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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140560
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ベルトサンダ
(51)【国際特許分類】
   B24B 23/06 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B24B23/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046452
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大河内 克己
【テーマコード(参考)】
3C158
【Fターム(参考)】
3C158AA05
3C158AA14
3C158AA16
3C158AC05
3C158BB02
3C158BC02
3C158CB03
3C158CB04
(57)【要約】
【課題】バッテリにより駆動されるベルトサンダの操作効率を向上する技術を提供する。
【解決手段】
ベルトサンダは、電動式のモータと、モータ収容部を有するハウジングと、ベルト駆動部と、第1ハンドルと、バッテリ装着部とを備える。駆動ローラ及び従動ローラの回転軸の延在方向を左右方向、従動ローラと駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、左右方向及び前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合、ベルト駆動部はモータの下方に設けられサンディングベルトの下面によって研磨面が規定される。バッテリ装着部は、バッテリがスライド方向にスライドされることで、バッテリを着脱可能である。バッテリ装着部は、上方から見た場合に研磨面とオーバーラップする位置であって、前方から見た場合にモータとオーバーラップする位置に設けられている。バッテリのスライド方向は、前後方向及び左右方向を含む、水平方向である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトサンダであって、
電動式のモータと、
前記モータが収容されるモータ収容部を有する、ハウジングと、
前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されたベルト駆動部であって、
前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられて前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される、ベルト駆動部と、
前記モータに対して前記前後方向における一方側である後側に設けられ、前記前後方向に延在し、ユーザが把持するための第1ハンドルと、
前記モータの電源としてのバッテリがスライド方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能なバッテリ装着部と、を備え、
前記バッテリ装着部は、上方から見た場合に前記研磨面とオーバーラップする位置であって、前方から見た場合に前記モータとオーバーラップする位置に設けられ、
前記スライド方向は、前記前後方向及び前記左右方向を含む、水平方向である、
ベルトサンダ。
【請求項2】
請求項1に記載のベルトサンダであって、
前記モータ収容部は、前記研磨面に略平行な上壁を備え、
前記バッテリ装着部は、前記上下方向において前記上壁よりも下方に設けられている、ベルトサンダ。
【請求項3】
請求項2に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリが前記上壁から上方に突出しないように構成されている、ベルトサンダ。
【請求項4】
請求項2に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリが前記上壁よりも上方に所定の突出長さで突出するように構成されており、
前記所定の突出長さは、前記上下方向における前記バッテリの長さに対して10%以下の長さである、ベルトサンダ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記前後方向において、前記バッテリが前記ハウジングの前端から突出しないように構成されている、ベルトサンダ。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記前後方向において、前記バッテリが前記ハウジングの前端よりも前方に所定の突出長さで突出するように構成されており、
前記所定の突出長さは、前記前後方向における前記バッテリの長さに対して10%以下の長さである、ベルトサンダ。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記左右方向において、前記バッテリが前記ハウジングの左端及び右端から突出しないように構成されている、ベルトサンダ。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記左右方向において、前記バッテリが、前記ハウジングの左端又は右端よりも左側又は右側に所定の突出長さで突出するように構成されており、
前記所定の突出長さは、前記左右方向における前記バッテリの長さに対して10%以下の長さである、ベルトサンダ。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
前記スライド方向は、前記前後方向であり、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に対し前記バッテリが前から後へ向かう方向にスライドされることで前記バッテリを装着可能に構成されている、ベルトサンダ。
【請求項10】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリが前記左右方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能に構成されている、ベルトサンダ。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、
回動軸が前記左右方向に延在し前記ハウジングに接続されたアームと、前記アームに接続され、ユーザが把持するための把持部と、を有し、前記ハウジングに対し回動可能な第2ハンドルを備え、
前記第2ハンドルの回動に応じて、前記把持部は、
前記上下方向において、前記把持部の上端が前記モータ収容部の上壁と略同じ位置になる第1回動位置と、
前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記把持部が前記バッテリよりも下側又は上側に位置する、第2回動位置と、に移動する、ベルトサンダ。
【請求項12】
ベルトサンダであって、
電動式のモータと、
前記モータが収容されるモータ収容部を有する、ハウジングと、
前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されたベルト駆動部であって、
前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられて前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される、ベルト駆動部と、
前記モータに対して前記前後方向における一方側である後側に設けられ、前記前後方向に延在し、ユーザが把持するための第1ハンドルと、
回動軸が前記左右方向に延在し前記ハウジングに接続されたアームと、前記アームに接続され、ユーザが把持するための把持部と、を有し、前記ハウジングに対し回動可能な第2ハンドルと、
前記モータの電源としてのバッテリがスライド方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能なバッテリ装着部と、を備え、
前記バッテリ装着部は、
上方から見た場合に前記研磨面とオーバーラップする位置であって、前方から見た場合に前記モータとオーバーラップする位置に設けられ、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリが前記モータ収容部の上壁から突出しないように構成されており、
前記第2ハンドルの回動に応じて、前記把持部は、
前記上下方向において、前記把持部の上端が前記上壁と略同じ位置になる第1回動位置と、
前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記把持部が前記バッテリよりも下側又は上側に位置する、第2回動位置と、に移動する、ベルトサンダ。
【請求項13】
請求項12に記載のベルトサンダであって、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリの上面が前記上壁と略同じ位置になるように構成されている、ベルトサンダ。
【請求項14】
ベルトサンダであって、
電動式のモータと、
前記モータが収容されるモータ収容部を有する、ハウジングと、
前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されたベルト駆動部であって、
前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられて前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される、ベルト駆動部と、
前記モータに対して前記前後方向における一方側である後側に設けられ、前記前後方向に延在し、ユーザが把持するための第1ハンドルと、
前記モータの電源としてのバッテリがスライド方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能なバッテリ装着部と、を備え、
前記バッテリ装着部は、上方から見た場合に、前記モータ及び前記研磨面とオーバーラップするように前記モータ収容部の上壁に設けられ、
前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に対し前記バッテリが後から前へ向かう方向にスライドされることで前記バッテリを装着可能に構成されている、
ベルトサンダ。
【請求項15】
請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載のベルトサンダであって、前記バッテリが着脱可能に装着された、ベルトサンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベルトサンダに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリを電源とするモータによって無端状のサンディングベルトを回転させ、加工材の研磨を行うベルトサンダが知られている。特許文献1には、モータを収容するハウジングと、ハウジングの下部に設けられたサンディングベルトと、ハウジングに設けられたバッテリ取付部と、を備えるベルトサンダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-148018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のベルトサンダでは、バッテリ取付部の位置によっては、バッテリが装着されたベルトサンダが所定方向に大きくなったり、使用時の操作性に影響を与える可能性があった。そのため、バッテリにより駆動されるベルトサンダにおいて、操作効率を向上可能な技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、ベルトサンダが提供される。前記ベルトサンダは、電動式のモータと、ハウジングと、ベルト駆動部と、ユーザが把持するための第1ハンドルと、バッテリ装着部とを備える。前記ベルト駆動部は、前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含む。前記ベルト駆動部は、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されている。前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられて前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される。前記第1ハンドルは、前記モータに対して前記前後方向における一方側である後側に設けられ、前記前後方向に延在する。前記バッテリ装着部は、前記モータの電源としてのバッテリが、スライド方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能に構成されている。前記バッテリ装着部は、上方から見た場合に前記研磨面とオーバーラップする位置であって、前方から見た場合に前記モータとオーバーラップする位置に設けられている。前記スライド方向は、前記前後方向及び前記左右方向を含む水平方向である。
【0006】
この態様によれば、モータ及びベルト装着部は、ベルト駆動部の上方に設けられる。そのため、ベルトサンダの駆動時には、モータ及びバッテリ装着部に装着されたバッテリの重さが研磨面(サンディング面、作業面、加工面)に加わることとなる。したがって、モータ及びバッテリの質量を利用して加工作業を行うことができるので、操作効率を向上できる。
なお、バッテリ装着部が、上方から見た場合に研磨面とオーバーラップするとは、バッテリ装着部の少なくとも一部が、前後方向及び左右方向において、研磨面と重なる位置にあることを意味する。また、バッテリ装着部が、前方から見た場合にモータとオーバーラップするとは、バッテリ装着部の少なくとも一部が、上下方向及び左右方向において、モータと重なる位置にあることを意味する。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、ベルトサンダが提供される。前記ベルトサンダは、電動式のモータと、ハウジングと、ベルト駆動部と、第1ハンドルと、前記ハウジングに対し回動可能な第2ハンドルと、バッテリ装着部とを備える。前記ハウジングは、前記モータを収容するモータ収容部を有する。前記ベルト駆動部は、前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含む。前記ベルト駆動部は、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されている。前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられ、前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される。前記第1ハンドルは、前記モータに対して前記前後方向における一方側である後側に設けられている。前記第1ハンドルは、前記前後方向に延在し、ユーザが把持するように構成されている。前記第2ハンドルは、回動軸が前記左右方向に延在し前記ハウジングに接続されたアームと、前記アームに接続され、ユーザが把持するための把持部とを有する。前記バッテリ装着部は、前記モータの電源としてのバッテリがスライド方向にスライドされることで前記バッテリを着脱可能に構成されている。前記バッテリ装着部は、上方から見た場合に前記研磨面とオーバーラップする位置であって、前方から見た場合に前記モータとオーバーラップする位置に設けられている。前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリが前記モータ収容部の上壁から突出しないように構成されている。前記第2ハンドルの回動に応じて、前記把持部は、第1回動位置と、第2回動位置とに移動するように構成されている。前記第1回動位置は、前記上下方向において、前記把持部の上端が前記上壁と略同じになる位置である。前記第2回動位置は、前記把持部が、前記バッテリよりも下側又は上側になる、位置である。
【0008】
この態様によれば、モータ及びバッテリの質量を利用して加工作業を行うことができるので、操作効率を向上できる。また、バッテリ装着部に装着されたバッテリは、上下方向において、ハウジングの上壁から突出しないので、バッテリが装着されたベルトサンダを、上下方向にコンパクト化できる。なお、ベルトサンダの使用に関し、サンディングベルトを加工材上に配置し、ユーザが第1ハンドルを把持して加工作業を行う、通常の態様(以下、第1使用態様)と、サンディングベルトを鉛直上方に向けてベルトサンダを裏返した状態として机等に載置し、ユーザが加工材を把持して、サンディングベルトに押し付けることで加工作業を行う態様(以下、第2使用態様)とが考えられる。上記態様によれば、第2使用態様では、ハウジングの上壁と、第2ハンドルとが、机等に接触するので、第2使用態様におけるベルトサンダの姿勢を安定させることができる。
【0009】
本開示の第3の態様によれば、ベルトサンダが提供される。前記ベルトサンダは、電動式のモータと、ハウジングと、ベルト駆動部と、第1ハンドルと、バッテリ装着部とを備える。前記ハウジングは、前記モータを収容する、モータ収容部を有する。前記ベルト駆動部は、前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されている。前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられて前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される。前記第1ハンドルは、前記モータに対して前記前後方向における一方側である後側に設けられている。前記第1ハンドルは、前記前後方向に延在し、ユーザが把持するように構成されている。前記バッテリ装着部は、前記モータの電源としてのバッテリがスライド方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能に構成されている。前記バッテリ装着部は、上方から見た場合に、前記モータ及び前記研磨面とオーバーラップするように前記モータ収容部の上壁に設けられている。前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に対し前記バッテリが後から前へ向かう方向にスライドされることで前記バッテリを装着可能に構成されている。
【0010】
この態様によれば、モータ及びバッテリの質量を利用して加工作業を行うことができるので、操作効率を向上できる。また、バッテリの装着方向は、前から後へ向かう方向であるので、ユーザは、第1ハンドルを把持する手で、バッテリの装着方向と逆方向(後から前へ向かう方向)に力を加えやすい。そのため、バッテリ装着部にバッテリを装着する際に、バッテリを装着しやすいという利点がある。
【0011】
本開示の第4の態様によれば、前記バッテリが着脱可能に装着された、ベルトサンダが提供される。
この態様によれば、モータ及びバッテリの質量を利用して加工作業を行うことができるので、操作効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】バッテリ及びダストボックスが装着されたベルトサンダの斜視図である。
図2】ベルトサンダの斜視図である。
図3】バッテリ及びダストボックスが装着されたベルトサンダの左側面図であり、フロントハンドルの回動範囲を示す図である。
図4】バッテリ及びダストボックスが装着されたベルトサンダの上面図である。
図5】ベルトサンダの上面図である。
図6図4のVI-VI矢視における断面図である。
図7図4のVII-VII矢視における断面図である。
図8】ダストボックスの外観斜視図である。
図9図4のVII-VII矢視における、ダストボックスを示す断面図である。
図10】ダストボックスの上面図であり、内部を破線で示す断面図である。
図11】濾過部材とフレームを示す図である。
図12図6の部分拡大図であり、スイッチ機構を示す図である。
図13】右本体ハウジングを開いた右側面図であり、第1スイッチ及び第1ロックスイッチを拡大して示す図である。
図14図12のXIV-XIV矢視に対応する、第1ロックスイッチ及び第1スイッチ操作部の断面図であり、ロックオフ状態を示す図である。
図15図14に対応する図であり、第1ロックスイッチが第1のロックオン位置に移動された状態を示す断面図である。
図16図14に対応する図であり、第1ロックスイッチが第2のロックオン位置に移動された状態を示す断面図である。
図17】右本体ハウジングを開いた右側面図であり、第2スイッチ及び第2ロックスイッチを拡大して示す図である。
図18図5のXVIII-XVIII矢視における、第2スイッチ及び第2ロックスイッチの断面図である。
図19図18に対応する図であり、第2ロックスイッチがロックオン位置に移動された状態を示す断面図である。
図20】ベルトサンダに着脱可能なバッテリの一例である。
図21】第2実施形態のベルトサンダを示す右本体ハウジングを開いた右側面図である。
図22】第2実施形態のベルトサンダを示す上面図である。
図23】第3実施形態のベルトサンダを示す右本体ハウジングを開いた右側面図である。
図24】第3実施形態のベルトサンダを示す上面図である。
図25】第2実施形態のベルトサンダに外形及び容量が大きいバッテリを装着した状態のベルトサンダを示す右本体ハウジングを開いた右側面図である。
図26】第2実施形態のベルトサンダに外形及び容量が大きいバッテリを装着した状態のベルトサンダを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の非限定的な一実施形態において、前記モータ収容部は、前記研磨面に略平行な上壁を備えていてもよい。前記バッテリ装着部は、前記上下方向において前記上壁よりも下方に設けられていてもよい。
この実施形態によれば、バッテリ装着状態において、ベルトサンダを上下方向にコンパクト化できる。
【0014】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリが前記上壁から上方に突出しないように構成されていてもよい。
この形態によれば、ベルトサンダを上下方向にコンパクト化できる。
【0015】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリが前記上壁よりも上方に所定の突出長さで突出するように構成されていてもよい。前記所定の突出長さは、前記上下方向における前記バッテリの長さに対して10%以下の長さであってもよい。
この実施形態によれば、バッテリ装着状態において、ベルトサンダを上下方向にコンパクト化できる。
【0016】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記前後方向において、前記バッテリが前記ハウジングの前端から突出しないように構成されている、ベルトサンダ。
この実施形態によれば、前後方向において、バッテリが装着されたベルトサンダをコンパクト化できる。また、バッテリ装着部に装着されたバッテリが、ベルトサンダの前側に位置する壁等の構造物に接触することで、ベルトサンダの加工範囲が制限されることを抑制できる。
【0017】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記前後方向において、前記バッテリが前記ハウジングの前端よりも前方に所定の突出長さで突出するように構成されていてもよい。前記所定の突出長さは、前記前後方向における前記バッテリの長さに対して10%以下の長さであってもよい。
この実施形態によれば、バッテリ装着状態において、ベルトサンダを前後方向にコンパクト化できる。
【0018】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記左右方向において、前記バッテリが前記ハウジングの左端及び右端から突出しないように構成されている、ベルトサンダ。
この実施形態によれば、バッテリ装着状態において、ベルトサンダを左右方向にコンパクト化できる。また、バッテリ装着部に装着されたバッテリが、ベルトサンダの左側又は右側に位置する壁等の構造物に接触することで、ベルトサンダの加工範囲が制限されることを抑制できる。
【0019】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記左右方向において、前記バッテリが、前記ハウジングの左端又は右端よりも左側又は右側に所定の突出長さで突出するように構成されていてもよい。前記所定の突出長さは、前記左右方向における前記バッテリの長さに対して10%以下の長さであってもよい。
この実施形態によれば、バッテリ装着状態において、ベルトサンダを左右方向にコンパクト化できる。
【0020】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記スライド方向は、前記前後方向であってもよい。前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に対し前記バッテリが前から後へ向かう方向にスライドされることで前記バッテリを装着可能に構成されていてもよい。
この実施形態によれば、バッテリ装着部に対するバッテリの着脱方向(スライド方向)は、第1ハンドルの延在方向と同じ、前後方向である。そのため、ユーザは、バッテリ装着部にバッテリを装着する際に、第1ハンドルを把持する手でバッテリの装着方向と逆の方向に、力を加えやすい。したがって、バッテリ装着部にバッテリを装着する際に、ユーザは、ハンドルを把持する手によってベルトサンダの姿勢を安定させることができるので、バッテリを装着しやすいという利点がある。
【0021】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリが前記左右方向にスライドされることで、前記バッテリを着脱可能に構成されていてもよい。
この実施形態によれば、ユーザは、バッテリを左右方向にスライドすることで、バッテリ装着部にバッテリを装着することができる。
【0022】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記ベルトサンダは、更に、前記ハウジングに対し回動可能な第2ハンドルを備えていてもよい。前記第2ハンドルは、回動軸が前記左右方向に延在し前記ハウジングに接続されたアームと、前記アームに接続され、ユーザが把持するための把持部と、を有していてもよい。前記第2ハンドルの回動に応じて、前記把持部は、第1回動位置と、第2回動位置とに移動するように構成されていてもよい。前記第1回動位置は、前記上下方向において、前記把持部の上端が前記モータ収容部の上壁と略同じになる位置である。前記第2回動位置は、前記把持部が、前記バッテリよりも下側又は上側になる、位置であってもよい。
この実施形態によれば、把持部が第2回動位置に移動するように、第2ハンドルを回動させることで、バッテリ装着部に対しバッテリを着脱することができる。また、把持部が第1回動位置に移動するように第2ハンドルを回動させ、第2使用態様でベルトサンダを使用する場合には、ハウジングの上壁と、第2ハンドルとが、机等に接触する。したがって、第2使用態様におけるベルトサンダの姿勢を安定させることができる。
【0023】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、前記バッテリ装着部は、前記バッテリ装着部に前記バッテリが装着された装着状態で、前記上下方向において、前記バッテリの上面が前記上壁と略同じ位置になるように構成されていていてもよい。
この実施形態によれば、第2使用態様では、ハウジングの上壁と、第2ハンドルと、バッテリの上面とが、机等に接触するので、ベルトサンダの姿勢をより安定させることができる。
【0024】
<第1実施形態>
<ベルトサンダの全体構成>
本開示の一実施形態としてのベルトサンダ1について説明する。ベルトサンダ1は、無端状のサンディングベルトBを保持するベルト駆動部6を、モータ2によって駆動し、サンディングベルトBを加工材に接触させる(押し当てる)ことで、加工作業を遂行可能な工具である。本実施形態のベルトサンダ1は、ハンドル14を備えている。ユーザは、サンディングベルトBを加工材に接触させつつ、ハンドル14を把持してベルトサンダ1を移動させることで、所望の箇所を加工することができる。なお、本実施形態で説明するベルトサンダ1は、「アップハンドル型ベルトサンダ」とも呼ばれる。アップハンドル型ベルトサンダは、サンディングベルトBの研磨面に対して反対側の面に、ハンドル14やモータ2を配置するタイプのベルトサンダである。
【0025】
まず、図1から図7を用いて、ベルトサンダ1の全体構成について説明する。ベルトサンダ1は、主に、ハウジング10と、電動式のモータ2と、ファン3と、動力伝達部35と、ベルト駆動部6と、バッテリ装着部4と、スイッチ機構8とを備えている。
【0026】
ベルト駆動部6は、駆動ローラ61と、駆動ローラ61に対して一方側に配置された従動ローラ62と、これらを軸周りで回転可能に支持する支持枠64(図6参照)とを備える。駆動ローラ61と従動ローラ62とは、平行に並んで配置されている。駆動ローラ61と従動ローラ62との間には、無端のサンディングベルトBが掛け渡されている。支持枠64の所定の面には、サンディングベルトBを加工材へ押圧するプレートが設けられている。駆動ローラ61は、モータ2によって矢印D(図1参照)の向きに回転する。
【0027】
以下では、説明の便宜上、駆動ローラ61と従動ローラ62とが並ぶ方向を、ベルトサンダ1の前後方向とし、ベルト駆動部6において駆動ローラ61が設けられた側を後側、従動ローラ62が設けられた側を前側と定義する。また、前後方向に交差し、駆動ローラ61及び従動ローラ62の回転軸A1、A2が延在する方向を、ベルトサンダ1の左右方向と定義する。また、前後方向及び左右方向に直交する方向を、ベルトサンダ1の上下方向と規定する。上下方向のうち、ベルトサンダ1においてベルト駆動部6が設けられた側を下側、その反対側を上側と定義する。サンディングベルトBのうち、ハウジング10から露出した部分は、加工材を研磨するための研磨面(サンディング面B1)として機能する。
【0028】
ハウジング10は、本体ハウジング11と、横ハウジング16とを含む。
【0029】
本体ハウジング11は、ベルト駆動部6の下端部を露出させた状態で、ベルト駆動部6を保持している。本体ハウジング11は、ベルト駆動部6の上部及びベルト駆動部6の後端部よりも後部分を覆い、全体として概ね前後方向に延在する。本実施形態では、本体ハウジング11は、図4に示すように、互いに半割である左本体ハウジング11Lと右本体ハウジング11Rとがネジ止めされることで形成される。
【0030】
図2に示すように、本体ハウジング11は、ベルト駆動部6の上部に、第1部分12と、第1部分12よりも前側の第2部分13とを有する。
【0031】
第1部分12は、ベルト駆動部6の上方、かつ、ベルト駆動部6の前後方向における略中間位置から後方に設けられている。第1部分12は、主に、モータ2を収容している。第1部分12を、「モータ収容部」とも呼ぶ。第1部分12は、上壁121と、前壁122と、側壁123、123と、後壁124とを含む略箱状に形成されている。上壁121は、上下方向に略直交している。上壁121は、サンディング面B1に略平行である。前壁122及び後壁124は、前後方向に略直交する。上壁121は、ベルトサンダ1が第2使用態様で使用される場合に机等に載置可能であればよく、多少の凹凸を含んでいてもよい。
【0032】
第2部分13は、ベルト駆動部6の上方、かつ、ベルト駆動部6の前後方向における略中間位置から前方に設けられている。第2部分13の側壁133は、第1部分12の側壁123と連続している。第2部分13の上壁131は、第1部分12の上壁121よりも下方に位置している。そのため、本体ハウジング11のうちベルト駆動部6の上に位置する部分は、段差形状を呈する。第2部分13には、バッテリ装着部4が設けられている。
【0033】
本体ハウジング11のうち、第1部分12よりも後方部分は、前後方向に延在するハンドル14を構成している。ハンドル14は、第1部分12に接続されて前後方向に延在する。本実施形態では、ハンドル14は、第1部分12の後壁124上部に接続されて、第1部分12から後方かつ下方へ延在する。ハンドル14の上端は、第1部分12の上壁121よりも、上方に突出していない。本実施形態では、ハンドル14の上端は、上下方向において、上壁121と略同じ位置にある。ハンドル14を、「第1ハンドル」とも呼ぶ。
【0034】
ハンドル14の後端部は、下方に屈曲している。当該屈曲した部分と、第1部分12の後方下部とは、接続されている。これにより、本体ハウジング11のうち、ベルト駆動部6よりも後部分は、環状を呈する。
【0035】
本体ハウジング11のうち、ハンドル14の後端部とベルト駆動部6の後方とが接続された部分であって、ハンドル14の下方の部分は、コントローラ収容部15を構成している。コントローラ収容部15の前端部(ベルト駆動部6の真後ろ部分)は、駆動ローラ61の外縁に沿って湾曲している。本体ハウジング11は、ベルト駆動部6の真後ろ部分において、左右方向に開口している。当該開口は、加工作業によって生成した粉塵を、ハウジング10内に設けられた粉塵用の流路(第1流路191)へ導入するための集塵口19として機能する。
【0036】
図6に示すように、スイッチ機構8は、本体ハウジング11におけるモータ2の後部分に設けられている。スイッチ機構8は、ユーザの手動操作が可能な、第1スイッチ80と、第2スイッチ90と、第1ロックスイッチ85と、第2ロックスイッチ95(図4参照)とを備える。スイッチ機構8については、詳細を後述する。
【0037】
なお、本体ハウジング11における、モータ2の後方上部には、モータ2の回転数を調節するためのダイヤル39が設けられている。ダイヤル39の上端は、本体ハウジング11の上壁121から露出している。ダイヤル39は、ユーザの手動操作によって、その姿勢(回転位置)が変わるように構成されている。ダイヤル39は、コントローラ5と配線を介して接続されている。コントローラ5は、ダイヤル39の回転位置に応じてモータ2の回転数を設定するように構成されている。
【0038】
図6に示すように、コントローラ5は、コントローラ収容部15のケース内に配置された、メイン基板に搭載されている。本実施形態では、コントローラ5は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータとして構成されている。コントローラ5は、モータ2の駆動制御等、ベルトサンダ1の各種動作を制御するように構成されている。コントローラ5は、バッテリ装着部4、モータ2及び、スイッチ機構8の備える第1スイッチ80、第2スイッチ90と、図示しない配線を介して接続されている。コントローラ5は、第1スイッチ80と、第2スイッチ90とがオン状態である場合、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300の電力をモータ2へ供給するように構成されている。これにより、モータ2が回転し、動力伝達部35を介してベルト駆動部6が駆動されて、サンディングベルトBが矢印Dの向きに回転する。また、コントローラ5は、第1スイッチ80と、第2スイッチ90との少なくとも一方がオフ状態である場合、モータ2への電力の供給を行わないように構成されている。
【0039】
第1部分12の左側壁123の一部は開口しており、横ハウジング16によって覆われている。図3及び図4に示すように、横ハウジング16は、ファン3の左側を覆うファンハウジング161と、動力伝達部35の一部を覆うギヤカバー162と、動力伝達部35の一部である、無端状のシンクロベルトを覆う、ベルトカバー163とを含む。横ハウジング16は、左本体ハウジング11Lにネジ止めされている。
【0040】
モータ2は、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300から供給される電力によって駆動される。本実施形態では、モータ2として、ブラシレス直流(DC)モータが採用されている。図6に示すように、モータ2は、ステータ及びロータを備えるモータ本体21と、ロータから延設され、ロータと一体的に回転するシャフト22とを備える。シャフト22(シャフト22の回転軸A3)は、左右方向に延在する。シャフト22は、軸受を介して本体ハウジング11に支持されている。
【0041】
図7に示すように、動力伝達部35は、横ハウジング16に保持されて、シャフト22の回転を駆動ローラ61に伝達するように構成されている。動力伝達部35は、シャフト22の左端部と一体のプーリを含むプーリ部、無端状のシンクロベルト、シャフト22の回転を減速するギヤ機構等を含む。
【0042】
ファン3は、モータ2を冷却する機能と、集塵ファンとしての機能とを発揮するように構成されている。ファン3は、モータ2を冷却する気流を発生させるとともに、加工作業によって生じた粉塵をハウジング10内に吸引してダストボックス200へ排出する気流を発生させる。
【0043】
本実施形態では、ファン3は、主に、本体ハウジング11の第1部分12であって、モータ本体21の左側に収容されている。ファン3は、シャフト22における、モータ本体21と軸受との間に固定されて、シャフト22と一体に回転する。上述したように、第1部分12の左壁123の一部は開口しており、ファン3の背面は、横ハウジング16(ファンハウジング161)によって覆われている。ファンハウジング161の前側部分は、ファン3の外縁に沿って湾曲している。ファンハウジング161の当該湾曲した部分には、複数の小開口(空気排出口165)が設けられている(例えば、図4図7参照)。
【0044】
本実施形態のファン3は、遠心ファンとして構成されている。ファン3は、ファン3の背面側(ベルトサンダ1の左側)から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を、シャフト22の回転軸A3に対して交差する方向へ、放射状に吐出する。吐出された空気は、ファン3の前面側(ベルトサンダ1の右側)に設けられた複数の小羽根、及び、ファン3の前面側に設けられたバッフルプレート32によって、モータ2へ送出される。また、ファン3の背面側には、後述する吸引ノズル150に接続された、ガイドプレート31が設けられている。ファン3は、回転することによって、背面側から空気を吸引して放射状に吐出し、吐出された空気をモータ2へ送出するとともに、ハウジング10内の空気を空気排出口165へ送出する。
【0045】
<ダストボックス、及び、ダストボックスに粉塵を収容するためのベルトサンダの構成>
本実施形態のベルトサンダ1は、ダストボックス200を着脱可能に構成されている。以下、ダストボックス200に粉塵を収容するためのベルトサンダ1の構成、及び、ダストボックス200の構成について説明する。
【0046】
図3及び図7に示すように、ベルトサンダ1のハウジング10は、2つの筒状部(排出ノズル140、吸引ノズル150)を有する。排出ノズル140、吸引ノズル150は、横ハウジング16の後方上部に設けられて、前後方向に延在している。排出ノズル140、吸引ノズル150は、上下方向に並んでおり、排出ノズル140は吸引ノズル150の下側に位置している。排出ノズル140、吸引ノズル150は、後方に開口している。
【0047】
上述したように、本体ハウジング11は、ベルト駆動部6の真後ろ部分において、左右方向に開口した集塵口19を有している。ハウジング10内には、集塵口19と、排出ノズル140とを連通する第1流路191が形成されている。本実施形態では、第1流路191は、ハウジング10内の隔壁101と排出ノズル140の筒壁とによって規定される。隔壁101は、本体ハウジング11内の後方下部とギヤカバー162内の後部とファンハウジング161内の後部とに、連続して設けられている。第1流路191は、隔壁101及び排出ノズル140の筒壁によって、モータ2、ファン3、動力伝達部35等の各部品が収容される空間と、分離されている。そのため、第1流路191を通る空気や粉塵は、モータ2、ファン3及び動力伝達部35等の収容部には流入しない。
【0048】
図7に示すように、ハウジング10内には、吸引ノズル150と空気排出口165とを連通する第2流路192が設けられている。第2流路192は、ハウジング10においてファン3が収容される空間と、連通している。第2流路192は、主に、吸引ノズル150の筒壁と、ガイドプレート31と、ファンハウジング161を構成する壁部102とによって規定される。
【0049】
次に、図7から図11を参照して、ダストボックス200の構成について説明する。ダストボックス200は、全体として、所定の方向に延在するように形成されている。ダストボックス200は、当該所定の方向に延在する第1ノズル210及び第2ノズル220と、第1ノズル210及び第2ノズル220に接続された容器部230と、容器部230内に設けられた濾過部材260とを備える。第1ノズル210と第2ノズル220と容器部230とは、空気を透過しない材料で形成されている。本実施形態では、第1ノズル210と第2ノズル220と容器部230とは、導電性を有する合成樹脂により形成されている。
【0050】
図8では、ダストボックス200がベルトサンダ1に装着されたときの姿勢を基準として、上下方向、前後方向、左右方向が示されている。ダストボックス200は、ベルトサンダ1に装着された状態で、全体として、前後方向に延在する。第1ノズル210及び第2ノズル220は、前後方向に延在し、前方に開口する。第1ノズル210及び第2ノズル220は上下方向に並んでおり、第1ノズル210は第2ノズル220の下側に位置する。第1ノズル210、第2ノズル220が、夫々、ベルトサンダ1の排出ノズル140、吸引ノズル150に挿入されることで、ダストボックス200がベルトサンダ1に装着される。第1ノズル210が排出ノズル140に挿入されると、ベルトサンダ1の第1流路191と第1ノズル210内(ダストボックス200内)とが連通する。また、第2ノズル220が吸引ノズル150に挿入されると、ベルトサンダ1の第2流路192と第2ノズル220内(ダストボックス200内)とが連通する。なお、第1ノズル210及び第2ノズル220の外周壁には、夫々、O(オー)リング212、222が設けられている。これにより、各ノズルの接続箇所における気密が保たれている。
【0051】
容器部230は、前後方向に延在する略箱状に形成されている。容器部230の左右方向長さは、容器部230の上下方向長さ及び前後方向長さよりも短い。容器部230の上壁(上面231)は、上下方向に略直交している。容器部230の下壁(下面234)は、後方かつ上方へ傾斜している。図4に示すように、ダストボックス200がベルトサンダ1に装着された場合、容器部230は、ハンドル14及びコントローラ収容部15の左側に位置する。
【0052】
ダストボックス200は、ベルトサンダ1に装着された状態で、ハウジング10の上下方向幅及び左右方向幅内に収まるように構成されている。また、ダストボックス200は、ベルトサンダ1に装着された状態で、下面234が、上下方向においてサンディング面B1よりも上方に位置するように構成されている。本実施形態では、図4に示すように、容器部230の左側面233の左右方向における位置は、ハウジング10の左側面(ファンハウジング161の左側面)と、略同じである。また、図7に示すように、容器部230の上面231の上下方向における位置は、ベルトサンダ1の上端(上壁121)と、略同じである。
【0053】
容器部230は、ノズル接続部240と本体部250とに分割可能に構成されている。ノズル接続部240は、容器部230のうちの前部分であり、第1ノズル210及び第2ノズル220に接続されている。本実施形態では、ノズル接続部240は、第1ノズル210及び第2ノズル220と一体に形成されている。図10に示すように、第1ノズル210、第2ノズル220、及び、ノズル接続部240は、互いに半割である左ノズル部240Lと右ノズル部240Rとがネジ止めされることで形成される。ノズル接続部240の後端部243の外周にはOリング244が設けられている。
【0054】
本体部250は、容器部230のうちの後部分である。本体部250は、前端が開口した略箱状に形成されている。本実施形態では、容器部230は、カーボン樹脂によって形成されている。図9に示すように、容器部230は、光透過性の樹脂により形成された、窓部235を有する。ユーザは、窓部235を介して、容器部230内の粉塵の量を視認することができる。
【0055】
図9に示すように、ダストボックス200は、更に、ノズル接続部240に本体部250を着脱するように構成された、着脱部270を備える。本実施形態では、着脱部270は、本体部250に設けられた取付ネジ271と、ノズル接続部240に設けられた係合部245とを含む。取付ネジ271は、ノブ272とシャフト273とを有する。係合部245は、取付ネジ271の前端部274が係合(嵌合)するように構成されている。
【0056】
本体部250の内部には、容器部230の後壁232から前方へ延びる、筒状部258が設けられている。筒状部の後端は、後壁232に設けられた開口となっている。ノブ272は、後壁232の後面側に配置されて当該開口を覆う。シャフト273は、ノブ272に接続されて筒状部258内に配置される。ノズル接続部240は、上下方向において第1ノズル210と第2ノズル220との間に設けられた隔壁241を有しており、係合部245は、隔壁241に設けられた開口、及び、開口内に配置されたナット246等の係合部材によって構成される。隔壁241は、ノズル接続部240内を、第1ノズル210に連通する空間と第2ノズル220に連通する空間とに区画している。
【0057】
ノズル接続部240に本体部250を装着する方法について説明する。ユーザは、取付ネジ271が装着された本体部250と、ノズル接続部240と、の外形状(例えば、側面233)が連続するように、本体部250とノズル接続部240とを位置合わせする。ユーザは、本体部250の前端部253を、ノズル接続部240の後端部243に嵌め込みつつ、シャフト273の前端部274を、係合部245の開口に挿入する。ユーザが、ノブ272を手動操作(回転操作)すると、シャフト273の前端部274は係合部245の開口に挿入されて係合部245と係合(嵌合)する。このようにして、ノズル接続部240に本体部250を装着することができる。
【0058】
濾過部材260は、容器部230内の空間を、第1ノズル210に連通する第1空間281と、第2ノズル220に連通する第2空間282とに区切るように、容器部230内に設けられている。濾過部材260は、第1ノズル210よりも第2ノズル220に近い位置に設けられている。濾過部材260は、空気を透過させ、かつ、加工作業で生じた粉塵を透過させないように形成されている。本実施形態では、濾過部材260として、開口261を有する袋状のエアフィルタが用いられている。エアフィルタは、例えば、粗塵用フィルタである。
【0059】
本実施形態では、濾過部材260の内部には、フレーム262が配置されている。フレーム262は、濾過部材260を広げて袋形状を保つように形成されている。図9に示すように、ノズル接続部240の内壁のうち、隔壁241の上側であって第1ノズル210の後側には、フレーム262を着脱可能に固定する溝部242が設けられている。濾過部材260は、開口261が第1ノズル210側(前側)を向くように、フレーム262を介して溝部242に固定される。濾過部材260は、ノズル接続部240のうち、第2ノズル220に接続する部分(第2ノズル接続部)に取り付けられているとも言える。図10に示すように、濾過部材260の下端部は、隔壁241から後方へ延びるプレート247によって支持されている。
【0060】
ダストボックス200は、更に、紐状のアース部材265を有する。アース部材265は、ダストボックス200と大地とを同電位にするための部材である。アース部材265は、その一端部が容器部230に接触し、他端部が容器部230から露出している。アース部材265の露出長さは、サンディング面B1が加工材上に置かれた場合に、アース部材265の他端部が、加工材や加工材と同一平面上の部材に接触可能な長さである。本実施形態では、アース部材265は、容器部230内の空間(第1空間281)と隔てられて、ノズル接続部240の下端部に設けられている。アース部材265は、ダストボックス200に貯まった電荷を放電する。
【0061】
以下、ダストボックス200に粉塵が貯留される態様とともに、本実施形態のダストボックス200の奏する効果及びダストボックス200が装着されたベルトサンダ1が奏する効果について、説明する。
【0062】
ダストボックス200の第1ノズル210、第2ノズル220が、夫々、ベルトサンダ1の排出ノズル140、吸引ノズル150と接続されて、ダストボックス200がベルトサンダ1に装着されると、ベルトサンダ1の第1流路191と、ダストボックス200内の第1空間281とが連通する。また、ベルトサンダ1の第2流路192と、ダストボックス200内の第2空間282とが連通する。上述したように、第1空間281と第2空間282とは、濾過部材260によって区切られているため、ダストボックス200内の空気は、第1空間281と第2空間282とを移動可能である。
【0063】
ベルトサンダ1が駆動されると、ファン3は、回転して背面側から吸気する。このとき、ファン3の吸気によって、ファン3周りの空気は、吸引ノズル150から、空気排出口165へ向かう。つまり、ファン3の回転により、ダストボックス200内から第2流路192を介して、空気排出口165へ向かう気流F2が発生する(図7参照)。また、ファン3の吸気により、ダストボックス200内が負圧となるので、ベルト駆動部6の後方に設けられた集塵口19から第1流路191を介して、ダストボックス200内へ向かう気流F1が発生する。これにより、加工作業で生じた粉塵は、集塵口19から、第1流路191、排出ノズル140、第1ノズル210、容器部230における第1空間281へ、この順に移動する。容器部230に流入した粉塵は、濾過部材260によって第2空間282へ移動することが妨げられるため、第1空間281に留まる。このようにして、ダストボックス200の第1空間281に、粉塵が貯留される。また、ダストボックス200内の空気は、濾過部材260を透過して、第1空間281から、第2空間282、第2ノズル220、吸引ノズル150、第2流路192、空気排出口165へ、この順に移動し、ベルトサンダ1の外部へ排出される。
【0064】
このように、本実施形態によれば、ダストボックス200の第1ノズル210、第2ノズル220を、夫々、ベルトサンダ1の排出ノズル140、吸引ノズル150に接続してファン3を回転させることで、ベルトサンダ1の集塵口19から、ダストボックス200内を通り、ベルトサンダ1の空気排出口165へ向かう整流を発生させることができる。また、濾過部材260は、容器部230内の空間を、第1ノズル210に連通する第1空間281と、第2ノズル220に連通する第2空間282とに区切るので、ダストボックス200内に粉塵を貯留し、第2ノズル220からハウジング10内に粉塵が流入することを抑制できる。そのため、本実施形態のダストボックス200及びダストボックス200が装着されたベルトサンダ1では、粉塵の集塵効率を向上できる。
【0065】
なお、上述したように、第1流路191は、モータ2、ファン3、動力伝達部35等の各部品が収容される空間と、隔壁101及び排出ノズル140の筒壁によって分離されている。そのため、第1流路191を通る空気や粉塵は、モータ2、ファン3及び動力伝達部35等の収容部には流入しない。また、第2流路192には、ダストボックス200から空気が流入するものの、当該空気は、濾過部材260によって粉塵が濾過された空気である。したがって、加工作業で生じた粉塵が、ハウジング10内のモータ2、ファン3及び動力伝達部35に付着することを抑制できる。その結果、ベルトサンダ1の長寿命化を達成できる。
【0066】
また、ダストボックス200において、粉塵が流入する第1ノズル210は、空気が吸引される第2ノズル220よりも下側に設けられている。そのため、粉塵を容器部230内の上方まで移動させなくともよいので、粉塵を容器部230内に貯留するための経路を短くでき、集塵効率を向上できる。
【0067】
濾過部材260は、第2ノズル220の後側に設けられた溝部242に、フレーム262を介して固定されている。つまり、濾過部材260は、第1ノズル210よりも第2ノズル220に近い位置に設けられている。そのため、第2ノズル220に連通される第2空間282に対して、粉塵が貯留される第1空間281を大きくすることができる。
【0068】
また、第1ノズル210、第2ノズル220は、上下方向に並び、後方に開口している。そのため、第1ノズル210と第2ノズル220とが異なる方向に開口することで、容器部230内の空気の流れが複雑になることを抑制できる。したがって、容器部230内の気流をより整流化できるので、集塵効率をより向上できる。
【0069】
更に、容器部230は、第1ノズル210及び第2ノズル220に接続されるノズル接続部240と、ノズル接続部240に着脱可能に装着される本体部250とを備えており、濾過部材260は、ノズル接続部240に設けられている。そのため、ノズル接続部240から本体部250を取り外すことにより、容器部230内に貯留された粉塵を除去することができる。
【0070】
濾過部材260の外表面には、濾過部材260内(第2空間282)へ空気が移動する際に濾過部材260によって移動を妨げられた、粉塵が付着する場合がある。しかし、本実施形態では、濾過部材260はノズル接続部240に装着されているので、ユーザは、ノズル接続部240から本体部250を取り外す際に、濾過部材260の外表面に付着した粉塵を容易に除去することができる。そのため、濾過部材260が粉塵で覆われることを抑制できるので、集塵効率をより向上できる。
【0071】
ダストボックス200は、本体部250をノズル接続部240に着脱するように構成された、着脱部270を備える。そのため、ユーザは、本体部250をノズル接続部240に着脱するための工具を別途用意する必要がないので、ダストボックス200の使用に関する利便性を向上できる。
【0072】
ベルトサンダ1では、ハウジング10内の第1流路191を粉塵が通過するため、粉塵とハウジング10との摩擦により、静電気が発生しやすい。しかし、本実施形態のダストボックス200は、その一端部が、導電性の合成樹脂により形成された容器部230に接触し、他端部が容器部230から露出した、アース部材265を備えている。そのため、発生した静電気を、アース部材265を介して放電することができる。したがって、静電気によって、粉塵が所定の箇所に滞留することを抑制できるので、集塵効率を一層向上できる。
【0073】
ダストボックス200は、ベルトサンダ1に装着された状態で、ハウジング10の上下方向幅及び左右方向幅内に収まるように構成されている。そのため、ダストボックス200がベルトサンダ1の左右に位置する壁や物体に接触してベルトサンダ1の加工範囲が制限されることを、抑制することができる。更に、ベルトサンダ1を第2使用態様で使用する場合、ベルトサンダ1が載置される机等にダストボックス200が接触することを抑制できる。
【0074】
<ダストボックスの他の形態、及び、ダストボックスに粉塵を収容するためのベルトサンダの他の形態>
ダストボックス200は、排出ノズル140に接続可能な第1ノズル210と、吸引ノズル150に接続可能な第2ノズル220と、容器部230と、濾過部材260とを備えていれば、上記実施形態以外の形状、材質等が採用されてもよい。例えば、容器部230は、ビニール製の袋形状であってもよい。また、濾過部材260は、空気を透過し、ベルトサンダ1の加工作業で生じた粉塵を透過しないように構成されていればよい。
【0075】
上記実施形態では、濾過部材260の開口261は、ノズル接続部240のうち、第2ノズル220に接続する部分(第2ノズル接続部)に取り付けられていたが、濾過部材260は、第2ノズル220に取り付けられていてもよい。
【0076】
<スイッチ機構の構成>
次に、スイッチ機構8の全体構成について説明する。スイッチ機構8は、ユーザの手動操作により、モータ2の駆動と停止とを切り替えることで、ベルトサンダ1の駆動と停止とを切り替えるための機構である。図6に示すように、スイッチ機構8は、第1スイッチ80と、第2スイッチ90と、第1ロックスイッチ85と、第2ロックスイッチ95とを備える。図14から図18には、スイッチ機構8の構造を説明するための仮想平面として、ハンドル14の長軸を含み、左右方向に直交する平面P1が示されている。図12には、ベルトサンダ1が停止しているとき(常時)において、平面P1で切断したスイッチ機構8が示されている。
【0077】
図12に示すように、第1スイッチ80の一部は、ハンドル14の前方下部に設けられた開口144から下方に突出している。第1スイッチ80は、ハンドル14に対する引き操作が可能に構成されている。第1スイッチ80は、引き込みスイッチやトリガスイッチとも呼ばれる。第2スイッチ90の一部は、ハンドル14の後方上部に設けられた開口149から上方に突出している。第2スイッチ90は、ハンドル14に対する押し操作が可能に構成されている。第1スイッチ80及び第2スイッチ90は、モーメンタリスイッチとして構成されている。
【0078】
図4及び図12に示すように、第1ロックスイッチ85は、第1スイッチ80に作用するように、ハンドル14の前方に設けられている。第1ロックスイッチ85は、第1スイッチ80がオン状態になることを規制する機能(第1スイッチ80のオフ状態を維持する機能、ロックオフ機能)を発揮するように構成されている。また、第1ロックスイッチ85は、第1スイッチ80のオン状態を維持する機能(ロックオン機能)を発揮するように構成されている。第1ロックスイッチ85は、ロックオフ/ロックオンスイッチとも呼ばれる。第2ロックスイッチ95は、第2スイッチ90に作用するように、ハンドル14の左後方に設けられている。第2ロックスイッチ95は、第2スイッチ90のオン状態を維持する機能(ロックオン機能)を発揮するように構成されている。第2ロックスイッチ95は、ロックオンスイッチとも呼ばれる。
【0079】
コントローラ5は、第1スイッチ80及び第2スイッチ90の双方がオン状態であるとき、モータ2を回転するように構成されている。コントローラ5は、第1スイッチ80と第2スイッチ90の少なくとも一方がオフ状態であるとき、モータ2の回転を停止するように構成されている。
【0080】
上述したように、ユーザは、本実施形態のベルトサンダ1を、第1使用態様と、第2使用態様とで使用することができる。第1使用態様は、通常の使用態様であり、サンディング面B1を加工材上に配置し、ユーザがハンドル14を把持して、加工作業を行う態様である。第2使用態様は、サンディング面B1を鉛直上方に向けてベルトサンダ1を裏返した状態で、例えばスタンドや机等に載置し、ユーザが加工材を把持してサンディングベルトBに押し付けることで、加工作業を行う態様である。第2ロックスイッチ95は、主に、第2使用態様において用いられるスイッチである。
【0081】
<第1スイッチの構成>
まず、第1スイッチ80について説明する。図12及び図13に示すように、第1スイッチ80は、第1スイッチ操作部81と、第1メインスイッチ82とを備える。
【0082】
第1メインスイッチ82は、本体ハウジング11のハンドル14内に保持されている。第1メインスイッチ82は、コントローラ5と電気的に接続された本体部821と、本体部821の下部から下方に露出し、略上下方向に移動可能なプランジャ822とを有する。第1メインスイッチ82は、プランジャ822の露出部分の長さが所定閾値以下になるとオン(オン状態)になり、プランジャ822の露出部分の長さが所定閾値を超えるとオフ(オフ状態)になる。本体部821は、第1メインスイッチ82がオンであるとき、オン信号をコントローラ5に出力する。
【0083】
第1スイッチ操作部81は、ユーザの手動操作が可能に構成されている。第1スイッチ操作部81は、第1オン位置と第1オフ位置とに移動可能である。図13には、第1オン位置にある第1スイッチ操作部81が実線で、第1オフ位置にある第1スイッチ操作部81が破線で示されている。第1オン位置は、第1スイッチ操作部81が第1メインスイッチ82に作用することで、第1メインスイッチ82をオン状態とする、第1スイッチ操作部81の位置である。第1オフ位置は、第1メインスイッチ82をオフ状態とする、第1スイッチ操作部81の位置である。第1スイッチ操作部81は、常時には、第1オフ位置にある。第1スイッチ操作部81を第1オン位置、第1オフ位置に移動させる操作を、夫々、オン操作、オフ操作とも呼ぶ。本実施形態では、第1スイッチ操作部81のオン操作は、引き操作である。第1スイッチ操作部81のオフ操作は、引き操作の解除である。
【0084】
第1スイッチ操作部81の構成について具体的に説明する。第1スイッチ操作部81は、基部811と、ボス部814と、突起部815とを有する。基部811は、第1メインスイッチ82の前方からプランジャ822の下方に延在する部分である。基部811の一部は、ハンドル14の前方下部に設けられた開口144から下方に突出している。当該突出した部分は、ユーザの手指に沿う外形状を有している。基部811は、プランジャ822の下端に当接する当接部812(図12参照)を有する。突起部815は、基部811の前部分から上方に突出する略厚板状に形成されている。図14から図16に示すように、突起部815は、左右方向においてハンドル14の略中央に位置し、平面P1は、突起部815を通る。ボス部814は、基部811の前部において左右方向に延在し、ハンドル14に支持されている。ボス部814は、ハンドル14に対して回動可能である。
【0085】
第1スイッチ操作部81のオン操作が、第1ロックスイッチ85によって規制されていない場合、第1スイッチ操作部81は、ユーザの引き操作により開口144内に引き込まれる。このとき、第1スイッチ操作部81は、ボス部814を中心にして時計回りに回動する。これにより、第1スイッチ操作部81は、図13に破線で示す状態から実線で示す状態へと移行し、突起部815は前方へ移動する。また、当接部812はプランジャ822を押し込む。当接部812がプランジャ822を押し込むことにより、第1メインスイッチ82(第1スイッチ80)はオン状態となる。第1オン位置は、プランジャ822の露出部分の長さが所定閾値以下になる、第1スイッチ操作部81の位置でもある。
【0086】
第1スイッチ操作部81の引き操作が解除されると、第1スイッチ操作部81はボス部814を中心に反時計回りに回動して元の位置へ復帰し、突起部815は後方へ移動する。また、当接部812はプランジャ822の押し込みを解除する。これにより、第1スイッチ80がオフ状態となる。第1オフ位置は、プランジャ822の露出部分の長さが所定閾値よりも大きくなる、第1スイッチ操作部81の位置でもある。
【0087】
第1スイッチ80は、更に、第1スイッチ操作部81を第1オフ位置に付勢する、付勢部材818を備える。本実施形態では、付勢部材818として、圧縮コイルバネが採用されている。図12に示すように、付勢部材818の一端は、ボス部814の後部、かつ、当接部812の前部において、基部811に支持されている。付勢部材818の他端は、ハンドル14の内壁に支持されている。第1スイッチ操作部81が、付勢部材818の付勢力に逆らって引き操作され、第1オン位置に位置づけられることで、第1スイッチ80はオン状態になる。また、第1スイッチ操作部81の引き操作が解除されると、付勢部材818の付勢力により、第1スイッチ操作部81が第1オフ位置に復帰し、これにより、第1スイッチ80はオフ状態になる。
【0088】
<第1ロックスイッチの構成>
次に、第1ロックスイッチ85について説明する。第1ロックスイッチ85は、ユーザの手動操作により、第1スイッチ操作部81のオン操作を規制するロックオフ位置と、第1スイッチ操作部81のオン操作を許可するロックオフ解除位置とに移動する。ロックオフ解除位置は、第1スイッチ80のオン操作を維持する、ロックオン位置を含む。第1ロックスイッチ85は、常時には、ロックオフ位置に位置づけられている。図12及び図14は、第1ロックスイッチ85がロックオフ位置に位置づけられた状態(ロックオフ状態)を示しており、図15及び図16は、第1ロックスイッチ85がロックオン位置に位置づけられた状態(ロックオン状態)を示している。
【0089】
図14に示すように、第1ロックスイッチ85は、操作軸部851と、ロックオフ係止部853と、ロックオン係止部855L、855Rと、付勢部材858とを備える。第1ロックスイッチ85は、ハンドル14に対して押し込み操作が可能な、押し込み操作部として構成されている。
【0090】
操作軸部851は、概ね左右方向に延在する部材である。図14に示すように、ロックオフ状態において、操作軸部851の左右方向における略中央部は、平面P1に現れる。常時には、操作軸部851の左端部及び右端部は、夫々、ハンドル14の左側面(左壁14L)及び右側面(右壁14R)に設けられた開口145L、145Rから突出している。操作軸部851の左端部及び右端部は、それぞれ、操作部851L、851Rとして機能する。第1ロックスイッチ85は、ユーザが第1スイッチ操作部81を操作する手指が届く範囲に配置されている。具体的には、操作部851Rは、ユーザが第1スイッチ操作部81を右手指で引き操作するようにハンドル14を右手で把持したとき、ユーザの右親指が届く範囲に配置されている。また、操作部851Lは、ユーザが第1スイッチ操作部81を左手指で引き操作するようにハンドル14を左手で把持したとき、ユーザの左親指が届く範囲に配置されている。
【0091】
ロックオフ係止部853は、第1スイッチ操作部81の突起部815に当接して、第1スイッチ操作部81の引き操作を規制するように構成されている。本実施形態では、操作軸部851のうち、左右方向における中央部には、後方に窪んだ窪み部854が設けられている。ロックオフ係止部853は、窪み部854の中央前部から前方下部に突出する、厚板状に形成されている。
【0092】
ロックオン係止部855L、855Rは、夫々、窪み部854の左端及び右端に、ロックオフ係止部853と離間して設けられている。ロックオン係止部855L、855Rは、前後方向において、ロックオフ係止部853よりも後方に位置する。ロックオン係止部855L、855Rは、夫々、下方に突出する厚板状に形成されている。左右方向における、ロックオン係止部855Lとロックオフ係止部853との間隔、及び、ロックオン係止部855Rとロックオフ係止部853との間隔は、夫々、突起部815の左右方向の厚みよりも大きい。そのため、突起部815(第1スイッチ操作部81)は、ロックオフ係止部853との係合が解除されると、回動可能となる(ロックオフ解除状態)。なお、当該係合が解除されたとき、第1スイッチ操作部81は、前後方向において、突起部815の後壁(後面)がロックオン係止部855L、855Rの前壁(前面)よりも前方に位置するまで、回動可能である。
【0093】
操作軸部851は、更に、規制壁854L、854Rを有する。規制壁854L、854Rは、窪み部854の左右端を規定している。規制壁854Lは、ロックオン係止部855Lの左前方に設けられている。規制壁854Lは、第1ロックスイッチ85が右へ押し込まれたとき、突起部815の左側面に当接する。これにより、規制壁854Lは、第1ロックスイッチ85の右方向への移動を規制するとともに、ロックオン係止部855Lを突起部815の真後ろに位置づける。規制壁854Rは、ロックオン係止部855Rの右前方に設けられている。規制壁854Rは、第1ロックスイッチ85が左へ押し込まれたとき、突起部815の右側面に当接する。これにより、規制壁854Rは、第1ロックスイッチ85の左方向への移動を規制するとともに、ロックオン係止部855Rを突起部815の真後ろに位置づける。
【0094】
付勢部材858は、操作軸部851の後方に設けられている。付勢部材858は、左右方向に沿って配置されている。付勢部材858は、第1ロックスイッチ85をロックオフ位置に付勢するように構成されている。本実施形態では、付勢部材858として圧縮コイルバネが採用されている。
【0095】
本実施形態では、操作軸部851の後部には、操作軸部851と一体に形成され、付勢部材858を保持する保持部859が設けられている。付勢部材858の左端及び右端は、夫々、保持部859の左壁及び右壁に保持されている。保持部859の左壁及び右壁は、夫々、開口を有する。付勢部材858の左端及び右端には、保持部859の上記開口を介して、ハンドル14の左壁及び右壁から突出する突起部149L、149Rが当接している。図15に示すように、操作軸部851が左へ移動すると、付勢部材858は保持部859とともに左へ移動する。このとき、付勢部材858の右端は保持部859の右壁に支持される一方、付勢部材858の左端は突起部149Lに支持されることで、付勢部材858は縮む。また、図16に示すように、操作軸部851が右へ移動すると、付勢部材858は保持部859とともに右へ移動する。このとき、付勢部材858の左端は保持部859の左壁に支持される一方、付勢部材858の右端は突起部149Rに支持されることで、付勢部材858は縮む。
【0096】
上述したように、第1ロックスイッチ85は、常時には、ロックオフ位置に位置づけられている。図14に示すように、ロックオフ位置は、ロックオフ係止部853が突起部815の真後ろに位置する、第1ロックスイッチ85の位置である。ロックオフ位置では、ロックオフ係止部853は、平面P1上に位置する。第1ロックスイッチ85は、ユーザの手動操作により、右へ押し込まれることで、図15に示す第1のロックオン位置に移動可能である。第1のロックオン位置は、ロックオン係止部855Rが突起部815の真後ろに位置する、第1ロックスイッチ85の位置である。第1のロックオン位置では、ロックオン係止部855Rは、平面P1上に位置する。また、第1ロックスイッチ85は、ユーザの手動操作により、左へ押し込まれることで、図16に示す第2のロックオン位置に移動可能である。第2のロックオン位置は、ロックオン係止部855Lが突起部815の真後ろに位置する、第1ロックスイッチ85の位置である。第2のロックオン位置では、ロックオン係止部855Lは、平面P1上に位置する。
【0097】
<第1スイッチ及び第1ロックスイッチの操作方法>
図12図14に示すように、第1ロックスイッチ85がロックオフ位置にあるとき、ロックオフ係止部853の後壁は、第1スイッチ操作部81の突起部815の前壁と当接(係合、干渉)している。これにより、ロックオフ係止部853は、突起部815の前方への移動、つまり、第1スイッチ操作部81の引き操作を規制している(ロックオフ状態)。
【0098】
ユーザが、操作部851Rをハンドル14に押し込むと、第1ロックスイッチ85はロックオフ位置から左へ移動する。そうすると、ロックオフ係止部853と第1スイッチ操作部81の突起部815との係合が解除される(ロックオフ解除状態)。これにより、突起部815は、時計まわりに回動可能となり、第1スイッチ操作部81の引き操作(オン操作)が可能となる。なお、ユーザが第1スイッチ操作部81を引き操作すると、突起部815は、時計まわりに回動し、前後方向において、ロックオン係止部855Rよりも前方へ移動し得る。
【0099】
ユーザが、第1ロックスイッチ85を更に左へ押し込むと、図15に示すように、規制壁854Rが突起部815の右側面に当接する位置まで、第1ロックスイッチ85は、左へ移動する。規制壁854Rの左後方には、ロックオン係止部855Rが設けられているので、規制壁854Rが突起部815の右側面に当接すると、ロックオン係止部855Rは、突起部815の真後ろに位置することとなる。つまり、第1ロックスイッチ85は、第1のロックオン位置に位置づけられる。
【0100】
ユーザが第1スイッチ操作部81の引き操作(オン操作)を解除すると、第1スイッチ操作部81には、付勢部材818(図12参照)により、第1オフ位置へ向かう付勢力が作用する。しかし、突起部815の後壁(後面)が、ロックオン係止部855Rの前壁(前面)と係合し、第1スイッチ操作部81の第1オフ位置への移動を規制する。これにより、第1スイッチ操作部81は、第1オン位置に維持される。そのため、ユーザが第1スイッチ操作部81の引き操作を解除しても、オン操作が維持される(ロックオン状態)。なお、このとき、第1ロックスイッチ85の付勢部材858は、図15に示すように縮み、第1ロックスイッチ85をロックオフ位置へ付勢する。しかし、第1スイッチ80の付勢部材818が、第1スイッチ操作部81の突起部815(第1スイッチ操作部81)を第1オフ位置へ向かう方向(突起部815が反時計回りに回動する方向)へ付勢している。そのため、ロックオン係止部855Rには、突起部815を介して、付勢部材818の付勢力が作用して、突起部815とロックオン係止部855Rとの係合が保たれる。このようにして、第1ロックスイッチ85は、第1のロックオン位置に留まる。
【0101】
図15に示すように、第1ロックスイッチ85が第1のロックオン位置に位置づけられ、第1スイッチ操作部81のオン操作が維持されている状態において、ユーザが第1スイッチ操作部81を更に引き操作すると、突起部815は、時計回りに回動する。これにより、突起部815がロックオン係止部855Rから離れて、突起部815とロックオン係止部855Rとの係合が解除される。そのため、第1ロックスイッチ85は、付勢部材858の付勢力によって、ロックオフ位置へ復帰する(図14参照)。また、第1スイッチ操作部81は、付勢部材818の付勢力によって、第1オフ位置に復帰する。
【0102】
ユーザが、ロックオフ位置にある第1ロックスイッチ85を、第2のロックオン位置に移動させる態様も、上記と同様である。すなわち、ユーザが、操作部851Lをハンドル14に押し込むと、第1ロックスイッチ85はロックオフ位置から右へ移動する。そうすると、ロックオフ係止部853と第1スイッチ操作部81の突起部815との係合が解除される。ユーザが第1スイッチ操作部81を引き操作(オン操作)すると、突起部815は、前後方向において、ロックオン係止部855Lよりも前方へ移動し得る。
【0103】
ユーザが、第1ロックスイッチ85を更に右へ押し込むと、図16に示すように、規制壁854Lが突起部815の左側面に当接する位置まで、第1ロックスイッチ85は、右へ移動する。規制壁854Lの右後方には、ロックオン係止部855Lが設けられているので、規制壁854Lが突起部815の左側面に当接すると、ロックオン係止部855Lは、突起部815の真後ろに位置することとなる。つまり、第1ロックスイッチ85は、第2のロックオン位置に位置づけられる。
【0104】
ユーザが第1ロックスイッチ85の引き操作(オン操作)を解除すると、第1スイッチ操作部81には、付勢部材818により、第1オフ位置へ向かう付勢力が作用する。しかし、突起部815の後壁が、ロックオン係止部855Lの前壁に当接し、第1スイッチ操作部81の第1オフ位置への移動を規制する。これにより、第1スイッチ操作部81は、第1オン位置に維持され、ユーザが第1ロックスイッチ85の引き操作を解除しても、第1スイッチ操作部81のオン操作が維持される(第1スイッチ80のロックオン状態)。なお、ロックオン係止部855L(第1ロックスイッチ85)には、突起部815を介して、付勢部材818の付勢力が作用している。この付勢力の作用により、第1ロックスイッチ85は、第2のロックオン位置に留まる。
【0105】
図16に示すように、第1ロックスイッチ85が第2のロックオン位置に位置づけられ、第1スイッチ操作部81のオン操作が維持されている状態において、ユーザが第1スイッチ操作部81を更に引き込み操作すると、突起部815は、時計回りに回動する。これにより、突起部815とロックオン係止部855Rとの係合が解除される。そのため、第1ロックスイッチ85は、付勢部材858の付勢力によって、ロックオフ位置へ復帰する(図14参照)。また、第1スイッチ操作部81は、付勢部材818の付勢力によって、第1オフ位置に復帰する。
【0106】
以上のように、ユーザは、第1スイッチ80がロックオン状態であるとき(図15及び図16参照)、第1スイッチ操作部81を引き操作した後、当該引き操作を解除するだけで、第1スイッチ80をオフ状態にするとともに、第1スイッチ80をロックオフ状態に移行させることができる。
【0107】
<第2スイッチの構成>
次に、第2スイッチ90について説明する。図12に示すように、第2スイッチ90は、第2スイッチ操作部91と、第2メインスイッチ92とを備える。
【0108】
第2メインスイッチ92は、第1スイッチ80よりも後方で、本体ハウジング11のハンドル14内に保持されている。第2メインスイッチ92は、コントローラ5と電気的に接続された本体部921と、本体部921の上部から上方に突出するアクチュエータ922とを備える。アクチュエータ922は、下方に押圧されることで、本体部921に押し込まれる。第2メインスイッチ92は、アクチュエータ922の本体部921対する押し込み(押圧)量が所定閾値以上になるとオン(オン状態)になり、本体部921に対する押し込み量が所定閾値未満になるとオフ(オフ状態)になる。本体部921は、第2メインスイッチ92がオンであるとき、オン信号をコントローラ5に出力する。
【0109】
第2スイッチ操作部91は、第1スイッチ操作部81及び第1ロックスイッチ85よりも後方に設けられている。第2スイッチ操作部91は、第1部分12(モータ収容部)の上壁121を含む仮想平面P2(図6参照)よりも下方に設けられている。図12に示すように、第2スイッチ操作部91は、ハンドル14の後方上部に設けられた開口149から、その一部が上方に突出するように、ハンドル14に配置されており、略上下方向に移動する。第2スイッチ操作部91は、ユーザの手動操作が可能に構成されている。第2スイッチ操作部91は、第2オン位置と第2オフ位置とに移動可能である。図17には、第2オン位置にある第2スイッチ操作部91が実線で、第2オフ位置にある第2スイッチ操作部91が破線で、夫々示されている。第2オン位置は、第2スイッチ操作部91が第2メインスイッチ92に作用することで、モータ2を駆動させる、第2スイッチ操作部91の位置である。第2オフ位置は、モータ2の駆動を停止させる、第2スイッチ操作部91の位置である。第2スイッチ操作部91は、常時には、第2オフ位置にある。第2スイッチ操作部91を第2オン位置、第2オフ位置に移動させる操作を、夫々、オン操作、オフ操作とも呼ぶ。本実施形態では、第2スイッチ操作部91のオン操作は、押し操作である。第2スイッチ操作部91のオフ操作は、押し操作の解除である。
【0110】
第2スイッチ操作部91の構成について、具体的に説明する。第2スイッチ操作部91は、基部911と、左右方向に延在し左右端がハンドル14に支持された回動シャフト916と、付勢部材918とを有する。基部911は、第2メインスイッチ92の上方かつ前方に配置され、前後方向に延在する。基部911の後部分は、下方に張り出している。基部911の後方下部には、アクチュエータ922の上端部に当接可能な当接部912が設けられている。
【0111】
常時には、基部911の一部は、ハンドル14の後方上部に設けられた開口149から上方へ突出している(図12参照)。当該突出した部分は、背びれ状を呈する。基部911の前端部には、左右方向に延在する軸孔915が設けられている。軸孔915には、回動シャフト916が挿通されている。基部911は、回動シャフト916を中心に回動可能である。基部911は、ユーザの押し操作により反時計回り(下方)に回動して、開口149に押し込まれる。
【0112】
基部911は、内部に空間を有するブロック状に形成されている。図12に示すように、基部911の左壁部911Lには、開口917が設けられている。詳細は後述するが、開口917は、第2ロックスイッチ95の係止部954を、基部911の内部空間に挿入して配置可能な、位置及び大きさに形成されている。
【0113】
付勢部材918は、第2スイッチ操作部91を第2オフ位置に付勢するように構成されている。本実施形態では、付勢部材918としてトーションスプリングが採用されている。トーションスプリング918のコイル部分は、回動シャフト916上に設けられている。ハンドル14内には、基部911の前方から後方下部へ延在する支持壁142が設けられており、トーションスプリング918の一方のアーム918fは、支持壁142に固定されている。トーションスプリング918の他方のアーム(不図示)は、基部911に固定されて、基部911を上方(時計回りの方向)へ付勢している。
【0114】
第2スイッチ操作部91は、ユーザの押し操作により開口149内に押し込まれる。このとき、第2スイッチ操作部91は、回動シャフト916を中心にして反時計回りに回動する。これにより、当接部912が下方へ移動してアクチュエータ922を押し込み、第2メインスイッチ92(第2スイッチ90)はオン状態となる。第2オン位置は、アクチュエータ922の押し込み(押圧)量が所定閾値以上になる、第2スイッチ操作部91の位置でもある。
【0115】
第2スイッチ操作部91の引き操作が解除されると、トーションスプリング918の付勢力により、第2スイッチ操作部91は回動シャフト916を中心に時計回りに回動して元の位置へ復帰し、当接部912はアクチュエータ922の押し込みを解除する。これにより、第2スイッチ90がオフ状態となる。第2オフ位置は、アクチュエータ922の押し込み(押圧)量が所定閾値未満になる、第2スイッチ操作部91の位置でもある。
【0116】
<第2ロックスイッチの構成>
第2ロックスイッチ95は、第2スイッチ90に作用するように、ハンドル14の後方に設けられている。第2ロックスイッチ95は、前後方向において、第1ロックスイッチ85の後方に位置し、かつ、上下方向において、第1ロックスイッチ85の下方に位置する。図18に示すように、第2ロックスイッチ95の一部は、ハンドル14の左壁14Lに設けられた開口147から露出している。第2ロックスイッチ95は、常時には、オフ位置(非ロックオン位置)に位置づけられている(図18参照)。第2ロックスイッチ95は、ユーザの手動操作により、第2スイッチ操作部91のオン操作を維持する、ロックオン位置に移動可能である(図19参照)。
【0117】
図18及び図19に示すように、ハンドル14の左壁14Lのうち、第2スイッチ操作部91の後部分に対応する位置には、右側へ窪んだ窪み部146が設けられている。第2ロックスイッチ95は、窪み部146に配置されている。窪み部146は、右側へ向けて内径が小さくなる、多段円状に形成されている。窪み部146の略中央部には、開口147が位置している。窪み部146は、左右方向に直交する、第1フランジ146a及び第2フランジ146bを有する。第2フランジ146bは、開口147の周囲に設けられた環状壁である。第1フランジ146aは、第2フランジ146bの左側であって、第2フランジ146bの周囲に設けられた環状壁である。
【0118】
第2ロックスイッチ95は、段付きピン953と、段付きピン953の左端部に設けられた操作部951と、付勢部材958とを有する。
【0119】
段付きピン953は、概ね左右方向に延在し、左右方向に移動可能である。段付きピン953は、第2スイッチ操作部91が押し操作された場合に、基部911の開口917に挿入可能に、ハンドル14に配置されている。段付きピン953は、右端部がハンドル14内に配置され、左端部が窪み部146内(開口147の左側)に配置された状態で、開口147に挿通されている。段付きピン953の右端部の外径は、開口147の径よりも大きく形成されている。これにより、段付きピン953がハンドル14から抜けることが防止される。また、詳細は後述するが、段付きピン953の右端部は、第2スイッチ操作部91に係止して第2スイッチ操作部91を第2オン位置に維持する、係止部954として機能する。
【0120】
操作部951は、段付きピン953の左端部に嵌合する、キャップ状に形成されている。操作部951は、段付きピン953と一体に、左右方向へ移動可能である。操作部951の外径は、第2フランジ146bよりも大きく第1フランジ146aよりも小さい。そのため、操作部951の右側への移動は、第1フランジ146aによって規制される。第1ロックスイッチ85と異なり、第2ロックスイッチ95の操作部951は、左右方向において、窪み部146周囲における左壁14Lよりも左へ突出しない。
【0121】
付勢部材958は、第2ロックスイッチ95を、非ロックオン位置へ付勢するように構成されている。本実施形態では、付勢部材958として圧縮コイルバネが採用されている。付勢部材958は、段付きピン953上に配置されている。付勢部材958の左端は、操作部951の鍔部952に支持され、右端は第2フランジ146bに支持されている。
【0122】
<第2スイッチと第2ロックスイッチの操作方法>
図12図18に示すように、常時には、第2スイッチ操作部91(基部911)の一部は、ハンドル14に設けられた開口147から、ハンドル14よりも上方へ突出している(第2オフ位置)。上述したように、第2スイッチ操作部91は、ユーザの押し操作により開口149内に押し込まれて第2オン位置に移動し、第2メインスイッチ92(第2スイッチ90)はオン状態となる。
【0123】
第2スイッチ操作部91が押し操作された状態で、ユーザが、第2ロックスイッチ95の操作部951をハンドル14内に押し込むと、第2ロックスイッチ95の係止部954は、第2スイッチ操作部91の基部911に設けられた開口917から、基部911の内部空間へ挿入される。そして、第2スイッチ操作部91の押し操作が解除されると、トーションスプリング918の付勢力により、第2スイッチ操作部91は、元の位置(第2オフ位置)へ付勢される。しかし、第2スイッチ操作部91が第2オン位置から離脱(移動)する前に、段付きピン953の係止部954が、基部911における、開口917周囲の左壁部911Lに係合する(図19参照)。これにより、第2スイッチ操作部91は、第2オン位置に維持される(ロックオン状態)。また、第2ロックスイッチ95は、付勢部材958により、非ロックオン位置へ付勢されるものの、係止部954と基部911との係合により、ロックオン位置に留まる。以上により、ユーザが第2スイッチ操作部91及び第2ロックスイッチ95から手指を離しても、第2スイッチ90のオン状態が維持される。
【0124】
上記のロックオン状態において、ユーザが第2スイッチ操作部91を押し操作すると、第2スイッチ操作部91は反時計回り(下方)に回動し、段付きピン953の係止部954と、基部911の左壁部911Lとの係合が解除される。これにより、第2ロックスイッチ95は、付勢部材958の付勢力により、非ロックオフ位置へ復帰する(図18参照)。また、第2スイッチ操作部91は、付勢部材918の付勢力によって、第2オフ位置に復帰する。つまり、ユーザは、ロックオン状態において、第2スイッチ操作部91を一旦押し操作した後、当該押し操作を解除するだけで、第2スイッチ90をオフ状態とすることができる。
【0125】
以上で説明したスイッチ機構8は、第1使用態様、第2使用態様において、夫々、以下のように操作され得る。第1使用態様では、ユーザは、例えば左手で第2スイッチ操作部91を押し操作する。そして、右手を第1スイッチ操作部81に添えつつ、右手親指で第1ロックスイッチ85の操作部851Rを押し込むことで、第1スイッチ80のロックオフ状態を解除することができる。そして、右手で第1スイッチ操作部81を引き込み、かつ、第1ロックスイッチ85の操作部851Rを右手親指で更に押し込むことで、第1スイッチ80のオン状態を維持することができる(ロックオン状態)。なお、ユーザは、右手で第2スイッチ操作部91を押し操作し、左手を第1スイッチ操作部81に添えつつ、左手親指で第1ロックスイッチ85の操作部851Lを押し込んで、第1スイッチ80をロックオン状態にすることもできる。この状態で、ユーザがベルトサンダ1から手を離すと、第2スイッチ操作部91が第2オフ位置に復帰して、第2スイッチ90がオフ状態となる。そのため、ユーザは、第2スイッチ操作部91の押し操作を解除するだけで、ベルトサンダ1を停止させることができる。
【0126】
第2使用態様では、ユーザは、第2スイッチ操作部91を押し操作し(第2オン位置に移動させ)、第2ロックスイッチ95を押し込むことで、第2スイッチ90をロックオン状態にする。なお、ユーザは、第1スイッチ操作部81及び第1ロックスイッチ85を、第1使用態様と同様に操作することで、第1スイッチ80をロックオン状態にすることができる。これにより、ユーザは、ベルトサンダ1から手を離し、加工材を把持して加工作業を行うことができる。なお、ユーザは、上述したように、第2スイッチ操作部91を一旦押し操作した後、当該押し操作を解除するだけで、第2スイッチ90をオフ状態とすることができ、ベルトサンダ1を停止させることができる。
【0127】
以上で説明したように、本実施形態のベルトサンダ1では、第1ロックスイッチ85によって第1スイッチ80のオン状態を維持し、第2ロックスイッチ95によって第2スイッチ90のオン状態を維持できる。そのため、本実施形態のベルトサンダ1は、第2使用態様において、ベルトサンダ1が、多少の凹凸のある面に載置された場合であっても、モータ2の駆動を安定して継続できる。
【0128】
また、ロックオフ状態において、第1ロックスイッチ85の操作部851L、851Rは、ハンドル14の左右壁14L、14Rから夫々突出しており、第2ロックスイッチ95の操作部951は、ハンドル14の左壁14Lに設けられた窪み部146に配置されている。そのため、第2使用態様において、第1ロックスイッチ85と第2ロックスイッチ95の操作を連続して行いやすい。したがって、第2使用態様において、ベルトサンダ1の駆動に係る操作性をより向上できる。
【0129】
更に、ベルトサンダ1において、ハウジング10のモータ2が収容される部分(第1部分12)の上壁121は、サンディングベルトBに略平行であり、第2スイッチ操作部91は、上壁121を含む仮想平面P2よりも下方に設けられている。そのため、第2使用態様において、机やスタンド等に上壁121を載置することで、ベルトサンダ1の姿勢を安定させることができる。
【0130】
また、第1ロックスイッチ85に、第1スイッチ80のオン状態を維持する機能(ロックオン機能)に加え、第1スイッチ80がオン状態になることを防止する機能(ロックオフ機能)を発揮させることができる。そのため、ロックオフ機能を発揮するスイッチを別途設けることで、スイッチ機構の操作が複雑化することや、ベルトサンダが大型化することを抑制できる。つまり、本実施形態によれば、ベルトサンダ1の駆動に係る操作性の向上と、ベルトサンダ1のコンパクト化とを達成できる。
【0131】
また、第2スイッチ操作部91は、ハンドル14の上方から突出しているので、ユーザは、第2スイッチ操作部91を上方から押し込むことにより、第2スイッチ90をオン状態にすることができる。そのため、第1使用態様においても、ベルトサンダ1の駆動に係る操作性を向上できる。
【0132】
また、第2スイッチ操作部91は、ユーザの押し操作の解除により、第2オフ位置に復帰するので、第1使用態様において、ユーザがベルトサンダ1から手を離した場合であっても、ベルトサンダ1が自走することを防止できる。
【0133】
第2ロックスイッチ95は、第2スイッチ操作部91の移動方向(略上下方向)に対して交差する、左右方向に移動する。そのため、ユーザが、第2スイッチ操作部91を操作する場合に、ユーザの手指が第2ロックスイッチ95に不用意に触れることで、第2ロックスイッチ95が意図せず操作されることを抑制できる。なお、本実施形態では、第2ロックスイッチ95は、ハンドル14よりも外側(左壁14Lよりも左)へ突出しないように構成されている。これにより、第2ロックスイッチ95が意図せず操作されることを、一層抑制できる。
【0134】
<スイッチ機構の他の形態>
第1スイッチ80、第2スイッチ90は、モーメンタリスイッチとして構成されていれば上記以外の構成が採用されてもよい。例えば、第1スイッチ操作部81、第2スイッチ操作部91は、ユーザのスライド操作により、第1、2オン位置と、第1、2オフ位置とに移動される、スライド操作部として構成されていてもよい。同様に、第1ロックスイッチ85、第2ロックスイッチ95は、夫々、第1スイッチ80、第2スイッチ90のオン操作を継続可能に構成されていれば、上記以外の構成が採用されてもよい。
【0135】
上記実施形態では、付勢部材818、858、958として、圧縮コイルバネが採用され、付勢部材918として、トーションスプリングが採用されていた。これに対し、付勢部材818、858、918、958として、他の付勢部材(弾性体)が採用されてもよい。
【0136】
上記実施形態では、第2ロックスイッチ95は、ハンドル14の左壁14Lに設けられていた。これに対し、第2ロックスイッチ95は、ハンドル14の右壁14Rに設けられていてもよいし、左右壁14L、14Rに夫々設けられていてもよい。
【0137】
<バッテリ装着部の構成>
次に、図1から図5、及び図20を用いて、バッテリ装着部4の構成について説明する。バッテリ装着部4は、ベルト駆動部6の上(本体ハウジング11の第2部分13)に設けられている。バッテリ装着部4は、周知の構成を有する充電式のバッテリ300が、バッテリ装着部4に対してスライド方向にスライドされることで、バッテリ300を着脱するように構成されている。
【0138】
まず、バッテリ装着部4に着脱可能なバッテリの一例について説明する。図20に示すバッテリ300は、バッテリ装着部4に装着されるバッテリパックの一例である。図20では、バッテリ300は、複数のバッテリセルを収容するケース310と、バッテリ装着部4に着脱可能な装着部320とを備える。装着部320は、バッテリ300がバッテリ装着部4に装着されたときに、バッテリ装着部4の装着面41と対向する装着面321を有する。図20では、バッテリ300の方向に関し、ケース310に対して装着面321の設けられた方向を下側、その反対側を上側と定義する。また、上下方向に交差する方向であって、バッテリ300のスライド方向を前後方向とし、前後方向のうち、後述する305が設けられる側を、前側、その反対側を後側と定義する。更に、上下方向及び前後方向に交差する方向を左右方向と定義する。
【0139】
装着部320は、装着面321と、一対のレール受け部322と、一対の電源端子324と、信号用端子326とを有する。装着面321は、バッテリ300がベルトサンダ1のバッテリ装着部4に装着されたとき、バッテリ装着部4の装着面41(詳細は後述)に対向する面である。本実施形態では、装着面321は、ケース310の下面であり、ケース310の前方下部が下方に突出した部分(突出部311)の下面を含む。装着面321は、前後方向及び左右方向に略平行な面である。バッテリ300は、上下方向幅が、前後方向幅、及び、左右方向幅よりも小さい矩形箱状に形成されている。バッテリ300(ケース310)は、スライド方向に長辺を有する。装着面321と逆側の面(上面312)は、バッテリ300のうち、最大面積を有する。一対のレール受け部322は、突出部311の左右側面に設けられ、ケース310の長辺方向(前後方向)に延在する。一対のレール受け部322は、バッテリ装着部4の備えるガイドレール42(図4参照)に係合可能に構成されている。
【0140】
装着部320は、更に、突出部311の前方下部に設けられたロック部材305を含む。ロック部材305は、バッテリ装着部4に設けられたロック受け部と係合して、バッテリ300を、バッテリ装着部4に固定(ロック)する。アンロックボタン(不図示)は、ユーザに押し操作されることで、ロック部材305とロック受け部とのロックを解除する。
【0141】
図2及び図5に示すように、バッテリ装着部4は、本体ハウジング11の第2部分13に設けられている。バッテリ装着部4は、上壁131及び側壁133の内側部分に設けられ、前方からバッテリ300を受け入れ可能に形成されている。上述したように、本体ハウジング11のうちベルト駆動部6の上に位置する部分は、第2部分13の上壁131が第1部分12の上壁121よりも下方に位置する、段差状に形成されている。第1部分12はモータ2を収容しているので、バッテリ装着部4は、モータ2の前方、かつ、ベルト駆動部6の上方に設けられているとも言える。また、バッテリ装着部4は、上方から見た場合にベルト駆動部6とオーバーラップし、前方から見た場合に、モータ2とオーバーラップしているとも言える。
【0142】
図6に示すように、バッテリ装着部4は、バッテリ300を装着した装着状態(以下、バッテリ装着状態)で、上下方向において、バッテリ300がハウジング10の上壁121から上方に突出しないように構成されている。また、バッテリ装着部4は、バッテリ装着状態で、前後方向において、バッテリ300が本体ハウジング11の前端から前方に突出しないように構成されている。本実施形態では、図6に示すように、上下方向に関し、バッテリ300のうち、装着面321と逆側の面(上面312)は、本体ハウジング11の第1部分12の上壁121と、略同じ位置にある。また、前後方向に関し、バッテリ300の前面314は、本体ハウジング11の前端と、略同じ位置にある。更に、図4に示すように、バッテリ装着部4は、左右方向において、バッテリ300が左本体ハウジング11Lの左端から左に突出せず、かつ、右本体ハウジング11Rから右に突出しないように構成されている。言い換えると、バッテリ装着部4は、バッテリ装着状態で、バッテリ300の左右方向が本体ハウジング11の第2部分13の左右方向幅内に収まるように構成されている。本実施形態では、左右方向に関し、バッテリ300の右面313は、右本体ハウジング11Rの側壁123、133と略同じ位置にある。
【0143】
バッテリ装着部4は、装着面41と、一対のガイドレール42と、一対の電源端子44と、信号用端子46とを備える。本実施形態では、バッテリ装着部4に対するバッテリ300のスライド方向は、前後方向である。詳細には、バッテリ装着部4に対するバッテリ300の装着方向は、前から後へ向かう方向である。バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300の取り外し方向は、後から前へ向かう方向である。
【0144】
装着面41は、バッテリ300がバッテリ装着部4に装着されたときに、バッテリ300の一面(装着面321)に対向する面である。装着面41は、前後方向及び左右方向に略平行である。第2部分13の側壁133の内側には、夫々、前後方向に延在するガイドレール42が設けられている。一対のガイドレール42は、バッテリ300のレール受け部322を係合するように構成されている。バッテリ装着部4に、バッテリ300の装着部320を装着する場合、ガイドレール42は、レール受け部322を前後方向に案内する。装着面41は、バッテリ300のスライド方向に略平行とも言える。
【0145】
一対の電源端子44は、一対のガイドレール42の間に設けられている。一対の電源端子44は、装着面41から上方に突出し、前後方向に延在する板状に形成されている。一対の電源端子44は、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300から電力を受電するように構成されている。信号用端子46は、一対の電源端子44の間に設けられ、装着面41から上方に突出し、前後方向に延在する。信号用端子46は、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300と信号の送受信を行うように構成されている。
【0146】
バッテリ装着部4に対して、バッテリ300の装着部320が前から後へスライドされることで、バッテリ300のレール受け部322がバッテリ装着部4のガイドレール42に係合して、バッテリ300はバッテリ装着部4に装着される。このとき、バッテリ装着部4の装着面41は、バッテリ300の装着面321に対向する。また、バッテリ装着部4の一対の電源端子44の夫々は、バッテリ300の一対の電源端子324の夫々と電気的に接続する。また、バッテリ装着部4の信号用端子46は、バッテリ300の信号用端子326と電気的に接続する。
【0147】
バッテリ装着部4は、更に、バッテリ300のロック部材305が係合する、ロック受入穴47を含む。バッテリ300がバッテリ装着部4に装着されると、ロック部材305がロック受入穴47に係合し、バッテリ300が前後方向に移動不能に固定される。そして、バッテリ300のアンロックボタンが押下されると、ロック部材305とロック受入穴47との係合が解除される。当該係合が解除された状態において、バッテリ装着部4に対してバッテリ300が後から前にスライドされることによって、バッテリ300はバッテリ装着部4から取り外される。
【0148】
本実施形態のベルトサンダ1は、更に、フロントハンドル17を備える。フロントハンドル17は、ハウジング10に接続されており、ハウジング10に対し回動可能である。図3に示すように、フロントハンドル17の回動軸A4は、左右方向に延在する。フロントハンドル17を、「第2ハンドル」とも呼ぶ。
【0149】
フロントハンドル17は、左右方向に延在する回動軸A4を中心に回動する。フロントハンドル17は、基端部172と先端部173とを備え回動軸A4に交差する方向に延在するアーム171と、ユーザが把持するための把持部175とを備える。
【0150】
図2及び図3に示すように、アーム171の基端部172は、ハウジング10の左側壁(ファンハウジング161)に設けられた回動部18に、着脱可能に取り付けられている。回動部18は、アーム171の基端部172と係合し、アーム171が回動軸A4周りの所定範囲内を回動することを許容するように構成されている。把持部175は、アーム171の先端部173から右側へ延在している。把持部175は、左右方向に平行である。把持部175の先端(右側の端部)は、ハウジング10の右端(右側壁123、133)よりも左側に位置している。把持部175の左右方向長さは、ハウジング10の左右方向幅内に収まるように形成されている。フロントハンドル17は、回動によって、把持部175がハウジング10やバッテリ装着部4に装着されたバッテリ300に接触しないように、アーム171の長さ、及び、ハウジング10に対するアーム171の基端部172の位置が調整されている。
【0151】
回動部18、及び、フロントハンドル17のうち回動部18と対向する部分(把持部175の基端部172の右側面)には、夫々、径方向に延在する複数のカム面が設けられている。フロントハンドル17は、フロントハンドル17の複数のカム面と回動部18のカム面とが互いに噛み合う(係合する)ことによって、複数の回動位置に位置決めされるように構成されている。本実施形態では、フロントハンドル17は、4つの回動位置(角度位置)に位置決めされる。図3に示すように、アーム171が回動軸A4周りに回動することによって、フロントハンドル17(把持部175)は、位置R1、R2、R3、R4の順に下方から上方に移動する。把持部175の位置は、アーム171の基端部172と回動部18が係合することで、各回動位置R1~R4に固定(位置決め)される。
【0152】
位置R1では、把持部175は、ハウジング10(第2部分13)の前端よりも前側であって、装着面41よりも下側に位置する。位置R2では、把持部175は、ハウジング10の前端よりも前側であって、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300の前方(真正面)に位置する。本実施形態では、位置R2では、図6に示すように、把持部175の上端は、ハウジング10の上端部(第1部分12の上壁121)、及び、バッテリ装着部4に装着されたバッテリの上面312と、上下方向において略同じ位置にある。位置R2では、上壁121を含む平面P2は、把持部175の上端と、バッテリ300の上面312とを通る。位置R2を、「第1回動位置」とも呼ぶ。
【0153】
位置R3、R4では、把持部175は、ハウジング10の前端よりも後側であって、上下方向において、ハウジング10の上壁121よりも上側に位置する。位置R3は、ユーザが、ハンドル14を一方の手で把持し、他方の手でフロントハンドル17の把持部175を把持して、第1使用態様での加工作業を行うために適した位置である。位置R4は、ユーザが、ベルトサンダ1を持ち上げて移動させるのに適した位置である。なお、位置R1では、把持部175は、装着面41よりも下側に位置し、位置R3、R4では、把持部175は、ハウジング10の上端部(第1部分12の上壁121)よりも上側、つまり、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300よりも上側に位置する。そのため、ユーザは、フロントハンドル17を回動させて、把持部175を位置R1、R3、R4のいずれかに移動させることで、バッテリ300を、バッテリ装着部4に着脱することができる。位置R1、R3、R4を「第2回動位置」とも呼ぶ。
【0154】
以下、本実施形態のバッテリ装着部4を備えるベルトサンダ1が奏する効果について説明する。本実施形態のバッテリ装着部4は、上方から見た場合にベルト駆動部6(サンディングベルトB、サンディング面B1)とオーバーラップする位置であって、前方から見た場合にモータ2とオーバーラップする位置に設けられている。そのため、ベルトサンダ1の駆動時には、モータ2と、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300の重さとが、サンディング面B1に加わることとなる。したがって、モータ2及びバッテリ300の質量を利用して加工作業を行うことができるので、ベルトサンダ1の操作効率を向上できる。
【0155】
また、バッテリ装着部4は、バッテリ装着状態で、上下方向に関し、バッテリ300の上面312が、本体ハウジング11の第1部分12の上壁121と、略同じ位置になるように構成されている。また、左右方向に関し、バッテリ300の右面313が、右本体ハウジング11Rの側壁123、133と略同じ位置になるように構成されている。また、前後方向に関し、バッテリ300の前面314が、本体ハウジング11の前端と、略同じ位置になるように構成されている。そのため、バッテリ装着状態におけるベルトサンダ1を、上下方向、左右方向、前後方向にコンパクト化でき、バッテリ300がベルトサンダ1の前方や左右に位置する壁や物体に接触してベルトサンダの加工範囲が制限されることを、抑制できる。
【0156】
更に、バッテリ装着状態で、バッテリ300の上面312は、ハウジング10の上壁121と上下方向において略同じ位置であるため、サンディング面B1を鉛直上方に向けてベルトサンダ1を裏返した状態とし、ユーザが加工材を把持して、サンディングベルトBに押し付けて加工作業を行う態様(第2使用態様)で、ベルトサンダ1を使用する場合、ハウジング10の上壁121と、バッテリ300の上面312とが机等に接触する。したがって、第2使用態様におけるベルトサンダ1の姿勢を安定させることができる。更に、バッテリ300の上面312は、バッテリ300のうち最大面積を有するので、比較的広い面積が机等に接触することとなる。そのため、第2使用態様におけるベルトサンダ1の姿勢を、より安定化させることができる。
【0157】
また、ベルトサンダ1において、バッテリ装着部4に対するバッテリ300の装着方向は、前から後へ向かう方向であり、ハンドル14の延在方向に沿った方向である。そのため、ユーザは、例えば、バッテリ装着部4にバッテリを装着する際に、ハンドル14を把持する手でバッテリ300の装着方向と逆方向(後から前へ向かう方向)に力を加えやすい。したがって、本実施形態のベルトサンダ1によれば、バッテリ300をバッテリ装着部4に装着しやすいという利点がある。
【0158】
また、ベルトサンダ1は、ハウジング10に対し回動可能なフロントハンドル17を備えている。フロントハンドル17が回動することにより、把持部175は、上下方向において、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300よりも下側に位置する、位置R1(第2回動位置)と、把持部175の上端がハウジング10の上壁121と略同じ位置となる、位置R2(第1回動位置)と、把持部175がバッテリ装着部4に装着されたバッテリ300よりも上側に位置する、位置R3、R4(第2回動位置)と、に移動する。そのため、把持部175が位置R2に移動するようにフロントハンドル17を回動させ、第2使用態様でベルトサンダ1を使用する場合には、ハウジング10の上壁121と、把持部175と、バッテリ装着部4に装着されたバッテリ300の上面312とが、ベルトサンダ1を載置する机等に接触する。したがって、第2使用態様におけるベルトサンダ1の姿勢を、一層安定させることができる。また、把持部175が位置R1、R3、R4のいずれかに移動するようにフロントハンドル17を回動させることで、バッテリ装着部4に対しバッテリ300を着脱することができる。
【0159】
<第2実施形態>
第2実施形態のベルトサンダ1Aについて、図21及び図22を用いて説明する。なお、以下の説明では、主に、バッテリ装着部4Aの構成について言及し、ベルトサンダ1Aのうち、上述の実施形態のベルトサンダ1と同様の構成については、説明を省略する。以下の図では、ベルトサンダ1Aにおけるバッテリ装着部4Aの位置関係を明確にするため、バッテリ装着部4Aに装着されたバッテリ300に、クロスハッチングが付されている。また、図21では、ベルトサンダ1Aの内部構造が実線で示されており、図22では、ベルトサンダ1Aの内部構造が破線で示されている。
【0160】
バッテリ装着部4Aは、第1実施形態のバッテリ装着部4と同様に、モータ2の前方、かつ、ベルト駆動部6の上方に設けられている。本実施形態では、バッテリ装着部4Aは、ハウジング10Aの第1部分12の前壁122に設けられている点で、第1実施形態と異なる。第1実施形態で説明した、バッテリ300の装着面321と対向する装着面、一対のガイドレール、一対の電源端子、信号用端子は、第1部分12の前壁122に設けられている。本実施形態では、ガイドレール、電源端子、信号用端子は、左右方向に延在する。本実施形態では、バッテリ装着部4Aに対するバッテリ300のスライド方向は、左右方向である。詳細には、バッテリ装着部4Aに対するバッテリ300の装着方向は、左から右へ向かう方向である。バッテリ装着部4Aに装着されたバッテリ300の取り外し方向は、右から左へ向かう方向である。バッテリ装着状態において、バッテリ300の最大面積を有する面312は、ベルトサンダ1Aの前方に向けられ、バッテリ300の側面313は、ベルトサンダ1Aの上方及び下方に向けられる。一方の側面313は、第2部分13Aの上壁131Aに対向する。
【0161】
第1実施形態と同様に、バッテリ装着部4Aは、バッテリ装着状態で、上下方向において、バッテリ300がハウジング10Aの上壁121から上方に突出しないように構成されている。また、バッテリ装着部4Aは、バッテリ装着状態で、左右方向において、ハウジング10Aの左端から左、及び、ハウジング10Aの右端から右に突出しないように構成されている。更に、バッテリ装着部4Aは、バッテリ装着状態で、前後方向において、バッテリ300がハウジング10Aの前端から前方に突出しないように構成されている。
【0162】
バッテリ300は、バッテリ300における上下方向幅(図20参照)が、前後方向幅、及び、左右方向幅よりも小さい矩形箱状に形成されている。また、一方の側面313は、第2部分13Aの上壁131Aに対向する。そのため、本実施形態のベルトサンダ1Aでは、第2部分13Aの前後方向長さを、第1実施形態の第2部分13よりも短くしつつ、前後方向において、バッテリ300がハウジング10Aの前端よりも前側へ突出しないようにできる。そのため、第1実施形態のベルトサンダ1に比べて、ベルトサンダ1Aを前後方向にコンパクト化できるという利点がある。
【0163】
また、ベルトサンダ1Aの駆動時には、モータ2と、バッテリ装着部4Aに装着されたバッテリ300の重さとが、サンディング面B1に加わることとなる。そのため、本実施形態のベルトサンダ1Aにおいても、第1実施形態のベルトサンダ1と同様に、操作効率を向上できる。
【0164】
<第3実施形態>
第3実施形態のベルトサンダ1Bについて、図23及び図24を用いて説明する。第3実施形態のベルトサンダ1Bは、モータ2の上方にバッテリ装着部4Bが設けられている点で、上述の実施形態と異なる。図23では、ベルトサンダ1Aの内部構造が実線で示されており、図24では、ベルトサンダ1Aの内部構造が破線で示されている。
【0165】
バッテリ装着部4Bは、ハウジング10Bの第1部分12B(モータ収容部)の上壁121Bに設けられている。つまり、本実施形態では、バッテリ300の装着面321と対向する装着面、一対のガイドレール、一対の電源端子、信号用端子は、第1部分12Bの上壁121Bに設けられている。第1実施形態と同様に、ガイドレール、電源端子、信号用端子は、前後方向に延在し、バッテリ装着部4Bに対するバッテリ300のスライド方向は、前後方向である。詳細には、バッテリ装着部4Bに対するバッテリ300の装着方向は、前から後へ向かう方向である。バッテリ装着部4Bに装着されたバッテリ300の取り外し方向は、後から前へ向かう方向である。バッテリ装着状態において、バッテリ300の最大面積を有する面312は上方に向けられる。
【0166】
バッテリ装着部4Bは、バッテリ装着状態で、左右方向において、バッテリ300がハウジング10Bの左端から左に突出せず、かつ、ハウジング10Bの右端から右に突出しないように構成されている。また、バッテリ装着部4Bは、バッテリ装着状態で、前後方向において、バッテリ300がハウジング10Bの前端から前方に突出しないように構成されている。なお、バッテリ装着部4Bが第1部分12Bに設けられていることから、第2部分13Bは、第1実施形態に比べて前後方向に短く形成されている。第2部分13Bの上壁131Bには、左右方向に回動軸を有するフロントハンドル17Bが設けられている。
【0167】
本実施形態のベルトサンダ1Bでは、第1実施形態のベルトサンダ1に比べて、前後方向にコンパクト化できるという利点がある。また、第1実施形態のベルトサンダ1と同様に、バッテリ装着部4Bに対するバッテリ300の装着方向は、前から後へ向かう方向であり、ハンドル14の延在方向に沿った方向である。そのため、ユーザは、ハンドル14を把持する手で、バッテリ300の装着方向と逆方向(後から前へ向かう方向)に力を加えやすいので、バッテリ300をバッテリ装着部4Bに装着しやすいという利点がある。
【0168】
また、ベルトサンダ1Bの駆動時には、モータ2と、バッテリ装着部4Bに装着されたバッテリ300の重さとが、サンディング面B1に加わることとなる。そのため、本実施形態のベルトサンダ1Bにおいても、第1実施形態のベルトサンダ1と同様に、操作効率を向上できる。
【0169】
<バッテリ装着部の他の形態>
バッテリ装着部4、4Aは、バッテリ装着状態で、バッテリ300が、上壁121から上方へ所定の突出長さだけ突出するように構成されていてもよい。また、バッテリ装着部4、4A、4Bは、バッテリ装着状態で、バッテリ300が、ベルトサンダ1、1A、1Bの前端よりも前側へ、所定の突出長さだけ突出するように構成されていてもよい。同様に、バッテリ装着部4、4A、4Bは、バッテリ装着状態で、バッテリ300が、ベルトサンダ1、1Aの左端又は右端から、左側又は右側へ、所定の突出長さだけ突出するように構成されていてもよい。図25及び図26には、第2実施形態のベルトサンダ1Aに、上述の実施形態のバッテリ300よりも外形及び容量が大きいバッテリ300Aを装着した状態を示している。上下方向、前後方向、左右方向に関する所定の突出長さは、夫々、上下方向、前後方向、左右方向におけるバッテリ300Aの長さの10%以下であることが好ましい。この形態によっても、バッテリ300Aが装着されたベルトサンダをコンパクト化するとともに、バッテリ装着状態におけるベルトサンダを、上下方向、左右方向、前後方向にコンパクト化できる。また、バッテリ300Aが加工作業の妨げになることを抑制できる。
【0170】
バッテリ装着部4、4Aに対するバッテリ300のスライド方向は、前後方向、左右方向に限らず、前後方向及び左右方向を含む、水平方向であってもよい。例えば、スライド方向は、上下方向に直交し、前後方向と左右方向とに交差する斜め方向であってもよい。この形態によっても、ベルトサンダ1、1Aの駆動時には、モータ2と、バッテリ装着部4、4Aに装着されたバッテリ300の重さとが、サンディング面B1に加わることとなる。したがって、モータ2及びバッテリ300の質量を利用して加工作業を行うことができるので、ベルトサンダ1、1Aの操作効率を向上できる。
【0171】
更に、本開示、上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態及びその変形例、並びに各請求項に記載された構成(特徴)の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
【0172】
[態様1―1]
無端状のサンディングベルトを回転するように構成されたベルト駆動部と、集塵ファンと前記ベルト駆動部を駆動する電動式のモータとを収容するハウジングと、を備えるベルトサンダに着脱可能なダストボックスであって、前記ハウジングは、前記集塵ファンの回転により、加工作業によって生じた粉塵を前記ハウジング内から排出する排出ノズルと前記ダストボックスの空気を前記ハウジング内に吸引する吸引ノズルとを有し、
前記ダストボックスは、
前記排出ノズルに接続可能な第1ノズルと、
前記吸引ノズルに接続可能な第2ノズルと、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルに接続された合成樹脂製の容器部と、
空気と粉塵とを分離する濾過部材であって、前記容器部内に設けられ、前記容器部内の空間を、前記第1ノズルに連通する第1空間と、前記第2ノズルに連通する第2空間とに区切る濾過部材と、を備える。
[態様1-2]
前記濾過部材は、前記容器部内のうち、前記第1ノズルよりも前記第2ノズルに近い位置に設けられている。
[態様1-3]
前記ベルト駆動部は、前記モータによって回転される駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定され、
前記ダストボックスは、
前記ベルトサンダに装着された状態において、前記第1ノズルは前記第2ノズルの下側に位置し、
前記第1空間は、前記容器部内の下方空間である。
[態様1-4]
前記第1ノズル及び前記第2ノズルは、同じ方向に開口している。
[態様1-5]
前記濾過部材は、一端が開口した袋状のエアフィルタである。
[態様1-6]
前記容器部は、前記第1ノズル及び前記第2ノズルに接続されるノズル接続部と、前記ノズル接続部に着脱可能に装着される本体部と、を備え、
前記濾過部材は、前記ノズル接続部に設けられる。
[態様1-7]
前記ダストボックスは、更に、前記容器本体を前記ノズル接続部に着脱する着脱部を備える。
[態様1-8]
前記ダストボックスの少なくとも一部は、導電性の合成樹脂により形成されている。
[態様1-9]
前記ベルトサンダにおいて前記ベルト駆動部が設けられる側を下側、その反対側を上側として上下方向を規定した場合、
前記ダストボックスが前記ベルトサンダに装着された状態において、前記容器部のうち、前記上下方向における中間位置よりも下側の少なくとも一部分は、前記導電性の合成樹脂により形成されている。
[態様1-10]
前記ダストボックスは、更に、前記導電性の合成樹脂により形成された部分に一端部が接続され、他端部が前記ダストボックスの外部に露出した、アース部材を有する。
[態様1-11]
前記ダストボックスが着脱可能に装着された、ベルトサンダ。
[態様1-12]
前記ベルトサンダは、
電動式のモータと、
集塵ファンと、
前記モータと前記集塵ファンとを収容するハウジングと、
前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端状のサンディングベルトを駆動するように構成されたベルト駆動部と、を備え、
前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は、前記ハウジングの下方に配置され、
前記ハウジングは、
前記加工作業によって生じた粉塵を前記ハウジング内から排出する排出ノズルと、前記ダストボックスの空気を前記ハウジング内に吸引する吸引ノズルと、
前記ベルト駆動部の後方に設けられた集塵口と、
前記集塵ファンが収容される空間に連通する空気排出口と、
前記集塵口と前記排出ノズルとを接続する第1流路と、
前記吸引ノズルと前記空気排出口とを接続する第2流路と、を有し、
前記第1流路は、前記ハウジング内における前記モータ及び前記集塵ファンが収容される空間、及び、前記第2流路と、区画して設けられており、
前記第2流路は、前記集塵ファンが収容される空間と連通しており、
前記集塵ファンは、回転することによって、前記集塵口から前記第1流路を通り前記排出ノズルへ向かう気流、及び、前記吸引ノズルから前記第2流路を通り前記空気排出口へ向かう気流を発生させる。
[態様1-13]
前記吸引ノズル及び前記排出ノズルは、後方に開口し、
前記排出ノズルは、前記吸引ノズルの下方に設けられる。
[態様2-1]
ベルトサンダであって、
電動式のモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記モータによって回転する駆動ローラと、従動ローラとを含み、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に掛け渡される無端のサンディングベルトを駆動するように構成されたベルト駆動部であって、
前記駆動ローラの回転軸及び前記従動ローラの回転軸が延在する方向を左右方向、前記従動ローラと前記駆動ローラの並ぶ方向を前後方向、前記左右方向及び前記前後方向に直交する方向を上下方向と規定した場合に、前記ベルト駆動部は前記モータの下方に設けられて前記サンディングベルトの下面によって研磨面が規定される、ベルト駆動部と、
前記ハウジングに配置された第1スイッチであって、ユーザの手動操作が可能に構成され、前記第1スイッチをオン状態とする第1オン位置と前記第1スイッチをオフ状態とする第1オフ位置とに移動可能な第1スイッチ操作部を備える、第1スイッチと、
前記ハウジングに配置された第2スイッチであって、ユーザの手動操作が可能に構成され、前記第2スイッチをオン状態とする第2オン位置と前記第2スイッチをオフ状態とする第2オフ位置とに移動可能な第2スイッチ操作部を備える、第2スイッチと、を有し、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、モーメンタリスイッチであり、
前記モータは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオン状態である場合に駆動し、前記第1スイッチと前記第2スイッチの少なくとも一方がオフ状態である場合に停止するように構成されており、更に、
前記ハウジングに配置され、前記第1スイッチ操作部を前記第1オン位置に維持するように構成された第1ロックスイッチと、
前記ハウジングに配置され、前記第2スイッチ操作部を前記第2オン位置に維持するように構成された第2ロックスイッチと、を備える。
[態様2-2]
前記ハウジングは、前記モータを収容するモータ収容部と、前記モータ収容部に接続されて前記モータ収容部から後方に延在する把持部とを含み、
前記第2スイッチ操作部は、
前記把持部に設けられ、前記第2オフ位置にあるときに前記把持部から上方に突出する形状を有し、
前記把持部に対して押し操作されることで、前記第2オフ位置から前記第2オン位置へ移動するように構成されている。
[態様2-3]
前記第2ロックスイッチは、前記第2スイッチ操作部の移動方向に対して交差する方向に移動するように、前記ハウジングに設けられている。
[態様2-4]
前記第1ロックスイッチと前記第2ロックスイッチとは、前記ハウジングにおける同じ側の面に設けられている。
[態様2-5]
前記第2ロックスイッチは、前記第1ロックスイッチよりも下側に設けられている。
[態様2-6]
前記第1ロックスイッチは、
前記第1オフ位置にある前記第1スイッチ操作部に係合して、前記第1スイッチ操作部が前記第1オン位置へ移動することを規制する、ロックオフ位置と、
前記第1オン位置にある前記第1スイッチ操作部に係合して、前記第1スイッチ操作部が前記第1オフ位置へ移動することを規制する、ロックオン位置と、に移動可能に構成されている。
[態様2-7]
前記第1スイッチは、前記第1オン位置に移動された前記第1スイッチ操作部を前記第1オフ位置に復帰させるように付勢する、第1付勢部材を備え、
前記第2スイッチは、前記第1オン位置に移動された前記第2スイッチ操作部を前記第2オフ位置に復帰させるように付勢する、第2付勢部材を備える。
[態様2-8]
前記把持部は、前記モータ収容部から後方、かつ、下方へ延在し、
前記第1スイッチ操作部は、
前記第2スイッチと前記モータ収容部との間における前記把持部に設けられ、前記第1オフ位置にあるときに前記把持部から下方に突出する形状を有し、
前記把持部に対して引き操作されることで、前記第1オフ位置から前記第1オン位置へ移動するように構成されている。
[態様2-9]
前記モータ収容部の上壁は、前記研磨面に略平行であり、
前記第2スイッチ操作部は、前記上壁を含む仮想平面よりも下方に設けられている。
【符号の説明】
【0173】
1、1A、1B:ベルトサンダ,10、10A、10B:ハウジング,11:本体ハウジング,11L:左本体ハウジング,11R:右本体ハウジング,12、12B:第1部分,121、121B:上壁,122:前壁,123:側壁,124:後壁,13、13A、13B:第2部分,131、131A:上壁,133:側壁,14:ハンドル,14L:左壁,14R:右壁,142:支持壁,144:開口,145L:開口,145R:開口,146:窪み部,146a:第1フランジ,146b:第2フランジ,147:開口,149:開口,149L:突起部,149R:突起部,15:コントローラ収容部,16:横ハウジング,161:ファンハウジング,162:ギヤカバー,163:ベルトカバー,165:空気排出口,140:排出ノズル,150:吸引ノズル,17、17B:フロントハンドル,171:アーム,172:基端部,173:先端部,175:把持部,A4:回動軸,18:回動部,19:集塵口,2:モータ,21:モータ本体,22:シャフト,A3:回転軸,3:ファン,31:ガイドプレート,32:バッフルプレート,4、4A、4B:バッテリ装着部,41:装着面,42:ガイドレール,44:電源端子,46:信号用端子,47:ロック受入穴,5:コントローラ,6:ベルト駆動部,61:駆動ローラ,62:従動ローラ,A1、A2:回転軸,64:支持枠,8:スイッチ機構,80:第1スイッチ,81:第1スイッチ操作部,811:基部,812:当接部,814:ボス部,815:突起部,818:付勢部材,82:第1メインスイッチ,821:本体部,822:プランジャ,85:第1ロックスイッチ,851:操作軸部,851L、851R:操作部,853:ロックオフ係止部,854:窪み部,854L、854R:規制壁,855L、855R:ロックオン係止部,858:付勢部材,859:保持部,90:第2スイッチ,91:第2スイッチ操作部,911:基部,911L:左壁部,912:当接部,915:軸孔,916:回動シャフト,917:開口,918:トーションスプリング,918f:アーム,92:第2メインスイッチ,921:本体部,922:アクチュエータ,95:第2ロックスイッチ,951:操作部,952:鍔部,953:段付きピン,954:係止部,958:付勢部材,35:動力伝達部,39:ダイヤル,101:隔壁,102:壁部,191:第1流路,192:第2流路,200:ダストボックス,210:第1ノズル,212:Oリング,220:第2ノズル,222:Oリング,230:容器部,231:上面,232:後壁,233:側面,234:下面,235:窓部,240:ノズル接続部,240L:左ノズル部,240R:右ノズル部,241:隔壁,242:溝部,243:後端部,244:Oリング,245:係合部,246:ナット,247:プレート,250:本体部,253:前端部,258:筒状部,260:濾過部材,261:開口,262:フレーム,265:アース部材,270:着脱部,271:取付ネジ,272:ノブ,273:シャフト,274:前端部,281:第1空間,282:第2空間,300、300A:バッテリ,305:ロック部材,310:ケース,311:突出部,312:上面,313:側面,314:前面,320:装着部,321:装着面,322:レール受け部,324:電源端子,326:信号用端子,B:サンディングベルト,B1:サンディング面,F1、F2:気流,P1、P2:仮想平面,R1、R2、R3、R4:回動位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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