(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140599
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】製品仕様選択支援システム、端末装置、製品仕様選択支援方法、端末プログラム、サーバ装置、及びサーバプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20230928BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046511
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】高村 聡
(72)【発明者】
【氏名】小山 越太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】製品仕様を選択するユーザに対し、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示することができる製品仕様選択支援システム、端末装置、製品仕様選択支援方法、端末プログラム、サーバ装置、及びサーバプログラムを提供する。
【解決手段】製品仕様選択支援システム1は、製品が使用される条件を示す条件情報が入力される端末装置10と、過去に選択された製品仕様に対して条件情報が対応付けられたデータベース30を参照して、端末装置10に入力された条件情報が対応付けられている製品仕様を抽出し、抽出した製品仕様について統計処理を行って推奨する製品仕様である推奨仕様を求めて端末装置10に提示するサーバ装置20と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が使用される条件を示す条件情報が入力される端末装置と、
過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベースを参照して、前記端末装置に入力された前記条件情報が対応付けられている前記製品仕様を抽出し、抽出した前記製品仕様について統計処理を行って推奨する前記製品仕様である推奨仕様を求めて前記端末装置に提示するサーバ装置と、
を備える製品仕様選択支援システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、抽出した前記製品仕様について過去に選択された頻度を求める統計処理を行い、求めた頻度に応じた前記製品仕様の推奨率を前記端末装置に提示する、請求項1記載の製品仕様選択支援システム。
【請求項3】
前記条件情報は、前記製品が使用される業種を示す情報である、請求項1又は請求項2記載の製品仕様選択支援システム。
【請求項4】
前記製品は、フィールド機器であり、
前記条件情報は、前記フィールド機器の測定対象を示す情報である、請求項1又は請求項2記載の製品仕様選択支援システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記条件情報が入力される入力部と、
前記サーバ装置と通信を行って、前記入力部に入力された前記条件情報を前記サーバ装置に送信するとともに、前記サーバ装置から送信されてくる前記推奨仕様を受信する通信部と、
前記通信部で受信された前記製品仕様を表示する表示部と、
を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載の製品仕様選択支援システム。
【請求項6】
製品が使用される条件を示す条件情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された前記条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベースを参照するサーバ装置に送信するとともに、前記サーバ装置から送信されてくる推奨する前記製品仕様である推奨仕様を受信する通信部と、
前記通信部で受信された前記推奨仕様を表示する表示部と、
を備える端末装置。
【請求項7】
入力部が、製品が使用される条件を示す条件情報を入力するステップと、
通信部が、前記入力部に入力された前記条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベースを参照するサーバ装置に送信するステップと、
前記通信部が、前記サーバ装置から送信されてくる推奨する前記製品仕様である推奨仕様を受信するステップと、
表示部が、前記通信部で受信された前記推奨仕様を表示するステップと、
を有する製品仕様選択支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、
製品が使用される条件を示す条件情報が入力される入力手段と、
前記入力手段に入力された前記条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベースを参照するサーバ装置に送信するとともに、前記サーバ装置から送信されてくる推奨する前記製品仕様である推奨仕様を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信された前記推奨仕様を表示する表示手段と、
して機能させるための端末プログラム。
【請求項9】
過去に選択された製品仕様に対して、製品が使用される条件を示す条件情報が対応付けられたデータベースを参照して、端末装置に入力された前記条件情報が対応付けられている前記製品仕様を抽出し、抽出した前記製品仕様について統計処理を行って推奨する前記製品仕様である推奨仕様を求めて前記端末装置に提示するサーバ装置。
【請求項10】
コンピュータを、
過去に選択された製品仕様に対して、製品が使用される条件を示す条件情報が対応付けられたデータベースを参照して、端末装置に入力された前記条件情報が対応付けられている前記製品仕様を抽出し、抽出した前記製品仕様について統計処理を行って推奨する前記製品仕様である推奨仕様を求めて前記端末装置に提示するサーバ装置、
として機能させるためのサーバプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品仕様選択支援システム、端末装置、製品仕様選択支援方法、端末プログラム、サーバ装置、及びサーバプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の注文を受けてから生産が行われる製品(受注生産品)は、顧客が製品の仕様(以下、製品仕様という)を選択した上でメーカーに対して見積書の作成依頼を行い、メーカーによって作成された見積書の内容を顧客が承認した後に発注されるのが殆どである。用意されている製品仕様の選択肢は、製品毎に異なっており、極めて多くの選択肢が用意されているものもあれば、数個の選択肢しか用意されていないものもある。
【0003】
例えば、プラント等に設置されるフィールド機器は、プラント等において多種多様のものが使用されていることから、用意されている製品仕様の選択肢も多岐に亘っている。フィールド機器のユーザは、見積書の作成依頼を行う際に、このような多岐に亘る仕様の選択肢から自身の使用条件に合致するものを選択する必要がある。
【0004】
以下の特許文献1には、顧客が商品仕様の選択を行うとき、その手がかりとなる情報を提示し、顧客が十分な商品知識を持っていなくとも商品仕様の選択を正確かつ容易に行えるようにする技術が開示されている。この技術では、過去の受注実績情報に基づいて、製品個々の受注増減等から選択候補をランキングしてユーザに提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フィールド機器等の製品は、製品が使用される条件(使用環境、使用業種、測定対象等)に応じて適切な製品仕様が異なる。例えば、流体の流量、圧力、差圧等を測定するフィールド機器は、流体の種類に応じて接液部(流体に接する部位)の最適な材質が異なる。上述した特許文献1に開示された技術では、このような製品が使用される条件が考慮されていないことから、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示することができないという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製品仕様を選択するユーザに対し、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示することができる製品仕様選択支援システム、端末装置、製品仕様選択支援方法、端末プログラム、サーバ装置、及びサーバプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様による製品仕様選択支援システム(1)は、製品が使用される条件を示す条件情報が入力される端末装置(10)と、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベース(30)を参照して、前記端末装置に入力された前記条件情報が対応付けられている前記製品仕様を抽出し、抽出した前記製品仕様について統計処理を行って推奨する前記製品仕様である推奨仕様を求めて前記端末装置に提示するサーバ装置(20)と、を備える。
【0009】
また、本発明の一態様による製品仕様選択支援システムは、前記サーバ装置が、抽出した前記製品仕様について過去に選択された頻度を求める統計処理を行い、求めた頻度に応じた前記製品仕様の推奨率を前記端末装置に提示する。
【0010】
また、本発明の一態様による製品仕様選択支援システムは、前記条件情報が、前記製品が使用される業種を示す情報である。
【0011】
或いは、本発明の一態様による製品仕様選択支援システムは、前記製品が、フィールド機器であり、前記条件情報が、前記フィールド機器の測定対象を示す情報である。
【0012】
また、本発明の一態様による製品仕様選択支援システムは、前記端末装置が、前記条件情報が入力される入力部(11)と、前記サーバ装置と通信を行って、前記入力部に入力された前記条件情報を前記サーバ装置に送信するとともに、前記サーバ装置から送信されてくる前記推奨仕様を受信する通信部(14)と、前記通信部で受信された前記製品仕様を表示する表示部(12)と、を備える。
【0013】
本発明の一態様による端末装置(10)は、製品が使用される条件を示す条件情報が入力される入力部(11)と、前記入力部に入力された前記条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベース(30)を参照するサーバ装置(20)に送信するとともに、前記サーバ装置から送信されてくる推奨する前記製品仕様である推奨仕様を受信する通信部(14)と、前記通信部で受信された前記推奨仕様を表示する表示部(12)と、を備える。
【0014】
本発明の一態様による製品仕様選択支援方法は、入力部(11)が、製品が使用される条件を示す条件情報を入力するステップ(S13)と、通信部(14)が、前記入力部に入力された前記条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベース(30)を参照するサーバ装置(20)に送信するステップ(S15)と、前記通信部が、前記サーバ装置から送信されてくる推奨する前記製品仕様である推奨仕様を受信するステップ(S16)と、表示部(12)が、前記通信部で受信された前記推奨仕様を表示するステップ(S17)と、を有する。
【0015】
本発明の一態様による端末プログラムは、コンピュータを、製品が使用される条件を示す条件情報が入力される入力手段(11)と、前記入力手段に入力された前記条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して前記条件情報が対応付けられたデータベース(30)を参照するサーバ装置(20)に送信するとともに、前記サーバ装置から送信されてくる推奨する前記製品仕様である推奨仕様を受信する通信手段(14)と、前記通信手段で受信された前記推奨仕様を表示する表示手段(12)と、して機能させる。
【0016】
本発明の一態様によるサーバ装置(20)は、過去に選択された製品仕様に対して、製品が使用される条件を示す条件情報が対応付けられたデータベース(30)を参照して、端末装置に入力された前記条件情報が対応付けられている前記製品仕様を抽出し、抽出した前記製品仕様について統計処理を行って推奨する前記製品仕様である推奨仕様を求めて前記端末装置に提示する。
【0017】
本発明の一態様によるサーバプログラムは、コンピュータを、過去に選択された製品仕様に対して、製品が使用される条件を示す条件情報が対応付けられたデータベース(30)を参照して、端末装置(10)に入力された前記条件情報が対応付けられている前記製品仕様を抽出し、抽出した前記製品仕様について統計処理を行って推奨する前記製品仕様である推奨仕様を求めて前記端末装置に提示するサーバ装置、として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製品仕様を選択するユーザに対し、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態による製品仕様選択支援システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による製品仕様選択支援システムで用いられるデータベースの一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態における製品仕様選択支援方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態において、端末装置に表示される製品仕様選択画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態において、端末装置の製品仕様選択画面に推奨仕様等が表示された状態を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態において作成される見積書の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態において、端末装置に表示される製品仕様選択画面の第1変形例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態において、端末装置に表示される製品仕様選択画面の第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による製品仕様選択支援システム、端末装置、製品仕様選択支援方法、端末プログラム、サーバ装置、及びサーバプログラムについて詳細に説明する。以下では、まず、本発明の実施形態の概要について説明し、次に、本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0021】
〔概要〕
本発明の実施形態は、製品仕様を選択するユーザに対し、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示することができるようにするものである。例えば、製品が使用される業種に応じた適切な製品仕様を提示することができるようにするものである。
【0022】
ユーザが、製品のメーカーに対して見積書の作成依頼を行うときには、多岐に亘る製品仕様の選択肢から自身の使用条件に合致するものを選択する作業を行う必要がある。この作業を行っている最中に、ユーザは、用意された選択肢のどれを選択すべきか判断できない場合がある。このような場合において、ユーザが選択肢を選択する方法としては、用意された製品仕様の各々を十分に理解した上で自身の使用条件に合致するものを選択する方法と、とりあえず用意された仕様の1つを選択してしまう方法とが考えられる。
【0023】
前者の方法では、自身の使用条件に合致する製品仕様を選択していることから、見積もりの精度を高くすることができるものの、見積書の作成依頼に時間を要するという問題がある。後者の方法では、見積書の作成依頼を早急に行うことができるものの、自身の使用条件に合致する製品仕様を選択している訳ではないため、見積もりの精度が低下するという問題がある。
【0024】
ここで、選択する製品仕様は、製品が使用される条件によって偏りがあることが多い。例えば、製品が使用される業種が、化学工業等の又は石油製品等の生産を行う業種である場合には、扱う物質の特性から製品の材質等が特定の仕様に偏ることが多い。本実施形態は、このような特性を利用することで、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示するものである。
【0025】
本発明の実施形態は、まず、製品が使用される条件を示す条件情報を入力する。次に、入力された条件情報を、過去に選択された製品仕様に対して条件情報が対応付けられたデータベースを参照するサーバ装置に送信し、サーバ装置から送信されてくる推奨する製品仕様である推奨仕様を受信する。そして、通信部で受信された推奨仕様を表示するようにしている。これにより、製品仕様を選択するユーザに対し、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示することができる。
【0026】
〔実施形態〕
〈製品仕様選択支援システム〉
図1は、本発明の一実施形態による製品仕様選択支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の製品仕様選択支援システム1は、端末装置10、サーバ装置20、及びデータベース30を備えており、端末装置10を操作して製品仕様を選択するユーザの支援を行う。
【0027】
端末装置10とサーバ装置20とは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。サーバ装置20は、少なくともデータベース30を参照可能とされている。サーバ装置20とデータベース30とは、別体に構成されていてもよく、一体に構成されていてもよい。尚、
図1中のサーバ装置40は、製品の見積書を作成するために用意されたサーバ装置であり、ネットワークNを介して端末装置10と通信可能に接続されている。
【0028】
本実施形態では、理解を容易にするために、見積書の作成が行われる製品が、プラントの現場に設置されるフィールド機器であるとする。ここで、フィールド機器は、例えば、流量計、温度センサ、圧力計等のセンサ機器である。フィールド機器は、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、プラント内の状況や対象物を撮影するカメラやビデオ等の撮像機器、プラント内の異音等を収集したり警報音等を発したりするマイクやスピーカ等の音響機器、各機器の位置情報を出力する位置検出機器、その他の機器であってよい。
【0029】
フィールド機器が設置されるプラントとしては、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等がある。
【0030】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。尚、ネットワークNは、有線のネットワークでもよく、無線のネットワークでもよく、有線及び無線が混在するネットワークでもよい。尚、端末装置10は、ネットワークNに有線接続されているとする。以下では、まず、端末装置10について説明し、続いてデータベース30及びサーバ装置20について説明する。
【0031】
〈端末装置〉
端末装置10は、操作部11(入力部、入力手段)、表示部12(表示手段)、格納部13、通信部14(通信手段)、及び処理部15を備える。このような端末装置10は、例えば、デスクトップ型、ノート型、又はタブレット型のコンピュータ等で実現される。
【0032】
尚、端末装置10の機能は、例えば、それらの機能を実現するプログラム(端末プログラム)をインストールして実行させることによりソフトウェア的に実現される。つまり、端末装置10の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することによって実現される。ここで、ソフトウェア的に実現される端末装置10の機能としては、例えば、端末装置10を操作してフィールド機器の仕様(製品仕様)を選択したり、見積書の作成依頼をしたりするユーザの支援を行う機能が挙げられる。勿論、端末装置10の機能は、FPGA、LSI、ASIC等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0033】
操作部11は、例えば、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置を備えており、端末装置10を使用するユーザの操作に応じた指示(端末装置10に対する指示)を処理部15に出力する。表示部12は、例えば、液晶表示装置等の表示装置を備えており、処理部15から出力される各種情報を表示する。尚、操作部11及び表示部12は、物理的に分離されたものであっても良く、表示機能と操作機能とを兼ね備えるタッチパネル式の液晶表示装置のように物理的に一体化されたものであっても良い。
【0034】
格納部13は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)等の補助記憶装置を備えており、各種情報を格納する。格納部13は、例えば、フィールド機器の見積もりを行う上で決定する必要のある製品仕様の項目を示す情報、サーバ装置40に対して見積書の作成依頼を行うために必要となる情報、サーバ装置40から得られた見積書の情報、その他の情報を格納する。尚、格納部13は、端末装置10の機能を実現するプログラムを格納してもよい。
【0035】
通信部14は、ネットワークNに有線接続され、処理部15の制御の下で、ネットワークNを介した通信を行う。通信部14は、例えば、ネットワークNに接続されたサーバ装置20に対して、フィールド機器が使用される業種を示す情報(条件情報)を送信し、サーバ装置20から送信されてくるフィールド機器の推奨仕様(推奨する製品仕様)を受信する。また、通信部14は、ネットワークNに接続されたサーバ装置40に対してフィールド機器の見積書の作成依頼を行い、サーバ装置40から送信されてくる見積書を受信する。
【0036】
処理部15は、操作部11から入力される操作指示に基づいて、端末装置10の動作を統括して制御する。処理部15は、表示制御部15a、対象業種取得部15b、製品仕様選択部15c、及びもり依頼部15dを備えており、フィールド機器の仕様を選択するユーザを支援する処理、及び見積書の作成に必要な処理を行う。
【0037】
表示制御部15aは、表示部12の表示制御を行う。例えば、表示制御部15aは、格納部13に格納された情報を用いて、フィールド機器の見積もりを行う上で決定する必要のある製品仕様の項目を表示部12に表示させる。また、表示制御部15aは、サーバ装置20から得られたフィールド機器の推奨仕様が得られた場合には、その推奨仕様を表示部12に表示させる。また、表示制御部15aは、操作部11からの指示に応じて、サーバ装置40から得られた見積書を表示部12に表示させる。
【0038】
対象業種取得部15bは、製品としてのフィールド機器が使用される業種を示す情報である業種情報(条件情報)を取得する。この業種情報は、例えば、ユーザが操作部11を操作することによって入力される。このため、対象業種取得部15bは、例えば、操作部11の操作によって入力される業種情報を取得する。対象業種取得部15bは、業種情報を取得した場合には、通信部14を制御して、その業種情報をサーバ装置20に送信させる。
【0039】
ここで、上記の業種情報は、業種を大まかに分類した大分類(メイン)と、大まかに分類された業種を更に細かく分類した小分類(サブ)とに区分されている。大分類は、例えば「化学工業」、「石油製品」、「鉄鋼」、「輸送機械」等である。小分類は、大分類が「化学工業」である場合には、例えば「無機化学」、「有機化学」、「医薬品」等である。尚、フィールド機器が使用される業種を示す情報は、大分類(メイン)のみであってもよく、或いは、小分類(サブ)よりも更に細かく区分されていてもよい。
【0040】
製品仕様選択部15cは、操作部11の操作内容に応じて、表示部12に表示された製品仕様を選択する。ここで、前述の通り、表示部12には、フィールド機器の見積もりを行う上で決定する必要のある製品仕様の項目が表示される。このため、製品仕様選択部15cは、操作部11の操作内容に応じて、全ての項目についての製品仕様を選択する。
【0041】
見積もり依頼部15dは、通信部14を制御して、サーバ装置40に対して見積書の作成依頼を行う。具体的に、見積もり依頼部15dは、製品仕様選択部15cによって選択された製品仕様を取得し、通信部14を制御して、取得した製品仕様、依頼者、希望納期等の情報が含まれる見積書の作成依頼をサーバ装置40に対して送信させる。
【0042】
〈データベース〉
データベース30は、フィールド機器のユーザに関する情報を格納するデータベースである。データベース30は、例えば、フィールド機器のユーザ毎に、受注実績を示す情報、保全実績を示す情報、サービス実績を示す情報が格納される。受注実績を示す情報には、過去に受注したフィールド機器の仕様及び使用業種を示す情報が含まれる。保全実績を示す情報には、過去に保全したフィールド機器の仕様及び使用業種を示す情報が含まれる。サービス実績を示す情報には、過去にサービス対応したフィールド機器の仕様及び使用業種を示す情報が含まれる。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態による製品仕様選択支援システムで用いられるデータベースの一例を示す図である。
図2に例示するデータベース30は、製品に関する情報と業種情報とが対応付けられたものである。製品に関する情報としては、「製品名」、「基本仕様」、「選択された仕様」がある。また、業種情報としては、「業種main」、「業種sub」がある。
【0044】
「製品名」は、製品としてのフィールド機器の製品名である。「基本仕様」は、フィールド機器の基本仕様である。この基本仕様に対しては、複数の製品仕様の選択肢が用意されている。例えば、「接液部材質」なる基本仕様に対しては、「ハステロイ」、「タンタル」、「モネル」等の選択肢が用意されている。「選択された仕様」は、ユーザによって過去に選択された製品仕様である。「業種main」は、前述した業種情報の大分類(メイン)であり、「業種sub」は、前述した業種情報の小分類(サブ)である。
【0045】
ここで、製品に関する情報に含まれる「選択された仕様」は、過去に選択された製品仕様である。また、業種情報は、製品が使用される条件を示す条件情報の1つである。このため、データベース30は、過去に選択された製品仕様に対して、製品が使用される条件を示す条件情報が対応付けられたものということができる。
【0046】
〈サーバ装置〉
サーバ装置20は、端末装置10から業種情報が送信されてきた場合に、その業種情報で示される業種において推奨する製品仕様である推奨仕様を求め、求めた推奨仕様を端末装置10に返信する。サーバ装置20は、データベース30を参照して、端末装置10から送信されてきた業種情報が対応付けられている製品仕様を抽出し、抽出した製品仕様について統計処理を行って上記の推奨仕様を求める。
【0047】
尚、端末装置10から送信されてきた業種情報が、大分類(メイン)を示すもののみである場合には、サーバ装置20は、データベース30を参照して、その大分類(メイン)対応に付けられている製品情報を抽出する。端末装置10から送信されてきた業種情報が、大分類(メイン)及び小分類(サブ)を示すものである場合には、サーバ装置20は、データベース30を参照して、その大分類(メイン)に対応付けられた製品情報であって、その小分類(サブ)にも対応付けられている製品情報を抽出する。
【0048】
サーバ装置20は、上記の統計処理として、データベース30から抽出した製品仕様について過去に選択された頻度を求める処理を行い、頻度が最も高い製品仕様を上記の推奨仕様とする。また、サーバ装置20は、求めた頻度に応じた製品仕様の推奨率を算出し、算出した推奨率を上記の推奨仕様とともに端末装置10に送信する。尚、サーバ装置20で行われる統計処理の具体例については後述する。
【0049】
尚、サーバ装置20の機能は、例えば、それらの機能を実現するプログラム(サーバプログラム)をインストールして実行させることによりソフトウェア的に実現される。つまり、サーバ装置20の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することによって実現される。勿論、サーバ装置20の機能は、FPGA、LSI、ASIC等のハードウェアを用いて実現されてもよい。サーバ装置20は、クラウドコンピューティングシステムにより実現されてもよい。
【0050】
〈製品仕様選択支援方法〉
図3は、本発明の一実施形態における製品仕様選択支援方法の一例を示すフローチャートである。
図3に示す処理は、例えば、端末装置10のユーザが、端末装置10の操作部11を操作して、フィールド機器の見積書の作成開始指示を入力することによって開始される。
図3に示すフローチャートの処理が開始されると、まず、端末装置10の処理部15に設けられた表示制御部15aが、格納部13に格納された情報を用いて、製品仕様選択画面G1(
図4参照)を表示させる(ステップS11)。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態において、端末装置に表示される製品仕様選択画面の一例を示す図である。
図4に示す通り、製品仕様選択画面G1には、業種選択領域R1及び仕様選択領域R2が設けられている。また、製品仕様選択画面G1には、仕様自動選択ボタンB1及び見積もりボタンB2が設けられている。
【0052】
業種選択領域R1は、見積もりを行うフィールド機器が用いられる業種の選択を行うための領域である。
図4に示す例では、業種の大分類及び小分類がチェックボックスCBとともに一覧形式で表示されている。例えば、大分類として、「化学工業」、「石油製品」、「鉄鋼」、「輸送機械」が表示されている。「化学工業」の小分類として、「無機化学」、「有機化学」、「医薬品」が表示されており、「石油製品」の小分類として、「石油精製」、「その他石油製品」が表示されている。また、「鉄鋼」の小分類として、「銑鉄・粗鋼・鋼材」、「その他鉄鋼製品」が表示されており、「輸送機械」の小分類として、「自動車」、「自動車部品」、「その他輸送機器」が表示されている。
【0053】
仕様選択領域R2は、見積もりを行うフィールド機器の仕様の選択を行うための領域である。
図4に示す例では、フィールド機器の「基本仕様」と、「基本仕様」の選択肢である「仕様」と、選択ボックスSBを意味する「選択」とが対応付けられて一覧表示されている。ここで、製品仕様選択画面G1の仕様選択領域R2には、フィールド機器の見積もりを行う上で決定する必要のある製品仕様の項目の全てが表示される。仕様選択領域R2に製品仕様の項目の全てを一度に表示できない場合には、仕様選択領域R2に対してスクロールバー(図示省略)が設けられる。ユーザがスクロールバーを操作することで、任意の項目を仕様選択領域R2に表示させることが可能である。
【0054】
仕様自動選択ボタンB1は、業種選択領域R1で選択された業種に応じた適切な製品仕様を自動的に選択させるためのボタンである。仕様自動選択ボタンB1が押下されると、業種選択領域R1で選択された業種を示す業種情報が、
図1に示す対象業種取得部15bによって取得されてサーバ装置20に送信される。見積もりボタンB2は、見積書の作成依頼を行うためのボタンである。見積もりボタンB2が押下されると、
図1に示す見積もり依頼部15dによって、サーバ装置40に対する見積書の作成依頼が行われる。
【0055】
図4に示す製品仕様選択画面G1が表示されると、端末装置10の処理部15に設けられた製品仕様選択部15cは、ユーザが操作部11を操作する内容に従って、製品仕様を選択する(ステップS12)。例えば、ユーザが操作部11を操作して、仕様選択領域R2に表示された選択ボックスSBの何れかを選択する指示を行った場合には、製品仕様選択部15cは、ユーザの操作によって選択された選択ボックスSBに対応づけられている製品仕様を選択する。
【0056】
端末装置10の処理部15に設けられた対象業種取得部15bは、ユーザの操作によって業種情報が入力されたか否かを判断する(ステップS13)。具体的には、
図4に示す製品仕様選択画面G1の業種選択領域R1に表示された業種に付随するチェックボックスCBが選択された状態で、仕様自動選択ボタンB1が押下されたか否かを判断する。尚、チェックボックスCBは、業種の大分類に付随するもののみが選択されてもよく、業種の大分類及び小分類に付随するものの双方が選択されてもよい。
【0057】
対象業種取得部15bが、業種情報が入力されていないと判断した場合(ステップS13の判断結果が「NO」の場合)には、製品仕様選択部15cは、製品仕様の選択が終了したか否かを判断する(ステップS14)。例えば、製品仕様の選択を中止する旨の指示がなされたか否か、或いは、見積もりボタンB2が押下されたか否かを判断する。製品仕様選択部15cが、製品仕様の選択が終了していないと判断した場合(ステップS14の判断結果が「NO」の場合)には、ステップS12の処理に戻って、ユーザの指示に従った製品仕様の選択が行われる。
【0058】
これに対し、対象業種取得部15bが、業種情報が入力されたと判断した場合(ステップS13の判断結果が「YES」の場合)には、対象業種取得部15bは、業種選択領域R1で選択された業種を示す情報を取得する。そして、対象業種取得部15bは、通信部14を制御して、取得した業種情報をサーバ装置20に送信させる。尚、ここでは、大分類が「化学工業」であり、小分類が「有機化学」である業種を示す業種情報が取得されて、サーバ装置20に送信されたとする。
【0059】
端末装置10から送信されてきた業種情報を受信すると、サーバ装置20は、データベース30を参照して、受信した業種情報が対応付けられている製品仕様を抽出し、抽出した製品仕様について統計処理を行って推奨仕様を求める。サーバ装置20は、上記の統計処理として、データベース30から抽出した製品仕様について過去に選択された頻度を求める処理を行い、頻度が最も高い製品仕様を上記の推奨仕様とする。また、サーバ装置20は、求めた頻度に応じた製品仕様の推奨率を算出し、算出した推奨率を上記の推奨仕様とともに端末装置10に送信する。
【0060】
例えば、データベース30が
図2に示すものである場合には、サーバ装置20は、大分類が「化学工業」であり、小分類が「有機化学」である業種を示す業種情報に対応付けられている製品仕様として以下に示す製品仕様を抽出する。具体的には、以下に示す通り、「接液部材質」については、「ハステロイ」及び「タンタル」を抽出し、「封入液」については、「一般用(シリコンオイル)」及び「高温用(シリコンオイル)」を抽出する。また、サーバ装置20が、上述した頻度を求める処理を行うことで、以下に示す回数が得られる。
【0061】
・接液部材質
ハステロイ:3回
タンタル :1回
・封入液
一般用(シリコンオイル):1回
高温用(シリコンオイル):3回
【0062】
以上の統計処理の結果から、サーバ装置20は、「接液部材質」については、頻度が最も高い「ハステロイ」を推奨仕様とし、「封入液」については、頻度が最も高い「高温用(シリコンオイル)」を推奨仕様とする。また、サーバ装置20は、「接液部材質」の推奨仕様である「ハステロイ」については、大分類が「化学工業」であり、小分類が「有機化学」である業種の中で、4回中3回選択されていることから、推奨率として75%を算出する。サーバ装置20は、「封入液」の推奨仕様である「高温用(シリコンオイル)」についても同様に、大分類が「化学工業」であり、小分類が「有機化学」である業種の中で、4回中3回選択されていることから、推奨率として75%を算出する。以上の処理が終了すると、サーバ装置20で求められた推奨仕様及び推奨率が、端末装置10に送信される。
【0063】
端末装置10の処理部15は、業種情報がサーバ装置20に送信された後、サーバ装置20から送信されてくる推奨仕様等が、通信部14で受信されたか否かを判断する(ステップS16)。処理部15は、推奨仕様等が通信部14で受信されていないと判断した場合(ステップS16の判断結果が「NO」の場合)には、ステップS16の処理を繰り返す。これに対し、処理部15が、推奨仕様等が通信部14で受信されたと判断した場合(ステップS16の判断結果が「YES」の場合)には、表示制御部15aを制御して、通信部14で受信された推奨仕様等を表示部12に表示させる(ステップS17)。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態において、端末装置の製品仕様選択画面に推奨仕様等が表示された状態を示す図である。
図5に示す通り、サーバ装置20において推奨仕様とされた「接液部材質」の「ハステロイ」に対応する選択ボックスSBと、「封入液」の「高温用(シリコンオイル)」に対応する選択ボックスSBには、推奨仕様である旨を示すマークとして、チェックマークが付される。また、チェックマークが付された選択ボックスSBには、推奨率が記された吹き出しBLが付される。端末装置10のユーザは、選択ボックスSBに付されたチェックマークを参照することで、選択した業種における推奨仕様が何であるかを直感的に知ることができるとともに、吹き出しBLを参照することで、推奨仕様の推奨率も容易に把握することができる。
【0065】
推奨仕様等の表示がなされると、製品仕様選択部15cは、製品仕様の選択が終了したか否かを判断する(ステップS14)。製品仕様選択部15cが、製品仕様の選択が終了していないと判断した場合(ステップS14の判断結果が「NO」の場合)には、ステップS12の処理に戻って、ユーザの指示に従った製品仕様の選択が行われる。これ対し、製品仕様選択部15cが、製品仕様の選択が終了したと判断した場合(ステップS14の判断結果が「YES」の場合)には、
図3に示す一連の処理が終了する。
【0066】
尚、ステップS14において、製品仕様選択部15cが、選択ボックスSBにチェックマークが付された状態で、見積もりボタンB2が押下されたことによって製品仕様の選択が終了したと判断した場合には、
図3に示す一連の処理が終了した後に、見積もり依頼部15dによって見積書の作成依頼が行われる。具体的に、見積もり依頼部15dは、製品仕様選択部15cによって選択された製品仕様(選択ボックスSBにチェックマークが付された製品仕様)を取得し、通信部14を制御して、取得した製品仕様、依頼者、希望納期等の情報が含まれる見積書の作成依頼をサーバ装置40に対して送信させる。尚、サーバ装置40で作成された見積書は、端末装置10に送信されて、端末装置10の格納部13に格納される。
【0067】
図6は、本発明の一実施形態において作成される見積書の一例を示す図である。
図6に例示する見積書Qには、ユーザによって選択された製品の名称である「製品名」と、ユーザによって選択された製品仕様である「仕様」とが記述された記述欄F1と、見積もり価格が記述された記述欄F2とが設けられている。尚、
図6に例示する見積書Qは、
図5に示す仕様自動選択ボタンB1を押下して、自動的に適切な製品仕様、即ち、推奨仕様が選択されたときに作成されたものである。
【0068】
以上の通り、本実施形態では、端末装置10が、製品(例えば、フィールド機器)が使用される業種を示す業種情報が入力された場合に、入力された業種情報をサーバ装置20に送信している。サーバ装置20は、端末装置10から送信されてきた業種情報を受信すると、データベース30を参照して、業種情報に対応付けられている製品情報を抽出し、抽出した製品仕様について統計処理を行って推奨する製品仕様である推奨仕様を求めている。そして、サーバ装置20は、求めた推奨仕様を、業種情報を送信した端末装置10に送信するようにしている。
【0069】
これにより、端末装置10のユーザは製品が使用される業種を示す業種情報を入力するだけで、製品が使用される業種に応じた適切な製品仕様を知ることができる。このように、本実施形態では、端末装置10を操作して製品仕様を選択するユーザの支援を行うことができる。また、本実施形態では、製品が使用される業種に応じた適切な製品仕様を短時間で知ることができるため、見積書の作成依頼を短時間で行うことができるとともに、高い見積もり精度を実現することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態による製品仕様選択支援システム、端末装置、製品仕様選択支援方法、端末プログラム、サーバ装置、及びサーバプログラムについて説明した。本発明は、上記実施形態に制限される訳ではなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。
【0071】
例えば、上述した実施形態は、端末装置10に入力された業種情報で示される業種に応じた適切な製品仕様を提示するものであった。しかしながら、本発明は、業種に応じた適切な製品仕様を提示するものに制限される訳ではなく、製品が使用される条件に応じた適切な製品仕様を提示するものに適用することができる。製品が使用される条件としては、例えば、製品が使用される国或いは地域又は会社、製品が使用される場所の法規制(電波法、 防爆規格、 廃棄物法等)、測定対象(物質、測定範囲等)等が挙げられる。
【0072】
図7は、本発明の一実施形態において、端末装置に表示される製品仕様選択画面の第1変形例を示す図である。
図7に示す製品仕様選択画面G2は、
図4に示す製品仕様選択画面G1の業種選択領域R1を測定対象選択領域R3に替えたものである。測定対象選択領域R3は、見積もりを行うフィールド機器の測定対象の選択を行うための領域である。
【0073】
図7に示す例では、フィールド機器の測定対象の大分類及び小分類がチェックボックスCBとともに一覧形式で表示されている。例えば、大分類として、「流体材質」、「流体温度」が表示されている。「流体材質」の小分類として、「液体」、「気体」、「蒸気」が表示されており、「流体温度」の小分類として、「-40℃~120℃」、「-70℃~315℃」が表示されている。
【0074】
尚、製品が使用される条件(例えば、測定対象)に応じた適切な製品仕様を提示する場合には、データベース30の内容を、その条件に応じて変更する必要がある。例えば、
図2に例示するデータベース30は、製品に関する情報と業種情報とが対応付けられたものであったが、製品に関する情報と製品が使用される条件(例えば、測定対象)を示す条件情報とが対応付けられたものに変更する必要がある。
【0075】
端末装置10のユーザが、測定対象選択領域R3に表示された測定対象に付随するチェックボックスCBを選択した状態で、仕様自動選択ボタンB1を押下すると、測定対象選択領域R3で選択された測定対象を示す情報が、
図1に示す対象業種取得部15bによって取得されてサーバ装置20に送信される。
【0076】
サーバ装置20は、データベース30を参照して、受信した測定対象を示す情報が対応付けられている製品仕様を抽出し、抽出した製品仕様について統計処理を行って推奨仕様を求める。サーバ装置20は、上記の統計処理として、データベース30から抽出した製品仕様について過去に選択された頻度を求める処理を行い、頻度が最も高い製品仕様を上記の推奨仕様とする。また、サーバ装置20は、求めた頻度に応じた製品仕様の推奨率を算出し、算出した推奨率を上記の推奨仕様とともに端末装置10に送信する。
【0077】
これにより、端末装置10の製品仕様選択画面G2の仕様選択領域R2には、
図5に示す製品仕様選択画面G1の仕様選択領域R2と同様の表示がなされる。つまり、推奨仕様とされた「仕様」に対応する選択ボックスSBには、推奨仕様である旨を示すマークとしてチェックマークが付されるとともに、推奨率が記された吹き出しBLが付される。
【0078】
また、上述した実施形態では、
図4に示す製品仕様選択画面G1に設けられた業種選択領域R1に一覧表示された業種の大分類及び小分類を、チェックボックスCBで選択するようにしていた。しかしながら、フリーワード型式で業種を入力可能としても良い。
【0079】
図8は、本発明の一実施形態において、端末装置に表示される製品仕様選択画面の第2変形例を示す図である。
図8に示す製品仕様選択画面G3は、
図4に示す製品仕様選択画面G1の業種選択領域R1を業種入力領域R4に替えたものである。業種入力領域R4には、ユーザが操作部11を操作することによって任意のワードを入力することができる。
【0080】
このような製品仕様選択画面G3が表示される場合には、対象業種取得部15bは、業種入力領域R4に入力されたワードに基づいて業種を特定する。例えば、対象業種取得部15bは、業種入力領域R4に入力されたワードに対し、自然言語処理を行うことで業種を特定する。或いは、対象業種取得部15bは、機械学習等のAI(人工知能)を活用することで業種を特定してもよい。
【0081】
また、上述した実施形態におけるデータベース30は、例えば、フィールド機器のユーザ毎に、受注実績を示す情報、保全実績を示す情報、サービス実績を示す情報が格納されるものであった。しかしながら、データベース30は、見積もり実績を示す情報、仕様選択実績を示す情報、その他の実績を示す情報が格納されるものであってもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、端末装置10の表示制御部15aが、格納部13に格納された情報を用いて、製品仕様選択画面G1(
図4参照)を表示させる例について説明した。しかしながら、端末装置10がサーバ装置20にアクセスした際に、サーバ装置20が製品仕様選択画面G1を端末装置10に表示させるようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、端末装置10がサーバ装置40に対して、見積書の作成依頼を行う例について説明した。しかしながら、端末装置10は、サーバ装置40に対して見積書の作成依頼を行うだけでなく、サーバ装置40に対して製品の発注を行ってもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、見積もりを行う製品としてフィールド機器を例に挙げて説明した。しかしながら、見積もりを行う製品は、フィールド機器に制限される訳ではなく、任意の製品について行うことができる。例えば、見積もりを行う製品は、自動車であってもよい。見積もりを行う製品が自動車である場合には、自動車のオプション仕様を選択する際に、使用目的、家族構成、予算等から推奨するオプション仕様をユーザに提示してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 製品仕様選択支援システム
10 端末装置
11 操作部
12 表示部
14 通信部
20 サーバ装置
30 データベース