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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140831
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ロボットハンド及び回転ロック機構
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/54 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61F2/54
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046869
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】520205213
【氏名又は名称】株式会社ALTs
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍央
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA12
4C097BB02
4C097BB09
4C097CC12
4C097CC19
4C097TA02
(57)【要約】
【課題】手首部分の十分な強度を確保されていると共に手首部分の角度の調節作業を簡単にできる廉価で軽量化が可能なロボットハンドを提供する。
【解決手段】ロボットハンドWであって、手部1と、手部1の一端部に設けられた手首機構100とを有し、手首機構100は、ソケットに取り付けられた基部101と、手部1の下端部に固定され且つ下端部から基部101に向けて延びる手首片102aと、基部101に固定され且つ手首片102aを回転可能に支持する支持片103aと、支持片103aに対する手首片102aの回転を拘束すると共に拘束を解除可能な回転ロック機構Rとを有し、回転ロック機構Rは、ボタン部Bが押下されていないときには支持片103aに対する手首片102aの回転を拘束し、ボタン部Bが押下されている最中には支持片103aに対する手首片103bの回転の拘束を解除するようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の腕に装着されたソケットに取り付けられるロボットハンドであって、
複数の指部を備える手部と、
前記手部の一端部に設けられた手首機構とを有し、
前記手首機構は、
前記ソケットに取り付けられた基部と、
前記手部の下端部に固定され且つ該下端部から前記基部に向けて延びる手首片と、
前記基部に固定され且つ該基部から前記手部に向けて延設されている共に、前記手首片を回転可能に支持する支持片と、
前記支持片に対する前記手首片の回転を拘束すると共に該拘束を解除可能な回転ロック機構とを有し、
前記回転ロック機構は、前記拘束を解除するボタン部を有し、該ボタン部が押下されていないときには前記支持片に対する前記手首片の回転を拘束して該支持片に該手首片が固定されたロック状態を維持し、該ボタン部が押下されている最中には、前記支持片に対する前記手首片の回転の拘束を解除し、前記手首片を回転させて前記手部の角度を調節できるロック解除状態を維持するようになっていることを特徴とするロボットハンド。
【請求項2】
前記回転ロック機構は、
前記支持片の自由端の外周部に形成されたギア部と、
前記手首片に形成された貫通孔と、
前記支持片に回転可能に支持されていると共に、動作制御孔が形成されたロック・解除切替片を備えた回転動作制御部と、
前記手首片の回転動作を拘束するためのロックロッドと、
前記ロックロッドを前記ギア部に押し付ける方向に付勢する第1付勢部と有し、
前記回転動作制御部には、前記ボタン部が形成されていると共に、前記ロック・解除切替片を所定方向に付勢する第2付勢部が設けられ、
前記ロックロッドは、前記手首片の貫通孔及び前記ロック・解除切替片の動作制御孔に挿通されており、
前記ロック・解除切替片の動作制御孔は、前記ロックロッドの移動を規制する第1孔部と、前記ロックロッドの移動が可能な第2孔部とを有し、
前記ロック・解除切替片は、前記ボタン部が押下されていないときには、前記第2付勢部により付勢されて第1位置に配置されるようになっており、前記ボタン部が押下されている間は前記支持片に対して回転して第2位置に配置されるようになっており、
前記ロック・解除切替片が前記第1位置に配置されているときには、前記ロックロッドが前記第1孔部に配置されて移動できなくなり、該移動できないロックロッドにより前記手首片が前記支持片に対する回転動作が拘束された前記ロック状態になり、
前記ロック・解除切替片が前記第2位置に配置されているときには、前記ロックロッドが第2孔部に配置されて移動が可能になり、前記手首片が前記ロックロッドによる回転動作の拘束が解除され、前記支持片に対して回転動作が可能な前記ロック解除状態になることを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
本体部の回転動作を拘束すると共に該拘束を解除する回転ロック機構であって、
前記本体部の下端部に固定されて設けられた第1片と、
前記第1片を回転自在に支持する支持片と、
前記支持片の自由端の外周部に形成されたギア部と、
前記第1片に形成された貫通孔と、
前記支持片に回転可能に支持されていると共に、動作制御孔が形成されたロック・解除切替片を備えた回転動作制御部と、
前記第1片の回転動作を拘束するためのロックロッドと、
前記ロックロッドを前記ギア部に押し付ける方向に付勢する第1付勢部とを有し、
前記回転動作制御部は、前記回転動作の拘束解除を受け付けるボタン部と、前記ロック・解除切替片を所定方向に付勢する第2付勢部とを有し、
前記ロックロッドは、前記第1片の貫通孔及び前記ロック・解除切替片の動作制御孔に挿通されており、
前記ロック・解除切替片の動作制御孔は、前記ロックロッドの移動を規制する第1孔部と、前記ロックロッドの移動が可能な第2孔部とを有し、
前記ロック・解除切替片は、前記ボタン部が押下されていないときには、前記第2付勢部により付勢されて第1位置に配置されるようになっており、前記ボタン部が押下され
ている間は前記支持片に対して回転して第2位置に配置されるようになっており、
前記ロック・解除切替片が前記第1位置に配置されているときには、前記ロックロッドが前記第1孔部に配置されて移動できなくなり、該移動できないロックロッドにより前第1片が前記支持片に対する回転動作が拘束されたロック状態になり、
前記ロック・解除切替片が前記第2位置に配置されているときには、前記ロックロッドが第2孔部に配置されて移動が可能になり、前記第1片が前記ロックロッドによる回転動作の拘束が解除され、前記支持片に対して回転動作が可能なロック解除状態になることを特徴とする回転ロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンド及び回転ロック機構に関し、例えば、義手として用いられるロボットハンド及びロボットハンドの手首部分等の回転部分の回転の拘束と拘束解除を行う回転ロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
義手は、その手首部分に、義手の利用者の全体重の負荷がかかることがあるため、手首部分に十分な強度を有していることが求められている。また、義手は、長時間継続して装着されるものであるため軽量であることが求められている。また、義手は、個人が利用するものであるため廉価であることが望まれている。
【0003】
ところで、従来技術の義手には、様々なタイプのものがあるが、例えば、手首部分が全く動かない構造のもの(説明の便宜上、「手首固定型・義手」という)がある。この「手首固定型・義手」は、手首部分が固定されているため、義手の利用者の全体重の負荷がかかっても手首部分が折れ曲がったりすることが無い(手首部分に十分な強度が確保されている)。また、「手首固定型・義手」は、手首部分に複雑な構成部品が必要ないため軽量化が可能であり、且つ廉価に製造することができる。
【0004】
また、従来技術の義手には、手首部分が回転可能になっていると共に、手首部分を回転させて所望の位置に調節してネジで固定できる構造のもの(説明の便宜上、「手首ネジ調節型・義手」という)もある。この「手首ネジ調節型・義手」によれば、用途に応じて手首部分の角度を調節することで、手の向きを変えて固定することができる。また、「手首ネジ調節型・義手」は、手首部分を駆動させるためのモータ等を設ける構成ではないため、軽量化が可能であると共に、廉価に製造できる。
【0005】
また、従来技術の義手には、手首部分をモータで動作させるタイプのものがあり、そのような義手が、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載の義手は、「手の平部分、手の甲部分及び手首部分」を形成する中手部と、中手部の一端部に突設された指部(親指、人差し指、中指、小指)とを備えている。この中手部の手首部分には、手首揺動用駆動手段が設けられている。また、手首部分は、義手の利用者に装着された筒状のホルダ(ソケット)に設けられたブラケットに連結軸を介して揺動可能に支持されている。
なお、上記の手首揺動用駆動手段は、出力軸にピニオンを持つ減速機内蔵型の電動サーボモータと、上記ブラケットに固定されてサーボモータのピニオンと噛合する固定歯車を備え、サーボモータの動作により義手の手首部分を揺動させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-104349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術の義手は、以下に示す課題を有している。
上述した「手首固定型・義手」は、手の向きを変えることができないため、上手く物を掴めないなど、使いにくいという課題を有している。
また、上述した「手首ネジ調節型・義手」は、手の向きを調整する度に、ネジを緩めたり絞めたりする作業が必要になり、手首の調整作業が非常に面倒であった。また、「手首ネジ調節型・義手」の構造では、ネジの締結が不十分な場合に、傘などのような手首部分に大きなモーメントがかかるもの(長尺なもの)を持つと、手首部分がモーメントに負けて曲がってしまう虞もあった。
また、上述した特許文献1に記載の義手は、手首部分をモータで駆動させる構成を採用しているが、この構成では、義手の手首部分にモータを設置したり、モータを制御する制御部を設ける必要があるため、重量が重くなるという課題を有している。
なお、特許文献1に記載の義手のような、手首部分をモータで駆動させる構成は、利用者の所望する向きになるように、手首の位置を細かく調整可能に配置できるようにするためには、コストがかかる制御部を設ける必要があり、その結果、義手自体が高額になるという課題も有している。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転する手首部分の十分な強度が確保されていると共に手首部分の角度の調節作業が簡単にできる廉価で軽量化が可能なロボットハンドを提供することにある。また、本発明は、回転する部分の十分な強度が確保されていると共に回転する部分の角度の調節作業が簡単にできる廉価で軽量化が可能な回転ロック機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明は、利用者の腕に装着されたソケットに取り付けられるロボットハンドであって、複数の指部を備える手部と、前記手部の一端部に設けられた手首機構とを有し、前記手首機構は、前記ソケットに取り付けられた基部と、前記手部の下端部に固定され且つ該下端部から前記基部に向けて延びる手首片と、前記基部に固定され且つ該基部から前記手部に向けて延設されている共に、前記手首片を回転可能に支持する支持片と、前記支持片に対する前記手首片の回転を拘束すると共に該拘束を解除可能な回転ロック機構とを有し、前記回転ロック機構は、前記拘束を解除するボタン部を有し、該ボタン部が押下されていないときには前記支持片に対する前記手首片の回転を拘束して該支持片に該手首片が固定されたロック状態を維持し、該ボタン部が押下されている最中には、前記支持片に対する前記手首片の回転の拘束を解除し、前記手首片を回転させて前記手部の角度を調節できるロック解除状態を維持するようになっていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、回転ロック機構のボタン部が押下されていないときには、回転ロック機構が支持片に対する手首片の回転を拘束して支持片に手首片が固定されたロック状態が維持される。そのため、例えば、手首部分(手首片、支持片、手首片が設けれた手部の下端部)にロボットハンドの利用者の全体重の負荷がかかったとしても十分な強度が確保されて手首部分が曲ってしまうことがない。また、手首部分に大きなモーメントがかかるもの(長尺なもの)を持っても、手首部分がモーメントに負けて曲がってしまうことも無い。例えば、従来技術の「手首ネジ調節型・義手」のように、ネジの締結が不十分な場合に起こる不具合が生じることがない。
また、上記の構成によれば、利用者が手部の角度を調節したいときには、ボタン部を押下することで、手首片を回転させて手部の角度を調節できる。また、所望位置の角度に手部の位置を調節した後は、ボタン部の押下を止めれば、所望位置の角度で手首部分がロックされ、手部が固定された状態が維持される。すなわち、本発明の構成によれば、従来技術の「手首ネジ調節型・義手」のように、手の向きを調整する際にネジを緩めたり絞めたりする作業をする必要がなく、簡単に手部の向きの調節作業ができる。
また、本発明は、上述した特許文献1に記載の義手のように手首部分をモータで駆動させる構成ではないため、モータ、制御部(制御回路)、配線等の部品が必要ないため、軽量化したロボットハンドを提供することができる。また、本発明は、手首部分をモータで駆動させる構成ではないため、コストがかる制御部を設ける必要がなく、低コストのロボットハンドを提供することができる。
【0011】
また、前記回転ロック機構は、前記支持片の自由端の外周部に形成されたギア部と、前記手首片に形成された貫通孔と、前記支持片に回転可能に支持されていると共に、動作制御孔が形成されたロック・解除切替片を備えた回転動作制御部と、前記手首片の回転動作を拘束するためのロックロッドと、前記ロックロッドを前記ギア部に押し付ける方向に付勢する第1付勢部と有し、前記回転動作制御部には、前記ボタン部が形成されていると共に、前記ロック・解除切替片を所定方向に付勢する第2付勢部が設けられ、前記ロックロッドは、前記手首片の貫通孔及び前記ロック・解除切替片の動作制御孔に挿通されており、前記ロック・解除切替片の動作制御孔は、前記ロックロッドの移動を規制する第1孔部と、前記ロックロッドの移動が可能な第2孔部とを有し、前記ロック・解除切替片は、前記ボタン部が押下されていないときには、前記第2付勢部により付勢されて第1位置に配置されるようになっており、前記ボタン部が押下されている間は前記支持片に対して回転して第2位置に配置されるようになっており、前記ロック・解除切替片が前記第1位置に配置されているときには、前記ロックロッドが前記第1孔部に配置されて移動できなくなり、該移動できないロックロッドにより前記手首片が前記支持片に対する回転動作が拘束された前記ロック状態になり、前記ロック・解除切替片が前記第2位置に配置されているときには、前記ロックロッドが第2孔部に配置されて移動が可能になり、前記手首片が前記ロックロッドによる回転動作の拘束が解除され、前記支持片に対して回転動作が可能な前記ロック解除状態になることが望ましい。
【0012】
上記の回転ロック機構には、手首片を回転可能に支持する支持片の自由端の外周部に形成されたギア部に、ロックロッドを押し付ける方向に付勢する第1付勢部が設けられている。この構成によれば、ボタン部が押下されて回転ロック機構により支持片に対する手首片の回転の拘束を解除しているときにも、ロックロッドがギア部に押し付ける方向に付勢されているので、支持片に対して手首片を回転させるときには、ギア部の歯形により位置決めされながら手首部分が回転することになる。その結果、手首部分を回転させ過ぎてしまうことが防止される。また、ロボットハンドの利用者は、手首部分を動かしているときには、クリック感が得られるので、手首の回転具合(どの程度、手首を回転させたか)を把握することができ、手首の角度調整がやり易くなる。
また、上記の回転ロック機構には、ロック・解除切替片を所定方向に付勢する第2付勢部が設けられている。そして、ロック・解除切替片は、ボタン部が押下されていないときには、第2付勢部により付勢されて第1位置に配置されて、手首片の支持片に対する回転動作を拘束するロック状態になるようになっている。そのため、ロボットハンドの利用者がボタン部の押下を止めれば、自動的に、手首部分の回転動作が拘束されたロック状態になる。したがって、本発明によれば、手首部分の回転動作の拘束を解除したロック解除状態から、簡単にロック状態に復帰させることができる。すなわち、手首部分の角度を調整した後、速やかにロック状態にすることができる。
【0013】
また、本発明は、本体部の回転動作を拘束すると共に該拘束を解除する回転ロック機構であって、前記本体部の下端部に固定されて設けられた第1片と、前記第1片を回転自在に支持する支持片と、前記支持片の自由端の外周部に形成されたギア部と、前記第1片に形成された貫通孔と、前記支持片に回転可能に支持されていると共に、動作制御孔が形成されたロック・解除切替片を備えた回転動作制御部と、前記第1片の回転動作を拘束するためのロックロッドと、前記ロックロッドを前記ギア部に押し付ける方向に付勢する第1付勢部とを有し、前記回転動作制御部は、前記回転動作の拘束解除を受け付けるボタン部と、前記ロック・解除切替片を所定方向に付勢する第2付勢部とを有し、前記ロックロッドは、前記第1片の貫通孔及び前記ロック・解除切替片の動作制御孔に挿通されており、前記ロック・解除切替片の動作制御孔は、前記ロックロッドの移動を規制する第1孔部と、前記ロックロッドの移動が可能な第2孔部とを有し、前記ロック・解除切替片は、前記ボタン部が押下されていないときには、前記第2付勢部により付勢されて第1位置に配置されるようになっており、前記ボタン部が押下されている間は前記支持片に対して回転して第2位置に配置されるようになっており、前記ロック・解除切替片が前記第1位置に配置されているときには、前記ロックロッドが前記第1孔部に配置されて移動できなくなり、該移動できないロックロッドにより前第1片が前記支持片に対する回転動作が拘束されたロック状態になり、前記ロック・解除切替片が前記第2位置に配置されているときには、前記ロックロッドが第2孔部に配置されて移動が可能になり、前記第1片が前記ロックロッドによる回転動作の拘束が解除され、前記支持片に対して回転動作が可能なロック解除状態になることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、手首部分の十分な強度を確保されていると共に手首部分の角度の調節作業を簡単にできる廉価で軽量化が可能なロボットハンドを提供することができる。
また、本発明によれば、回転する部分の十分な強度が確保されていると共に回転する部分の角度の調節作業が簡単にできる廉価で軽量化が可能な回転ロック機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態のロボットハンドを側面から視た模式図である。
図2】本発明の実施形態のロボットハンドの手の平側を斜め上方から視た模式図である。
図3】本発明の実施形態のロボットハンドの手の甲側の手首部分を上方から視た模式図である。
図4】本発明の実施形態のロボットハンドの手首機構の構成部品を上方から視た模式図である。
図5】本発明の実施形態のロボットハンドの手首部分の動作を説明するための模式図であり、(a)が手首部分を水平に維持した状態のロボットハンドを示した模式図であり、(b)が手首部分を上方に傾けて維持した状態のロボットハンドを示した模式図であり、(c)が手首部分を下方に傾けて維持した状態のロボットハンドを示した模式図である。
図6】本発明の実施形態のロボットハンドの手首機構に設けられた回転ロック機構の断面を示した模式図である。
図7】本発明の実施形態のロボットハンドの回転ロック機構を構成するロック・解除切替片の動作制御孔とロックロッドとの関係を説明するための模式図であり、(a)がロック・解除切替片が基準位置に配置されている状態を示した模式図であり、(b)がロック・解除切替片がロック解除位置に配置されている状態を示した模式図である。
図8】本発明の実施形態のロボットハンドの手首機構に設けられた回転ロック機構の動作を説明するための模式図であり、(a)が回転ロック機構が手首部分をロックしている状態を示した模式図であり、(b)が回転ロック機構が手首部分のロックを解除している状態を示した模式図であり、(c)が回転ロック機構が手首部分のロックを解除している状態において手首部分を(b)に示す位置から回転させた状態を示した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態のロボットハンドについて図面に基づいて説明する。
【0017】
先ず、本実施形態のロボットハンドの概略構成について、図1~6を参照しながら説明する。
なお、以下に示す実施形態は、ロボットハンドが義手である場合を例にしているが、本発明のロボットハンドの構成は、義手以外の用途に用いることができる。
【0018】
ここで、図1は、本実施形態のロボットハンドを側面から視た模式図である。図2は、本実施形態のロボットハンドの手の平側を斜め上方から視た模式図である。図3は、本実施形態のロボットハンドの手の甲側の手首部分を上方から視た模式図である。図4は、本実施形態のロボットハンドの手首機構の構成部品を上方から視た模式図である。図5は、本実施形態のロボットハンドの手首部分の動作を説明するための模式図であり、(a)が手首部分を水平に維持した状態のロボットハンドを示した模式図であり、(b)が手首部分を上方に傾けて維持した状態のロボットハンドを示した模式図であり、(c)が手首部分を下方に傾けて維持した状態のロボットハンドを示した模式図である。図6は、本実施形態のロボットハンドの手首機構に設けられた回転ロック機構の断面を示した模式図である。
【0019】
図1、2に示すように、本実施形態のロボットハンドWは、義手の利用者の腕に装着された筒状のソケット(図示せず)に取り付けられる義手であり、複数の指部20を備える手部1と、手部1の後端部(一端部)に設けられた手首機構100とを有している。
なお、本実施形態のロボットハンドWは、手首機構100の構成に特徴があるため、手首機構100の構成を詳細に説明し、手首機構100以外の構成については簡略化或いは省略する。
【0020】
手部1は、「手の平部分及び手の甲部分」を形成する中手部10と、中手部10から突設する複数本の指部20とを備えている。指部20は、中手部10の側方に配置される親指20aと、中手部10の先端部(他端部)から突出するように配置される、四本の指(人差し指20b、中指20c、薬指20d、小指20e)とにより構成されている(図2参照)。
また、中手部10の後端部(一端部)には、手首機構100が設けられている。
【0021】
手首機構100は、義手の利用者の腕に装着されたのソケット(図示せず)に取り付けられた略円板状の基部101と、中手部10の後端部から基部101に向けて延びる1対の手首片102aと、基部101から中手部10の後端部に向けて延設されている1対の支持片103aを備える支持部103とを有している。なお、手首片102a及び支持片103aは、互いに平行な方向に配置されている。
【0022】
また、1対の支持片103aには回転軸130が設けられている。この回転軸130は、その一端部が一方の支持片103aに回転自在に支持され、その他端部が他方の支持片103aに回転自在に支持されている。
また、一対の手首片102aは、回転軸130を介して、支持片103aに対して回転可能に支持されている。
さらに、手首機構100には、支持片103に対する手首片102aの回転を拘束すると共に当該拘束を解除可能な回転ロック機構Rが設けられている。
【0023】
具体的には、図4に示すように、手首片102aは、断面視L字型の板状に形成されており(板材により形成されており)、L字型の短手部分が、中手部10を構成する略コの字型の枠状フレーム11の後端部の外周面に、締結手段(ボルト及びナット等の締結手段)により固定されている。
なお、枠状フレーム11は、板材により形成されており、手首片102aが固定される後片部11aと、四本の指(人差し指20b、中指20c、薬指20d、小指20e)を支持する前片部11bと、後片部11aの一端部と前片部11bの一端部とを接続する測片部11cとを備えている。
【0024】
また、1対の手首片102aは、L字型の長手部分同士が互いに離間し且つ相対向するように配置されており、その自由端側が、支持片103aに設けられた回転軸130を介して支持片103aに対して回転自在に支持されている(図3、4参照)。
また、1対の手首片102a同士は、手の平側において、手の脈部分を構成する横架片102b(図2参照)により接続されている。
なお、図示する例では、手首片102aがフレーム11の後片部11aに締結手段により固定されているが、特にこれに限定されるものではない。手首片102aがフレーム11に溶着されて固定されていても良いし、フレーム11が手首片102aと一体の部品として構成されていても良い。
【0025】
また、支持部103は、板状の底面部103bと、底面部103bの両端部から略直角に屈曲して延びる、1対の支持片103aとを備えたコの字板状に形成されており(板材により形成されており)、底面部103bが、基部101の一方面に溶着等により固定されている(図4参照)。
また、支持片103aは、自由端側が略円弧上に形成されており、円弧状の外周側面に複数の歯形を有するギア部103a1(図6参照)が形成されている。
【0026】
上記の構成によれば、支持片103aに対して手首片102aを回転させると、手首片102aに固定された中手部10(手部1)が手首片102aと共に回転し、手部1(手の平、手の甲、指部20)の向きを変更することができる。
【0027】
また、回転ロック機構Rは、支持片103aに対する手首片102の回転動作の拘束及び拘束解除を切り替えるためのボタン部B(図1、3、4参照)を有している。
回転ロック機構Rは、ボタン部Bが押下されていないときには支持片103aに対する手首片102aの回転動作を拘束して支持片103aに手首片102aを固定した状態(ロック状態)を維持するようになっている。
また、回転ロック機構Rは、ボタン部Bが押下されている最中には、支持片103aに対する手首片102aの回転の拘束を解除した状態(ロック解除状態)を維持するようになっている。ロボットハンドWは、ボタン部Bが押下されたロック解除状態のときには、支持片103aに対して手首片102aを回転させることができ、手首片102aを回転させることで、手首片102aに固定されている手部1が回転して手部1の角度が調節できるようになっている。
【0028】
例えば、図5(a)に示すように、ロボットハンドWの手首部分を構成する手首片102が水平に配置されてロックされているときに、ボタン部Bを押し込むと、ロック解除状態になり、図5(b)に示すように手首片102aを上方に傾けた位置に回転させたり、図5(c)に示すように手首片102aを下方に傾けた位置に回転させたりすることができる。
また、ロック解除状態において、手首片102aを回転させて所望位置に配置させた後は、ボタン部Bの押下をやめると、回転ロック機構110は、ロック状態に戻り(切り替わり)、支持片103aに手首片102aが固定された状態になる。
【0029】
なお、図5(a)、(b)、(c)に示すロボットハンドWは、いずれも、ボタン部Bが押下されておらず、回転ロック機構Rがロック状態になっている。すなわち、図5(a)では、手部1が平行な位置で固定された状態で維持されており、図5(b)では、手部1が斜め上方に傾いた位置で固定された状態で維持されており、図5(c)では、手部1が斜め下方に傾いた位置で固定された状態で維持されている。
【0030】
次に、上述した図1~6と、図7を参照しながら、ロボットハンドWの回転ロック機構Rの構成について詳細に説明する。
ここで、図7は、本実施形態のロボットハンドの回転ロック機構を構成するロック・解除切替片の動作制御孔とロックロッドとの関係を説明するための模式図であり、(a)がロック・解除切替片が基準位置に配置されている状態を示した模式図であり、(b)がロック・解除切替片がロック解除位置に配置されている状態を示した模式図である。
【0031】
回転ロック機構Rは、支持片103aの自由端の外周部(円弧状の外周部)に形成されたギア部103a1(図6参照)と、手首片102aに形成された貫通孔102h(図3参照)と、支持片103aに設けられた回転軸130に回転可能に支持されている回転動作制御部110と、手首片102aの回転を拘束するためのロックロッド120と、ロックロッド120をギア部103a1に押し付ける方向に付勢する第1付勢部(図示せず)とを有している。
なお、第1付勢部は、例えば、ねじりバネ等により構成されている。
【0032】
また、回転動作制御部110は、1対のロック・解除切替片110aを有している(図3、4参照)。このロック・解除切替片110aは、平面視L字形の板状に形成されていると共に、ロックロッド120の動作を制御するための動作制御孔110hが形成されている(図6、7参照)。
また、1対のロック・解除切替片110aは、所定距離離間し且つ相対向するように平行に配置されており、その一端部に、横架片110bが架設されており、横架片110bにボタン部Bが形成されている。
なお、ロック・解除切替片110a及び横架片110bは、板材により形成されている。
【0033】
また、1対のロック・解除切替片110aは、その他端部側が支持片103aに設けられた回転軸130を介して支持片103aに対して回転自在に支持されている(図6、7参照)。
また、回転動作制御部110には、所定方向(図7に示すA1方向)に向けて、1対のロック・解除切替片110aを付勢する第2付勢部(図示せず)が設けられている。具体的には、回転動作制御部110には、ロック・解除片110aが、以下に示す基準位置(第1位置)に配置されるように所定方向に付勢する第2付勢部が設けられている。
なお、第2付勢部は、例えば、コイルバネ等により構成されている。
【0034】
そして、ロック・解除切替片110aは、ボタン部Bが押下されていないときには、第2付勢部(図示せず)に付勢されて、図7(a)に示す基準位置(第1位置)に配置されるようになっている。
また、ロック・解除切替片110aは、図7(a)に示す基準位置(第1位置)に配置されている状態から、ボタン部Bが荷重Fで押下されると、図7(a)に示す基準位置(第1位置)から回転軸130を回転中心にして下方に向けて回転し、図7(b)に示すロック解除位置(第2位置)に配置されるようになっている。
なお、ロック・解除切替片110aは、図7(b)に示す第2位置に配置されている状態において、ボタン部Bへの押下を止めると、第2付勢部に付勢されて、ロック解除位置(第2位置)から回転軸130を回転中心にして上方に回転し、図7(a)に示す基準位置(第1位置)に自動的に戻るようになっている。
【0035】
また、ロックロッド120は、円柱棒状に形成されており、手首片102aの貫通孔102h及びロック・解除切替片110aの動作制御孔110hに挿通されている。また、ロックロッド120は、第1付勢部(図示せず)に付勢されて、支持片103aの自由端の外周部に形成されたギア部103a1に当接されるようになっている。
【0036】
また、図7に示すように、ロック・解除切替片110aに設けられた動作制御孔110hは、ロックロッド120の移動を規制する第1孔部110h1と、ロックロッド120の移動が可能な第2孔部110h2とを備えた平面視・略L字状に形成されている。
【0037】
そして、ロック・解除切替片110aが基準位置(第1位置)に配置されている場合(図7(a)に示す位置に配置されている場合)、ロックロッド120は、移動が規制される第1孔部110h1に配置される。
一方、ロック・解除切替片110aが第2位置に配置されている場合(図7(b)に示す位置に配置されている場合)、ロックロッド120は、移動可能な第2孔部110h2に配置されて、ロックロッド120の逃げが生じる。
【0038】
次に、手首機構100に設けられた回転ロック機構Rの動作について、上述した図7と、図8を参照しながら説明する。
【0039】
ここで、図8は、本実施形態のロボットハンドの手首機構に設けられた回転ロック機構の動作を説明するための模式図であり、(a)が回転ロック機構が手首部分をロックしている状態を示した模式図であり、(b)が回転ロック機構が手首部分をロックを解除している状態を示した模式図であり、(c)が回転ロック機構が手首部分のロックを解除している状態において手首部分を(b)に示す位置から回転させた状態を示した模式図である。
【0040】
手首機構100は、ボタン部Bが押下されていないときには、回転ロック機構Rのロック・解除切替片110aが第2付勢部に付勢されて、図8(a)に示す基準位置(第1位置)に配置されるようになっている。このときには、ロックロッド120は、移動が規制される第1孔部110h1(図7(a)参照)に配置されるため、ギア部103a1に押し当てられた状態で動作できなくなる。この状態のときには、ロックロッド120が挿通されている手首片102aは、移動できないロックロッド120により回転動作が拘束されて、支持片103aに対して回転動作ができないロック状態になる。
【0041】
また、手首機構100は、図8(a)に示すロック状態において、ボタン部Bが押下されると、回転ロック機構Rのロック・解除切替片110aが回転軸130を回転中心にして下方に向けて回転し、図8(b)に示すロック解除位置(第2位置)に遷移するようになっている。このときには、ロックロッド120は、移動可能な第2孔部110h2(図7(b)参照)に配置されるようになっており、ロックロッド120に逃げが生じる。その結果、手首片102aは、ロックロッド120による回転動作の拘束が解除され、支持片103に対して回転動作が可能なロック解除状態になる。
【0042】
また、手首機構100は、図8(b)に示すロック解除状態において、すなわち、ボタン部Bが押下された状態のままで、手部1を回転させると、手部1に固定されている手首片102が、支持片103に対して回転動作をして、図8(c)に示すように手首部分の角度が変更される。この状態で、ボタン部Bが押下を止めると、回転ロック機構Rのロック・解除切替片110aが、第2付勢部に付勢されて、ロック解除位置(第2位置)から回転軸130を回転中心にして上方に向けて回転し基準位置(第1位置)に戻り、ロック状態になる。すなわち、手首部分は、図8(c)に示す位置で固定される。
【0043】
このように、本実施形態によれば、回転ロック機構Rのボタン部Bが押下されていないときには、回転ロック機構Bが支持片103aに対する手首片102aの回転を拘束して支持片103aに手首片102aが固定された状態が維持される。そのため、例えば、手首部分(中手部10を構成する枠状フレーム11の後片部11a、手首片12a、支持片13a)にロボットハンドWの利用者の全体重の負荷がかかったとしても十分な強度が確保されて手首部分が曲ってしまうことがない。
また、本実施形態のロボットハンドWの構成によれば、手首部分に大きなモーメントがかかるもの(例えば、長尺なもの)を持っても、手首部分がモーメントに負けて曲がってしまうことも無い。
【0044】
また、上記構成によれば、利用者が手部1の角度を調節したいときには、ボタン部Bを押下することで、手首部分のロック状態を解除でき、手首片102aを回転させて手部1の角度を調節できる。また、所望位置の角度に手部1の位置を調節した後は、ボタン部Bの押下を止めれば、自動的に、所望位置の角度で手首部分がロックされ、手部1が固定された状態が維持される。
このように、本実施形態のロボットハンドWの構成によれば、従来技術の「手首ネジ調節型・義手」のように、手の向きを調整する際にネジを緩めたり絞めたりする作業をする必要がなく、簡単に、手部1の向きの調節作業ができる。
【0045】
また、本実施形態は、上述した特許文献1(特開2001-104349号公報)に記載の義手のように手首部分をモータで駆動させる構成ではないため、上述した特許文献1に記載の義手と比べて、低コストで且つ軽量化したロボットハンドを提供することができる。
【0046】
また、回転ロック機構Rには、手首片102aを回転可能に支持する支持片103aの自由端の外周部に形成されたギア部103a1に、ロックロッド120を押し付ける方向に付勢する第1付勢部が設けられている。
この構成によれば、回転ロック機構Rにより支持片103aに対する手首片102aの回転の拘束を解除しているときにも、ロックロッド120がギア部に押し付ける方向に付勢されているので、支持片103aに対して手首片103aを回転させるときには、ギア部103a1の歯形により位置決めされながら手首部分が回転することになる。その結果、利用者が手首部分を回転させ過ぎてしまう等の調整作業のミスが防止される。また、ロボットハンドWの利用者は、手首部分を動かしているときには、クリック感が得られるので、手首部分の回転具合(どの程度、手首部分を回転させたか)を把握することができ、手首部分の角度調整がやり易くなる。
【0047】
また、上記の回転ロック機構Rには、ロック・解除切替片110aを所定方向に付勢する第2付勢部が設けられている。そして、ロック・解除切替片110aは、ボタン部Bが押下されていないときには、第2付勢部により付勢されて第1位置に配置されて、手首片102aの支持片103aに対する回転動作を拘束するロック状態になるようになっている。そのため、ロボットハンドWの利用者がボタン部Bの押下を止めれば、自動的に、手首部分の回転動作が拘束されたロック状態になる。したがって、本実施形態によれば、手首部分の回転動作の拘束を解除したロック解除状態から、簡単且つ速やかにロック状態に復帰させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、中手部10の構成部品である「略コの字・枠状フレーム11」と、手首部分の構成部品である「手首片102a、横架片102b、支持部103、ロック・解除切替片110a及び横架片110b」等が板材により形成されている。そのため、ロボットハンドWを軽量化することができる。また、ロボットハンドWの中手部10及び手首部分の主な構成部品を板材(板状の部品)で構成することにより、内部に空隙部を設けることができるため、指部20を動作させるためのモータや制御回路の設置スペースを確保できると共に、ケーブル(電線)の配線の自由度が高くなる(例えば、ロボットハンドWの中央部にケーブルを配線することができる)。
また、本実施形態のロボットハンドWは、主な構成部品が板材(板状の部品)で構成されているため、大量生産に適しており、且つ廉価にロボットハンドWを製造することができる。
【0049】
以上、説明したように、本実施形態によれば、回転する手首部分の十分な強度が確保されていると共に手首部分の角度の調節作業が簡単にできる廉価で軽量化が可能なロボットハンドWを提供することができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、ロボットハンドWが、義手として用いられる場合の例を示したが特にこれに限定されるものではない。ロボットハンドWは、義手以外の用途(産業用ロボットのハンド部分、実験用のロボットハンド等の用途)に用いることもできる。
【0052】
また、上述した実施形態のロボットハンドWに設けられた回転ロック機構Rは、手首部分の角度調整以外の用途であっても、回転部分の回転の拘束と拘束解除を行うものであれば適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
W…ロボットハンド

1…手部
10…中手部
11…枠状フレーム
11a…後片部
11b…前片部
11c…測片部
20…指部
20a…親指
20b…人差し指
20c…中指
20d…薬指
20e…小指
100…手首機構
101…基部
102a…手首片
102b…横架片
103…支持部
103a…支持片
103b…底面部
130…回転軸

R…回転ロック機構
B…ボタン部
102h…貫通孔
103a1…ギア部
110…回転動作制御部
110a…ロック・解除切替片
110b…横架片
110h…動作制御孔
110h1…第1孔部
110h2…第2孔部
120…ロックロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8