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特開2023-140549揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具
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  • 特開-揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140549
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 17/02 20060101AFI20230928BHJP
   A44C 25/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A44C17/02
A44C25/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046440
(22)【出願日】2022-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】599164721
【氏名又は名称】風間 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151390
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 淨宗
(72)【発明者】
【氏名】風間 哲夫
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA21
3B114BD13
3B114BF03
(57)【要約】
【課題】 装飾部が揺動する揺動装身具において該装飾部を揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具につき、該装飾部が揺動する方向を一定に保つとともに、簡便な構造をもって該装飾部を十分に揺動させられる吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を提供する。
【解決手段】 揺動装身具用吊り下げ具1は、相互に連結されている第一の吊り下げ部材2と第二の吊り下げ部材3とからなる。第一の吊り下げ部材2は、第二の吊り下げ部材3を第一の挟持部2aと第二の挟持部2bとで挟持することにより第二の吊り下げ部材3と連結する挟持連結部2cを備えており、第一の挟持部2aと第二の挟持部2bとは角張った屈曲部2dを介して連接している。第二の吊り下げ部材3は、その内部に挟持連結部2cが挿通され、その内周面が挟持連結部2cの内周面に当接している。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾性を発揮する装飾部が揺動する揺動装身具において該装飾部を揺動可能に吊り下げるための吊り下げ具であって、該装飾部と着用者の身体に該揺動装身具を装着するための装着部とを連結するための吊り下げ具であって、第一の吊り下げ部材と第二の吊り下げ部材とから構成されており、該第一の吊り下げ部材における内周面と該第二の吊り下げ部材の内周面とが接するようにして、該第一の吊り下げ部材と該第二の吊り下げ部材とが連結されており、該第一の吊り下げ部材は、該第二の吊り下げ部材を第一の挟持部と第二の挟持部とで挟持することにより該第二の吊り下げ部材と連結する挟持連結部を備えており、該第一の挟持部と該第二の挟持部とは角張った屈曲部を介して連接しており、該第二の吊り下げ部材は、その内部に該挟持連結部が挿通され、その内周面が該挟持連結部の内周面に当接していることを特徴とする揺動装身具用吊り下げ具。
【請求項2】
請求項1に記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、前記屈曲部が前記揺動装身具の側面視略V字状であって、これが一箇所設けられていることを特徴とする揺動装身具用吊り下げ具。
【請求項3】
請求項2に記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、前記屈曲部において前記第一の挟持部が前記第二の挟持部よりも緩やかな角度で屈曲していることを特徴とする揺動装身具用吊り下げ具。
【請求項4】
請求項1に記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、前記屈曲部が前記揺動装身具の側面視略L字状であって、向き合うようにして二箇所設けられていることを特徴とする揺動装身具用吊り下げ具。
【請求項5】
請求項1から4までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、前記第二の吊り下げ部材には、前記第一の吊り下げ部材が該第二の吊り下げ部材と当接する箇所と係合する係合部が設けられていることを特徴とする揺動装身具用吊り下げ具。
【請求項6】
請求項1から4までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、前記第二の吊り下げ部材には、前記第一の吊り下げ部材が該第二の吊り下げ部材と当接する箇所に切り欠きが設けられていることを特徴とする揺動装身具用吊り下げ具。
【請求項7】
請求項1から6までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具によって、前記装飾部と前記装着部とを連結したことを特徴とする揺動装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、宝石等の各種の装飾体をはじめとする装飾部が揺動することで装飾性を高める装身具において該装飾部を揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の装飾体を着用者の身体にこれを装着するための装着具に揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具が提案されてきた。即ち、このような揺動装身具用吊り下げ具に装飾体を吊り下げることにより、着用者が身体を動かすこと等により該装飾体が揺動し、該装飾体に係る光の反射の具合が変化してその輝きが変化したり増大したりする等して、該装身具の装飾性を増大させることができるのである。
【0003】
このような揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具としては、次のような物が提案されている。即ち、人体や衣類に支持される吊り環、又は揺動体に取付けた垂下リングの少なくとも片方の鎖交部を断面板状とし、この板状の部分の相手側と鎖交接触する部位を断面凸円弧状に尖らしたことを特徴とする揺動式装身具(例えば、下記の特許文献1を参照。)が提供されている。また、下端部に周方向の円弧部を有する上部環と、上部環と鎖交する下部環であって、上部環の円弧部に揺動可能に支持される下部環とを備え、前記上部環の円弧部の内周面に前記下部環の上端部の内周面が環幅方向の両側で支持されるとともに、前記上部環の円弧部の内周面には環幅方向に曲面部が形成され、この曲面部に前記下部環の環幅方向の両側の内周面が点接触する環支持構造(例えば、下記の特許文献2を参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-58371号公報
【特許文献2】特許第6422605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術に係る揺動装身具用吊り下げ具ないし揺動装身具は、装飾体が揺動する方向が一定に定まらずあらゆる方向に揺動してしまうため、必ずしも着用者が意図したような装飾的効果を得ることができず、該装身具の装飾性を増大させることができない場合があった。そこで、本願発明が解決しようとする第1の課題は、装飾体が揺動する揺動装身具において該装飾体を揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具につき、該装飾体が揺動する方向を一定に保てるようにすることにある。
【0006】
また、上記の従来技術に係る揺動装身具用吊り下げ具ないし揺動装身具は、支持部側に取り付いている吊り下げ部材と装飾体側に取り付いている吊り下げ部材とが相互に接する面積が広いと比較的大きな摩擦が生じてしまい、装飾体が揺動し難いという問題があった。そこで、一方の吊り下げ部材を板状部材とし、他方の吊り下げ部材を断面視凸円弧状に先鋭に加工するといった提案がなされている(例えば、上記の特許文献1を参照。)。しかしながら、そのような加工を施すことは煩雑であり、また、該揺動装身具用吊り下げ具が微細な物であるといった場合にはそのような加工を施すことが困難であった。そこで、本願発明が解決しようとする第2の課題は、装飾体が揺動する揺動装身具において該装飾体を揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具につき、簡便な構造をもって該装飾体を十分に揺動させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、上記の各課題を解決するために提案されたものであり、以下の構成を有するものである。以下では、本願発明の構成を理解するのを補助するため、本願に添付した図面に表示した番号及び符号をあわせて記載する。
【0008】
請求項1に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、装飾性を発揮する装飾部(B)が揺動する揺動装身具(A)において装飾部(B)を揺動可能に吊り下げるための吊り下げ具であって、装飾部(B)と着用者の身体に揺動装身具(A)を装着するための装着部(C)とを連結するための吊り下げ具である。揺動装身具用吊り下げ具(1)は、第一の吊り下げ部材(2)と第二の吊り下げ部材(3)とから構成されており、第一の吊り下げ部材(2)における内周面と第二の吊り下げ部材(3)の内周面とが接するようにして、第一の吊り下げ部材(2)と第二の吊り下げ部材(3)とが連結されている。第一の吊り下げ部材(2)は、第二の吊り下げ部材(3)を第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで挟持することにより第二の吊り下げ部材(3)と連結する挟持連結部(2c)を備えており、第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とは角張った屈曲部(2d)を介して連接している。第二の吊り下げ部材(3)は、その内部に挟持連結部(2c)が挿通され、その内周面が挟持連結部(2c)の内周面に当接している。
【0009】
請求項2に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、請求項1に記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、屈曲部(2d)が揺動装身具(A)の側面視略V字状であって、これが一箇所設けられている。
【0010】
請求項3に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、請求項2に記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、屈曲部(2d)において第一の挟持部(2a)が第二の挟持部(2b)よりも緩やかな角度で屈曲している。
【0011】
請求項4に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、請求項1に記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、屈曲部(2d)が揺動装身具(A)の側面視略L字状であって、向き合うようにして二箇所設けられている。
【0012】
請求項5に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、請求項1から4までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、第二の吊り下げ部材(3)には、第一の吊り下げ部材(2)が第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所と係合する係合部(3a)が設けられている。
【0013】
請求項6に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、請求項1から4までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具であって、第二の吊り下げ部材(3)には、第一の吊り下げ部材(2)が第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所に切り欠き(3b)が設けられている。
【0014】
請求項7に係る揺動装身具(A)は、請求項1から6までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具(1)によって、装飾部(B)と装着部(C)とを連結した揺動装身具である。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る揺動装身具用吊下げ具(1)及びこれを用いた揺動装身具(A)は、上記の通りの構成であるから、以下のような効果を奏することができる。
【0016】
まず、請求項1に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、角張った屈曲部(2d)を介して連接している第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで第二の吊り下げ部材(3)を挟持するものである。そうすると、第二の吊り下げ部材(3)は、第一の吊り下げ部材(2)によって挟持されている方向に摺動したり揺動したりするのを防止できる。従って、本願発明に係る揺動装身具用吊り下げ具は、装飾部が揺動する揺動装身具において該装飾部を揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具につき、該装飾部が揺動する方向を一定に保てるようにするという本願発明が解決しようとする第1の課題を解決することができる。
【0017】
また、請求項1に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、第二の吊り下げ部材(3)の内周面が挟持連結部(2c)の内周面に接するように第二の吊り下げ部材(3)の内部に挟持連結部(2c)を挿通して第一の吊り下げ部材(2)と第二の吊り下げ部材(3)とを連結するという簡便な構造でありながら、第二の吊り下げ部材(3)は第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで挟持されているだけで、装飾部(B)を十分に揺動させることができる。従って、本願発明に係る揺動装身具用吊り下げ具は、装飾体が揺動する揺動装身具において該装飾体を揺動可能に吊り下げるための揺動装身具用吊り下げ具につき、簡便な構造をもって該装飾体を十分に揺動させるという本願発明が解決しようとする第2の課題を解決することができる。
【0018】
請求項2に係る揺動装身具用吊下げ具(1)は、屈曲部(2d)が揺動装身具(A)の側面視略V字状であって一箇所設けられているところ、第二の吊り下げ部材(3)を第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで比較的強固に挟持することができる。そうすると、第二の吊り下げ部材(3)が第一の吊り下げ部材(2)によって挟持されている方向に摺動したり揺動したりするのを一層防止することができ、好適である。
【0019】
請求項3に係る揺動装身具用吊下げ具(1)は、屈曲部(2d)において第一の挟持部(2a)が第二の挟持部(2b)よりも緩やかな角度で屈曲しているところ、第二の吊り下げ部材(3)を第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで過度に強固に挟持しないようにすることができる。そうすると、特に着用者が揺動装身具(A)を着用した際に、揺動装身具(A)が着用者の身体に沿って傾倒した際も、装飾体の揺動に支障を生ずることがなく、好適である。
【0020】
請求項4に係る揺動装身具用吊下げ具(1)は、屈曲部(2d)として揺動装身具(A)の側面視略L字状の部位が向き合うようにして二箇所設けているところ、第二の吊り下げ部材(3)の内周面が挟持連結部(2c)の内周面に接する面積を広く確保することができるため、装飾部(B)が揺動する際に第一の吊り下げ部材(2)との間での摩擦が大きくなる。そうすると、第二の吊り下げ部材(3)が第一の吊り下げ部材(2)によって挟持されている方向に摺動したり揺動したりするのを一層防止することができ、好適である。
【0021】
請求項5に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、第二の吊り下げ部材(3)には、第一の吊り下げ部材(2)が第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所と係合する係合部(3a)が設けられているところ、当該箇所が係合部(3a)から脱出するのを防ぐことができる。そうすると、揺動装身具用吊り下げ具(1)は所定の方向に装飾部(B)を揺動させることができ、好適である。
【0022】
請求項6に係る揺動装身具用吊り下げ具は、第二の吊り下げ部材(3)において第一の吊り下げ部材(2)が第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所に切り欠き(3b)が設けられているところ、当該箇所が切り欠き(3b)から脱出するのを防ぐことができる。そうすると、揺動装身具用吊り下げ具(1)は所定の方向に装飾部(B)を揺動させることができ、好適である。
【0023】
請求項7に係る揺動装身具(A)は、請求項1から6までの何れかに記載した揺動装身具用吊り下げ具(1)によって、装飾部(B)と装着部(C)とを連結した揺動装身具(A)であるから、着用者が身体を動かすこと等により装飾部(B)が着用者の意図するような一定の方向に揺動し、装飾部(B)に係る光の反射の具合が変化してその輝きが変化したり増大したりする等して、装揺動装身具(A)の装飾性を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願発明の第一実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した正面図である。
図2】本願発明の第一実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した側面図である。
図3図2の一部断面図である。
図4図1ないし3に示した本願発明の第一実施形態とは別の態様に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した側面図である。
図5図1ないし3に示した本願発明の第一実施形態とは別の態様に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した正面図である。
図6図1ないし3に示した本願発明の第一実施形態とは別の態様に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した正面図である。
図7】本願発明の第二実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した正面図である。
図8】本願発明の第二実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具及びこれを用いた揺動装身具を示した側面図である。
図9図8の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本願発明の第一実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)及びこれを用いた揺動装身具(A)につき、添付図面に基づいて説明する。
【0026】
本願発明の第一実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)は、図1ないし3に図示するように、装飾性を発揮する装飾部(B)が揺動する揺動装身具(A)において装飾部(B)を揺動可能に吊り下げるための吊り下げ具であって、装飾部(B)と着用者の身体に揺動装身具(A)を装着するための装着部(C)とを連結するための吊り下げ具である。即ち、揺動装身具用吊り下げ具(1)は、第一の吊り下げ部材(2)と第二の吊り下げ部材(3)とから構成されており、第一の吊り下げ部材(2)における内周面と第二の吊り下げ部材(3)の内周面とが接するようにして、第一の吊り下げ部材(2)と第二の吊り下げ部材(3)とが連結されている。
【0027】
第一の吊り下げ部材(2)は、図1ないし3に図示するように、第二の吊り下げ部材(3)を第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで挟持することにより第二の吊り下げ部材(3)と連結する挟持連結部(2c)を備えており、第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とは角張った屈曲部(2d)を介して連接している。第一の吊り下げ部材(2)は、金属製の長尺な部材を折り曲げる等の所要の加工を行って形成することができるが、特にその素材や加工手段は限定されない。そうすると、揺動装身具用吊り下げ具(1)は、角張った屈曲部(2d)を介して連接している第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで第二の吊り下げ部材(3)を挟持するものであるから、第二の吊り下げ部材(3)が第一の吊り下げ部材(2)によって挟持されている方向に摺動したり揺動したりするのを防止できるため、装飾部(B)が揺動する方向を一定に保てるのである。
【0028】
揺動装身具用吊り下げ具(1)は、第二の吊り下げ部材(3)の内周面が挟持連結部(2c)の内周面に接するように第二の吊り下げ部材(3)の内部に挟持連結部(2c)を挿通して第一の吊り下げ部材(2)と第二の吊り下げ部材(3)とを連結するという簡便な構造でありながら、第二の吊り下げ部材(3)は第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで挟持されているだけで装飾部(B)を十分に揺動させることができるのである。
【0029】
第一の吊り下げ部材(2)は、屈曲部(2d)が揺動装身具(A)の側面視略V字状であって、これが一箇所設けられている。そうすると、第二の吊り下げ部材(3)を第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで比較的強固に挟持することができるため、第二の吊り下げ部材(3)が第一の吊り下げ部材(2)によって挟持されている方向に摺動したり揺動したりするのを一層防止することができ、好適である。
【0030】
尚、図1ないし3では、屈曲部(2d)が一箇所設けられているが、図4に図示するように、これが二箇所以上設けられていてもよい。即ち、屈曲部(2d)の間に平坦な箇所を設けることにより、屈曲部(2d)が対向する第二の吊り下げ部材(3)の内周面に接して揺動が阻害されるのを防止することができ、好適である。第一の吊り下げ部材(2)は、屈曲部(2d)において第一の挟持部(2a)が第二の挟持部(2b)よりも緩やかな角度で屈曲している。そうすると、第二の吊り下げ部材(3)を第一の挟持部(2a)と第二の挟持部(2b)とで過度に強固に挟持しないようにすることができるため、特に着用者が揺動装身具(A)を着用したときに、揺動装身具(A)が着用者の身体に沿って傾倒した際も、装飾部(B)の揺動に支障を生ずることがなく、好適である。
【0031】
第二の吊り下げ部材(3)は、図1ないし3に図示するように、その内部に挟持連結部(2c)が挿通され、その内周面が挟持連結部(2c)の内周面に当接している。第二の吊り下げ部材(3)は、金属製の長尺部材をリング状に形成したり、金属製の平板部材を湾曲させて筒状に形成したり切削したり鋳造したりする等の所要の加工を行って形成することができるが、特にその素材や加工手段は限定されない。また、第二の吊り下げ部材(3)は、その幅が広い方が所望の方向に装飾部(B)を揺動させやすいが、特にその形状は限定されない。そして、第二の吊り下げ部材(3)は、図1ないし3に図示するように、これを単独で用いることもできるが、これを複数個隣接させて用いることもでき、特にその個数も限定されない。
【0032】
第二の吊り下げ部材(3)には、第一の吊り下げ部材(2)が第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所と係合する係合部(3a)が設けられている。例えば、第二の吊り下げ部材(3)を円筒形の部材で形成する場合、その一部を外方に突出させるとともに、外方に向って窄ませることにより、係合部(3a)を形成することができる。あるいは、第二の吊り下げ部材(3)を円筒状の部材によって形成し、その内周面において第一の吊り下げ部材(2)と接する箇所に正面視弓状の凹部を設けて係合部(3a)を形成したり、その内周面において第一の吊り下げ部材(2)と接する箇所の両側を平面に形成してその間を係合部(3a)として形成したりすることもできる。そうすると、第一の吊り下げ部材(2)において第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所が係合部(3a)から脱出するのを防ぐことができるため、揺動装身具用吊り下げ具(1)は所定の方向に装飾部(B)を揺動させることができ、好適である。
【0033】
図1ないし3に図示するように、装飾部(B)は、揺動装身具(1)の装飾性を発揮するための部材であって、宝石やメダルといった各種の装飾性のある装飾体を用いることができる。尚、図1ないし3では、第二の吊り下げ部材(3)と装飾部(B)とを別体の物として形成し、これらを結合しているが、図5に図示するように、第二の吊り下げ部材(3)を同心円状に2つ配置することで装飾性を備えさせて第二の吊り下げ部材(3)と装飾部(B)とを一体的な物として形成することもできる。
【0034】
また、装着部(C)は、着用者が揺動装身具(1)を着用した際に、装飾部(B)が着用者の身体等に接触すると揺動に支障が生じるため、装飾部(B)を着用者の身体から引き離すための腕部を設け、その前方に揺動装身具用吊り下げ具(1)を介して装飾部(B)を吊り下げるのが好適である。更に、揺動装身具(1)をネックレスとして提供する場合には、装着部(C)に孔部を設け、そこにチェーン(D)を挿通させて、着用者がその首に揺動装身具(1)を掛けられるようにしてもよい。尚、装着部(C)は、着用者の身体に接する箇所につき、上方から下方に向かって着用者の身体側から装飾部(B)側へと傾斜するような形状にすると、特に揺動装身具(1)をネックレスとして提供する場合には、装飾部(B)を垂直方向に安定的に支持することができ、好適である。もっとも、図では装着部(C)と第1の吊り下げ部材(2)とは別体のものとして示されているが、両者を一体的な物として形成し、吊り下げ部材(2)に装着部(C)を兼ねさせることも可能である。
【0035】
前記のような揺動装身具用吊り下げ具(1)によって装飾部(B)と装着部(C)とを連結した揺動装身具(A)であれば、着用者が身体を動かすこと等により装飾部(B)が着用者の意図するような一定の方向に揺動し、装飾部(B)に係る光の反射の具合が変化してその輝きが変化したり増大したりする等して、揺動装身具(A)の装飾性を増大させることができる。尚、図1ないし3では、第一の吊り下げ部材(2)に装着部(C)が取り付けられており、第二の吊り下げ部材(3)に装飾部(B)が取り付けられているが、これとは反対に第一の吊り下げ部材(2)に装飾部(B)を取り付け、第二の吊り下げ部材(3)に装着部(C)を取り付けてもよい。更に、揺動装身具用吊り下げ具(1)は、装飾部(B)と装着部(C)とを単独で連結してもよいが、図6に図示するように、装飾部(B)の正面両側と正円状の枠体からなる装着部(C)の内側とをそれぞれ連結するといったように、これらを複数で連結してもよく、その個数は特に限定されない。複数の揺動装身具用吊り下げ具(1)で装飾部(B)と装着部(C)とを連結すると、より安定的に装飾部(B)を揺動させることができ、好適である。
【0036】
以上が、本願発明の第一実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)及びこれを用いた揺動装身具(A)についての説明である。以下に、本願発明の第二実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)及びこれを用いた揺動装身具(A)について添付図面に基づいて説明する。尚、本願発明の第二実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)及びこれを用いた揺動装身具(A)は、下記の事項以外、前記の第一実施形態に係る揺動装身具用吊り下げ具(1)及びこれを用いた揺動装身具(A)と同一である。
【0037】
第一の吊り下げ部材(1)は、図7ないし9に図示するように、屈曲部(2d)が揺動装身具(A)の側面視略L字状であって、向き合うようにして二箇所設けられている。そうすると、第二の吊り下げ部材(3)の内周面が挟持連結部(2c)の内周面に接する面積を広く確保することができるため、装飾部(B)が揺動する際に第一の吊り下げ部材(1)との間での摩擦が大きくなる。従って、第二の吊り下げ部材(2)が第一の吊り下げ部材(1)によって挟持されている方向に摺動したり揺動したりするのを一層防止することができ、好適である。
【0038】
第二の吊り下げ部材(3)は、図7ないし9に図示するように、第一の吊り下げ部材(2)が第二の吊り下げ部材(3)と当接する箇所に切り欠き(3b)が設けられている。そうすると、当該箇所が切り欠き(3b)から脱出するのを防ぐことができるため、揺動装身具用吊下げ具(1)は所定の方向に装飾部(B)を揺動させることができ、好適である。
【符号の説明】
【0039】
1 揺動装身具用吊り下げ具
2 第一の吊り下げ部材
2a 第一の挟持部
2b 第二の挟持部
2c 挟持連結部
2d 屈曲部
3 第二の吊り下げ部材
3a 係合部
3b 切り欠き
A 揺動装身具
B 装飾部
C 装着部
D チェーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9