IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本発條株式会社の特許一覧

特開2023-141104車両用シートフレーム及び車両用シート
<>
  • 特開-車両用シートフレーム及び車両用シート 図1
  • 特開-車両用シートフレーム及び車両用シート 図2
  • 特開-車両用シートフレーム及び車両用シート 図3
  • 特開-車両用シートフレーム及び車両用シート 図4
  • 特開-車両用シートフレーム及び車両用シート 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141104
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】車両用シートフレーム及び車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20230928BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230928BHJP
【FI】
B60N2/68
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047243
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 祐輔
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DB07
3B087DE06
(57)【要約】
【課題】シートベルトからバックルを介してクッションフレームに入力される荷重を緩和する。
【解決手段】車両用シートフレーム11は、シートクッションの骨格を構成するクッションフレーム22と、シートバックの骨格を構成するバックフレームと、クッションフレーム22の後端部に固定され、バックフレームの下端部が連結されると共に、シートベルトが連結されるバックル20が取り付けられるヒンジブラケット34と、を備えている。ヒンジブラケット34は、クッションフレーム22に対してシート左右方向外方側に離間して配置され、上部にバックフレームの下端部が連結され、下部にバックル20が取り付けられるブラケット本体部36と、ブラケット本体部36からシート左右方向内方側へ延出され、先端部がクッションフレーム22に固定された複数の延出部42、44、46、48と、を有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションの骨格を構成するクッションフレームと、
シートバックの骨格を構成するバックフレームと、
前記クッションフレームの後端部に固定され、前記バックフレームの下端部が連結されると共に、シートベルトが連結されるバックルが取り付けられるヒンジブラケットと、
を備え、
前記ヒンジブラケットは、
前記クッションフレームに対してシート左右方向外方側に離間して配置され、上部に前記バックフレームの下端部が連結され、下部に前記バックルが取り付けられるブラケット本体部と、
前記ブラケット本体部からシート左右方向内方側へ延出され、先端部が前記クッションフレームに固定された複数の延出部と、
を有する車両用シートフレーム。
【請求項2】
前記複数の延出部には、前記ブラケット本体部から一体に延出された一体延出部が含まれている請求項1に記載の車両用シートフレーム。
【請求項3】
前記複数の延出部には、前記ブラケット本体部のシート左右方向内方側面に固定された固定延出部が含まれている請求項1又は請求項2に記載の車両用シートフレーム。
【請求項4】
前記複数の延出部には、前記クッションフレームに形成された貫通孔に先端部が挿入された挿入延出部が含まれている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用シートフレーム。
【請求項5】
車両の乗員が着座するシートクッションと、
前記乗員の背部を支持するシートバックと、
前記シートクッションの骨格を構成するクッションフレーム及び前記シートバックの骨格を構成するバックフレームを有する請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用シートフレームと、
を備えた車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関し、特に車両用シートのフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、3点式のシートベルトを備えた乗物用シートが開示されている。この乗物用シートでは、シートクッションの骨格を構成するクッションフレームが左右のサイドフレームを有している。左右のサイドフレームは、スライドレール機構を介して車体に支持される。一方のサイドフレームの後部には、バックルが固定されている。このバックルには、シートベルトに設けられたタングが連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-121957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の先行技術では、乗物の衝突時にシート前方側へ慣性移動しようとする乗員からの過大な荷重がシートベルト、タング及びバックルを介してクッションフレームやスライドレール機構等の他部品に入力されるため、他部品の損傷を抑制するための対策が必要となる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、シートベルトからバックルを介してクッションフレームに入力される荷重を緩和することができる車両用シートフレーム及び車両用シートを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の車両用シートフレームは、シートクッションの骨格を構成するクッションフレームと、シートバックの骨格を構成するバックフレームと、前記クッションフレームの後端部に固定され、前記バックフレームの下端部が連結されると共に、シートベルトが連結されるバックルが取り付けられるヒンジブラケットと、を備え、前記ヒンジブラケットは、前記クッションフレームに対してシート左右方向外方側に離間して配置され、上部に前記バックフレームの下端部が連結され、下部に前記バックルが取り付けられるブラケット本体部と、前記ブラケット本体部からシート左右方向内方側へ延出され、先端部が前記クッションフレームに固定された複数の延出部と、を有している。
【0007】
第1の態様の車両用シートフレームでは、クッションフレームがシートクッションの骨格を構成し、バックフレームがシートバックの骨格を構成する。クッションフレームの後部には、バックフレームの下端部が連結されたヒンジブラケットが固定されている。このヒンジブラケットには、シートベルトが連結されるバックルが取り付けられる。このヒンジブラケットは、ブラケット本体部と複数の延出部とを有している。ブラケット本体部は、クッションフレームに対してシート左右方向外方側に離間して配置されている。ブラケット本体部の上部には、バックフレームの下端部が連結されており、ブラケット本体部の下部には、バックルが取り付けられる。複数の延出部は、ブラケット本体部からシート左右方向内方側へ延出され、先端部がクッションフレームに固定されている。このため、シートベルトからの荷重がバックルを介してブラケット本体部に入力されると、複数の延出部が変形することにより上記の荷重が吸収される。これにより、クッションフレームに入力される荷重を緩和することができる。
【0008】
第2の態様の車両用シートフレームは、第1の態様において、前記複数の延出部には、前記ブラケット本体部から一体に延出された一体延出部が含まれている。
【0009】
第2の態様の車両用シートフレームでは、ヒンジブラケットの複数の延出部に含まれる一体延出部は、ブラケット本体部から一体に延出されている。このため、例えば板金のプレス成形によってブラケット本体部と一体延出部とを一体に製造することができ、ヒンジブラケットの製造が容易になる。
【0010】
第3の態様の車両用シートフレームは、第1の態様又は第2の態様において、前記複数の延出部には、前記ブラケット本体部のシート左右方向内方側面に固定された固定延出部が含まれている。
【0011】
第3の態様の車両用シートフレームでは、ヒンジブラケットの複数の延出部に含まれる固定延出部は、ブラケット本体部に固定されている。このため、ブラケット本体部からの固定延出部の延出位置の設定自由度が向上する。
【0012】
第4の態様の車両用シートフレームは、第1の態様~第3の態様の何れか1つの態様において、前記複数の延出部には、前記クッションフレームに形成された貫通孔に先端部が挿入された挿入延出部が含まれている。
【0013】
第4の態様の車両用シートフレームでは、ヒンジブラケットの複数の延出部に含まれる挿入延出部は、クッションフレームに形成された貫通孔に先端部が挿入されている。この挿入により、ヒンジブラケットをクッションフレームに対して位置決めすることができるため、クッションフレームに対するヒンジブラケットの固定作業が容易になる。
【0014】
第5の態様の車両用シートは、車両の乗員が着座するシートクッションと、前記乗員の背部を支持するシートバックと、前記シートクッションの骨格を構成するクッションフレーム及び前記シートバックの骨格を構成するバックフレームを有する第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様の車両用シートフレームと、を備えている。
【0015】
第5の態様の車両用シートでは、車両の乗員がシートクッションに着座し、当該乗員の背部がシートバックによって支持される。この車両用シートは、シートクッションの骨格を構成するクッションフレームと、シートバックの骨格を構成するバックフレームとを有する車両用シートフレームを備えている。この車両用シートフレームは、第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様のものであるため、前述した作用及び効果が得られる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る車両用シートフレーム及び車両用シートでは、シートベルトからバックルを介してクッションフレームに入力される荷重を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る車両用シートを示す側面図である。
図2】実施形態に係る車両用シートが備える車両用シートフレームにおけるヒンジブラケット周辺の構成を示す斜視図である。
図3図2に示される構成の一部を図2とは異なる方向から見た状態で示す斜視図である。
図4図2に示される構成の一部を図2及び図3とは異なる方向から見た状態で示す斜視図である。
図5図2に示される構成の一部をシート上方側から見た状態で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図5を参照して本発明の一実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、各図中においては、図面を見易くする関係から一部の符号を省略している場合がある。また、各図中に適宜記載された矢印FR、LH、RH及びUPは、車両用シート10の前方、左方、右方及び上方をそれぞれ示している。以下、単に前後左右上下の方向を用いて説明する場合、車両用シート10に対する方向を示すものとする。
【0019】
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用シート10は、例えば右ハンドルの車両の運転席であり、乗員が着座するシートクッション12と、乗員の背部を支持するシートバック14と、乗員を車両用シート10に拘束する3点式のシートベルト装置16とを備えている。この車両用シート10は、図2図5に示されるクッションフレーム22と、図2に示されるバックフレーム28と、図2図5に示されるヒンジブラケット34とを有する車両用シートフレーム11を備えている。クッションフレーム22は、シートクッション12の骨格を構成しており、バックフレーム28は、シートバック14の骨格を構成している。なお、この車両用シート10が例えば左ハンドルの車両の運転席である場合、本実施形態とは左右対称の構成となる。
【0020】
シートベルト装置16は、シートバック14の内部に設けられた図示しないリトラクタを備えている。このリトラクタの巻取軸には、シートベルト(ウエビング)18の長手方向一端部が係止されている。シートベルト18の長手方向他端部は、シートクッション12の左右方向一方の側部(ここでは右側部)に設けられた図示しないアンカ部材に係止されている。シートベルト18の長手方向中間部は、シートバック14の左右方向一方側(ここでは右方側)の肩口に設けられた図示しないベルトアンカーブラケットに巻掛けられている。上記のアンカ部材とベルトアンカーブラケットとの間でシートベルト18の長手方向中間部には、図示しないタングプレートが取り付けられている。このタングプレートは、シートクッション12の左右方向他方側の側部(ここでは左側部)に設けられたバックル20に連結可能とされている。
【0021】
上記構成のシートベルト装置16では、シートクッション12に着座した乗員がタングプレートをバックル20に連結することにより、シートベルト18の長手方向中間部がタングプレートを介してバックル20に連結され、乗員がシートベルト18を装着した状態となる。この装着状態では、シートベルト18のうちベルトアンカーブラケットからタングプレートまでの部分が乗員の上半身を拘束するショルダベルトとなり、シートベルト18のうちタングプレートからアンカ部材までの部分が乗員の腰部を拘束するラップベルトとなる。
【0022】
クッションフレーム22は、左右一対のサイドフレーム24(右方側のサイドフレーム24は図示省略)と、左右のサイドフレーム24の前端部を左右方向に繋いだ図示しないフロントフレームと、左右のサイドフレーム24の後端部を左右方向に繋いだリヤフレーム26とを有している。このクッションフレーム22は、一例として、図示しないシートスライド機構及びサスペンションを介して車体の床部に連結される。
【0023】
左右のサイドフレーム24は、前後方向を長手方向とし且つ左右方向を板厚方向とする長尺板状をなしている。フロントフレームは、左右方向を長手方向とし且つ上下方向を板厚方向とする長尺板状をなしている。リヤフレーム26は、左右方向を軸線方向とする筒状をなしている。左右のサイドフレーム24及びフロントフレームは、例えばプレス成形された金属製の板材によって構成されており、リヤフレーム26は、例えば金属製のパイプ材によって構成されている。本実施形態では一例として、各サイドフレーム24は、2枚の金属板が溶接されて閉断面状に形成されている。
【0024】
バックフレーム28は、左右一対のサイドフレーム30(図2参照;右方側のサイドフレーム30は図示省略)と、左右のサイドフレーム30の上端部を左右方向に繋いだ図示しないアッパフレームと、左右のサイドフレーム30の下端部を左右方向に繋いだロアフレーム32とを有している。
【0025】
左右のサイドフレーム30は、上下方向を長手方向とし且つ左右方向を板厚方向とする長尺板状をなしている。アッパフレーム及びロアフレーム32は、左右方向を軸線方向とする筒状をなしている。左右のサイドフレーム30は、例えばプレス成形された金属製の板材によって構成されており、アッパフレーム及びロアフレーム32は、例えば金属製のパイプ材によって構成されている。
【0026】
左右のサイドフレーム30の一方(ここでは左方側のサイドフレーム30)の下端部は、図2図5に示されるヒンジブラケット34を介して左右のサイドフレーム24の一方(ここでは左方側のサイドフレーム24)の後端部に連結されている。左右のサイドフレーム30の他方(ここでは図示しない右方側のサイドフレーム30)の下端部は、図示しない別のヒンジブラケットを介して左右のサイドフレーム24の他方(ここでは図示しない右方側のサイドフレーム24)の後端部に連結されている。
【0027】
上記のヒンジブラケット34は、左方側のサイドフレーム24(以下、単に「サイドフレーム24」と称する)の後端部に対して左方側(左右方向の外方側)に配置されている。このヒンジブラケット34は、ブラケット本体部36と、複数(ここでは4つ)の延出部(フレーム固定部)42、44、46、48とによって構成されている。ブラケット本体部36は、上下方向を長手方向とし且つ左右方向を板厚方向とする長尺な板状に形成されており、サイドフレーム24に対して左方側に離間して配置されている。4つの延出部42、44、46、48は、ブラケット本体部36から右方側(左右方向内方側)へ延出されており、先端部がサイドフレーム24に固定されている。ブラケット本体部36と3つの延出部42、44、46とは、例えばプレス成形された1枚の金属製の板材によって一体に構成されている。残りの1つの延出部48は、例えば上記の板材とは別の金属製の板材がプレス成形されて製造されたものであり、ブラケット本体部36に固定されている。以下、具体的に説明する。
【0028】
ブラケット本体部36は、左右方向から見て略台形状をなしており、下部側へ向かうほど前後方向の寸法が拡大している。ブラケット本体部36の上部側には、前フランジ部38及び後フランジ部40が設けられている。前フランジ部38は、ブラケット本体部36の前縁部が左右方向の内方側へ屈曲されて形成されており、後フランジ部40は、ブラケット本体部36の後縁部が左右方向の内方側へ屈曲されて形成されている。ブラケット本体部36の上端部は、バックフレーム28の左方側のサイドフレーム30の下端部に対して左右方向の外方側に配置されている。ブラケット本体部36の上端部とサイドフレーム30の下端部とは、左右方向を軸線方向とする段付きボルト50を用いて連結されており、左方側のサイドフレーム30は、ブラケット本体部36すなわちヒンジブラケット34に対して上記の軸線回りに回転可能に連結されている。なお、図示しない右方側のサイドフレーム30の下端部は、図示しない別のヒンジブラケットの上端部に対して周知のリクライニング機構を介して連結されている。
【0029】
ブラケット本体部36の下部には、ブラケット本体部36の上部よりも前方側へ延びる前延部36Fが設けられている。この前延部36Fには、シートベルト装置16のバックル20を取り付けるための貫通孔54が形成されている。バックル20は、下方側へ延びるステー21を有しており、当該ステー21の下端部を左右方向の外方側から貫通した段付きボルト52が上記の貫通孔54に挿通されている。この段付きボルト52は、左右方向を軸線方向としており、前延部36Fの左右方向内方側に配置された図示しないナットに螺合している。これにより、バックル20が段付きボルト52の軸線回りに回転可能にブラケット本体部36に取り付けられている。前延部36Fの上縁部には、前後一対のストッパ片37が設けられている。前後のストッパ片37の上部は、左右方向外方側へ屈曲されており、ステー21に対して前後方向両側から対向している。これにより、バックル20の回転範囲が制限されている。
【0030】
前延部36Fの前端部、すなわちブラケット本体部36の下部の前端部からは、右方側(左右方向内方側)へ向けて延出部42が一体に延出されている。ブラケット本体部36の下端部からは、右方側へ向けて延出部44が一体に延出されている。ブラケット本体部36の下部の後端部からは、右方側へ向けて延出部46が一体に延出されている。この延出部46は、前述した後フランジ部40に一体に繋がっている。上記の延出部42、44、46は、本発明における「一体延出部」に相当する。
【0031】
延出部42の先端部は、前方側へ屈曲されてサイドフレーム24の左側面に重ね合わされており、溶接等の手段でサイドフレーム24に固定されている。延出部44の先端部は、下方側へ屈曲されてサイドフレーム24の左側面に重ね合わされており、溶接等の手段でサイドフレーム24に固定されている。延出部46の先端部は、サイドフレーム24の後端部に形成された長孔状の貫通孔56に挿入されており、溶接等の手段でサイドフレーム24に固定されている。この延出部46は、本発明における「挿入延出部」に相当する。
【0032】
ブラケット本体部36及び上記3つの延出部42、44、46とは別の金属板からなる延出部48は、ブラケット本体部36に対して左右方向内方側に配置されている。この延出部48は、ブラケット本体部36の上下方向中間部における左右方向内方側の面に重ね合わされたブラケット固定部48Aと、ブラケット固定部48Aの下端部から左右方向の内方側へ延出された延出部本体48Bとを有しており、前後方向視でL字状をなしている。ブラケット固定部48Aは、溶接等の手段でブラケット本体部36に固定されている。延出部本体48Bの先端部は、サイドフレーム24の上面に重ね合わされており、溶接等の手段でサイドフレーム24に固定されている。この延出部48は、本発明における「固定延出部」に相当する。
【0033】
上記構成のヒンジブラケット34では、バックル20が取り付けられたブラケット本体部36が4つの延出部42、44、46、48を介してサイドフレーム24に固定されており、ブラケット本体部36は、サイドフレーム24すなわちクッションフレーム22に対して隙間(符号省略)を隔てて対向している。
【0034】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0035】
本実施形態では、クッションフレーム22がシートクッション12の骨格を構成しており、バックフレーム28がシートバック14の骨格を構成している。クッションフレーム22の後部には、バックフレーム28の下端部が連結されたヒンジブラケット34が固定されている。このヒンジブラケット34には、シートベルト18が連結されるバックル20が取り付けられている。このヒンジブラケット34は、ブラケット本体部36と複数の延出部42、44、46、48とを有している。
【0036】
ブラケット本体部36は、クッションフレーム22に対してシート左右方向外方側に離間して配置されている。ブラケット本体部36の上部には、バックフレーム28の下端部が連結されており、ブラケット本体部36の下部には、バックル20が取り付けられている。複数の延出部42、44、46、48は、ブラケット本体部36から左右方向内方側へ延出され、先端部がクッションフレーム22に固定されている。このため、シートベルト18からの荷重がバックル20を介してブラケット本体部36に入力されると、複数の延出部42、44、46、48が変形することにより上記の荷重が吸収される。これにより、クッションフレーム22や図示しないスライドレールに入力される荷重を緩和することができる。
【0037】
また、本実施形態では、ヒンジブラケット34の複数の延出部42、44、46、48のうちの3つの延出部42、44、46は、ブラケット本体部36から一体に延出された一体延出部である。このため、例えば板金のプレス成形によってブラケット本体部36と上記3つの延出部42、44、46とを一体に製造することができ、ヒンジブラケット34の製造が容易になる。
【0038】
また、本実施形態では、ヒンジブラケット34の複数の延出部42、44、46、48のうちの1つの延出部48は、ブラケット本体部36に固定された固定延出部とされている。このため、ブラケット本体部36からの延出部48の延出位置の設定自由度が向上する。
【0039】
また、本実施形態では、ヒンジブラケット34の複数の延出部42、44、46、48のうちの1つの延出部46は、クッションフレーム22のサイドフレーム24に形成された貫通孔56に先端部が挿入されている。この挿入により、ヒンジブラケット34をクッションフレーム22に対して位置決めすることができるため、クッションフレーム22に対するヒンジブラケット34の固定作業が容易になる。
【0040】
なお、上記実施形態では、ヒンジブラケット34の複数の延出部42、44、46、48が、一体延出部42、44、46、固定延出部48、及び挿入延出部46を含む構成にしたが、これに限るものではない。例えば複数の延出部が挿入延出部を含まない構成にしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、クッションフレーム22が図示しないスライド機構及びサスペンションを介して車体の床部に連結される構成にしたが、これに限るものではない。例えば、クッションフレームがリフタ機構及びシートスライド機構を介して車体の床部に連結される構成にしてもよい。
【0042】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
10 車両用シート
11 車両用シートフレーム
12 シートクッション
14 シートバック
18 シートベルト
20 バックル
22 クッションフレーム
28 バックフレーム
34 ヒンジブラケット
36 ブラケット本体部
42 延出部(一体延出部)
44 延出部(一体延出部)
46 延出部(一体延出部、挿入延出部)
46 挿入延出部(固定延出部)
56 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5