(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140610
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】釣具ケース
(51)【国際特許分類】
A01K 97/06 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A01K97/06 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046527
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】521175377
【氏名又は名称】北原 豊
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北原 豊
【テーマコード(参考)】
2B109
【Fターム(参考)】
2B109BA01
2B109BA37
(57)【要約】
【課題】多くの釣具を、一覧性を確保してコンパクトに収容することができ、かつ、各釣具の収容位置がずれないように維持することができる釣具ケースを提供する。
【解決手段】本体10と蓋体20とを備える。本体10と蓋体20とは、連結部材26を介して開閉自在に連結される。本体10は、釣具60を保持する保持体30を有し、蓋体20は、保持体30に保持される釣具の飛び跳ね抑止する抑止体41、42及び43を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣具を収容する本体と、本体開口部を開閉自在に覆う蓋体とを備える釣具ケースにおいて、
前記本体に収容され、釣具を保持する保持体と、
前記蓋体の本体開口部に面して設けられ、当該蓋体により本体開口部を閉じた際、前記保持体に保持される釣具の飛び跳ねを抑止する抑止体と、を有し、
前記保持体は、収容すべき釣具の針を掛けるための針掛け部が複数設けられること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の釣具ケースにおいて、
前記保持体は、前記本体に着脱可能に配置されること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項3】
請求項1に記載の釣具ケースにおいて、
前記保持体は、ケース本体に一体的に設けられること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項4】
請求項2及び3のいずれか1項に記載の釣具ケースにおいて、
前記保持体は、本体底面に対して傾斜させて配置されること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項5】
請求項2及び3のいずれか1項に記載の釣具ケースにおいて、
前記保持体は、前記本体に複数枚配置され、かつ、その全部または一部が本体底面に対して傾斜させて配置されること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項6】
請求項2に記載の釣具ケースにおいて、
一端が本体前方側に取り付けられ、他端が前記蓋体に取り付けられ、本体後方側に位置する部分に屈曲可能な屈曲部を有する吊り部材をさらに備え、
前記吊り部材は、前記本体に収容される各保持体を、間隔を開けて、両端部において順次連結し、前記蓋体を閉じて本体開口部を覆う状態では、前記屈曲部を屈曲させて、前記各保持体を本体内に装着し、前記蓋体を開いた開放した状態では、前記各保持体を吊り上げた状態とすること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の釣具ケースにおいて、
前記複数の針掛け部は、それぞれ、前記保持体の開口側周縁部に切り欠きとして設けられること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の釣具ケースにおいて、
前記抑止体は、前記蓋体により本体開口を閉じた状態において、前記保持体の針掛け部に近接する位置に配置されること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の釣具ケースにおいて、
前記抑止体は、前記蓋体により本体開口を閉じた状態において、前記保持体の針掛け部に当接する位置に弾性部材を配置して構成されること
を特徴とする釣具ケース。
【請求項10】
請求項8及び9のいずれか1項に記載の釣具ケースにおいて、
前記抑止体は、前記保持体に沿って棒状部材を配置して構成されること
を特徴とする釣具ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプーン等のルアー及びジグヘッド等の釣具を収容する釣具ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
釣りをする際、状況に合わせて、釣り針、ジグヘッド、ルアーなどを適宜選ぶことが行われる。そのため、複数種の釣具を、それらの保持位置を維持した状態で、収容しておくことができる釣具ケースが求められている。例えば、ケ-スの中に、底板と複数の仕切り体が落し込まれて収容され、複数の仕切り体が、薄い硬質の合成樹脂シ-トで直方体状に形成されると共に仕切り部が形成されたものがある(特許文献1)。
【0003】
また、ルアーを収納した仕切部が設けられた箱体形状のケースであって、各仕切部の底面板の全体又は一部を上下方向に移動自在としたものが提案されている(特許文献2)。
【0004】
さらに、引っ掛けボードに複数の引っ掛けポイントを適宜間隔に設け、ケース本体に装着して、引っ掛けボードに整理整頓機能を持たせることで、ルアーの整理整頓を容易にし、整頓された状態を維持することができるようにしたものが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-34414号公報
【特許文献2】実用新案登録第3182529号公報
【特許文献3】特開2006-141386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の釣具ケースは、釣具を個別に収容できるが、全体として大きくなってしまう。また、どのような釣具が収容されているか、一覧することには適していない。
【0007】
特許文献2に記載の釣具ケースは、釣具を各仕切部に個別に収容し、横並びに配置する構造であるため、ケースの縦横の幅が大きくならざるを得ない。また、特許文献2の釣具ケースは、仕切部を上下方向に移動自在とする構成となっているため、ケースの構造が複雑になり、取り出しに手間がかかる。
【0008】
特許文献3に記載の釣具ケースは、ボードに釣り針を引っかける構造であるため、個別収容しなくても、収容位置を維持することができ、かつ、一覧性は確保される。しかし、ボードを針で突き刺すことを繰り返すため、ボードを損傷することが避けられない。また、釣り針を突き刺すため、針がぬれていると、錆を生じやすい。
【0009】
本発明は、多くの釣具を、一覧性を確保してコンパクトに収容することができ、かつ、各釣具の収容位置がずれないように維持することができる釣具ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願が、発明の一実施態様として提供する釣具ケースは、釣具を収容する本体と、本体開口部を開閉自在に覆う蓋体とを備える。本実施態様の釣具ケースは、本体に収容され、釣具を保持する保持体と、蓋体の本体開口部に面して設けられ、当該蓋体により本体開口部を閉じた際、保持体に保持される釣具の飛び跳ねを抑止する抑止体と、を有する。保持体には、収容すべき釣具の針を掛けるための針掛け部が複数設けられている。
【0011】
本願が、他の実施態様として提供する釣具ケースは、釣具を収容する本体と、本体開口部を開閉自在に覆う蓋体とを備え、一端が本体前方側に取り付けられ、他端が蓋体に取り付けられ、本体後方側に位置する部分に屈曲可能な屈曲部を有する吊り部材をさらに備える。吊り部材は、本体に収容される各保持体を、間隔を開けて、両端部において順次連結し、蓋体を閉じて本体開口部を覆う状態では、屈曲部を屈曲させて、各保持体を本体内に装着し、蓋体を開いた開放した状態では、各保持体を吊り上げた状態とするものである。
【0012】
各実施態様において用いられる抑止体は、例えば、蓋体により本体開口を閉じた状態において、保持体の針掛け部に近接する位置に配置する構造とすることができる。具体的には、例えば、抑止体は、保持体に沿って棒状部材を配置する構成とすることができる。また、抑止体は、蓋体により本体開口を閉じた状態において、保持体の針掛け部に当接する位置にスポンジ状部材を配置する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、多くの釣具を、一覧性を確保してコンパクトに収容することができる。また、釣針の飛び跳ねを抑えることができ、各釣具の収容位置がずれないように維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態の釣具ケースの一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態において、保持体による釣具の保持状態の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態において、保持体による釣具の保持状態の他の例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態において、保持体による釣具の保持状態の一例を示す断面図であり、(a)は小型のスプーンを保持し、(b)は相対的に大きいスプーンを保持する例を示す。
【
図5】
図5は、第1実施形態において、保持体による釣具の保持状態の他の例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態の釣具ケースの一例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態において、保持体による釣具の保持状態の一例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態において、保持体による釣具の保持状態の他の例を示す断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態の釣具ケースの一例を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3実施形態の釣具ケースの一例を示す側面図である。
【
図11】
図11は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第1変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第2変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第3変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第4変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第5変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第6変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の各実施形態において適用可能な針掛け部の第7変形例を示す保持体の部分断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の各実施形態において適用可能な抑止体の変形例を示す部分断面図である。
【
図19】
図19は、本発明の各実施形態において適用可能な抑止体の他の変形例を示す部分断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の第1実施形態において適用可能な保持体の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願が開示する複数の発明に関わる実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態の釣具ケースの一例を示す平面図である。
図1に示す釣具ケースは、本体10と蓋体20とを備える。
図1には、開いた状態の本体10及び蓋体20を示す。本体10と蓋体20とは、連結部材26を介して開閉自在に連結される。また、本体10は、釣具60を保持する保持体30を有し、蓋体20は、保持体30に保持される釣具の飛び跳ね抑止する抑止体41、42及び43を有する。
【0017】
本体10と蓋体20とは、互いに閉じることができて、フック機講17及び27により固定することができる。本体10は、長方形状の底面部12と、その四辺を囲んで箱形状を構成する周面部11a、11b、11c及び11dとを有する。一方、蓋体20は、長方形状の天面部22と、その四辺を囲んで浅い箱形状を構成する周面部21a、21b、21c及び21dとを有する。本体10の周面部11aから11dと、蓋体20の周面部21aから21dとは、本体10と蓋体20とを閉じた際、対応する各周面部(例えば、周面部11aと21a)が互いに密接する位置関係となるように形成される。その結果、蓋体20を閉じることにより、本体10の開口部19を覆うことができる。
【0018】
本体10及び蓋体20は、本実施形態及び後述する他の実施形態において、共に、プラスチック材を成型することにより形成することができる。プラスチック素材としては、透明乃至半透明のものを用いる。もちろん、これに限定されない。
【0019】
本体10の周面部11aと11bとには、対向する位置に、底面部12から開口部19に向けて延設される凸部14及び15が設けられる。凸部14及び15は、両者の間に、後述する保持体30の端辺32を装着するための溝として機能する支持部13を構成する。支持部13は、本実施形態では、保持体30を4枚等間隔で配置できるように設けられている。もちろん、これに限定されない。支持部13を多めに配置し、装着する支持部13を選択して、隣接する保持体30との間隔を設定することができるようにしてもよい。
【0020】
保持体30を支持部13に装着すると、端辺32と凸部15(凸部14は隠れている)とが、
図2に示すような位置関係となって、保持体30が支持部13により支持される。また、
図4(a)及び(b)に示すように、保持体30は、支持部13において、凸部14及び15により挟まれる状態で支持され、下辺33が底面部12に接して、本体10内に、直立した状態で装着される。したがって、保持体30は、本体10内に一体的に設けられることになる。
【0021】
保持体30は、
図1に示す例では、4枚が、それぞれ端辺32が支持部13の溝において凸部14及び15により挟持されて、本体10に収容されている。各保持体30は、本実施形態では、本体10及び蓋体20と同様に、透明乃至半透明の材料により形成されている。もちろん、これに限定されない。例えば、本体10と異なる材質、または、色調とすることができる。
【0022】
保持体30は、外形が、概ね、長方形状の板材により構成される。具体的には、
図1及び
図2に示すように、開口部19側に設置する上辺31と、底面部12に置かれる下辺33と、それらの両端に位置する端辺32とにより囲まれる長方形状の板で構成される。保持体30には、収容すべき釣具60の釣針61を掛ける針掛け部34が複数設けられる。
【0023】
針掛け部34は、例えば、保持体30の上辺31の一部に凹部を形成して設けることができる。凹部は複数個を列状に配置して構成される。本実施形態では、
図2に示すように、針掛け部34を矩形波状の繰り返しパターンとしている。針掛け部34の形状、すなわち、幅、深さ等は、収容すべき掛ける釣具60の種類の形状、大きさ等により設定される。また、矩形波についても、同じパターンの繰り返しに限られない。凹部の形状、繰り返しパターンは、保持体毎に設定することができる。また、同じ保持体において、一部は狭幅、他の部分は広幅のように、異なる繰り返しパターンを配置する構成としてもよい。さらに、矩形波の凸部分の外周(平面視したときの外周)を曲面化して、あたかも、楕円柱のように形成してもよい。
【0024】
蓋体20の天面部22には、
図1に示すように、釣具60の飛び跳ねを抑止する抑止体41、42及び43が配置される。抑止体41及び42は、棒状部材、例えば、四角柱により形成される。これらは、例えば、保持体30と同様の素材により形成することができる。また、抑止体41及び42は、共に、天面部22に固定される。具体的には、蓋体20に一体に形成する。もちろん、棒状部材を天面部22に埋め込むこと、接着すること等により形成することもできる。一方、抑止体43は、棒状部材を、弾性を有する部材、例えば、スポンジ状の部材により形成することができる。この抑止体43は、例えば、天面部22に接着することにより配置することができる。
【0025】
抑止体41、42及び43は、
図4(a)、(b)及び
図5に示すように、蓋体20により本体10の開口部19を覆った(
図1参照)際、保持体30の針掛け部34に近接する位置に配置される。例えば、
図4(a)及び(b)に示すように、抑止体41及び42は、両者の間に、保持体30の上辺31を挟む位置関係に維持される。これにより、釣具60が跳ねても、釣針61が、近接する抑止体41及び42に接して、釣針61の跳ね上がり変位を抑止することができる。抑止体43の場合には、
図5に示すように、保持体30の上辺31が当該抑止体43に当接して、釣針61の跳ね上がりを抑止することができる。
【0026】
本実施形態では、三組の抑止体41及び42と、1本の抑止体43とを混在させている例を示している。しかし、抑止体の種類及び本数は、これに限定されない。例えば、抑止体41及び42のみとすること、抑止体43のみとすることもできる。また、抑止体41及び42を二組とし、抑止体43を2本とすることができる。また、種類のみならず、数を増減することもできる。
【0027】
本実施形態の釣具ケースへの釣具の収容は、まず、
図1に示すように、収容すべき釣具60のそれぞれの釣針61を、複数の保持体30のいずれかにおける針掛け部34に掛けることにより行う。釣具60を針掛け部34に掛けると、
図4(a)に示すように、小型のスプーンをルアー62として用いている場合、保持体30に沿って、ルアー62が吊り下げられる状態となる。一方、
図4(b)及び
図5に示すように、相対的に大型のスプーンをルアー62として用いている場合、釣具60は、釣針61により針掛け部34に吊り下げられるのみならず、底面部12によっても支えられる。
【0028】
次に、連結部材26を介して、蓋体20を回動して、本体10の開口部19を覆う。これにより、抑止体41及び42が近接する部分では、
図2、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、保持体30の上辺31が抑止体41及び42の間に位置することとなる。一方、抑止体43が近接する部分では、
図3及び
図5に示すように、保持体30の上辺31が抑止体43と当接することとなる。
【0029】
図2、
図4(a)及び
図4(b)に示す例では、針掛け部34に掛けられている釣針61の上部側の湾曲部分に抑止体41及び42が近接する。そのため、釣具60が揺動して釣針61が飛び跳ねても、抑止体41又は42が釣針61に当接して、飛び跳ねを抑止する。一方、
図5に示す例においては、針掛け部34に掛けられている釣針61の上部に抑止体43が近接する。そのため、釣具60が揺動すると、抑止体43が釣針61に当接して、飛び跳ねを抑止する。
【0030】
釣具60を使用する際には、蓋体20を開けて、本体10の開口部19を露出する。この状態では、
図1に示すように、収容されている釣具60を一覧することができ、必要とする釣具を容易に選ぶことができる。ここで、使用する釣具を選んで、釣針61をつまんで引き上げることにより、釣針61が針掛け部34から外れ、続いて、ルアー62を引き上げることができる。
【0031】
なお、抑止体43は、蓋体20を開けている際に、使用予定の複数の釣針を、一時的に掛けておくことに利用できる。これにより、釣りを行っている際に、釣針の交換を、素早く、簡単に行える。
【0032】
上記実施形態では、抑止体41及び42を備えているが、これに限られない。例えば、いずれか一方のみ、具体的には、抑止体41のみとすることができる。なお、抑止体41及び42を設けることにより、針掛け部34への釣具60の掛ける位置を、
図4(a)及び(b)に示す位置と、図面上の方向において左右反対にしても、同等の抑止効果が期待できる利点がある。
【0033】
図6は、本発明の第2実施形態の釣具ケースの一例を示す平面図である。
図6に示す釣具ケースは、本体10と蓋体20とを備える。本体10と蓋体20とは、連結部材26を介して開閉自在に連結される。また、本体10は、釣具60を保持する保持体30を有し、蓋体20は、保持体30に保持される釣具の飛び跳ね抑止する抑止体41を有する。なお、第2実施形態の釣具ケースは、基本的には、
図1に示す第1実施形態の釣具ケースと同様の構成を有する。以下、相違点を中心に説明する。
【0034】
本体10の周面部11aと11bとには、対向する位置に、底面部12から開口部19に向けて傾斜して延設される凸部14及び15が設けられる。凸部14及び15は、両者の間に、後述する保持体30の端辺32を装着するための溝として機能する支持部13を構成する。支持部13は、
図7及び
図8に示すように、傾斜して設けられている。これに対応して、保持体30が凸部14及び15によって形成される溝状の空間である支持部13において、凸部14及び15により挟まれ、下辺33が底面部12に接して支持される。従って、保持体30は、本体10内に、傾斜した状態で装着される。
【0035】
保持体30は、本実施形態の場合、本体10に傾斜させて装着するため、
図1に示す例に比べて、端辺32方向の長さを長くすることができる。そのため、
図7及び
図8に示すように、長めのルアー62を安定に収容することができる。なお、端辺の長さを
図1に示す例と同等として、本体10の深さを浅くすることも可能である。また、保持体30が傾斜しているため、本体10の上方から、収容されている釣具60が、そのルアー62部分まで一覧しやすくなる。
【0036】
蓋体20の天面部22には、
図6に示すように、釣具60の飛び跳ねを抑止する抑止体41及び43が配置される。本実施形態では、抑止体41のみを配置している。これは、
図7に示すように、傾斜する保持体30の一方の面(上方に向いている面)が他の面より蓋体20に近接することとなる。これにより、釣針61の、保持体30の長手方向への飛び跳ねを抑えると共に、上下方向の飛び跳ねも抑えることができる。そこで、近接しない抑止体42を省略し、釣針61により近接する位置に抑止体41を配置している。
【0037】
抑止体43については、保持体30の上辺31の角に当接する位置に設けられる。これにより、釣針61の、保持体30の長手方向に沿った飛び跳ねと、上下方向への飛び跳ねも抑えることができる。
【0038】
図9は、本発明の第3実施形態の釣具ケースの一例を示す斜視図である。また、
図10は、本発明の第3実施形態の釣具ケースの一例を示す側面図である。本実施形態の釣具ケースは、保持体30を本体10内に収容すると共に、蓋体20を開いた際、保持体30を吊り上げる吊り上げ部材35を有する点に特徴がある。なお、保持体30の針掛け部の構成は、図示を省略しているが、第1実施形態及び第2実施形態で用いられる保持体の針掛け部と同様に、例えば、矩形波状の繰り返しパターンとして構成することができる。また、抑止体43についても、第1実施形態及び第2実施形態で用いられる抑止体と同様の構成である。
【0039】
本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態の本体10に設けられた支持部13を設けていない。それに代えて、一対の吊り上げ部材35を有する。各吊り上げ部材35は、例えば、屈曲部36において折曲げ可能なワイヤにより構成される。各吊り上げ部材35は、保持体30の両端に配置され、それぞれ連結部37を介して保持体30に連結される。また、各吊り上げ部材35は、先端側が、取付部39を介して本体10の周面部11aと11bとに取り付けられる。一方、基端側が、取付部38を介して蓋体20の周面部21aと21bとに取り付けられる。なお、本体10の周面部11a及び11bに、図示しない案内部を設けて、保持体の吊り上げ、吊り下げ時のガイドとして機能させる構成としてもよい。
【0040】
この実施形態では、
図9に示すように、吊り上げ部材35は、蓋体20を開くことにより、取付部38により引っ張られて、屈曲部36が開いて、直線的に伸びた状態となる。この状態では、各保持体30が、連結部37を介して吊り上げ部材35により引き上げられて、図面上の手前から奥方向に向かって徐々に吊り上げられた状態となる。その結果、
図9に示すように、各保持体30が上下方向に変位して配置され、正面から保持体全体を見ることができる。従って、釣具60を保持体30に掛けやすく、また、保持される釣具60が、手前側から一覧しやすくなる。
【0041】
一方、蓋体20を閉じると、吊り上げ部材35は、屈曲部36において屈曲しつつ、取付部38が本体10の開口部19に近接する。それに伴って、各保持体30は、
図10に示すように、本体10内に収容される。釣具60も釣針61が保持体30に掛けられ、かつ、抑止体43により飛び跳ねないように抑止された状態で本体10に収容される。なお、本実施形態においても、抑止体として、抑止体41及び42、あるいはいずれか一方を採用してもよい。
【0042】
次に、
図11から
図17を参照して、各実施形態において適用可能な針掛け部の変形例について説明する。また、
図18及び
図19を参照して、本発明の各実施形態において適用可能な抑止体の変形例について説明する。
【0043】
図11から
図14に示す変形例は、保持体30の針掛け部34の繰り返しパターンを変形した例である。
図11に示す例は、針掛け部34の開口部分にテーパーを設けた凹部形状としたものであり、釣針が掛けやすい利点がある。
図12に示す例は、針掛け部34の底部を三角形状に絞って凹部としたものであり、釣針を掛けた場合、底部の頂点に針が位置して、横ずれしにくいという利点がある。
図13に示す例は、針掛け部34のU字形状の凹部としたものであり、釣針を掛けた場合、底部の中央に針が位置して、横ずれしにくいという利点がある。
図14に示す例は、
図13に示す変形例におけるU字形状を円形状に近い凹部としたものであり、釣針が掛けやすく抜けにくいという利点がある。
【0044】
図15から
図17に示す変形例は、針掛け部34の繰り返しパターンを変形した他の例である。
図15に示す例は、保持体30の上辺31を三角波形状とし、三角波状の凹部により針掛け部34を構成するものであり、釣針が掛けやすく、釣針を掛けた場合、底部の頂点に針が位置して、横ずれしにくいという利点がある。
図16に示す例は、保持体30の上辺31に、断面逆台形状の凸部により繰り返しパターンを形成し、凸部の間に構成される台形状の凹部として針掛け部34としたものであり、図に示すように、底面側より開口側が狭まっているので、釣針が外れにくい利点がある。
図17に示す例は、保持体30の上辺31に、断面六角形状の凸部が繰り返し配置され、それらの間に構成される、逆台形状の凹部と台形状凹部が合成された形状として針掛け部34としたものであり、図に示すように、中間部が、底面側及び開口側より幅が狭まっていて、釣針が掛けやすく、外れにくい。
【0045】
図18及び
図19に示す変形例は、本発明の各実施形態において適用可能な抑止体に関するものである。これらの変形例は、
図4(a)及び(b)に示す抑止体41及び42と同様に棒状部材による変形例である。なお、
図7に示すように、抑止体41のみを配置する場合にも適用可能である。
【0046】
図18に示す例は、具体的には、三角柱状の棒状部材を用いた例である。この例では、三角柱の一辺を蓋体20に固定して形成される。
図19に示す変形例は、四角柱の半分ほどをアール加工して半円柱状とした棒状部材を用いた例である。これらは、いずれも、例えば、蓋体20と一体成型、蓋体20に溝を形成して埋め込む、接着剤による接着等により、抑止体41及び42を形成することができる。なお、
図18及び
図19に示す抑止体41及び42を、弾性を有する部材、例えば、スポンジ状の部材により形成することができる。
【0047】
図20は、本発明の第1実施形態の釣り具ケースにおいて適用可能な保持体30の変形例を示す斜視図である。
図20では、蓋体20および連結部材26の構成の図示は省略しているが、第1実施形態で用いられる蓋体20および連結部材26と同様の構成である。また、本体10は、基本的には、
図1に示す第1実施形態の釣り具ケースと同様の構成を有する。
【0048】
本変形例では、保持体30は、複数の針掛け部34が設けられた本体部30aと、本体部30aの両端に位置し支持部13に挟まれて支持される端部30bと、両端部30bに本体部30aを接続する傾斜部30cとを有する。端部30bは、支持部13に挟まれて支持される端辺32を含む直方体状の部材である。傾斜部30cは、端部30bに対して本体部30aを傾斜して接続する部材である。
図20の例では、上辺31側から下辺33側に近づくにつれて狭くなる三角形状であり、端部30bに対して直角に接続されている。本体部30aは、傾斜部30cの斜辺部分に対して直角に接続されている。保持体30は、傾斜部30cを有することで、本体部30aが底面部12から開口部19に向かって傾斜した状態で支持される。
【0049】
保持体30は、端辺32を含む端部30bが凸部14及び15により挟まれる状態で支持部13に支持され、本体10内に傾斜した状態で装着される。従って、第2実施形態のように凸部14及び15を傾斜して延設することなく、保持体30を傾斜した状態で装着でき、本体10の上方から収容されている釣具60(不図示)を一覧しやすくなる。
【0050】
本願発明は、以上述べた実施例に限られない。例えば、前述した第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態において、釣具の一態様であるルアーの一例としてスプーンのような比較的小型のものを例として示したが、より大きな形状のルアーの収容するものにも適用可能である。また、直方体状の本体を使用した例を示したが、本体の形状は、これに限られない、例えば、円筒状、楕円筒形状等とすることもできる。
【0051】
さらに、保持体は、本体に複数枚配置され、かつ、その全部または一部を前記本体底面に対して傾斜させて配置する構成とすることができる。すなわち、本体に収容される複数枚の保持体のうち、保持体を本体に直立する姿勢により収容するとともに、残りの保持体を傾斜させて本体に収容する構成とすることができる。また、本体に着脱可能に配置され、本体内の保持体の枚数を変更すること、間隔を変えることができる。
【0052】
また、釣具ケースには、通水孔を設けてもよい。例えば、天面部22に1つ以上の通水孔を設ける。使い方は、釣具60を保持体30に保持して蓋体20を閉じた状態で、通水孔から水を流し入れ、釣具ケースを振って釣具60を洗浄し、通水孔から水を流し出す。釣具60は保持体30に保持されているため、収容位置がずれることなく、効率的に洗浄を行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
10…本体、11a、11b、11c、11d…周面部、12…底面部、13…支持部、14、15…凸部、
20…蓋体、21a、21b、21c、21d…周面部、22…天面部、
30…保持体、31…上辺、32…端辺、33…下辺、34…針掛け部、35…吊り上げ部材、30a…本体部、30b…端部、30c…傾斜部、
41、42、43…抑止体、
60…釣具、61…釣針、62…ルアー