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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141016
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
F24F6/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047129
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】竹田 審
(72)【発明者】
【氏名】今村 勇斗
(72)【発明者】
【氏名】井浦 真
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB03
3L055DA01
(57)【要約】
【課題】水入れ替え動作による水の有効利用を図ると共に、スケールの析出を抑制する加湿装置を提供する。
【解決手段】水入れ替え動作を実施する所定の動作開始タイミングにおいて、所定時間A又は前回実施した水入れ替え動作の開始から終了までの時間Bと、運転停止時間までの残時間Cが、A≧C又はB≧Cの関係である場合、水入れ替え動作を実施せず運転を継続することにより、水入れ替え動作で給水されるはずだった水を節約できるため、水の使用量を削減することができる。

【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
器具本体内にあり水を貯水する貯水室と、
前記貯水室内に下端を水没させ回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、
当該回転体を回転駆動させるミストモータと、
前記回転体の回転により飛散された水が衝突することでミストを発生させる衝突体と
前記衝突体で発生したミストを含む加湿空気を送風口から送風する送風ファンと、
前記貯水室内の水位を検知する水位検知手段と、
前記貯水室に一端が接続され配管途中に前記貯水室への給水有無を切り替え可能な給水弁を備えた給水管と、
前記貯水室に一端が接続され配管途中に前記貯水室内の水の排水有無を切り替え可能な排水弁を備えた排水管と、
前記貯水室で発生したミストを含む加湿空気を前記送風ファンにより前記送風口から送風するミスト運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ミスト運転の実施中に、所定の動作開始タイミングになったと判断したら前記給水弁及び前記排水弁を開弁して前記貯水室内の水を入れ替える水入れ替え動作を実施し、
かつ予め設定された運転停止時間の到来で運転を停止するものであり、
前記所定の動作開始タイミングにおいて、
所定時間A又は前回実施した前記水入れ替え動作の開始から終了までの時間Bと、
前記運転停止時間までの残時間Cが、A≧C又はB≧Cの関係である場合、前記水入れ替え動作を実施せず運転を継続することを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、前記ミストモータ及び/又は前記送風ファンの回転数を下げて運転を継続することを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記貯水室の外壁に設置され貯水温度を検知する貯水温度センサと、
前記貯水室内に設置され貯水を加熱すると共に、前記貯水温度センサで検知した貯水温度が所定温度となるようON/OFF状態を変化させる加熱ヒータと、を備え、
前記制御部は、前記水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、前記加熱ヒータのON/OFF状態を切り替えることで、前記貯水温度を下げて運転を継続することを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記所定の動作開始タイミングは、運転開始若しくは前回の前記水入れ替え動作の終了から一定時間に到達するタイミング、又は運転開始若しくは前回の前記水入れ替え動作の終了から前記貯水室に給水される給水量が所定値に到達するタイミングであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加湿空気を室内へ供給する加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、器具本体内に水を貯める貯水タンクと、当該貯水タンクに設置されミストを含む加湿空気を発生させるミスト発生手段と、当該ミスト発生手段で発生した加湿空気を送風口から室内へ送風する送風ファンと、貯水室へ水を供給する給水管と、貯水室内の水を器具本体外部に排水する排水管を備えた加湿装置において、
貯水タンク内へ流入した水量に比例して析出量が増加するスケールを、適切なタイミングで水入れ替え動作を実施して排出することで、貯水タンク内におけるスケール溜まりを防止するものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-143858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、水入れ替え動作を実施中に、加湿運転の最大時間に到達して運転が停止した場合や、タイマー切替スイッチで設定された停止時間に到達して運転が停止した場合には、入れ替えたばかりの水を運転停止に伴い直ぐに排水してしまうことになり、入れ替えた水が有効利用されないこととなり、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の加湿装置では、器具本体と、器具本体内にあり水を貯水する貯水室と、前記貯水室内に下端を水没させ回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、当該回転体を回転駆動させるミストモータと、前記回転体の回転により飛散された水が衝突することでミストを発生させる衝突体と前記衝突体で発生したミストを含む加湿空気を送風口から送風する送風ファンと、前記貯水室内の水位を検知する水位検知手段と、前記貯水室に一端が接続され配管途中に前記貯水室への給水有無を切り替え可能な給水弁を備えた給水管と、前記貯水室に一端が接続され配管途中に前記貯水室内の水の排水有無を切り替え可能な排水弁を備えた排水管と、前記貯水室で発生したミストを含む加湿空気を前記送風ファンにより前記送風口から送風するミスト運転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ミスト運転の実施中に、所定の動作開始タイミングになったと判断したら前記給水弁及び前記排水弁を開弁して前記貯水室内の水を入れ替える水入れ替え動作を実施し、かつ予め設定された運転停止時間の到来で運転を停止するものであり、前記所定の動作開始タイミングにおいて、所定時間A又は前回実施した前記水入れ替え動作の開始から終了までの時間Bと、前記運転停止時間までの残時間Cが、A≧C又はB≧Cの関係である場合、前記水入れ替え動作を実施せず運転を継続することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2の加湿装置では、前記制御部は、前記水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、前記ミストモータ及び/又は前記送風ファンの回転数を下げて運転を継続することを特徴としている。
【0007】
また、請求項3の加湿装置では、前記貯水室の外壁に設置され貯水温度を検知する貯水温度センサと、前記貯水室内に設置され貯水を加熱すると共に、前記貯水温度センサで検知した貯水温度が所定温度となるようON/OFF状態を変化させる加熱ヒータと、を備え、前記制御部は、前記水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、前記加熱ヒータのON/OFF状態を切り替えることで、前記貯水温度を下げて運転を継続することを特徴としている。
【0008】
また、請求項4の加湿装置では、前記所定の動作開始タイミングは、運転開始若しくは前回の前記水入れ替え動作の終了から一定時間に到達するタイミング、又は運転開始若しくは前回の前記水入れ替え動作の終了から前記貯水室に給水される給水量が所定値に到達するタイミングであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、水入れ替え動作を実施する所定の動作開始タイミングにおいて、所定時間A又は前回実施した水入れ替え動作の開始から終了までの時間Bと、運転停止時間までの残時間Cが、A≧C又はB≧Cの関係である場合、水入れ替え動作を実施せず運転を継続することにより、水入れ替え動作で給水されるはずだった水を節約できるため、水の使用量を削減することができる。
【0010】
また、制御部は、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、ミストモータ及び/又は送風ファンの回転数を下げて運転を継続することにより、発生する加湿量が低下し、水位の低下を抑制するので新たな給水を抑えることとなるため、貯水室内の炭酸カルシウム濃度の上昇を抑制し、スケールの析出を抑制することができる。
【0011】
また、制御部は、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、加熱ヒータのON/OFF状態を切り替えることで、貯水温度を下げて運転を継続することができ、スケールの主成分である水中の炭酸カルシウムの溶解度が増え、スケールが析出しにくくなるため、スケールの析出を抑制することができる。
【0012】
また、所定の動作開始タイミングは、運転開始若しくは前回の水入れ替え動作の終了から一定時間に到達するタイミング、又は運転開始若しくは前回の水入れ替え動作の終了から貯水室に給水される給水量が所定値に到達するタイミングとすることにより、水入れ替え動作を実施する所定の動作開始タイミングをより正確にすると共に、運転時間と給水量の制約から確実にスケールの析出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施形態の外観を説明する斜視図
図2】同実施形態の概略構成図
図3】同実施形態の制御ブロック図
図4】同実施形態の操作部を説明する図
図5】同実施形態の運転開始から終了までの動作を説明するフローチャート
図6】同実施形態の水入れ替え動作を説明するフローチャート
図7】第二の実施形態の水入れ替え動作を説明するフローチャート
図8】第三の実施形態の水入れ替え動作を説明するフローチャート
図9】第四の実施形態の水入れ替え動作を説明するフローチャート
図10】水中の炭酸カルシウムの溶解度と水温の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明の一実施形態における加湿装置を図に基づいて説明する。
【0015】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、図1図2における定義に従う。また、上下方向は、器具本体1の設置時における鉛直方向に対応する。前後方向及び左右方向は、器具本体1の設置時における水平方向に対応する。
【0016】
1は器具本体、2は器具本体1上部に器具本体1の前面と平行な位置関係となるように形成され複数のルーバー3が設置された送風口、4は器具本体1の正面上部を構成する上面パネル、5は器具本体1の正面下部を構成する下面パネル、6は複数のスイッチが備えられ各種操作指令を行う操作部、7は図示しないブレーカーを隠すブレーカーカバーである。
【0017】
8は器具本体1内の略中段高さ位置にあって所定量の水を貯水する貯水室であり、この貯水室8内には、水に下端を水没させ駆動軸9に軸支された筒状の回転体10が備えられている。
【0018】
前記回転体10は、中空逆円錐形で上方に向かって円周が徐々に拡大するものであり、駆動軸9に接続され回転体10を回転駆動させるミストモータ11を駆動させ、回転体10が回転することによる回転の遠心力で貯水室8の水を汲み上げ、回転体10の外壁及び内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体10の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体10の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体10の上端に形成された複数の図示しない飛散口から外周方向へ飛散させる。
【0019】
12は回転体10の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体10と共に回転する円筒状の多孔体で、該多孔体12には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部13が設置されている。また、回転体10とミストモータ11と多孔部13とでミスト発生手段としてのミスト発生装置が構成されており、簡易な構成によってミストを含む加湿空気を多量に発生させることができ、ミストモータ11と駆動軸9を組み付けるだけであることから、組み付けが容易で低コストとなっている。
【0020】
前記ミスト発生装置を構成するミストモータ11を駆動させ、回転体10を回転させたことで発生する遠心力で貯水室8内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部13を通過した水滴が破砕されることで、水を微細化して粒径がナノメートル(nm)サイズのミスト(以下、微細ミスト)が多量に生成されると共に、比較的粒径の大きな水滴(以下、大径ミスト)とが生成され、水の微細化によるレナード効果によって微細ミストに負イオンが帯電し、大径ミストに正イオンが帯電した状態となる。
【0021】
14は下面パネル5内に設置され所定の回転数で駆動することで室内の乾燥空気を吸引して器具本体1の上方向へ送風する送風ファン、15は当該送風ファン14で送風された空気を貯水室8の上部の一端(右側)に形成されミストモータ11の側面を通過して貯水室8内へ空気が流入可能な貯水室流入口16まで案内する送風経路であり、器具本体1の下部から吸い込まれた乾燥空気が前記送風経路15を通過して器具本体1の上部へ案内され、貯水室8内へ流入する。
【0022】
17は貯水室8の上方の他端(左側)に流路が鉛直上向きとなるよう接続され貯水室8内で発生した微細ミスト及び大径ミストを含む加湿空気が内部を流通する気水分離風路、18は当該気水分離風路17内の途中に複数設置され鉛直上方へ傾斜する傾斜面を備えた気水分離手段としてのバッフル板である。バッフル板18は、気水分離風路17内の上段に設置されたバッフル板18a、中段に設置されたバッフル板18b、下段に設置されたバッフル板18cで構成されている。
気水分離風路17内に加湿空気が流入すると、各バッフル板18を蛇行するように加湿空気が流通することで加湿空気中の大径ミストが傾斜面により分離され、分離された大径ミストが集まると重力の影響で傾斜面に沿ってバッフル板18の下端まで流動して貯水室8へ落下するため、送風口2へ案内される大径ミストの量を減少させると共に、微細ミストを多く含んだ加湿空気を送風口2へ案内する。
【0023】
19は貯水室8内に設置され貯水を加熱する加熱ヒータであり、貯水室8の外壁に設置され貯水温度を検知する貯水温度センサ20で検知される温度が所定温度となるよう、ON/OFF状態が適宜切り替えられる。
【0024】
21は貯水室8内に設置されフロートが上下することで水位を検知する水位検知手段としての水位センサであり、下限水位及び上限水位を判断する。水位センサ21は、貯水室8内の水位が低下して下限水位以下になったらOFF信号を出力し、水位が上昇して上限水位以上になったらON信号を出力する。
【0025】
なお、貯水室8内の水位が下限水位を下回ると、回転体10で水を吸い上げることが困難な状態になり、微細ミストと負イオンの発生量が減少して室内に放出される加湿空気量が減少してしまう。
また、貯水室8内の水位が上限水位を上回ると、水の粘性抵抗により回転体10の回転に対する負荷が増大することから、ミストモータ11に負荷がかかり製品寿命の低下に繋がる。
以上のことから、貯水室8内の水位を下限水位から上限水位の範囲に収めることで、回転体10による水の吸い上げ量を確保すると共にミストモータ11の負荷増大を防止することができる。
【0026】
22は貯水室8側面に接続され貯水室8内に水を供給する給水管であり、当該給水管22の配管途中には、電磁弁を開閉して貯水室8内への給水有無を制御する給水弁23と、給水圧を所定値に減圧する減圧弁24と、が備えられている。
【0027】
25は貯水室8底部に設けられた排水口を介して接続され、貯水室8内の水を器具本体1外部に排水する排水管であり、当該排水管25の配管途中には、電磁弁を開閉して貯水室8内の水の排水有無を制御する排水切り替え手段としての排水弁26が備えられている。
【0028】
27は送風口2の上壁面に設置され送風口2から室内へ向けて送風される加湿空気の温度を検知する送風温度センサ、28は送風ファン14の近傍に設置され器具本体1の下部から吸い込まれた室内空気の温度を検知する吸気温度センサ、29は前記吸気温度センサ28の近傍に設置され器具本体1が設置された室内の湿度を検知する湿度センサであり、各センサで検知された温度や湿度に基づいて、ミストモータ11や送風ファン14の回転数を変化させ、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替える。
【0029】
操作部6には、ミスト運転の開始及び停止を指示する運転切り替え手段としての運転スイッチ30と、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えることで貯水室8内の貯水温度を変化させ、送風口2から室内に送風される加湿空気に含有可能な水分量の割合を変化させた3段階の加湿レベルと、湿度センサ29で検知された湿度が予め設定された湿度となるよう前記加湿レベルを変化させるオートモードとから選択可能な加湿スイッチ31と、ミストモータ11と送風ファン14との回転数の大小を設定可能な三段階の風量レベルと、湿度センサ29で設定された湿度が予め設定された湿度となるよう前記風量レベルを変化させるオートモードとから選択可能な風量スイッチ32と、加湿空気を室内に供給するミスト運転の開始時間と停止時間とを設定するタイマー切替スイッチ33と、前記風量スイッチ32で設定された風量で送風ファン14のみを駆動させ室内の空気清浄を行う空清モードを実施する空清スイッチ34と、現在時刻を設定する時刻設定スイッチ35と、スイッチを操作することで運転停止以外の動作を禁止するチャイルドロックスイッチ36とが備えられている。
【0030】
また、操作部6の各スイッチ上部には各スイッチに対応したランプが備えられており、運転スイッチ30が操作されたら点灯する運転ランプ37と、ミスト運転が所定時間以上継続したら開始する除菌運転時に点灯する除菌ランプ38と、加湿スイッチ31で設定された加湿レベルを1から3の数値とオートモードを示すAで表示する加湿レベルランプ39と、風量スイッチ32で設定された風量レベルを1から3の数値とオートモードを示すAで表示する風量レベルランプ40と、タイマー切替スイッチ33でミスト運転の開始及び停止が設定されたら、それぞれのランプが点灯するタイマーランプ41と、空清スイッチ34が操作され空清モードが設定されたら点灯する空清モードランプ42と、時刻設定スイッチ35で設定された現在時刻を表示する時刻表示パネル43と、チャイルドロックスイッチ36が操作されたら点灯するチャイルドロックランプ44とが備えられている。
【0031】
45は各センサで検知された検知値や操作部6上に備えられた各スイッチでの設定内容に基づき、運転内容や弁の開閉を制御するマイコンで構成された制御部であり、ミストモータ11を所定の回転数で駆動させるミストモータ制御手段46と、送風ファン14を所定の回転数で駆動させる送風ファン制御手段47と、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えて貯水室8内の水温を制御する加熱ヒータ制御手段48とが備えられている。
【0032】
49は器具本体1の前面下方に形成され室内空気を器具本体1内に取り込む吸気口である。
【0033】
51は気水分離風路17の壁面を貫通し送風経路15から分岐して貯水室8をバイパスするバイパス経路50を流通する空気が流入可能なバイパス流入口である。当該バイパス流入口51は、送風口2に最も近い位置にある気水分離風路17内の最上段に設置されたバッフル板18aの上方へ傾斜した傾斜面と対向し、かつ気水分離風路17の壁面を貫通するように形成されており、バイパス流入口51から気水分離風路17内へ空気が流入することで、貯水室8から上昇してきた加湿空気の風量を増大させ、送風口2から室内へ送風される加湿空気の送風量を上昇させることができる。
【0034】
次に、この一実施形態での運転開始から終了までの動作について図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操作部6の運転スイッチ30が操作されたか、もしくはタイマー切替スイッチ33で設定された運転開始時刻になったら、制御部45は、排水弁26を開放して貯水室8内の水を排水し、水位センサ21でOFF信号が検知されたら、給水弁23を開放して貯水室8内を水で洗い流すクリーニング動作を行い、所定時間経過したら排水弁26を閉止することで給水弁23から流入する水を貯水室8内に供給し、水位センサ21でON信号が検知されたら、所定量の水が貯水室8内に供給されたとして給水弁23を閉止する洗浄モードを行う(ステップS101)。
【0035】
ステップS101の洗浄モードが終了したら、制御部45は、貯水温度センサ20で検知される貯水温度が室温と同値になるまで加熱ヒータ制御手段48で加熱ヒータ19をON状態にして、ミストモータ11及び送風ファン14が所定の回転数となるようミストモータ制御手段46及び送風ファン制御手段47で制御する立ち上げ動作を実行する立ち上げモードを行う(ステップS102)。
【0036】
ステップS102の立ち上げモードが終了したら、制御部45は、加湿スイッチ31及び風量スイッチ32で設定された加湿レベルと風量レベルとに基づいて、ミストモータ11と送風ファン14とが所定の回転数で駆動するようミストモータ制御手段46と送風ファン制御手段47とで回転数を制御し、加熱ヒータ19のON/OFF状態を加熱ヒータ制御手段48で切り替えて制御して、加湿レベルと風量レベルとに合わせた所定の温度範囲内にするミスト運転を実行する通常運転モードを行う(ステップS103)。
【0037】
また、制御部45は、前記ミスト運転中に貯水室8の水位が下限水位以下となって水位センサ21がOFF信号を出力したと判断したら、給水弁23を開弁して貯水室8内への給水を開始し、貯水室8の水位が上限水位に達して水位センサ21がON信号を出力したと判断したら、給水弁23を閉弁して貯水室8内への給水を停止することで、常時ミスト運転が実施可能な水位を保持する安定水位保持制御を実施する。
【0038】
また、制御部45は、所定の動作開始タイミングに達したと判断したら、ミスト運転を停止させ、排水弁26を開放して貯水室8内の水を排水する。所定の排水時間が経過したら排水弁26を閉止すると共に給水弁23を開放して貯水室8内への給水を開始し、水位センサ21で上限水位が検知されたか所定の給水時間が経過したと判断したら給水弁23を閉止する動作を所定回数だけ繰り返し、ミストモータ11と送風ファン14とを駆動させる水入れ替え動作を実施する。
【0039】
また、水入れ替え動作において、ミスト運転を継続しながら、水位センサ21での検知値により貯水室8の水位が下限水位から上限水位の範囲となるように給水弁23と排水弁26の開閉を制御することで、ミスト運転を停止させず水入れ替え動作を実施することも可能である。この水入れ替え動作を実施することで、貯水室8内を清浄にしてスケールの析出が発生するのを防止する。
【0040】
ステップS103の通常運転モードが開始されてから経過した時間が加湿運転最大時間である16時間となったか、又は通常運転モード中に運転スイッチ30が操作されたか、あるいは、タイマー切替スイッチ33で設定した停止時間となってミスト運転終了の指示があったと判断したら、制御部45は、ミストモータ11を停止させてから排水弁26を開弁して貯水室8内の水を排水し、所定時間経過したら給水弁23を開弁して貯水室8内を洗浄してから排水弁26を閉弁して貯水室8内に所定量だけ貯水する洗浄運転を行い、その後、加熱ヒータ19をON状態にして水を65℃前後に加熱し除菌を行う除菌運転を10分間実施し、10分経過後に貯水室8内を冷却する冷却運転を実行し、貯水温度が60℃未満になったら排水弁26を開弁して排水するクリーニングモードを行う(ステップS104)。
【0041】
ステップS104のクリーニングモードが終了したら、制御部45は、乾燥モード(ステップS105)に移行し、送風ファン14が所定の回転数(例えば、800rpm)で駆動するよう送風ファン制御手段47で制御し、所定時間(例えば3時間)だけ送風ファン14を駆動させ続ける乾燥運転を実施して、3時間経過したと判断したら、送風ファン14を停止させて運転を終了する。
【0042】
次に、本実施形態における通常運転モード時において、水入れ替え動作を実施すべき所定の動作開始タイミングとなった際、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する場合の作用効果について、図6に基づいて説明する。
【0043】
通常運転モード時において、制御部45は、水入れ替え動作を実施すべき所定の動作開始タイミングに達したかどうかを判断する(ステップS201)。ここで、所定の動作開始タイミングとは、スケール析出の発生を防止するために定められたタイミングである。
【0044】
前記ステップS201で水入れ替え動作を実施すべきタイミングと判断したら、制御部45は、通常運転モードが開始されてから経過した時間が加湿運転最大時間である16時間となり運転停止となる、又はタイマー切替スイッチ33で設定した停止時間若しくは停止時刻となるまでの現在の残り時間Cを算出し、当該残り時間Cが所定時間A以下かどうか判断し(S202)、A≧Cであった場合、水入れ替え動作をせずに運転を継続する(S203)。ここで、所定時間Aとは、水入れ替えを開始してから終了するまでの時間(水入れ替え時間B)の初期値であり、例えば10分である。また、運転は設定された加湿レベルと風量レベルとに基づいた通常運転モードで継続する。
【0045】
このように、水入れ替え動作を実施すべきタイミングにおいて、運転停止までの残り時間が少なく、水入れ替え動作の実施時間以下であった場合は、水入れ替え動作を実施しないので、貯水室8へ給水されるはずだった水を節約でき、水の使用量を削減することができる。
例えば、水入れ替え動作を実施すべきタイミングにおいて運転停止までの残り時間が9分だった場合、水入れ替え動作の実施時間を10分とすれば、水入れ替え動作を開始して排水、給水を行った後に運転停止となってしまい、停止後に行う洗浄運転で再び排水、給水を行うので、水入れ替え動作で給水したばかりの水がミスト運転で使用されることなく排水されてしまうといった無駄が生じてしまうが、この場合に水入れ替え動作を実施しなければ、水の無駄を削減することができる。
【0046】
前記ステップS203で水入れ替え動作をせずに運転を継続した後、運転停止時間に到達したかどうかを判断し(S204)、運転停止時間に到達したら運転を停止する(S205)。運転停止後は前述した洗浄運転を行い、クリーニングモードを実施する。
【0047】
一方、前記ステップS202で、A<Cであった場合、即ち前記残り時間Cが所定時間Aより大きい場合、水入れ替え動作を開始する(S206)と共に、水入れ替え時間Bのタイマーカウントを開始する(S207)。水入れ替え動作では、前述した通り貯水室8内の水の排水と給水を繰り返すことで、貯水室8内を清浄にしてスケールの析出が発生するのを防止する。
【0048】
水入れ替え動作が終了(S208)したら、制御部45は、水入れ替え時間Bのタイマーカウントを終了して記憶する(S209)。その後、通常運転モードによるミスト運転を実施する。
【0049】
そして通常運転を実施中に、再び水入れ替え動作を実施すべき所定の動作開始タイミングに達したかどうかを判断し(ステップS210)、水入れ替え動作を実施すべきタイミングと判断したら、制御部45は、運転停止となるまでの残り時間Cが、記憶された水入れ替え時間B以下かどうかを判断し(S211)、B≧Cであった場合、水入れ替え動作をせずに運転を継続する(S203)。
【0050】
前記ステップS211で、B<Cであった場合、即ち前記残り時間Cが水入れ替え時間Bより大きい場合、水入れ替え動作を開始する(S212)と共に、水入れ替え時間Bのタイマーカウントをリセットした後、カウントを開始する(S213)。
【0051】
水入れ替え動作が終了(S214)したら、水入れ替え時間Bのタイマーカウントを終了し、更新して記憶する(S215)。その後、通常運転モードによるミスト運転を実施しつつ、ステップS210の判断を繰り返す。
【0052】
次に、本発明の第二の実施形態として、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、ミストモータ11及び/又は送風ファン14の回転数を下げて運転を継続する場合の作用効果について、図7に基づいて説明する。なお、図6に示した第一の実施形態と同じステップについては、同じステップ番号を使用する。
【0053】
本実施形態において、第一の実施形態と同様にステップS201で水入れ替え動作を実施すべきタイミングと判断したら、制御部45は、運転停止までの残り時間Cを算出し、当該残り時間Cが所定時間A以下かどうか判断し(S202)、A≧Cであった場合、水入れ替え動作をせずに運転を継続する。
【0054】
このとき、設定された風量レベルに基づいた通常運転モードで運転を継続するのではなく、風量レベルを下げた運転、即ちミストモータ11及び/又は送風ファン14の回転数を下げて運転を継続する(S303)。
【0055】
つまり、ミストモータ11の回転数を低下させることで微細ミストを多く含んだ加湿空気の発生量を低下させ、送風ファン14の回転数を低下させることで送風口2から室内へ送風される加湿空気の送風量を低下させることができるので、貯水室8内の水の使用量を減らし、水位の低下を抑制することができる。これにより、貯水室8の水位が下限水位以下となって新たに給水される機会を抑制することができるため、貯水室内の炭酸カルシウム濃度の上昇を抑制し、スケールの析出を抑制することができる。
【0056】
次に、本発明の第三の実施形態として、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際に、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えることで、貯水温度を下げて運転を継続する場合の作用効果について、図8及び図10に基づいて説明する。なお、図6に示した第一の実施形態と同じステップについては、同じステップ番号を使用する。
【0057】
本実施形態において、第一の実施形態と同様にステップS201で水入れ替え動作を実施すべきタイミングと判断したら、制御部45は、運転停止までの残り時間Cを算出し、当該残り時間Cが所定時間A以下かどうか判断し(S202)、A≧Cであった場合、水入れ替え動作をせずに運転を継続する。
【0058】
このとき、設定された加湿レベルに基づいた通常運転モードで運転を継続するのではなく、加湿レベルを下げた運転、即ち加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えることで、貯水温度を下げて運転を継続する(S403)。
【0059】
つまり、加熱ヒータ19のONデューティー(比率)を下げる、即ちON時間を減らしOFF時間を増加させることで、貯水温度を下げることができる。ここで、図10に示すように、水温が低下(t2からt1)すると、水中の炭酸カルシウム溶解度は上昇(C2からC1)するので、貯水温度が低下することで同じ水量でも炭酸カルシウムが溶解することができる上限量(溶解度)が増えることとなる。そして、当該溶解度を超えた炭酸カルシウムがスケールとして水中より固形物として析出することとなる。このことから、貯水温度を下げることで、スケールの主成分である水中の炭酸カルシウムの溶解度が増えて、スケールが析出しにくくなるため、スケールの析出を抑制することができる。
【0060】
次に、本発明の第四の実施形態として、水入れ替え動作を実施すべき所定の動作開始タイミングを、水入れ替え間隔又は積算給水量に基づいて判断する方法について、図9に基づいて説明する。なお、図6に示した第一の実施形態と同じステップについては、同じステップ番号を使用する。
【0061】
通常運転モード時において、制御部45は、運転開始時に水入れ替え間隔αとしての時間と、貯水室8に給水される積算給水量βのカウントを開始する(S516)。ここで、水入れ替え間隔αとは、運転開始又は水入れ替え動作完了から次の水入れ替え動作開始までの時間であり、積算給水量βとは、運転開始又は水入れ替え動作完了から次の水入れ替え動作開始までの給水量の積算値である。
【0062】
そして、第一から第三の実施形態と同様に、水入れ替え動作を実施すべき所定の動作開始タイミングに達したかどうかを判断するが、その方法として、水入れ替え間隔αが一定時間Taに到達した、又は積算給水量βが所定値Tbに到達したかどうかを判断する(S501)。これらは共にスケール析出の発生を防止するために定められたタイミングであり、ミスト運転により減少した貯水室8内の水を、安定水位に保持するため都度給水することで水中の炭酸カルシウム濃度が上昇し、スケールの析出に至ることとなるが、これを防止するために設定された運転継続時間がTaであり、給水可能な積算値がTbである。つまり、水入れ替え間隔αが一定時間Taを超えるか、又は積算給水量βが所定値Tbを超える場合にスケールの析出の可能性が高まるので、その前に水入れ替えを実施すれば確実にスケールの析出を防止することができる。
【0063】
前記ステップS501で水入れ替え動作を実施すべきタイミングと判断したら、第一の実施形態と同様に、運転停止までの残り時間Cを算出し、当該残り時間Cが所定時間A以下かどうか判断し(S202)、A≧Cであった場合、水入れ替え動作をせずに運転を継続する(S203)。
【0064】
なお、ステップS203の代わりに、第二の実施形態と同様に風量レベルを下げた運転、即ちミストモータ11及び/又は送風ファン14の回転数を下げて運転を継続(S303に相当)しても良いし、第三の実施形態と同様に加湿レベルを下げた運転、即ち加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えることで、貯水温度を下げて運転を継続(S403に相当)しても良い。
【0065】
一方、前記ステップS202で、A<Cであった場合、即ち前記残り時間Cが所定時間Aより大きい場合、水入れ替え動作を開始する(S206)と共に、水入れ替え時間Bのタイマーカウントを開始し、更に水入れ替え間隔α及び積算給水量βのカウントを終了する(S507)。
【0066】
その後、水入れ替え動作が終了(S208)したら、水入れ替え時間Bのタイマーカウントを終了し(S209)、水入れ替え間隔α及び積算給水量βのカウントを開始(S517)して通常運転モードによるミスト運転を実施する。
【0067】
そして通常運転を実施中に、再び水入れ替え間隔αが一定時間Taに到達した、又は積算給水量βが所定値Tbに到達したかどうかを判断し(S510)、Yes判断であれば、
運転停止となるまでの残り時間Cが、水入れ替え時間B以下かどうかを判断し(S211)、B≧Cであった場合、水入れ替え動作をせずに運転を継続する(S203)。
【0068】
前記ステップS210でNo判断であった場合、水入れ替え動作を開始する(S211)と共に、水入れ替え時間Bのタイマーカウントをリセットした後、カウントを開始し、更に水入れ替え間隔α及び積算給水量βのカウントを終了する(S513)。
【0069】
その後、水入れ替え動作が終了(S214)したら、水入れ替え時間Bのタイマーカウントを終了し(S215)、水入れ替え間隔α及び積算給水量βのカウントを開始(S517)して通常運転モードによるミスト運転を実施しつつ、ステップS510の判断を繰り返す。
【0070】
以上のように、水入れ替え動作を実施すべき所定のタイミングにおいて、水入れ替え動作が完了するより早く運転停止が訪れると予測される際は、水入れ替え動作を実施せず運転を継続することにより、入れ替えた水が有効活用されずに捨てられてしまうことを防止することができる。
【0071】
更に、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際、ミストモータ11及び/又は送風ファン14の回転数を下げて運転を継続することにより、貯水室8の水位低下を抑制し、新たな給水を抑制するので、スケールの析出を抑制することができる。
【0072】
更に、水入れ替え動作を実施せず運転を継続する際、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えてONデューティー(比率)を下げることで、貯水温度を下げて運転を継続することにより、水中の炭酸カルシウムの溶解度が増えて、スケールが析出しにくくなるので、スケールの析出を抑制することができる。
【0073】
更に、水入れ替え動作を実施すべき所定の動作開始タイミングを、水入れ替え間隔αが一定時間Taに到達した、又は積算給水量βが所定値Tbに到達したかどうかで判断することにより、水入れ替え動作をするかどうかの判断タイミングをより正確にすると共に、運転時間と給水量の両方の制約から確実にスケールの析出を抑制することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、加湿運転最大時間を16時間としているが、12時間や24時間など、使用者が適宜変更できるものであっても良い。
【0075】
また、本実施形態では、水位検知手段としての水位センサ21はフロート式であるが、例えば、電極式や、超音波式、静電容量式等の他の水位検知手段であっても良い。
【0076】
また、本実施形態における水入れ替え動作を実施すべき所定の動作タイミングは、例えば、使用者が水入れ替え動作を必要と判断し、水入れ替え動作を開始するスイッチ(図示せず)を操作することによって生じるタイミングでも良いし、使用者が水入れ替え時間設定スイッチ(図示せず)を操作して、任意の時間又は時刻に水入れ替え動作が開始するように設定したタイミングでも良い。
【0077】
また、本実施形態における積算給水量βの算出方法については、例えば給水管22の途中にフローセンサを設置して給水流量を計測し算出する方法でも良いし、設定された加湿レベルによって、制御部45が単位時間当たりの加湿量と運転継続時間から貯水室8から流出した水量を算出し、流出した水量に応じて給水した水量を算出する方法でも良い。
【0078】
また、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
2 送風口
8 貯水室
10 回転体
11 ミストモータ
13 多孔部(衝突体)
14 送風ファン
21 水位センサ(水位検知手段)
22 給水管
23 給水弁
25 排水管
26 排水弁
45 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10