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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140994
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】作業装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20230928BHJP
   A01D 34/64 20060101ALI20230928BHJP
   A01D 34/835 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G01V3/12 B
A01D34/64
A01D34/835
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047098
(22)【出願日】2022-03-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/(ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発 課題B 新型コロナウイルス感染症対策“新しい生活様式”を実現するためのICT)(3密回避を実現するドローンAI協調型海ごみ自動回収運搬ロボットの開発)」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000147693
【氏名又は名称】株式会社石井製作所
(71)【出願人】
【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】園田 潤
(72)【発明者】
【氏名】石井 智久
【テーマコード(参考)】
2B083
2G105
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083CA28
2B083HA01
2G105AA02
2G105BB11
2G105CC01
2G105DD02
2G105LL02
(57)【要約】
【課題】地中を探査する場所が雑草などの対象物により覆われていても、地中探査までの作業時間を短くできる構成を提供する。
【解決手段】走行機体3は、走行駆動される走行装置2を有する。刈取部20は、走行機体3に設けられ、対象物を刈り取る。地中探査装置102は、走行機体3の走行方向に関して刈取部20の後方に配置され、走行機体3と共に移動して電磁波により地中の埋設物を探査する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行駆動される走行部を有する機体と、
前記機体に設けられ、対象物を刈り取る刈取部と、
前記機体の走行方向に関して前記刈取部の後方に配置され、前記機体と共に移動して電磁波により地中の埋設物を探査する地中探査部と、を備えた
ことを特徴とする作業装置。
【請求項2】
前記地中探査部は、前記走行方向に関して前記機体の後方に牽引部材により接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の作業装置。
【請求項3】
前記刈取部は、前記走行方向に関して前記機体の前方に設けられており、
前記走行部は、前記走行方向に直交する前記機体の幅方向両側に設けられた一対の回転体であり、
前記地中探査部は、前記幅方向に関して前記一対の回転体の間に昇降自在に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の作業装置。
【請求項4】
前記地中探査部は、前記機体と共に移動することで地面と摺動する摺動部と、前記摺動部に搭載されて、前記摺動部を介して地中に電磁波を放射するレーダ部と、前記摺動部を地面に押し付ける力を変更するための錘を搭載可能な搭載部と、を有する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中の埋設物を探査する地中探査部を備えた作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地中の埋設物を探査する地中探査装置に関する構成が開示されている。一方、特許文献2には、走行する機体の前側に雑草などの対象物を刈り取る刈取部を備えた刈取作業機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189127号公報
【特許文献2】特開2018-68282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、地中を探査する場所が草などの対象物により覆われている場合、この対象物を刈り取ってから地中探査を行うことになる。このため、地中探査までの作業時間が長くなってしまう。
【0005】
本発明は、地中を探査する場所が雑草などの対象物により覆われていても、地中探査までの作業時間を短くできる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業装置は、走行駆動される走行部を有する機体と、前記機体に設けられ、対象物を刈り取る刈取部と、前記機体の走行方向に関して前記刈取部の後方に配置され、前記機体と共に移動して電磁波により地中の埋設物を探査する地中探査部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、地中を探査する場所が雑草などの対象物により覆われていても、地中探査までの作業時間を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る作業装置を一部切断して示す側面図。
図2】第1の実施形態に係る作業装置を一部切断して示す平面図。
図3】第1の実施形態に係る刈取部を一部切断して示す正面図。
図4】第2の実施形態に係る作業装置を一部切断して示す側面図。
図5】第2の実施形態に係る作業装置を一部切断して示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。本実施形態の作業装置1は、遠隔操作、又は、地図データの入力(GPS)等による自立走行可能な走行機体3の前部に草刈装置4を配置し、自走して雑草などの対象物を刈り取る自走式草刈り機である。本実施形態の場合、走行機体3の後方位置に地中の埋設物を探査する地中探査装置(探査レーダ)102を配置している。これにより、雑草の刈り取りと同時に走行しながら地中の埋設物、例えば埋設管やケーブル等の位置や深度及び埋設物の状態を調査する。以下、各構成について詳しく説明する。
【0010】
[走行機体]
図1及び図2に示すように、機体としての走行機体3は、車体フレーム11、走行駆動される走行部としての一対のクローラ式の走行装置2などを有する。走行装置2は、走行機体3の走行方向に直交する幅方向(図2の上下方向)に関して、車体フレーム11の両側にそれぞれ配置されており、回転体としてのクローラ8及び駆動源としてのモータ9を備える。幅方向の両側のクローラ8は、個別に設けられたモータ9によりそれぞれ回転駆動される。モータ9は正逆回転が可能であって、且つ、速度が可変である。走行機体3は、幅方向両側のクローラ8がモータ9によりそれぞれ回転駆動されることで、前進、後進、左右の旋回が可能である。
【0011】
走行機体3の走行方向(前進方向)に関して、車体フレーム11の前方には、草刈装置4の一部を構成し、雑草などの対象物を刈り取る刈取部20が設けられ、車体フレーム11の後方には、地中探査部としての地中探査装置102が配置されている。草刈装置4及び地中探査装置102の構成については後述する。
【0012】
車体フレーム11の上部には、刈取部20の刈取回転刃24を駆動するための駆動源であるモータ56、モータ9及びモータ56に電力を供給するための電源バッテリ31、刈取部20を昇降させる昇降機構84、不図示の制御ユニットが設けられている。モータ56は、車体フレーム11の上部において走行方向の前側で、且つ、幅方向の略中央に設置されている。また、モータ56は、草刈装置4の一部を構成し、伝導ケース17内に支持された伝導軸を介して刈取回転刃24に駆動力を伝達可能となっている。
【0013】
電源バッテリ31は、モータ56の後方で、且つ、幅方向における重心位置が走行機体3の幅方向の略中央位置となるように配置されている。このように重量物であるモータ56と電源バッテリ31とを車体フレーム11の上部に配置することで、作業装置1の前後及び幅方向の重量バランスを最適化している。
【0014】
制御ユニットは、遠隔操作、又は、地図データの入力(GPS)等により作業装置1を自立走行させる際に、モータ9、56を制御する。なお、作業装置1は、遠隔操作による走行と、地図データの入力(GPS)による自立走行との両方の機能を有していても良いし、何れか一方の機能のみを有していても良い。
【0015】
昇降機構84は、揺動軸85、取付ブラケット86、操作アーム87、解除レバー88、ワイヤー89などを有する。取付ブラケット86は、走行機体3に草刈装置4を揺動自在に取り付ける部材であり、車体フレーム11に固定されている。モータ56及び刈取部20を含む草刈装置4は、揺動軸85を介して取付ブラケット86に揺動自在に支持されている。揺動軸85は、幅方向と平行な揺動中心軸xに沿って配置されており、揺動軸85の前方に刈取部20が、揺動軸85の後方にモータ56がそれぞれ配置されている。
【0016】
草刈装置4が揺動軸85の中心軸である揺動中心軸xを中心に揺動することで、刈取部20が地面に対して昇降する。また、重量物であるモータ56及び刈取部20を揺動軸85の前後に配置することで、草刈装置4の揺動を小さい力で行えるようにしている。なお、モータ56と刈取部20との重量バランスによって、モータ56を揺動軸85に対する位置を設定することが好ましく、例えば、モータ56の一部が揺動軸85と重なるように配置しても良い。
【0017】
操作アーム87は、一端部が揺動軸85に固定され、草刈装置4と共に揺動中心軸xを中心に読動可能である。操作アーム87は、揺動軸85から後方に延びるように配置されており、揺動軸85に固定された一端部とは反対側の他端部に作業者が把持可能なグリップ87aを設けている。作業者は、このグリップ87aを把持して操作アーム87を上下方向に操作することで、草刈装置4を昇降させることが可能である。
【0018】
解除レバー88は、操作アーム87のグリップ87a部分に揺動可能に支持されている。解除レバー88にはワイヤー89が接続されており、解除レバー88を操作することで、ワイヤー89の先端側に設けられた不図示のストッパ機構を動作可能となっている。ストッパ機構は、刈取部20の昇降位置を所望の位置とすべく、草刈装置4の揺動を停止させる機構である。
【0019】
また、解除レバー88は、グリップ87aから離れる方向に付勢されており、解除レバー88が操作されていない状態ではストッパ機構により刈取部20が昇降しないようになっている。一方、解除レバー88をグリップ87aに近づく方向に把持するなどして操作すると、ストッパ機構が解除され、操作アーム87により刈取部20を昇降させることが可能となる。
【0020】
ストッパ機構は、例えば、ワイヤー89の動きに連動して動作するピンなどの係止部を、揺動軸85と共に回転する回転部材に設けられた被係止部に係止することで揺動軸85の回転を規制して草刈装置4の揺動を停止させるものである。グリップ87aを把持してワイヤー89が引っ張られると、係止部が被係止部から外れて揺動軸85の回転規制が解除され、草刈装置4の揺動が可能となる。
【0021】
[草刈装置]
次に、草刈装置4について、図1及び図2に加えて図3を参照しつつ詳しく説明する。上述のように、草刈装置4は、刈取部20、モータ56、伝導ケース17などを有する。刈取部20は、一対の刈取駆動軸64、一対の刈取回転刃24、一対の搬送回転体26、一対の下部カバー27、保護カバー28、一対の刈取カバー29などを有する。
【0022】
一対の刈取駆動軸64は、走行機体3の幅方向に離間して、図3の上下方向に配置され、それぞれ縦筒23に覆われている。一対の刈取駆動軸64は、伝導ケース17内に配置された伝導軸などを介して、それぞれモータ56により回転駆動される。一対の刈取駆動軸64の先端部には、それぞれ搬送回転体26が固定されている。搬送回転体26は、円盤26a、円盤26a上に複数設けられた突起26bを有する。円盤26aは、刈取駆動軸64の回転軸線方向と同軸に固定され、複数の突起26bは、円盤26aの外周側の上方にこの回転軸線方向に沿って突出するように設けられている。複数の突起26bは、回転することで、刈取回転刃24により刈り取られた雑草などの対象物をかき集めて後方に搬送するために設けられている。
【0023】
一対の円盤26aには、それぞれ刈取回転刃24がボルトで固定されている。即ち、刈取回転刃24は、円盤26aを介して刈取駆動軸64の先端部に固定されている。このため、一対の刈取回転刃24も、走行機体3の幅方向に離間して配置されている。また、一対の刈取回転刃24は、円盤26aに沿って刈取駆動軸64の回転軸線方向と直交する方向に、円盤26aから突出するように設けられている。更に、一対の刈取回転刃24は、図3に示すように、上下方向にずれて配置されており、回転した際に互いに干渉しないように、且つ、刈取駆動軸64の回転軸線方向から見た場合に、互いの回転軌道の一部が重なるようにしている。このような一対の刈取回転刃24は、回転することで雑草などの対象物を刈り取る。
【0024】
モータ56により一対の刈取駆動軸64が回転すると、一対の刈取回転刃24及び一対の搬送回転体26は、図2の矢印方向に互いに逆方向に回転する。回転方向は、一対の刈取回転刃24及び一対の搬送回転体26が互いに最も近づく幅方向中央位置でそれぞれ後方に向かう方向である。これにより、一対の刈取回転刃24により刈り取られた雑草などの対象物は、複数の突起26bの回転により一対の縦筒23の間の幅方向中央の領域S(図3)から後方に搬送される。即ち、領域Sは、刈り取った対象物の後方への排出スペースである。
【0025】
一対の刈取回転刃24及び一対の搬送回転体26の幅方向中央寄り部分を除く上側部分及び幅方向端部側は、刈取カバー29に覆われている、刈取カバー29は、刈取回転刃24及び搬送回転体26の上方の安全を確保すると共に、刈り取られた雑草などの対象物が搬送回転体26の突起26bにより後方に排出されるように案内する機能を有する。
【0026】
一対の刈取駆動軸64の刈取回転刃24よりも先端側には、それぞれ下部カバー27が設けられている。即ち、下部カバー27は、刈取回転刃24の先端部を保護する皿状の円盤であり、刈取回転刃24から下方に突出形成されている。そして、下部カバー27は、草刈装置4の所定高さ以下への下降を規制し、回転中の刈取回転刃24や搬送回転体26が土を掘ることを防止している。
【0027】
保護カバー28は、上述の一対の刈取駆動軸64、一対の刈取回転刃24、一対の搬送回転体26、一対の刈取カバー29など、刈取部20の各構成の下方及び前方を除く全体を覆っている。これにより、刈取作業時に刈取回転刃24や搬送回転体26が外部に露出することを抑制し、作業時の安全を確保するようにしている。
【0028】
[地中探査装置]
次に、図1及び図2を用いて、地中探査装置102について説明する。地中探査部としての地中探査装置102は、走行機体3の走行方向(前進方向)に関して、刈取部20の後方に配置され、走行機体3と共に移動して電磁波により地中の埋設管などの埋設物を探査する。本実施形態の場合、地中探査装置102は、走行機体3の後方に牽引部材としての牽引チェーン105により接続されている。
【0029】
具体的には、走行機体3の車体フレーム11の後端部に設けられた牽引フック100と、地中探査装置102の前端部に設けられたチェーンフック103とを牽引チェーン105により接続する。牽引フック100は、牽引チェーン105を着脱自在に取り付け可能であり、例えば、現場に到着してから牽引フック100に牽引チェーン105を取り付けることで、地中探査装置102を走行機体3の後方に接続する。また、チェーンフック103も牽引チェーン105を着脱自在に取り付け可能としても良い。なお、牽引部材は、牽引チェーンに限らず、例えば、2本の帯鉄、牽引ロープなどであっても良い。
【0030】
また、地中探査装置102は、走行機体3と共に移動することで地面と摺動する摺動部(摺動橇)101と、摺動部101に搭載されて、摺動部101を介して地中に電磁波を放射するレーダ部102aと、摺動部101を地面に押し付ける力を変更するための錘104を搭載可能な搭載部104aと、を有する。摺動部101は、前側が上方に湾曲した橇状の形状を有し、前側の湾曲部101aと、湾曲部101aの後方に連続した平らな部分である平坦部101bとを有し、湾曲部101a及び平坦部101bの幅方向両側の端部と平坦部101bの後端部とに壁部101cを立設している。平坦部101bの上方には、レーダ部102a及び後述する錘104が搭載されている。レーダ部102a及び錘104が搭載される位置は、湾曲部101a及び壁部101cに囲まれている。
【0031】
湾曲部101aは、前側に向かう程、上方に向かって湾曲することで地中探査装置102が走行機体3に牽引されて移動する際に、地面の凹凸を乗り越えやすくしている。また、湾曲部101aの先端部に、上述のチェーンフック103が設けられている。平坦部101bは、地面と摺動する部分であり、地面と広い範囲で接触し易いように、下面を平坦面としている。このような湾曲部101a及び平坦部101bを有する摺動部101の材質は、電磁波の透過性に優れている樹脂としており、例えば、ポリカーボネイト、アクリルなどである。
【0032】
レーダ部102aは、電磁波を放射する放射部と、反射した電磁波を受信する受信部とを有する。放射部は、電磁波(電波)を下方に向けて放射し、受信部は、地中に埋設された埋設物から反射した電磁波を受信する。そして、地中探査装置102は、受信した電磁波のデータに基づいて、埋設物の埋設状況を探査することが可能である。埋設状況とは、例えば、埋設物の有無、埋設物の位置、地中探査装置102が接地している地表から埋設物までの距離(深度)などである。
【0033】
搭載部104aは、摺動部101の平坦部101bの上面に設けられ、錘104を搭載可能な部分である。例えば、搭載部104aは、レーダ部102aの前後に設けられており、図2の例では、それぞれ3個ずつ、合計6個の錘が摺動部101に搭載されている。搭載部104aは、このような錘104を着脱自在であり、搭載された錘104が不用意に脱落しないようになっている。また、地中探査を行う地面の状態に合わせて、搭載部104aに搭載する錘104の数は増減可能である。
【0034】
例えば、地面の状態が荒れている場合には、錘104の数を増やして、平坦部101bの下面をより強く地面に押し付けた状態とすることで、例えば、移動中に地中探査装置102がバウンドすることを抑制して、地中探査の精度を高めるようにする。一方、地面が荒れておらず、錘104の数が少なくても平坦部101bが地面に安定して接触し易い状況では、錘104の数を減らすことで、地中探査装置102の重量を減らす。これにより、例えば、地中探査装置102を牽引する走行機体3の運動性を向上させることができると共に、より低い出力で動かすことができるため、燃費の向上を図れる。
【0035】
このような本実施形態の場合、雑草などの対象物を刈り取る刈取部20の後方に地中探査装置102を配置しているため、対象物の刈取作業と地中探査を同時に行うことができる。このため、地中を探査する場所が雑草などの対象物により覆われていても、地中探査までの作業時間を短くできる。
【0036】
また、本実施形態の場合、地中探査装置102を走行機体3に牽引チェーン105で牽引する構成としているため、地中探査装置102を走行機体3に対して容易に着脱することができる。このため、現場において、必要に応じて地中探査装置102を走行機体3に容易に着脱でき、作業性を向上させることができる。
【0037】
なお、地中探査は地面の掘削作業を行う際に必要となる場合が多いため、掘削作業を行う装置に地中探査装置を取り付けることが考えられる。しかしならが、掘削作業は、地中探査を行った後に行うため、掘削作業と地中探査とを同時に行うことはできない。これに対して、対称物を刈り取る刈取作業は、地面を掘削するものではないため、地中探査と同時に行うことが可能である。このため、本実施形態では、刈取部20の後方に地中探査装置102を配置することで、刈取作業と地中探査とを同時に行うことを可能としている。
【0038】
また、上述の説明では、刈取部20を走行機体3の前方に配置したが、走行機体3の後方に配置しても良い。例えば、走行機体3の後方に刈取部20を設け、更にその後方に牽引などで地中探査装置102を設けても良い。
【0039】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、地中探査装置102を走行機体3の後方に牽引した構成について説明した。これに対して本実施形態では、地中探査装置102を走行機体3の一対のクローラ8の間に配置している。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0040】
本実施形態の作業装置1Aでは、走行機体3の幅方向両側に設けられた一対の回転体としての一対のクローラ8の間に、地中探査装置102が昇降自在に配置されている。走行機体3の地中探査装置102が配置される以外の構成、草刈装置4及び地中探査装置102の構成は第1の実施形態と同じである。
【0041】
地中探査装置102は、走行機体3の車体フレーム11の下方のスペースで、幅方向に関して一対のクローラ8の間に、昇降機構としての平行リンク200を介して設けられている。平行リンク200は、地中探査装置102の幅方向両側にそれぞれ設けられ、摺動部101の平坦部101bが地面に対して略平行状態が維持されるように、地中探査装置102を車体フレーム11に対して支持するものである。
【0042】
このような平行リンク200は、幅方向両側にそれぞれ2本ずつ配置されたリンク204と、リンク204の一端部を車体フレーム11に回転自在に接続する第1軸202と、リンク204の他端部を地中探査装置102の摺動部101に回転自在に接続する第2軸203とを有する。そして、幅方向両側のそれぞれにおいて、2本のリンク204、車体フレーム11、摺動部101、2つの第1軸202、2つの第2軸203により平行リンク機構を構成している。
【0043】
この構成により、摺動部101は、車体フレーム11に対して平行を維持した状態で車体フレーム11に対して昇降可能に支持される。地中探査装置102は、地面から上昇する際には後方に向かって第1軸202を中心に回動するように移動し、下降する際には前方に向かって第1軸202を中心か移動するように移動する。また、車体フレーム11には、2本のリンク204のうちの片側のリンク204の回動を規制するストッパ201が設けられている。ストッパ201は、リンク204がそれ以上、前方に回転しないように規制する位置に設けられている。したがって、地中探査装置102は、ストッパ201により下方及び前方への移動が規制される。
【0044】
本実施形態では、このように平行リンク200により地中探査装置102が地面に対して追従するようにしている。なお、摺動部101を地面に押し付ける力は、第1の実施形態と同様に錘104の数を増減させることで変更可能であるため、平行リンク200に支持された地中探査装置102の地面に対する追従性も、この錘104の数の増減により最適化が可能である。
【0045】
このような本実施形態の場合、走行機体3の下方に地中探査装置102を配置できるため、作業装置1Aの小型化を図れる。また、一対のクローラ8の間に地中探査装置102を配置しているため、地中探査装置102の重心を走行機体3の幅方向に関して略中央に位置させることができ、走行機体3の走行性や操縦性を安定させることができる。
【0046】
なお、地中探査装置102を上昇させ、地面から所定距離以上離れた位置(鎖線で示す位置)に固定できるようにしても良い。例えば、車体フレーム11にフックを設け、このフックに地中探査装置102を引っ掛けることで、地面から離れた位置に地中探査装置102を支持するようにしても良い。このようにすることで、地中探査を行う場所まで作業装置1Aを移動させる際に、地中探査装置102が地面に摺動することを防止して、この移動を容易に行うことが可能である。
【0047】
また、本実施形態では、地中探査装置102を車体フレーム11に対して平行リンク200により支持したが、例えば、地中探査装置102をバネなどの弾性部材を介して車体フレーム11に昇降自在に支持し、地中探査装置102を地面に対して追従させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0048】
1、1A・・・作業装置
2・・・走行装置(走行部)
3・・・走行機体(機体)
4・・・草刈装置
8・・・クローラ(回転体)
20・・・刈取部
101・・・摺動部
102・・・地中探査装置(地中探査部)
102a・・・レーダ部
104・・・錘
104a・・・搭載部
105・・・牽引チェーン(牽引部材)
図1
図2
図3
図4
図5