(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140833
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ゲートシステム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230928BHJP
【FI】
G07B15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046871
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山村 和也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 智久
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA02
3E127BA03
3E127CA02
3E127FA12
(57)【要約】
【課題】光反射型又は光透過型のセンサを用いる場合に比べて、通過する通行人を検出するゲートシステムを小型化する。
【解決手段】取得部111は、通行人PのICカードから読取器7が読取った認証情報を取得する。取得部111は、取得した認証情報を通信回線5経由でサーバ装置6に送信し、認証を依頼する。取得部111は、通信回線5経由でサーバ装置6から認証結果を取得する。取得部111は、認証が成功した場合に、センサ電極2から準静電界の検知結果を取得する。解析部112は、取得部111がセンサ電極2から取得した準静電界のデータを解析する。照合部113は、解析部112の解析結果とパターンDB121に予め記憶されているパターンとを照合し、準静電界のデータが示す物体の種類と位置とを特定する。指示部114は、照合部113における特定の結果に応じてドア3、及びスピーカ4に指示をする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートを通過する通行人からの準静電界を検出し、該準静電界の変化に基づいて、前記通行人を検出するゲートシステム。
【請求項2】
前記準静電界の変化のパターンの差に基づいて、前記通行人と、該通行人ではない前記ゲートを通過する物体とを区別する請求項1に記載のゲートシステム。
【請求項3】
前記準静電界の変化のパターンに基づいて、前記通行人と同時に前記ゲートを通過する他の通行人の有無を判定する請求項1又は2に記載のゲートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光反射型又は光透過型のセンサは、ゲートを通過する人物を検出する技術として用いられている。例えば、特許文献1は、レーダを用いた危険物検知器を左右両側に備えるとともに、反射型、又は透過型の検知センサにより構成される人間検知センサを通路内の複数箇所に設置し、各位置における人物の有無を検知する自動改札機を開示している(段落23、39、
図1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、光が遮られたことにより通路を通過中の人物(通行人という)がいることを検知するので、通路を横断する光路を設けなければならない。そのため、この技術は、光路を形成する一対の部品(照射部、センサ、反射板等)を通路の両側にそれぞれ分けて設置しなければならない。
【0005】
また、一対の部品からなる検知部は、一つに付きその位置での通行人の有無しか検知できない。したがって、通行人の位置の変化を知るためには、検知部を通路に沿って複数箇所に設置しなければならない。つまり、検知部を収容するゲートは、比較的長く形成する必要があった。
【0006】
本発明の目的の一つは、光反射型又は光透過型のセンサを用いる場合に比べて、通行人を検出するゲートシステムを小型化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲートを通過する通行人からの準静電界を検出し、該準静電界の変化に基づいて、前記通行人を検出するゲートシステム、を第1の態様として提供する。
【0008】
第1の態様のゲートシステムは、光反射型又は光透過型のセンサを用いる場合に比べて小さくすることができる。
【0009】
第1の態様のゲートシステムにおいて、前記準静電界の変化のパターンの差に基づいて、前記通行人と、該通行人ではない前記ゲートを通過する物体とを区別する、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
【0010】
第2の態様のゲートシステムは、通行人と通行人でない物体とを区別する。
【0011】
第1又は第2の態様のゲートシステムにおいて、前記準静電界の変化のパターンに基づいて、前記通行人と同時に前記ゲートを通過する他の通行人の有無を判定する、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0012】
第3の態様のゲートシステムは、一人の通行人とともにゲートを通過する他人の有無を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲートシステム9の構成の例を示す図。
【
図6】通行人Pと付帯物Jとを検知した結果の例を示す図。
【
図8】二人の通行人P1、P2のそれぞれから検知される準静電界の波形の例を示す図。
【
図9】二人の通行人から検知される準静電界が合成された波形の例を示す図。
【
図10】ゲートシステム9の動作の流れの例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
<ゲートシステムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係るゲートシステム9の構成の例を示す図である。ゲートシステム9は、ゲートを通過しようとする通行人Pを検知するシステムである。また、このゲートシステム9は、ゲートに備えられたドアを開閉するとともに、不正な通過の検出と警告とを行うシステムである。このゲートシステム9は、制御装置1、センサ電極2、ドア3、スピーカ4、通信回線5、サーバ装置6、及び読取器7を有する。
【0015】
制御装置1は、センサ電極2が検知した準静電界の情報を取得して、これに基づいてドア3、スピーカ4等を制御する情報処理装置である。制御装置1は、例えば、コンピュータである。
【0016】
センサ電極2は、通路上の準静電界を検知する電極である。
図1に示すセンサ電極2は、通路の下であってドア3が設けられている位置の近傍に設けられる。
【0017】
ドア3は、通路を遮る位置に設けられ、制御装置1の制御の下、通路を開閉するドアである。ドア3は通路を進行方向における上流と下流とに仕切り、上流から下流への入口となる。つまり、ドア3はゲートシステム9における「ゲート」である。
【0018】
スピーカ4は、制御装置1の制御の下、通路にいる通行人に向けて警報、警告等を示す音声を発するスピーカである。
【0019】
通信回線5は、無線又は有線により制御装置1とサーバ装置6とを通信可能に接続する回線である。通信回線5は、例えばLAN(Local Area Network)のほか、WAN(Wide Area Network)であってもよいし、インターネットであってもよいし、これらの組合せであってもよい。また、通信回線5は、公衆交換通信網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)、サービス統合デジタル網(ISDN:Integrated Services Digital Network)等を含むものでもよい。
【0020】
サーバ装置6は、通信回線5経由で制御装置1から認証情報を受取って、通路を通過しようとする通行人Pを認証する装置である。サーバ装置6は、例えば、コンピュータである。
【0021】
読取器7は、通路を通過しようとする通行人PがかざすICカードを読取って、その通行人Pの認証情報を取得するデバイスである。
【0022】
<制御装置の構成>
図2は、制御装置1の構成の例を示す図である。この制御装置1は、プロセッサ11、メモリ12、及びインタフェース13を有する。
【0023】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有し、オペレーティングシステム、各種のコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)、及びデータ等を記憶する。また、メモリ12は、パターンDB121を記憶する。
【0024】
パターンDB121は、通行人、及び人以外の物体である付帯物等が通路を通過するときに検出される準静電界のパターンを、それぞれその物体の種類ごとに記憶するデータベースである。
【0025】
図2に示すプロセッサ11は、メモリ12からオペレーティングシステム、及びプログラムを読出して実行することにより制御装置1の各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。また、プロセッサ11は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよいし、FPGAを含んでもよい。また、このプロセッサは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は他のプログラマブル論理デバイスを有し、これらによって制御を行ってもよい。
【0026】
インタフェース13は、有線又は無線により制御装置1を他の装置に通信可能に接続する通信回路である。インタフェース13は、センサ電極2、ドア3、スピーカ4、通信回線5、及び読取器7にそれぞれ接続する。
【0027】
なお、制御装置1は、情報を利用者に表示する表示部を有してもよい。また、制御装置1は、利用者が制御装置1を操作するための操作部を有してもよい。この操作部は、例えば、受付けた操作に応じた信号をプロセッサに送る操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マウス等を有してもよい。
【0028】
<センサ電極の配置>
図3は、センサ電極2の配置の例を示す図である。
図3(a)には本発明に係るセンサ電極2の配置の例が示されている。
図3(b)には従来技術におけるセンサ8の配置の例が示されている。
【0029】
図3(a)に示す通り、センサ電極2は、ドア3の近傍で通路の下に埋め込まれている。なお、センサ電極2が設置される場所は、通路の中央に限らない。例えば、
図3(a)に示す通り、ゲートシステム9は、通路脇にセンサ電極2aを設置してもよい。
【0030】
図3(a)に示すセンサ電極2(又は、センサ電極2a)は、通路の面を介して伝達される準静電界を検知する。つまり、このセンサ電極2は、直線上を遮る物体を検知するのではなく、面に接する物体を検知する。
【0031】
そのため、センサ電極2は、一つのみであっても、通路の面に位置している通行人P等の物体を検知する。また、このセンサ電極2は、通路上に位置する通行人Pと自身との間に障害物が存在していても、その通行人Pが通路の面に接触していれば、その通行人Pを検知することができる。
【0032】
図3(a)において、センサ電極2が検知の対象とする通路の面は、その通路における進行方向の上流側である上流領域Ru、及びその下流側である下流領域Rdのそれぞれを含む。
【0033】
一方、従来のセンサは、通路における進行方向のどの位置に通行人P等の物体が移動しているかを検知するために、複数組が必要である。
図3(b)には、従来のセンサの例が示されている。
【0034】
一つのセンサ8は、赤外光を照射する一つの照射部8aと、その赤外光を受光する一つの受光部8bとを有する。このセンサ8は、照射部8aと受光部8bとを結ぶ線上に物体が遮ったときに、物体が通過したことを検知するので、一組のセンサ8のみでは、その物体の進行方向における位置は検知されない。したがって、従来技術において、光反射型又は光透過型のセンサ8を用いる場合、このセンサ8は
図3(b)に示すように複数組が用いられる。
【0035】
<制御装置の機能的構成>
図4は、制御装置1の機能的構成の例を示す図である。
図4において、制御装置1のインタフェース13は省かれている。
【0036】
制御装置1のプロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部111、解析部112、照合部113、及び指示部114として機能する。
【0037】
取得部111は、第1に、通行人PのICカードから読取器7が読取った認証情報を取得する。第2に、取得部111は、取得した認証情報を通信回線5経由でサーバ装置6に送信し、認証を依頼する。第3に、取得部111は、通信回線5経由でサーバ装置6から認証結果を取得する。第4に、取得部111は、認証が成功した場合に、センサ電極2から準静電界の検知結果を取得する。
【0038】
解析部112は、取得部111がセンサ電極2から取得した準静電界のデータを解析する。例えば、解析部112は、準静電界の時系列データをフーリエ変換し、周波数成分に分解する。
【0039】
照合部113は、解析部112の解析結果とパターンDB121に予め記憶されているパターンとを照合し、準静電界のデータが示す物体の種類と位置とを特定する。
【0040】
図5は、通行人Pと、その付帯物Jとを示す例である。通路を通過しようとする通行人Pは、
図5に示すようなトロリーバッグ、台車等を付帯物Jとして付帯していることがある。この付帯物Jも通路に接して移動するため、センサ電極2は、付帯物Jを検知する。
【0041】
図6は、通行人Pと付帯物Jとを検知した結果の例を示す図である。
図6の横軸は時間を示し、縦軸は準静電界の大きさを示す相対電圧を示す。
図6の曲線Cpは、通行人Pの相対電圧の経時変化を示す。
図6の曲線Cjは、付帯物Jの相対電圧の経時変化を示す。
【0042】
通行人Pは、左右の脚を交互に設置させて歩行するので、靴底と通路の接触、乖離による靴底への帯電と、靴底と通路が接触している間の靴底からの漏洩が周期的に発生し、相対電圧として検出される。靴底の接触と剥離が発生するため、通路への接地面積は時間によって比較的大きく変化する。したがって、
図6に示す通り、通行人Pの相対電圧は、比較的、経時変化の大きい曲線Cpを示す。
【0043】
一方、付帯物Jは、キャスター等を回転させることにより通路を移動している。そのため、たとえキャスター等が弾んで通路面から離れ、付帯物Jが跳ねたとしても、通路面と付帯物Jとの距離の変化は僅かである。つまり、付帯物Jは、通路への接地面積の変化が通行人Pに比べて小さい。
【0044】
また、付帯物Jは樹脂等で構成されることが多い。樹脂等の誘電率は一般に人体よりも小さい。つまり、付帯物Jは、検知される電位変動が通行人Pに比べて小さい。
【0045】
したがって、
図6に示す通り、付帯物Jの相対電圧は、比較的、経時変化の小さい曲線Cjを示す。曲線Cpと曲線Cjとは合成されたとしても、周波数成分が著しく異なるので分離することが可能である。つまり、ゲートシステム9によって、通行人Pとその付帯物Jとは区別される。したがって、このゲートシステム9は、準静電界の変化のパターンの差に基づいて、通行人と、通行人ではないゲートを通過する物体とを区別するゲートシステムの例である。
【0046】
図7は、二人の通行人P1、P2を示す例である。制御装置1が一人の通行人P1に対して通路の通過を許可しているときに、その通路を二人の通行人P1、P2が同時に通過することは、いわゆる「共連れ」と呼ばれ、不正行為である。
【0047】
複数の通行人が通路のドア3を同時に通過しようとすると、センサ電極2は、それら複数の通行人の準静電界の波形を重ね合わせて検知する。
【0048】
しかし、複数の通行人が全く同じタイミングで歩行動作をすることは極めて稀である。そのため、複数の通行人のそれぞれに由来する準静電界の波形は、一般に位相がずれる。
【0049】
図8は、二人の通行人P1、P2のそれぞれから検知される準静電界の波形の例を示す図である。通行人P1から検知される準静電界の波形は、
図8に示す曲線C1である。一方、通行人P2から検知される準静電界の波形は、
図8に示す曲線C2であり、曲線C1とずれている。
【0050】
図9は、二人の通行人から検知される準静電界が合成された波形の例を示す図である。
図8に示す曲線C1、C2は、合成されると
図9に示す曲線Cとなる。この曲線Cは、周波数解析をすると、曲線C1、C2の各成分に分離される。したがって、この曲線Cは、一人の通行人を示していない、と判断される。
【0051】
また、
図9に示すこの曲線Cから分離された曲線C1、C2は、
図6に示す曲線Cjとも周波数成分が異なる。そのため、この曲線Cは、キャスター等を備えた物体を示しておらず、また、付帯物を付帯した一人の通行人を示してもいない、と判断される。
【0052】
ここで、準静電界の電位の大きさ(振幅)は、通行人とセンサ電極2との距離に依存する。曲線Cに基づいて、曲線C1、C2の各成分が分離され、その電位の大きさの差が閾値未満である場合、二人の通行人はほぼ同じ位置を歩行している、と判断される。
【0053】
その結果、制御装置1は、
図9に示す曲線Cを観測すると、一人の通行人と同時に他の通行人がゲートを通過しようとしている、と判断する。つまり、この制御装置1を含むゲートシステム9は、準静電界の変化のパターンに基づいて、通行人と同時にゲートを通過する他の通行人の有無を判定する請求項1又は2に記載のゲートシステムの例である。
【0054】
このように、
図4に示す照合部113は、解析部112の解析結果とパターンDB121に記憶された周波数成分等のパターンとを照合することにより、通路を通過する物体の種類(人、物体)、及びそれらの位置を特定する。そして、照合部113は、同時にドア3を通過しようとする物体の組合せが一人の通行人Pと付帯物Jとであるか、複数の通行人P1、P2であるかを区別する。
【0055】
図4に示す指示部114は、照合部113における特定の結果に応じてドア3、及びスピーカ4に指示をする。
【0056】
<ゲートシステムの動作>
図10は、ゲートシステム9の動作の流れの例を示すフロー図である。プロセッサ11は、読取器7と通信して、読取器7がICカード等を読取った内容を示す信号(読取り信号という)があるか否かを判断する(ステップS001)。読取り信号がない、と判断する間(ステップS001;NO)、プロセッサ11は、このステップS001を続ける。
【0057】
一方、読取り信号がある、と判断すると(ステップS001;YES)、プロセッサ11は、その読取り信号から通行人Pの認証情報を取得する(ステップS002)。そして、プロセッサ11は、取得した認証情報を通信回線5経由でサーバ装置6に送り、認証を依頼する(ステップS003)。
【0058】
プロセッサ11は、通信回線5経由でサーバ装置6から依頼した認証の結果を取得し、その認証が成功したか否かを判断する(ステップS004)。認証が成功していない、と判断する場合(ステップS004;NO)、プロセッサ11は、スピーカ4を制御してこのスピーカ4に警告音を鳴動させて(ステップS005)、処理を終了する。
【0059】
一方、認証が成功した、と判断する場合(ステップS004;YES)、プロセッサ11は、開閉制御処理(ステップS100)を実行する。
【0060】
<開閉制御処理の動作>
図11は、開閉制御処理の動作の流れの例を示す図である。プロセッサ11は、ドア3を開き(ステップS101)、センサ電極2から取得した検知結果を監視し、準静電界の変化を検出する(ステップS102)。そして、プロセッサ11は、この検出結果に基づいて、
図3(a)に示した上流領域Puの人数を計測する(ステップS103)。つまり、このプロセッサ11を有する制御装置1を含むゲートシステム9は、ゲートを通過する通行人からの準静電界を検出し、この準静電界の変化に基づいて、通行人を検出するゲートシステムの例である。
【0061】
次に、プロセッサ11は、人がドア3を通過して下流領域Pdへ移動したか否かを判断する(ステップS104)。下流領域Pdへ人が移動していない、と判断する間(ステップS104;NO)、プロセッサ11は、この判断を継続する。
【0062】
一方、下流領域Pdへ人が移動した、と判断する場合(ステップS104;YES)、プロセッサ11は、準静電界の変化を検出する(ステップS105)。そして、プロセッサ11は、下流領域Pdに移動した人数を計測する(ステップS106)。
【0063】
この人数を計測したプロセッサ11は、移動した人数が一人であるか否か判断する(ステップS107)。移動した人数が一人である、と判断する場合(ステップS107;YES)、プロセッサ11は、ステップS108を行わずにドア3を閉める(ステップS109)。
【0064】
一方、移動した人数が一人でない、と判断する場合(ステップS107;NO)、プロセッサ11は、スピーカ4を制御してこのスピーカ4に警告音を鳴動させる(ステップS108)。そして、プロセッサ11は、処理をステップS109に進め、ドア3を閉める。なお、プロセッサ11は、ステップS108においてスピーカ4に警告音を鳴動させることに代えて、又はこれに加えて、下流領域Pdに移動した人数が一人でないことを示す情報を外部装置に出力してもよい。この外部装置は、例えば、通信回線5に接続されたコンピュータ等である。
【0065】
以上、説明した動作を行うことにより、ゲートシステム9は、光反射型又は光透過型のセンサを用いる場合に比べて小さい構成とすることができる。また、このゲートシステム9は、ゲートの両側にセンサを構成する部品をそれぞれ設置する必要がない。
【0066】
また、ゲートシステム9は、通路を通過しようとする通行人を監視して、監視結果に応じてドア3を制御することができる。また、ゲートシステム9は、不正行為である共連れを防止、又は警告することができる。
【0067】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ及び配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0068】
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は組み合わされてもよい。
【0069】
<1>
上述した実施形態において、ゲートシステム9は、読取器7を有していたが、これを有しなくてもよい。すなわち、ゲートシステム9は、通行人にICカード等の通信機能付きの装置を所持させなくてもよい。
【0070】
また、ゲートシステム9は、読取器7に代えて、例えば、通行人の顔を撮影するカメラを有してもよい。この場合、ゲートシステム9は、撮影した画像が示す顔のパターンに基づいて通行人を認証してもよい。
【0071】
<2>
上述した実施形態において、制御装置1は、通信回線5経由でサーバ装置6に認証情報を送信し、通行人の認証をそのサーバ装置6に依頼していたが、この認証は制御装置1が行ってもよい。この場合、制御装置1のメモリ12は、予め認証のためのデータを記憶していればよい。
【0072】
<3>
上述した実施形態において、ゲートシステム9は、通行人の認証を行っていたが、これを行わなくてもよい。この場合、ゲートシステム9は、サーバ装置6、ドア3を有しなくてもよい。この変形例におけるゲートシステム9は、例えば、常に開けているゲートを通過する通行人の人数の計測に用いられる。この場合、同時に通過しようとする複数の通行人を検出するため、ゲートシステム9は、この構成を有しない場合に比べて入場者数のカウントが正確である。
【符号の説明】
【0073】
1…制御装置、11…プロセッサ、111…取得部、112…解析部、113…照合部、114…指示部、12…メモリ、121…パターンDB、13…インタフェース、2、2a…センサ電極、3…ドア、4…スピーカ、5…通信回線、6…サーバ装置、7…読取器、8…センサ、8a…照射部、8b…受光部、9…ゲートシステム、C、Cp、Cj、C1、C2…曲線、J…付帯物、P1…通行人、P2…通行人。