IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SCREENホールディングスの特許一覧

特開2023-140530処理液供給装置、基板処理装置および基板処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140530
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】処理液供給装置、基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/113 20060101AFI20230928BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230928BHJP
   F04B 43/073 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
F04B43/113
B05C11/10
F04B43/073
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046415
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】平田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩川 裕
【テーマコード(参考)】
3H077
4F042
【Fターム(参考)】
3H077AA01
3H077AA08
3H077CC03
3H077CC07
3H077CC17
3H077DD14
3H077EE02
3H077EE15
3H077FF06
3H077FF13
3H077FF34
4F042AA07
4F042BA12
4F042CB02
4F042CB08
(57)【要約】
【課題】処理液供給装置の駆動に要するエネルギーを低減する。
【解決手段】処理液供給装置6では、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、ポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とを連通させ、処理液の送出に利用された第1ポンプ部601内のエアを、第1ポンプ部601よりも内圧が低い第2ポンプ部602に流入させることにより、第2ポンプ部602からの処理液の送出を開始させる。そして、エア供給切替部604によってエア供給源72と第2ポンプ部602とを連通させ、エア供給源72から第2ポンプ部602へとエアを供給して第2ポンプ部602からの処理液の送出を継続させる。これにより、処理液供給装置6の駆動に要するエネルギーを低減することができる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置であって、
処理液の吸引および送出を交互に行う第1ポンプ部と、
前記第1ポンプ部に連動して前記第1ポンプ部による処理液の吸引時に処理液の送出を行うとともに前記第1ポンプ部による処理液の送出時に処理液の吸引を行う第2ポンプ部と、
エア供給源の連通先を前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との間で切り替えるエア供給切替部と、
前記第1ポンプ部の接続状態を、前記第2ポンプ部と連通するポンプ連通状態と、排気部と連通する排気状態との間で切り替え、前記第2ポンプ部の接続状態を、前記第1ポンプ部と連通する前記ポンプ連通状態と、前記排気部と連通する排気状態との間で切り替えるポンプ接続切替部と、
前記エア供給切替部および前記ポンプ接続切替部を制御する切替制御部と、
を備え、
前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給を停止し、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第1ポンプ部内のエアを、前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入させることにより、前記第2ポンプ部からの処理液の送出を開始させ、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアを供給して前記第2ポンプ部からの処理液の送出を継続させ、前記第2ポンプ部からの処理液の送出継続中に前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替え、
前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給を停止し、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第2ポンプ部内のエアを、前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入させることにより、前記第1ポンプ部からの処理液の送出を開始させ、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアを供給して前記第1ポンプ部からの処理液の送出を継続させ、前記第1ポンプ部からの処理液の送出継続中に前記ポンプ接続切替部によって前記第2ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替えることを特徴とする処理液供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理液供給装置であって、
前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記ポンプ接続切替部による前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との連通と並行して、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部とを連通させ、
前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記ポンプ接続切替部による前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との連通と並行して、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部とを連通させることを特徴とする処理液供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の処理液供給装置であって、
前記ポンプ接続切替部は、
前記第1ポンプ部から延びる第1共通配管と、
前記第1共通配管の前記第1ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びる第1流出入配管および第1流入配管と、
前記第1流出入配管および前記第1流入配管がそれぞれ接続される切替バルブと、
前記第2ポンプ部から延びる第2共通配管と、
前記第2共通配管の前記第2ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びるとともに前記切替バルブにそれぞれ接続される第2流出入配管および第2流入配管と、
前記第1流出入配管上に配置されて前記第1共通配管から前記切替バルブへと向かう流れのみを通過させる第1流出逆止バルブと、
前記第1流入配管上に配置されて前記切替バルブから前記第1共通配管へと向かう流れのみを通過させる第1流入逆止バルブと、
前記第2流出入配管上に配置されて前記第2共通配管から前記切替バルブへと向かう流れのみを通過させる第2流出逆止バルブと、
前記第2流入配管上に配置されて前記切替バルブから前記第2共通配管へと向かう流れのみを通過させる第2流入逆止バルブと、
前記切替バルブと前記排気部とを接続する排気配管と、
を備え、
前記エア供給切替部は、前記切替バルブ、前記第1流出入配管、前記第1共通配管、前記第2流出入配管および前記第2共通配管を、前記ポンプ接続切替部と共有し、
前記エア供給切替部は、
前記切替バルブと前記エア供給源とを接続する供給源配管と、
前記第1流出入配管上において前記第1流出逆止バルブと並列に配置される第1供給バルブと、
前記第2流出入配管上において前記第2流出逆止バルブと並列に配置される第2供給バルブと、
をさらに備え、
前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、
前記供給源配管と前記第1共通配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給が停止され、
前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記第2流入配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出逆止バルブ、前記第2流入配管、前記第2流入逆止バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入し、
前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第2流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部とが前記供給源配管、前記第2流出入配管、前記第2供給バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアが供給され、
前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記排気部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出逆止バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記排気部から外部へと排出され、
前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、
前記供給源配管と前記第2共通配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給が停止され、
前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記第1流入配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記第1ポンプ部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出逆止バルブ、前記第1流入配管、前記第1流入逆止バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入し、
前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第1流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部とが前記供給源配管、前記第1流出入配管、前記第1供給バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアが供給され、
前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記排気部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出逆止バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記排気部から外部へと排出されることを特徴とする処理液供給装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の処理液供給装置であって、
前記ポンプ接続切替部は、
前記第1ポンプ部から延びる第1共通配管と、
前記第1共通配管の前記第1ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びる第1流出入配管および第1流入配管と、
前記第1流出入配管および前記第1流入配管がそれぞれ接続される切替バルブと、
前記第2ポンプ部から延びる第2共通配管と、
前記第2共通配管の前記第2ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びるとともに前記切替バルブにそれぞれ接続される第2流出入配管および第2流入配管と、
前記第1流出入配管上に配置される第1流出入バルブと、
前記第1流入配管上に配置される第1流入バルブと、
前記第2流出入配管上に配置される第2流出入バルブと、
前記第2流入配管上に配置される第2流入バルブと、
前記切替バルブと前記排気部とを接続する排気配管と、
を備え、
前記エア供給切替部は、前記切替バルブ、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブ、前記第1共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブおよび前記第2共通配管を、前記ポンプ接続切替部と共有し、
前記エア供給切替部は、前記切替バルブと前記エア供給源とを接続する供給源配管をさらに備え、
前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、
前記供給源配管と前記第1流出入配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給が停止され、
前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記第2流入配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブ、前記第2流入配管、前記第2流入バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入し、
前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第2流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部とが前記供給源配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアが供給され、
前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記排気部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記排気部を介して排出され、
前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、
前記供給源配管と前記第2流出入配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給が停止され、
前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記第1流入配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記第1ポンプ部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブ、前記第1流入配管、前記第1流入バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入し、
前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第1流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部とが前記供給源配管、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアが供給され、
前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記排気部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記排気部を介して排出されることを特徴とする処理液供給装置。
【請求項5】
基板を処理する基板処理装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板に処理液を供給する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の処理液供給装置と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
基板を処理する基板処理方法であって、
a)基板を保持する工程と、
b)処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置から前記基板に処理液を供給する工程と、
を備え、
前記処理液供給装置は、
処理液の吸引および送出を交互に行う第1ポンプ部と、
前記第1ポンプ部に連動して前記第1ポンプ部による処理液の吸引時に処理液の送出を行うとともに前記第1ポンプ部による処理液の送出時に処理液の吸引を行う第2ポンプ部と、
エア供給源の連通先を前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との間で切り替えるエア供給切替部と、
前記第1ポンプ部の接続状態を、前記第2ポンプ部と連通するポンプ連通状態と、排気部と連通する排気状態との間で切り替え、前記第2ポンプ部の接続状態を、前記第1ポンプ部と連通する前記ポンプ連通状態と、前記排気部と連通する排気状態との間で切り替えるポンプ接続切替部と、
を備え、
前記b)工程は、
c)前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記第2ポンプ部から処理液を送出する工程と、
d)前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記第1ポンプ部から処理液を送出する工程と、
e)前記c)工程および前記d)工程を交互に繰り返す工程と、
を備え、
前記c)工程は、
c1)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給を停止する工程と、
c2)前記c1)工程よりも後に、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第1ポンプ部内のエアを、前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入させることにより、前記第2ポンプ部からの処理液の送出を開始させる工程と、
c3)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアを供給して前記第2ポンプ部からの処理液の送出を継続させる工程と、
c4)前記c2)工程よりも後に、前記c3)工程と並行して、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替える工程と、
を備え、
前記d)工程は、
d1)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給を停止する工程と、
d2)前記d1)工程よりも後に、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第2ポンプ部内のエアを、前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入させることにより、前記第1ポンプ部からの処理液の送出を開始させる工程と、
d3)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアを供給して前記第1ポンプ部からの処理液の送出を継続させる工程と、
d4)前記d2)工程よりも後に、前記d3)工程と並行して、前記ポンプ接続切替部によって前記第2ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替える工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理方法であって、
前記c3)工程における前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通は、前記c2)工程と同時に開始され、
前記d3)工程における前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通は、前記d2)工程と同時に開始されることを特徴とする基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置、および、処理液を基板に供給して処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板に対して様々な処理が施される。例えば、基板処理装置において、基板の表面にエッチング液等の処理液が供給されて処理が行われる。当該基板処理装置では、処理液を供給するためのポンプとして、ベローズポンプが使用される場合がある(特許文献1ないし7参照)。
【0003】
特許文献1のベローズポンプでは、ポンプヘッドの左右両側にポンプケースが連結されて2つの空気室が形成されており、各空気室の内部に、左右方向に伸縮可能なベローズが設けられている。そして、左右の空気室に対して交互に圧縮エアが供給されることにより、連結シャフトにより連結された2つのベローズが交互に収縮と伸張とを繰り返し、処理液が連続的に供給される。
【0004】
具体的には、左側の空気室に空気供給装置から圧縮エアが供給されると、左側のベローズが圧縮され、当該ベローズ内に貯留されている処理液がポンプヘッドから送出される。また、連結シャフトにより左側のベローズに連結されている右側のベローズは、左側のベローズの圧縮と並行して伸張される。これにより、右側のベローズ内に処理液が吸引されて貯留される。左側のベローズからの処理液送出が終了すると、左側の空気室内の圧縮エアはベローズポンプの外部の大気中へと放出され、右側の空気室に空気供給装置から圧縮エアが供給される。これにより、右側のベローズが圧縮され、当該ベローズ内に貯留されている処理液がポンプヘッドから送出される。また、左側のベローズは、右側のベローズの圧縮と並行して伸張され、右側のベローズ内に処理液が吸引されて貯留される。右側のベローズからの処理液送出が終了すると、右側の空気室内の圧縮エアはベローズポンプの外部の大気中へと放出され、左側の空気室に空気供給装置から圧縮エアが供給される。ベローズポンプでは、当該動作が繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-256830号公報
【特許文献2】特開2007-51563号公報
【特許文献3】特開2006-207410号公報
【特許文献4】特開2004-84486号公報
【特許文献5】特開2001-317449号公報
【特許文献6】特開平10-196521号公報
【特許文献7】特開平9-170560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような基板処理装置では、装置の駆動に係るエネルギーとして電力、水、空気等が消費されている。当該消費エネルギーのうち、空気が占める割合は比較的大きく、特に、ベローズポンプ等の処理液供給装置による処理液の供給に多量の空気が使用されている。処理液供給装置では、消費エネルギー低減の観点から、空気の使用量を低減することが求められている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、処理液供給装置の駆動に要するエネルギーを低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置であって、処理液の吸引および送出を交互に行う第1ポンプ部と、前記第1ポンプ部に連動して前記第1ポンプ部による処理液の吸引時に処理液の送出を行うとともに前記第1ポンプ部による処理液の送出時に処理液の吸引を行う第2ポンプ部と、エア供給源の連通先を前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との間で切り替えるエア供給切替部と、前記第1ポンプ部の接続状態を、前記第2ポンプ部と連通するポンプ連通状態と、排気部と連通する排気状態との間で切り替え、前記第2ポンプ部の接続状態を、前記第1ポンプ部と連通する前記ポンプ連通状態と、前記排気部と連通する排気状態との間で切り替えるポンプ接続切替部と、前記エア供給切替部および前記ポンプ接続切替部を制御する切替制御部とを備え、前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給を停止し、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第1ポンプ部内のエアを、前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入させることにより、前記第2ポンプ部からの処理液の送出を開始させ、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアを供給して前記第2ポンプ部からの処理液の送出を継続させ、前記第2ポンプ部からの処理液の送出継続中に前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替え、前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給を停止し、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第2ポンプ部内のエアを、前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入させることにより、前記第1ポンプ部からの処理液の送出を開始させ、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアを供給して前記第1ポンプ部からの処理液の送出を継続させ、前記第1ポンプ部からの処理液の送出継続中に前記ポンプ接続切替部によって前記第2ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の処理液供給装置であって、前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記ポンプ接続切替部による前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との連通と並行して、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部とを連通させ、前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記ポンプ接続切替部による前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との連通と並行して、前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部とを連通させる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の処理液供給装置であって、前記ポンプ接続切替部は、前記第1ポンプ部から延びる第1共通配管と、前記第1共通配管の前記第1ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びる第1流出入配管および第1流入配管と、前記第1流出入配管および前記第1流入配管がそれぞれ接続される切替バルブと、前記第2ポンプ部から延びる第2共通配管と、前記第2共通配管の前記第2ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びるとともに前記切替バルブにそれぞれ接続される第2流出入配管および第2流入配管と、前記第1流出入配管上に配置されて前記第1共通配管から前記切替バルブへと向かう流れのみを通過させる第1流出逆止バルブと、前記第1流入配管上に配置されて前記切替バルブから前記第1共通配管へと向かう流れのみを通過させる第1流入逆止バルブと、前記第2流出入配管上に配置されて前記第2共通配管から前記切替バルブへと向かう流れのみを通過させる第2流出逆止バルブと、前記第2流入配管上に配置されて前記切替バルブから前記第2共通配管へと向かう流れのみを通過させる第2流入逆止バルブと、前記切替バルブと前記排気部とを接続する排気配管とを備え、前記エア供給切替部は、前記切替バルブ、前記第1流出入配管、前記第1共通配管、前記第2流出入配管および前記第2共通配管を、前記ポンプ接続切替部と共有し、前記エア供給切替部は、前記切替バルブと前記エア供給源とを接続する供給源配管と、前記第1流出入配管上において前記第1流出逆止バルブと並列に配置される第1供給バルブと、前記第2流出入配管上において前記第2流出逆止バルブと並列に配置される第2供給バルブとをさらに備え、前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記供給源配管と前記第1共通配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給が停止され、前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記第2流入配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出逆止バルブ、前記第2流入配管、前記第2流入逆止バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入し、前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第2流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部とが前記供給源配管、前記第2流出入配管、前記第2供給バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアが供給され、前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記排気部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出逆止バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記排気部から外部へと排出され、前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記供給源配管と前記第2共通配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給が停止され、前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記第1流入配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記第1ポンプ部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出逆止バルブ、前記第1流入配管、前記第1流入逆止バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入し、前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第1流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部とが前記供給源配管、前記第1流出入配管、前記第1供給バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアが供給され、前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記排気部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出逆止バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記排気部から外部へと排出される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の処理液供給装置であって、前記ポンプ接続切替部は、前記第1ポンプ部から延びる第1共通配管と、前記第1共通配管の前記第1ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びる第1流出入配管および第1流入配管と、前記第1流出入配管および前記第1流入配管がそれぞれ接続される切替バルブと、前記第2ポンプ部から延びる第2共通配管と、前記第2共通配管の前記第2ポンプ部とは反対側の端部から並列に延びるとともに前記切替バルブにそれぞれ接続される第2流出入配管および第2流入配管と、前記第1流出入配管上に配置される第1流出入バルブと、前記第1流入配管上に配置される第1流入バルブと、前記第2流出入配管上に配置される第2流出入バルブと、前記第2流入配管上に配置される第2流入バルブと、前記切替バルブと前記排気部とを接続する排気配管とを備え、前記エア供給切替部は、前記切替バルブ、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブ、前記第1共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブおよび前記第2共通配管を、前記ポンプ接続切替部と共有し、前記エア供給切替部は、前記切替バルブと前記エア供給源とを接続する供給源配管をさらに備え、前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記供給源配管と前記第1流出入配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給が停止され、前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記第2流入配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブ、前記第2流入配管、前記第2流入バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入し、前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第2流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部とが前記供給源配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブおよび前記第2共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアが供給され、前記切替バルブによって前記第1流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第1ポンプ部と前記排気部とが前記第1共通配管、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第1ポンプ部内のエアが前記排気部を介して排出され、前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記供給源配管と前記第2流出入配管との連通が閉鎖されることにより、前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通が閉鎖され、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給が停止され、前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記第1流入配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記第1ポンプ部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブ、前記第1流入配管、前記第1流入バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入し、前記切替バルブによって前記供給源配管と前記第1流出入配管とが連通されることにより、前記エア供給源と前記第1ポンプ部とが前記供給源配管、前記第1流出入配管、前記第1流出入バルブおよび前記第1共通配管を介して連通し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアが供給され、前記切替バルブによって前記第2流出入配管と前記排気配管とが連通されることにより、前記第2ポンプ部と前記排気部とが前記第2共通配管、前記第2流出入配管、前記第2流出入バルブおよび前記排気配管を介して連通し、前記第2ポンプ部内のエアが前記排気部を介して排出される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板に処理液を供給する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の処理液供給装置とを備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、基板を処理する基板処理方法であって、a)基板を保持する工程と、b)処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置から前記基板に処理液を供給する工程とを備え、前記処理液供給装置は、処理液の吸引および送出を交互に行う第1ポンプ部と、前記第1ポンプ部に連動して前記第1ポンプ部による処理液の吸引時に処理液の送出を行うとともに前記第1ポンプ部による処理液の送出時に処理液の吸引を行う第2ポンプ部と、エア供給源の連通先を前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部との間で切り替えるエア供給切替部と、前記第1ポンプ部の接続状態を、前記第2ポンプ部と連通するポンプ連通状態と、排気部と連通する排気状態との間で切り替え、前記第2ポンプ部の接続状態を、前記第1ポンプ部と連通する前記ポンプ連通状態と、前記排気部と連通する排気状態との間で切り替えるポンプ接続切替部とを備え、前記b)工程は、c)前記第1ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記第2ポンプ部から処理液を送出する工程と、d)前記第2ポンプ部からの処理液の送出終了後、前記第1ポンプ部から処理液を送出する工程と、e)前記c)工程および前記d)工程を交互に繰り返す工程とを備え、前記c)工程は、c1)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へのエアの供給を停止する工程と、c2)前記c1)工程よりも後に、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第1ポンプ部内のエアを、前記第1ポンプ部よりも内圧が低い前記第2ポンプ部に流入させることにより、前記第2ポンプ部からの処理液の送出を開始させる工程と、c3)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へとエアを供給して前記第2ポンプ部からの処理液の送出を継続させる工程と、c4)前記c2)工程よりも後に、前記c3)工程と並行して、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替える工程とを備え、前記d)工程は、d1)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通を閉鎖し、前記エア供給源から前記第2ポンプ部へのエアの供給を停止する工程と、d2)前記d1)工程よりも後に、前記ポンプ接続切替部によって前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部とを連通させ、処理液の送出に利用された前記第2ポンプ部内のエアを、前記第2ポンプ部よりも内圧が低い前記第1ポンプ部に流入させることにより、前記第1ポンプ部からの処理液の送出を開始させる工程と、d3)前記エア供給切替部によって前記エア供給源と前記第1ポンプ部とを連通させ、前記エア供給源から前記第1ポンプ部へとエアを供給して前記第1ポンプ部からの処理液の送出を継続させる工程と、d4)前記d2)工程よりも後に、前記d3)工程と並行して、前記ポンプ接続切替部によって前記第2ポンプ部の接続状態を前記ポンプ連通状態から前記排気状態へと切り替える工程とを備える。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の基板処理方法であって、前記c3)工程における前記エア供給源と前記第2ポンプ部との連通は、前記c2)工程と同時に開始され、前記d3)工程における前記エア供給源と前記第1ポンプ部との連通は、前記d2)工程と同時に開始される。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、処理液供給装置の駆動に要するエネルギーを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施の形態に係る基板処理装置を備える基板処理システムの平面図である。
図2】基板処理装置の側面図である。
図3】制御部の構成を示す図である。
図4】制御部の機能を示すブロック図である。
図5】処理液供給部を示すブロック図である。
図6】基板の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】処理液供給装置を示す断面図である。
図8】処理液供給装置のエア供給に係る構成を示す図である。
図9】処理液供給装置の動作を示すフローチャートである。
図10】処理液供給装置の動作を示すフローチャートである。
図11】処理液供給装置の動作を示すフローチャートである。
図12】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図13】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図14】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図15】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図16】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図17】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図18】処理液供給装置におけるエアの供給流量を示す図である。
図19】比較例の処理液供給装置におけるエアの供給流量を示す図である。
図20】第2の実施の形態に係る処理液供給装置のエア供給に係る構成を示す図である。
図21】処理液供給装置の動作を示すフローチャートである。
図22】処理液供給装置の動作を示すフローチャートである。
図23】処理液供給装置の動作を示すフローチャートである。
図24】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図25】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図26】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図27】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図28】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
図29】処理液送出中の処理液供給装置の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置を備える基板処理システム10のレイアウトを示す図解的な平面図である。基板処理システム10は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を処理するシステムである。基板処理システム10は、インデクサブロック101と、インデクサブロック101に結合された処理ブロック102とを備える。
【0018】
インデクサブロック101は、キャリア保持部104と、インデクサロボット105(すなわち、基板搬送手段)と、IR移動機構106とを備える。キャリア保持部104は、複数枚の基板9をそれぞれ収容できる複数のキャリア107を保持する。複数のキャリア107(例えば、FOUP)は、水平なキャリア配列方向(すなわち、図1中の上下方向)に配列された状態でキャリア保持部104に保持される。IR移動機構106は、キャリア配列方向にインデクサロボット105を移動させる。インデクサロボット105は、基板9をキャリア107から搬出する搬出動作、および、キャリア保持部104に保持されたキャリア107に基板9を搬入する搬入動作を行う。基板9は、インデクサロボット105によって水平な姿勢で搬送される。
【0019】
一方、処理ブロック102は、基板9を処理する複数(たとえば、4つ以上)の処理ユニット108と、センターロボット109(すなわち、基板搬送手段)とを備えている。複数の処理ユニット108は、平面視において、センターロボット109を取り囲むように配置されている。複数の処理ユニット108では、基板9に対する様々な処理が施される。後述する基板処理装置は、複数の処理ユニット108のうちの1つである。センターロボット109は、処理ユニット108に基板9を搬入する搬入動作、および、基板9を処理ユニット108から搬出する搬出動作を行う。さらに、センターロボット109は、複数の処理ユニット108間で基板9を搬送する。基板9は、センターロボット109によって水平な姿勢で搬送される。センターロボット109は、インデクサロボット105から基板9を受け取るとともに、インデクサロボット105に基板9を渡す。
【0020】
図2は、基板処理装置1の構成を示す側面図である。基板処理装置1は、基板9を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板9に処理液を供給して液処理を行う。図2では、基板処理装置1の構成の一部を断面にて示す。
【0021】
基板処理装置1は、基板保持部31と、基板回転機構33と、カップ部4と、処理液供給部5と、制御部8と、チャンバ11と、を備える。基板保持部31、基板回転機構33およびカップ部4等は、チャンバ11の内部空間に収容される。チャンバ11の天蓋部には、当該内部空間にガスを供給して下方に流れる気流(いわゆる、ダウンフロー)を形成する気流形成部12が設けられる。気流形成部12としては、例えば、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)が利用される。制御部8は、チャンバ11の外部に配置され、基板保持部31、基板回転機構33および処理液供給部5等を制御する。
【0022】
図3に示すように、制御部8は、例えば、プロセッサ81と、メモリ82と、入出力部83と、バス84とを備える通常のコンピュータシステムである。バス84は、プロセッサ81、メモリ82および入出力部83を接続する信号回路である。メモリ82は、プログラムおよび各種情報を記憶する。プロセッサ81は、メモリ82に記憶されるプログラム等に従って、メモリ82等を利用しつつ様々な処理(例えば、数値計算)を実行する。入出力部83は、操作者からの入力を受け付けるキーボード85およびマウス86、プロセッサ81からの出力等を表示するディスプレイ87、並びに、プロセッサ81からの出力等を送信する送信部等を備える。なお、制御部8は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)、または、回路基板等であってもよい。制御部8は、コンピュータシステム、PLCおよび回路基板等のうち、任意の複数の構成を含んでいてもよい。
【0023】
図4は、制御部8により実現される機能を示すブロック図である。制御部8は、記憶部801と、切替制御部802とを備える。記憶部801は、主にメモリ82(図3参照)により実現され、基板処理装置1に係る様々な情報を記憶する。切替制御部802は、主にプロセッサ81(図3参照)により実現され、処理液供給部5のバルブ等、様々な構成を制御する。
【0024】
図2に示す基板保持部31および基板回転機構33はそれぞれ、基板9を保持して回転させるスピンチャックの一部である。基板保持部31は、水平状態の基板9を下側から保持する。基板保持部31は、例えば、基板9を機械的に支持するメカニカルチャックである。基板保持部31は、ベース部311と、複数のチャック312とを備える。ベース部311は、上下方向を向く中心軸J1を中心とする略円板状の部材である。基板9は、ベース部311の上方にベース部311から離間して配置される。
【0025】
複数のチャック312は、ベース部311の上面の外周部において、中心軸J1を中心とする周方向(以下、単に「周方向」とも呼ぶ。)に配置される。複数のチャック312は、例えば、周方向において略等角度間隔に配置される。基板保持部31では、複数のチャック312により、基板9の外縁部が保持される。なお、基板保持部31は、バキュームチャック等、他の構造を有するチャックであってもよい。
【0026】
基板回転機構33は、基板保持部31の下方に配置される。基板回転機構33は、中心軸J1を中心として基板9を基板保持部31と共に回転する。基板回転機構33は、シャフト331と、モータ332とを備える。シャフト331は、中心軸J1を中心とする略円柱状または略円筒状の部材である。シャフト331は、上下方向に延び、基板保持部31のベース部311の下面中央部に接続される。モータ332は、シャフト331を回転させる電動回転式モータである。なお、基板回転機構33は、他の構造を有するモータ(例えば、中空モータ等)であってもよい。
【0027】
処理液供給部5は、基板9に対して処理液を供給し、基板9に対する液処理を行う。処理液供給部5は、ノズル51を備える。ノズル51は、基板9の上方から基板9の上側の主面(以下、「上面91」とも呼ぶ。)に向けて処理液を吐出する。当該処理液は、例えば、基板9のエッチング処理に利用されるエッチング液である。当該エッチング液は、例えば、所定の供給量にて基板9に供給されるように、ノズル51への供給が高精度に制御される。なお、ノズル51からは、エッチング液以外の薬液が吐出されてもよく、薬液以外の様々な種類の処理液(例えば、リンス液)が吐出されてもよい。
【0028】
処理液供給部5は、ノズル51を移動するノズル移動機構を備えていてもよい。当該ノズル移動機構は、例えば、基板9の上方の供給位置と、基板9の外縁よりも中心軸J1を中心とする径方向(以下、単に「径方向」とも呼ぶ。)の外側の退避位置との間で、ノズル51を略水平に移動する。ノズル移動機構は、例えば、電動リニアモータ、エアシリンダ、または、ボールネジおよび電動回転式モータを備える。また、処理液供給部5は、ノズル51に加えて、ノズル51から吐出される処理液とは異なる種類の処理液を基板9に吐出する他のノズルを備えていてもよい。
【0029】
図5は、基板処理装置1の処理液供給部5の構成を模式的に示すブロック図である。処理液供給部5は、上述のノズル51に加えて、配管52と、処理液供給装置6とを備える。配管52は、ノズル51、処理液供給装置6および処理液供給源71を接続する。処理液供給装置6は、配管52上において、ノズル51と処理液供給源71との間に配置される。処理液供給装置6は、処理液供給源71に貯留されている処理液を吸引し、ノズル51に対して連続的に送出するエア駆動のポンプ装置である。処理液供給装置6からノズル51に送出された処理液は、上述のように、基板9の上面91に供給される。
【0030】
図6は、図2に示す基板処理装置1における基板9の処理の流れを示すフローチャートである。基板処理装置1では、まず、基板9が搬入され、基板保持部31により略水平に保持される(ステップS11)。続いて、処理液供給装置6から処理液が連続的に送出され、ノズル51を介して基板9の上面91に当該処理液が供給される(ステップS12)。これにより、基板9の液処理が行われる。なお、ステップS12では、基板回転機構33によって回転中の基板9に対して処理液の供給が行われてもよく、回転せずに静止している基板9に対して処理液の供給が行われてもよい。
【0031】
図7は、処理液供給装置6の構成を示す断面図である。処理液供給装置6は、連動する一対のベローズを有するベローズポンプである。図7では、停止状態の処理液供給装置6を示す。以下の説明では、図7中の上下方向および左右方向を、単に「上下方向」および「左右方向」とも呼ぶ。図7中の上下方向は、実際の基板処理装置1における重力方向と一致していてもよく、一致していなくてもよい。また、図7中の左右方向は、実際の基板処理装置1における水平方向と一致していてもよく、一致していなくてもよい。
【0032】
処理液供給装置6は、第1ベローズ61と、第2ベローズ62と、ポンプヘッド63と、第1ポンプケース64と、第2ポンプケース65と、連結部材66と、吸込バルブユニット67と、送出バルブユニット68とを備える。
【0033】
ポンプヘッド63は、上下方向に延びる略筒状の部材である。ポンプヘッド63は、例えば、PTFE(polytetrafluoroethylene)またはPFA(Perfluoroalkoxyalcan)等のフッ素樹脂により形成される。ポンプヘッド63の下部には吸込ポート631が設けられる。吸込ポート631は、配管52(図5参照)を介して処理液供給源71に接続される。ポンプヘッド63の内部には、吸込ポート631から延びる吸込流路633が設けられる。吸込流路633は、ポンプヘッド63の側面の左右両側にて、吸込バルブユニット67を介して第1ベローズ61および第2ベローズ62に接続される。ポンプヘッド63の上端部には送出ポート632が設けられる。送出ポート632は、配管52(図5参照)を介してノズル51に接続される。ポンプヘッド63の内部には、送出ポート632から延びる送出流路634が設けられる。吸込流路643は、ポンプヘッド63の側面の左右両側にて、送出バルブユニット68を介して第1ベローズ61および第2ベローズ62に接続される。
【0034】
第1ポンプケース64および第2ポンプケース65は、ポンプヘッド63の左右方向の両側に取り付けられる。第1ポンプケース64および第2ポンプケース65はそれぞれ、内部に空間を有する。第1ポンプケース64の内部空間には第1ベローズ61が収容され、第2ポンプケース65の内部空間には第2ベローズ62が収容される。第1ポンプケース64と第2ポンプケース65とは、略同じ形状を有し、ポンプヘッド63の上下方向に延びる中心線に対して平面視において略線対称に配置される。第1ベローズ61と第2ベローズ62とは、略同じ形状を有し、ポンプヘッド63の上記中心線に対して平面視において略線対称に配置される。なお、第1ポンプケース64および第2ポンプケース65は、別々の部材であってもよく、一繋がりの部材であってもよい。
【0035】
第1ポンプケース64は、ケース本体641と、ケース蓋642と、作動板643とを備える。ケース本体641は、左右方向に延びる略筒状の部材であり、図7中におけるポンプヘッド63の左側に固定される。ケース蓋642は、左右方向に対して略垂直に広がる略平板状の部材であり、ケース本体641の左端部(すなわち、ポンプヘッド63とは反対側の端部))の開口を閉鎖する。ケース本体641とポンプヘッド63との接合部、および、ケース本体641とケース蓋642との接合部は、気密に封止されている。これにより、ケース本体641、ケース蓋642およびポンプヘッド63に囲まれた空間が、気密な第1空気室640となる。
【0036】
作動板643は、左右方向に対して略垂直に広がる略平板状の部材であり、第1空気室640の内部において左右方向に移動可能に配置される。作動板643は、第1空気室640の内部空間を、左右2つの空間に分割する。以下の説明では、作動板643の左側の空間(すなわち、作動板643とケース蓋642との間の空間)を「作動ガス室644」と呼び、作動板643の右側の空間を「ポンプ室645」と呼ぶ。作動ガス室644とポンプ室645とは、作動板643により仕切られている。
【0037】
ケース蓋642には給排気ポート646が設けられており、給排気ポート646を介して、第1空気室640の作動ガス室644内への給気、および、第1空気室640の作動ガス室644からの排気が行われる。また、ケース蓋642には近接センサ647も設けられており、近接センサ647によって作動板643が検出されることにより、第1ベローズ61の伸縮状態が検出される。
【0038】
第1ベローズ61は、第1空気室640のポンプ室645内に収容される。第1ベローズ61は、左右方向に延びるとともに左端部が閉鎖された有底略筒状の部材である。第1ベローズ61は、例えば、PTFEまたはPFA等のフッ素樹脂により形成される。第1ベローズ61の右端部(すなわち、開口部)は、ポンプヘッド63に接続されている。第1ベローズ61の側壁は蛇腹構造を有しており、第1ベローズ61は、ポンプヘッド63に固定された右端部を基点として左右方向に伸縮する。第1ベローズ61の左端部には、上述の作動板643が固定されている。
【0039】
上述の給排気ポート646から作動ガス室644に圧縮エアが供給されることにより、作動板643が右方へと移動して第1ベローズ61が左右方向にて圧縮される。これにより、第1ベローズ61内の処理液がポンプヘッド63へと送出される。処理液供給装置6では、第1ベローズ61および第1ポンプケース64により、処理液を送出する第1ポンプ部601が構成される。
【0040】
第2ポンプケース65は、ケース本体651と、ケース蓋652と、作動板653とを備える。ケース本体651は、左右方向に延びる略筒状の部材であり、図7中におけるポンプヘッド63の右側に固定される。ケース蓋652は、左右方向に対して略垂直に広がる略平板状の部材であり、ケース本体651の右端部(すなわち、ポンプヘッド63とは反対側の端部))の開口を閉鎖する。ケース本体651とポンプヘッド63との接合部、および、ケース本体651とケース蓋652との接合部は、気密に封止されている。これにより、ケース本体651、ケース蓋652およびポンプヘッド63に囲まれた空間が、気密な第2空気室650となる。
【0041】
作動板653は、左右方向に対して略垂直に広がる略平板状の部材であり、第2空気室650の内部において左右方向に移動可能に配置される。作動板653は、第2空気室650の内部空間を、左右2つの空間に分割する。以下の説明では、作動板653の右側の空間(すなわち、作動板653とケース蓋652との間の空間)を「作動ガス室654」と呼び、作動板653の左側の空間を「ポンプ室655」と呼ぶ。作動ガス室654とポンプ室655とは、作動板653により仕切られている。
【0042】
ケース蓋652には給排気ポート656が設けられており、給排気ポート656を介して、第2空気室650の作動ガス室654内への給気、および、第2空気室650の作動ガス室654からの排気が行われる。また、ケース蓋652には近接センサ657も設けられており、近接センサ657によって作動板653が検出されることにより、第2ベローズ62の伸縮状態が検出される。
【0043】
第2ベローズ62は、第2空気室650のポンプ室655内に収容される。第2ベローズ62は、左右方向に延びるとともに右端部が閉鎖された有底略筒状の部材である。第2ベローズ62は、例えば、PTFEまたはPFA等のフッ素樹脂により形成される。第2ベローズ62の左端部(すなわち、開口部)は、ポンプヘッド63に接続されている。第2ベローズ62の側壁は蛇腹構造を有しており、第2ベローズ62は、ポンプヘッド63に固定された左端部を基点として左右方向に伸縮する。第2ベローズ62の右端部には、上述の作動板653が固定されている。
【0044】
上述の給排気ポート656から作動ガス室654に圧縮エアが供給されることにより、作動板653が左方へと移動して第2ベローズ62が左右方向にて圧縮される。これにより、第2ベローズ62内の処理液がポンプヘッド63へと送出される。処理液供給装置6では、第2ベローズ62および第2ポンプケース65により、処理液を送出する第2ポンプ部602が構成される。
【0045】
処理液供給装置6では、第1ポンプ部601の作動板643と、第2ポンプ部602の作動板653とが連結部材66により連結されている。連結部材66は、例えば、左右方向に略平行に延びる略棒状のタイロッドである。第1ベローズ61と第2ベローズ62とは、第1ベローズ61および第2ベローズ62のうち一方のベローズが伸張したときに他方のベローズが収縮し、一方のベローズが収縮したときに他方のベローズが伸張するように、連結部材66によって連動される。
【0046】
吸込バルブユニット67は、2つのチェックバルブ671,672を備える。チェックバルブ671は、ポンプヘッド63の左側において、ポンプヘッド63内部の吸込流路633と第1ベローズ61の内部空間とを接続する。チェックバルブ672は、ポンプヘッド63の右側において、ポンプヘッド63内部の吸込流路633と第2ベローズ62の内部空間とを接続する。第1ベローズ61が伸張されると、チェックバルブ671が開放されて第1ベローズ61の内部空間と吸込流路633とが連通し、第1ベローズ61への処理液の吸引が可能となる。第1ベローズ61が圧縮されると、チェックバルブ671が閉鎖されて第1ベローズ61の内部空間と吸込流路633とが隔絶され、第1ベローズ61から吸込流路633への処理液の逆流が防止される。また、第2ベローズ62が伸張されると、チェックバルブ672が開放されて第2ベローズ62の内部空間と吸込流路633とが連通し、第2ベローズ62への処理液の吸引が可能となる。第2ベローズ62が圧縮されると、チェックバルブ672が閉鎖されて第2ベローズ62の内部空間と吸込流路633とが隔絶され、第2ベローズ62から吸込流路633への処理液の逆流が防止される。
【0047】
送出バルブユニット68は、2つのチェックバルブ681,682を備える。チェックバルブ681は、ポンプヘッド63の左側において、ポンプヘッド63内部の送出流路634と第1ベローズ61の内部空間とを接続する。チェックバルブ682は、ポンプヘッド63の右側において、ポンプヘッド63内部の送出流路634と第2ベローズ62の内部空間とを接続する。第1ベローズ61が圧縮されると、チェックバルブ681が開放されて第1ベローズ61の内部空間と送出流路634とが連通し、第1ベローズ61から送出流路634への処理液の送出が可能となる。第1ベローズ61が伸張されると、チェックバルブ681が閉鎖されて第1ベローズ61の内部空間と送出流路634とが隔絶され、送出流路634から第1ベローズ61内への処理液の逆流が防止される。また、第2ベローズ62が圧縮されると、チェックバルブ682が開放されて第2ベローズ62の内部空間と送出流路634とが連通し、第2ベローズ62から送出流路634への処理液の送出が可能となる。第2ベローズ62が伸張されると、チェックバルブ682が閉鎖されて第2ベローズ62の内部空間と送出流路634とが隔絶され、送出流路634から第2ベローズ62内への処理液の逆流が防止される。
【0048】
処理液供給装置6では、第1ポンプ部601の作動ガス室644に圧縮エアが供給されると、作動板643が右方へと移動して第1ベローズ61が圧縮されるとともに、第2ポンプ部602において作動板653も右方へと移動して第2ベローズ62が伸張される。これにより、第1ベローズ61内に予め貯留されている処理液が、送出バルブユニット68のチェックバルブ681を介してポンプヘッド63の送出流路634へと送出され、送出ポート632からノズル51(図5参照)に向けて送出される。また、処理液供給源71からポンプヘッド63の吸込ポート631を介して吸込流路633に供給されている処理液は、吸込バルブユニット67のチェックバルブ672を介して第2ベローズ62内に吸引されて貯留される。第2ポンプ部602において、右側に移動した作動板653が近接センサ657により検出されると、第1ポンプ部601への圧縮エアの供給が停止され、第2ポンプ部602の作動ガス室654に圧縮エアが供給される。
【0049】
そして、作動板653が左方へと移動して第2ベローズ62が圧縮されるとともに、第1ポンプ部601において作動板643も左方へと移動して第1ベローズ61が伸張される。これにより、第2ベローズ62内に貯留されている処理液が、送出バルブユニット68のチェックバルブ682を介してポンプヘッド63の送出流路634へと送出され、送出ポート632からノズル51に向けて送出される。また、処理液供給源71からポンプヘッド63の吸込ポート631を介して吸込流路633に供給されている処理液は、吸込バルブユニット67のチェックバルブ671を介して第1ベローズ61内に吸引されて貯留される。第1ポンプ部601において、左側に移動した作動板643が近接センサ647により検出されると、第2ポンプ部602への圧縮エアの供給が停止され、第1ポンプ部601の作動ガス室644に圧縮エアが供給される。
【0050】
このように、処理液供給装置6では、第1ポンプ部601は、処理液の吸引および送出を交互に行う。また、第2ポンプ部602は、第1ポンプ部601に連動して、第1ポンプ部601による処理液の吸引時に処理液の送出を行い、また、第1ポンプ部601による処理液の送出時に処理液の吸引を行う。これにより、処理液供給装置6からノズル51に対する処理液の連続的な供給が実現される。
【0051】
図8は、処理液供給装置6において第1空気室640および第2空気室650に圧縮エア(以下、単に「エア」とも呼ぶ。)を供給する構成を示す図である。図8では、処理液供給装置6の構造を模式的に示す(図12~17、図20図24~29においても同様)。処理液供給装置6は、第1共通配管611と、第1流出入配管612と、第1流出逆止バルブ613と、第1供給バルブ614と、第1流入配管615と、第1流入逆止バルブ616とをさらに備える。処理液供給装置6は、第2共通配管621と、第2流出入配管622と、第2流出逆止バルブ623と、第2供給バルブ624と、第2流入配管625と、第2流入逆止バルブ626とをさらに備える。処理液供給装置6は、切替バルブ691と、供給源配管692と、排気配管693と、排気バルブ694とをさらに備える。
【0052】
第1流出逆止バルブ613、第1流入逆止バルブ616、第2流出逆止バルブ623および第2流入逆止バルブ626は、例えば、通常のチェックバルブである。第1供給バルブ614および第2供給バルブ624は、例えばニードルバルブである。切替バルブ691は、例えば電磁バルブであり、切替バルブ691において複数の配管(すなわり、流路)の連通および隔絶が行われる。排気バルブ694は、例えば電磁バルブである。切替バルブ691および排気バルブ694はそれぞれ、エア駆動のバルブであってもよい。
【0053】
処理液供給装置6では、第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出逆止バルブ613、第1流入配管615、第1流入逆止バルブ616、第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出逆止バルブ623、第2流入配管625、第2流入逆止バルブ626、切替バルブ691、排気配管693および排気バルブ694により、第1ポンプ部601および第2ポンプ部602の後述する接続状態を切り替えるポンプ接続切替部603が構成される。切替バルブ691および排気バルブ694は、制御部8の切替制御部802(図4参照)により制御される。
【0054】
また、処理液供給装置6では、第1共通配管611、第1流出入配管612、第1供給バルブ614、第2共通配管621、第2流出入配管622、第2供給バルブ624、切替バルブ691、および、供給源配管692により、エア供給源72の連通先を第1ポンプ部601と第2ポンプ部602との間で切り替えるエア供給切替部604が構成される。換言すれば、エア供給切替部604は、第1共通配管611、第1流出入配管612、第2共通配管621、第2流出入配管622、および、切替バルブ691を、ポンプ接続切替部603と共有する。
【0055】
第1共通配管611は、第1ポンプケース64の給排気ポート646に接続され、第1ポンプ部601から切替バルブ691に向かって延びる。第1流出入配管612および第1流入配管615は、第1共通配管611の第1ポンプ部601とは反対側の端部から並列に延び、それぞれ切替バルブ691に接続される。第1流出逆止バルブ613は、第1流出入配管612上に配置される。第1流出逆止バルブ613は、第1流出入配管612上において、第1共通配管611から切替バルブ691に向かって流れる処理液のみを通過させ、切替バルブ691から第1共通配管611に向かって流れる処理液の通過を防止する。第1供給バルブ614は、第1流出入配管612上において第1流出逆止バルブ613と並列に配置される。第1流入逆止バルブ616は、第1流入配管615上に配置される。第1流入逆止バルブ616は、第1流入配管615上において、切替バルブ691から第1共通配管611に向かって流れる処理液のみを通過させ、第1共通配管611から切替バルブ691に向かって流れる処理液の通過を防止する。
【0056】
第2共通配管621は、第2ポンプケース65の給排気ポート656に接続され、第2ポンプ部602から切替バルブ691に向かって延びる。第2流出入配管622および第2流入配管625は、第2共通配管621の第2ポンプ部602とは反対側の端部から並列に延び、それぞれ切替バルブ691に接続される。第2流出逆止バルブ623は、第2流出入配管622上に配置される。第2流出逆止バルブ623は、第2流出入配管622上において、第2共通配管621から切替バルブ691に向かって流れる処理液のみを通過させ、切替バルブ691から第2共通配管621に向かって流れる処理液の通過を防止する。第2供給バルブ624は、第2流出入配管622上において第2流出逆止バルブ623と並列に配置される。第2流入逆止バルブ626は、第2流入配管625上に配置される。第2流入逆止バルブ626は、第2流入配管625上において、切替バルブ691から第2共通配管621に向かって流れる処理液のみを通過させ、第2共通配管621から切替バルブ691に向かって流れる処理液の通過を防止する。
【0057】
供給源配管692は、切替バルブ691とエア供給源72とを接続する。エア供給源72は、処理液供給装置6の動力であるエアを第1空気室640および第2空気室650に選択的に供給する。エア供給源72からのエアの供給先は、切替制御部802(図4参照)により切替バルブ691等が制御されることにより決定される。排気配管693は、切替バルブ691と排気部695とを排気バルブ694を介して接続する。排気部695は、例えば、排気バルブ694に対して排気配管693とは反対側から接続された配管である。排気バルブ694が開放されることにより、処理液供給装置6の駆動用のエアが、排気部695から処理液供給装置6の外部へと排出可能となる。処理液供給装置6の外部は、大気圧以上の圧力を有する空間であり、例えば大気雰囲気である。また、排気バルブ694が閉鎖されている状態では、当該エアは処理液供給装置6から外部に排出することはできない。なお、排気部695の構造は、上記例には限定されず、様々に変更されてよい。
【0058】
次に、処理液供給装置6における処理液送出時の詳細な動作について説明する。図9は、処理液供給装置6の動作の流れを示すフローチャートである。図9は、上述のステップS12(図6参照)における基板9の処理中の処理液供給装置6の動作を示す。処理液供給装置6では、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、第2ポンプ部602から処理液が送出される(ステップS21)。続いて、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、第1ポンプ部601から処理液が送出される(ステップS22)。そして、基板9の処理が終了するまで、ステップS21およびステップS22が交互に繰り返される(ステップS23)。これにより、処理液供給装置6から基板9に対して連続的に処理液が供給される。すなわち、上述のステップS12は、ステップS21~S23を備える。なお、基板処理装置1における基板9の処理では、ステップS21とステップS22との間において、基板9の処理が終了したか否かが判断され、終了していない場合はステップS22が実行され、終了している場合は、基板処理装置1における処理動作を停止してもよい。
【0059】
図10は、上述のステップS21における処理液供給装置6の詳細な動作の流れを示す図である。すなわち、図10に示すステップS211~S214は、ステップS21に含まれる。図11は、上述のステップS22における処理液供給装置6の詳細な動作の流れを示す図である。すなわち、図11に示すステップS221~S224は、ステップS22に含まれる。図12ないし図17は、処理液送出中の処理液供給装置6の様子を示す図である。図12ないし図17では、処理液の流れ、および、エアの流れを太い矢印にて示す。また、図12ないし図17では、排気バルブ694が開放されている場合、バルブの三角部分を黒塗りで示し、閉鎖されている場合、バルブの三角部分を白抜きで示す。
【0060】
図12は、第1ポンプ部601からの処理液の送出が終了した直後の状態を示す。第1ポンプ部601からの処理液の送出が終了すると、切替バルブ691が切替制御部802(図4参照)によって制御され、第1共通配管611、第1流出入配管612および第1流入配管615と供給源配管692との連通が閉鎖される。これにより、エア供給源72と第1ポンプ部601との連通が閉鎖され、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止される(ステップS211)。ステップS211では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。
【0061】
続いて、切替バルブ691が切替制御部802によって制御され、第1流出入配管612と第2流入配管625とが連通される。これにより、第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とが連通される。図12に示すように、第1ポンプ部601の作動ガス室644内のエア(すなわち、第1ベローズ61からの処理液の送出に利用されたエア)は、第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出逆止バルブ613、切替バルブ691、第2流入配管625、第2流入逆止バルブ626、および、第2共通配管621を介して、第1ポンプ部601の作動ガス室644よりも内圧が低い第2ポンプ部602の作動ガス室654内へと流入する。これにより、第2ベローズ62が圧縮され、第2ベローズ62内に貯留されている処理液の送出が開始される(ステップS212)。ステップS212では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0062】
第2ベローズ62から送出された処理液は、送出バルブユニット68(図7参照)のチェックバルブ682を介してポンプヘッド63へと送出され、送出ポート632からノズル51(図1参照)へと送出される。一方、第1ポンプ部601では、上述の第2ベローズ62の圧縮と連動して第1ベローズ61が伸張され、吸込バルブユニット67(図7参照)のチェックバルブ671を介して、処理液が第1ベローズ61内に吸引されて貯留される。
【0063】
処理液供給装置6では、ステップS212以降であって、かつ、第2ベローズ62から処理液が送出されている状態で(すなわち、第2ベローズ62の圧縮途上において)、切替バルブ691が切替制御部802によって制御され、図13に示すように、供給源配管692と第2流出入配管622とが連通される。これにより、エア供給源72と第2ポンプ部602とが連通される。エア供給源72から送出されたエアは、供給源配管692、第2流出入配管622、第2供給バルブ624および第2共通配管621を介して、第2ポンプ部602の作動ガス室654へと供給される。作動ガス室654には、上述のように、第1ポンプ部601の作動ガス室644内のエアも供給されている。これにより、第2ベローズ62の圧縮が継続され、第2ポンプ部602からの処理液の送出が継続される(ステップS213)。ステップS213では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。
【0064】
処理液供給装置6では、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧が、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧以下になると、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの流入が停止する。第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの流入停止以降も、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給は継続されており、第2ベローズ62の圧縮および第2ポンプ部602からの処理液の送出、並びに、第1ベローズ61の伸張および第1ポンプ部601による処理液の吸引は継続される。なお、第2共通配管621から第2流入配管625へのエアの逆流は、第2流入逆止バルブ626により防止されている。
【0065】
第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの流入が停止すると、切替バルブ691が切替制御部802によって制御され、図14に示すように、第1流出入配管612と排気配管693とが連通される。また、排気バルブ694が切替制御部802によって制御されて開放される。これにより、第1ポンプ部601と排気部695とが連通される。すなわち、第1ポンプ部601の接続状態が、第2ポンプ部602と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられる。
【0066】
第1ポンプ部601の作動ガス室644内のエアは、第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出逆止バルブ613、切替バルブ691、排気配管693、および、排気バルブ694を介して排気部695へと流れ、排気部695から外部(すなわち、処理液供給装置6の外部の大気中)へと排出される(ステップS214)。ステップS214では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0067】
なお、処理液供給装置6では、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧が、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧以下になるよりも前に、第1ポンプ部601の接続状態が、第2ポンプ部602と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられ、第1ポンプ部601内のエアが外部へと排出されてもよい。
【0068】
第2ポンプ部602からの処理液の送出が終了すると、切替バルブ691が切替制御部802(図4参照)によって制御され、図15に示すように、第2共通配管621、第2流出入配管622および第2流入配管625と供給源配管692との連通が閉鎖される。これにより、エア供給源72と第2ポンプ部602との連通が閉鎖され、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止される(ステップS221)。ステップS221では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。
【0069】
続いて、切替バルブ691が切替制御部802によって制御され、第2流出入配管622と第1流入配管615とが連通される。これにより、第2ポンプ部602と第1ポンプ部601とが連通される。第2ポンプ部602の作動ガス室654内のエア(すなわち、第2ベローズ62からの処理液の送出に利用されたエア)は、第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出逆止バルブ623、切替バルブ691、第1流入配管615、第1流入逆止バルブ616、および、第1共通配管611を介して、第2ポンプ部602の作動ガス室654よりも内圧が低い第1ポンプ部601の作動ガス室644内へと流入する。これにより、第1ベローズ61が圧縮され、第1ベローズ61内に貯留されている処理液の送出が開始される(ステップS222)。ステップS222では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0070】
第1ベローズ61から送出された処理液は、送出バルブユニット68(図7参照)のチェックバルブ681を介してポンプヘッド63へと送出され、送出ポート632からノズル51(図1参照)へと送出される。一方、第2ポンプ部602では、上述の第1ベローズ61の圧縮と連動して第2ベローズ62が伸張され、吸込バルブユニット67(図7参照)のチェックバルブ672を介して、処理液が第2ベローズ62内に吸引されて貯留される。
【0071】
処理液供給装置6では、ステップS222以降であって、かつ、第1ベローズ61から処理液が送出されている状態で(すなわち、第1ベローズ61の圧縮途上において)、切替バルブ691が切替制御部802によって制御され、図16に示すように、供給源配管692と第1流出入配管612とが連通される。これにより、エア供給源72と第1ポンプ部601とが連通される。エア供給源72から送出されたエアは、供給源配管692、第1流出入配管612、第1供給バルブ614および第1共通配管611を介して、第1ポンプ部601の作動ガス室644へと供給される。作動ガス室644には、上述のように、第2ポンプ部602の作動ガス室654内のエアも供給されている。これにより、第1ベローズ61の圧縮が継続され、第1ポンプ部601からの処理液の送出が継続される(ステップS223)。ステップS223では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。
【0072】
処理液供給装置6では、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧が、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧以下になると、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの流入が停止する。第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの流入停止以降も、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給は継続されており、第1ベローズ61の圧縮および第1ポンプ部601からの処理液の送出、並びに、第2ベローズ62の伸張および第2ポンプ部602による処理液の吸引は継続される。なお、第1共通配管611から第1流入配管615へのエアの逆流は、第1流入逆止バルブ616により防止されている。
【0073】
第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの流入が停止すると、切替バルブ691が切替制御部802によって制御され、図17に示すように、第2流出入配管622と排気配管693とが連通される。また、排気バルブ694が切替制御部802によって制御されて開放される。これにより、第2ポンプ部602と排気部695とが連通される。すなわち、第2ポンプ部602の接続状態が、第1ポンプ部601と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられる。
【0074】
第2ポンプ部602の作動ガス室654内のエアは、第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出逆止バルブ623、切替バルブ691、排気配管693、および、排気バルブ694を介して排気部695へと流れ、排気部695から外部(すなわち、処理液供給装置6の外部の大気中)へと排出される(ステップS224)。ステップS224では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0075】
なお、処理液供給装置6では、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧が、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧以下になるよりも前に、第2ポンプ部602の接続状態が、第1ポンプ部601と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられ、第2ポンプ部602内のエアが外部へと排出されてもよい。
【0076】
図18は、処理液供給装置6におけるエアの供給流量を模式的に示す図である。図18中のグラフの横軸は、時間経過(すなわち、上述のステップS211~S214,S221~S224)を示し、グラフの縦軸は、単位時間当たりのエアの供給流量を示す。グラフ中の線94は、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602に供給されるエアの供給流量を示し、線95は、エア供給源72から第2ポンプ部602に供給されるエアの供給流量を示す。また、グラフ中の線96は、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601に供給されるエアの供給流量を示し、線97は、エア供給源72から第1ポンプ部601に供給されるエアの供給流量を示す。なお、図18中のグラフにおける線94~97の傾きは、実際の供給流量の傾きとは必ずしも一致しない。また、線94~97は直線的に増減しているが、これには限定されない。
【0077】
図18に示すように、ステップS211~S213の間は、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へとエアが供給され、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエア供給は行われていない。また、ステップS213~S214の間は、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエア供給は行われるが、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエア供給も行われているため、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給流量は比較的少ない。そして、ステップS214~S221の間は、第2ポンプ部602へのエア供給は、エア供給源72のみから行われる。
【0078】
ステップS221~S223の間は、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へとエアが供給され、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエア供給は行われていない。また、ステップS223~S224の間は、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエア供給は行われるが、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエア供給も行われているため、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給流量は比較的少ない。そして、ステップS224~S211の間は、第1ポンプ部601へのエア供給は、エア供給源72のみから行われる。
【0079】
図19は、比較例の処理液供給装置におけるエアの供給流量を模式的に示す図である。図19中のグラフの横軸および縦軸は、図18中のグラフの横軸および縦軸と同じである。比較例の処理液供給装置では、第1ポンプ部601からの処理液の送出が終了すると、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止されるとともに、第1ポンプ部601内のエアが処理液供給装置の外部へと排出される。そして、線98にて示すように、エア供給源72から第2ポンプ部602へとエアが供給され、第2ポンプ部602からの処理液の送出が行われる。また、第2ポンプ部602からの処理液の送出が終了すると、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止されるとともに、第2ポンプ部602内のエアが処理液供給装置の外部へと排出される。そして、線99にて示すように、エア供給源72から第1ポンプ部601へとエアが供給され、第1ポンプ部601からの処理液の送出が行われる。なお、比較例の処理液供給装置では、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエア供給、および、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエア供給は行われない。
【0080】
図18および図19に示すように、本実施の形態に係る処理液供給装置6では、第1ポンプ部601において第1ベローズ61の圧縮に利用したエアを、第2ポンプ部602における第2ベローズ62の圧縮に再利用する。また、処理液供給装置6では、第2ポンプ部602において第2ベローズ62の圧縮に利用したエアを、第1ポンプ部601における第1ベローズ61の圧縮に再利用する。このため、処理液供給装置6では、上述の比較例の処理液供給装置に比べて、エア供給源72からのエアの供給流量を低減することができる。
【0081】
なお、処理液供給装置6では、ステップS213におけるエア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給は、ステップS212における第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの供給開始と略同時に開始されてもよい。ここでいう「略同時」とは、0.5秒程度の遅延を許容するタイミングである(以下同様)。処理液供給装置6では、ステップS213は、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧が、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧と略同じになり、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止するのと略同時に開始されてもよい。
【0082】
処理液供給装置6では、ステップS223におけるエア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給は、ステップS222における第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの供給開始と略同時に開始されてもよい。あるいは、ステップS223は、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧が、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧と略同じになり、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止するのと略同時に開始されてもよい。
【0083】
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる処理液供給装置6aについて説明する。図20は、処理液供給装置6aのエア供給に係る構成を示す図である。処理液供給装置6aは、上述の処理液供給装置6と同様に、基板処理システム10の基板処理装置1(図2参照)に設けられ、基板9に対して処理液を供給する。処理液供給装置6aは、配管構造およびバルブの種類等が異なる点を除き、図8に示す処理液供給装置6と略同様の構造を有する。以下の説明では、処理液供給装置6aの構成のうち、処理液供給装置6と同様の構成には同符号を付す。
【0084】
図20に示すように、処理液供給装置6aの第1流出入配管612上には、図8に示す第1流出逆止バルブ613および第1供給バルブ614(例えば、ニードルバルブ)に代えて、第1流出入バルブ617が設けられる。第1流入配管615上には、図8に示す第1流入逆止バルブ616に代えて、第1流入バルブ618が設けられる。また、第2流出入配管622上には、図8に示す第2流出逆止バルブ623および第2供給バルブ624(例えば、ニードルバルブ)に代えて、第2流出入バルブ627が設けられる。第2流入配管625上には、図8に示す第2流入逆止バルブ626に代えて、第2流入バルブ628が設けられる。
【0085】
第1流出入バルブ617、第1流入バルブ618、第2流出入バルブ627および第2流入バルブ628は、ポンプ接続切替部603に含まれ、切替制御部802(図4参照)により制御される。第1流出入バルブ617および第2流出入バルブ627は、エア供給切替部604にも含まれる。第1流出入バルブ617、第1流入バルブ618、第2流出入バルブ627および第2流入バルブ628は、例えば、切替制御部802による制御により開閉可能な電磁バルブである。
【0086】
次に、処理液供給装置6aにおける処理液送出時の詳細な動作について説明する。図21は、処理液供給装置6aの動作の流れを示すフローチャートである。図21は、上述のステップS12(図6参照)における基板9の処理中の処理液供給装置6aの動作を示す。処理液供給装置6aでは、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、第2ポンプ部602から処理液が送出される(ステップS31)。続いて、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、第1ポンプ部601から処理液が送出される(ステップS32)。そして、基板9の処理が終了するまで、ステップS31およびステップS22が交互に繰り返される(ステップS33)。これにより、処理液供給装置6aから基板9に連続的に処理液が供給される。すなわち、上述のステップS12は、ステップS31~S33を備える。なお、基板処理装置1における基板9の処理では、ステップS31とステップS32との間において、基板9の処理が終了したか否かが判断され、終了していない場合はステップS32が実行され、終了している場合は、基板処理装置1における処理動作を停止してもよい。
【0087】
図22は、上述のステップS31における処理液供給装置6aの詳細な動作の流れを示す図である。すなわち、図22に示すステップS311~S314は、ステップS31に含まれる。図23は、上述のステップS32における処理液供給装置6aの詳細な動作の流れを示す図である。すなわち、図23に示すステップS321~S324は、ステップS32に含まれる。図24ないし図29は、処理液送出中の処理液供給装置6aの様子を示す図である。図24ないし図29では、処理液の流れ、および、エアの流れを太い矢印にて示す。また、図24ないし図29では、第1流出入バルブ617、第1流入バルブ618、第2流出入バルブ627、第2流入バルブ628および排気バルブ694のうち、開放されているバルブの三角部分を黒塗りで示し、閉鎖されているバルブの三角部分を白抜きで示す。
【0088】
図24は、第1ポンプ部601からの処理液の送出が終了した直後の状態を示す。第1ポンプ部601からの処理液の送出が終了すると、切替バルブ691が切替制御部802(図4参照)によって制御され、第1共通配管611、第1流出入配管612および第1流入配管615と供給源配管692との連通が閉鎖される。これにより、エア供給源72と第1ポンプ部601との連通が閉鎖され、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止される(ステップS311)。ステップS311では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。なお、上記連通の閉鎖は、第1流出入バルブ617が切替制御部802により閉鎖されることによって行われてもよい。
【0089】
続いて、切替バルブ691、第1流出入バルブ617および第2流入バルブ628が切替制御部802によって制御され、第1流出入配管612と第2流入配管625とが連通される。第1流出入バルブ617および第2流入バルブ628は、切替制御部802によって開放される。また、第1流入バルブ618および第2流出入バルブ627は閉鎖されている。これにより、第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とが連通される。第1ポンプ部601の作動ガス室644内のエア(すなわち、第1ベローズ61からの処理液の送出に利用されたエア)は、第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617、切替バルブ691、第2流入配管625、第2流入バルブ628、および、第2共通配管621を介して、第1ポンプ部601の作動ガス室644よりも内圧が低い第2ポンプ部602の作動ガス室654内へと流入する。これにより、第2ベローズ62が圧縮され、第2ベローズ62内に貯留されている処理液の送出が開始される(ステップS312)。ステップS312では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0090】
第2ベローズ62から送出された処理液は、送出バルブユニット68(図7参照)のチェックバルブ682を介してポンプヘッド63へと送出され、送出ポート632からノズル51(図1参照)へと送出される。一方、第1ポンプ部601では、上述の第2ベローズ62の圧縮と連動して第1ベローズ61が伸張され、吸込バルブユニット67(図7参照)のチェックバルブ671を介して、処理液が第1ベローズ61内に吸引されて貯留される。
【0091】
処理液供給装置6aでは、ステップS312以降であって、かつ、第2ベローズ62から処理液が送出されている状態で(すなわち、第2ベローズ62の圧縮途上において)、切替バルブ691および第2流出入バルブ627が切替制御部802によって制御され、図25に示すように、供給源配管692と第2流出入配管622とが連通される。第2流出入バルブ627は、切替制御部802によって開放される。これにより、エア供給源72と第2ポンプ部602とが連通される。エア供給源72から送出されたエアは、供給源配管692、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627および第2共通配管621を介して、第2ポンプ部602の作動ガス室654へと供給される。作動ガス室654には、上述のように、第1ポンプ部601の作動ガス室644内のエアも供給されている。これにより、第2ベローズ62の圧縮が継続され、第2ポンプ部602からの処理液の送出が継続される(ステップS313)。ステップS313では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。
【0092】
処理液供給装置6aでは、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧が、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧以下になると、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの流入が停止する。第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの流入停止以降も、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給は継続されており、第2ベローズ62の圧縮および第2ポンプ部602からの処理液の送出、並びに、第1ベローズ61の伸張および第1ポンプ部601による処理液の吸引は継続される。
【0093】
第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの流入が停止すると、切替バルブ691および第2流入バルブ628が切替制御部802によって制御され、図26に示すように、第1流出入配管612と排気配管693とが連通される。第2流入バルブ628は、切替制御部802によって閉鎖される。また、排気バルブ694が切替制御部802によって制御されて開放される。これにより、第1ポンプ部601と排気部695とが連通される。すなわち、第1ポンプ部601の接続状態が、第2ポンプ部602と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられる。このとき、第2共通配管621から第2流入配管625へのエアの逆流は、閉鎖された第2流入バルブ628により防止されている。
【0094】
第1ポンプ部601の作動ガス室644内のエアは、第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617、切替バルブ691、排気配管693、および、排気バルブ694を介して排気部695へと流れ、排気部695から外部(すなわち、処理液供給装置6の外部の大気中)へと排出される(ステップS314)。ステップS314では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0095】
なお、処理液供給装置6aでは、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧が、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧以下になるよりも前に、第1ポンプ部601の接続状態が、第2ポンプ部602と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられ、第1ポンプ部601内のエアが外部へと排出されてもよい。
【0096】
第2ポンプ部602からの処理液の送出が終了すると、切替バルブ691が切替制御部802(図4参照)によって制御され、図27に示すように、第2共通配管621、第2流出入配管622および第2流入配管625と供給源配管692との連通が閉鎖される。これにより、エア供給源72と第2ポンプ部602との連通が閉鎖され、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止される(ステップS321)。ステップS321では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。なお、上記連通の閉鎖は、第2流出入バルブ627が切替制御部802により閉鎖されることによって行われてもよい。
【0097】
続いて、切替バルブ691、第2流出入バルブ627および第1流入バルブ618が切替制御部802によって制御され、第2流出入配管622と第1流入配管615とが連通される。第2流出入バルブ627および第1流入バルブ618は、切替制御部802によって開放される。また、第2流入バルブ628および第1流出入バルブ617は閉鎖されている。これにより、第2ポンプ部602と第1ポンプ部601とが連通される。第2ポンプ部602の作動ガス室654内のエア(すなわち、第2ベローズ62からの処理液の送出に利用されたエア)は、第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627、切替バルブ691、第1流入配管615、第1流入バルブ618、および、第1共通配管611を介して、第2ポンプ部602の作動ガス室654よりも内圧が低い第1ポンプ部601の作動ガス室644内へと流入する。これにより、第1ベローズ61が圧縮され、第1ベローズ61内に貯留されている処理液の送出が開始される(ステップS322)。ステップS322では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0098】
第1ベローズ61から送出された処理液は、送出バルブユニット68(図7参照)のチェックバルブ681を介してポンプヘッド63へと送出され、送出ポート632からノズル51(図1参照)へと送出される。一方、第2ポンプ部602では、上述の第1ベローズ61の圧縮と連動して第2ベローズ62が伸張され、吸込バルブユニット67(図7参照)のチェックバルブ672を介して、処理液が第2ベローズ62内に吸引されて貯留される。
【0099】
処理液供給装置6aでは、ステップS322以降であって、かつ、第1ベローズ61から処理液が送出されている状態で(すなわち、第1ベローズ61の圧縮途上において)、切替バルブ691および第1流出入バルブ617が切替制御部802によって制御され、図28に示すように、供給源配管692と第1流出入配管612とが連通される。第1流出入バルブ617は、切替制御部802によって開放される。これにより、エア供給源72と第1ポンプ部601とが連通される。エア供給源72から送出されたエアは、供給源配管692、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617および第1共通配管611を介して、第1ポンプ部601の作動ガス室644へと供給される。作動ガス室644には、上述のように、第2ポンプ部602の作動ガス室654内のエアも供給されている。これにより、第1ベローズ61の圧縮が継続され、第1ポンプ部601からの処理液の送出が継続される(ステップS323)。ステップS323では、切替バルブ691は、エア供給切替部604の一部として機能している。
【0100】
処理液供給装置6aでは、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧が、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧以下になると、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの流入が停止する。第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの流入停止以降も、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給は継続されており、第1ベローズ61の圧縮および第1ポンプ部601からの処理液の送出、並びに、第2ベローズ62の伸張および第2ポンプ部602による処理液の吸引は継続される。
【0101】
第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの流入が停止すると、切替バルブ691および第1流入バルブ618が切替制御部802によって制御され、図29に示すように、第2流出入配管622と排気配管693とが連通される。第1流入バルブ618は、切替制御部802によって閉鎖される。また、排気バルブ694が切替制御部802によって制御されて開放される。これにより、第2ポンプ部602と排気部695とが連通される。すなわち、第2ポンプ部602の接続状態が、第1ポンプ部601と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられる。このとき、第1共通配管611から第1流入配管615へのエアの逆流は、閉鎖された第1流入バルブ618により防止されている。
【0102】
第2ポンプ部602の作動ガス室654内のエアは、第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627、切替バルブ691、排気配管693、および、排気バルブ694を介して排気部695へと流れ、排気部695から外部(すなわち、処理液供給装置6の外部の大気中)へと排出される(ステップS324)。ステップS324では、切替バルブ691は、ポンプ接続切替部603の一部として機能している。
【0103】
なお、処理液供給装置6aでは、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧が、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧以下になるよりも前に、第2ポンプ部602の接続状態が、第1ポンプ部601と連通するポンプ連通状態から、排気部695と連通する排気状態へと切り替えられ、第2ポンプ部602内のエアが外部へと排出されてもよい。
【0104】
処理液供給装置6aでは、処理液供給装置6と同様に、第1ポンプ部601において第1ベローズ61の圧縮に利用したエアを、第2ポンプ部602における第2ベローズ62の圧縮に再利用する。また、処理液供給装置6aでは、第2ポンプ部602において第2ベローズ62の圧縮に利用したエアを、第1ポンプ部601における第1ベローズ61の圧縮に再利用する。このため、処理液供給装置6aでは、上述の比較例の処理液供給装置に比べて、エア供給源72からのエアの供給流量を低減することができる。
【0105】
なお、処理液供給装置6aでは、ステップS313におけるエア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給は、ステップS312における第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの供給開始と略同時に開始されてもよい。あるいは、ステップS313は、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧が、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧と略同じになり、第1ポンプ部601から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止するのと略同時に開始されてもよい。
【0106】
処理液供給装置6aでは、ステップS323におけるエア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給は、ステップS322における第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの供給開始と略同時に開始されてもよい。あるいは、ステップS323は、第2ポンプ部602の作動ガス室654の内圧が、第1ポンプ部601の作動ガス室644の内圧と略同じになり、第2ポンプ部602から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止するのと略同時に開始されてもよい。
【0107】
以上に説明したように、処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置6,6aは、第1ポンプ部601と、第2ポンプ部602と、エア供給切替部604と、ポンプ接続切替部603と、切替制御部802とを備える。第1ポンプ部601は、処理液の吸引および送出を交互に行う。第2ポンプ部602は、第1ポンプ部601に連動して、第1ポンプ部601による処理液の吸引時に処理液の送出を行うとともに、第1ポンプ部601による処理液の送出時に処理液の吸引を行う。エア供給切替部604は、エア供給源72の連通先を第1ポンプ部601と第2ポンプ部602との間で切り替える。ポンプ接続切替部603は、第1ポンプ部601の接続状態を、第2ポンプ部602と連通するポンプ連通状態と、排気部695と連通する排気状態との間で切り替える。また、ポンプ接続切替部603は、第2ポンプ部602の接続状態を、第1ポンプ部601と連通する上記ポンプ連通状態と、排気部695と連通する排気状態との間で切り替える。切替制御部802は、エア供給切替部604およびポンプ接続切替部603を制御する。
【0108】
処理液供給装置6,6aでは、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、エア供給切替部604によってエア供給源72と第1ポンプ部601との連通を閉鎖し、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給を停止させる。そして、ポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とを連通させ、処理液の送出に利用された第1ポンプ部601内のエアを、第1ポンプ部601よりも内圧が低い第2ポンプ部602に流入させることにより、第2ポンプ部602からの処理液の送出を開始させる。また、エア供給切替部604によってエア供給源72と第2ポンプ部602とを連通させ、エア供給源72から第2ポンプ部602へとエアを供給して第2ポンプ部602からの処理液の送出を継続させる。さらに、第2ポンプ部602からの処理液の送出継続中にポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601の接続状態を上記ポンプ連通状態から上記排気状態へと切り替える。
【0109】
処理液供給装置6,6aでは、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、エア供給切替部604によってエア供給源72と第2ポンプ部602との連通を閉鎖し、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給を停止させる。そして、ポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とを連通させ、処理液の送出に利用された第2ポンプ部602内のエアを、第2ポンプ部602よりも内圧が低い第1ポンプ部601に流入させることにより、第1ポンプ部601からの処理液の送出を開始させる。また、エア供給切替部604によってエア供給源72と第1ポンプ部601とを連通させ、エア供給源72から第1ポンプ部601へとエアを供給して第1ポンプ部601からの処理液の送出を継続させる。さらに、第1ポンプ部601からの処理液の送出継続中にポンプ接続切替部603によって第2ポンプ部602の接続状態を上記ポンプ連通状態から上記排気状態へと切り替える。
【0110】
このように、処理液供給装置6,6aでは、第1ポンプ部601および第2ポンプ部602のうち、一方のポンプ部からの処理液送出に利用した圧縮されたエアを、他方のポンプ部からの処理液送出に再利用することができる。これにより、処理液供給装置6,6aの駆動に要するエネルギーを低減することができる。その結果、基板処理装置1および基板処理システム10のランニングコストを低減することができる。
【0111】
上述のように、処理液供給装置6,6aでは、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、ポンプ接続切替部603による第1ポンプ部601と第2ポンプ部602との連通と並行して、エア供給切替部604によってエア供給源72と第2ポンプ部602とを連通させることも好ましい。これにより、第2ポンプ部602からの処理液送出を迅速に開始することができるとともに、第2ポンプ部602からの処理液送出の安定性を向上することができる。また、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、ポンプ接続切替部603による第1ポンプ部601と第2ポンプ部602との連通と並行して、エア供給切替部604によってエア供給源72と第1ポンプ部601とを連通させることも好ましい。これにより、第1ポンプ部601からの処理液送出を迅速に開始することができるとともに、第1ポンプ部601からの処理液送出の安定性を向上することができる。
【0112】
上述のように、処理液供給装置6では、ポンプ接続切替部603は、第1共通配管611と、第1流出入配管612と、第1流入配管615と、切替バルブ691と、第2共通配管621と、第2流出入配管622と、第2流入配管625と、第1流出逆止バルブ613と、第1流入逆止バルブ616と、第2流出逆止バルブ623と、第2流入逆止バルブ626と、排気配管693と、を備えることが好ましい。これにより、処理液供給装置6の構造を簡素化することができる。
【0113】
上述の第1共通配管611は、第1ポンプ部601から延びる。第1流出入配管612および第1流入配管615は、第1共通配管611の第1ポンプ部601とは反対側の端部から並列に延びる。切替バルブ691には、第1流出入配管612および第1流入配管615がそれぞれ接続される。第2共通配管621は、第2ポンプ部602から延びる。第2流出入配管622および第2流入配管625は、第2共通配管621の第2ポンプ部602とは反対側の端部から並列に延びるとともに、切替バルブ691にそれぞれ接続される。第1流出逆止バルブ613は、第1流出入配管612上に配置されて第1共通配管611から切替バルブ691へと向かう流れのみを通過させる。第1流入逆止バルブ616は、第1流入配管615上に配置されて切替バルブ691から第1共通配管611へと向かう流れのみを通過させる。第2流出逆止バルブ623は、第2流出入配管622上に配置されて第2共通配管621から切替バルブ691へと向かう流れのみを通過させる。第2流入逆止バルブ626は、第2流入配管625上に配置されて切替バルブ691から第2共通配管621へと向かう流れのみを通過させる。排気配管693は、切替バルブ691と排気部695とを接続する。
【0114】
また、エア供給切替部604は、切替バルブ691、第1流出入配管612、第1共通配管611、第2流出入配管622および第2共通配管621を、ポンプ接続切替部603と共有することが好ましい。さらに、エア供給切替部604は、供給源配管692と、第1供給バルブ614と、第2供給バルブ624とをさらに備えることが好ましい。供給源配管692は、切替バルブ691とエア供給源72とを接続する。第1供給バルブ614は、第1流出入配管612上において第1流出逆止バルブ613と並列に配置される。第2供給バルブ624は、第2流出入配管622上において第2流出逆止バルブ623と並列に配置される。
【0115】
好ましくは、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、供給源配管692と第1共通配管611との連通が閉鎖されることにより、エア供給源72と第1ポンプ部601との連通が閉鎖され、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止される。また、切替バルブ691によって第1流出入配管612と第2流入配管625とが連通されることにより、第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とが第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出逆止バルブ613、第2流入配管625、第2流入逆止バルブ626および第2共通配管621を介して連通し、第1ポンプ部601内のエアが第1ポンプ部601よりも内圧が低い第2ポンプ部602に流入する。そして、切替バルブ691によって供給源配管692と第2流出入配管622とが連通されることにより、エア供給源72と第2ポンプ部602とが供給源配管692、第2流出入配管622、第2供給バルブ624および第2共通配管621を介して連通し、エア供給源72から第2ポンプ部602へとエアが供給される。さらに、切替バルブ691によって第1流出入配管612と排気配管693とが連通されることにより、第1ポンプ部601と排気部695とが第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出逆止バルブ613および排気配管693を介して連通し、第1ポンプ部601内のエアが排気部695から外部へと排出される。
【0116】
好ましくは、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、供給源配管692と第2共通配管621との連通が閉鎖されることにより、エア供給源72と第2ポンプ部602との連通が閉鎖され、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止される。また、切替バルブ691によって第2流出入配管622と第1流入配管615とが連通されることにより、第2ポンプ部602と第1ポンプ部601とが第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出逆止バルブ623、第1流入配管615、第1流入逆止バルブ616および第1共通配管611を介して連通し、第2ポンプ部602内のエアが第2ポンプ部602よりも内圧が低い第1ポンプ部601に流入する。そして、切替バルブ691によって供給源配管692と第1流出入配管612とが連通されることにより、エア供給源72と第1ポンプ部601とが供給源配管692、第1流出入配管612、第1供給バルブ614および第1共通配管611を介して連通し、エア供給源72から第1ポンプ部601へとエアが供給される。さらに、切替バルブ691によって第2流出入配管622と排気配管693とが連通されることにより、第2ポンプ部602と排気部695とが第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出逆止バルブ623および排気配管693を介して連通し、第2ポンプ部602内のエアが排気部695から外部へと排出される。
【0117】
上述のように、処理液供給装置6aでは、ポンプ接続切替部603は、第1共通配管611と、第1流出入配管612と、第1流入配管615と、切替バルブ691と、第2共通配管621と、第2流出入配管622と、第2流入配管625と、第1流出入バルブ617と、第1流入バルブ618と、第2流出入バルブ627と、第2流入バルブ628と、排気配管693とを備えることが好ましい。これにより、処理液供給装置6aの構造を簡素化することができる。
【0118】
上述の第1共通配管611は、第1ポンプ部601から延びる。第1流出入配管612および第1流入配管615は、第1共通配管611の第1ポンプ部601とは反対側の端部から並列に延びる。切替バルブ691には、第1流出入配管612および第1流入配管615がそれぞれ接続される。第2共通配管621は、第2ポンプ部602から延びる。第2流出入配管622および第2流入配管625は、第2共通配管621の第2ポンプ部602とは反対側の端部から並列に延びるとともに、切替バルブ691にそれぞれ接続される。第1流出入バルブ617は、第1流出入配管612上に配置される。第1流入バルブ618は、第1流入配管615上に配置される。第2流出入バルブ627は、第2流出入配管622上に配置される。第2流入バルブ628は、第2流入配管625上に配置される。排気配管693は、切替バルブ691と排気部695とを接続する。
【0119】
また、エア供給切替部604は、切替バルブ691、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617、第1共通配管611、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627および第2共通配管621を、ポンプ接続切替部603と共有することが好ましい。さらに、エア供給切替部604は、切替バルブ691とエア供給源72とを接続する供給源配管692をさらに備えることが好ましい。
【0120】
好ましくは、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、供給源配管692と第1流出入配管612との連通が閉鎖されることにより、エア供給源72と第1ポンプ部601との連通が閉鎖され、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給が停止される。そして、切替バルブ691によって第1流出入配管612と第2流入配管625とが連通されることにより、第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とが第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617、第2流入配管625、第2流入バルブ628および第2共通配管621を介して連通し、第1ポンプ部601内のエアが第1ポンプ部601よりも内圧が低い第2ポンプ部602に流入する。また、切替バルブ691によって供給源配管692と第2流出入配管622とが連通されることにより、エア供給源72と第2ポンプ部602とが供給源配管692、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627および第2共通配管621を介して連通し、エア供給源72から第2ポンプ部602へとエアが供給される。さらに、切替バルブ691によって第1流出入配管612と排気配管693とが連通されることにより、第1ポンプ部601と排気部695とが第1共通配管611、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617および排気配管693を介して連通し、第1ポンプ部601内のエアが排気部695を介して排出される。
【0121】
好ましくは、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、供給源配管692と第2流出入配管622との連通が閉鎖されることにより、エア供給源72と第2ポンプ部602との連通が閉鎖され、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給が停止される。そして、切替バルブ691によって第2流出入配管622と第1流入配管615とが連通されることにより、第2ポンプ部602と第1ポンプ部601とが第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627、第1流入配管615、第1流入バルブ618および第1共通配管611を介して連通し、第2ポンプ部602部内のエアが第2ポンプ部602よりも内圧が低い第1ポンプ部601に流入する。また、切替バルブ691によって供給源配管692と第1流出入配管612とが連通されることにより、エア供給源72と第1ポンプ部601とが供給源配管692、第1流出入配管612、第1流出入バルブ617および第1共通配管611を介して連通し、エア供給源72から第1ポンプ部601へとエアが供給される。さらに、切替バルブ691によって第2流出入配管622と排気配管693とが連通されることにより、第2ポンプ部602と排気部695とが第2共通配管621、第2流出入配管622、第2流出入バルブ627および排気配管693を介して連通し、第2ポンプ部602内のエアが排気部695を介して排出される。
【0122】
上述のように、基板処理装置1は、基板9を保持する基板保持部31と、基板9に処理液を供給する上述の処理液供給装置6または処理液供給装置6aと、を備えることが好ましい。これにより、基板処理装置1において、基板9への処理液供給に要するエネルギーを低減することができる。
【0123】
上述の基板処理方法は、基板9を保持する工程(ステップS11)と、処理液を連続的に送出するエア駆動の処理液供給装置6,6aから基板9に処理液を供給する工程(ステップS12)と、を備える。処理液供給装置6,6aは、第1ポンプ部601と、第2ポンプ部602と、エア供給切替部604と、ポンプ接続切替部603とを備える。第1ポンプ部601は、処理液の吸引および送出を交互に行う。第2ポンプ部602は、第1ポンプ部601に連動して、第1ポンプ部601による処理液の吸引時に処理液の送出を行うとともに、第1ポンプ部601による処理液の送出時に処理液の吸引を行う。エア供給切替部604は、エア供給源72の連通先を第1ポンプ部601と第2ポンプ部602との間で切り替える。ポンプ接続切替部603は、第1ポンプ部601の接続状態を、第2ポンプ部602と連通するポンプ連通状態と、排気部695と連通する排気状態との間で切り替える。また、ポンプ接続切替部603は、第2ポンプ部602の接続状態を、第1ポンプ部601と連通する上記ポンプ連通状態と、排気部695と連通する排気状態との間で切り替える。
【0124】
上記ステップS12は、第1ポンプ部601からの処理液の送出終了後、第2ポンプ部602から処理液を送出する工程(ステップS21,S31)と、第2ポンプ部602からの処理液の送出終了後、第1ポンプ部601から処理液を送出する工程(ステップS22,S32)と、ステップS21,S31およびステップS22,S32を交互に繰り返す工程(ステップS23,S33)と、を備える。
【0125】
上記ステップS21,S31は、エア供給切替部604によってエア供給源72と第1ポンプ部601との連通を閉鎖し、エア供給源72から第1ポンプ部601へのエアの供給を停止する工程(ステップS211,S311)と、ステップS211,S311よりも後に、ポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とを連通させ、処理液の送出に利用された第1ポンプ部601内のエアを、第1ポンプ部601よりも内圧が低い第2ポンプ部602に流入させることにより、第2ポンプ部602からの処理液の送出を開始させる工程(ステップS212,S312)と、エア供給切替部604によってエア供給源72と第2ポンプ部602とを連通させ、エア供給源72から第2ポンプ部602へとエアを供給して第2ポンプ部602からの処理液の送出を継続させる工程(ステップS213,S313)と、ステップS212,S312よりも後に、ステップS213,S313と並行して、ポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601の接続状態をポンプ連通状態から排気状態へと切り替える工程(ステップS214,S314)と、を備える。
【0126】
上記ステップS22,S32は、エア供給切替部604によってエア供給源72と第2ポンプ部602との連通を閉鎖し、エア供給源72から第2ポンプ部602へのエアの供給を停止する工程(ステップS221,S321)と、ステップS221,S321よりも後に、ポンプ接続切替部603によって第1ポンプ部601と第2ポンプ部602とを連通させ、処理液の送出に利用された第2ポンプ部602内のエアを、第2ポンプ部602よりも内圧が低い第1ポンプ部601に流入させることにより、第1ポンプ部601からの処理液の送出を開始させる工程(ステップS222,S322)と、エア供給切替部604によってエア供給源72と第1ポンプ部601とを連通させ、エア供給源72から第1ポンプ部601へとエアを供給して第1ポンプ部601からの処理液の送出を継続させる工程(ステップS223,S323)と、ステップS222,S322よりも後に、ステップS223,S323と並行して、ポンプ接続切替部603によって第2ポンプ部602の接続状態をポンプ連通状態から排気状態へと切り替える工程(ステップS224,S324)と、を備える。
【0127】
当該基板処理方法では、第1ポンプ部601および第2ポンプ部602のうち、一方のポンプ部からの処理液送出に利用した圧縮されたエアを、他方のポンプ部からの処理液送出に再利用することができる。これにより、基板9への処理液供給に要するエネルギーを低減することができる。その結果、基板処理に係るランニングコストを低減することができる。
【0128】
上述のように、ステップS213,S313におけるエア供給源72と第2ポンプ部602との連通は、ステップS212,S312と同時に開始されることも好ましい。これにより、第2ポンプ部602からの処理液送出を迅速に開始することができるとともに、第2ポンプ部602からの処理液送出の安定性を向上することができる。また、ステップS223,S323におけるエア供給源72と第1ポンプ部601との連通は、ステップS222,S322と同時に開始されることも好ましい。これにより、第1ポンプ部601からの処理液送出を迅速に開始することができるとともに、第1ポンプ部601からの処理液送出の安定性を向上することができる。
【0129】
上述の処理液供給装置6,6a、基板処理装置1および基板処理方法では、様々な変更が可能である。
【0130】
例えば、処理液供給装置6,6aでは、配管構造およびバルブの種類等は上記例には限定されず、様々に変更されてよい。例えば、処理液供給装置6の第1供給バルブ614および第2供給バルブ624は、設定流量の遠隔操作が可能なモーターニードルバルブであってもよい。
【0131】
処理液供給装置6,6aは、必ずしもベローズポンプである必要はなく、他の種類のポンプ(例えば、ダイヤフラムポンプ)であってもよい。
【0132】
基板処理装置1では、処理液供給装置6,6aから送出された処理液は、必ずしも基板9の上面91に供給される必要はなく、例えば、基板9の下面、または、基板9の上下両面に供給されてもよい。
【0133】
処理液供給装置6,6aは、必ずしも枚葉式の基板処理装置1に設けられる必要はなく、複数の基板9に対してバッチ処理を行う基板処理装置に設けられてもよい。
【0134】
処理液供給装置6,6aは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の平面表示装置(Flat Panel Display)に使用されるガラス基板、あるいは、他の表示装置に使用されるガラス基板の処理を行う基板処理装置にて利用されてもよい。また、処理液供給装置6,6aは、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板等の処理を行う基板処理装置にて利用されてもよい。あるいは、処理液供給装置6,6aは、基板処理装置以外の装置にて利用されてもよい。
【0135】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0136】
1 基板処理装置
6,6a 処理液供給装置
9 基板
31 基板保持部
72 エア供給源
601 第1ポンプ部
602 第2ポンプ部
603 ポンプ接続切替部
604 エア供給切替部
611 第1共通配管
612 第1流出入配管
613 第1流出逆止バルブ
614 第1供給バルブ
615 第1流入配管
616 第1流入逆止バルブ
617 第1流出入バルブ
618 第1流入バルブ
621 第2共通配管
622 第2流出入配管
623 第2流出逆止バルブ
624 第2供給バルブ
625 第2流入配管
626 第2流入逆止バルブ
627 第2流出入バルブ
628 第2流入バルブ
691 切替バルブ
692 供給源配管
693 排気配管
695 排気部
802 切替制御部
S11~S12,S21~S23,S31~S33,S211~S214,S221~S224,S311~S314,S321~S324 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29