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特開2023-140966光デバイス、光変調器及び光通信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140966
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】光デバイス、光変調器及び光通信装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/065 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G02F1/065
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047061
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌樹
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA02
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102CA21
2K102DA05
2K102DB04
2K102DD01
2K102DD03
2K102EA02
2K102EA22
2K102EB16
2K102EB20
2K102EB22
(57)【要約】
【課題】消費電力を抑制しながら変調効率の向上を図る光デバイス等を提供することを目的とする。
【解決手段】光デバイスは、導波路と、導波路と並走する信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極と、導波路内のスロットに一部が挿入され、電極からの高周波信号の駆動電圧に応じて導波路を通過する光に作用する電気光学ポリマの相互作用部とを有する。光デバイスは、相互作用部の入力側及び出力側に延びる、電気光学ポリマの余長部と、余長部と並走する接地電極と接続する第1のドープ層と、余長部と並走する信号電極と接続する第2のドープ層との間のスロットに余長部の一部が挿入されることで形成された、導波路と未接続の他の導波路と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路と、
前記導波路と並走する信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極と、
前記導波路内のスロットに一部が挿入され、前記電極からの高周波信号の駆動電圧に応じて前記導波路を通過する光に作用する電気光学ポリマの相互作用部と、
前記相互作用部の入力側及び出力側に延びる、前記電気光学ポリマの余長部と、
前記余長部と並走する前記接地電極と接続する第1のドープ層と、前記余長部と並走する前記信号電極と接続する第2のドープ層との間のスロットに前記余長部の一部が挿入されることで形成された、前記導波路と未接続の他の導波路と、
を有することを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
前記導波路は、
前記相互作用部と並走する前記接地電極と接続する前記第1のドープ層と、前記相互作用部と並走する前記信号電極と接続する前記第2のドープ層との間のスロットに前記相互作用部の一部が挿入されることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記他の導波路は、
前記出力側の余長部と並走する前記接地電極と接続する前記第1のドープ層と、前記出力側の余長部と並走する前記信号電極と接続する前記第2のドープ層との間のスロットに前記出力側の余長部の一部が挿入されることで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記入力側の余長部に並走する前記電極は、
前記相互作用部に並走する前記電極と接続する第1のビア層の断面積に近い断面構造の第2のビア層と接続することを特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記入力側の余長部に並走する前記電極内の前記接地電極と接続する前記第2のビア層と接続する第3のドープ層と、
前記入力側の余長部に並走する前記電極内の前記信号電極と接続する前記第2のビア層と接続する第4のドープ層と、を有することを特徴とする請求項4に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記相互作用部と前記出力側の余長部との間の前記電気光学ポリマの境界部が配置される部位には、
前記導波路と、
前記他の導波路と、を有し、
前記他の導波路の厚さは、前記導波路の厚さに比較して薄くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記相互作用部と前記出力側の余長部との間の前記電気光学ポリマの境界部が配置される部位には、
前記接地電極と接続する第3のビア層と接続する第5のドープ層と、
前記境界部と接続する第6のドープ層と、
前記第5のドープ層と前記第6のドープ層との間のスロット内に前記境界部の一部が挿入されることで形成された、前記他の導波路と接続する導波路と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記相互作用部と前記出力側の余長部との間の前記電気光学ポリマの境界部が配置される部位には、
前記接地電極と接続する第3のビア層と接続する第5のドープ層と、
前記境界部と接続する第6のドープ層と、
前記第5のドープ層と前記第6のドープ層との間に備えたドープなしのシリコン層で形成された、前記他の導波路と接続する導波路と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光デバイス。
【請求項9】
導波路と、
前記導波路と並走する信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極と、
前記導波路内のスロットに一部が挿入され、前記電極からの高周波信号の駆動電圧に応じて前記導波路を通過する光に作用する電気光学ポリマの相互作用部と、
前記相互作用部の入力側及び出力側に延びる、前記電気光学ポリマの余長部と、
前記余長部と並走する前記接地電極と接続する第1のドープ層と、前記余長部と並走する前記信号電極と接続する第2のドープ層との間のスロットに前記余長部の一部が挿入されることで形成された、前記導波路と未接続の他の導波路と、
を有することを特徴とする光変調器。
【請求項10】
電気信号に対する信号処理を実行するプロセッサと、
光を発生させる光源と、
前記プロセッサから出力される電気信号を用いて、前記光源から発生する光を変調する光変調器とを有する光通信装置であって、
前記光変調器は、
導波路と、
前記導波路と並走する信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極と、
前記導波路内のスロットに一部が挿入され、前記電極からの高周波信号の駆動電圧に応じて前記導波路を通過する光に作用する電気光学ポリマの相互作用部と、
前記相互作用部の入力側及び出力側に延びる、前記電気光学ポリマの余長部と、
前記余長部と並走する前記接地電極と接続する第1のドープ層と、前記余長部と並走する前記信号電極と接続する第2のドープ層との間のスロットに前記余長部の一部が挿入されることで形成された、前記導波路と未接続の他の導波路と、
を有することを特徴とする光通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイス、光変調器及び光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は、従来の光変調器100の一例を示す平面模式図である。図17に示す光変調器100は、光導波路101と、信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造(CPW:Coplanar Waveguide)の電極102とを有する。光導波路101は、Nドープシリコン(以下、単にドープSiと称する)層105Aと、PドープSi層105Bとで構成するPN接合の光導波路である。光導波路101は、入力部101Aと、分岐部101Bと、2本の導波路101Cと、合波部101Dと、出力部101Eとを有する。入力部101Aは、光変調器100へ光を入力する光変調器100の入力部である。分岐部101Bは、入力部101Aからの光を光分岐し、分岐した光を2本の導波路101Cに出力する。2本の導波路101Cは、分岐部101Bからの光を導波すると共に、電極102間の電界に応じて導波する光に作用する光変調器100のアームである。合波部101Dは、2本の導波路101Cからの光を合波し、合波した光を出力する。出力部101Eは、合波部101Dからの光を出力する光変調器100の出力部である。
【0003】
電極102は、第1の接地電極102A1と、第1の信号電極102B1と、第2の接地電極102A2と、第2の信号電極102B2と、第3の接地電極102A3とを有するコプレーナ構造の電極である。
【0004】
第1の信号電極102B1は、第1の接地電極102A1と第2の接地電極102A2との間を並走した状態で配置される。第2の信号電極102B2は、第2の接地電極102A2と第3の接地電極102A3との間を並走した状態で配置される。
【0005】
2本の導波路101Cの内、第1の導波路101C1は、第1の接地電極102A1と第1の信号電極102B1との間の部位の下方に配置される光導波路である。2本の導波路101Cの内、第2の導波路101C2は、第2の信号電極102B2と第3の接地電極102A3との間の部位の下方に配置される光導波路である。
【0006】
光変調器100が高速変調を実行する際には、導波路101Cに沿って配置される信号電極102B1及び102B2に、例えば、数10GHzの帯域を有する高周波信号の駆動電圧が入力されることになる。
【0007】
図18は、図17に示すG-G線の略断面図である。図18に示す第1の導波路101C1側のアームは、シリコン基板131と、シリコン基板131上に積層されたSiOの中間層132と、中間層132上に形成された第1の導波路101C1とを有する。更に、第1の導波路101C1側のアームは、第1の導波路101C1を含む中間層132上に積層されるSiOのバッファ層133と、電極102とを有する。尚、電極102は、第1の接地電極102A1と、第1の信号電極102B1と、第2の接地電極102A2とを有する。
【0008】
第1の導波路101C1側のバッファ層133は、第1の接地電極102A1と第1の導波路101C1内のNドープSi層105Aとの間を電気的に接続するビア層106A1を有する。更に、バッファ層133は、第1の信号電極102B1と第1の導波路101C1のPドープSi層105Bとの間を電気的に接続するビア層106A2とを有する。
【0009】
また、図示しないが、第2の導波路101C2側のアームは、シリコン基板131と、SiOの中間層132と、第2の導波路101C2とを有する。更に、第2の導波路101C2側のアームは、SiOのバッファ層133と、電極102とを有する。尚、電極102は、第2の接地電極102A2と、第2の信号電極102B2と、第3の接地電極102A3とを有する。
【0010】
第2の導波路101C2側のバッファ層133は、第3の接地電極102A3と第2の導波路101C2のNドープSi層105Aとの間を電気的に接続するビア層106A1を有する。更に、第2の導波路101C2側のバッファ層133は、第2の信号電極102B2と第2の導波路101C2のPドープSi層105Bとの間を電気的に接続するビア層106A2を有する。
【0011】
光変調器100は、第1の信号電極102B1に高周波信号の駆動電圧が印加されると、第1の信号電極102B1と第1の接地電極102A1との間の第1の導波路101C1のPN接合のキャリア密度が変化する。光変調器100は、キャリア密度の変化に応じて第1の導波路101C1の屈折率が変化することで、第1の導波路101Cを導波する光の位相が変化する。同様に、光変調器100は、第2の信号電極102B2に高周波信号の駆動電圧が印加されると、第2の信号電極102B2と第3の接地電極102A3との間の第2の導波路101C2のPN接合のキャリア密度が変化する。光変調器100は、キャリア密度の変化に応じて第2の導波路101C2の屈折率が変化することで、第2の導波路101C2を導波する光の位相が変化する。その結果、光変調器100は、第1の導波路101C1からの位相変調後の光と第2の導波路101C2からの位相変調後の光とを合波部101Dで合波することで、光の位相差に応じた多値レベルの光の強度変化に変換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2021-026090号公報
【特許文献2】特開2021-015186号公報
【特許文献3】米国特許第6711308号明細書
【特許文献4】特開平8-054652号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2009/0269017号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の光変調器100の光導波路101は、シリコンのPN接合で構成するため、光の屈折率の変化が小さく、第1の信号電極102B1及び第2の信号電極102B2に印加する高周波信号の駆動電圧が大きくなるため、消費電力が増加してしまう。
【0014】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、消費電力を抑制しながら変調効率の向上を図る光デバイス等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願が開示する光デバイスは、1つの態様において、導波路と、電極と、電気光学ポリマの相互作用部と、電気光学ポリマの余長部と、他の導波路と、を有する。電極は、導波路と並走する信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極である。相互作用部は、導波路内のスロットに一部が挿入され、電極からの高周波信号の駆動電圧に応じて導波路を通過する光に作用する電気光学ポリマである。余長部は、相互作用部の入力側及び出力側に延びる電気光学ポリマである。他の導波路は、余長部と並走する接地電極と接続する第1のドープ層と、余長部と並走する信号電極と接続する第2のドープ層との間のスロットに余長部の一部が挿入されることで形成される、導波路と未接続の導波路である。
【発明の効果】
【0016】
本願が開示する光デバイス等の1つの態様によれば、消費電力を抑制しながら変調効率の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施例の光通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施例1の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図3図3は、図2に示す光変調器内のEOポリマの図示を省略した平面模式図である。
図4図4は、図2に示す第1の部位のA-A線の略断面図である。
図5図5は、図2に示す第2の部位のB-B線の略断面図である。
図6図6は、図2に示す第3の部位のC-C線の略断面図である。
図7図7は、図2に示す第4の部位のD-D線の略断面図である。
図8図8は、実施例2の光変調器の第1の部位のA-A線の略断面図である。
図9図9は、実施例3の光変調器の第1の部位のA-A線の略断面図である。
図10図10は、実施例4の光変調器の第3の部位のC-C線の略断面図である。
図11図11は、実施例4の光変調器の第3の部位内のEOポリマの図示を省略した平面模式図である。
図12図12は、実施例5の光変調器の第3の部位のC-C線の略断面図である。
図13図13は、比較例の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図14図14は、図13に示す光変調器内のEOポリマの図示を省略した平面模式図である。
図15図15は、図13に示す第1の部位のE-E線の略断面図である。
図16図16は、図13に示す第2の部位のF-F線の略断面図である。
図17図17は、従来の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図18図18は、図17に示すG-G線の略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【比較例】
【0018】
光変調器では、第1の信号電極及び第2の信号電極に印加する高周波信号の駆動電圧を抑制すべく、シリコンのPN接合の光導波路の代わりに、EOポリマを備えた光導波路を使用することが考えられる。図13は、比較例の光変調器50の構成の一例を示す平面模式図、図14は、図13に示す光変調器50内のEOポリマの図示を省略した平面模式図である。
【0019】
図13に示す比較例の光変調器50は、光導波路51と、信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極52とを有する。光導波路51は、2個のNドープSi層55Aで構成するスロット導波路である。光導波路51は、入力部51Aと、分岐部51Bと、2本の導波路51Cと、合波部51Dと、出力部51Eとを有する。入力部51Aは、光変調器50へ光を入力する光変調器50の入力部である。分岐部51Bは、入力部51Aからの光を光分岐し、分岐した光を2本の導波路51Cに出力する。2本の導波路51Cは、分岐部51Bからの光を導波すると共に、電極52間の電界に応じて導波する光に作用する光変調器50のアームである。合波部51Dは、分岐した2本の導波路51Cからの光を合波し、合波した光を出力する。出力部51Eは、合波部51Dからの光を出力する光変調器50の出力部である。
【0020】
電極52は、第1の接地電極52A1と、第1の信号電極52B1と、第2の接地電極52A2と、第2の信号電極52B2と、第3の接地電極52A3とを有するコプレーナ構造の電極である。第1の信号電極52B1は、第1の接地電極52A1と第2の接地電極52A2との間を並走した状態で配置される。第2の信号電極52B2は、第2の接地電極52A2と第3の接地電極52A3との間を並走した状態で配置される。
【0021】
2本の導波路51Cの内、第1の導波路51C1は、第1の接地電極52A1と第1の信号電極52B1との間の部位の下方に配置される光導波路である。第1の導波路51C1は、2個のNドープSi層55Aで構成するスロットを備えたスロット導波路である。第1の導波路51C1側のEOポリマ53は、入力側余長部53Aと、相互作用部53Bと、出力側余長部53Cとを有する。相互作用部53Bは、その一部が第1の導波路51C1内のスロットに挿入され、第1の信号電極52B1から第1の接地電極52A1への高周波信号の駆動電圧に応じて第1の導波路51C1を通過する光に作用するEOポリマである。入力側余長部53Aは、相互作用部53Bの入力側に延びるEOポリマである。出力側余長部53Cは、相互作用部53Bの出力側に延びるEOポリマである。入力側余長部53A及び出力側余長部53Cは光導波路51がない部位である。相互作用部53Bは、その一部がNドープSi層55A1とNドープSi層55A2との間のスロット内に注入されることで第1の導波路51C1を形成する。
【0022】
2本の導波路51Cの内、第2の導波路51C2は、第2の信号電極52B2と第3の接地電極52A3との間の部位の下方に配置される光導波路である。第2の導波路51C2は、2個のNドープSi層55Aで構成するスロットを備えたスロット導波路である。第2の導波路51C2側のEOポリマ53は、入力側余長部53Aと、相互作用部53Bと、出力側余長部53Cとを有する。相互作用部53Bは、その一部が第2の導波路51C2内のスロットに挿入され、第2の信号電極52B2から第3の接地電極52A3への高周波信号の駆動電圧に応じて第2の導波路51C2を通過する光に作用するEOポリマである。入力側余長部53Aは、相互作用部53Bの入力側に延びるEOポリマである。出力側余長部53Cは、相互作用部53Bの出力側に延びるEOポリマである。入力側余長部53A及び出力側余長部53Cの配置部位は光導波路51がない部位である。相互作用部53Bは、その一部がNドープSi層55A1とNドープSi層55A2との間のスロット内に注入されることで第2の導波路51C2を形成する。
【0023】
光変調器50は、第1の部位50Aと、第2の部位50Bと、第3の部位50Cとを有する。光変調器50は、光進行方向の入力から出力に向かって、第1の部位50A、第2の部位50B及び第3の部位50Cの順に配置するものとする。
【0024】
図15は、図13に示す第1の部位50AのE-E線の略断面図である。図15に示す第1の部位50Aは、EOポリマ53の入力側余長部53Aが配置された光変調器50の部位である。第1の導波路51C1側の第1の部位50Aは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成された第1の導波路51C1と、を有する。第1の導波路51C1側の第1の部位50Aは、第1の導波路51C1を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極52とを有する。尚、電極52は、第1の接地電極52A1と、第1の信号電極52B1と、第2の接地電極52A2とを有する。第1の導波路51C1側の第1の部位50Aは、第1の接地電極52A1と第1の信号電極52B1との間のバッファ層33内に形成された開口部33A1と、開口部33A1内に注入されたEOポリマ53である入力側余長部53Aとを有する。尚、EOポリマ53は、例えば、ディスペンサを使用して開口部33A1内に注入されることで入力側余長部53Aを形成することになる。
【0025】
第2の導波路51C2側の第1の部位50Aは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第2の接地電極12A2と、第2の信号電極12B2と、第3の接地電極12A3とを有する。第2の導波路51C2側の第1の部位20Aは、第3の接地電極12A3と第2の信号電極12B2との間のバッファ層33内に形成された開口部33A1と、開口部33A1内に注入されたEOポリマ53である入力側余長部53Aとを有する。尚、EOポリマ53は、例えば、ディスペンサを使用して開口部33A1内に注入されることで入力側余長部53Aを形成することになる。
【0026】
図16は、図13に示す第2の部位50BのF-F線の略断面図である。図16に示す第2の部位50Bは、EOポリマ53の相互作用部53Bが配置される光変調器50の部位である。第1の導波路51C1側の第2の部位50Bは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成された第1の導波路51C1と、を有する。第1の導波路51C1側の第2の部位50Bは、第1の導波路51C1を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極52とを有する。尚、電極52は、第1の接地電極52A1と、第1の信号電極52B1と、第2の接地電極52A2とを有する。
【0027】
第1の導波路51C1側の第2の部位50Bは、第1の接地電極52A1とNドープSi層55A1との間を電気的に接合するビア層56A1(56)を有する。第1の導波路51C1側の第2の部位50Bは、第1の信号電極52B1とNドープSi層55A2との間を電気的に接合するビア層56A2(56)を有する。第1の導波路51C1側の第2の部位20Bは、第1の接地電極52A1と第1の信号電極52B1との間のバッファ層33内に形成された開口部33A1と、開口部33A1内に注入されたEOポリマ53である相互作用部53Bとを有する。第1の導波路51C1は、相互作用部53Bの一部がスロット内に挿入された状態の導波路である。
【0028】
第2の導波路51C2側の第2の部位50Bは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成された第2の導波路51C2と、を有する。第2の導波路51C2側の第2の部位50Bは、第2の導波路51C2を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極52とを有する。尚、電極52は、第2の接地電極52A2と、第2の信号電極52B2と、第3の接地電極52A3とを有する。
【0029】
第2の導波路51C2側の第2の部位50Bは、第3の接地電極52A3とNドープSi層55A1との間を電気的に接合するビア層56A1(56)を有する。第2の導波路51C2側の第2の部位50Bは、第2の信号電極52B2とNドープSi層55A2との間を電気的に接合するビア層56A2(56)を有する。第2の導波路51C2側の第2の部位50Bは、第3の接地電極52A3と第2の信号電極52B2との間のバッファ層33に形成された開口部33A1と、開口部33A1に内に注入されたEOポリマ53である相互作用部53Bとを有する。第2の導波路11C2は、相互作用部53Bの一部がスロット内に挿入された状態の導波路である。
【0030】
光変調器50は、光導波路51内のスロット内にEOポリマ53を使用するため、光導波路51を導波する光の屈折率の変化が高くなる。そして、光変調器50は、第1の信号電極52B1に高周波信号の駆動電圧が印加されると、第1の信号電極52B1と第1の接地電極52A1との間の第1の導波路51C1の屈折率が変化することで、第1の導波路51C1を導波する光の位相が変化する。同様に、光変調器50は、第2の信号電極52B2に高周波信号の駆動電圧が印加されると、第2の信号電極52B2と第3の接地電極52A3との間の第2の導波路51C2の屈折率が変化することで、第2の導波路51C2を導波する光の位相が変化する。その結果、光変調器50は、第1の導波路51C1からの位相変調後の光と第2の導波路51C2からの位相変調後の光とを合波部51Dで合波することで、光の位相差に応じた多値レベルの光の強度変化に変換することができる。
【0031】
比較例の光変調器50では、光導波路51内のスロット内にEOポリマ53を使用するため、光導波路51を導波する光の屈折率の変化が高くなる。その結果、第1の信号電極52B1及び第2の信号電極52B2に印加する高周波信号の駆動電圧を小さくできるため、消費電力を抑制できる。
【0032】
比較例の光変調器50では、光導波路51内のNドープSi層55A間のスロット内をEOポリマ53で埋めるためにはバッファ層33内に開口部33A1をエッチングし、開口部33A1内にEOポリマ53を注入する必要がある。
【0033】
EOポリマ53の注入はディスペンサで行うが、注入開始点と注入終了点においてEOポリマが厚くなる入力側余長部53A及び出力側余長部53Cが形成されることになる。尚、入力側余長部53A及び出力側余長部53Cは厚くなる構造であるため、光導波路に応力が加わることになる。そこで、比較例の光変調器50では、入力側余長部53A及び出力側余長部53Cの部位には光導波路がない構造にしている。
【0034】
しかしながら、例えば、EOポリマ53に電界を加える相互作用部53Bでは、NドープSi層55Aの間に電界が集中するため特性インピーダンスが50Ωになっている。これに対して、入力側余長部53A及び出力側余長部53Cでは、NドープSi層55Aがなく、第1の接地電極52A1と第1の信号電極52B1との間の広い部分に電界が加わることになる。従って、電界が広がることで特性インピーダンスが50Ωよりも大きくなる。その結果、出力側余長部53C(入力側余長部53A)と相互作用部53Bとの間の接合点でインピーダンスが急激に変化してインピーダンスのミスマッチが生じる。そして、インピーダンスのミスマッチによって高周波信号が反射するため、反射した高周波信号の影響で変調帯域が狭くなる。
【0035】
従って、EOポリマを使用した場合でも、例えば、出力側余長部53Cと相互作用部53Bとの間のインピーダンスのミスマッチの度合を抑制できる光変調器の実施の形態につき、実施例1として以下に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例0036】
図1は、本実施例の光通信装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す光通信装置1は、出力側の光ファイバ2A(2)及び入力側の光ファイバ2B(2)と接続する。光通信装置1は、DSP(Digital Signal Processor)3と、光源4と、光変調器5と、光受信器6とを有する。DSP3は、デジタル信号処理を実行する電気部品である。DSP3は、例えば、送信データの符号化等の処理を実行し、送信データを含む電気信号を生成し、生成した電気信号を光変調器5に出力する。また、DSP3は、受信データを含む電気信号を光受信器6から取得し、取得した電気信号の復号等の処理を実行して受信データを得る。
【0037】
光源4は、例えば、レーザダイオード等を備え、所定の波長の光を発生させて光変調器5及び光受信器6へ供給する。光変調器5は、DSP3から出力される電気信号によって、光源4から供給される光を変調し、得られた光送信信号を光ファイバ2Aに出力する光デバイスである。光変調器5は、例えば、光導波路11とコプレーナ(CPW:Coplanar Waveguide)構造の電極12とを備えるSi光変調器等の光デバイスである。光導波路11は、例えば、Si結晶の基板で形成される。光変調器5は、光源4から供給される光が光導波路11を伝搬する際に、この光を電極12内の信号電極へ入力される電気信号によって変調することで、送信光を生成する。
【0038】
光受信器6は、光ファイバ2Bから受信光を受信し、光源4から供給される局発光を用いて受信光を復調する。そして、光受信器6は、復調した受信光を電気信号に変換し、変換後の電気信号をDSP3に出力する。
【0039】
図2は、実施例1の光変調器5の構成の一例を示す平面模式図、図3は、図2に示す光変調器5内のEOポリマの図示を省略した平面模式図である。図2に示す光変調器5は、光導波路11と、光導波路11と並走する信号電極及び接地電極を含むコプレーナ構造の電極12と、光導波路11内のスロットに挿入されるEOポリマ13とを有する。
【0040】
光導波路11は、2個のNドープSi層15Aで構成するスロット導波路である。光導波路11は、入力部11Aと、分岐部11Bと、2本の導波路11Cと、合波部11Dと、出力部11Eとを有する。入力部11Aは、光源4からの光を入力する光変調器5の入力部である。分岐部11Bは、入力部11Aからの光を光分岐し、分岐した光を2本の導波路11Cに出力する。2本の導波路11Cは、分岐部11Bからの光を導波すると共に、電極12間の電界に応じて導波する光に作用する光変調器5のアームである。合波部11Dは、分岐した2本の導波路11Cからの光を合波し、合波した光を出力する。出力部11Eは、合波部11Dからの光を出力する光変調器5の出力部である。尚、アームとなる2本の導波路11Cは、例えば、NドープSi層で形成するが、2本の導波路11C以外の光導波路11の部分はドープなしのSi層で形成するものとする。
【0041】
電極12は、例えば、アルミニウムの材料で構成する。電極12は、第1の接地電極12A1と、第1の信号電極12B1と、第2の接地電極12A2と、第2の信号電極12B2と、第3の接地電極12A3とを有するコプレーナ構造の電極である。第1の信号電極12B1は、第1の接地電極12A1と第2の接地電極12A2との間を並走した状態で配置される。第2の信号電極12B2は、第2の接地電極12A2と第3の接地電極12A3との間を並走した状態で配置される。
【0042】
2本の導波路11Cの内、第1の導波路11C1は、第1の接地電極12A1と第1の信号電極12B1との間の部位の下方に配置される光導波路である。第1の導波路11C1は、2個のNドープSi層15Aで構成するスロットを備えたスロット導波路である。
【0043】
第1の導波路11C1側のEOポリマ13は、入力側余長部13Aと、相互作用部13Bと、出力側余長部13Cと、境界部13Dとを有する。相互作用部13Bは、第1の導波路11C1内のスロットに一部が挿入され、第1の信号電極12B1から第1の接地電極12A1への高周波信号の駆動電圧に応じて第1の導波路11C1を通過する光に作用するEOポリマである。入力側余長部13Aは、相互作用部13Bの入力側に延びるEOポリマである。出力側余長部13Cは、相互作用部13Bの出力側に延びるEOポリマである。境界部13Dは、相互作用部13Bと出力側余長部13Cとの間のEOポリマである。
【0044】
入力側余長部13A及び境界部13Dの配置部位は光導波路11がない部位である。相互作用部13Bは、その一部が第1のドープ層であるNドープSi層15A1と第2のドープ層であるNドープSi層15A2との間のスロット内に注入されることで第1の導波路11C1を形成する。更に、出力側余長部13Cは、NドープSi層15A1とNドープSi層15A2との間のスロット内に形成されたEOポリマ13で第1の導波路11C1と未接続の他の導波路であるダミー導波路17を形成する。ダミー導波路17は、光を通過するものではなく、第1の接地電極12A1と接続するNドープSi層15A1と、第1の信号電極12B1と接続するNドープSi層15A2との間で電界が集中させるための導波路である。その結果、ダミー導波路17に作用する電界と、第1の導波路11C1に作用する電界とが近くなることで、特性インピーダンスの変化を抑制できる。
【0045】
2本の導波路11Cの内、第2の導波路11C2は、第2の信号電極12B2と第3の接地電極12A3との間の部位の下方に配置される光導波路である。第2の導波路11C2は、2個のNドープSi層15Aで構成するスロットを備えたスロット導波路である。
【0046】
第2の導波路11C2側のEOポリマ13も、入力側余長部13Aと、相互作用部13Bと、出力側余長部13Cと、境界部13Dとを有する。相互作用部13Bは、その一部が第2の導波路11C2内のスロットに挿入され、第2の信号電極12B2から第3の接地電極12A3への高周波信号の駆動電圧に応じて第2の導波路11C2を通過する光に作用するEOポリマである。入力側余長部13Aは、相互作用部13Bの入力側に延びるEOポリマである。出力側余長部13Cは、相互作用部13Bの出力側に延びるEOポリマである。境界部13Dは、相互作用部13Bと出力側余長部13Cとの間のEOポリマである。
【0047】
入力側余長部13A及び境界部13Dの配置部位は光導波路11がない部位である。相互作用部13Bは、その一部がNドープSi層15A1とNドープSi層15A2との間のスロット内に注入されることで第2の導波路11C2を形成する。更に、出力側余長部13Cは、NドープSi層15A1とNドープSi層15A2との間のスロット内に形成されたEOポリマ13で第2の導波路11C2と未接続のダミー導波路17を形成する。ダミー導波路17は、光を通過するものではなく、第3の接地電極12A3と接続するNドープSi層15A1と、第2の信号電極12B2と接続するNドープSi層15A2との間で電界が集中させるための導波路である。その結果、ダミー導波路17に作用する電界と、第2の導波路11C2に作用する電界とが近くなることで、特性インピーダンスの変化を抑制できる。
【0048】
光変調器5は、第1の部位20Aと、第2の部位20Bと、第3の部位20Cと、第4の部位20Dと、を有する。光変調器5は、光進行方向の入力から出力に向かって、第1の部位20A、第2の部位20B、第3の部位20C及び第4の部位20Dの順に配置するものとする。
【0049】
図4は、図2に示す第1の部位20AのA-A線の略断面図である。図4に示す第1の部位20Aは、EOポリマ13の入力側余長部13Aが配置された光変調器5の部位である。第1の導波路11C1側の第1の部位20Aは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第1の接地電極12A1と、第1の信号電極12B1と、第2の接地電極12A2とを有する。
【0050】
第1の導波路11C1側の第1の部位20Aは、第1の接地電極12A1と第1の信号電極12B1との間のバッファ層33内に形成された開口部33Aと、開口部33A内に注入されたEOポリマ13である入力側余長部13Aとを有する。尚、EOポリマ13は、例えば、ディスペンサを使用して開口部33A内に注入されることで入力側余長部13Aを形成することになる。
【0051】
第2の導波路11C2側の第1の部位20Aは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第2の接地電極12A2と、第2の信号電極12B2と、第3の接地電極12A3とを有する。第2の導波路11C2側の第1の部位20Aは、第3の接地電極12A3と第2の信号電極12B2との間のバッファ層33内に形成された開口部33Aと、開口部33A内に注入されたEOポリマ13である入力側余長部13Aとを有する。尚、EOポリマ13は、例えば、ディスペンサを使用して開口部33A内に注入されることで入力側余長部13Aを形成することになる。
【0052】
図5は、図2に示す第2の部位20BのB-B線の略断面図である。図5に示す第2の部位20Bは、EOポリマ13の相互作用部13Bが配置される光変調器5の部位である。第1の導波路11C1側の第2の部位20Bは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成された第1の導波路11C1と、を有する。更に、第1の導波路11C1側の第2の部位20Bは、第1の導波路11C1を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第1の接地電極12A1と、第1の信号電極12B1と、第2の接地電極12A2とを有する。
【0053】
第1の導波路11C1側の第2の部位20Bは、第1の接地電極12A1とNドープSi層15A1との間を電気的に接合するビア層16A1(16)を有する。ビア層16は、電極12と同一の材料、例えば、アルミニウムで構成する。第1の導波路11C1側の第2の部位20Bは、第1の信号電極12B1とNドープSi層15A2との間を電気的に接合するビア層16A2(16)を有する。第1の導波路11C1側の第2の部位20Bは、第1の接地電極12A1と第1の信号電極12B1との間のバッファ層33内に形成された開口部33Aと、開口部33A内に注入されたEOポリマ13である相互作用部13Bとを有する。第1の導波路11C1は、第1の接地電極12A1と接続するNドープSi層15A1と、第1の信号電極12B1と接続するNドープSi層15A2との間のスロット内に相互作用部13Bの一部が挿入された状態のスロット導波路である。
【0054】
第2の導波路11C2側の第2の部位20Bは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成された第2の導波路11C2と、を有する。第2の導波路11C2側の第2の部位20Bは、第2の導波路11C2を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第2の接地電極12A2と、第2の信号電極12B2と、第3の接地電極12A3とを有する。
【0055】
第2の導波路11C2側の第2の部位20Bは、第3の接地電極12A3とNドープSi層15A1との間を電気的に接合するビア層16A1(16)を有する。第2の導波路11C2側の第2の部位20Bは、第2の信号電極12B2とNドープSi層15A2との間を電気的に接合するビア層16A2(16)を有する。第2の導波路11C2側の第2の部位20Bは、第3の接地電極12A3と第2の信号電極12B2との間のバッファ層33に形成された開口部33Aと、開口部33Aに内に注入されたEOポリマ13である相互作用部13Bとを有する。第2の導波路11C2は、第3の接地電極12A3と接続するNドープSi層15A1と、第2の信号電極12B2と接続するNドープSi層15A2との間のスロット内に相互作用部13Bの一部が挿入された状態のスロット導波路である。
【0056】
図6は、図2に示す第3の部位20CのC-C線の略断面図である。図6に示す第3の部位20Cは、EOポリマ13の境界部13Dが配置された光変調器5の部位である。第1の導波路11C1側の第3の部位20Cは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第1の接地電極12A1と、第1の信号電極12B1と、第2の接地電極12A2とを有する。第1の導波路11C1側の第3の部位20Cは、第1の接地電極12A1と第1の信号電極12B1との間のバッファ層33内に形成された開口部33Aと、開口部33A内に挿入されたEOポリマ13である境界部13Dと、第1の導波路11C1とを有する。
【0057】
第2の導波路11C2側の第3の部位20Cは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第2の接地電極12A2と、第2の信号電極12B2と、第3の接地電極12A3とを有する。第2の導波路11C2側の第3の部位20Cは、第3の接地電極12A3と第2の信号電極12B2との間のバッファ層33内に形成された開口部33Aと、開口部33A内に挿入されたEOポリマ13である境界部13Dと、第2の導波路11C2とを有する。
【0058】
図7は、図2に示す第4の部位20DのD-D線の略断面図である。図7に示す第4の部位20Dは、EOポリマ13の出力側余長部13Cに配置された光変調器5の部位である。第1の導波路11C1側の第4の部位20Dは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成されたダミー導波路17と、を有する。第1の導波路11C1側の第4の部位20Dは、ダミー導波路17を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第1の接地電極12A1と、第1の信号電極12B1と、第2の接地電極12A2とを有する。
【0059】
第1の導波路11C1側の第4の部位20Dは、第1の接地電極12A1とNドープSi層15A1との間を電気的に接合するビア層16B1(16)を有する。第1の導波路11C1側の第4の部位20Dは、第1の信号電極12B1とNドープSi層15A2との間を電気的に接合するビア層16B2(16)を有する。第1の導波路11C1側の第4の部位20Dは、第1の接地電極12A1と第1の信号電極12B1との間のバッファ層33内に形成された開口部33Aと、開口部33A内に挿入されたEOポリマ13である出力側余長部13Cと、ダミー導波路17とを有する。ダミー導波路17は、第1の接地電極12A1と接続するNドープSi層15A1と、第1の信号電極12B1と接続するNドープSi層15A2との間のスロット内に出力側余長部13Cの一部が挿入された状態のスロット導波路である。ダミー導波路17は、第1の導波路11C1と電気的に接続しない状態の導波路である。
【0060】
第2の導波路11C2側の第4の部位20Dは、シリコン基板31と、シリコン基板31上に積層されたSiOの中間層32と、中間層32上に形成されたダミー導波路17と、を有する。第2の導波路11C2側の第4の部位20Dは、ダミー導波路17を含む中間層32上に積層されるSiOのバッファ層33と、電極12とを有する。尚、電極12は、第2の接地電極12A2と、第2の信号電極12B2と、第3の接地電極12A3とを有する。
【0061】
第2の導波路11C2側の第4の部位20Dは、第3の接地電極12A3とNドープSi層15A1との間を電気的に接合するビア層16B1(16)を有する。第2の導波路11C2側の第4の部位20Dは、第2の信号電極12B2とNドープSi層15A2との間を電気的に接合するビア層16B2(16)を有する。第2の導波路11C2側の第4の部位20Dは、第3の接地電極12A3と第2の信号電極12B2との間のバッファ層33に形成された開口部33Aと、開口部33Aに内に挿入されたEOポリマ13である出力側余長部13Cと、ダミー導波路17とを有する。ダミー導波路17は、第3の接地電極12A3と接続するNドープSi層15A1と、第2の信号電極12B2と接続するNドープSi層15A2との間のスロット内に出力側余長部13Cの一部が挿入された状態のスロット導波路である。ダミー導波路17は、第2の導波路11C2と電気的に接続しない状態の導波路である。
【0062】
実施例1の第4の部位20Dは、第1の接地電極12A1と接続するNドープSi層15A1と、第1の信号電極12B1と接続するNドープSi層15A2との間のスロットに挿入される出力側余長部13Cの一部で形成されたダミー導波路17を有する。出力側余長部13Cが配置された第4の部位20Dは、相互作用部13B内の光導波路11と同様に、第1の信号電極12B1から第1の接地電極12A1への高周波信号の駆動電圧に応じて電界が集中するダミー導波路17を配置した。その結果、相互作用部13Bの特性インピーダンスと出力側余長部13Cの特性インピーダンスとのミスマッチの度合が抑制されるため、高周波信号の反射が抑制されて、変調帯域が広がることになる。
【0063】
NドープSi層15はアルミニウムの電極12に比較して電気抵抗が大きいため、NドープSi層15間に電界を加えると、電極12に印加する高周波信号の伝搬損失が大きくなる。そこで、NドープSi層15を配置するのは出力側余長部13Cが配置された第4の部位20Dのみとし、入力側余長部13Aが配置される第1の部位20AにはNドープSi層15を配置しないものとする。
【0064】
尚、実施例1の光変調器5の入力側余長部13Aが配置される第1の部位20Aでは、第1の接地電極12A1及び第1の信号電極12B1のアルミニウム電極で構成する場合を例示した。しかしながら、第1の部位20Aは、第1の接地電極12A1及び第1の信号電極12B1をアルミニウム電極で構成した場合、特性インピーダンスが高くなる。その結果、第1の部位20Aと第2の部位20Bとの間でインピーダンスがミスマッチし、高周波信号の反射が生じる。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【実施例0065】
図8は、実施例2の光変調器5の第1の部位20A1のA-A線の略断面図である。図8に示す第1の導波路11C1側の第1の部位20A1は、第1の接地電極12A1に電気的に接合するビア層16C1と、第1の信号電極12B1に電気的に接合するビア層16C2とを有する。ビア層16C1は、相互作用部13Bが配置された第2の部位20Bの第1の接地電極12A1と電気的に接合するビア層16A1と同一断面構造のアルミニウムのビア層である。ビア層16C2は、相互作用部13Bが配置された第2の部位20Bの第1の信号電極12B1と電気的に接合するビア層16A2と同一断面構造のアルミニウムのビア層である。ビア層16C1及び16C2は第2のビア層、ビア層16A1及び16A2は第1のビア層である。
【0066】
更に、第2の導波路11C2側の第1の部位20A1も、第3の接地電極12A3に接続するビア層16C1と、第2の信号電極12B2に接続するビア層16C2とを有する。ビア層16C1は、相互作用部13Bの第3の接地電極12A3と電気的に接合するビア層16A1と同一断面構造のアルミニウムのビア層である。ビア層16C2は、相互作用部13Bの第2の信号電極12B2と電気的に接合するビア層16A2と同一断面構造のアルミニウムのビア層である。
【0067】
実施例2の光変調器5内の入力側余長部13Aに並走する電極12は、相互作用部13Bに並走する電極12と接続するビア層16A1,16A2と同一断面構造のアルミニウムのビア層16C1、16C2と接続する。その結果、入力側余長部13Aが配置される第1の部位20Aと相互作用部13Bが配置される第2の部位20Bとが同一材料及び同一断面構造の電極及びビア層で構成するため、入力側余長部13Aでの第1の部位20Aの特性インピーダンスが低下する。従って、第1の部位20Aと第2の部位20Bとの間のインピーダンスのミスマッチの度合を抑制することで、高周波信号の反射を抑制して、変調帯域を広げることができる。
【0068】
尚、説明の便宜上、実施例2の第1の部位20A1のビア層16C1,16C2と第2の部位20Bのビア層16A1,16A2とが同一断面構造とする場合を例示したが、これに限定されるものではなく、断面積が近くなればよく、適宜変更可能である。
【0069】
また、実施例2の光変調器5の第1の部位20A1では、電極12と電気的に接合するビア層16を配置する場合を例示したが、NドープSi層と接続しないビア層16の製造が困難な場合も考えられる。そこで、NドープSi層と接続するビア層16を備えた第1の部位20A1の実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。尚、実施例2の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【実施例0070】
図9は、実施例3の光変調器5の第1の部位20A2のA-A線の略断面図である。図9に示す第1の導波路11C1側の第1の部位20A2は、NドープSi層15B1と、第1の接地電極12A1とNドープSi層15B1との間を電気的に接合するビア層16C1と、を有する。第1の導波路11C1側の第1の部位20A2は、NドープSi層15B2と、第1の信号電極12B1とNドープSi層15B2との間を電気的に接合するビア層16C2と、を有する。
【0071】
ビア層16C1は、相互作用部13Bの第1の接地電極12A1と電気的に接合するビア層16A1と同一断面構造のビア層である。NドープSi層15B1は、相互作用部13Bの第1の接地電極12A1と接続するビア層16A1と接続するNドープSi層15A1と同一断面構造のNドープSi層である。ビア層16C2は、相互作用部13Bの第1の信号電極12B1と電気的に接合するビア層16A2と同一断面構造のビア層である。NドープSi層15B2は、相互作用部13Bの第1の信号電極12B1と接続するビア層16A2と接続するNドープSi層15A2と同一断面構造のNドープSi層である。しかも、第3のドープ層であるNドープSi層15B1と第4のドープ層であるNドープSi層15B2との間が十分に離れているため、高周波信号の伝搬損失の劣化を抑制できる。ビア層16C1及び16C2は第2のビア層である。
【0072】
更に、第2の導波路11C2側の第1の部位20A1も、NドープSi層15B1と、第3の接地電極12A3とNドープSi層15B1との間を電気的に接合するビア層16C1と、を有する。第2の導波路11C2側の第1の部位20A1も、NドープSi層15B2と、第2の信号電極12B2とNドープSi層15B2との間を電気的に接合するビア層16C2と、を有する。ビア層16C1は、相互作用部13Bの第3の接地電極12A3と電気的に接合するビア層16A1と同一断面構造のビア層である。NドープSi層15B1は、相互作用部13Bの第3の接地電極12A3と接続するビア層16A1と接続するNドープSi層15A1と同一断面構造のNドープSi層である。ビア層16C2は、相互作用部13Bの第2の信号電極12B2と電気的に接合するビア層16A2と同一断面構造のビア層である。NドープSi層15B2は、相互作用部13Bの第2の信号電極12B2と接続するビア層16A2と接続するNドープSi層15A2と同一断面構造のNドープSi層である。しかも、NドープSi層15B1とNドープSi層15B2との間が十分に離れているため、高周波信号の伝搬損失の劣化を抑制できる。
【0073】
実施例3の入力側余長部13Aに並走する電極12は、相互作用部13Bに並走する電極12と接続するビア層16A1,16A2及びNドープSi層15A1,15A2と同一断面構造のビア層16C1、16C2及びNドープSi層15B1,15B2と接続する。その結果、第1の部位20Aは、第2の部位20Bと同様にNドープSi層と接続するビア層を有するため、製造し易くなる。
【0074】
尚、実施例1の光変調器5内の第3の部位20Cでは、導波路11Cが合波部11Dに向かってEOポリマ13から徐々に離れていくのに伴い、NドープSi層15がその部分で途切れることになる。そして、NドープSi層15が途切れた部分ではインピーダンスが増加するが、その特性インピーダンスのミスマッチが生じるため、変調帯域の劣化に影響する。そこで、このような事態に対処すべく、その実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【実施例0075】
図10は、実施例4の光変調器5の第3の部位20C1のC-C線の略断面図、図11は、実施例4の光変調器5の第3の部位20C1内のEOポリマ13の図示を省略した平面模式図である。図10に示す第1の導波路11C1側の第3の部位20C1は、第5のドープ層であるNドープSi層15C1と、第6のドープ層であるNドープSi層15C2と、を有する。第1の導波路11C1側の第3の部位20C1は、第1の接地電極12A1とNドープSi層15C1との間を電気的に接合する第3のビア層であるビア層16D(16)を有する。第1の導波路11C1側の第3の部位20C1は、第1の導波路11C1と合波部11Dとの間の部分11F1(11F)と、第1のダミー導波路17Aと、を有する。尚、部分11F1は、ドープなしのSi層で形成するため、第1のダミー導波路17Aの電界の影響を抑制できる。
【0076】
第1のダミー導波路17Aは、NドープSi層15C1とNドープSi層15C2との間のスロット内に境界部13Dの一部が挿入された状態のスロット導波路である。尚、第1の接地電極12A1とNドープSi層15C1との間をビア層16Dで接続するもののの、第1の信号電極12B1とNドープSi層15C2との間をビア層で接続しているものではない。第1のダミー導波路17Aの厚さは、第1の導波路11C1の厚さに比較して薄くした。
【0077】
第2の導波路11C2側の第3の部位20C1は、NドープSi層15C1と、NドープSi層15C2と、第3の接地電極12A3とNドープSi層15C1との間を電気的に接合するビア層16D(16)と、を有する。第2の導波路11C2側の第3の部位20C1は、第2の導波路11C2と合波部11Dとの間の部分11F2と、第1のダミー導波路17Aと、を有する。尚、部分11F2は、ドープなしのSi層で形成するため、第1のダミー導波路17Aの電界の影響を抑制できる。
【0078】
第1のダミー導波路17Aは、NドープSi層15C1とNドープSi層15C2との間のスロット内に境界部13Dの一部が挿入された状態のスロット導波路である。尚、第3の接地電極12A3とNドープSi層15C1との間をビア層16Dで接続するもののの、第2の信号電極12B2とNドープSi層15C2との間をビア層で接続しているものではない。第1のダミー導波路17Aの厚さは、第2の導波路11C2の厚さに比較して薄くした。
【0079】
実施例4の光変調器5の第3の部位20C1は、導波路11Cと合波部11Dとの間のドープなしSi層で形成した部分11Fと、第1のダミー導波路17Aと、を有する。更に、第1のダミー導波路17Aの厚さは、光導波路11の部分11Fの厚さに比較して薄くする構造にした。部分11Fは導波路11Cから合波部11Dに向かってEOポリマ13から徐々に離しつつ、NドープSi層15C2から部分11Fに光が移らないようにNドープSi層15C1、15C2間に電界を集中させてインピーダンスのミスマッチを回避できる。
【0080】
第3の部位20C1は、ビア層16Dを介して第1の接地電極12A1と接続するNドープSi層15C1とNドープSi層15C2との間のスロット内に境界部13Dの一部が挿入される第1のダミー導波路17Aを有する。その結果、第3の部位20C1の特性インピーダンスと第2の部位20Bの特性インピーダンスとのインピーダンスのミスマッチの度合を抑制できる。
【0081】
尚、実施例4の光変調器5内の第3の部位20C1では、NドープSi層15C1とNドープSi層15C2との間のスロット内に境界部13Dの一部を挿入した状態で第1のダミー導波路17Aを形成する場合を例示した。しかしながら、薄いNドープSi層15C1、15C2間にスロットを設けることが困難な場合も考えられる。そこで、このような事態に対処すべく、その実施の形態につき、実施例5として以下に説明する。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【実施例0082】
図12は、実施例5の光変調器5の第3の部位20C2のC-C線の略断面図である。図12に示す第1の導波路11C1側の第3の部位20C2内の第1のダミー導波路17Bは、ビア層16D及び境界部13Dの下方に電気的に接続されたSi層15Dで形成する。そして、ビア層16Dと接続するSi層15Dを第5のドープ層であるNドープSi層15D1、境界部13Dの一部と接続するSi層15Dを第6のドープ層であるNドープSi層15D2とする。更に、NドープSi層15D1とNドープSi層15D1との間のSi層15DをドープなしSi層15D3とする。その結果、第1のダミー導波路17Bは誘電体として機能することになるため、ドープなしSi層15D3を調整することで特性インピーダンスを調整できる。
【0083】
第2の導波路11C2側の第3の部位20C2内の第1のダミー導波路17Bは、ビア層16D及び境界部13Dの下方に電気的に接続されたSi層15Dで形成する。そして、ビア層16Dと接続するSi層15DをNドープSi層15D1、境界部13Dの一部と接続するSi層15DをNドープSi層15D2、NドープSi層15D1とNドープSi層15D1との間のSi層15DをドープなしSi層15D3とする。その結果、第1のダミー導波路17Bは誘電体として機能することになるため、ドープなしSi層15D3を調整することで特性インピーダンスを調整できる。
【0084】
実施例5の光変調器5内の第1のダミー導波路17Bは、NドープSi層15D1とNドープSi層15D2との間にドープなしのSi層15D3を配置することで形成した。その結果、実施例4のようにスロットを形成する必要がないため、Si層15Dが薄くても、第1のダミー導波路17Bを容易に製造できる。
【0085】
尚、説明の便宜上、電極12に印加する高周波信号の伝搬損失を考慮して光変調器5の第4の部位20D内にのみダミー導波路17を形成する場合を例示した。しかしながら、電極12に印加する高周波信号の伝搬損失を補償する別の手段を講じるのであれば、光変調器5の第1の部位20A内のNドープSi層15A間のスロット内に注入された入力側余長部13Aの一部でダミー導波路17を形成しても良い。
【0086】
光導波路11及びダミー導波路17をNドープSi層15で構成する場合を例示したが、NドープSi層15の代わりに、PドープSi層で構成しても良く、適宜変更可能である。また、Si層を例示したが、例えば、SiGe層でも良く、適宜変更可能である。
【0087】
尚、上記実施例1~実施例5の光変調器5では、第1の接地電極12A1、第1の信号電極12B1、第2の接地電極12A2、第2の信号電極12B2及び第3の接地電極12A3を有するGSG構造の光変調器を例示した。しかしながら、この構造に限定されるものではなく、GSSG構造の光変調器でも良く、適宜変更可能である。
【0088】
上記実施例1の光変調器5では、3本の接地電極及び2本の信号電極を有するGSG構造の場合を例示したが、接地電極及び信号電極の本数は、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0089】
電極12は、例えば、アルミニウムで構成する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、金、銀や銅等の材料で構成しても良く、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 光通信装置
3 DSP
4 光源
5 光変調器
11 光導波路
11C1 第1の導波路
11C2 第2の導波路
12 電極
12A1 第1の接地電極
12A2 第2の接地電極
12A3 第3の接地電極
12B1 第1の信号電極
12B2 第2の信号電極
13 EOポリマ
13A 入力側余長部
13B 相互作用部
13C 出力側余長部
13D 境界部
15、15A1,15A2,15B1,15B2 NドープSi層
16、16A1,16A2,16C1,16C2 ビア層
17 ダミー導波路
17A、17B 第1のダミー導波路
20A 第1の部位
20B 第2の部位
20C 第3の部位
20D 第4の部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図17
図18