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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140950
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】実行装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
E03D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047038
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 捷平
(72)【発明者】
【氏名】小栗 基義
(72)【発明者】
【氏名】岸野 竜馬
(72)【発明者】
【氏名】尾田 颯太郎
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039DA05
2D039FB01
(57)【要約】
【課題】便器での詰まりの発生と、検出部の異常と、のいずれかによって、適切な対処方法をとり得る技術を提供する。
【解決手段】実行装置は、便器の状態を検出する検出部と、検出済みの前記便器の状態を用いて、前記便器での詰まりの発生と、前記検出部の異常と、を特定する特定部と、前記便器での詰まりの発生が特定される場合に第1動作を実行し、前記検出部の異常が特定される場合に前記第1動作と異なる第2動作を実行する動作実行部と、を備えていてもよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の状態を検出する検出部と、
検出済みの前記便器の状態を用いて、前記便器での詰まりの発生と、前記検出部の異常と、を特定する特定部と、
前記便器での詰まりの発生が特定される場合に第1動作を実行し、前記検出部の異常が特定される場合に前記第1動作と異なる第2動作を実行する動作実行部と、を備える、実行装置。
【請求項2】
前記動作実行部は、
前記便器での詰まりの発生が特定される場合に、前記便器への洗浄水の供給を禁止する動作を含む前記第1動作を実行し、
所定条件下において前記検出部の異常が特定される場合に、前記便器への洗浄水の供給を許容する動作を含む前記第2動作を実行する、請求項1に記載の実行装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記便器への洗浄水の供給が開始されてからの経過期間を取得し、
前記所定条件は、前記経過期間が所定期間を経過したことを含む、請求項2に記載の実行装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記便器への洗浄水の供給が開始されてからの経過期間を取得し、
前記動作実行部は、前記経過期間が所定期間を経過前に、前記検出部の異常が特定される場合に、前記便器への洗浄水の供給を禁止する動作を含む第3動作を実行する、請求項2から3のいずれか一項に記載の実行装置。
【請求項5】
前記実行装置は、
ユーザからの指示を取得する取得部と、
前記便器への洗浄水の供給が禁止されている状態において、前記ユーザから所定指示が取得される場合に、前記便器への洗浄水の供給を許容する動作に変更する変更部と、をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の実行装置。
【請求項6】
前記特定部は、
前記ユーザから前記所定指示が取得された後で前記便器での詰まりの発生が特定されない場合に、前記便器への洗浄水の供給を許容する動作に変更する、請求項5に記載の実行装置。
【請求項7】
前記第1動作は、
前記便器の使用中の特定ユーザに、前記便器での詰まりの発生に関連する情報を報知させる動作と、
前記特定ユーザと異なる所定ユーザに、前記便器での詰まりの発生に関連する情報を報知させる動作と、を含み、
前記第2動作は、
前記便器の使用中の特定ユーザに、前記検出部の異常に関連する情報を報知させる動作を含まず、
前記特定ユーザと異なる所定ユーザに、前記検出部の異常に関連する情報を報知させる動作を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の実行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、便器に用いられる実行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検知部を用いて、便器の水位を検知するトイレ装置が開示されている。検知部には、電波センサ、静電容量センサ、圧力センサ、超音波測距センサ、光学式測距センサ等が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-66890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水位を検出するための検出部が、故障、断線等によって適切に水位を検知することができない場合がある。便器に詰まりが発生しているために水位が上昇している場合と、検出部に異常が発生している場合と、では、対処の方法が異なる。
【0005】
本明細書では、便器での詰まりの発生と、検出部の異常と、のいずれかによって、適切な対処方法をとり得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の技術は実行装置に関する。実行装置は、便器の状態を検出する検出部と、検出済みの前記便器の状態を用いて、前記便器での詰まりの発生と、前記検出部の異常と、を特定する特定部と、前記便器での詰まりの発生が特定される場合に第1動作を実行し、前記検出部の異常が特定される場合に前記第1動作と異なる第2動作を実行する動作実行部と、を備えていてもよい。
【0007】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の水洗式便器の側面図を示す。
図2】実施形態の水洗式便器の後方斜視図を示す。
図3】実施形態の便器装置の左右方向の中心における断面図を示す。
図4図3の線IV-IVに沿った断面図を示す。
図5】水位検出装置の構成を概略的に表したブロック図を示す。
図6】異常特定処理のフローチャートを示す。
図7図6に続く異常特定処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(水洗式便器の構成の概略)
図1図2に示すように、水洗式便器100は、壁9に固定されるいわゆる壁掛け式の大便器である。水洗式便器100は、便器装置6と、タンク2と、水位検出装置10と、制御装置40と、操作装置80と、を備える。便器装置6は、便器本体6mと、便座6sと、便蓋6cと、洗浄管4と、排水管8と、を備える。
【0010】
以下では、タンク2と便器装置6とが並ぶ方向を前後方向と称する。前後方向において、壁9に対して便器装置6が配置されている側を前後方向の前側と称し、壁9に対してタンク2が配置されている側を前後方向の後側と称する。前後方向と直交する水平方向を左右方向と称する。左右方向において、図1の紙面奥側を右側と称し、図1の紙面手前方向を左側と称する。前後方向と直交する鉛直方向を上下方向と称する。上下方向において、洗浄管4に対してタンク2が配置されている側を上側と称し、タンク2に対して洗浄管4が配置されている側を下側と称する。
【0011】
便器本体6mは、陶器である。便器本体6mは、汚物を受け止めるボウル6bを備える。タンク2は、ボウル6bを洗浄する洗浄水を貯める。便座6sと便蓋6cとは、それぞれ、便器本体6mに開閉可能に接続される。排水管8は、ボウル6bと下水管(図示省略)とを連通する。ボウル6b内の洗浄水は、排水管8を介して、下水管に排出される。なお、図2では、便座6s及び便蓋6cの図示を省略している。タンク2、洗浄管4及び水位検出装置10は、便器装置6が配置される空間から壁9によって隔離されている。
【0012】
洗浄管4は、タンク2の下面から下方に延び、屈曲して前方に延びて便器本体6mと接続される。タンク2内に貯められた洗浄水は、洗浄管4を介して便器本体6mに供給される。タンク2の背面上部には、給水管3sが接続される。給水管3sは、タンク2から下方に延び、屈曲して上方に延びる。給水管3sのタンク2と反対側の端には、給水電磁弁3が配置される。図2に示されるように、給水電磁弁3は、フィルタ付き止水弁3fを介して上水管5と接続される。上水管5には、水源(図示省略)から水が圧送される。給水電磁弁3は、フィルタ付き止水弁3fを介して上水を取り込むことによって、異物の混入を防止することができる。給水電磁弁3は、便器装置6に異常が発生した場合を除いて、常に開かれている。タンク2内には、ボールタップ(図示省略)が配置される。ボールタップは、タンク2内の洗浄水の水位に応じて上下方向に変位する浮き球(図示省略)を備える。タンク2内の洗浄水の水位が所定の水位まで上昇すると、浮き球が上昇することによって、ボールタップが閉じられる。これにより、タンク2内への上水の供給が停止される。タンク2内の洗浄水が便器装置6に供給され、タンク2内の水位が下降すると、浮き球が下降して、ボールタップが開かれる。その結果、上水が給水管3sからタンク2内に供給される。
【0013】
(便器装置の内部構造)
図3図4を参照して、便器装置6の内部の構造について説明する。図3では、便座6s、便蓋6c及び排水管8の図示は省略している。便器本体6mには、リム通水路20と、貯留空間30と、が設けられる。リム通水路20は、洗浄管4と連通する空間である。タンク2内の洗浄水は、洗浄管4を介してリム通水路20に供給される。
【0014】
図4に示されるように、リム通水路20は、後方通水路21と、左側通水路22と、右側通水路24と、を備える。後方通水路21は、ボウル6bの上端において、ボウル6bの後方に位置する。リム通水路20は、後方通水路21から前方に向かって延びて、ボウル6bの上端縁に沿って、左側通水路22と右側通水路24とに分岐する。タンク2内の洗浄水は、洗浄管4からリム通水路20に流入する。リム通水路20では、洗浄水は、後方通水路21から前方に向かって流れ、各通水路22、24に分流して、ボウル6b内に送られる。洗浄水は、ボウル6bの内面に沿って流れる。その結果、ボウル6bの内面が洗浄される。
【0015】
制御装置40は、タンク2の後方に配置されている。制御装置40は、水洗式便器100を制御する。制御装置40は、ハードウェアプロセッサであるCPU(CentralProcessing Unitの略)、及び、RAM(RandomAccess Memoryの略)、ROM(ReadOnly Memoryの略)のメモリを備える。制御装置40は、ユーザによる操作装置80の操作に応じた処理を実行可能である。
【0016】
操作装置80は、壁に取り付けられている。操作装置80は、制御装置40と通信可能に接続されている。操作装置80は、ユーザによって操作可能な複数のボタン82を有する。複数のボタン82は、複数の洗浄ボタンを含む。洗浄ボタンは、洗浄水をボウル6bに供給させるためのボタンである。複数の洗浄ボタンは、大洗浄ボタンと、小洗浄ボタンと、を含む。操作装置80は、複数の洗浄ボタンのうちのいずれかの洗浄ボタンの操作を受け付けた場合に、制御装置40に操作された洗浄ボタンに応じた洗浄指示信号を送信する。制御装置40は、操作装置80から受信された洗浄指示信号に従って、洗浄水をボウル6bに供給する。複数のボタン82は、さらに、詰まり解消ボタンを備える。操作装置80は、詰まり解消ボタンの操作を受け付けた場合に、制御装置40に、詰まりが解消されたことを表す詰まり解消情報を送信する。
【0017】
操作装置80は、さらに、出力部84を備える。出力部84は、スピーカを備える。操作装置80は、制御装置40から受信される情報を表す音声を発声する。出力部84は、制御装置40から受信される情報を表す画像を表示するディスプレイ及び制御装置40から受信される情報に対応して点灯及び点滅の少なくとも一方が実行されるLEDを備えていてもよい。
【0018】
複数の洗浄ボタンのいずれかの洗浄ボタンが操作された場合、制御装置40は、洗浄管4を介して洗浄水をボウル6bに供給させる。制御装置40は、水量V1、V2の2種類の水量のいずれかの水量の洗浄水を選択的にボウル6bに供給させる。制御装置40は、大洗浄ボタンに応じた洗浄指示信号を受信すると、タンク2の内部に組み込まれたモーター駆動装置によってタンク2の底面に配置されるフラッパー弁(図示省略)を開くことによって、タンク2が開放される。これにより、タンク2内の洗浄水がボウル6bに供給される。タンク2内に貯水されている洗浄水の水位が低下していくと、ボールタップが開いてタンク2内に上水が供給される。フラッパー弁が開いている間、タンク2に供給された上水は、ボウル6bに供給される。タンク2の水位が下がると、フラッパー弁は閉じられる。これにより、ボウル6bに、水量V1の洗浄水が供給される大洗浄が実行される。
【0019】
制御装置40は、小洗浄ボタンに応じた洗浄指示信号を受信すると、タンク2内のフラッパー弁を開くことによって、タンク2内に貯水されている洗浄水の一部がボウル6bに供給される。これにより、ボウル6bに、水量V1よりも少ない水量V2の洗浄水が供給される小洗浄が実行される。フラッパー弁の開いている期間は、大洗浄の方が小洗浄よりも長い。
【0020】
(水位検出装置の構成)
図2図5を参照して水位検出装置10の構成について説明する。図2に示されるように、水位検出装置10は、ポンプ50と、空気電磁弁52と、圧力センサ11と、パージ管12と、第1検出管13と、第2検出管14と、空気タンク15と、継手16と、三方継手17と、を備える。ポンプ50と空気電磁弁52と圧力センサ11とは、制御装置40とともに、タンク2の背面に設置されるボックスに収容される。なお、実際のボックスは、後側からカバーで覆われているが、図2及び図5では、カバーの図示を省略している。
【0021】
第1検出管13及び第2検出管14は、それぞれ中空の管状を有する。第1検出管13及び第2検出管14は、樹脂製である。第2検出管14は、先端部分がリム通水路20に配置される。第2検出管14は、洗浄管4を貫通して便器装置6の後方に延びる。第2検出管14のリム通水路20と反対側の端は、三方継手17を介して、第1検出管13に接続される。
【0022】
第1検出管13は、三方継手17と圧力センサ11とを接続する。圧力センサ11と三方継手17との間の第1検出管13には、空気タンク15が配置される。空気タンク15には、圧縮空気が充填される。三方継手17には、パージ管12が接続される。パージ管12は、空気電磁弁52を介してポンプ50と接続される。
【0023】
圧力センサ11は、第1検出管13内の圧力を検出するセンサである。圧力センサ11は、いわゆるひずみゲージ式の圧力センサである。圧力センサ11は、内部にひずみゲージ抵抗(図示省略)を備える。第1検出管13内の圧力の大きさに応じて、ひずみゲージ抵抗の変位が変化する。その結果、ひずみゲージ抵抗の抵抗値が変化する。圧力センサ11は、抵抗値に基づいて、第1検出管13内の圧力を検出する。なお、圧力センサ11は、ひずみゲージ式に限定されず、変形例では、金属ゲージ式であってもよい。さらなる変形例では、圧力センサ11は、半導体ゲージ式であっても、半導体隔膜式であってもよく、さらには、水晶式圧力センサ及び静電容量ブリッジ式のセンサの少なくとも一方であってもよい。
【0024】
第1検出管13は、第2検出管14を介してボウル6bに連通している。ボウル6b内の水位が上昇すると、第2検出管14の先端が閉塞されて、第2検出管14内の圧力が上昇する。第2検出管14内の昇圧に伴って、第1検出管13内も昇圧される。このため、圧力センサ11の検出値は、ボウル6b内の水位に応じて変動する。
【0025】
図5の破線で示されるように、制御装置40は、さらに、給水電磁弁3、圧力センサ11、ポンプ50及び空気電磁弁52と通信可能に接続されている。制御装置40は、給水電磁弁3、圧力センサ11、ポンプ50及び空気電磁弁52を制御する。制御装置40は、管理端末60と通信可能に接続されている。管理端末60は、水洗式便器100の管理者によって操作される端末であり、例えば、水洗式便器100が設置されている建物の管理会社に配置される。制御装置40は、水洗式便器100の利用状況、排水の状況を管理端末60に送信する。水洗式便器100の管理者は、管理端末60を利用して、水洗式便器100を遠隔で操作する。変形例では、管理端末60は、水洗式便器100のユーザ及び清掃業者の少なくとも一方が所有する携帯端末及びPCの少なくとも一方であってもよい。
【0026】
図3に示されるように、第2検出管14は、継手16を介して洗浄管4の外壁を貫通し、前方に延びる。第2検出管14は、便器装置6の内側に配置される装置内部分14bと、便器装置6の外側に配置される装置外部分14aと、を備える。第2検出管14の装置内部分14bは、洗浄管4の内側を通過し、便器本体6mのリム通水路20に配置される。
【0027】
第2検出管14を便器本体6mの背面に接続される洗浄管4に貫通させることによって、装置外部分14aを含む、水位検出装置10の各部材(すなわち、制御装置40、ポンプ50、空気電磁弁52、圧力センサ11、パージ管12、第1検出管13、空気タンク15、継手16、三方継手17)をユーザから遠ざけて配置することができる。この結果、水位検出装置10の各部材がユーザと接触することを防止することができる。特に、第2検出管14の位置ずれと損傷の少なくとも一方が発生することを抑制することができる。水位検出装置10の各部材がユーザに視認されにくくすることができる。その結果、水洗式便器100の意匠性を向上させることができる。
【0028】
図4に示されるように、装置内部分14bは、後方通水路21で左方(即ち、図4の紙面下方)に屈曲して、左側通水路22を延びる。装置内部分14bの先端部分14cは、左側通水路22内に位置する。先端部分14cの端面18には、装置内部分14bと左側通水路22とが連通される開口が設けられる。第2検出管14は、第1検出管13を介して、左側通水路22と圧力センサ11(図1参照)とを連通する。排水異常が発生し、洗浄水の水位が左側通水路22まで上昇する場合、第2検出管14の端面18の開口は、洗浄水によって塞がれる。その結果、第2検出管14内の圧力が上昇する。第2検出管14の圧力は、第1検出管13を介して、圧力センサ11によって検出される。
【0029】
ボウル6b内の洗浄水の水位が高いほど、端面18の上方に位置する洗浄水の量が増加する。ボウル6b内の洗浄水の水位が高いほど、第2検出管14及び第1検出管13内の圧力は上昇する。即ち、ボウル6b内の洗浄水の水位は、第2検出管14及び第1検出管13内の圧力と相関関係を有する。このため、水位検出装置10は、第2検出管14及び第1検出管13内の圧力を検出することによって、ボウル6bの水位を検出することができる。
【0030】
装置内部分14bは、リム通水路20内に配置されているため、リム通水路20を画定する便器本体6mの外壁によって覆われている。このため、装置内部分14bに汚れが付着することを抑制することができる。例えばボウル6bの清掃時に、先端部分14cが清掃具に接触することによって、先端部分14cの位置ずれと損傷の少なくとも一方が発生することを抑制することができる。
【0031】
(パージ処理)
図5に示すように、ボウル6bへの洗浄水の供給時、洗浄水は、洗浄水路内の空気と混合されながら左側通水路22内を通過する。先端部分14cの内周面には、ボウル6bへの洗浄水の供給時に起こる大きな圧力変化の影響を受け、洗浄水が入り込み、水と空気の層を複数生成することがある。その結果、第2検出管14に入り込んだ洗浄水が、第2検出管14を塞ぐ水膜72を形成することがある。水膜72によって第2検出管14が塞がれると、ボウル6bの水位が第2検出管14に達しているにも関わらず、圧力が伝わらない場合がある。この場合、制御装置40は、圧力センサ11で検出される圧力値を用いて、ボウル6bの洗浄水の水位を正確に検出することができない。
【0032】
第2検出管14には、三方継手17を介して、パージ管12が接続される。パージ管12は、空気電磁弁52及び空気管54を介してポンプ50に接続される。制御装置40は、ポンプ50を作動させると同時に、空気電磁弁52を開く。これより、パージ管12及び三方継手17を介して、空気70が第2検出管14に圧送される。空気70は、第2検出管14内の水膜72と空気の層とを、左側通水路22に押し出す。制御装置40は、所定の時間経過後、ポンプ50の作動を停止させると同時に、空気電磁弁52を閉じる。これにより、第2検出管14内に水膜72が形成されることを抑制することができる。その結果、第2検出管14内の水膜72と空気の層とが、検出圧力に影響を及ぼすことを抑制することができる。なお、空気電磁弁52は逆止弁に置き換えてもよい。
【0033】
(異常特定処理)
制御装置40は、水洗式便器100が設置されると、異常特定処理を実行する。異常検出処理では、制御装置40は、圧力センサ11によって検出される第1検出管13及び第2検出管14内の圧力(以下、検出圧力と称する)を取得する。制御装置40は、取得済みの検出圧力を用いて、便器装置6の詰まりの発生と、水位検出装置10の異常と、を特定する。
【0034】
図6及び図7に示すように、異常特定処理では、S10において、制御装置40は、洗浄期間中であるか否かを判断する。制御装置40は、洗浄指示信号を受信すると、ボウル6bへのタンク2内の洗浄水の供給を開始する。洗浄水がボウル6bに供給され始めると、ボウル6b内の水面は安定しない。ボウル6b内の水面が安定していない間では、ボウル6bの水位が、詰まりの発生によって上昇していないにも関わらず、端面18が洗浄水によって塞がれる場合がある。この場合、詰まりが発生していないにも関わらず、第1検出管13内の圧力が上昇する。この結果、詰まりが発生していると誤検出される可能性がある。洗浄期間は、洗浄指示信号を受信してから、ボウル6bへの洗浄水の供給が終了し、ボウル6b内の水面が安定するまでの期間以上の期間である。洗浄期間は、予め制御装置40に格納されている。
【0035】
洗浄期間中である場合(S10でYES)、制御装置40は、洗浄期間が終了するまで、待機する。洗浄期間中でない場合(S10でNO)、S12において、制御装置40は、便器洗浄後の検出タイミングが到来したか否かを判断する。具体的には、制御装置40は、洗浄指示信号を受信してから、特定期間が経過したタイミングか否かを判断する。
【0036】
S12において、制御装置40は、特定期間が経過したタイミングである場合に、便器洗浄後の検出タイミングが到来していると判断して(S12でYES)、S34に進む。特定期間は、洗浄期間と一致している。即ち、制御装置40は、洗浄期間中で無く(S10でNO)、かつ、洗浄指示信号を受信してから洗浄期間が経過して最初にS12が実行される場合に、便器洗浄後の検出タイミングが到来していると判断する(S12でYES)。変形例では、S12の特定期間は、洗浄指示信号を受信してから洗浄期間よりも短くてもよい。本変形例では、洗浄期間中にS24以降の処理が実行されてもよい。本変形例では、S10の処理が実行しなされなくてもよい。
【0037】
S34では、制御装置40は、圧力センサ11から検出圧力を取得することを試行する。水位検出装置10と制御装置40とが接続不良である場合、制御装置40は、圧力センサ11から検出圧力を取得することができない。制御装置40は、圧力センサ11から検出圧力を取得することができない場合(S34でNO)、S70に進む。圧力センサ11から検出圧力が取得される場合(S34でYES)、S36において、制御装置40は、ボウル6bに詰まりが発生しているか否かを判断する。具体的には、制御装置40は、S34で取得済みの検出圧力が基準圧力Th1を越えているか否かを判断する。基準圧力Th1は、検出圧力と比較することによって、ボウル6b内の水によって第2検出管14の開口が塞がれている状態を検出可能な値に設定されている。即ち、制御装置40は、検出圧力が基準圧力Th1を越えることを検出することによって、ボウル6bの水位が基準圧力Th1に対応する水位を越えることを検出する。ボウル6b内の水によって第2検出管14の開口が塞がれる程、ボウル6bに水が溜まっている状況では、ボウル6bに詰まりが発生している可能性が高い。
【0038】
制御装置40は、S34で取得済みの検出圧力が基準圧力Th1を越えている場合、ボウル6bに詰まりが発生していると判断して(S36でYES)、S38に進む。制御装置40は、S34で取得済みの検出圧力が基準圧力Th1を越えていない場合、ボウル6bに詰まりが発生していないと判断して(S36でNO)、S68に進む。
【0039】
S38では、制御装置40は、S20と同様に、制御装置40は、制御装置40に格納されている洗浄禁止フラグをオンに設定する。S40では、制御装置40は、ボウル6bが詰まっていることを表す詰まり情報を、操作装置80に送信する。操作装置80は、詰まり情報が受信される場合、ボウル6bが詰まっていることを表す出力を実行する。具体的には、出力部84が、ボウル6bが詰まっていることを表す音声を発声する。出力部84は、ボウル6bが詰まっていることを表す画像をディスプレイ表示してもよく、ボウル6bが詰まっていることを表すようにLEDを点灯及び点滅の一方を実行してもよい。
【0040】
水洗式便器100を使用中のユーザは、便器本体6mに着座している状態では、ボウル6bを視認することが難しい。水洗式便器100を使用中のユーザは、ボウル6bが詰まっていることに気づき難い。水洗式便器100を使用中のユーザは、操作装置80の出力によって、ボウル6bが詰まっていることを認識することができる。ユーザは、ボウル6bの詰まりを解消するための処置を実行することができる。
【0041】
S42では、制御装置40は、詰まり情報を、管理端末60に送信する。管理端末60は、詰まり情報が受信される場合、ボウル6bが詰まっていることを表す出力を実行する。例えば、管理端末60は、管理端末60のディスプレイに、ボウル6bが詰まっていることを表す画像を表示させる。例えば、管理端末60は、管理端末60のスピーカに、ボウル6bが詰まっていることを表す音声を発声させる。
【0042】
水洗式便器100の管理者は、管理端末60を利用して、ボウル6bが詰まっていることを認識することができる。管理者は、ボウル6bの詰まりを解消するための処置を行うことができる。
【0043】
S44では、制御装置40は、操作装置80から詰まり解消情報を受信することを待機している。ユーザ及び管理者の少なくとも一方は、ボウル6bの詰まりを解消する処置を実行する。その後、詰まり解消ボタンが操作される場合、操作装置80は、制御装置40に、詰まり解消情報を送信する。制御装置40は、操作装置80から詰まり解消情報を受信する場合(S44でYES)、S46において、制御装置40は、S34及びS36の処理と同様に、S46及びS48の処理を実行する。
【0044】
S48において、ボウル6bに詰まりが発生していないと判断される場合(S48でNO)、S76に進む。S48において、ボウル6bに詰まりが発生していると判断される場合(S36でYES)、S50において、制御装置40は、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す詰まり未解消情報を、操作装置80及び管理端末60に送信して、S12に戻る。
【0045】
管理端末60は、詰まり未解消情報が受信される場合、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す出力を実行する。例えば、管理端末60は、管理端末60のディスプレイに、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す画像を表示させる。管理端末60は、管理端末60のディスプレイに、詰まり情報が受信される場合と比較して、管理者に対して目立つように、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す画像を表示させてもよい。例えば、管理端末60は、管理端末60のスピーカに、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す音声を発声させる。管理端末60は、管理端末60のスピーカに、詰まり情報が受信される場合と比較して、大音量で、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す音声を発声させてもよい。
【0046】
操作装置80は、詰まり未解消情報が受信される場合、出力部84に、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す音声を発声させる。操作装置80は、出力部84に、詰まり情報が受信される場合と比較して、大音量で、ボウル6bの詰まりが解消されていないことを表す音声を発声させてもよい。
【0047】
S68では、制御装置40は、水位検出装置10が正常に動作しているか否かを判断する。水位検出装置10が正常に動作している場合、S34で取得済みの検出圧力は大気圧に近似する。制御装置40には、予め、正常範囲が格納されている。正常範囲は、大気圧の変動及び正常な検出誤差を考慮して決定される圧力範囲である。S68では、制御装置40は、検出圧力が正常範囲内であるか否かを判断する。制御装置40は、検出圧力が正常範囲内である場合、水位検出装置10は正常に動作していると判断して(S68でYES)、S12に戻る。制御装置40は、検出圧力が正常範囲に含まれていない場合、水位検出装置10は正常に動作していないと判断して(S68でNO)、S70に進む。例えば、圧力センサ11が故障している場合、検出圧力が正常範囲から外れてしまう場合がある。
【0048】
S70では、制御装置40は、制御装置40に格納されている洗浄禁止フラグをオンに設定する。制御装置40は、洗浄禁止フラグがオンに設定されている場合、ボウル6bに洗浄水を供給すべき状況であっても、洗浄水を供給しない。S34でNOの場合及びS68でNOの場合には、水位検出装置10が正常に動作しておらず、正常な検出圧力を取得することができない。S34でNO及びS68でNOと判断することによって、水位検出装置10の異常を特定することができる。S70において洗浄禁止フラグをオンに設定することによって、洗浄水の供給が禁止される。水位検出装置10が正常に動作することができない場合、制御装置40は、ボウル6bの詰まりによって水位が上昇しても、検出圧力を用いてボウル6bの水位を特定することができず、ボウル6bの詰まりを特定することができない。ボウル6bへの洗浄水の供給を禁止することによって、ボウル6bに詰まりが発生している状況でボウル6bに洗浄水が供給される事態を回避することができる。
【0049】
S72では、制御装置40は、水位検出装置10が正常に動作していないことを表す異常情報を、管理端末60に送信する。管理端末60は、異常情報が受信される場合、水位検出装置10が正常に動作していないことを表す出力を実行する。例えば、管理端末60は、管理端末60のディスプレイに、水位検出装置10が正常に動作していないことを表す画像を表示させる。例えば、管理端末60は、管理端末60のスピーカに、水位検出装置10が正常に動作していないことを表す音声を発声させる。
【0050】
水洗式便器100の管理者は、管理端末60を利用して、水位検出装置10が正常に動作していないことを認識することができる。管理者は、水位検出装置10を正常に動作させるための処置を行うことができる。
【0051】
S72において、制御装置40は、S34でNOの場合と、S68でNOの場合と、によって、異常情報の内容を変えてもよい。例えば、S34でNOの場合、制御装置40は、水位検出装置10から検出圧力を取得することができないことを表す異常情報を、管理端末60に送信してもよい。例えば、S68でNOの場合、制御装置40は、圧力センサ11で適切な検出圧力を検出することができないことを表す異常情報を、管理端末60に送信してもよい。管理端末60は、異常情報の内容に応じて、出力方法を変更してもよい。例えば、制御装置40は、ディスプレイに表示される画像及びスピーカからの音声の少なくとも一方を、異常情報の内容に応じて変更してもよい。管理者は、管理端末60からの出力を確認することによって、水位検出装置10を正常に動作させるために実行すべき処置を特定しやすくなる。
【0052】
S74では、制御装置40は、S70において洗浄禁止フラグがオンに設定されてから所定期間が経過するまで待機している。所定期間は、制御装置40に予め格納されている。S74の処理が実行される状況では、水位検出装置10が正常に動作しておらず、ボウル6bに詰まりが発生しているか否かを適切に判断することができない。ボウル6bに詰まりが発生している場合、ボウル6bに溜まっている水が全く排水されない状況は稀であり、ボウル6bに溜まっている水は、徐々に排水される状況が多い。
【0053】
S74において所定期間に亘って待機することによって、ボウル6bに詰まりが発生していても、ボウル6bに溜まっている水は、徐々に排水されて、ボウル6bの水位が低下していると想定される。言い換えると、所定期間は、ボウル6bに詰まりが発生している状況において、ボウル6bに溜まっている水が徐々に排水されて、1回分の洗浄水がボウル6bに供給されても、洗浄水がボウル6bから溢れない程度に水位が低下する期間以上の期間である。
【0054】
所定期間が経過される場合(S74でYES)、S76において、制御装置40は、洗浄禁止フラグをオンからオフに切り替えて、S12に戻る。この結果、水位検出装置10が正常に動作していない場合において、洗浄水がボウル6bから溢れない状況において、ボウル6bに洗浄水を供給することができる。S74において所定期間の経過が待機されることによって、短期間の間に洗浄水がボウル6bに供給されることによって、洗浄水がボウル6bから溢れる事態を回避することができる。変形例では、管理端末60は、管理者が管理端末60に予め決められた切替操作を実行することによって、洗浄禁止フラグのオンとオフとを切り替えるための切替信号を、制御装置40に送信可能であってもよい。制御装置40は、切替信号が受信されると、洗浄禁止フラグをオンとオフとの間で切り替えてもよい。S74では、制御装置40は、所定期間が経過される場合及び切替信号が受信される場合の少なくともいずれか一方の場合に、YESと判断して、S76に進んでもよい。
【0055】
制御装置40は、特定期間が経過したタイミングではない場合に、便器洗浄後の検出タイミングが到来していないと判断する(S12でNO)。S12でNOの場合、S14において、制御装置40は、水位検出装置10の検証タイミングが到来しているか否かを判断する。具体的には、制御装置40は、直前に検出圧力が取得されてから、予め決められた検証期間が経過したか否かを判断する。検証期間は、予め制御装置40に格納されている。検証期間は、便器の洗浄が実行されていない状況において、水位検出装置10が正常に作動しているか否かを、定期的及び不定期に検証するための期間である。検証期間は、検証タイミングが、便器に洗浄水が供給されてから期間が経過してボウル6bの水位が下がっており、端面18が大気に露出しているタイミングとなるように設定されている。洗浄指示信号を受信してからS14における検証タイミングが到来するまでの期間は、S12における特定期間よりも長い。S14における検証タイミングでは、洗浄水が排水され、端面18が大気に露出しているタイミングとなるため、S12における特定期間よりも、洗浄指示信号の受信からの期間が長く設定されている。
【0056】
制御装置40は、検証期間が経過していない場合、水位検出装置10の検証タイミングが到来していないと判断して(S14でNO)、S12に戻る。制御装置40は、検証期間が経過している場合、水位検出装置10の検証タイミングが到来していると判断して(S14でYES)、S16に進む。
【0057】
S16では、制御装置40は、S34と同様の処理を実行する。S16でNOの場合、即ち、検出圧力が取得されない場合、S20に進む。S16でYESの場合、即ち、検出圧力が取得される場合、S18において、制御装置40は、S68と同様に、水位検出装置10が正常に動作しているか否かを判断する。
【0058】
制御装置40は、検出圧力が正常範囲内である場合、水位検出装置10は正常に動作していると判断して(S18でYES)、S12に戻る。制御装置40は、検出圧力が正常範囲に含まれていない場合、水位検出装置10は正常に動作していないと判断して(S18でNO)、S20に進む。例えば、圧力センサ11が故障している場合、検出圧力が正常範囲から外れてしまう場合がある。
【0059】
制御装置40は、S70、S72、S74及びS76と同様に、S20、S22、S24、及び、S26の処理を実行して、S12に戻る。変形例では、制御装置40は、S20、S24及びS26の処理を実行せずに、S22の処理を実行した後、S12に戻ってもよい。即ち、変形例では、洗浄禁止フラグのオン・オフを切り替えなくてもよい。この場合、制御装置40は、管理端末60から洗浄禁止フラグをオンからオフに切り替えてもよい。
【0060】
(効果)
異常特定処理では、制御装置40は、ボウル6bに詰まりが発生していると判断される場合(S36でYES)と、水位検出装置10に異常が発生していると判断される場合(S18でNO、S68でNO)と、で、実行する動作が異なる。具体的には、制御装置40は、ボウル6bに詰まりが発生していると判断される場合(S36でYES)、洗浄水の供給を禁止する(S38)とともに、水洗式便器100のユーザ及び管理者の両者に、詰まりが発生することを報知する(S40、S42)。詰まりによってボウル6bの水位が上昇している状態でボウル6bに洗浄水が供給されて、ボウル6bから洗浄水が溢れる事態を回避することができる。水洗式便器100のユーザ及び管理者の少なくとも一方によって、詰まりを解消する作業を実行させることができる。
【0061】
制御装置40は、水位検出装置10に異常が発生していると判断される場合(S18でNO、S68でNO)、管理者に異常が発生していることを報知する一方、水洗式便器100のユーザには異常が発生していることを報知しない(S22、S72)。水位検出装置10に異常が発生している状況では、水洗式便器100のユーザに異常を報知しても、水洗式便器100のユーザが異常を解消することが難しい場合がある。制御装置40は、管理者のみに異常が発生していることを報知することによって、水洗式便器100のユーザが異常の発生に不安を感じることを抑制することができる。
【0062】
(対応関係)
水位検出装置10が「検出部」の一例であり、制御装置40が「特定部」、「動作実行部」、「取得部」及び「変更部」の一例であり、水位検出装置10と制御装置40との組み合わせが「実行装置」の一例である。S38、S40及びS42の処理が「第1動作」の一例であり、S22、S24及びS26と、S72、S74及びS76と、のそれぞれの処理が「第2動作」の一例であり、S70の処理が「第3動作」の一例である。水洗式便器100のユーザが「特定ユーザ」であり、管理者が「所定ユーザ」である。S14において、直前に検出圧力が取得されてから、予め決められた検証期間が経過したことが、「所定条件」の一例であり、検証期間が「所定期間」の一例である。
【0063】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0064】
(変形例1)水位検出装置10は、圧力を検出することによって水位を検出する構成以外の構成を有していてもよい。例えば、水位検出装置10は、電極対式、フロート式、静電容量式及び測距式のうちの少なくとも1個の検出方式を備えていてもよい。電極対式の水位検出装置10は、ボウル6bに配置される電極対がボウル6b内の水に浸かると電極対間で通電してもよい。水位検出装置10は、電極対間の通電を検出することによって、水位を検出してもよい。フロート式の水位検出装置10は、例えば、ボウル6bと連通する空間に配置され、ボウル6bの水位に合わせて上下方向に移動されるフロートを備えていてもよい。水位検出装置10は、フロートの高さを検出することによって、水位を検出してもよい。静電容量式の水位検出装置10は、例えば、ボウル6bの水位に合わせて静電容量が変化する一対の導電体であって、便器本体6mの外側に配置される一対の導電体を備えていてもよい。水位検出装置10は、一対の導電体の静電容量を検出することによって、水位を検出してもよい。測距式の水位検出装置10は、例えば、ボウル6bの水面までの距離を測定する超音波及び電波式の測距センサを備えていてもよい。水位検出装置10は、測距センサによって検出される水面までの距離によって、水位を検出してもよい。
【0065】
(変形例2)便器装置6は、スピーカ等の出力部を備えていてもよい。S40で実行される水洗式便器100のユーザへの報知では、制御装置40は、操作装置80の出力部84における出力以外に、便器装置6の出力部に出力させてもよい。制御装置40は、水洗式便器100のユーザが携帯している携帯端末に、情報を送信してもよい。
【0066】
(変形例3)異常特定処理では、S14からS26の処理を実行しなくてもよい。異常特定処理は、ボウル6bに洗浄水が供給された後に実行されてもよい。
【0067】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0068】
6:便器装置、6b:ボウル、10:水位検出装置、40:制御装置、80:操作装置、84:出力部、100:水洗式便器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7