(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140779
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】コンクリートスラブの支持構造およびコンクリートスラブの施工方法
(51)【国際特許分類】
E04B 5/40 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
E04B5/40 G
E04B5/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046791
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮林 航希
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由悟
(57)【要約】
【課題】コンクリートスラブの水平力を支持部材に伝達するにあたり、コンクリート内の応力集中によるひび割れの発生を効果的に防止する。
【解決手段】支持部材と、上記支持部材に載置される型枠部材と、上記型枠部材の上記支持部材とは反対側に打設されるコンクリートと、上記コンクリートに定着させられるスタッドボルトとを備え、上記スタッドボルトの一方の端部は上記支持部材に溶接され、上記スタッドボルトは上記型枠部材を貫通して延びる、コンクリートスラブの支持構造が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材に載置される型枠部材と、
前記型枠部材の前記支持部材とは反対側に打設されるコンクリートと、
前記コンクリートに定着させられるスタッドボルトと
を備え、
前記スタッドボルトの一方の端部は前記支持部材に溶接され、
前記スタッドボルトは前記型枠部材を貫通して延びる、コンクリートスラブの支持構造。
【請求項2】
前記スタッドボルトの前記支持部材とは反対側の端部から前記スタッドボルトに螺合させられる第1のナットと、
前記第1のナットと前記型枠部材との間に介挿される第1の板状部材と
をさらに備え、
前記第1のナットは、前記第1の板状部材を介して前記型枠部材に当接する、請求項1に記載のコンクリートスラブの支持構造。
【請求項3】
前記型枠部材は、波板状のデッキプレート、または上面平板状のフラットデッキである、請求項1または請求項2に記載のコンクリートスラブの支持構造。
【請求項4】
前記スタッドボルトの前記支持部材とは反対側の端部から前記スタッドボルトに螺合させられる第2のナットをさらに備え、
前記第2のナットは、前記型枠部材から離隔している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンクリートスラブの支持構造。
【請求項5】
前記スタッドボルトの前記支持部材とは反対側の端部から前記スタッドボルトに螺合させられる第3のナットをさらに備え、
前記第3のナットは、前記第2のナットと前記型枠部材との間に配置される、請求項4に記載のコンクリートスラブの支持構造。
【請求項6】
前記第2のナットと前記第3のナットとの間に挟持される第2の板状部材をさらに備える、請求項5に記載のコンクリートスラブの支持構造。
【請求項7】
支持部材に型枠部材を載置する工程と、
スタッドボルトの一方の端部を前記型枠部材の上から前記支持部材に溶接する工程と、
前記型枠部材の前記支持部材とは反対側にコンクリートを打設し、前記スタッドボルトを前記コンクリートに定着させる工程と
を含む、コンクリートスラブの施工方法。
【請求項8】
前記スタッドボルトは、前記型枠部材に孔を穿設しながら前記支持部材に溶接される、請求項7に記載のコンクリートスラブの施工方法。
【請求項9】
前記スタッドボルトは、前記型枠部材に予め形成された孔に挿通されるとともに前記支持部材に溶接される、請求項7に記載のコンクリートスラブの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートスラブの支持構造およびコンクリートスラブの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートスラブの水平力を梁に伝達する方法として、頭付きスタッドや焼抜き栓溶接、打込み鋲、溶接(隅肉溶接またはプラグ溶接)、ボルトまたは高力ボルトが用いられることがある。このうち、コンクリートスラブと梁とをより強固に一体化するために、頭付きスタッドが用いられることが多い。例えば、特許文献1には、コンクリートとデッキプレートとのコンクリートスラブと鉄骨梁とが頭付きスタッドを用いたシアコネクタで一体になっている合成梁の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載されたような技術では、コンクリートスラブに曲げが生じた場合に、コンクリート内の応力が頭付きスタッドの頭部に集中するため、スタッド頭部を起点としたひび割れが生じやすいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、コンクリートスラブの水平力を支持部材に伝達するにあたり、コンクリート内の応力集中によるひび割れの発生を効果的に防止することが可能なコンクリートスラブの支持構造およびコンクリートスラブの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]支持部材と、上記支持部材に載置される型枠部材と、上記型枠部材の上記支持部材とは反対側に打設されるコンクリートと、上記コンクリートに定着させられるスタッドボルトとを備え、上記スタッドボルトの一方の端部は上記支持部材に溶接され、上記スタッドボルトは上記型枠部材を貫通して延びる、コンクリートスラブの支持構造。
[2]上記スタッドボルトの上記支持部材とは反対側の端部から上記スタッドボルトに螺合させられる第1のナットと、上記第1のナットと上記型枠部材との間に介挿される第1の板状部材とをさらに備え、上記第1のナットは、上記第1の板状部材を介して上記型枠部材に当接する、[1]に記載のコンクリートスラブの支持構造。
[3]上記型枠部材は、波板状のデッキプレート、または上面平板状のフラットデッキである、[1]または[2]に記載のコンクリートスラブの支持構造。
[4]上記スタッドボルトの上記支持部材とは反対側の端部から上記スタッドボルトに螺合させられる第2のナットをさらに備え、上記第2のナットは、上記型枠部材から離隔している、[1]から[3]のいずれか1項に記載のコンクリートスラブの支持構造。
[5]上記スタッドボルトの上記支持部材とは反対側の端部から上記スタッドボルトに螺合させられる第3のナットをさらに備え、上記第3のナットは、上記第2のナットと上記型枠部材との間に配置される、[4]に記載のコンクリートスラブの支持構造。
[6]上記第2のナットと上記第3のナットとの間に挟持される第2の板状部材をさらに備える、[5]に記載のコンクリートスラブの支持構造。
[7]支持部材に型枠部材を載置する工程と、スタッドボルトの一方の端部を上記型枠部材の上から上記支持部材に溶接する工程と、上記型枠部材の上記支持部材とは反対側にコンクリートを打設し、上記スタッドボルトを上記コンクリートに定着させる工程とを含む、コンクリートスラブの施工方法。
[8]上記スタッドボルトは、上記型枠部材に孔を穿設しながら上記支持部材に溶接される、[7]に記載のコンクリートスラブの施工方法。
[9]上記スタッドボルトは、上記型枠部材に予め形成された孔に挿通されるとともに上記支持部材に溶接される、[7]に記載のコンクリートスラブの施工方法。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、支持部材に溶接されたスタッドボルトを介して、コンクリートスラブの水平力が支持部材に伝達される。スタッドボルトの表面にはねじの凹凸が形成されているため、頭付きスタッドの場合と同様にコンクリートからの引き抜きに抵抗することができる。その一方で、ねじの凹凸はスタッドボルトの長さ方向の所定の区間にわたって形成されているため、頭部のみに応力が集中する頭付きスタッドの場合に比べてコンクリート内の応力を分散させることができ、応力集中によるひび割れの発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るコンクリートスラブの支持構造を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るコンクリートスラブの支持構造を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るコンクリートスラブの支持構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態において追加のナットおよび板状部材を配置する例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態において追加のナットおよび板状部材を配置する例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態において追加のナットおよび板状部材を配置する例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の適用部位の別の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の適用部位のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
図1および
図2は、本発明の第1の実施形態に係るコンクリートスラブの支持構造を示す図であり、互いのI-I線およびII-II線に沿った断面図である。図示された例では、デッキプレート1がH形鋼2に載置され、スタッドボルト3、ナット4および板状部材5によって支持構造が構成される。後述するように、ナット4および板状部材5は省略可能である。
【0011】
デッキプレート1は、交互に配置された台形の山部11と溝底部12とが互いに平行に延びる波板状の薄板であり、溝底部12がH形鋼2のフランジ21上に載置される。デッキプレート1の板厚は例えば0.8mm以上1.6mm以下であるが、この例には限定されない。デッキプレート1は型枠部材の例であり、デッキプレート1のH形鋼2とは反対側にコンクリート6が打設される。本実施形態では、デッキプレート1とコンクリート6によって合成スラブが構成される。デッキプレート1の形状および配置は図示された例には限られない。例えば、図示された例において山部11および溝底部12はそれぞれH形鋼2の材軸に対して直交する方向に延びているが、山部11および溝底部12がH形鋼2の材軸に対して平行な方向に延びるようにデッキプレート1が配置されてもよい。また、デッキプレートと鉄筋トラスとが一体になった型枠部材が用いられてもよい。
【0012】
フランジ21およびウェブ22を含むH形鋼2は支持部材の例であり、例えば建築物における梁を構成する。支持部材はH形鋼には限定されず、例えば溝形鋼や山形鋼などの各種の形鋼を支持部材として用いることができる。さらに、支持部材は、デッキプレートの受け材等の付帯部材を含んでいてもよい。例えば、形鋼に付帯部材を介してデッキプレート1が接続されている場合、スタッドボルトが溶接されるのは付帯部材であってもよい。
【0013】
スタッドボルト3は、一方の端部がH形鋼2のフランジ21に溶接され、デッキプレート1の溝底部12を貫通して延びる。具体的には、例えば、スタッドボルト3は、H形鋼2にデッキプレート1を載置した状態で、デッキプレート1の上から各種のスタッド溶接手法を用いて溶接される。既に述べたようにデッキプレート1は薄板であるため、デッキプレート1の上からスタッドボルト3を溶接すると、スタッドボルト3はデッキプレート1を溶融させることによって孔を穿設しながらH形鋼2に溶接される。この場合、スタッドボルト3がH形鋼2に溶接接合されるため、デッキプレート1とH形鋼2との間の接合耐力も確保することができる。なお、例えばデッキプレート1の端部や他のデッキプレートとの重ね合わせ部のような支持部材との位置合わせが容易な箇所、またはより確実な溶接が必要とされる箇所では、デッキプレート1に予め孔開けをした上で、スタッドボルト3を孔に挿通してH形鋼2に溶接してもよい。また、スタッドボルト3とは別の、デッキプレート1が配置されない部分でデッキプレートを貫通せずにH形鋼2に溶接されるスタッドが配置されてもよい。
【0014】
ここで、スタッドボルト3は、上記のようにデッキプレート1を貫通してH形鋼2に溶接された後、デッキプレート1のH形鋼2とは反対側に打設されるコンクリート6に埋設され、コンクリート6に定着させられる。つまり、本実施形態では、スタッドボルト3を介して、合成スラブの水平力が支持部材であるH形鋼2に伝達される。スタッドボルト3の表面にはねじの凹凸が形成されているため、頭付きスタッドの場合と同様にコンクリート6からの引き抜きに抵抗することができる。その一方で、ねじの凹凸はスタッドボルト3の長さ方向の所定の区間にわたって形成されているため(必ずしも全体ではなくてもよく、端部付近など、ねじが形成されない部分が存在してもよい)、頭部のみに応力が集中する頭付きスタッドの場合に比べてコンクリート6内の応力を分散させることができ、応力集中によるひび割れの発生を効果的に防止することができる。
【0015】
ナット4は、H形鋼2とは反対側の端部からスタッドボルト3に螺合させられ、板状部材5はナット4とデッキプレート1との間に介挿される。スタッドボルト3に板状部材5を挿通した後にナット4を螺合させ、ナット4を板状部材5に接触させながら締め付けることによって、デッキプレート1とH形鋼2との間にボルト接合を形成することができる。板状部材5は、例えば座金であってもよく、予め孔開け加工された支圧板であってもよい。また、例えばデッキプレート1側から順に支圧板および座金が介挿される場合のように、ナット4とデッキプレート1との間に複数の板状部材が介挿されてもよい。なお、例えば上記のようにデッキプレート1に予め孔開けをすることなくスタッドボルト3をデッキプレート1の上からH形鋼2に溶接する場合は、既にデッキプレート1とH形鋼2との間に溶接接合が形成されているため、ナット4および板状部材5が省略されてもよい。
【0016】
例えば、頭付きスタッドをH形鋼に溶接する場合、溶接部の接合耐力がデッキプレートとH形鋼との隙間の大きさに影響され不安定であるため、デッキプレートとH形鋼とが別途溶接される。しかしながら、この場合は溶接の工程が追加で必要になるのに加えて、薄鋼板であるデッキプレートをH形鋼に溶接するために施工技術が要求される。また、デッキプレートを別途H形鋼にボルト接合するのは、事前に多数の孔開けが必要であり、位置合わせの手間もあり現実的ではない。これに対して、本実施形態では、例えばスタッドボルト3にはナット4を螺合させることが容易であるため、デッキプレート1に予め孔開けをする場合でも、ナット4および板状部材5を用いてデッキプレート1とH形鋼2との間に容易にボルト接合を形成することができる。なお、例えばデッキプレート1に予め孔開けをすることなくスタッドボルト3をデッキプレート1の上からH形鋼2に溶接する場合であっても、接合をより強固にするためにナット4および板状部材5が配置されてもよい。また、ナット4および板状部材5が省略された場合でも、デッキプレート1およびH形鋼2に予め孔開けをすることなくスタッドボルト3をデッキプレート1の上からH形鋼2に溶接することによって、別途の工程を必要とせずにデッキプレート1とH形鋼2との間に溶接接合を形成することができる。
【0017】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るコンクリートスラブの支持構造を示す図である。図示された例では、フラットデッキ7がH形鋼2に載置され、スタッドボルト3、ナット4および板状部材5によって支持構造が構成される。フラットデッキ7は全体として上面平板状の薄板であり、H形鋼2のフランジ21上に載置される。フラットデッキ7は、型枠部材の別の例である。フラットデッキ7には、例えば補強のためのリブ71が形成されていてもよい。フラットデッキ7でも上記の例と同様にH形鋼2とは反対側にコンクリート6が打設されるが、フラットデッキ7は専らコンクリート6の型枠として用いられるため、この場合のコンクリートスラブは合成スラブとは呼ばれない。
【0018】
本実施形態でも、スタッドボルト3はコンクリート6に定着させられ、コンクリートスラブの水平力を支持部材であるH形鋼2に伝達する。これによって、第1の実施形態と同様に、スタッドボルト3によってコンクリート6内の応力を分散させる効果、フラットデッキ7に予め孔開けをせずにスタッドボルト3を溶接する場合にH形鋼2とフラットデッキ7との間に溶接接合が形成される効果、および必要に応じてナット4および板状部材5を配置してH形鋼2とフラットデッキ7との間に容易にボルト接合を形成する、または接合をより強固にする効果を得ることができる。
【0019】
図4から
図6は、本発明の実施形態において追加のナットおよび板状部材を配置する例を示す図である。
図4に示された例では、スタッドボルト3のH形鋼2とは反対側の端部からナット8Aが螺合させられる。ナット8Aは、デッキプレート1から離隔しており、例えばスタッドボルト3の端部に近い位置に配置される。スタッドボルト3のねじの凹凸に加えてナット8Aがスタッドボルト3からの張り出しを形成することによって、スタッドボルト3のコンクリート6からの引き抜きに対する抵抗が強化される。スタッドボルト3およびナット8Aを合わせた全体の形状は頭付きスタッドに近いが、上述のようにねじの凹凸がスタッドボルト3の長さ方向の所定の区間にわたって形成されていることによって、頭付きスタッドの場合に比べてコンクリート6内の応力を分散させることができる。
【0020】
図5に示された例では、スタッドボルト3のH形鋼2とは反対側の端部から2つのナット8A,8Bが螺合させられる。ナット8Aは
図4の例と同様にスタッドボルト3の端部に近い位置に配置され、ナット8Bはナット8Aとデッキプレート1との間に配置される。より具体的には、ナット8Bは、ナット8Aと、デッキプレート1側のナット4および板状部材5との中間付近であって、それらの両方から離隔した位置に配置される。ねじの凹凸がスタッドボルト3の長さ方向の所定の区間にわたって形成されているのに加えて、ナットによって形成されるスタッドボルト3からの張り出しがナット8A,8Bの2箇所に増えることによって、スタッドボルト3のコンクリート6からの引き抜きに対する抵抗がさらに強化され、またコンクリート6内の応力をさらに分散させることができる。
【0021】
図6に示された例では、ナット8Bが
図5の例よりもナット8A側に配置され、ナット8A,8Bの間に板状部材9が挟持される。ねじの凹凸がスタッドボルト3の長さ方向の所定の区間にわたって形成されているのに加えて、ナット8A,8B、さらに板状部材9によってスタッドボルト3からの張り出しが形成されることによって、スタッドボルト3のコンクリート6からの引き抜きに対する抵抗がさらに強化され、またコンクリート6内の応力をさらに分散させることができる。なお、板状部材9は平板状の部材として図示されているが、例えば波板状やU字形の湾曲形状など、断面形状は特に限定されない。
【0022】
スタッドボルト3にはナットを螺合させることが容易であるため、上記の例のようにナットを螺合させたり、ナットで板状部材を挟持したりしてスタッドボルト3からの張り出しを形成し、引き抜きに対する抵抗を強化するとともにコンクリート6内の応力を分散させることができる。他の例では、スタッドボルト3にナット8A,8B以外に1または複数のナットが螺合させられてもよいし、板状部材9と同様の1または複数の板状部材が、スタッドボルト3に螺合させられたナットによって挟持されてもよい。
【0023】
図7および
図8は、本発明の実施形態の適用部位の別の例を示す図である。
図2や
図3に示された例において、スタッドボルト3を含む支持構造はコンクリートスラブの端部を支持するものとして説明されたが、
図7に示された例のように、同様の支持構造をH形鋼2A,2B,2Cによるコンクリートスラブの連続支持の中間部で、H形鋼2Bがデッキプレート1およびコンクリート6を支持する部分に適用してもよい。また、
図8に示された例のように、中間部のH形鋼2Bがフランジの両側でそれぞれデッキプレート1およびコンクリート6を支持する部分に、スタッドボルト3を含む支持構造が適用されてもよい。
【0024】
なお、上記で
図4から
図8を参照して説明した例は、
図1および
図2を参照して説明した第1の実施形態、および
図3を参照して説明した第2の実施形態のどちらにも適用可能である。
【0025】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0026】
1…デッキプレート、11…山部、12…溝底部、2,2A,2B,2C…H形鋼、21…フランジ、22…ウェブ、3…スタッドボルト、4…ナット(第1のナット)、5…板状部材(第1の板状部材)、6…コンクリート、7…フラットデッキ、71…リブ、8A,8B…ナット(第2および第3のナット)、9…板状部材(第2の板状部材)。