(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140904
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ポンプ用ストッパ部材、ポンプ用ストッパ部材集合体、及びポンプ式容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20230928BHJP
B05B 11/00 20230101ALI20230928BHJP
【FI】
B65D47/34 200
B65D47/34 110
B05B11/00 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046963
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521109774
【氏名又は名称】株式会社美創
(74)【代理人】
【識別番号】100126398
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】濱本 和晃
(72)【発明者】
【氏名】村上 一宏
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AA32
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA20
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LC06
3E084LD22
3E084LE11
(57)【要約】
【課題】 製造コストの大幅な削減を図ることが可能で、吐出量制御にも簡単に対応することができるポンプ用ストッパ部材を提供する。
【解決手段】 短冊状のシート片の両端部にそれぞれ係止部が形成されたポンプ用ストッパ部材である。シート片をノズルヘッドの押し下げにより容器内容物の吐出が行われるポンプの外部に露呈するピストン部の外周面に巻き付け、両端部に形成された係止部を互いに係止することにより装着される。シート片は紙製である。ポンプ用ストッパ部材が切り取り容易線を介して複数連結されてポンプ用ストッパ部材集合体とされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短冊状のシート片の両端部にそれぞれ係止部が形成され、
前記シート片をノズルヘッドの押し下げにより容器内容物の吐出が行われるポンプの外部に露呈するピストン部の外周面に巻き付け、前記両端部に形成された係止部を互いに係止することにより装着されることを特徴とするポンプ用ストッパ部材。
【請求項2】
前記シート片は紙製であることを特徴とする請求項1記載のポンプ用ストッパ部材。
【請求項3】
前記両端部に形成された係止部は、互いに異なる長辺に形成されるスリットであることを特徴とする請求項1または2記載のポンプ用ストッパ部材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載されるポンプ用ストッパ部材が切り取り容易線を介して複数連結されたポンプ用ストッパ部材集合体。
【請求項5】
容器本体にポンプが装着されてなるポンプ式容器であって、
ノズルヘッドの押し下げにより容器内容物の吐出が行われるポンプの外部に露呈するピストン部の外周面に両端部にそれぞれ係止部が形成された短冊状のシート片が巻き付けられ、前記両端部に形成された係止部を互いに係止することによりポンプ用ストッパ部材として装着されたことを特徴とするポンプ式容器。
【請求項6】
前記シート片11の幅をW、ノズルヘッドの押し下げ可能量をHとした時に、W<Hであることを特徴とする請求項5記載のポンプ式容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルヘッドの押し下げにより内容物が吐出されるポンプ式容器に装着されるポンプ用ストッパ、ポンプ用ストッパ部材集合体、及びポンプ式容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノズルヘッドの押し下げにより内容物が吐出されるポンプ式容器は、店頭での保管時や運搬時等において、不用意にノズルヘッドが押し下げられて予期しない内容物の吐出を防止するために、いわゆるポンプストッパを装着することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、内容液を収容する容器の口部に保持されるベースキャップと、該ベースキャップにより該口部に吊下げ保持され該容器の内容液を汲み上げるポンプと、押し下げ及び復元の繰り返しにより該ポンプを駆動させ、前方側に突出するノズルの先端から内容液を吐出させるノズルヘッドと、前記ベースキャップ及び前記ノズルの相互間に着脱自在に装着されるとともに該ノズルの下面に当接して該ノズルヘッドの押し下げを阻止するストッパと、を備えるポンプディスペンサーが開示されている。特許文献1に記載されるストッパは、ノズルヘッドの前方側から左右両側にわたってノズルヘッドの側壁外面を取り囲むとともに、後方側に前記ノズルヘッドへの着脱を行うための着脱開口を有する保持側壁を備えたものである。
【0004】
同様に、特許文献2には、支点となる周壁部分が弾性復元力を備えるとともに、ひだ状に形成されているポンプ付容器用ストッパが開示されている。特許文献3には、前部内面に複数個の凹部を連設してなる一対の主板を対向配置するとともに、双方の主板を互いに回動可能に保持するとともに、該主板前部への閉じる方向への付勢手段を設け、各主板上部に突出する突片部を設け、以上の構成物をポンプ式容器首部へ前記凹部にて押圧保持させた場合において首部の下降を阻止するよう構成したポンプ式容器用ストッパークリップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6366461号公報
【特許文献2】特許5873151号公報
【特許文献3】特開2015-155329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述の各特許文献に開示されているようなストッパは、例えばプラスチックを成形することで作製されるものであり、成形のための金型や成形機を準備する必要がある等、コスト面での課題が多い。また、吐出量を本来の吐出量の1/2、1/3にする等、吐出量の制御を考えた場合、複雑な機構が必要になり、さらなるコスト増を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、製造コストの大幅な削減を図ることが可能で、吐出量制御にも簡単に対応することができるポンプ用ストッパ部材を提供することを目的とし、さらにはポンプ用ストッパ部材集合体、ポンプ式容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために、本発明のポンプ用ストッパ部材は、短冊状のシート片の両端部にそれぞれ係止部が形成され、前記シート片をノズルヘッドの押し下げにより容器内容物の吐出が行われるポンプの外部に露呈するピストン部の外周面に巻き付け、前記両端部に形成された係止部を互いに係止することにより装着されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のポンプ用ストッパ部材集合体は、前記ポンプ用ストッパ部材が切り取り容易線を介して複数連結されたことを特徴とする。本発明のポンプ式容器は、容器本体にポンプが装着されてなるポンプ式容器であって、ノズルヘッドの押し下げにより容器内容物の吐出が行われるポンプの外部に露呈するピストン部の外周面に両端部にそれぞれ係止部が形成された短冊状のシート片が巻き付けられ、前記両端部に形成された係止部を互いに係止することによりポンプ用ストッパ部材として装着されたことを特徴とする。
【0010】
本発明のポンプ用ストッパ部材は、非装着時に短冊状の形態を有するシート片からなるものであり、金型を用いた成形は不要である。また、シート片の幅を調整することで、ノズルヘッドの押し下げ可能範囲が調整され、任意の吐出量での吐出量制御が実現される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、製造コストの大幅な削減を図ることが可能で、吐出量制御にも簡単に対応することができるポンプ用ストッパを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ポンプ用ストッパ部材を装着したポンプ式容器の一例を示す要部概略斜視図である。
【
図2】ポンプ用ストッパ部材を展開した状態を示す概略平面図である。
【
図3】ポンプ用ストッパを装着する前段階の状態を示す要部概略斜視図である。
【
図4】ポンプ用ストッパ部材集合体を示す平面図である。
【
図5】ノズルヘッドの押し込み可能量とポンプ用ストッパ部材(シート片)の幅の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用したポンプ用ストッパ部材、ポンプ用ストッパ部材集合体、及びポンプ式容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
先ず、ポンプ式容器について説明すると、
図1に示すように、ポンプ式容器1は、ポンプ3を装着したキャップ4を容器本体2の口部にねじ止め等により固定することにより構成されている。
【0015】
ポンプ3は、容器本体2内に収容される内容物を吸い出し可能に構成されるものであり、例えば、筒状のシリンダ(図示は省略する)と、ピストン3Cと、筒状の導液管(図示は省略する)と、ノズルヘッド3Aを備える。シリンダは、キャップ4の装着により容器本体2の口部内に挿入される。ピストン3Cは、シリンダ内で上下動して容器本体2内の内容物を吸い上げ可能に構成されている。導液管は、容器本体2内の内容物をシリンダに導くように構成されている。ノズルヘッド3Aは、ピストン3Cによって吸い上げられた内容物を吐出するノズル(吐出口)3Bを有する。
【0016】
シリンダの内部空間にはポンプ機構が内蔵されており、例えばピストン3Cは、シリンダ内に収容されているコイルバネによって常に上方に(シリンダの吸込口から離れる方向に)付勢されている。シリンダには逆止弁が内蔵されており、シリンダの収容空間内の内容物が容器本体2内に逆流しないようになっている。また、シリンダの収容空間からノズル3Bに至る経路中にも逆止弁が設けられており、外気がシリンダの収容空間内に入り込まないようになっている。
【0017】
容器本体2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリオレフィン、ポリアミド等からなるプラスチック製の容器であり、例えば多層構造を有していてもよい。あるいは、ガラス製の容器や金属製の容器であってもよい。
【0018】
さらには、容器本体2が、いわゆる積層剥離容器であってもよい。積層剥離容器では、容器本体2は、外殻である外層と内袋である内層を備えて構成されており、内容物の減少に伴って内層が収縮する。
【0019】
積層剥離容器においては、外層と内層は、例えば多層パリソンとしてブロー成形に供され、一体に接合された状態で成形されるが、その使用形態としては、例えば使用前に予め外層から内層を剥離(予備剥離)しておき、内層が外層に接するまで内容物を充填し、内容物を押し出すことで、内層が収縮するようにする。あるいは、内層が外層に接合された状態のままとし、内容物の吐出に伴って内層が外層から剥離して収縮するようにしてもよい。
【0020】
積層剥離容器である場合の容器本体2の層構成についてさらに説明すると、容器本体2は、前記の通り、外層と内層を備え、外層は、復元性が高くなるように、内層よりも肉厚に形成されている。
【0021】
外層は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物、ポリエチレンテレフタレートなどで構成される。外層は、複数層構成であってもよい。例えば、リプロ層の両側をバージン材で形成した層で挟んだ構成であってもよい。ここで、リプロ層とは、容器の成形時に出たバリをリサイクルして使用した層をいう。外層の層構成の具体例としては、ポリプロピレン(PP)層/リプロ層/ポリプロピレン(PP)層の3層構成を挙げることができる。さらに、外層の内層と接する部分に潤滑剤を添加し、外層と内層の剥離を促進することも可能である。
【0022】
内層は、例えば容器外面側に設けられたEVOH層と、EVOH層の容器内面側に設けられた内面層と、EVOH層と内面層の間に設けられた接着層を備える。内層の層構成の具体例としては、EVOH層/接着層/ポリエチレン(PE)層の3層構成である。EVOH層を設けることで、ガスバリア性、及び外層からの剥離性を向上させることができる。
【0023】
EVOH層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25~50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層の柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層は、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層に含有させることにより、EVOH層の酸素バリア性をさらに向上させることができる。
【0024】
内面層は内容物に接触する層であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。
【0025】
接着層は、EVOH層と内面層とを接着する機能を有する層であり、例えばポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層の一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。
【0026】
その他、外層PET、内層PETとすることも可能である。
【0027】
次に、前述のポンプ式容器1に装着されるポンプ用ストッパ部材について説明する。
【0028】
本実施形態のポンプ用ストッパ部材10は、
図2に示すように、短冊状のシート片11を主体とするものであり、当該シート片11の両端近傍位置に係止部としてスリット11A,11Bが形成されている。シート片11は、プラスチック製のシートであってもよいが、環境への配慮、印刷が可能であること等から、紙製であることが好ましい。
【0029】
紙製のシート片11の形成には、打ち抜きのための金型があればよく、成形のための金型は不要であり、プラスチックの成形品からなるストッパに比べて製造コストを大幅に削減することが可能である。また、紙製のシート片11は、好みの形状に打ち抜くことができ、形状の自由度が高く、加飾も容易であるという利点も有する。例えば、紙製のシート片11であれば、会社名や製品名等も簡単に印刷することができ、文字による訴求が可能である。プラスチック製のシートであると、印刷(文字)による訴求は難しい。さらに、環境への配慮からプラスチックの削減が求められており、紙製であればこのような要求にも応えることができる。
【0030】
シート片11の両端部に設けられるスリット11A,11Bは、互いに噛合わせる形で係合させ、シート片11(ポンプ用ストッパ部材10)をリング状の形態を保持させる。したがって、一方のスリット11Aと他方のスリット11Bは、互いに異なる長辺側からの切り込みとして形成されている。すなわち、
図2に示すポンプ用ストッパ部材10において、一方(図中左端)のスリット11Aは、図中上方の長辺を切り欠く形で形成され、下方の長辺に向かって中途位置まで切り込む形で形成されている。他方(図中右端)のスリット11Bは、図中下方の長辺を切り欠く形で形成され、上方の長辺に向かって中途位置まで切り込む形で形成されている。
【0031】
前記スリット11A,11Bは、線状の切り込みであってもよいが、互いに係合させる際の作業性を良好なものとするために、若干の幅を有する切り込みとすることが好ましい。スリットの幅としては、0.5mm~1mm程度とすることが好ましい。また、この場合、スリット11A,11Bの終端は円弧状とすることが好ましい。円弧状とすることにより、互いに係合させた際に安定する。スリット11A,11Bの終端が矩形であると、互いに係合させた際にズレが生ずる可能性があり、係合状態が安定しない。
【0032】
本実施形態のポンプ用ストッパ部材10では、さらにシート片11の長手方向の中心線を挟んで両側に折り曲げ容易線11Cが形成されている。この折り曲げ容易線11Cは、線状の押圧痕であり、シート片11をポンプ式容器1への装着を円滑にするためのものである。
【0033】
図3は、ポンプ用ストッパ部材10をポンプ式容器1へ装着する際の様子(前段階の状態)を示す図である。ポンプ用ストッパ部材10をポンプ式容器1へ装着する際には、シート片11を前記2か所の折り曲げ容易線11Cで折り曲げ、コ字状としておく。この状態でポンプ3のノズルヘッド3A下のピストン部3Cにシート片11の折り曲げ容易線11C間の部分を押し当て、スリット11A,11Bが形成されたシート片11の両端部をピストン部3Cに巻き付ける。巻き付けたシート片11の両端部のスリット11A,11Bを互いに係合させることでシート片11をリング状とし、ポンプ用ストッパ部材10をポンプ3のピストン部3Cに装着する。装着のための操作は極めて簡単である。
【0034】
前記ポンプ用ストッパ部材10(シート片11)は、個別に打ち抜いて形成してもよいが、複数枚をまとめた集合体とすることで、取り扱い易くすることが可能である。
図4は、ポンプ用ストッパ部材集合体の一例を示すものである。本例のポンプ用ストッパ部材集合体では、5枚のシート片11が連結されている。各シート片11間にはミシン目線等の切り取り容易線23が形成されており、この切り取り容易線23において各シートへ片11を簡単に切り離すことが可能である。また、ポンプ用ストッパ部材集合体においては、隣接するシート片11のスリット11A,11Bが連続したスリット22として形成されており、各シート片11を切り離すことで、前記スリット22がスリット11A,11Bとなる。
【0035】
ポンプ用ストッパ部材集合体において、連結するポンプ用ストッパ部材10(シート片11)の数は任意である。また、一列に連結するだけでなく、縦横に連結することも可能である。
【0036】
図5はポンプ用ストッパ部材10のポンプ式容器1への装着状態を示すものである。ポンプ用ストッパ部材10が装着されていない場合、ポンプ3のノズルヘッド3Aの下面がキャップ4の上面に当接するまで押し下げることができ、内容物が所定の吐出量で吐出される。一方、前記のようにポンプ用ストッパ部材10をポンプ式容器1へ装着すれば、ノズルヘッド3Aの下面がシート片11の長辺に当接し、それ以上押し下げることができなくなる。すなわち、前記シート片11がストッパとしての機能を果たすことになる。
【0037】
ここで、前記シート片11の幅Wを調整することでポンプ3による内容物の吐出量を調整することが可能である。
図5に示すように、ノズルヘッド3Aの押し下げ可能量をH、シート片11の幅をWとすると、例えばシート片11の幅Wを押し下げ可能量Hと同じ(W=H)とすると、ノズルヘッド3Aを押し下げることができない。すなわち、シート片11は完全にストッパとして機能し、ノズルヘッド3Aの不用意な押し下げ(不用意な内容物の吐出)を防ぐことができる。
【0038】
また、シート片11の幅Wとノズルヘッド3Aの押し下げ可能量Hの関係をW<Hとすれば、吐出量をゼロではない値で調整することが可能である。例えばシート片11の幅Wを押し下げ可能量Hの1/2(W=1/2・H)とすれば、ノズルヘッド3Aの押し下げによる吐出量を1/2にすることができる。本来の吐出量が1ccのポンプ3の場合、ノズルヘッド3Aの押し下げにより内容物が1cc吐出されるが、ポンプ用ストッパ部材10(シート片11)の装着により、吐出量は0.5ccに制御される。なお、シート片11の幅Wとノズルヘッド3Aの押し下げ可能量Hの関係は、W<Hであれば任意に設定可能であるが、W≦9/10・Hであることが好ましく、W≦4/5・Hであることがより好ましい。
【0039】
勿論、これに限らず、シート片11の幅Wを押し下げ可能量Hの1/3、1/4等、任意に設定することができ、これにより吐出可能量を任意に制御することが可能である。したがって、幅Wの異なるシート片11(ポンプ用ストッパ部材10)を複数用意しておき、必要な吐出量に対応する幅Wのシート片11(ポンプ用ストッパ部材10)を装着することで、段階的な吐出量制御も可能である。
【0040】
なお、シート片11が紙製である場合、厚さにより強度を変えることができる。したがって、オイル等、内容物に応じてシート片11の厚さを調整し、ポンプ用ストッパ部材10強度を調整することも可能である。
【0041】
以上の通り、本実施形態のポンプ用ストッパ部材10、ポンプ式容器1では、ポンプ用ストッパ部材の製造コストの大幅な削減を図ることが可能であり、完全なストッパとしての機能を付与するだけでなく、吐出量制御にも簡単に対応することが可能である。
【0042】
以上、本発明を適用した実施形態について説明してきたが、本発明がこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 ポンプ式容器
2 容器本体
3 ポンプ
3A ノズルヘッド
3B ノズル
3C ピストン部
4 キャップ
10 ポンプ用ストッパ部材
11 シート片
11A,11B スリット
11C 折り曲げ容易線
23 切り取り容易線