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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141045
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
   F25B 25/02 20060101AFI20230928BHJP
   F25B 5/04 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
F25B25/02 Z
F25B5/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047173
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 靖樹
(72)【発明者】
【氏名】品川 勉
(72)【発明者】
【氏名】山内 崇史
(72)【発明者】
【氏名】高砂 彩純
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、吸着式ヒートポンプの冷熱出力が不足している場合に、電気式ヒートポンプの消費電力を低減させることができるヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】吸着式ヒートポンプと、電気式ヒートポンプとを備えたヒートポンプシステムであって、吸着式ヒートポンプは、第1蒸発器と、第1蒸発器で蒸発した流体を吸着するように構成されている複数の吸着器からなる吸着機構と、吸着機構から脱着した流体を凝縮するように構成されている凝縮器と、第1蒸発器で生成された冷熱が供給される負荷と、を備え、電気式ヒートポンプは、コンプレッサと、膨張弁と、圧縮した冷媒を用いて、流体を蒸発させると共に、冷媒を膨張弁に供給するように構成されている第2蒸発器とを備え、吸着機構は、更に、第2蒸発器で蒸発した流体を吸着するように構成され、第1蒸発器を、電気式ヒートポンプの蒸発器として共用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着式ヒートポンプと、電気式ヒートポンプとを備えたヒートポンプシステムであって、
前記吸着式ヒートポンプは、
第1蒸発器と、
前記第1蒸発器で蒸発した流体を吸着するように構成されている複数の吸着器からなる吸着機構と、
前記吸着機構から脱着した前記流体を凝縮するように構成されている凝縮器と、
前記第1蒸発器で生成された冷熱が供給される負荷と、を備え、
前記電気式ヒートポンプは、
圧縮した冷媒を生成するように構成されているコンプレッサと、
前記冷媒を膨張させるように構成されている膨張弁と、
圧縮した冷媒を用いて、前記流体を蒸発させると共に、前記冷媒を前記膨張弁に供給するように構成されている第2蒸発器とを備え、
前記吸着機構は、更に、前記第2蒸発器で蒸発した前記流体を吸着するように構成され、
前記第1蒸発器を、膨張した冷媒から冷熱を生成し、前記冷媒を前記コンプレッサに供給するように構成されている、前記電気式ヒートポンプの蒸発器として共用する
ヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記凝縮器は、更に、前記第2蒸発器で蒸発した前記流体を凝縮するように構成されている請求項1記載のヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記第2蒸発器は、前記コンプレッサに対して直列に連通するように設けられた、圧縮した前記冷媒を用いて、前記流体を蒸発させる複数の蒸発器であって、
前記コンプレッサに近い方の蒸発器は、蒸発した前記流体を前記凝縮器へ供給するように構成され、
前記コンプレッサに遠い方の蒸発器は、蒸発した前記流体を前記吸着機構へ供給するように構成されている請求項2記載のヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記流体は、水であり、前記冷媒は、フロンガスである請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸着式ヒートポンプとして、特許文献1には、蒸発器、吸着器および蓄熱反応器を備え、蓄熱反応器は熱を蓄熱するとともに、熱媒の蒸発潜熱以上の熱を吸着器に対し放熱し、再生温度以上の熱を作用させることで吸着器を再生する構成が記載されている。
【0003】
また、電気式ヒートポンプも知られている。また、吸着式ヒートポンプと電気式ヒートポンプを併設したハイブリッドシステムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-40959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のハイブリッドシステムでは、図11に示すように、吸着式ヒートポンプ(Adsorption. Heat Pump: AHP)の蒸発器と電気式ヒートポンプ(Electric Heat Pump:EHP)の蒸発器とを、冷水の循環系で直列に接続している。
【0006】
また、吸着式ヒートポンプにおいて、低温での出力が大幅に低下するという課題があるため、実利用では、電気式ヒートポンプが、吸着式ヒートポンプのバックアップとして用いられる。しかし、単にコストが増大してしまう、という問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、吸着式ヒートポンプの冷熱出力が不足している場合に、電気式ヒートポンプの消費電力を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るヒートポンプシステムは、吸着式ヒートポンプと、電気式ヒートポンプとを備えたヒートポンプシステムであって、前記吸着式ヒートポンプは、第1蒸発器と、前記第1蒸発器で蒸発した流体を吸着するように構成されている複数の吸着器からなる吸着機構と、前記吸着機構から脱着した前記流体を凝縮するように構成されている凝縮器と、前記第1蒸発器で生成された冷熱が供給される負荷と、を備え、前記電気式ヒートポンプは、圧縮した冷媒を生成するように構成されているコンプレッサと、前記冷媒を膨張させるように構成されている膨張弁と、圧縮した冷媒を用いて、前記流体を蒸発させると共に、前記冷媒を前記膨張弁に供給するように構成されている第2蒸発器とを備え、前記吸着機構は、更に、前記第2蒸発器で蒸発した前記流体を吸着するように構成され、前記第1蒸発器を、膨張した冷媒から冷熱を生成し、前記冷媒を前記コンプレッサに供給するように構成されている、前記電気式ヒートポンプの蒸発器として共用する。
【0009】
本発明に係るヒートポンプシステムでは、前記第1蒸発器を、膨張した冷媒から冷熱を生成し、前記冷媒を前記コンプレッサに供給するように構成されている、前記電気式ヒートポンプの蒸発器として共用する。電気式ヒートポンプが冷熱を生成する際に、第2蒸発器が、コンプレッサが圧縮した冷媒を用いて、前記流体を蒸発させると共に、前記冷媒を前記膨張弁に供給する。このとき、吸着式ヒートポンプの吸着機構は、前記第2蒸発器で蒸発した前記流体を吸着する。このように、簡易な構成で、吸着式ヒートポンプの冷熱出力が不足している場合に、電気式ヒートポンプの消費電力を低減させることができる。
【0010】
また、本発明に係る前記凝縮器は、更に、前記第2蒸発器で蒸発した前記流体を凝縮するように構成されていることができる。
【0011】
また、本発明に係る前記第2蒸発器は、前記コンプレッサに対して直列に連通するように設けられた、圧縮した前記冷媒を用いて、前記流体を蒸発させる複数の蒸発器であって、前記コンプレッサに近い方の蒸発器は、蒸発した前記流体を前記凝縮器へ供給するように構成され、前記コンプレッサに遠い方の蒸発器は、蒸発した前記流体を前記吸着機構へ供給するように構成されていることができる。
【0012】
また、上記の流体を、水とし、前記冷媒を、フロンガスとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成で、吸着式ヒートポンプの冷熱出力が不足している場合に、電気式ヒートポンプの消費電力を低減させることができるヒートポンプシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態のヒートポンプシステムの構成例を示す概略図である。
図2】本発明の第1実施形態のヒートポンプシステムにおける高効率モードの動作を説明するための図である。
図3】吸着器温度、排熱温度に対する吸着材の平衡吸着量の散布図を表すコンター図である。
図4】電気式ヒートポンプにおける実際のコンプレッサの消費電力と環境温度と冷熱温度の関係を示すグラフである。
図5】本発明の第1実施形態のヒートポンプシステムにおけるAHP単独モードの動作を説明するための図である。
図6】本発明の第1実施形態のヒートポンプシステムにおける並列駆動モードの動作を説明するための図である。
図7】本発明の第1実施形態のヒートポンプシステムにおけるEHP単独モードの動作を説明するための図である。
図8】吸着器温度、排熱温度に対する吸着材の平衡吸着量の散布図を表すコンター図である。
図9】制御装置によるモード切替処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の第2実施形態のヒートポンプシステムにおける高効率モードの動作を説明するための図である。
図11】従来技術におけるヒートポンプシステムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(本発明の実施形態の概要)
吸着式ヒートポンプは、排熱が十分にあり、かつ外気温が閾値以下の場合は非常に電力消費量が少ない優れたヒートポンプとなりうる。しかし、排熱温度が低くなったり、吸着できる閾値以上の環境温度に到達した場合、低温での出力が大幅に低下する、という課題がある。このため、実利用では電気式ヒートポンプが吸着式ヒートポンプのバックアップとして併設されることが多く、コストが増大する。
【0017】
これは、以下の理由による。吸着式ヒートポンプの出力は、吸着材温度と、所望の冷房温度と、吸着材の性質とで決定されるが、どのような吸着材をもってきたとしても、冷房温度が下がるほど、また吸着材温度が高くなるほど、吸着できる容量が低下することで性能が低下する。
【0018】
通常使われるシリカゲル等の場合、10℃以下の冷熱を生成したり、環境温度が35℃を超えるような条件においては、大きく低下することが知られている。このため、吸着式ヒートポンプのバックアップ用に電気式ヒートポンプが併設されることが多く、単にコストが増加する。
【0019】
そこで、本発明の実施形態では、吸着式ヒートポンプと電気式ヒートポンプを一体にすることで、凝縮器、蒸発器、及び熱輸送系の配管を共通化する。また、吸着式ヒートポンプの出力が、要求冷熱出力より不足する際に、吸着式ヒートポンプの出力を、電気式ヒートポンプのアシストに用いることで電気式ヒートポンプのCOP(Coefficient of Performance)を大幅に向上させる。
【0020】
具体的には、ヒートポンプシステムには、吸着式ヒートポンプに加えて、電気式ヒートポンプが併設されており、吸着式ヒートポンプの冷熱を電気式ヒートポンプの凝縮器に与える、もしくは吸着式ヒートポンプで生成した環境温度の冷熱を電気式ヒートポンプの凝縮器に与える。
【0021】
より具体的には、電気式ヒートポンプの蒸発器が吸着式ヒートポンプの蒸発器と一体になっていることで、吸着式ヒートポンプの冷熱を電気式ヒートポンプの凝縮器に与える、もしくは吸着式ヒートポンプで生成した環境温度の冷熱を電気式ヒートポンプの凝縮器に与えることができる。
【0022】
また、電気式ヒートポンプの凝縮器が、吸着式ヒートポンプの第2蒸発器と一体になっており、電気式ヒートポンプで発生する形外に捨てるべき熱源が、吸着式ヒートポンプ内の配管により吸着式ヒートポンプの凝縮器で形外に排出される。
【0023】
また、外気温が高い、または排熱温度が低い等の理由で吸着式ヒートポンプの出力が、要求冷熱出力より小さい場合において、第2蒸発器から吸着器に対して水蒸気を吸着させることができるように、吸着器に対して配管の接続が切り替え可能となっている。
【0024】
(第1実施形態に係るヒートポンプシステムの構成)
本発明の第1実施形態に係るヒートポンプシステムを図1図9を参照して説明する。本実施形態では、吸着器の物理吸着材としてシリカゲルを、吸着器に供給される流体として水蒸気(水)を用いた吸着式ヒートポンプと、冷媒としてフロンガスを用いた電気式ヒートポンプとを用いたヒートポンプシステムを一例に詳細に説明する。
【0025】
本実施形態のヒートポンプシステム100は、図1に示すように、吸着式ヒートポンプとして、流体(水蒸気)を吸着するように構成されている第1吸着器11及び第2吸着器12からなる吸着機構10と、第1蒸発器21と、第1吸着器11及び第2吸着器12から排出された流体を凝縮する凝縮器30と、負荷40とを備えている。
【0026】
第1蒸発器21は、水を気化し、気化して生成された流体である水蒸気を供給可能に第1吸着器11及び第2吸着器12とそれぞれ接続されている。具体的には、第1蒸発器21には、流通調節弁であるバルブV1を有する流通配管75の一端が接続されている。
【0027】
第1蒸発器21は、上記のように流体の気化により気化熱を奪うため、水蒸気の気化熱に相当する冷熱を生成する。第1蒸発器21は、冷熱需要の例であるエアコン室外機などの負荷40と、循環水が循環する熱交換管85、86を介して熱的に接続されているため、冷熱の有効利用が可能である。
【0028】
第1吸着器11は、第1蒸発器21から水蒸気が供給され、水蒸気を吸着して保持し、吸着された水蒸気を脱離して凝縮器30へ放出するように構成されている。具体的には、第1吸着器11には、バルブV5を有する流通配管74の一端と、バルブV7を有する流通配管77の一端と、が接続されている。
【0029】
第2吸着器12は、第1蒸発器21から水蒸気が供給され、水蒸気を吸着して保持し、吸着された水蒸気を脱離して放出するように構成されている。具体的には、第2吸着器12には、バルブV4を有する流通配管73の一端と、バルブV6を有する流通配管76の一端と、が接続されている。
【0030】
凝縮器30は、第1吸着器11、第2吸着器12からの水蒸気の供給が可能に接続されており、第1吸着器11、第2吸着器12から供給された水蒸気を凝縮する。具体的には、凝縮器30には、バルブV6を有する流通配管76の一端と、バルブV7を有する流通配管77の一端と、がそれぞれ接続されている。
【0031】
また、凝縮器30は、バルブV3を有する流通配管71を介して第2蒸発器22と接続されており、第2蒸発器22から供給された水蒸気を凝縮する。
【0032】
また、ポンプを有する流通配管(図示省略)によって凝縮器30と第1蒸発器21、第2蒸発器22とが連通されている。凝縮器30で凝縮された水は、流通配管を通じて第1蒸発器21及び第2蒸発器22に供給される。
【0033】
ヒートポンプシステム100は、上記図1に示すように、電気式ヒートポンプとして、圧縮した冷媒を生成するように構成されているコンプレッサ50と、冷媒を膨張させるように構成されている膨張弁60と、第2蒸発器22と、を備えている。
【0034】
第2蒸発器22は、圧縮した冷媒を凝縮して膨張弁60に供給するように構成されている凝縮器として機能する。また、第2蒸発器22は、圧縮した冷媒を用いて、流体を蒸発させて、凝縮器30に供給する。具体的には、第2蒸発器22には、バルブV3を有する流通配管71の一端が接続されている。
【0035】
第2蒸発器22は、冷媒であるフロンガスを供給可能にコンプレッサ50及び膨張弁60とそれぞれ接続されている。具体的には、第2蒸発器22には、流通配管81、82の一端が接続されている。
【0036】
また、第1蒸発器21を、膨張した冷媒から冷熱を生成し、冷媒をコンプレッサ50に供給するように構成されている、電気式ヒートポンプの蒸発器として共用する。
【0037】
第1蒸発器21は、冷媒であるフロンガスを供給可能にコンプレッサ50及び膨張弁60とそれぞれ接続されている。具体的には、第1蒸発器21には、流通配管83、84の一端が接続されている。
【0038】
制御装置90は、ヒートポンプシステム100の全制御を担う制御手段であり、バルブV1~V7、コンプレッサ50、負荷40、及び外部熱源などと電気的に接続されており、バルブ、熱源、熱交換を制御して冷熱利用をコントロールできるように構成されている。
【0039】
具体的には、制御装置90は、環境温度を検出する環境温度センサ92、排熱温度を検出する排熱温度センサ94、並びに要求冷熱出力、負荷側の室内温度、及び循環水の冷水温度を含む負荷側情報を検出する負荷側センサ96に接続されている。制御装置90は、環境温度、排熱温度、要求冷熱出力、負荷側の室内温度、及び循環水の冷水温度に基づいて、吸着式ヒートポンプを単独で駆動させるAHP単独モード、電気式ヒートポンプを高効率に単独で駆動させる高効率モード、吸着式ヒートポンプ及び電気式ヒートポンプを並列に駆動させる並列駆動モード、並びに電気式ヒートポンプを単独で駆動させるEHP単独モードを切り替えるように制御する。なお、AHP単独モードは第1モードの一例であり、高効率モードは第2モードの一例であり、並列駆動モードは第3モードの一例である。
【0040】
ここで各モードについて説明する。
【0041】
高効率モードでは、図2に示すように、吸着機構10から電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器22へ冷熱を供給するように制御する。
【0042】
図2は高効率モードのバルブ動作を示しており、ドット塗りのバルブが開状態のバルブを示し、白抜きのバルブが閉状態のバルブを示している。図5図6図7図10も同様である。また、図2の例では、第1吸着器11が、排熱で再生している吸着器であり、第2吸着器12が、環境温度に冷却している吸着器である。
【0043】
具体的には、コンプレッサ50を駆動させることにより、電気式ヒートポンプとして冷熱を生成しているときに、バルブV2,V4を開状態とし、第2蒸発器22から水蒸気が流通配管71、72、73を介して第2吸着器12に供給され、第2吸着器12において水蒸気の吸着動作が行われる。これにより、吸着式ヒートポンプから電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器22へ冷熱が供給される。
【0044】
また、バルブV7を開状態とし、第1吸着器11から脱着された水蒸気が流通配管77を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。
【0045】
そして、第1吸着器11及び第2吸着器12を、交互に入れ替えて通常の吸着式ヒートパイプのように駆動する。環境温度に冷却された第1吸着器11又は第2吸着器12を、流通配管73又は74と流通配管71、72とを介して第2蒸発器22と連通すると、第2蒸発器22が冷却され、吸着式ヒートポンプの冷熱生成温度まで、電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器22が冷却されることから、電気式ヒートポンプのコンプレッサ50の動力が削減される。
【0046】
高効率モードにおける効率の利点を示すために、RDシリカゲルを用いた吸着器における、吸着器温度(環境温度に依存)、排熱温度に対する平衡吸着量の散布図を、冷熱生成温度10℃、20℃の2条件について図3(A)、(B)に示す。環境温度が上昇、もしくは排熱温度が低下した場合、冷熱生成温度10℃では、吸着量が0以下の領域が多いが、冷熱生成温度20℃と高くなってくると吸着量が得られる領域が拡大する様子が分かる。
【0047】
例えば、排熱温度が80℃、環境温度が40℃の時、冷熱生成温度10℃では、吸着式ヒートポンプの出力が0となり、吸着式ヒートポンプでの空調は不可能となる。この際、電気式ヒートポンプの凝縮熱を冷却するモードに移行すると考えると、例えば、冷熱生成温度20℃のいては吸着量が0.07となり、十分な出力が得られる。この冷熱を、電気式ヒートポンプの凝縮器に適応した場合における効果を考える。
【0048】
図4は、電気式ヒートポンプにおける実際のコンプレッサの消費電力と環境温度と冷熱温度の関係を示す。電気式ヒートポンプにおける環境温度を、吸着式ヒートポンプの冷熱を利用することで低下できるとし、先ほどの条件で環境温度40℃から20℃程度低下させることができるとすると、コンプレッサ消費電力Qcompを大幅に低下させることが可能となる。例えば、環境温度40℃から20℃程度低下させる場合には、コンプレッサ消費電力Qcompを33%削減することができる。
【0049】
このとき、電気式ヒートマップによる冷熱出力は、理想的な運転ができた場合、吸着式ヒートポンプによる冷熱出力QAHPからコンプレッサ消費電力Qcompを減算した出力となる。水かけ式の凝縮器を備える吸着式ヒートポンプの消費電力Qconは、冷熱出力QAHPの1/30程度である。大型の蒸気輸送式の吸着式ヒートポンプを考えた場合、バルブの駆動用のエアバルブ等の補器電力を除くと、電力消費は凝縮器の散水ポンプ及びファン動力が支配的であり、冷熱量に対しておよそ1/30の電力が必要となる。ここで、1/30となることを仮定して計算すると

となり、同じ能力で図7に示すように、EHP単独モード(冷熱需要に対して排熱が全く供給できない場合に利用するモードである)で運転した場合は、

となり、電力COPで見た場合においても、向上の効果が大きい。
【0050】
次に、AHP単独モードについて説明する。このAHP単独モードは、排熱が十分に存在する場合において利用される。AHP単独モードでは、図5に示すように、コンプレッサ50を駆動させずに、バルブV1,V4を開状態とし、第1蒸発器21から水蒸気が流通配管72、73、75を介して第2吸着器12に供給され、第2吸着器12において水蒸気の吸着動作が行われる。また、バルブV7を開状態とし、第1吸着器11から脱着された水蒸気が流通配管77を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。
【0051】
そして、第1吸着器11及び第2吸着器12を交互に入れ替えて吸着動作、脱着動作を行う。
【0052】
ここまでの仮定を用いて同じように電力COPを計算すると、

となる。
【0053】
並列駆動モードでは、図6に示すように、コンプレッサ50を駆動させることにより、電気式ヒートポンプとして冷熱を生成しているときに、バルブV3を開状態とし、電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器22から水蒸気が流通配管71を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。また、バルブV1,V4を開状態とし、第1蒸発器21から水蒸気が流通配管72、73、75を介して第2吸着器12に供給され、第2吸着器12において水蒸気の吸着動作が行われる。
【0054】
また、バルブV7を開状態とし、第1吸着器11から脱着された水蒸気が流通配管77を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。
【0055】
そして、第1吸着器11及び第2吸着器12を交互に入れ替えて通常の吸着式ヒートパイプとして駆動し、冷熱を供給する。
【0056】
並列駆動モードは、冷熱需要が大きく、排熱が十分にあり、吸着式ヒートポンプが定格運転を行った場合においても電気式ヒートポンプの出力が必要なシチュエーションで利用されるモードである。このモードでは、それぞれの稼働割合に応じた電力COPの平均値となる。
【0057】
排熱が十分にある場合において、図6の並列駆動モード動作時に、吸着式ヒートポンプにおいて第1蒸発器21からの吸着が完了後、図2の動作モードに切り替えて、今度は第2蒸発器22からの吸着を行うことで、電気式ヒートポンプの高効率運転と吸着式ヒートポンプの運転を両立させることも可能である。
【0058】
次に、EHP単独モードについて説明する。EHP単独モードでは、図5に示すように、コンプレッサ50を駆動させることにより、電気式ヒートポンプとして冷熱を生成する。このとき、バルブV3を開状態とし、電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器22から水蒸気が流通配管71を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。
【0059】
次に、各モードの効率について説明する。例として、環境温度が30℃、排熱温度が85℃の場合、冷熱生成温度10℃での吸着量差は、図8(A)より、およそ0.05g/gとなる。一方、冷熱生成温度20℃での吸着量差は、図8(B)より、0.15g/gとなっていることから、吸着式ヒートポンプとして冷熱生成温度10℃で0.05g/gまで吸着したのち、電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器22のアシストとして、冷熱生成温度20℃で、0.15g/gまで吸着する場合を考える。
【0060】
また、吸着式ヒートポンプが0.05g/gまで吸着する単体動作をした際に必要な熱量は、吸着器の顕熱と吸着器の潜熱の和である。このときの熱COPを仮に0.5とすると、電気式ヒートポンプを併用した際の熱効率は、0.05g/g→0.15g/gまで潜熱が増えた分を考慮すればよい。
【0061】
この場合、消費電力は、図2の高効率モードでも同様であることから、電力COPと熱COPは以下のようになる。
【0062】
AHP単独モードでは、電力COP=30、熱COP=0.5である。
高効率モードでは、電力COP=3.28、熱COP=0.7である。
EHP単独モードでは、電力COP=1.53である。
【0063】
高効率モードでは、EHP単独モードで運転した場合に比べて高い電力COPが得られる。AHP単独モードと比べると電力COPが低下することから冷熱需要と排熱量のバランスを考えてモード選択を行う必要がある。また、高効率モードでは、一度の吸脱着の切り替えに対して吸着量差が大きくとれる(今回の計算例では3倍)ことに起因して、熱COPが高い。よって熱の消費量の観点では冷熱当たりでみると大幅に低下している点も特徴となる。
【0064】
次に、制御装置90によるモードの切り替え処理について具体的に説明する。
【0065】
まず、吸着式ヒートポンプの動作温度(冷熱生成温度、環境温度、排熱温度)に対する吸着量差は、上記図3に示すように、吸着機構10の吸着材の吸着等温線を表す3次元マップとして表現される。なお、上記図3では紙面の都合上2次元で表現している。
【0066】
環境温度と排熱温度は環境温度センサ92、排熱温度センサ94により取得される値を用いて判断する。ここで冷熱生成温度は、負荷側センサ96により取得される、要求冷熱出力と、負荷側の室内温度と、循環水の冷水温度とから決定される。前述のマップより、吸着量差Δqが求められる。
【0067】
また、吸着式ヒートポンプの出力は、吸着量差Δqと蒸発潜熱(既知の値)と吸着のサイクル時間とで決定される。サイクル時間は、吸着量と同様に、吸着式ヒートポンプの動作温度と、吸着器の設計で変わる値であるため、同様に3次元マップで予め取得したものをもっているものとする。
【0068】
求めた吸着式ヒートポンプの出力が、要求冷熱出力より大きい場合は、AHP単独モードに切り替えて、冷熱を供給する。これが一番効率の良い運転モードとなる。
【0069】
次に、吸着式ヒートポンプの出力が要求冷熱出力より小さい場合は、並列駆動モード及び高効率モードのうち、消費電力が少ない方のモードに切り替えて、冷熱を供給する。
【0070】
並列駆動モードにおける電気式ヒートポンプの消費電力は、以下のように算出される。まず、電気式ヒートポンプの消費電力が、要求冷熱出力と環境温度から決定されるマップを用いて算出される。あるいは、電気式ヒートポンプの出力=要求冷熱出力-吸着式ヒートポンプの出力とし、電気式ヒートポンプの出力と外気温のマップから、電気式ヒートポンプの消費電力が求められる。
【0071】
高効率モードにおける消費電力は、以下のように算出される。まず、動作温度から吸着式ヒートポンプでの出力を求める。この高効率モードが成立するためには、吸着式ヒートポンプの出力が、要求冷熱出力とコンプレッサ50の消費電力の概算値より大きいことが求められる。このことから、上述したように動作温度で決定される吸着式ヒートポンプの出力、及びマップから求められる、吸着式ヒートポンプの冷熱温度を用いた場合のコンプレッサ50の消費電力を求め、成立する運転条件のうち、消費電力が最小となる運転条件を求め、このときの消費電力を求める。
【0072】
並列駆動モードの消費電力と、高効率モードの消費電力とを比較し、消費電力の少ない方のモードに切り替えて、冷熱を供給する。
【0073】
また、吸着式ヒートポンプの出力が閾値より小さい場合においては、排熱を無駄に消費することが懸念される。従って、吸着式ヒートポンプの出力が閾値以下となることが予想される場合においては、吸着式ヒートポンプの出力をやめ、EHP単独モードに切り替えて、冷熱を供給する。
【0074】
(ヒートポンプシステムの動作)
次に、本実施形態のヒートポンプシステム100における、負荷40に冷熱を供給する動作について説明する。
【0075】
制御装置90は、図9に示すモード切替処理を定期的に実行する。
【0076】
まず、ステップS100において、制御装置90が、環境温度センサ92によって検出された環境温度、排熱温度センサ94によって検出された排熱温度、並びに負荷側センサ96によって検出された要求冷熱出力、負荷側の室内温度、及び循環水の冷水温度を含む負荷側情報を取得する。
【0077】
ステップS102において、制御装置90が、吸着式ヒートポンプの出力を算出する。
【0078】
ステップS104において、制御装置90が、吸着式ヒートポンプの出力と、要求冷熱出力とを比較し、吸着式ヒートポンプの出力が大きいか否かを判定する。吸着式ヒートポンプの出力が、要求冷熱出力より大きい場合には、ステップS106へ移行する。一方、吸着式ヒートポンプの出力が、要求冷熱出力以下である場合には、ステップS108へ移行する。
【0079】
ステップS106において、制御装置90が、AHP単独モードに切り替えて、運転制御を行う。
【0080】
ステップS108において、制御装置90が、吸着式ヒートポンプの出力が、閾値より小さいか否かを判定する。吸着式ヒートポンプの出力が、閾値より小さい場合には、ステップS110へ移行する。一方、吸着式ヒートポンプの出力が、閾値以上である場合には、ステップS112へ移行する。
【0081】
ステップS110において、制御装置90が、EHP単独モードに切り替えて、運転制御を行う。
【0082】
ステップS112において、制御装置90が、並列駆動モードの消費電力と、高効率モードの消費電力とを算出する。
【0083】
ステップS114において、制御装置90が、並列駆動モードの消費電力の方が、高効率モードの消費電力より少ないか否かを判定する。並列駆動モードの消費電力の方が、高効率モードの消費電力より少ない場合には、ステップS116へ移行する。一方、高効率モードの消費電力の方が、並列駆動モードの消費電力より少ない場合には、ステップS118へ移行する。
【0084】
ステップS116において、制御装置90が、並列駆動モードに切り替えて、運転制御を行う。
【0085】
ステップS118において、制御装置90が、高効率モードに切り替えて、運転制御を行う。
【0086】
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係るヒートポンプシステムによれば、膨張した冷媒から冷熱を生成し、冷媒をコンプレッサに供給するように構成されている、電気式ヒートポンプの蒸発器として、吸着式ヒートポンプの第1蒸発器を共用する。電気式ヒートポンプが冷熱を生成する際に、第2蒸発器が、コンプレッサが圧縮した冷媒を用いて、流体を蒸発させると共に、冷媒を膨張弁に供給する。このとき、吸着式ヒートポンプの吸着機構は、第2蒸発器で蒸発した流体を吸着する。このように、簡易な構成で、吸着式ヒートポンプの冷熱出力が不足している場合に、電気式ヒートポンプの消費電力を低減させることができる。
【0087】
また、吸着式ヒートポンプ側で生成する、環境温度に比べると低い冷熱を、電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器に与えることで、凝縮器圧力を下げることが可能となる。これにより、吸着式ヒートポンプが通常モードで動かないような環境温度が高い条件では、コンプレッサの動力が大きくなるが、凝縮器圧力を下げることにより、コンプレッサの動力を大幅に低減することができる。また、排熱源が十分でない場合の電気式ヒートポンプの効率を大幅に向上させることができる。
【0088】
また、吸着式ヒートポンプと電気式ヒートポンプを一体にし、凝縮器や蒸発器を共通化することで、電気式ヒートポンプ側の室内機や室外機部品がなくなり、部品点数が削減される。
【0089】
また、外気温が高い、または排熱温度が低い場合において、吸着式ヒートポンプ側で発生する通常の冷房には利用が難しい25℃程度の冷熱を用いて、電気式ヒートポンプ側の凝縮器圧力を下げることにより、電気式ヒートポンプのCOPを向上させることができる。
【0090】
また、冷熱需要が多い場合に、吸着式ヒートポンプの通常の冷熱生成後に、電気式ヒートポンプの凝縮熱を吸着式ヒートポンプの冷熱により低下させることで、電気式ヒートポンプの効率を向上させることができる。
【0091】
また、排熱が潤沢にある場合、並列駆動モードによる運転が可能となる。吸着式ヒートポンプにおける冷熱生成分の吸着が完了後、電気式ヒートポンプの凝縮熱を処理するための吸着を行うことで、コンプレッサの電気消費量の減少が可能となる。この際に、AHP単独モードで必要な熱量に加えて、電気式ヒートポンプでの凝縮熱処理に必要な熱処理分の熱量が必要となるが、顕熱の大部分を兼ねることができるから、熱量当たりのトータルの冷熱生成量は多くなる。
【0092】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るヒートポンプシステムについて図10を参照して説明する。本実施形態は、2つの第2蒸発器を用いたシステム構成となっている。第1実施形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0093】
ヒートポンプシステム200は、図10に示すように、電気式ヒートポンプとして、コンプレッサ50と、膨張弁60と、第2蒸発器221、222と、を備えている。なお、図10では、簡単のため、制御装置90、環境温度センサ92、排熱温度センサ94、負荷側センサ96を省略して記載している。
【0094】
第2蒸発器221、222は、圧縮した冷媒を凝縮して膨張弁60に供給するように構成されている凝縮器として機能する。
【0095】
コンプレッサ50に近い方の第2蒸発器221は、蒸発した流体を凝縮器30へ供給するように構成されている。具体的には、第2蒸発器221は、流通配管71の一端が接続されている。
【0096】
また、コンプレッサ50に遠い方の第2蒸発器222は、蒸発した流体を吸着機構10へ供給するように構成されている。具体的には、第2蒸発器222は、流通配管78の一端が接続されている。
【0097】
第2蒸発器221は、流体であるフロンガスを供給可能にコンプレッサ50及び第2蒸発器222とそれぞれ接続されている。具体的には、第2蒸発器221には、流通配管81、85の一端が接続されている。
【0098】
第1蒸発器222は、流体であるフロンガスを供給可能に第1蒸発器221及び膨張弁60とそれぞれ接続されている。具体的には、第2蒸発器222には、流通配管82、85の一端が接続されている。
【0099】
高効率モードでは、図10に示すように、吸着機構10から電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器222へ冷熱を供給するように制御する。
【0100】
図10の例では、第1吸着器11が、排熱で再生している吸着器であり、第2吸着器12が、環境温度に冷却している吸着器である。具体的には、コンプレッサ50を駆動させることにより、電気式ヒートポンプとして冷熱を生成しているときに、バルブV2,V3,V8を開状態とし、第2蒸発器221から水蒸気が流通配管71を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。また、第2蒸発器222から水蒸気が流通配管72、73、78を介して第2吸着器12に供給され、第2吸着器12において水蒸気の吸着動作が行われる。
【0101】
また、バルブV7を開状態とし、第1吸着器11から脱着された水蒸気が流通配管77を介して凝縮器30に供給され、凝縮器30において水蒸気の凝縮動作が行われる。
【0102】
そして、第1吸着器11、第2吸着器12は、交互に入れ替えて通常の吸着式ヒートパイプのように駆動する。環境温度に冷却された第1吸着器11又は第2吸着器12を、流通配管73又は74と流通配管72とを介して第2蒸発器222と連通すると、第2蒸発器222が冷却され、吸着式ヒートポンプの冷熱生成温度まで、電気式ヒートポンプの凝縮器として機能する第2蒸発器222が冷却されることから、電気式ヒートポンプのコンプレッサ50の動力の削減が期待できる。
【0103】
なお、ヒートポンプシステム200の他の構成及び作用については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0104】
10 吸着機構
11 第1吸着器
12 第2吸着器
20 冷熱生成温度
21、221 第1蒸発器
22、222 第2蒸発器
30 凝縮器
40 負荷
50 コンプレッサ
60 膨張弁
71~77 流通配管
81~84 流通配管
85、86 熱交換管
90 制御装置
92 環境温度センサ
94 排熱温度センサ
96 負荷側センサ
100、200 ヒートポンプシステム
V1~V8 バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11