超えた場合に、少なくとも部分的に当該プラットフォーム(6)に向かって可動である、プラットフォーム。
【請求項2】
当該プラットフォーム(6)は、前記支持手段(9)を複数有しており、該支持手段(9)は、当該プラットフォーム(6)の周の周りに配置されている、請求項1記載のプラットフォーム。
【請求項3】
前記接合部(11)は、少なくとも部分的に前記予荷重手段(12)と前記足部分(10)の一部とを包囲するU字形ブラケット(14)を有しており、前記予荷重手段(12)は、前記U字形ブラケット(14)に前記足部分(10)のプレート部分(17)を押し当てている、請求項1または2記載のプラットフォーム。
【請求項4】
前記足部分(10)は、前記タワー壁(7)と接触するために少なくとも前記プレート部分(17)と前記足部分(10)の基部(13)との間に延びるロッド(19)を有している、請求項3記載のプラットフォーム。
【請求項5】
前記ロッド(19)は、前記プレート部分(17)に設けられた開口(28)を貫通して延びており、前記接合部(11)から前記タワー壁(7)に向かって突出する前記足部分(10)の一部の長さは調節可能である、請求項4記載のプラットフォーム。
【請求項6】
前記予荷重手段(12)には、ばね、特にコイルばね、板ばね、皿ばね、またはガスばね、および/または圧縮された弾性部材が含まれる、請求項1または2記載のプラットフォーム。
【請求項7】
前記予荷重手段は、調節可能であり、前記予荷重力(F)は、前記予荷重手段(12)の調節に左右される、請求項1または2記載のプラットフォーム。
【請求項8】
前記支持手段(9)は、当該プラットフォーム(6)に向かう前記足部分(10)の移動をガイドするための少なくとも1つのガイド手段(22)を有している、請求項1または2記載のプラットフォーム。
【請求項9】
前記ガイド手段(22)は、前記接合部(11)に設けられた溝(23,24)であり、前記足部分の突起(25,26)が、前記溝(23)に係合している、請求項8記載のプラットフォーム。
【請求項10】
前記プラットフォームは、複数の取付け手段(8)を有しており、該取付け手段(8)は、当該プラットフォーム(6)の周の周りに配置されている、請求項1または2記載のプラットフォーム。
【請求項11】
請求項1または2記載のプラットフォーム(6)を少なくとも1つ有している風力タービン。
【外国語明細書】