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  • 特開-シート材穴開け工具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141103
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】シート材穴開け工具
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/16 20060101AFI20230928BHJP
   E21D 11/38 20060101ALI20230928BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B26F1/16
E21D11/38 A
B26D7/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047242
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000129758
【氏名又は名称】株式会社ケー・エフ・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100109243
【弁理士】
【氏名又は名称】元井 成幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 健太
(72)【発明者】
【氏名】西里 亮
(72)【発明者】
【氏名】小野 航
【テーマコード(参考)】
2D155
3C021
3C060
【Fターム(参考)】
2D155HA03
3C021CA06
3C060AA04
3C060AB01
3C060BA05
3C060BB06
3C060BD01
3C060BE08
3C060BG11
(57)【要約】
【課題】シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成する際に綺麗な貫通穴を簡単に開けることができる。
【解決手段】シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成するシート材穴開け工具1であり、略有底筒状の筒体2と、筒体2の基端側に突出形成され、電動回転工具10に着脱自在に係合して連結される係合連結部3と、筒体2の先端部に設けられるリング刃4と、筒体2の軸方向の中間位置に設けられる隔壁5と、隔壁5の中央に形成された貫通孔51に軸部62が挿通され、隔壁5の基端側に頭部61が配置される略釘状の位置決め芯材6と、位置決め芯材6を先端側に押圧付勢する弾性材7を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成するシート材穴開け工具であって、
略有底筒状の筒体と、
前記筒体の基端側に突出形成され、電動回転工具に着脱自在に係合して連結される係合連結部と、
前記筒体の先端部に設けられるリング刃と、
前記筒体の軸方向の中間位置に設けられる隔壁と、
前記隔壁の中央に形成された貫通孔に軸部が挿通され、前記隔壁の基端側に頭部が配置される略釘状の位置決め芯材と、
前記位置決め芯材を先端側に押圧付勢する弾性材とを備えることを特徴とするシート材穴開け工具。
【請求項2】
前記筒体の前記隔壁の先端側に内挿される規定の前記突起物の突出長さよりも、前記位置決め芯材の基端側への押込み可能な長さが小さく形成されていることを特徴とする請求項1記載のシート材穴開け工具。
【請求項3】
前記筒体における前記位置決め芯材の頭部の基端側にスラストベアリングが内装され、前記スラストベアリングを介して前記弾性材で前記位置決め芯材が先端側に押圧付勢されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート材穴開け工具。
【請求項4】
前記筒体における前記弾性材の基端側に別のスラストベアリングが内装されていることを特徴とする請求項3記載のシート材穴開け工具。
【請求項5】
前記筒体の隔壁の先端側に開口窓が形成されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のシート材穴開け工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトンネルの内側に敷設される防水シートのようなシート材に穴を開けるときに用いるシート材穴開け工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地山を掘進してトンネル空間を形成する作業では、図4に示すように、トンネル掘進に伴って地山の内周側に所定間隔で支保工201が建て込まれると共に、吹付コンクリート202が設けられ、支保工201の内周面に溶接台座203が溶接で固定される。溶接台座203は、円盤状の固定台204と、固定台204の一方の面から突出するボルト部205とから構成され、固定台204の他方の面が支保工201に固定される。ボルト部205は、吹付コンクリート202の内側に打設される覆工コンクリート内の構造筋の保持を担う。
【0003】
吹付コンクリート202の内側、換言すれば吹付コンクリート202と覆工コンクリートとの間には、覆工コンクリート側への漏水を防止するために防水シート206が敷設され、防水シート206はボルト部205を貫通させるようにして敷設される。防水シート206にボルト部205を貫通させる際には、通常、防水シート206を展張してボルト部205に当てがい、防水シート206をハンマー209で叩いて貫通穴207を形成する。
【0004】
また、シート材に穴を開ける工具として特許文献1の工具が知られている。この工具は、工具本体が空洞で形成され、工具本体の先端にリング刃が設けられ、頭部にインパクトドライバー用ソケットを装着可能な六角柱部が形成されている。そして、ソケットを介してインパクトドライバーに結合され、インパクトドライバーで工具に打撃力と回転力を与え、工具のリング刃でシート材に穴を開けるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-55524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のように防水シート206をボルト部205に当てがい、防水シート206をハンマー209で叩いて貫通穴207を形成すると、貫通穴207の周縁にギザギザのバリ208が形成されてしまうため、漏水Wが生ずる原因となる。そして、このようなバリ208が形成されないように防水シート206に貫通穴を形成する方法として特許文献1のようなシート材穴あけ工具を用いることが考えられる。
【0007】
しかしながら、特許文献1のシート材穴あけ工具は、シート材の貫通穴を形成する領域とその外周領域の裏面に反力をとれる場合にはシート材に綺麗に穴開けすることが可能であるものの、図4のボルト部205のような突起物が設けられ、この突起物を貫通させる貫通穴を綺麗に形成することは困難である。換言すれば、シート材の貫通穴を形成する領域の外周領域の裏面に反力をとれない場合には、穴開け工具とシート材との間に相対的な位置ズレが生ずるため、シート材に綺麗に穴開けすることは難しい。
【0008】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成する際に綺麗な貫通穴を簡単に開けることができるシート材穴開け工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシート材穴開け工具は、シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成するシート材穴開け工具であって、略有底筒状の筒体と、前記筒体の基端側に突出形成され、電動回転工具に着脱自在に係合して連結される係合連結部と、前記筒体の先端部に設けられるリング刃と、前記筒体の軸方向の中間位置に設けられる隔壁と、前記隔壁の中央に形成された貫通孔に軸部が挿通され、前記隔壁の基端側に頭部が配置される略釘状の位置決め芯材と、前記位置決め芯材を先端側に押圧付勢する弾性材とを備えることを特徴とする。
これによれば、位置決め芯材を突起物にシート材を介して当接させて芯出しを行い、位置決め芯材を先端側に押圧付勢して芯出し、位置決め状態を維持しながら、リング刃でシート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成することができる。従って、シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成する際に綺麗な貫通穴を簡単に開けることができる。
【0010】
本発明のシート材穴開け工具は、前記筒体の前記隔壁の先端側に内挿される規定の前記突起物の突出長さよりも、前記位置決め芯材の基端側への押込み可能な長さが小さく形成されていることを特徴とする。
これによれば、筒体の隔壁の先端側に規定の突起物を内挿してシート材の穴開けを行う際に、シート材穴開け工具のリング刃が溶接台座の固定台等の突起物の突出面に接触することを防止することができ、リング刃の破損を防止することができる。
【0011】
本発明のシート材穴開け工具は、前記筒体における前記位置決め芯材の頭部の基端側にスラストベアリングが内装され、前記スラストベアリングを介して前記弾性材で前記位置決め芯材が先端側に押圧付勢されていることを特徴とする。
これによれば、電動回転工具に連結してシート材穴開け工具で穴開けを行う際に、スラストベアリングによって電動回転工具の回転力が位置決め芯材に伝達されることを防止し、位置決め芯材の位置ズレを防止することができる。従って、突起物を貫通させる貫通穴をより綺麗且つ確実に形成することができる。
【0012】
本発明のシート材穴開け工具は、前記筒体における前記弾性材の基端側に別のスラストベアリングが内装されていることを特徴とする。
これによれば、電動回転工具に連結してシート材穴開け工具で穴開けを行う際に、別のスラストベアリングによって電動回転工具の回転力が弾性材、位置決め芯材へと伝達されることを防止し、位置決め芯材の位置ズレをより確実に防止することができる。
【0013】
本発明のシート材穴開け工具は、前記筒体の隔壁の先端側に開口窓が形成されていることを特徴とする。
これによれば、リング刃が突起物に対して相対的にどの程度入り込んだか目視確認して穴開け加工を行うことができ、より確実にシート材に所望の穴開けを施すことができる。また、リング刃が突起物に対して相対的にどの程度入り込んだか目視確認できることから、規定の突起物以外の突起物を貫通させる穴開けを行う場合にも、シート材穴開け工具のリング刃が溶接台座の固定台等の突起物の突出面に接触することを目視確認で防止することができ、リング刃の破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシート材穴開け工具によれば、シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成する際に綺麗な貫通穴を簡単に開けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は本発明による実施形態のシート材穴開け工具の上方斜視図、(b)はその下方斜視図、(c)はその縦断面図、(d)は実施形態のシート材穴開け工具におけるスラストベアリングの分解斜視図。
図2】(a)、(b)は実施形態のシート材穴開け工具によるシート材の穴開けを工程を説明する工程説明図。
図3】実施形態のシート材穴開け工具を用いて施工された防水シートを有する構造体の例を示す部分断面図。
図4】(a)は従来の防水シートに溶接台座のボルト部を貫通させる工程を説明する工程説明図、(b)は従来の溶接台座と防水シートの設置状態を説明する斜視説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施形態のシート材穴開け工具〕
本発明による実施形態のシート材穴開け工具1は、防水シートのようなシート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成するシート材穴開け工具1であり、図1及び図2に示すように、略有底筒状の筒体2と、筒体2の基端側に突出して形成され、電動回転工具10に着脱自在に係合して連結される係合連結部3と、筒体2の先端部に設けられるリング刃4を有する。図示例の係合連結部3は、インパクトドライバーのような電動回転工具10のソケットに係合して連結可能な六角柱形に形成されている。尚、以下では、シート材穴開け工具1の係合連結部3側を基端側、リング刃4側を先端側として説明している。
【0017】
筒体2の軸方向の中間位置には隔壁5が設けられ、隔壁5の中央には貫通孔51が形成されている。筒体2の基端部21と隔壁5との間には基端側周壁22で囲まれるようにして略円柱状の内部空洞S1が設けられ、隔壁5よりも先端側に位置する先端側周壁23及びリング刃4と隔壁5とで囲まれる領域には、先端側で開放されている略円柱状の外部空洞S2が設けられている。図示例の筒体2は、隔壁5、先端側周壁23、リング刃4で構成される先端部分と、基端部21、基端側周壁22で構成される基端部分が、基端側周壁22の先端面と隔壁5とを摩擦圧接で一体化することにより形成されている。また、筒体2の隔壁5の先端側に位置する先端側周壁23には後述する位置決め芯材6の軸部62を視認可能な開口窓24が形成されている。
【0018】
隔壁5の貫通孔51には、頭部61と先端が尖っている軸部62とから構成される略釘状の位置決め芯材6が挿通されて設けられている。位置決め芯材6の頭部61は隔壁5の基端側に配置され、位置決め芯材6の軸部62は隔壁5の中央の貫通孔51に挿通されている。位置決め芯材6は、筒体2の軸芯と軸芯が合うように配置されている。
【0019】
内部空洞S1には、位置決め芯材6を先端側に押圧付勢する圧縮コイルバネで構成される弾性材7が内装されており、弾性材7は筒体2の軸方向に収縮し、弾性復元することが可能になっている。筒体2における位置決め芯材6の頭部61の基端側、換言すれば内部空洞S1における位置決め芯材6の頭部61の基端側には、第1のスラストベアリング81が内装されている。第1のスラストベアリング81の基端側の面には弾性材7の一方の端部が押圧するようにして当接されており、第1のスラストベアリング81及び位置決め芯材6は弾性材7で隔壁5に向かって押圧付勢されている。
【0020】
筒体2における弾性材7の基端側、換言すれば内部空洞S1における弾性材7の基端側には、別のスラストベアリングに相当する第2のスラストベアリング82が内装されている。第2のスラストベアリング82の先端側の面には弾性材7の他方の端部が押圧するようにして当接されており、第2のスラストベアリング82は弾性材7で筒体2の基端部21に向かって押圧付勢されている。
【0021】
本実施形態のシート材穴開け工具1を用いて防水シートのようなシート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成する際には、例えば図2に示すように、固定台12と固定台12の一方の面から突出するボルト部13とから構成され溶接台座11のボルト部13側に、ボルト部13に対応する箇所で略山状に突出するようにして防水シート14を敷設し、係合連結部3に電動回転工具10が連結されたシート材穴開け工具1のリング刃4を、防水シート14を挟んでボルト部13の周縁の外周に対応する位置に配置し且つ防水シート14に当接する。この状態では、位置決め芯材6の軸部62の軸芯はボルト部13の軸芯と略合致するように配置される。
【0022】
そして、インパクトドライバーのような電動回転工具10でシート材穴開け工具1に回転力と打撃力を与え、リング刃4で防水シート14を切断して、突起物に相当するボルト部13を貫通させる貫通穴141を形成する。電動回転工具10でシート材穴開け工具1の筒体2及びリング刃4に回転力が与えられた時には、第1のスラストベアリング81と第2のスラストベアリング82によって、位置決め芯材6と弾性材7への回転力の伝達が防止される。
【0023】
ボルト部13は、貫通穴141の形成と同時に位置決め芯材6の軸部62の先端と直接当接し、弾性材7の先端側への付勢力に抗して位置決め芯材6を内部空洞S1に押し込んでいくと共に、ボルト部13自体は外部空洞S2に挿入されていく。この際、位置決め芯材6の基端側への押込み可能な長さ、換言すれば位置決め芯材6の内部空洞S1への押込み可能な長さは、筒体2の隔壁5の先端側、即ち外部空洞S2に内挿される規定の突起物である規定のボルト部13の突出長さよりも小さく形成されており、リング刃4が溶接台座11の固定台12に接触することが防止されている。
【0024】
図3は実施形態のシート材穴開け工具1を用いて施工された防水シート14を有する構造体の例であり、トンネル掘進において、地山の内周側に所定間隔で建て込まれた支保工101と支保工101の周囲に吹き付けられた吹付コンクリート102の内周側に防水シート14が敷設される例である。支保工101の内周面には溶接台座11の固定台12が溶接で固定され、固定台12の一方の面から突出するボルト部13を貫通穴141で貫通させるようにして防水シート14が敷設されている。
【0025】
この例では、防水シート14と吹付コンクリート102との間に不織布等の緩衝層103が敷設されている。また、トンネル空間における防水シート14の内周側には、ゴムパッキン等のシール材104、ワッシャー105が順にボルト部13に外挿され、シール材104、ワッシャー105を防水シート14に押さえ付けるようにして長ナット106がボルト部13に螺合されている。トンネル空間における長ナット106の内周寄りには保持ボルト107が長ナット106から突出するように螺合され、保持ボルト107は吹付コンクリート102の内側に打設される覆工コンクリート内の構造筋108を保持する。
【0026】
本実施形態のシート材穴開け工具1によれば、位置決め芯材6をボルト部13のような突起物にシート材を介して当接させて芯出しを行い、位置決め芯材6を先端側に押圧付勢して芯出し、位置決め状態を維持しながら、リング刃4でシート材に突起物を貫通させる貫通穴141等を形成することができる。従って、シート材に突起物を貫通させる貫通穴を形成する際に綺麗な貫通穴を簡単に開けることができる。
【0027】
また、筒体2の隔壁5の先端側に内挿される規定の突起物の突出長さよりも位置決め芯材6の基端側への押込み可能な長さを小さく形成することにより、筒体2の隔壁5の先端側に規定の突起物を内挿してシート材の穴開けを行う際に、リング刃4が溶接台座11の固定台12等の突起物の突出面に接触することを防止することができ、リング刃4の破損を防止することができる。
【0028】
また、第1のスラストベアリング81によって電動回転工具10の回転力が位置決め芯材6に伝達されることを防止し、位置決め芯材6の位置ズレを防止することができる。従って、突起物を貫通させるシート材の貫通穴をより綺麗且つ確実に形成することができる。更に、第2のスラストベアリング82によって電動回転工具10の回転力が弾性材7、位置決め芯材6へと伝達されることを防止し、位置決め芯材6の位置ズレをより確実に防止することができる。
【0029】
また、開口窓24を形成することにより、リング刃4が突起物に対して相対的にどの程度入り込んだか目視確認して穴開け加工を行うことができ、より確実にシート材に所望の穴開けを施すことができる。また、リング刃4が突起物に対して相対的にどの程度入り込んだか目視確認できることから、ボルト部13のような規定の突起物以外の突起物を貫通させる穴開けを行う場合にも、シート材穴開け工具1のリング刃4が溶接台座11の固定台12等の突起物の突出面に接触することを目視確認で防止することができ、リング刃4の破損を防止することができる。
【0030】
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記内容や変形例も含まれる。
【0031】
例えば本発明のシート材穴開け工具で貫通穴が形成されるシート材は、防水シート14のような軟質シートとすると好適であるが、これ以外にも適用可能な範囲で適宜である。また、本発明のシート材穴開け工具が対象とする突起物も適用可能な範囲で適宜であり、上記実施形態におけるボルト部13に限定されない。
【0032】
また、本発明のシート材穴開け工具における弾性材は、圧縮コイルバネとすると好適であるが、適用可能な適宜の弾性材を用いることが可能である。また、本発明のシート材穴開け工具には、筒体における位置決め芯材の頭部の基端側に内装される一のスラストベアリングや、筒体における弾性材の基端側に内装される別のスラストベアリングを設けると好適であるが、一のスラストベアリングと別のスラストベアリングのいずれか一方を設ける構成や、例えば内部空洞S1に圧縮コイルバネのような弾性材だけを設けるなど一のスラストベアリングと別のスラストベアリングの双方を設けない構成とすることも可能である。
【0033】
また、筒体2の先端部に設けられるリング刃4は図示例に限定されるものではなく、例えば穴開けすべきシート材の材質に応じてリング状の刃先が鋸刃状になっていても良く、さらに、刃先の周面が軸心に対して傾斜するテーパー状になっていても良い。
【0034】
さらに、実施形態で例示した筒体2は、隔壁5、先端側周壁23、リング刃4で構成される先端部分と、基端部21、基端側周壁22で構成される基端部分が、基端側周壁22の先端面と隔壁5とを摩擦圧接で一体化することにより形成されているものとしたが、本発明のシート材穴開け工具の構成、製造方法はこれに限定されるものではなく、基端側周壁22と隔壁5の部分が 電動回転工具10の正転方向と逆向きのねじ結合によって一体に組付けられ、構成部品の不具合のあるときには交換可能であるように構成されていても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えばトンネルの内側に敷設される防水シートのようなシート材に電動回転工具を用いて穴を開けるときに利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…シート材穴開け工具 2…筒体 21…基端部 22…基端側周壁 23…先端側周壁 24…開口窓 3…係合連結部 4…リング刃 5…隔壁 51…貫通孔 6…位置決め芯材 61…頭部 62…軸部 7…弾性材 81…第1のスラストベアリング 82…第2のスラストベアリング S1…内部空洞 S2…外部空洞 10…電動回転工具 11…溶接台座 12…固定台 13…ボルト部 14…防水シート 141…貫通穴 101…支保工 102…吹付コンクリート 103…緩衝層 104…シール材 105…ワッシャー 106…長ナット 107…保持ボルト 108…構造筋 201…支保工 202…吹付コンクリート 203…溶接台座 204…固定台 205…ボルト部 206…防水シート 207…貫通穴 208…バリ 209…ハンマー W…漏水
図1
図2
図3
図4