(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141137
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ヘッド交換式切削工具
(51)【国際特許分類】
B23C 5/00 20060101AFI20230928BHJP
B23C 5/20 20060101ALI20230928BHJP
B23C 5/10 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B23C5/00 A
B23C5/20
B23C5/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047293
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000233066
【氏名又は名称】株式会社MOLDINO
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 史彦
【テーマコード(参考)】
3C022
【Fターム(参考)】
3C022FF01
3C022KK01
3C022KK06
3C022KK14
3C022KK23
3C022KK28
3C022LL00
(57)【要約】
【課題】本発明は、ホルダに対する切削ヘッドの取り付け位置精度の高いヘッド交換式切削工具を提供する。
【解決手段】本発明のヘッド交換式切削工具は、切削ヘッドと、切削ヘッドが着脱可能に装着されるホルダと、ホルダに対して螺合により切削ヘッドを固定するピン部材と、を備え、ホルダは、工具回転軸に同軸とされ、工具回転軸に垂直な径方向に弾性変形可能な切り欠き付き筒部を有し、切削ヘッドは、工具回転軸に同軸とされ、軸方向の一端に設けられる切れ刃と、軸方向の他端側に設けられた着座面と、切り欠き付き筒部の径方向の外方に配置され、切り欠き付き筒部が前記径方向の外側へ向けて弾性変形することで当接可能な当接部と、を有し、切り欠き付き筒部の外径は、切削ヘッドの当接部の直径よりも大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具回転軸を有するヘッド交換式切削工具であって、
切削ヘッドと、
前記切削ヘッドが着脱可能に装着されるホルダと、
前記ホルダに対して螺合により前記切削ヘッドを固定するピン部材と、を備え、
前記ホルダは、前記工具回転軸に同軸とされ、前記工具回転軸に垂直な径方向に弾性変形可能な切り欠き付き筒部を有し、
前記切削ヘッドは、前記工具回転軸に同軸とされ、
軸方向の一端に設けられる切れ刃と、
前記軸方向の他端側に設けられた着座面と、
前記切り欠き付き筒部の前記径方向の外方に配置され、前記切り欠き付き筒部が前記径方向の外側へ向けて弾性変形することで当接可能な当接部と、を有し、
前記切り欠き付き筒部の外径は、前記切削ヘッドの前記当接部の直径よりも大きい、
ヘッド交換式切削工具。
【請求項2】
前記切削ヘッドは、前記着座面に第1凹凸部を有し、
前記切削ヘッドと前記ホルダとの間には中間部材が設けられ、
前記中間部材は、前記工具回転軸に同軸とされ、
前記軸方向の一端に前記切削ヘッドの第1凹凸部と嵌め合い可能な第2凹凸部を有し、
前記軸方向の他端は前記ホルダと当接するとともに、前記ホルダに複数のねじで固定される、
請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項3】
前記ヘッド交換式切削工具の工具径はφ10mm以上φ25mm以下であり、
前記切削ヘッドは超硬合金で製造されるとともに、複数の前記切れ刃を備える、
請求項1または2に記載のヘッド交換式切削工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド交換式切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヘッド交換式切削工具として、例えば下記特許文献1に示されるように、外周面に切れ刃を有する切削ヘッドと、軸状をないその先端部に切削ヘッドが着脱可能に装着されるホルダと、ホルダに対して螺合により切削ヘッドを固定するピン部材と、を備えたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたヘッド交換式切削工具は、切れ刃を有する切削ヘッドと、前記切削ヘッドが着脱可能に装着されるボルダと、前記ホルダに対して螺合により前記切削ヘッドを固定するピン部材と、を備えており、前記ホルダは、該ホルダの中心軸に同軸とされ、該中心軸に垂直な径方向の外方に向けて弾性変形可能な筒部を有し、前記切削ヘッドは、前記筒部の前記径方向の外方に配置され該筒部が当接可能な当接部を有し、前記ピン部材は、前記筒部に前記径方向の内方から当接して該筒部を前記径方向の外方へ向けて弾性変形させる押し広げ部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のヘッド交換式切削工具では、下記の課題があった。
すなわち、ホルダに対して切削ヘッドを取り付ける際、ピン部材によって、筒部に径方向の内方から当接して筒部を径方向の外方へ向けて押し広げながら取り付けることになるため、ピン部材の精度によっては、筒部を均一に押し広げることが難しく、ホルダに対して切削ヘッドが同軸にならない場合があった。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたもので、ホルダに対する切削ヘッドの取り付け位置精度の高いヘッド交換式切削工具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、工具回転軸を有するヘッド交換式切削工具であって、切削ヘッドと、前記切削ヘッドが着脱可能に装着されるホルダと、前記ホルダに対して螺合により前記切削ヘッドを固定するピン部材と、を備え、前記ホルダは、前記工具回転軸に同軸とされ、前記工具回転軸に垂直な径方向に弾性変形可能な切り欠き付き筒部を有し、前記切削ヘッドは、前記工具回転軸に同軸とされ、軸方向の一端に設けられる切れ刃と、前記軸方向の他端側に設けられた着座面と、前記切り欠き付き筒部の前記径方向の外方に配置され、前記切り欠き付き筒部が前記径方向の外側へ向けて弾性変形することで当接可能な当接部と、を有し、前記切り欠き付き筒部の外径は、前記切削ヘッドの前記当接部の直径よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
本発明の構成によれば、切削ヘッドの当接部の直径よりも、切欠き付き筒部の外径の方が大きく形成されているため、切欠き付き筒部が切削ヘッドの当接部に対して径方向内側から当接して、切欠き付き筒部が切削ヘッドの当接部を径方向外側へ押し広げるようにして押圧する。この調心機構を用いた結果、ホルダに対する切削ヘッドの取り付け位置精度が向上する。
【0009】
また、本発明の一実施形態の前記切削ヘッドにおいて、前記着座面に第1凹凸部を有し、前記切削ヘッドと前記ホルダとの間には中間部材が設けられ、前記中間部材は、前記工具回転軸に同軸とされ、前記軸方向の一端に前記切削ヘッドの第1凹凸部と嵌め合い可能な第2凹凸部を有し、前記軸方向の他端は前記ホルダと当接するとともに、前記ホルダに複数のねじで固定される構成としてもよい。
【0010】
本発明の構成によれば、ホルダとは別体の中間部材に、切削ヘッドの第1凹凸部に係合する第2凹凸部を形成することによって、ホルダの切欠き付き筒部の寸法精度を高めることができる。これにより、ホルダに対する切削ヘッドの取り付け位置精度を向上させることが可能である。さらに、第1凹凸部及び第2凹凸部の造形自由度を高めることができる。
【0011】
また、本発明の一実施形態の切削ヘッドにおいて、前記ヘッド交換式切削工具の工具径はφ10mm以上φ25mm以下であり、前記切削ヘッドは超硬合金で製造されるとともに、複数の前記切れ刃を備える構成としてもよい。
【0012】
本発明の構成によれば、超硬合金を切削ヘッドのみに使用することによって、工具に係る費用を抑えることができる。また、工具径に対して、切削ヘッドや取付ねじが小さくなりすぎないため、切削ヘッドの着脱作業にかかる作業者の負担を減らすことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ホルダに対する切削ヘッドの取り付け位置精度の高いヘッド交換式切削工具とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッド交換式切削工具の構成を示す組立図(斜視図)である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るヘッド交換式切削工具の構成を示す組立図(側面図)である。
【
図3】
図3は、ホルダを先端側から見た平面図である。
【
図5】
図5は、ホルダの先端側に中間部材がねじによって取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、中間部材6を先端側から見た平面図である。
【
図7】
図7は、
図6の矢印VIIで示す方向から見た側面図である。
【
図8】
図8は、
図6の矢印VIIIで示す方向から見た側面図である。
【
図9】
図9は、中間部材がホルダの先端側にねじによって取り付けられた状態を示す平面図である。
【
図10】
図10は、中間部材がホルダの先端側に装着された状態を示す側面図である。
【
図11】
図11は、ヘッド交換式切削工具を切削ヘッド側から見た構成を示す平面図である。
【
図12】
図12は、ヘッド交換式切削工具の構成を示す側面図である。
【
図13】
図13は、切削ヘッドを後端側から見た構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、切削ヘッドを後端側から見た構成を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、実施例および比較例のふれ量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<ヘッド交換式切削工具>
以下、本発明の一実施形態に係るヘッド交換式切削工具1について、
図1~
図14を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッド交換式切削工具1の構成を示す組立図(斜視図)である。
図2は、本発明の一実施形態に係るヘッド交換式切削工具1の構成を示す組立図(側面図)である。
図3は、ホルダ3を先端側から見た平面図である。
図4は、ホルダ3の構成を示す側面図である。
【0016】
本実施形態のヘッド交換式切削工具1は、ヘッド交換式のエンドミルである。
以下の説明においては、ヘッド交換式切削工具1の工具回転軸Oの軸線方向に沿う切削ヘッド2側を先端側、切削ヘッド2とは反対側を後端側と言う。また、ヘッド交換式切削工具1の工具回転軸Oに垂直な方向を径方向と言い、工具回転軸Oを中心に周回する方向を周方向と言う。
【0017】
図1及び
図2に示すように、ヘッド交換式切削工具1は、切れ刃を有する切削ヘッド2と、切削ヘッド2が着脱可能に装着されるホルダ3と、ホルダ3に対して螺合により切削ヘッド2を固定するピン部材4と、を備えている。本実施形態では、ホルダ3と切削ヘッド2との間に配置される中間部材6と、中間部材6をホルダ3に固定するための複数のねじ7と、をさらに備えている。
【0018】
ヘッド交換式切削工具1は、工具回転軸Oの軸回りに回転可能な工具であって、切削ヘッド2がホルダ3の先端部に取り付けられた上で、ホルダ3の後端部が工作機械の主軸に把持され、工具回転軸Oの軸回りに工具回転方向Tに回転されつつ、該工具回転軸Oに交差する方向に送り出されることにより、切削ヘッド2に設けられた複数の切れ刃2Aによって被削材に切削加工を施す、ヘッド交換式の切削工具である。
【0019】
(ホルダ)
ホルダ3は、鋼材等の金属材料により、
図3および
図4に示すように、工具回転軸O(中心軸C3)を中心とした円柱軸状に形成されている。ホルダ3は、工具回転軸Oに垂直な断面が円形状をなしている。ホルダ3は、ホルダ本体3Bと、ホルダ本体3Bの先端に設けられた先端筒部(切り欠き付き筒部)3Aが一体で形成されている。
【0020】
ホルダ本体3Bには、その先端側を向く先端面3bの径方向中央に開口するとともに、先端面3bから工具回転軸O(中心軸C3)上を基端側へ向けて延びる第1雌ねじ穴3dが形成されている。第1雌ねじ穴3dの内周面には、雌ねじ加工が施されている。第1雌ねじ穴3dは、
図1及び
図2に示したピン部材4の雄ねじ部4Aに螺合可能に形成されている。
【0021】
また、ホルダ本体3Bには、第1雌ねじ穴3dの径方向両外側に、2つの第2雌ねじ穴3eが突設されている。各第2雌ねじ穴3eの内周面には、雌ねじ加工がそれぞれ施されている。2つの第2雌ねじ穴3eの工具回転軸Oに沿う長さは、互いに等しく、第1雌ねじ穴3dよりも短い。また、各第2雌ねじ穴3eの直径は、互いに等しく、第1雌ねじ穴3dよりも小さい。これら第2雌ねじ穴3eは、
図1及び
図2に示したねじ7が螺合可能にそれぞれ形成されている。
【0022】
図3及び
図4に示すように、先端筒部3Aは、ホルダ本体3Bの外径よりも小さい外径を有する。また、先端筒部3Aは、後述する切削ヘッド2の貫通孔2Dの基端側の孔(2d3)の直径よりも大きい外径を有する。
【0023】
先端筒部3Aは、先端面3bから先端側へ向けて突出する筒状をなし、工具回転軸Oと同軸とされている。先端筒部3Aは、工具回転軸Oの軸回りの周方向に沿って分割されるように形成された複数の分割壁部3aを有している。
【0024】
それぞれの分割壁部3aは、工具回転軸Oから径方向に互いに等しい距離だけ離れた位置に形成されている。これら複数の分割壁部3a(先端筒部3A)の内側には、上記ピン部材4の雄ねじ部4Aを挿入可能とする挿通孔3gが形成されている。挿通孔3gは、ピン部材4の雄ねじ部4Aよりも大きい直径を有する。
【0025】
なお、本実施形態では、例えば4つの分割壁部3aを有しているが、分割壁部3aの数は4つに限られない。
【0026】
複数の分割壁部3aは、
図3に示すように、工具回転軸Oを中心として、互いに周方向に間隔をあけて配置されている。分割壁部3aは、工具回転軸Oに垂直な断面が円弧状をなしている。このように、複数の分割壁部3aが工具回転軸Oの軸回りに周方向に配列されることにより、先端筒部3Aは、
図4に示すように全体として円筒状をなしている。各分割壁部3aの先端側の外周面はR形状に加工されている。本実施形態では切削ヘッド2を交換して使用するため、各分割壁部3aの先端側の外周面をR形状に加工することで、切削ヘッド2のホルダ3へのスムーズな着脱が可能となる。加えて、先端筒部3Aおよび分割壁部3aの偏った損傷を抑え、切削ヘッド2のホルダ3に対する良好な取り付け位置精度を長く持続することが可能となる。
【0027】
(中間部材)
図5は、ホルダ3の先端側に中間部材6が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図6は、中間部材6を先端側から見た平面図である。
図7は、
図6の矢印VIIで示す方向から見た側面図である。
図8は、
図6の矢印VIIIで示す方向から見た側面図である。
【0028】
中間部材6は、
図5に示すように、工具回転軸Oに同軸とされ、
図5に示すようにホルダ3の先端側に取り付けられる。中間部材6は、鋼材等の金属材料により、
図6、図及び
図8に示すように、中心軸C6を中心として円板状に形成されている。中間部材6の外径は、ホルダ3のホルダ本体3Bの外径に略等しい(
図11)。
【0029】
中間部材6は、中心軸C6と同軸に径方向中央の厚さ方向に貫通する貫通孔6aと、貫通孔6aの径方向両外側に貫通孔6aと平行して設けられた一対の貫通孔6bと、を有する。貫通孔6aは、
図1及び
図2に示したホルダ3の先端筒部3Aが挿通される孔である。貫通孔6aの直径は、ホルダ3の先端筒部3Aの最大外径よりも僅かに大きい。一対の貫通孔6bは、
図5に示したねじ7が挿通される孔である。
【0030】
中間部材6の先端側には、
図5~
図8に示すように、径方向で対向する一対の凸部(第2凹凸部)6Aが形成されている。一対の凸部6Aは、
図5、
図6及び
図8に示すように、貫通孔6aの径方向外側であって、平面視において一対の貫通孔6bが並ぶ径方向に直交する方向で対向する位置に形成されている。一対の凸部6Aは、貫通孔6aから径方向外側に離れた外周面側に形成されている。
【0031】
一対の凸部6Aは、軸方向から見た形状が扇形状をなす突起であって、後述する切削ヘッド2に形成された凹部(第1凹凸部)2B(
図1、
図2及び
図11)内に収容可能に形成されている。一対の凸部6Aは、互いに同形同大である。各凸部6Aの貫通孔6a(中心軸C6)側を向く内壁面6dは、中心軸C6に対して傾斜している。具体的に内壁面6dは、軸方向先端側へ行くにしたがって、径方向外側に向かって傾斜している。軸方向先端側を向く各先端面6eは、中心軸C6に垂直な平面上に位置している。
【0032】
これら一対の凸部6Aは、
図6に示すように、工具回転方向Tに対して凸部6A側へ一定の角度で傾斜している側面6fが、中心軸C6に垂直な半径方向に沿った方向へ延びている。側面6fは、軸方向先端側へ行くにしたがって凸部6A側へ傾く方向へ傾斜している。
【0033】
一方、凸部6Aの工具回転方向Tとは反対側を向く側面6gは、工具回転方向Tに対して凸部6A側へ一定の角度で傾斜し、中心軸C6に垂直な半径方向に沿った方向へ延びている。側面6gは、軸方向先端側へ行くにしたがって上記側面6fと近づく方向へ傾斜している。
これにより、各凸部6Aは、中心軸C6に対する径方向外周側と、軸線方向後端側に向かうにしたがって、周方向に幅広となるように形成されている。
【0034】
中間部材6は、貫通孔6aを介して径方向で対向する各凸部6Aと、貫通孔6aとの間に、軸線方向に垂直な一対の平坦面6hを有している。これら一対の平坦面6hは、後述する切削ヘッド2の後端面が当接する当接面とされている。平坦面6hの外周縁6iは、中心軸C6を中心とする円周上に位置している。一対の凸部6Aの径方向外側を向く各外周面6jは、ホルダ3の外周面と面一な円筒面状に形成されている。
【0035】
中間部材6の先端側中央部には、
図6に示すように、軸線方向から見て中心軸C6及び一対の凸部6Aが対向する方向に垂直な方向に延びる溝部6Bが形成されている。溝部6Bは、貫通孔6aの直径6Dよりも小さい幅6Wで形成されている。また、溝部6Bの底面6kは、軸線方向に垂直且つ平坦面6hに平行な面である。
【0036】
このような中間部材6の軸方向後端側の基端面6nは、軸線方向に垂直且つ上記平坦面6h及び上記底面6kに平行な面である。中間部材6の基端面6nは、ホルダ3の先端面3bに当接する面である。
【0037】
図9は、中間部材6がホルダ3の先端側にねじ止めされた状態を示す平面図である。
図11は、中間部材6がホルダ3の先端側に装着された状態を示す側面図である。
図9及び
図10に示すように、中間部材6がホルダ3の先端側に装着される際には、中央の貫通孔6a内にホルダ3の先端筒部3Aを挿入させながら、基端面6nをホルダ3の先端面3bに当接させる。
図9に示すように、ホルダ3の先端側に配置された中間部材6の貫通孔6b(
図6)内にねじ7を挿入させて、ホルダ3側の第2雌ねじ穴3e(
図3)に螺合させながら締め付けることによって、ホルダ3に対して中間部材6が固定される。
【0038】
図10に示すように、中間部材6がホルダ3の先端側に取り付けられた状態のとき、ホルダ3の先端筒部3Aの先願側は、中間部材6の凸部6Aよりも軸方向先端側へ突出する。
【0039】
一対のねじ7は、鋼材により形成され、
図1に示すように円柱状をなす雄ねじ部7Aと、雄ねじ部7Aよりも大径をなす頭部7Bとをそれぞれ有する。雄ねじ部7Aは、ホルダ3の第2雌ねじ穴3eに螺合するように雄ねじ加工(不図示)が施されている。
【0040】
これら一対のねじ7は、中間部材6に形成された貫通孔6b内に挿入されて、その雄ねじ部7Aがホルダ3に形成された第2雌ねじ穴3eに螺合される。各ねじ7の頭部7Bは、中間部材6の溝部6B内にそれぞれ収容される。
【0041】
ここで、仮に、ホルダ3と中間部材6が一体で成型された場合、工具製造時に先端筒部3Aに切り欠きを付与するための切削工具(小径エンドミルなど)が凸部6Aと干渉する恐れがある。特に、本実施形態のように直径φが25mm以下の小径側工具においては、工具径が小さくなればなるほど、ホルダ3に凸部6Aを設けるスペースが限られてしまう。
一方で、本実施形態は、凸部6Aと先端筒部3Aが別体で形成されているため、前述したような製造上の困難を考慮する必要がないため、設計自由度が増す。
【0042】
(切削ヘッド)
図11は、ヘッド交換式切削工具1を切削ヘッド2側から見た構成を示す平面図である。
図12は、ヘッド交換式切削工具1の構成を示す側面図である。
図13は、切削ヘッド2を後端側から見た構成を示す平面図である。
図14は、切削ヘッド2を基端面2C側から見た構成を示す斜視図である。
【0043】
切削ヘッド2は、
図11及び
図12に示すように、ホルダ3の先端側に中間部材6を介して配置され、ピン部材4によってホルダ3に対して固定されている。
切削ヘッド2は、
図11に示すように、ホルダ3よりも硬度の高い超硬合金等により、工具回転軸Oを中心とした円盤状に形成されている。切削ヘッド2は、軸方向先端側を向く先端面2aと、複数の切れ刃2Aと、軸方向後端側を向く基端面(着座面)2Cと、基端面2Cに開口する一対の凹部2Bと、中心軸C2に沿って厚さ方向を貫通する貫通孔2Dと、を有している。
【0044】
複数の切れ刃2Aは、軸方向先端側を向く先端面2aに隣接し、中心軸C2に垂直な径方向外側を向く外周面2bに形成されている。本実施形態では、中心軸C2の軸回りに、6つの切れ刃2A1、2A2,2A3、2A4、2A5、2A6を有している。
【0045】
切削ヘッド2の外径は、ホルダ3の外径より若干大きくなっている(
図12を参照)。
ここで、切削ヘッド2の中心軸C2は、該切削ヘッド2がホルダ3に装着された状態においてホルダ3の中心軸C3に同軸であるから、ヘッド交換式切削工具1におけるこれら中心軸C2、C3は、互いに共通軸であって工具回転軸Oに同軸である。
【0046】
切削ヘッド2の中央に形成された貫通孔2Dは、
図1、
図13及び
図14に示すように、直径の異なる複数の孔2d1(
図1)、孔2d2(
図13及び
図14)、孔2d3(
図13及び
図14)からなる多段形状をなす。貫通孔2Dの内周面は、先端側から中心軸C2に沿う方向に並ぶ複数の孔2d1,2d2,2d3のうち、中央の孔2d2の内径が最も小径とされ、先端側の孔2d1及び後端側の孔2d3の内径は孔2d2よりも大径とされ互いに同一である。
【0047】
図12に示すように、切削ヘッド2がホルダ3の先端に装着された状態のとき、切削ヘッド2の貫通孔2D内にはホルダ3の先端筒部3Aが挿入される。このとき、ホルダ3の先端筒部3Aは、切削ヘッド2の貫通孔2Dの基端(基端面2C)側から孔2d3内に挿入される。貫通孔2Dの孔2d3は、先端筒部3Aに対応する円柱孔状をなし、ホルダ3の先端筒部3Aの外径D3(
図4)よりも僅かに小さい直径D2(
図14)を有する。
【0048】
切削ヘッド2がホルダ3の先端に装着される際には、切削ヘッド2の貫通孔2D内に、当該貫通孔2Dの基端側に位置する孔2d3の直径よりも外径の大きい先端筒部3Aが挿入される。このとき、先端筒部3Aが孔2d3内に挿入されると、先端筒部3Aの各分割壁部3aが径方向内側へ向かって弾性変形し、これら各分割壁部3aの外周面が切削ヘッド2の貫通孔2Dの孔(当接部)2d3の内周面に当接する。すなわち、切削ヘッド2の貫通孔2Dの基端側の孔2d3の内周面は、ホルダ3の先端筒部3A(各分割壁部3a)の外周面が当接可能とされた当接部である。
【0049】
貫通孔2Dの軸線方向中央に位置する孔2d2は、ピン部材4の雄ねじ部4Aが挿入される孔であって、当該雄ねじ部4Aの外径よりも若干大きい。
【0050】
また、貫通孔2Dの軸線方向先端側に位置する孔2d1は、ピン部材4の頭部4Bが収容される孔であって、当該頭部4B(
図1)の外径よりも若干大きい。
【0051】
切削ヘッド2の基端面2Cには、基端面2Cに開口するとともに軸線方向の先端側へ向けて窪む凹部2Bが複数形成されている。本実施形態では、貫通孔2Dの径方向両側に一対の凹部2Bが形成されている。一対の凹部2Bは、貫通孔2Dから径方向両外側に離れた外周面側に形成されている。これら一対の凹部2Bは、上記中間部材6の一対の凸部6Aが挿入される穴であって軸方向から見た形状が扇形状をなす。
【0052】
図12に示すように、切削ヘッド2が中間部材6を介してホルダ3の先端に装着された状態で、切削ヘッド2の基端面2Cに形成された一対の凹部2Bと、中間部材6の先端に形成された一対の凸部6Aとは、互いに当接して係合する。
【0053】
このヘッド交換式切削工具1は、前述のように切削ヘッド2の一対の凹部2Bに中間部材6の一対の凸部6Aがそれぞれ係合することによって、ホルダ3(中間部材6)に対する工具回転軸Oの軸回りの相対回転が規制されている。
このように、切削ヘッド2の基端側と、切削ヘッド2の基端側に対向する中間部材6の先端側には、互いに係合する凹部2B及び凸部6Aを備えた回転規制部11が形成されている。
【0054】
ピン部材4は、鋼材により形成されている。ピン部材4は、円柱状をなす雄ねじ部4Aと、雄ねじ部4Aよりも大径をなす頭部4Bとを有する。雄ねじ部4Aは、ホルダ3の第1雌ねじ穴3dに螺合するように雄ねじ加工(不図示)が施されている。雄ねじ部4Aの外径は、切削ヘッド2の貫通孔2Dの最小直径(孔2d2)の直径よりも小さい。これによって、ピン部材4が先端筒部3Aの内側に挿入されると、ピン部材4は先端筒部3A(分割壁部3a)には接触することなく、ホルダ3の第1雌ねじ穴3dに螺合される。
【0055】
このように、ピン部材4の雄ねじ部4Aがホルダ3の第1雌ねじ穴3dに螺合された状態において、ホルダ3の中心軸C3に同軸であるから、これら中心軸C4,C3は互いに共通軸である。また、前述のように、ホルダ3の中心軸C3と、切削ヘッド2の中心軸C2は共通軸であるから、これら中心軸C2,C3,C4は共通軸(同軸)であり、工具回転軸Oにも同軸である。
【0056】
次に、このように構成された本実施形態のヘッド交換式切削工具1の調心機構とその効果(ホルダ3に対する切削ヘッド2の取り付け位置精度の向上)について説明する。
なお、本実施形態において「調心機構」とは、切削ヘッド2をホルダ3へ取り付ける際に工具回転軸Oと、切削ヘッド2の中心軸C2およびホルダ3の中心軸C3とを同軸に位置決めするための形状および作用のことである。
【0057】
まず、
図1及び
図2に示すように、ホルダ3の先端側に中間部材6を載せると、中間部材6の中央に形成された貫通孔6a内にホルダ3の先端筒部3Aが挿入され、中間部材6の基端面6nと、ホルダ3の先端面3bとが当接する。この状態で、一対のねじ7により、中間部材6をホルダ3に対して固定する。
【0058】
次に、ホルダ3の先端側に中間部材6を固定した状態で、中間部材6の先端側にさらに切削ヘッド2を載せて、切削ヘッド2の貫通孔2Dの基端側の孔2d3内に、中間部材6から突出したホルダ3の先端筒部3Aを挿入させるように切削ヘッド2を押し込むと、切削ヘッド2の孔2d3の内周面によって、先端筒部3Aの各分割壁部3aが径方向内側へそれぞれ均等に弾性変形されて先端筒部3Aが縮径される。径方向内側へ弾性変形された各分割壁部3aは、その復元力によって、切削ヘッド2の孔2d3の内周面に当接し、当該内周面を径方向外側へ均等に押圧する。
これにより、切削ヘッド2がホルダ3にクランプされる。これにより、切削ヘッド2の中心軸C2は、ホルダ3の中心軸C3と同軸に位置決めされる。
【0059】
そして、切削ヘッド2の基端面2Cと、中間部材6の平坦面6hとが当接するとともに、中間部材6の一対の凸部6Aと、切削ヘッド2の一対の凹部2Bとが互いに噛み合うように係合する。
【0060】
この状態から、切削ヘッド2の貫通孔2Dを通して、ピン部材4をホルダ3の先端筒部3Aの挿通孔3g内に挿入する。ピン部材4の雄ねじ部4Aの直径は、ホルダ3の先端筒部3Aの内側に形成される挿通孔3gの直径よりも小さい。そのため、ピン部材4は、先端筒部3A(各分割壁部3a)に接触することなくホルダ3の第1雌ねじ穴3d内にねじ込まれる。
このように、ピン部材4の雄ねじ部4Aをホルダ3の中央に形成された第1雌ねじ穴3d内に螺合させて締め付けることによって、切削ヘッド2がホルダ3に対して固定される。この状態においては、ホルダ3の中心軸C3、中間部材6の中心軸C6、切削ヘッド2の中心軸C2、ピン部材4の中心軸C4は互いに同軸である。
【0061】
一方、切削加工に供された切削ヘッド2を別の新しい切削ヘッド2に交換する際は、前述の手順と逆の手順によって、ピン部材4をホルダ3から取り外す。これにより、先端筒部3Aは復元変形するとともに、切削ヘッド2の貫通孔2Dの孔2d3から離間される。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のヘッド交換式切削工具1によれば、切削ヘッド2の貫通孔2Dの基端側の孔2d3内にホルダ3の先端筒部3Aを押し込むようにして切削ヘッド2をホルダ3側へ近づけることにより、切削ヘッド2の貫通孔2D(孔2d3)の内周面(当接部)によって先端筒部3Aの各分割壁部3aが径方向内側へ均等に弾性変形し、それと同時に、各分割壁部3aの弾性復元力によって、各分割壁部3aの外周面が貫通孔2Dの孔2d3の内周面に当接して当該内周面を径方向外側へ押圧する。
このようにして、切削ヘッド2がホルダ3に固定され、ホルダ3と切削ヘッド2とが同軸に位置決めされる。
【0063】
これにより、本実施形態におけるヘッド交換式切削工具1では、ピン部材4による調心機構とは異なり、ホルダ3と切削ヘッド2だけでこれらを精度良く取り付けることができる。また、ピン部材4は、先端筒部3Aに接触することなく挿入されるので、取り付け作業が容易である。
【0064】
また、本実施形態では、ホルダ3と切削ヘッド2との間に中間部材6を介在させている。ホルダ3とは別体とされた中間部材6に、切削ヘッド2の凹部2Bに嵌合する凸部6Aを設けることによって、先端筒部3Aの寸法精度を高めることができ、その結果、ホルダ3に対する切削ヘッド2の取り付け位置精度を向上させることが可能である。また、これら凹部2Bと凸部6Aとの嵌合状態によって切削ヘッド2の回転防止効果が得られるとともに、凹部2B及び凸部6Aの造形自由度を高めることが可能である。
【0065】
また、本実施形態におけるヘッド交換式切削工具1の最大外径(工具径)は、φ10mm以上、φ25mm以下である。一般的に、工具径がφ16mm以下は、ソリッド工具を使用し、工具径がφ16mm以上は、刃先交換式切削工具を使用することが多い。すなわち、本実施形態における工具径は、ソリッド工具の大径側から刃先交換式切削工具の小径側の領域で使用される。
【0066】
本実施形態では、ホルダ3の先端筒部3Aによって、ホルダ3に対する切削ヘッド2の位置決めを精度よく行うことができるため、ソリッド工具に近い加工精度が得られる。超硬合金を切削ヘッド2のみに使用し、ホルダ3や中間部材6を鋼材で作製することで、切削工具全体としての価格を抑えることが可能であり、ソリッド工具よりも安価に製造ができる。
【0067】
さらに、工具径が小径で複数の切削インサートを備える構成の場合、切削インサートそのものの大きさが小さく、それに伴って取り付けねじも小さくなるため、切削インサートの着脱作業に時間がかかるなど、作業者の負担が大きかったが、本実施形態では、工具径が従来と同じように小径であったとしても、切削インサート及び取付ねじよりも、切削ヘッド及び取付ねじは大きくなるため、切削ヘッドの着脱作業が容易で作業者の負担を減らすことができる。
【0068】
このように、本実施形態によれば、製造工程を複雑にすることなく、切削ヘッド2のホルダ3に対する取り付け位置の精度をさらに向上させることができるのである。
【0069】
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0070】
例えば、前述した実施形態では、先端筒部3Aが全体として円筒状をなし、切削ヘッド2の貫通孔2D(孔2d3)がこれに対応する円柱穴状をなしているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、先端筒部3Aが、断面非円形の例えば多角形筒状又は楕円筒状をなし、切削ヘッド2の貫通孔2Dが先端筒部5の形状に対応する断面非円形の例えば多角形柱穴状又は楕円柱穴状をなしていても構わない。
この場合、先端筒部3A及び貫通孔2Dは、前述した取付位置精度の向上効果を奏するほか、切削ヘッド2とホルダ3との相対回転を規制する効果をも奏する。
【0071】
また、前述の実施形態では、ヘッド交換式切削工具1は、ヘッド交換式のエンドミルであるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、それ以外のヘッド交換式のねじ切り工具(タップ)等であっても構わない。
また、切削ヘッド2の切れ刃2Aが、先端面2a及び外周面2bに形成されているとしたが、切れ刃2Aは、先端面2a又は外周面2bに形成されていても構わない。
【実施例0072】
以下に、本発明の効果を確認する。
工具の半径方向のふれ量は取付け精度の重要な指標である。工具の半径方向のふれ量が大きい場合、加工寸法精度や加工面品位の悪化、工具寿命のばらつきに直結する。そこで、切削ヘッド2をホルダ3に取り付けた状態で、切削ヘッド2における全ての切れ刃2A1~2A6に市販のダイヤルゲージを用いて工具の半径方向のふれ量の測定を行った。測定時にはホルダ3の側面を基準とした。なお、以下の段落および表1では、半径方向のふれ量を単に「ふれ量」と記載する。
【0073】
実施例は、ホルダ3が先端筒部3Aを有し、ホルダ3と切削ヘッド2との間に中間部材6を備える構成である。
比較例は、ホルダ3には先端筒部3Aがなく、ホルダ3と切削ヘッド2との間に中間部材6のない構成である。
図15は、切削ヘッド2の各切れ刃2A1~2A6を示す斜視図である。
図15に示す各切刃の測定結果を表1に示す。ここで、表1中の最大ふれ量とは、各ふれ量の最小と最大の差を示す。また、表1の結果について切削ヘッド2の切れ刃位置に対応した実施例および比較例における各切れ刃2A1~2A6のふれ量を示すグラフを
図16に示す。なお、
図16では、実施例を実線で示し、比較例を破線で示している。また、
図16に記載された値(0、10、20、30、40、50、60はふれ量を示し、単位はμmである。
【0074】
【0075】
表1に示すように、本発明の構成の場合、各切れ刃2A1~2A6の最大ふれ量は18μmであった。
一方、比較例の構成の場合、各切れ刃2A1~2A6の最大ふれ量は60μmであった。
したがって、本発明の調心機構による切削ヘッド2をホルダ3に取り付けた場合の取り付け位置精度は、比較例よりも良好であることを確認した。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。