(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141139
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】未登録自転車検出装置、未登録自転車検出方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/017 20060101AFI20230928BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20230928BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230928BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G08G1/017
G08G1/04 C
G06Q50/30
G06K7/10 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047300
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】木下 広喜
(72)【発明者】
【氏名】中村 東洋一
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA05
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】目視確認をすることなく未登録自転車の有無を検出できるようにする。
【解決手段】未登録自転車検出装置は、読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報を読み取るRFIDリーダと、RFIDリーダの読取結果に基づいて、読取範囲に存在するRFIDタグの数を計数するRFIDタグ計数部と、読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を取得する画像取得部と、画像取得部により取得された画像に表されている複数の自転車の中から読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数する画像解析部と、RFIDタグ計数部により計数されたRFIDタグの数と画像解析部により計数された自転車の数とに基づいて、読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定する判定部と、判定部の判定結果を表示する表示部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報を読み取るRFIDリーダと、
前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、前記読取範囲に存在する前記RFIDタグの数を計数するRFIDタグ計数部と、
前記読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された前記画像に表されている複数の自転車の中から前記読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数する画像解析部と、
前記RFIDタグ計数部により計数された前記RFIDタグの数と前記画像解析部により計数された前記自転車の数とに基づいて、前記読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする未登録自転車検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記RFIDタグ計数部により計数された前記RFIDタグの数が、前記画像解析部により計数された前記自転車の数よりも小さい場合に、前記読取範囲に未登録自転車が存在すると判定し、
前記表示部は、前記読取範囲に未登録自転車が存在すると前記判定部により判定された場合に、前記RFIDタグ計数部により計数された前記RFIDタグの数と、前記画像解析部により計数された前記自転車の数との差分を、未登録自転車の数として表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の未登録自転車検出装置。
【請求項3】
前記RFIDタグの情報は、登録自転車の有効期限を含み、
前記RFIDタグ計数部は、前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、さらに、前記有効期限が有効期限切れであるRFIDタグの数を計数し、
前記表示部は、さらに、前記RFIDタグ計数部により計数された前記有効期限が有効期限切れであるRFIDタグの数を、有効期限切れの登録自転車の数として表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の未登録自転車検出装置。
【請求項4】
前記表示部は、さらに、前記画像取得部により取得された前記画像を表示し、当該画像に表されている前記複数の自転車において、前記画像解析部により検出された前記読取範囲に存在する自転車を識別可能に表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の未登録自転車検出装置。
【請求項5】
前記画像解析部は、さらに、検出した前記読取範囲に存在する自転車の中から未登録自転車候補の自転車を検出し、
前記表示部は、さらに、表示した前記画像に表されている前記複数の自転車において、前記画像解析部により検出された前記未登録自転車候補の自転車を識別可能に表示する、
ことを特徴とする請求項4記載の未登録自転車検出装置。
【請求項6】
前記画像解析部は、さらに、検出した前記読取範囲に存在する自転車の中から前記有効期限が有効期限切れであるRFIDタグが付されている自転車を検出し、
前記表示部は、さらに、前記画像取得部により取得された前記画像を表示し、当該画像に表されている前記複数の自転車において、前記画像解析部により検出された前記読取範囲に存在する自転車と、前記画像解析部により検出された前記有効期限が有効期限切れであるRFIDタグが付されている自転車とを識別可能に表示する、
ことを特徴とする請求項3記載の未登録自転車検出装置。
【請求項7】
読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報をRFIDリーダに読み取らせ、
前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、前記読取範囲に存在する前記RFIDタグの数を計数し、
前記読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を画像取得部に取得させ、
前記画像取得部により取得された前記画像に表されている複数の自転車の中から前記読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数し、
計数された前記RFIDタグの数と計数された前記自転車の数とに基づいて、前記読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定し、
前記判定の結果を表示部に表示させる、
ことを特徴とする未登録自転車検出方法。
【請求項8】
読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報をRFIDリーダに読み取らせ、
前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、前記読取範囲に存在する前記RFIDタグの数を計数し、
前記読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を画像取得部に取得させ、
前記画像取得部により取得された前記画像に表されている複数の自転車の中から前記読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数し、
計数された前記RFIDタグの数と計数された前記自転車の数とに基づいて、前記読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定し、
前記判定の結果を表示部に表示させる、
処理をプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未登録自転車検出装置、未登録自転車検出方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、登録(契約)された自転車(以下「登録自転車」という)のみ駐輪が許可される駐輪場では、未登録自転車の駐輪(いわゆる違法駐輪)を防止する観点から、自転車1台1台に対して、登録自転車のみに貼付される登録シールが貼付されているか否かの目視確認が駐輪場管理者により行われている。登録シールが貼付されていない自転車は未登録自転車ということになり警告等が行われる。その一方で、このような目視確認で未登録自転車の有無を検出することは駐輪場管理者の負担を大きくする要因になっている。
【0003】
特許文献1~3には、自転車にRFID(Radio Frequency IDentifier)タグを付して自転車を管理するようにしたシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-306186号公報
【特許文献2】特開2007-257090号公報
【特許文献3】特開2005-345545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
登録シールの代わりに(又は登録シールと共に)RFIDタグを登録自転車に付すようにし、当該RFIDタグの情報をRFIDリーダにより読み取るようにした場合は、駐輪場に駐輪されている登録自転車に付されているRFIDタグの情報を一括で読み取ることができるものの、駐輪場に駐輪されている未登録自転車の有無を検出することはできない。この場合も、未登録自転車の有無を検出するためには依然として目視確認(RFIDタグ(又は登録シール)が付されているか否かの目視確認)が必要である。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、目視確認をすることなく未登録自転車の有無を検出することができる未登録自転車検出装置、未登録自転車検出方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
装置の一観点は、読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報を読み取るRFIDリーダと、前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、前記読取範囲に存在する前記RFIDタグの数を計数するRFIDタグ計数部と、前記読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された前記画像に表されている複数の自転車の中から前記読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数する画像解析部と、前記RFIDタグ計数部により計数された前記RFIDタグの数と前記画像解析部により計数された前記自転車の数とに基づいて、前記読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果を表示する表示部と、を備える未登録自転車検出装置である。
【0008】
方法の一観点は、読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報をRFIDリーダに読み取らせ、前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、前記読取範囲に存在する前記RFIDタグの数を計数し、前記読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を画像取得部に取得させ、前記画像取得部により取得された前記画像に表されている複数の自転車の中から前記読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数し、計数された前記RFIDタグの数と計数された前記自転車の数とに基づいて、前記読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定し、前記判定の結果を表示部に表示させる、未登録自転車検出方法である。
【0009】
プログラムの一観点は、読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報をRFIDリーダに読み取らせ、前記RFIDリーダの読取結果に基づいて、前記読取範囲に存在する前記RFIDタグの数を計数し、前記読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を画像取得部に取得させ、前記画像取得部により取得された前記画像に表されている複数の自転車の中から前記読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数し、計数された前記RFIDタグの数と計数された前記自転車の数とに基づいて、前記読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定し、前記判定の結果を表示部に表示させる、処理をプロセッサに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、目視確認をすることなく未登録自転車の有無を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態に係る未登録自転車検出装置の機能構成を例示する図である。
【
図2】一実施の形態に係る未登録自転車検出装置のハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】登録自転車に付されるRFIDタグの位置を例示する図である。
【
図4】一実施の形態に係る未登録自転車検出装置の使用例を示す図である。
【
図5】未登録自転車検出処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図6】表示ユニットの表示画面を例示する図(その1)である。
【
図7】表示ユニットの表示画面を例示する図(その2)である。
【
図8】表示ユニットの表示画面を例示する図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、一実施の形態に係る未登録自転車検出装置の機能構成を例示する図である。
図1に例示した未登録自転車検出装置1は、登録自転車のみ駐輪が許可されている駐輪場に駐輪されている複数の自転車において、未登録自転車の有無を検出することができる装置であり、利用者(駐輪場管理者)が持ち運び可能な携帯型(ハンディタイプ)の装置である。登録自転車には、予め登録時等にRFIDタグが付されている。
【0014】
図1に例示したように、未登録自転車検出装置1は、RFIDリーダ11、RFIDタグ計数部12、画像取得部13、画像解析部14、判定部15、及び表示部16を備える。
【0015】
RFIDリーダ11は、読取範囲(RFIDリーダ11の読取範囲)に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報を読み取る。RFIDタグ計数部12は、RFIDリーダ11の読取結果に基づいて、読取範囲に存在するRFIDタグの数を計数する。画像取得部13は、読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像を取得する。画像解析部14は、画像取得部13により取得された画像に表されている複数の自転車の中から読取範囲に存在する自転車を検出し、当該自転車の数を計数する。判定部15は、RFIDタグ計数部12により計数されたRFIDタグの数と画像解析部14により計数された自転車の数とに基づいて、読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定する。表示部16は、判定部15の判定結果を表示する。
【0016】
判定部15は、RFIDタグ計数部12により計数されたRFIDタグの数が、画像解析部14により計数された自転車の数よりも小さい場合に、読取範囲に未登録自転車が存在すると判定し、表示部16は、読取範囲に未登録自転車が存在すると判定部15により判定された場合に、RFIDタグ計数部12により計数されたRFIDタグの数と、画像解析部14により計数された自転車の数との差分を、未登録自転車の数として表示してもよい。
【0017】
RFIDタグの情報は、登録自転車の有効期限を含んでもよい。そして、RFIDタグ計数部12は、RFIDリーダ11の読取結果に基づいて、さらに、有効期限が有効期限切れであるRFIDタグの数を計数し、表示部16は、さらに、RFIDタグ計数部12により計数された有効期限が有効期限切れであるRFIDタグの数を、有効期限切れの登録自転車の数として表示してもよい。
【0018】
表示部16は、さらに、画像取得部13により取得された画像を表示し、当該画像に表されている複数の自転車において、画像解析部14により検出された読取範囲に存在する自転車を識別可能に表示してもよい。
【0019】
画像解析部14は、さらに、検出した読取範囲に存在する自転車の中から未登録自転車候補の自転車を検出し、表示部16は、さらに、表示した画像に表されている複数の自転車において、画像解析部14により検出された未登録自転車候補の自転車を識別可能に表示してもよい。
【0020】
画像解析部14は、さらに、検出した読取範囲に存在する自転車の中から有効期限が有効期限切れであるRFIDタグが付されている自転車を検出し、表示部16は、さらに、画像取得部13により取得された画像を表示し、当該画像に表されている複数の自転車において、画像解析部14により検出された読取範囲に存在する自転車と、画像解析部14により検出された有効期限が有効期限切れであるRFIDタグが付されている自転車とを識別可能に表示してもよい。
【0021】
このような未登録自転車検出装置1によれば、目視確認をすることなく未登録自転車の有無の検出が可能になる。以下、未登録自転車検出装置1について、より具体的に説明する。
【0022】
図2は、一実施の形態に係る未登録自転車検出装置のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示したように、未登録自転車検出装置1は、制御ユニット110、表示ユニット120、入力ユニット130、RFIDリーダ11、及びカメラユニット140を備える。
【0023】
制御ユニット110は、プロセッサ111、RAM(Random Access Memory)112、グラフィック処理ユニット113、記憶装置114、及び入出力インタフェース115を備え、これらはバス116で相互に接続されている。図示はしないが、ネットワークを介してサーバ等の外部装置と通信を行うための通信インタフェースがバス116に更に接続されてもよい。
【0024】
プロセッサ111は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ111は、OS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することにより、未登録自転車検出装置1の全体動作を制御する。例えば、プロセッサ111は、RFIDリーダ11の読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報をRFIDリーダ11に読み取らせ、その読取結果に基づいて、読取範囲に存在するRFIDタグの数を計数し、読取範囲の全部又は一部を含む範囲の画像をカメラユニット140に取得させ、その画像に表されている複数の自転車の中から読取範囲に存在する自転車を検出して当該自転車の数を計数し、計数されたRFIDタグの数と計数された自転車の数とに基づいて、読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定し、その判定結果を表示ユニット120に表示させる、といった動作を制御する。RAM112は、プロセッサ111により実行されるプログラムの一部が一時的に格納されたり、プロセッサ111の作業用記憶領域として使用されたりする。
【0025】
グラフィック処理ユニット113は、表示ユニット120と接続されており、プロセッサ111からの制御信号に従って、各種の画面(例えば上述の判定結果を含む画面)やカメラユニット140により撮影された画像等を表示ユニット120に表示させる。表示ユニット120は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である。
【0026】
記憶装置114は、例えばSSD(Solid State Drive)である。記憶装置114は、プロセッサ111により実行される各種のプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等を記憶する。
【0027】
入出力インタフェース115は、入力ユニット130、RFIDリーダ11、及びカメラユニット140と接続されている。入出力インタフェース115は、プロセッサ111からの制御信号を、入力ユニット130、RFIDリーダ11、及びカメラユニット140に通知する。また、入出力インタフェース115は、入力ユニット130、RFIDリーダ11、及びカメラユニット140からの信号(データ、情報)をプロセッサ111に通知する。図示はしないが、入出力インタフェース115は、可搬型記録媒体に対する情報の書き込みや読み出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと更に接続されてもよい。
【0028】
このような構成を有する制御ユニット110は、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよい。例えば、プロセッサ111は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0029】
入力ユニット130は、複数のキー(ボタン)を備え、当該複数のキーに対する操作を検出し、その検出結果をプロセッサ111に通知する。利用者は、入力ユニット130に対する操作により、各種の入力を行うことができる。なお、入力ユニット130は、表示ユニット120上に配置されるタッチパネルでもよい。
【0030】
RFIDリーダ11は、上述のとおり、読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグの情報を読み取る。RFIDリーダ11がRFIDタグの情報を読み取る際の通信方式は電波方式である。RFIDリーダ11が備える図示しないRFIDアンテナは、例えば、読取時のRFIDタグの向きの影響を受け難い円偏波タイプのアンテナであり、指向性を有する。RFIDリーダ11の読取範囲に関し、RFIDリーダ11が読取可能なRFIDタグまでの最大距離(すなわち最大通信距離)は、例えばRFIDアンテナの出力電波強度によって決定される。
【0031】
カメラユニット140は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを備え、そのイメージセンサを用いて撮影(撮像)を行い、画像を取得する。カメラユニット140の撮影方向は、RFIDリーダ11の読取方向(RFIDアンテナの電波放射方向)と略一致する。従って、カメラユニット140の撮影範囲は、RFIDリーダ11の読取範囲の全部又は一部を含む範囲となる。すなわち、カメラユニット140は、RFIDリーダ11の読取範囲の全部又は一部を含む範囲を撮影し、その画像を取得する。
【0032】
図2に例示した未登録自転車検出装置1において、プロセッサ111は、RFIDタグ計数部12、画像解析部14、及び判定部15の一例である。表示ユニット120は、表示部16の一例である。カメラユニット140は、画像取得部13の一例である。
【0033】
図3は、登録自転車に付されるRFIDタグの位置を例示する図である。
図3に例示したように、登録自転車に付されるRFIDタグ2は、点線枠A又は点線枠Bで示した、登録自転車のフレームの一部の位置に貼付等により付される。但し、登録自転車に付されるRFIDタグ2の位置は、これらの位置に限定されるものではない。RFIDタグ2は、登録シールの代わりに又は登録シールと共に登録自転車に付されてもよい。登録シールと共に付される場合は、RFIDタグ2が登録シールの一部として登録自転車に貼付されてもよい。
【0034】
次に、
図4~
図8を用いて、未登録自転車検出装置1が行う処理(以下、「未登録自転車検出処理」という)について説明する。
図4は、一実施の形態に係る未登録自転車検出装置の使用例を示す図である。
図5は、未登録自転車検出処理の流れを例示するフローチャートである。
図6~
図8は、表示ユニットの表示画面を例示する図である。
【0035】
図4に例示したように、未登録自転車検出装置1(が備えるRFIDリーダ11)の読取方向が、登録自転車のみ駐輪が許可されている駐輪場に駐輪されている複数の自転車(
図4の例では10台の自転車)に向けられて、リアルタイムにカメラユニット140(図示せず)により撮影され表示ユニット120に表示される画像にその複数の自転車が含まれるようにされた上で、利用者による入力ユニット130に対する操作により未登録自転車検出指示が入力されると、未登録自転車検出装置1は、
図5に例示した未登録自転車検出処理を開始する。なお、この未登録自転車検出処理は、プロセッサ111が上述のプログラムを実行することにより行われる処理である。
【0036】
図5に例示したように、未登録自転車検出装置1は、未登録自転車検出処理を開始すると、まず、RFIDリーダ11の読取範囲に存在する、登録自転車に付されているRFIDタグ2の情報をRFIDリーダ11により読み取る(ステップ(以下単に「S」という)10)。ここでは、いわゆるRFIDタグ2の一括読み取りが行われる。
【0037】
次に、未登録自転車検出装置1は、S10での読取結果に基づいて、読取範囲に存在するRFIDタグ2の数を計数する(S20)。ここでは、例えば、S10で7個のRFIDタグ2の情報が読み取られていた場合には、RFIDタグ2の数が7と計数される。
【0038】
次に、未登録自転車検出装置1は、カメラユニット140により画像を取得し(S30)、当該画像に表されている複数の自転車の中から読取範囲に存在する自転車を検出して当該自転車の数を計数する(S40)。より詳しくは、S40では、画像に表されている複数の自転車の各々を検出し、検出した各自転車までの距離を算出する。そして、読取範囲に含まれる距離の自転車を検出し、その自転車の数を計数する。なお、画像に表されている複数の自転車の各々の検出は、例えば、公知の画像認識技術や物体認識技術を用いて行うことができる。また、検出した各自転車までの距離の算出は、例えば、公知の検出物体距離推定技術、或いは、特開2018-155726号公報に記載の技術を用いて行うことができる。但し、特開2018-155726号公報に記載の技術を用いる場合は、カメラユニット140が、当該公報に記載されているような特定のフィルタ、レンズ、及びイメージセンサを備えるように構成される。
【0039】
次に、未登録自転車検出装置1は、S20で計数されたRFIDタグ2の数とS40で計数された自転車の数とに基づいて、読取範囲に未登録自転車が存在するか否かを判定する(S50)。ここでは、S20で計数されたRFIDタグ2の数が、S40で計数された自転車の数よりも小さい場合に、読取範囲に未登録自転車が存在すると判定し、そうでない場合は、読取範囲に未登録自転車が存在しないと判定する。
【0040】
次に、未登録自転車検出装置1は、S50での判定結果(未登録自転車の有無)を含む画面を表示ユニット120に表示し(S60)、
図5に例示した未登録自転車検出処理を終了する。
【0041】
S60で表示ユニット120に表示される画面には、
図6に例示したように、未登録自転車の有無(
図6の例示では「未登録自転車有り」)の他、総自転車数、登録自転車数、及び未登録自転車数と、S30で取得された画像とが表示されてもよく、当該画像に表されている複数の自転車においては、読取範囲に存在する自転車が識別可能に表示されてもよい。総自転車数は、S40で計数された自転車の数、則ち読取範囲に存在する自転車の数である(
図6の例示では「総自転車数:8台」)。登録自転車数は、S20で計数されたRFIDタグ2の数、則ち読取範囲に存在する登録自転車の数である(
図6の例示では「登録自転車数:7台」)。未登録自転車数は、S20で計数されたRFIDタグ2の数(登録自転車数)がS40で計数された自転車の数(総自転車数)よりも小さい場合の両者の数の差分である(
図6の例示では「未登録自転車数:1台」)。このような場合においては、S40で検出された、画像に表されている複数の自転車の各々が矩形枠で囲まれて表示されてもよく、さらに、S40で算出された、画像に表されている複数の自転車の各々までの距離が表示されてもよい。そして、読取範囲に存在する各自転車の矩形枠と読取範囲外に存在する各自転車の矩形枠とが異なる色(例えば前者が赤色で後者が青色)で表示されることで、読取範囲に存在する自転車が識別可能に表示されてもよい。なお、
図6の例示では、5mまでの距離に存在する自転車が、読取範囲に存在する自転車とされており、距離「1.0m」、「1.7m」、「2.2m」、「2.8m」、「3.5m」、「3.8m」、「4.3m」、及び「4.9m」の8台の自転車が読取範囲の自転車とされ、距離「5.9m」及び「6.5m」の2台の自転車が読取範囲外の自転車とされている。このような
図6に例示した表示画面により、利用者は、読取範囲に存在する自転車において、未登録自転車の有無の確認は勿論のこと、未登録自転車有りの場合の未登録自転車数の確認もできる。
【0042】
S60で表示ユニット120に表示される画面には、
図7に例示したように、さらに、読取範囲に存在する、有効期限が切れている登録自転車の数(期限切れ登録自転車数)が表示されてもよく(
図7の例示では「期限切れ登録自転車数:1台」)、画像に表されている複数の自転車においては、読取範囲に存在する期限切れ登録自転車が識別可能に表示されてもよい。この場合は、登録自転車に付されるRFIDタグ2の情報が、当該登録自転車の有効期限を含むようにされ、S20では、RFIDリーダ11の読取結果に基づいて、さらに、有効期限が有効期限切れであるRFIDタグ2の数が計数されるようにし、S60では、その数が期限切れ登録自転車数として表示されるようにしてもよい。また、S40では、さらに、検出された読取範囲に存在する自転車の中から期限切れ登録自転車が検出されるようにし、S60では、さらに、その期限切れ登録自転車が識別可能に表示されるようにしてもよい。例えば、S40では、有効期限が有効期限切れであるRFIDタグ2の情報に含まれるRSSI(Received Signal Strength Indicator)に基づいて当該RFIDタグ2までの距離が算出され、当該距離と略一致する距離の自転車が、距離が検出されている自転車の中から、期限切れ登録自転車として検出されるようにしてもよい。また、S60では、検出された期限切れ登録自転車の矩形枠が、他の自転車の矩形枠と異なる色(例えば緑色)及び線幅で表示されることで、期限切れ登録自転車が識別可能に表示されるようにしてもよい。
図7の例示では、距離「3.8m」の自転車が、期限切れ登録自転車とされている。このような
図7に例示した表示画面により、利用者は、読取範囲に存在する自転車において、期限切れ登録自転車数を確認することができると共に、期限切れ登録自転車が何れであるかを確認することもできる。
【0043】
S60で表示ユニット120に表示される画面には、
図8に例示したように、さらに、画像に表されている複数の自転車において、読取範囲に存在する未登録自転車候補の自転車が識別可能に表示されてもよい。この場合、S40では、さらに、検出された読取範囲に存在する自転車の中から未登録自転車候補の自転車が検出されるようにし、S60では、さらに、画像に表されている複数の自転車において、その未登録自転車候補の自転車が識別可能に表示されるようにしてもよい。例えば、S40では、RFIDタグ2の情報に含まれるRSSIに基づいて読取範囲に存在する各RFIDタグ2までの距離が算出され、算出された各距離と略一致しない距離の自転車が、距離が検出されている読取範囲に存在する自転車の中から、未登録自転車候補の自転車として検出されるようにしてもよい。また、S60では、検出された未登録自転車候補の自転車の矩形枠が、他の自転車の矩形枠と異なる色(例えば紫色)及び線幅で表示されることで、未登録自転車候補の自転車が識別可能に表示されるようにしてもよい。
図8の例示では、距離「2.8m」の自転車が、未登録自転車候補の自転車とされている。このような
図8に例示した表示画面により、利用者は、読取範囲に存在する自転車において、未登録自転車候補の自転車が何れであるかを確認することができる。
【0044】
なお、
図5に例示した未登録自転車検出処理が行われて、例えば、
図6~
図8を用いて説明した表示画面が表示された場合、画像に表されている10台の自転車のうち、読取範囲外の自転車とされた2台の自転車(距離が「5.9m」及び「6.5m」の自転車)においては未登録自転車が含まれているか否かは不明である。そこで、このような場合は、その2台の自転車が読取範囲に含まれるように、未登録自転車検出装置1の位置や向きを変更した上で、再び
図5に例示した未登録自転車検出処理を実行させればよい。このように、駐輪されている自転車が多数であるために全ての自転車を読取範囲に収めることができない場合は、未登録自転車検出装置1の位置や向きを変更して複数回に分けて
図5に例示した未登録自転車検出処理を実行させればよい。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る未登録自転車検出装置1によれば、登録自転車のみ駐輪が許可されている駐輪場に駐輪されている複数の自転車において、目視確認をすることなく未登録自転車の有無を検出することができる。
【0046】
本実施形態において、RFIDリーダ11は、RFIDタグ2へ情報を書き込む機能を更に備えたRFIDリーダライタであってもよい。
【0047】
本実施形態において、
図6~
図8に例示した表示画面では、読取範囲に存在する自転車や、期限切れ登録自転車や、未登録自転車候補の自転車を識別可能に表示する際に、自転車の矩形枠を異なる色や線幅で表示したが、その他の異なる形態(例えば異なる線種)で表示するようにしてもよい。また、期限切れ登録自転車や、未登録自転車候補の自転車を識別可能に表示する際に、期限切れ登録自転車であることや、未登録自転車候補の自転車であることを、その自転車に付記して表示するようにしてもよい。
【0048】
本実施形態において、
図5に例示した未登録自転車検出処理は、例えば、利用者による入力ユニット130に対する操作により終了指示が入力されるまで、繰り返し行われるようにしてもよい。これにより、例えば、未登録自転車検出処理中に利用者が未登録自転車検出装置1の位置や向きを変更した場合は、変更後の位置や向きに応じた処理結果をリアルタイムに表示ユニット120に表示させることができる。例えば、上述の複数回に分けて
図5に例示した未登録自転車検出処理を実行させる必要がある場合等に適用することで、利用者が未登録自転車検出指示を何度も入力する手間を省くことができる。
【0049】
本実施形態において、カメラユニット140をステレオカメラとしてもよい。この場合、
図5に例示した未登録自転車検出処理において、S30では、ステレオカメラが備える左右の2つのカメラで撮影された2つの画像を取得し、S40では、その一方の画像を用いて、当該画像に表されている複数の自転車の各々を検出し、検出した各自転車までの距離を、S30で取得された2つの画像に基づいて算出するようにしてもよい。そして、読取範囲に含まれる距離の自転車を検出し、その自転車の数を計数するようにしてもよい。また、S60で表示される画面には、複数の自転車の各々を検出した際に使用された画像が表示されるようにしてもよい。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 未登録自転車検出装置
2 RFIDタグ
11 RFIDリーダ
12 RFIDタグ計数部
13 画像取得部
14 画像解析部
15 判定部
16 表示部
110 制御ユニット
111 プロセッサ
112 RAM
113 グラフィック処理ユニット
114 記憶装置
115 入出力インタフェース
116 バス
120 表示ユニット
130 入力ユニット
140 カメラユニット