(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014122
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造
(51)【国際特許分類】
F16K 7/12 20060101AFI20230119BHJP
F16K 31/50 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F16K7/12 B
F16K7/12 A
F16K31/50 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182231
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2021153087の分割
【原出願日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】109132798
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508343434
【氏名又は名称】和正豐科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】簡煥然
(72)【発明者】
【氏名】陳柏文
(57)【要約】
【課題】フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造を提供する。
【解決手段】調整機構により弁の開度を手動で調整できるフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造であって、調整機構が弁上蓋に設置され、弁上蓋が、中心孔と、位置決め孔を備える。調整機構が、弁軸と、調整座体と、C字形リングと、調整ホイールと、移動インジケータと、位置決めナットセットと、緊結ナットセットを含む。弁軸が空心軸であり、固定端と、軸棒と、複数の気体ガイド孔と、摺動部と、調整ねじ山と、緊結ねじ山を含み、摺動部が平行面カット軸である。調整座体が、ショルダ部と、ネック部と、内部空間と、摺動孔と、外環凹陥槽と、工具開口と、位置決め柱を含み、位置決め柱と位置決め孔の結合により弁軸の同心を維持する。C字形リングが、外環と、内径孔と、開口部と、工具孔と、幅Bと、厚みTを含み、位置決めナットセットと緊結ナットセットが2つのナットで構成される。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整機構により弁の開度を手動で調整できるフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造であって、該調整機構が弁上蓋に設置され、該弁上蓋が、中心孔と、1つまたは1つ以上の位置決め孔を備え、そのうち、
該調整機構が、弁軸と、調整座体と、C字形リングと、調整ホイールと、移動インジケータと、位置決めナットセットと、緊結ナットセットを含み、
該弁軸が空心軸であり、固定端と、軸棒と、複数の気体ガイド孔と、摺動部と、調整ねじ山と、緊結ねじ山を含み、該摺動部が平行面カット軸であり、
該調整座体が、ショルダ部と、ネック部と、内部空間と、摺動孔と、外環凹陥槽と、工具開口と、位置決め柱を含み、該位置決め柱と該位置決め孔の結合により該弁軸の同心を維持し、
該C字形リングが、外環と、内径孔と、開口部と、2つの工具孔と、幅Bと、厚みTを含み、該位置決めナットセットと該緊結ナットセットがいずれも2つのナットで構成され、
該調整ホイールが、頂部と、外周面と、内周面と、内環凹陥槽と、ボス部と、調整ねじ孔と、工具開口を含み、
ゲート形ストリップ状の該移動インジケータが、移動空間と、位置目盛と、2つの固定孔と、中心孔を含み、
該C字形リングが該内環凹陥槽と該外環凹陥槽で完全に開くことができ、該内環凹陥槽と該外環凹陥槽が同じ槽幅Wを有し、かつ該C字形リングの厚みTと摺動可能に組み合わせることができ、該調整ホイールを該調整座体に対して円滑に相対回動させることができ、該摺動孔が該弁軸の該摺動部と相互に結合され、該弁軸の調整ねじ山と該調整ホイールの調整ねじ孔が相互に結合される、ことを特徴とする、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項2】
工具を用いて工具開口から前記2つの工具孔を利用してC字形リングを緊縮させてから、該調整ホイールを該調整座体上に設置し、該C字形リングの内径孔の直径が該外環凹陥槽の外環直径より小さく、該C字形リングの外環の直径が該内環凹陥槽の内径より小さい、ことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項3】
前記槽幅Wが、W-0.0mm≧T≧W-0.1mmであり、該弁軸が圧力波を受けるとき圧力波の力を該調整ホイールに直接伝達し、かつ該C字形リングを介して弁体構造に伝達する、ことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項4】
前記調整機構の位置表示機能とインジケータのゼロ調整機能及び該弁軸のロック機能が、該移動インジケータを該調整ホイールの該頂部に設置し、該弁軸を該移動インジケータの該中心孔に挿通して緊結ナットセットを取り付け、該緊結ナットセットで該弁軸を該移動インジケータに緊結し、該位置決めナットセットを該緊結ねじ山上に取り付け、弁を閉じたとき、該位置決めナットセットの下方のナットが該調整ホイールの該頂部に当接し、かつ上方のナットを用いて緊結し、該位置決めナットセットを該弁軸上に固定するとともに、該位置決めナットセットの2つのナットの中間線が位置表示の基準となり、該位置目盛のゼロ点に対応し、該弁の開度を再度調整する必要があるときは、該緊結ナットセットを緩め、該調整ホイールを用いて必要な位置に調整し、該緊結ナットセットを再度鎖結する、ことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項5】
前記調整座体が、該弁上蓋と一体である、ことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項6】
前記弁軸が空心軸であり、固定端と、軸棒と、複数の気体ガイド孔と、調整ねじ山と、緊結ねじ山と、ピストンを含み、該調整座体が、ショルダ部と、ネック部と、内部空間と、外環凹陥槽と、工具開口と、位置決め柱を含み、かつ該ピストンが上部弁体に結合できるとき、該上部弁体が該弁軸の回転阻止機能を提供する、ことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項7】
前記弁軸が空心軸であり、固定端と、軸棒と、複数の気体ガイド孔と、調整ねじ山と、緊結ねじ山と、ピストンと、摺動部を含み、該調整座体が、ショルダ部と、ネック部と、内部空間と、外環凹陥槽と、工具開口と、位置決め柱と、定置座体と、定置ねじ山を含み、該調整座体を用いて定置リングを設置し、かつ定置ねじ付きブッシングを用いて該定置リングを緊結することができ、該定置リングが、凸縁部と、外周面と、内長丸孔を含み、該定置ねじ付きブッシングが、外ねじ山と、中心孔と、緊合部を含み、該内長丸孔と該弁軸の該摺動部が結合され、該弁軸の回転阻止機能が該定置リングにより提供される、ことを特徴とする、請求項6に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項8】
保護装置を用いて誤った操作を防止できる、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造であって、該保護装置は調整装置と移動インジケータを連結する弁軸を有し、該弁軸と該調整装置を通じて該手動弁の開度を調節し、該弁軸が緊結ねじ山を備え、かつ該保護装置が誤った操作を防止できるよう確約する位置決めナットセットと、緊結ナットセットを含み、そのうち、
該保護装置が、該移動インジケータと、安全カバーを含み、該ゲート形ストリップ状の該移動インジケータが、移動空間と、位置目盛と、2つの固定孔と、中心孔と、安全座部と、ネジ固定部と、ネジ固定孔を含み、該調整装置が弁の開度調整を完了した後、該位置決めナットセットが該弁軸に相互に緊結され、該緊結ナットセットが該移動インジケータに緊結され、該安全カバーが、内部チャンバと、固定辺と、ネジ固定部と、ネジ固定孔を含み、該安全カバーの該固定辺が該移動インジケータの安全座部に設置され、該安全カバーの該ネジ固定部を該移動インジケータの該ネジ固定部と相互に組み合わせ、かつ2つの該ネジ固定孔を相通させて1つのロックでロックすることができ、該安全カバーの該内部チャンバが該移動インジケータと該弁軸をカバーすることができる、ことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【請求項9】
ノーマルクローズ型エアー弁の前記弁上蓋の該頂部に移動インジケータが設置され、該移動インジケータの底部に該弁上蓋の該位置決め孔と結合される位置決め柱が設けられ、該移動インジケータがさらに位置規制ボルトと、該緊結ナットセットと、該安全カバーを含み、該位置規制ボルトにまず該該緊結ナットセットが取り付けられ、かつ該移動インジケータの中心孔に挿通され、該緊結ナットセットを用いて該位置規制ボルトの末端に取り付け、該位置規制ボルトの末端が必要な高さになるまで螺合し、このとき該位置規制ボルトを該緊結ナットセットで緊結し、高圧気体が駆動シリンダに導入されたとき、該弁軸の末端が該位置規制ボルトにより阻まれ、該安全カバーが該移動インジケータを保護することができる、ことを特徴とする、請求項8に記載のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイヤフラムバルブの構造に関し、特に、PTFE、PFA等のフッ素樹脂材質を使用して製造されたダイヤフラムバルブであって、高い耐腐蝕性と極めて低い熱伝導係数約0.25W/(mK)を有する、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブに関する。これはセラミックスアルミナAl2O3の熱伝導係数約30W/(mK)よりずっと低く、このような極めて低い熱伝導特性によりこの材質は約250℃の高温操作環境に耐えることができるが、フッ素樹脂のダイヤフラムバルブは高温条件下で使用される場合、対応可能な圧力と耐えることのできる構造強度が大幅に低下する。現在の使用者のニーズを鑑みると、200℃以上の高温における低圧力の高清浄度液体輸送のニーズが増えつつあり、また高環境温度と高信頼性へのニーズも常にあるため、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブが200℃でも高い信頼性で動作できることが1つの課題となっている。
【背景技術】
【0002】
以下の本文において、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブはフッ素樹脂バルブとも呼ばれ、手動操作されるものは手動弁、空気圧で動作するものはエアー弁と呼ばれ、フッ素樹脂バルブは手動弁とエアー弁の総称である。金属ダイヤフラム、フッ素樹脂弁座、フッ素樹脂ライニング、フッ素樹脂ダイヤフラム等を含む金属ダイヤフラムバルブは、手動操作されるものは手動金属弁と呼ばれ、金属弁は以上の金属ダイヤフラムバルブの総称である。
【0003】
ダイヤフラムバルブの歴史は長く、応用範囲も非常に広範であり、その駆動方式には手動、空気圧、電動があり、接液部の部品または構造の材質には金属、プラスチック、プラスチックライニング、フッ素材料、フッ素樹脂ライニング等がある。
【0004】
従来の金属弁は、往々にして簡単な構造で高温高圧の環境下でも容易に動作し、管路の圧力波にも耐えることができ、低腐食性の液体を輸送する際には耐腐食性の金属を使用でき、空気圧式や手動式の耐圧構造でも弁開度調整機構でも、金属材質の高い剛性を充分に活かすことができる。例えば、冷間圧延304ステンレス鋼板は引張強度が520MPa、延伸率が約40%であり、また例えば、オールメタル弁座の対応液体温度は300℃または350℃@10kg/cm2で、冷却手段を必要とせずに動作する。PFA弁座にした場合対応液体温度は200℃@10kg/cm2に達し、高圧型金属弁の最高使用圧力は出入口圧力差100kg/cm2@80℃に達することができ、弁座はPCTFEである。従来の金属弁は高温・高腐食用途に用いる場合、金属構造で支持されたフッ素樹脂ライニング構造が使用されるが、この場合、耐高温の条件はフッ素樹脂の耐熱性によって制限され、構造によっては200℃または250℃未満にしかならない。
【0005】
一般的な手動金属弁の弁開度調整機構は、基本的に、弁軸と、ダイヤフラムと、ハンドルと、支持盤と、弁上蓋と、ネジ孔で構成される。該支持盤上にT字形槽が設けられ、該弁軸のT字形端との連結に用いられ、かつ該支持盤の複数の径方向リブと該弁上蓋内側の複数の径方向リブが相互に結合される。該ダイヤフラムが該支持盤の下方に設置される。該弁軸の伝動方式に基づき、2種類に分けることができる。
【0006】
第一類は、該弁軸が回動し、該弁上蓋の軸孔が該ネジ孔であり、該弁軸と結合され、該ハンドルが該弁軸の他端に設置され、該弁軸の回動を直接駆動するために用いられる。該ハンドルが該弁軸に沿って上下移動し、該弁軸が該T字形槽内で相対的に回動することができる。
【0007】
第二類は、該弁軸が回動せず、該ネジ孔が位置決めナットの内孔に設けられ、該位置決めナットが該弁上蓋の軸心孔に位置決めされて取り付けられ、かつ該弁軸と結合される。該ハンドルと該位置決めナットの結合により回動され、該弁軸がT字形槽内で回動できず、つまり該支持盤が回動を止める機能を提供する。
【0008】
これら2種類の伝動方式はそれぞれ次のいくつかの基本的な構造機能を備えている。
【0009】
機能1:位置決め用ネジ孔は、第一類のみに属し、該手動金属弁の静止構造上、例えば該弁上蓋の軸孔に位置決めして設けられ、該弁軸と該ネジ孔の結合により該弁軸の上下移動の機能を達成させる。
【0010】
機能2:位置決めナットは、第二類のみに属し、位置決めナットの中心孔がネジ孔であり、その一端に凸縁部を備え、他端にハンドルを結合することができ、弁上蓋の軸心孔に取り付けられたとき、凸縁部を備えた一端が弁上蓋の内側に位置し、ハンドルを結合する一端が外側に位置する。かつハンドルの軸孔下側の摺動面が弁上蓋の中心孔外側面の摺動面と結合でき、軸方向の位置決め機能が達成される。
【0011】
機能3:ダイヤフラムの回動止めは、第一類のみに属し、ある機構を設けて該弁軸の回動またはトルクを隔離する。例えば該支持盤にT字形槽を設けて該弁軸の該T字形端を連結し、かつその下方に該ダイヤフラムを設置することで、該支持盤と該弁上蓋が回動を止めて該ダイヤフラムにトルクを受けさせない。
【0012】
機能4:弁軸の回動止めは、第二類のみに属し、弁軸の回動止め機能は同時にダイヤフラムの回動止め機能を提供することができる。該位置決めナットが該ハンドルにより回動されるため、該弁軸の回動不能には上下摺動機構の回動を止める必要があり、例えば該支持盤のT字形槽も該弁軸の回動止め機能を提供することができる。
【0013】
つまり、第一類の伝動方式は一対のネジ孔とダイヤフラム回動止めの2つの機能を備えており、第二類の伝動方式は位置決めナットと弁軸の回動止めの2つの機能を備えている。第二類の伝動方式のこのような機能を完成させるにはハンドルと、弁上蓋と、位置決めナットと、複数のボルトと、支持盤の計5種類の部材が必要である。
【0014】
図9に示すように、従来のライニングを有する手動金属弁8において、弁の開度は調整機構により操作される。該弁軸の伝動は第二類であり、該手動金属弁8は、弁体80と、ダイヤフラム81と、支持盤82と、弁上蓋83と、弁軸84と、位置決めナット85と、位置インジケータ86と、ハンドル87と、一組のボルト88を含む。該弁体80はフッ素樹脂ライニングを備えた金属弁体であり、出口801と、入口802と、弁室803と、密封面804を備えている。該支持盤82は金属材質であり、T字形槽821と、複数のリブ822を備えている。該ダイヤフラム81は、中央部811と、円周部812と、ゴムパッド813を含む。該位置決めナット85は、ネジ孔851と、回転リング852と、方形リング853と、フランジ854と、位置決めボルト855を備えている。該ハンドル87は、中心孔871と、方形孔872と、固定ボルト孔873と、摺動面874を備えている。該弁軸84は、T字形軸端841と、調整ねじ山842と、末端843を備えている。該弁上蓋83は、軸心孔831と、複数のリブ槽832と、摺動面833と、複数のボルト孔834と、圧迫面835と、位置決め孔836を備えている。該弁軸84の該T字形軸端841と該支持盤82の該T字形槽821が結合され、該支持盤82の下方に該ダイヤフラム81とゴムパッド813が設置される。該位置決めナット85が該弁上蓋83の軸心孔831に設置され、該フランジ854が該弁上蓋83の内側に位置し、該ハンドル87の方形孔872と該方形リング853が1組の固定ボルト875により相互に結合され、該ハンドル87が軸方向の位置上に固定され、かつ該弁上蓋83の上側に位置し、両者の該摺動面833/874が相互に結合される。該弁軸84は該位置決めナット85に挿通され、かつ該ハンドル87の該中心孔871に挿通されて、該末端843に該位置インジケータ86が設置される。かつ該支持盤82の該複数のリブ822と該弁上蓋83の該リブ槽832が結合される。上述の組み立てを経た後、該弁上蓋83と該ダイヤフラム81は該弁体80上に設置することができ、そのうち、該ダイヤフラム81の該円周部812と該弁上蓋83の該圧迫面835を該密封面804上に設置し、かつ複数のボルト88を用いて緊密に結合させる必要がある。該ハンドル87を回動させて該弁を必要な高さまで開いたとき、該位置決めボルト855が該弁上蓋83の該位置決め孔836に挿通されて該位置決めナット85を回動できなくし、該弁軸84がずれる状況も発生しない。
【0015】
以上の従来の金属弁8には2つの技術的ポイントがある。1つはシール機構であり、もう1つは調整機構である。これらについて以下で説明する。
【0016】
シール機構:フッ素樹脂ダイヤフラム81の円周部812が弁上蓋83の圧迫面835を使用して環状の圧迫を行い、また金属の高い剛性弁体構造により高圧密封効果を達成し、かつ冷却が必要なく、そのうちのゴムパッド813は高温に耐えることができない。
【0017】
調整機構:第一類と第二類のいずれも容易に実施でき、これは金属の剛性で調整機能を容易に達成することができるためである。かつ位置決め孔836に該位置決めボルト855を用いて該位置決めナット85と該弁上蓋83を圧迫すれば弁の開度を固定でき、金属の調整ねじ山842も管路の圧力波を受け入れることができる。
【0018】
以上の説明から、該手動金属弁は構造が簡単で、操作が簡便であるという特長を備えていることが分かるが、腐蝕性の液体を輸送するとき、微量の高腐蝕性分子がダイヤフラムに浸透しやすく、長期にわたると金属のねじ山が腐蝕して回動不能に陥りやすい。かつ高清浄度のプロセスでは金属汚染の恐れがあり、これも多くのプロセスでフッ素樹脂バルブを選ぶしかない原因となっている。
【0019】
フッ素樹脂PFAの引張強度29MPaは300%を超える延伸率があり、融点は280℃で、強度は温度の上昇に伴い明らかに低下する。従来のフッ素樹脂ダイヤフラムバルブの動作圧力は5bar@90℃及び1bar@150℃である。また類似の容器構造のPTFE材質のフィルターハウジングを備えたものは、最高動作温度が210℃、動作圧力が7bar@70℃となっている。
【0020】
フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの構造は、耐熱及び耐圧特性において金属ダイヤフラムバルブと比べることはできない。高温高圧のニーズを満たすためには、手動弁の技術的ポイントとして、熱源隔離、シール機構、調整機構の3つがあり、以下で説明する。
【0021】
熱源隔離:熱源隔離方法は、熱伝導制限構造と放熱構造を含み、高温薬液からの熱源区域と構造強度が必要な構造を隔離し、内部冷却を含む適切な冷却を提供して、構造が比較的低温にある状態を維持し、構造強度を維持するとともに、ダイヤフラムバルブの使用温度を高めることができる。
【0022】
シール機構:フッ素材料の高い伸長率に同じ硬度のフッ素材料を使用してリング状シールとすると、ダイヤフラムが圧力を受け、引っ張られて変形した状態では材料の移動が生じ、リング状シールの効果が失われ、高温下ではよりひどくなるが、熱源隔離下ではこのような状況を大幅に減少することができる。
【0023】
調整機構:弁開度調整機構は直接弁軸のねじ山を使用して管路の圧力波を受けることはできず、緊結機構と伝達機構を介して圧力波を構造全体に伝達する必要があり、熱源隔離があれば構造の剛性と正確性をより維持することができる。
【0024】
現在、耐高温性と高い耐圧性はやはり使用者のフッ素樹脂バルブの特性に対するニーズであり続けており、2018年以前は、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブのほとんどが120℃未満の中低温の用途であり、特殊設計の高温用途のもので150℃未満、常温操作圧力の耐圧性が3kg/cm2- 5kg/cm2であったが、2018年以降、新しいフッ素樹脂エアー式ダイヤフラムバルブのソリューションが登場しており、2020年の台湾特許第TW202010966(A)号Diaphragm Valve Structureは、熱源隔離方法を提示しており、気体による強制冷却なしで160℃、気体による強制冷却ありでは200℃で操作でき、常温動作圧力が5kg/cm2-7kg/cm2で、高清浄度のプロセスにおける金属汚染を回避することもできる。
【0025】
以下の問題1から問題5はいずれも、手動弁を高温で運用する際の核心的な問題である。熱源隔離方法をさらに向上し、密封構造をより強化することで、動作温度が冷却なしで液体温度200℃、強制冷却ありで230℃の温度要件、及び環境温度100℃以下の新たな要件を満たすことができる。
問題1、動作温度:従来の高温熱源隔離方法を充分に運用し、かつさらに向上するとともに、その構造強度を強化する必要がある。熱伝導制限構造は高強度の格子状水平開口リブを利用しているが、さらにその構造強度を強化し、冷却気体が密封構造を流れるように強制する必要がある。
問題2、環境温度:特別な環境温度の場合100℃以下、一般的な環境温度は60℃未満である。
問題3、リング状シール:ダイヤフラム圧迫リングが円周部をシールするが、円周部が圧力波を受けると円周部の材料にダイヤフラムの伸張により移動が生じ、特に円周部の材料が移動して、高温では材料の移動状況が大きくなり、円周部のシール効果が失われ、漏洩が発生する。ダイヤフラム圧迫リングが円周部の材料の移動を制止できれば、シール機構の信頼性を高めることができる。
【0026】
以上の3つの問題はいずれも、材料の変形によりダイヤフラムの密封に漏洩が引き起こされるものであり、上述の熱源隔離方法以外に、密封構造の強度を高めなければ材料の変形により生じる漏洩の問題に対応できない。一般的なリング状シールはほとんどがC字形圧迫構造を通じて実施され、ダイヤフラム上方に作用部材があり、ダイヤフラムに圧力を加え、該環状部の密封面においてC字形圧迫構造を形成する。該作用部材はねじ山による緊結またはボルトにより該弁体に緊結する。該C字形圧迫構造は、圧迫部と、支持アームと、座体を含み、該作用部材が該圧迫部であり、支持アームが該弁体であり、該座体が該弁体の弁室の円周部を該密封面とし、緊結圧迫により該作用部材を下へ移動し、圧迫を受けた該ダイヤフラムが挟み込まれ、漏洩が防止される。ダイヤフラム上方の作用部材と該弁体は厚みのある構造を使用してリング状シールとすると有用であるが、高温下ではこのような厚みのある構造は熱源隔離がないと変形しやすく、弁軸が中心を維持できず、使用寿命が短くなってしまう。例えば管ジョイントなどその他の中心を維持する必要がない部材は、厚みのある構造を使用しても高温下で問題とはならない。許容される試験基準で上の3つの問題に対応すると、試験対象のフッ素樹脂バルブのダイヤフラムと液体に接触する部材をしっかり組み付けた後、200℃で6時間以上ベーキングして、室温に戻した後、いかなる調整もせずに10kg/cm2以上の高圧で漏れを試験し、このような試験で漏洩が発生せず合格して初めて、その密封構造が高温下でも高い気密性の要件を維持できることを証明できる。
【0027】
該調整機構の革新的な核心は、該圧力波を該弁体に伝達できることにあり、次の問題に対応することができる。
問題4、弁軸の損傷:手動弁の該弁軸は独立部材であり、直接上流から伝達される圧力パルスが弁入口から直接該ダイヤフラムに衝突して弁軸上に伝達され、該弁軸のねじ山上に作用するため、ねじ山が損傷して密封性が失われ、管路内部で漏洩が発生する。
問題5、位置決めロック:手動弁の弁軸は位置決め後にロックできず、その開度が圧力波の影響を受けて変化し、かつ調整機構が損傷を受けやすいため、調整機構を位置決め後構造上にロックできる必要がある。
【0028】
調整機構に必要な追加機能は、次の問題に対応する必要がある。
問題6、位置表示:弁の開度を示すインジケータはフッ素樹脂バルブにおいて一般的な装置であり、エアー弁はON/OFFの表示しかないが、まだ多くの製品にこのような装置がなく、現在の手動弁は調整後の弁の開度を表示できる必要がある。
問題7、位置決めのずれ:手動弁のダイヤフラムの位置が結合したねじ山のバックラッシュと構造の変形、及びダイヤフラム中央部と弁座の変形を受けて位置決めにずれを生じるため、ゼロ調整ができる必要があり、かつ弁の開度位置を正確に表示できる必要がある。エアー弁はこのような要求が比較的少ない。
問題8、ダイヤフラムの過圧:手動弁は密閉力を効果的に制御できる必要があるが、位置決めにずれがあると、ダイヤフラムの締め付けが強すぎてダイヤフラムと弁座を損傷する可能性があるため、位置決めの正確性を確約する必要がある。エアー弁はこのような要求が比較的少ない。
問題9、誤った操作:手動弁は開度の設定を完了した後、無関係な操作者が誤って操作することは好ましくない。
【0029】
同時に、調整機構はさらに漏洩の警告を提供する必要があり、次の問題に対応できなければならない。
問題10、漏洩警告:多くの漏れは、フッ化水素酸や塩酸などの腐食性液体の小さな分子がダイヤフラムに浸透することによって起こり、弁軸には軸シール装置を設置して酸気体の蔓延を遅らせる必要がある。ダイヤフラムに若干の漏れがあるときに漏洩警告が必要である。あるいは漏洩液を収集できる必要があり、エアー弁は比較的一般的に具備しているが、手動弁では比較的少なく、将来のフッ素樹脂バルブにはこのような機能が必須である。
【0030】
過去、使用者にはこの10種類に類似したニーズがあり、また一部従来技術を使用してこれらのニーズに対応してきたが、1つの手動弁上で同時に上述の10の問題に対応しなければ、より便利かつ効果的に、信頼性の高い手動弁を使用することはできない。つまり、上述の10の問題に同時に対応することが現在の手動弁における新たな要件となり、これら技術のシール機構はエアー弁に実施しても充分な価値があるが、エアー弁は調整機構を使用する必要はない。従来技術の特許文献を以下で説明する。
【0031】
(特許文献1)
【0032】
2020年の米国特許第US2020072384A1号Diaphragm Valve Structureは、同時に2020年の台湾特許第TW202010966(A)号Diaphragm Valve Structureとしても公開されている。実施例はエアー弁であり、熱源隔離を実施しているが、そのシール機構はやはり新たな要件を満たすことはできない。そのうち、この特許出願は熱源隔離方法及びその独特な構造をその中核としており、ダイヤフラムバルブの熱源区域には弁室熱源区域、流路熱源区域、入口管熱源区域、出口管熱源区域、入口コネクタ熱源区域、出口コネクタ熱源区域がある。弁体の高温熱源隔離方法は、熱伝導制限構造と放熱構造を含み、熱伝導制限構造は弁体の矩形部、環状部及び環状部の最小直径箇所に設置され、矩形部には高強度の格子状水平開口リブが設けられ、熱伝導断面積を減少し、外部への放熱効果を増進している。環状部には複数の垂直放熱リブが設置され、最小直径箇所で熱伝導断面積を制限し、弁軸とシリンダ構造の熱の伝達を減少して温度を下げることができる。放熱構造の内部冷却気体は弁体の冷却気体孔と気体環状槽、さらに上部弁体の冷却気体ガイド孔を経て、弁軸の気体ガイド孔と軸心孔に連接される。弁体の高温熱源隔離方法を導入した上で独特な構造を設計しており、高圧気体の駆動、液体の静電気排除、金属緊結弁体、無金属緊結弁体、構造変形の防止、粒子放出の防止、漏洩検知、弁軸位置の表示等の要件を解決している。本特許文献は気体の強制冷却なしで160℃で操作でき、気体の強制冷却ありでは200℃で操作でき、常温動作圧力は5kg/cm2~7kg/cm2であり、かつ工程技術者が常に金属ボルトの腐蝕が汚染を引き起こすことがないか注意が必要な問題を解決している。本特許文献は、エアー弁を実施例とし、動作温度(問題1)と環境温度(問題2)についてよい基礎的な解決策を提示していが、200℃で気体冷却なしで操作するという現在の要件をやはり満たすことはできない。本特許文献はリング状シール(問題3)の解決案を提示しており、気体の強制冷却なしで160℃で操作できるが、気体の強制冷却なしで200℃で操作するという新しい要件はやはり満たすことできない。本特許文献はエアー弁を実施例とし、かつ開度はON/OFFのみで、ダイヤフラムの開度位置規制、弁軸の損傷(問題4)に関する具体案はなく、弁軸の位置表示(問題6)がON/OFF表示のみで、ダイヤフラム開度表示もない。本特許文献において位置決めロック(問題5)、位置決めのずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)、誤った操作(問題9)等の問題はエアー弁では高頻度で発生することはない。本特許文献は漏洩警告(問題10)において完全な具体案がある。
【0033】
本特許文献は類似のC字形圧迫構造があり、該C字形圧迫構造は、圧迫部と、支持アームと、座体を含み、該作用部材が上部弁体であり、支持アームが該弁体の該環状部であり、該環状部に複数の垂直リブが設けられ、放熱機能と構造強化効果を備え、該上部弁体が該環状部の内ねじ山に緊結され、最小直径箇所に熱伝導断面積の制限があり、該座体が該弁体の弁室の円周部を該密封面とし、該上部弁体の緊結圧迫により下へ移動させることで、圧迫を受けた該ダイヤフラムが挟み込まれ、漏洩が防止される。本特許文献のC字形圧迫構造の支持アームは、200℃の気体冷却なしでの操作には強度が不足する。
【0034】
(特許文献2)
【0035】
2016年の中国特許第CN205350538U号Manual diaphragm valveは、第一類の手動弁または手動金属弁であり、弁体とハンドホイールアクチュエータを含み、ダイヤフラムの開閉はハンドル下方の弁スリーブのねじ山と弁軸のねじ山の結合により行われ、弁軸が位置インジケータを含み、ハンドルの中心に挿通されて弁軸の位置を表示でき、其特點在一上ロック片がハンドルに連接され、下ロック片が弁上蓋に連接され、上ロックと下ロック片がそれぞれ各ロック孔を備え、ピンをロック孔に挿入してハンドホイールを固定し、弁軸が上下に移動しないように確約することができる。
【0036】
本特許文献は動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、リング状シール(問題3)、弁軸の損傷(問題4) 、ダイヤフラムの過圧(問題5)、位置ずれ(問題7)、誤った操作(問題9)、漏洩警告(問題10)について言及していないが、本特許文献は位置決めロック(問題5) 、位置表示(問題6)の解決案を提示している。本特許文献は新たな要件のすべてを満たすことはできない。
【0037】
(特許文献3)
【0038】
2012年の中国特許第CN102758935A号のDiaphragm valve structureは、第一類の手動弁または手動金属弁であり、本特許文献は手動弁の弁軸上に設置された指示盤の位置決めが不正確で見にくい問題の改善を目的として、弁軸と共に移動する直線の位置表示(問題6)を提示しているが、動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、リング状シール(問題3)、弁軸の損傷(問題4)、位置決めロック(問題5)、位置決めのずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)、誤った操作(問題9)、漏洩警告(問題10)等の問題について言及しておらず、本特許文献は新たな要件のすべてを満たすことはできない。
【0039】
(特許文献4)
【0040】
2015年の中国特許第CN204114227U号のNovel fluorine lined diaphragm valveは、第一類の手動金属弁であり、本特許文献は、弁軸上に位置表示がなく(問題6)、閉じるときの緊結圧力が大きすぎてダイヤフラムの過圧(問題8)を引き起こす問題の改善を目的として、位置表示(問題6)の解決案のみを提示しており、本特許文献は動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、リング状シール(問題3)、弁軸の損傷(問題4) 、位置決めロック(問題5)、位置決めのずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)、誤った操作(問題9)、漏洩警告(問題10)等の問題について言及しておらず、本特許文献は新たな要件のすべてを満たすことはできない。
【0041】
(特許文献5)
【0042】
2015年の中国特許第CN204344989U号のDiaphragm valveは、第一類の手動金属弁または手動弁であり、本特許文献の目的は2つで、1つはダイヤフラムが瞬間的圧力に耐える必要がある点の改善、もう1つは高温環境下でダイヤフラムが破壊されないようにすることで、本特許文献の構造図には位置表示(問題6)が含まれる。本特許文献の解決案は、ダイヤフラムの中心部の非接液側に開孔を設け、該開孔内部に弾性部材を設置し、弁軸の下端を該弾性部材に接触させることで、弁軸の損傷(問題4) 、位置決めのずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)を解決するものであり、本特許文献は、動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、リング状シール(問題3)、位置決めロック(問題5)、誤った操作(問題9) 、漏洩警告(問題10)等の問題について言及していない。本特許文献の一般的な弾性部材は図によるとダイヤフラム上方に位置する金属ばねであり、高温高腐蝕性用途では、酸気体が金属を腐蝕させ、輸送液体を汚染する。このような状況は工程使用者が受け入れるものではなく、また文書中において高温用途の対策はダイヤフラム円周の保護のみであり、この案はリング状シール(問題3)の完全な解決案ではなく、また高温により引き起こされるダイヤフラムと構造の変形問題の対策が欠けており、本特許文献は新たな要件のすべてを満たすことはできない。別の類似の特許文献として、2017年の台湾特許第TWI670439B号のWeir type manual opening-closing valve capable of providing good operability and stable sealing property in rotating the handleがあるが、この金属手動弁もばねを用いて類似の機能を達成している。
台湾特許第TWI670439B号
【0043】
(特許文献6)
台湾特許第TWI670439B号
【0044】
2018年の中国特許第CN207648146U号のDiaphragm valveは、第一類または第二類を判別できない手動金属弁であり、本特許文献は200℃以下の用途の手動ダイヤフラムバルブに適用できるとしている。この特許文献の弁体には位置規制装置が設置され、かつセンサーが外部のフラッシュランプに接続され、使用者がダイヤフラムを閉じるとき力をかけ続けてダイヤフラムを締めすぎ、ダイヤフラムの過圧(問題8)を引き起こすことを回避している。同時に、弁軸の軸心に位置表示(問題6)が設置されており、これら2つの機能は使用者にとって便利である。次に、バルブディスクが弁軸下端に設置され、バルブディスクとフッ素材料ダイヤフラム間に弾性ゴムが設置されているが、これはリング状シール(問題3)、弁軸の損傷(問題4)、位置決めのずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)を一部解決するのみであり、また高温によって弾性ゴムの効果が損なわれる。誤った操作(問題9)と漏洩警告(問題10)については言及がなく、位置規制装置はダイヤフラムの過圧(問題8)をより減少する。本特許文献は金属弁であり、その弁体のフッ素材料ライニングは金属構造サポートを有し、200℃の高い動作温度に適用可能で(問題1)、フッ素材料構造体の変形問題を大幅に減少することができ、高い環境温度(問題2)にも適用できる。かつ金属軸の高強度の調整機構は位置決めロック(問題5)を考慮する必要がない。これは金属構造のフッ素材料ライニングダイヤフラムバルブの優位性であり、冷却について構造設計を行う必要なく、200℃の高い動作温度(問題1)を達成することができる。しかし全フッ素材料のダイヤフラムバルブはこのような機能の達成が容易ではなく、より多くの考慮が必要である。
【0045】
(特許文献7)
【0046】
2018年の中国特許第CN207906557U号High temperature that adopts movable sleeve loop to construct does not have leakage diaphragm valveは、第一類の手動金属弁であり、この特許文献の構造は、高温高圧用途の手動ダイヤフラムバルブに適用し、調節棒を用いてダイヤフラムの開度を調節できるが、その弁体が金属構造であるか否かの説明はなく、一般的にダイヤフラムバルブの動作圧力が10bar未満であると言及しており、このような状況は多くが金属弁を指すもので、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブは材質の制限により不可能である。本特許文献の最高公称圧力はPN63、最高設計温度は200℃以下であり、従来技術の耐圧性より5倍高く、いかなる冷却設計もない。これも金属弁の特徴である。本特許文献の特徴は、ダイヤフラム上方と弁蓋内側に複数の支持リングが設置され、高圧を受けたとき支持リングがダイヤフラムの変形形状に合わせてそれぞれ上方に移動し、ダイヤフラムの耐圧性を改善している点である。支持リングには耐熱性と耐腐食性のあるプラスチック材質の使用がより適しているが、本特許文献は上述の最高温度と最高圧力が同時に達成されるのか否かを示しておらず、同じ条件を達成しようとすれば金属構造である必要があり、これはフッ素樹脂構造ではこれらの操作条件を同時に達成することはできないためである。本特許文献は金属弁であり、200℃の高い動作温度(問題1)への適用の制限はダイヤフラムの材質によるもので、かつ高い環境温度(問題2)に適用でき、本特許文献の支持リングはリング状シール(問題3)、弁軸の損傷(問題4)、位置決めのずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)を排除できるが、位置決めのロック(問題5)については言及がなく、金属弁であればこのような問題は無視することができ、本特許文献は漏洩警告(問題10)に言及があり、位置表示(問題6)は調節棒で代替するしかなく、誤った操作(問題9)の防止機能はない。
【0047】
(特許文献8)
【0048】
1995年の米国特許第US5377956A号Diaphragm valveは、第一類の手動金属弁である。この特許文献の構造は、ダイヤフラムの開度を調節可能で、ダイヤフラムの過圧(問題7)を防止する手動ライニング金属弁に適用され、ハンドルと同期して動作するナットが弁軸の外ねじ山上に取り付けられ、該ナットの軸孔部内側の頂部を上部弁体の上縁に当接させることができ、該ナットの外縁に軸方向歯部(polygon teeth)があり、ハンドル下方の軸方向円筒内側の歯部(polygon teeth)と相互に結合させることができる。つまり、該ハンドルを回動させると、該ナットが弁軸で同期して旋回し、上下移動する。ハンドルの中心部に方型孔があり、弁軸の末端と結合され、該ハンドルをボルトで緊結し、弁軸の末端に固定することができる。手動で弁を開くときは、弁軸用ハンドルを必要な開度の位置まで回し、手動で弁を完全に閉じるときは、該ナットと上部弁体の上縁が当接されるまでハンドルを回動させる。これによりダイヤフラムの過圧(問題8)を防止できる。ダイヤフラムの開度を設定するときは、該ボルトの緊結を緩めてハンドルを取り外し、弁軸の位置を調整し直して、該ナットの位置を上部弁体の上縁に当接する位置まで下げてからハンドルを取り付け、ハンドルと該ナットの同期特性を利用して弁が閉じられるのを防止し、弁の開度を保持することができる。本特許文献はライニング金属弁で、動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、リング状シール(問題3)、弁軸の損傷(問題4)、位置表示(問題6)、位置ずれ(問題7)、誤った操作(問題9)、漏洩警告(問題10)について言及がなく、本特許文献はハンドルと同期して動作するナットを利用して位置決めロック(問題5)、ダイヤフラムの過圧(問題8)を処理しており、その位置決めロック(問題5)は下方向へのロックのみで、上方向のロックはなく、金属弁であればこのような設計は許容できるが、手動弁であれば管路の圧力波を受けると弁軸の損傷(問題4)が起こり、かつダイヤフラムの開度を設定するとき、ハンドルを取り外す必要があり、操作が不便である。
【0049】
(特許文献9)
【0050】
2012年の米国特許第US2012056120A1号のdiaphragm valveは、同時に2014年の中国特許第CN102388248B号のMembrane valveとしても公告されており、これは第二類の伝動方式で、位置決めナットと弁軸の回転阻止の2つの機能を備え、該弁軸の伝動には、ハンドル、位置決めナット、支持盤(圧力部材)、ピン、連結ナットの計5つの部材を使用している。
【0051】
熱源隔離:熱源隔離が不足しており、また内部冷却もできず、高温での使用要件を満たすことができない。
【0052】
シール機構:弁上蓋(ハウジング上部)の該外側ハウジングが該弁体(収容領域)の外側面に緊結可能であり、かつ該外側ハウジングが下方向に該内側ハウジングを圧迫し、該ダイヤフラムが該内側ハウジングの下縁で該収容領域の底部に押し付けられる。本特許文献は類似したC字形圧迫構造を備え、該C字形圧迫構造が、圧迫部、支持アーム、座体を含み、該作用部材が内側ハウジングであり、該内側ハウジングが外側ハウジングによりハウジングの収容領域に緊結され、該支持アームが該弁体の該収容領域であり、該C字形圧迫構造の該座体は剛性の支持がなく、かつ厚みのある構造で熱源隔離もなく、200℃の気体冷却なしでの操作はできない。
【0053】
調整機構:位置決めロック(問題5)と弁軸の損傷(問題4)への対策について説明がなく、該ハンドルがキー溝軸スリーブを備え、該位置決めナットと相互に結合でき、該弁軸の回転阻止機能は作軸方向に動く支持盤(圧力部材)が該ダイヤフラムの回転阻止を同時に提供し、かつ該ダイヤフラムの裏側にゴムパッドがあり、内側ハウジングにより直接該ダイヤフラムを圧迫することができる。
【0054】
この特許文献の特許には3つの特徴がある。主な特徴としては、流路断面積が円滑であり、入出口間の流路が等面積の楕円形断面を含み、円滑に出入口の円形断面に移行する。次に、シール機構は、その弁上蓋(ハウジング上部)が外側ハウジングと内側ハウジングで構成され、該外側ハウジングが該弁体(収容領域)の1つの外側面に緊結でき、かつ該外側ハウジングが下方向に該内側ハウジングを圧迫し、該ダイヤフラムを該内側ハウジングの下縁で該収容領域の底部に押し付けることができる。該収容領域の内周面に複数の軸方向の窪みがあり、該内側ハウジングの外側面の複数の軸方向のカムと相互に結合できるよう確約され、該外側ハウジングを回転させて締めるときに該内側ハウジングが回動せず、かつダイヤフラムに対して良好な密封を提供する。リング状シール(問題3)においては良い具体案であるが、該C字形圧迫構造の該座体は剛性の支持がなく、かつ厚みのある構造は熱伝導制限構造と放熱構造が不足している。第3に、ダイヤフラムの過圧(問題8)については、該ハンドルが連結された該位置決めナットが回動し、該弁軸の該ダイヤフラムが結合された一端が、ピンを用いて連接ナットと結合され、該ダイヤフラムの固定ナットが該連接ナットの内側に設置され、かつ該固定ナット上に軸方向の移動空間があり、該弁軸が該ダイヤフラムを圧迫したとき、該軸方向の移動空間がダイヤフラムの過圧(問題8)を減少できる。本特許文献は動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、弁軸の損傷(問題4) 、位置決めロック(問題5)、位置表示(問題6)、位置ずれ(問題7)、誤った操作(問題9) 、漏洩警告(問題10)について言及がなく、本特許文献は低温でのみ使用でき、高温の新たな要件すべてを満たすことはできない。
【0055】
(特許文献10)
【0056】
2012年の日本特許第JP2012189088A号MANUAL VALVEは、第二類の伝動方式で、位置決めナットと弁軸の回転阻止の2つの機能を備え、該弁軸の伝動には、ハンドル、位置決めナット、ボルト、軸スリーブ、ピン、の計5つの部材を使用している。
【0057】
熱源隔離:熱源隔離が不足しており、また内部冷却もできず、高温での使用要件を満たすことができない。
【0058】
シール機構:弁上蓋(cover)内側に上下に排列されたスライドナット(slide nut)とロッドガイド(rod guide)を含み、該弁上蓋が該弁体の開口側の内側面に緊結され、該開口側の底部が該弁室であり、かつ下方向に該スライドナットを圧迫して該ロッドガイドを圧迫し、該ロッドガイドがピンで該ポンプ上に固定され、かつ該ダイヤフラムが該ロッドガイドの下縁で直接該弁体の弁室底部区域に押し付けられる。本特許文献は類似のC字形圧迫構造を備え、該C字形圧迫構造が、圧迫部、支持アーム、座体を含み、該作用部材が空心のガイド柱であり、該ガイド柱が外側ハウジングによりポンプの収容領域に緊結され、該支持アームが該弁体の該収容領域であるが、該C字形圧迫構造の該座体は剛性の支持がなく、かつ厚みのある構造は熱伝導制限構造と放熱構造も不足しており、熱源隔離がなく200℃で気体冷却なしの操作はできない。
【0059】
調整機構:位置決めロック(問題5)を備え、該ハンドルと該位置決めナット用ボルトが相互に結合されるが、プラスチック構造においてこのような方法は緩みや部材の破損が発生しやすく、長期の使用では弁軸の損傷(問題4)がある。ダイヤフラムの回転阻止機能はロッドガイド(rod guide)によるものである。この特許には次の3つの特徴がある。主な特徴としては、ダイヤフラムの過圧(問題8)に関して、該手動機構が該弁上蓋内に設置され、該弁軸構造上にストッパーリングが設置され、該ロッドガイド頂部に設置された受圧Oリングを圧迫するために用いられ、弁軸が下方向に移動して弁を閉じるとき、該ストッパーリングが先に該Oリングを圧迫し、これにより弁にかかるトルクが大きすぎて破損を生じるダイヤフラムの過圧(問題8)を解決することができる。次に、シール機構は、該弁体の開口側に該弁上蓋、該位置決めナット、該ロッドガイドが収容され、弁上蓋が緊結されたとき該ダイヤフラムを圧迫することができる。厚みのある構造を備えているが、熱伝導制限構造と放熱構造が不足している。第3に、本特許文献のハンドル調整用ボルトが位置決めナット上に緊結されて該位置決めナットを回動させることができ、適切な開度まで調整したとき、ボルトで該位置決めナットを該弁上蓋に緊結することができ、該弁軸の末端に位置表示(問題6)が設置され、弁軸は位置決めロック(問題5)を達成でき、弁軸の損傷(問題4)がなく、誤った操作(問題9)がされることもないが、長期的な使用において、材質の問題で位置決めロック(問題5)、弁軸の損傷(問題4)の問題が生じ得る。本特許文献は動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、位置ずれ(問題7)、漏洩警告(問題10)について言及がなく、本特許文献は高温での新たな要件をすべて満たすことはできない。2020年の日本の特許第JP2020037970A号のWRONG OPERATION PREVENTIVE COVER AND MANUAL VALVE WITH WRONG OPERATION PREVENTIVE COVERは、この誤った操作(問題9)を防止する装置に、固定リング、保護カバー、検知部の3つの部材がある。本特許文献は動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、弁軸の損傷(問題4)、位置表示(問題6)、位置ずれ(問題7)、漏洩警告(問題10)について言及がなく、本特許文献は高温での新たな要件をすべて満たすことはできない。
【0060】
前述の10の特許文献に示される従来の解決策は、特許文献1で高温隔離の具体案が提示されている以外、残りの特許文献は常温下での部分的解決案を提示しているのみで、いずれの特許文献も問題1から問題5の手動弁の核心的要件を兼備していない。問題1から問題3も解決されておらず、特許文献1のC字形圧迫構造の支持アームは強度が不足しており、特許文献9と特許文献10のC字形圧迫構造の該座体は剛性の支持がなく、厚みがあり、熱源隔離がない。これら3つの特許文献はいずれも200℃で気体冷却のない操作はできない。位置標示(問題6)も一般的であり、特許文献9と特許文献10は弁軸の損傷(問題4)と位置決めロック(問題5)に同時に対応したよりよい機構の提示がなく、ボルトで緊結する初歩的段階に留まっているのみである。弁軸にばねを設置したり、ダイヤフラムの非接液側にゴム部材を追加したりしてダイヤフラムの過圧(問題8)を解決することはできるが、200℃の高温で適用可能か否かの説明がなく、位置決めロック(問題5)と位置決めのずれ(問題7)に対するよりよい具体案の提供もない。ゴム材質は200℃の高温に使用することはできないため、ダイヤフラムの非接液側に金属類弾性材料を直接設置して高清浄度のプロセスに用いると金属汚染の恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】米国特許第2020072384A1号明細書
【特許文献2】台湾特許第202010966(A)号明細書
【特許文献3】中国特許第205350538U号明細書
【特許文献4】中国特許第102758935A号明細書
【特許文献5】中国特許第204114227U号明細書
【特許文献6】中国特許第204344989U号明細書
【特許文献7】台湾特許第I670439B号明細書
【特許文献8】中国特許第207648146U号明細書
【特許文献9】中国特許第207906557U号明細書
【特許文献10】米国特許第5377956A号明細書
【特許文献11】米国特許第2012056120A1号明細書
【特許文献12】日本特許 特開2012-189088A号明細書
【特許文献13】日本特許 特開2020-037970A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0062】
本発明の目的は、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの手動弁の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0063】
フッ素樹脂ダイヤフラムバルブの密封構造は、以下の試験条件に合格してのみ動作温度(問題1)、環境温度(問題2)、リング状シール(問題3)等の要件を満たすことができる。
【0064】
試験キットは耐高温・耐高圧試験のキットのみ必要であり、弁体と、ダイヤフラムと、上部弁体と、圧迫リングと、弁軸等を含み、そのうち、弁上蓋の支持は含まず、ベーキング温度200℃でベーキング時間6時間以上とし、試験対象のフッ素樹脂バルブを常温に戻し、かついかなる緊結調整も行わずに、必要な出入口等の密封のみを施して高圧漏洩試験を行い、試験圧力10kg/cm2以上で漏洩しない。
【0065】
このような完全無放熱のベーキングは実際の使用条件より過酷であり、該密封構造のリング状シール(問題3)において、高温下での構造変形が密封面の変形を引き起こし、圧迫力が低下していないかを試験するものである。試験に合格して初めて、強制気体冷却を提供せずに200℃以下での正常な動作を保証でき、強制気体冷却の提供時は230℃以下で高い信頼性で操作が可能であり(動作温度(問題1))、かつ100℃の環境温度下で動作でき(環境温度(問題2))、また該シール機構がリング状シール(問題3)の問題を完全に解決することを表す。
【0066】
本発明は特許文献1の2020年台湾特許第TW202010966(A)号Diaphragm Valve Structureの技術内容を継いで革新したものであり、調整機構の革新を施している。手動弁に適用する。
【0067】
本発明の該調整機構は、革新的な内容として、該弁軸の伝動に3つの部材を使用するのみであり、5つの部材を使用する従来技術より少なく、構造を大幅に簡素化し、製造コストを抑制できる。さらに弁軸の損傷(問題4)と位置決めロック(問題5)等の核心的な問題を解決し、かつ位置表示(問題6)、位置ずれ(問題7)、ダイヤフラムの過圧(問題8)、誤った操作(問題9)等の問題の解決案及び内容を説明でき、空心の弁軸と実心の弁軸に適用できる。
【0068】
該調整機構は該弁上蓋の頂部に設置され、該弁軸と、調整座体と、調整ホイールと、移動インジケータと、位置決めナットセットと、緊結ナットセットと、安全カバー等の部材を含む。
【0069】
該調整ホイールが、頂部と、外周面と、内周面と、ボス部を含む。
C字形リングが、外周面と、内径孔と、開口部と、幅Bと、厚みTを含み、該開口部の二端に一対の工具孔が設けられる。
該調整座体は該弁上蓋と一体であるか、分離しておりボルトで緊結され、最良の実施例は分離したものであり、位置決め柱により該調整座体が同心の位置に配置されるように確保することができる。
該位置決めナットセットと該緊結ナットセットはいずれも2つのナットで構成される。
【0070】
該弁軸の伝動の特許となる特徴は以下のとおりである。
該弁軸がさらに、摺動部と、調整ねじ山と、緊結ねじ山等を含む。
該調整座体がさらに、外環凹陥槽と、工具開口と、摺動孔を含む。
該調整ホイールがさらに、内環凹陥槽と、調整ねじ孔と、工具開口を含む。
【0071】
該C字形リングが、該開口部の二端に一対の位置決め柱を備え、その上にそれぞれ工具孔を有し、該位置決め柱の内側面が該内径孔の内径上に位置し、該位置決め柱の径方向の厚みが該調整座体の該工具開口の深さより大きくない。
該C字形リングは該調整座体の外環凹陥槽と該調整ホイールの該内環凹陥槽で構成される槽の中に設置され、該C字形リングの外径は該内環凹陥槽の内径より小さく、該C字形リングの内径は該外環凹陥槽の内径より大きく、該C字形リングは該調整ホイールを軸方向において該調整座体上の軸方向の固定位置に位置決めすることができる。
該C字形リングの位置決め柱は、該調整座体の該工具開口内に位置決めすることができ、該C字形リングが該調整ホイールに伴って回転しないように確保するとともに、保守を容易にする。
【0072】
該弁軸の該摺動部と該調整座体の摺動孔が相互に結合され、該回転軸の回動を防止することができる。
該弁軸の該調整ねじ山と該ボス部の調整ねじ孔が相互に結合され、該ハンドルを回動して該弁軸を昇降させることができる。
【0073】
達成される効果として、該ハンドルの該ボス部上の該調整ねじ孔と該C字形リングが提供する位置決めと回動機能により、該調整座体の該摺動孔が該弁軸の回転阻止機能を提供し、3つの部材の使用のみで第二類弁軸の伝動機能を完成することができる。
【0074】
該弁軸の安全と緊結による弁軸の損傷(問題4)防止と位置決めロック(問題5)に関して、特許となる特徴は以下のとおりである。
【0075】
ゲート形ストリップ状の該移動インジケータが該調整ホイールの該頂部上に設置され、該移動インジケータが、移動空間と、2つの固定孔と、中心孔を含む。
【0076】
該内環凹陥槽と該外環凹陥槽は同じ槽幅Wを有し、かつ該C字形リングの厚みTと摺動可能に組み合わせることができる。該槽幅W-0.0mm≧T≧W-0.1mmであり、該調整ホイールを該調整座体に対して円滑に相対回動させることができる。
該弁軸の緊結ねじ山が該調整ホイールの調整ネジ孔に挿通され、かつ該移動インジケータの該中心孔に挿入される。
【0077】
弁の適切な開度位置で、該緊結ナットセットを使用して該弁軸を該移動インジケータ上に緊結し、該弁軸が受ける管路の圧力波を該調整ホイールに伝達し、かつ該C字形リングを介して該弁体構造に伝達することで、該弁軸の該調整ねじ山の損傷と管路の圧力波を完全に回避する。
【0078】
該弁軸の位置決めのゼロ回帰による位置ずれ(問題7)の防止とダイヤフラムの過圧(問題8)に関して、特許となる特徴は以下のとおりである。
【0079】
該ダイヤフラムが該弁室の弁座体上に適切に緊結されたとき、この時点で弁は完全に閉じており、つまり弁開度0点に相当し、該位置決めナットセットの下方のナットが該調整ホイールの該頂面上に当接し、かつ上方のナットで緊結して該位置決めナットセットを弁軸上に固定して、該位置決めナットセットの2つのナットの中間を位置表示の基準平面として用いることができ、該位置目盛の0点に対応する。弁を閉じるとき該弁軸が下へ移動し、該位置決めナットセットが該調整ホイールの該頂部に当接して、該弁軸が継続して下へ移動し、該ダイヤフラムの過圧を引き起こすことを阻止する。
【0080】
該弁軸の位置表示(問題6)に関して、特許となる特徴は以下のとおりである。
【0081】
該移動インジケータが目盛を含み、弁の開度位置を読み取るために用いられ、ゼロ調整を経た該位置決めナットセットの2つのナットの間の結合線を指標とすることができ、対応する該目盛の数値が弁の開度を示す。
【0082】
該弁軸位置表示(問題6)に関して、別の特許となる特徴は以下のとおりである。
【0083】
該移動インジケータが、移動空間と、2つの固定孔と、中心孔と、位置規制ボルトと、緊結ナットセットを含む。
該移動インジケータを該エアー弁の弁上蓋の頂部に設置したとき、該弁軸の緊結ねじ山が該弁上蓋の中心孔に挿通され、かつ該移動インジケータの該移動空間に位置し、該移動インジケータの中心孔に位置規制ボルトと該緊結ナットセットが設置され、位置規制ボルトの末端高さを調整して該緊結ナットセットを締めると、該弁が開いたとき該位置規制ボルトの末端が該弁軸の末端に当接し、該エアー弁が作動したとき、該弁の開度が該位置規制ボルトの位置に制限される。
【0084】
該弁軸の誤った操作(問題9)に関して、特許となる特徴は以下のとおりである。
【0085】
該安全カバーが、内部チャンバと、固定辺と、ネジ固定部と、ネジ固定孔を含み、該移動インジケータがさらに、安全座部と、ネジ固定部と、ネジ固定孔を含み、該安全カバーの該固定辺を該移動インジケータの安全座部に設置することができ、該安全カバーの該内部チャンバが該移動インジケータ全体をカバーし、該安全カバーの該ネジ固定部を該移動インジケータの該ネジ固定部と組み合わせることができ、かつ2つの相通した該ネジ固定孔を1つのロックで固定でき、鍵を使用しなければ開かないようにして、関係者以外の人員による誤操作を防止することができる。該調整ホイールはカバーされていないが、該緊結ナットセットがすでに該弁軸と該移動インジケータを共に緊結しているため、このとき該調整ホイールは操作できない。
【0086】
本発明とは別の、「ハウジング放熱構造を備えたフッ素樹脂ダイヤフラムバルブ」に係る参考発明の特徴は以下の通りである。
【0087】
[参考発明の請求項1]
エアー弁が放熱能力を増進する構造を備え、気体による強制冷却なしで200℃の液体の輸送に応用することができ、気体による強制冷却がある場合、230℃の液体の輸送に適用することもできる、フッ素樹脂ダイヤフラムバルブのハウジング放熱構造であって、該エアー弁が、駆動シリンダと、弁部と、シール機構を含んで構成され、該駆動シリンダと該弁部に4つのボルトカラムがそれぞれ設けられ、かつ4本の金属ボルトで気密が形成され、
該駆動シリンダが、上部弁体と、弁上蓋と、弁軸と、シリンダ空間と、該弁部の構造の一部の部材を含み、
該弁軸が空心軸であり、固定端と、軸棒と、複数の気体ガイド孔と、ピストンを含み、
該シリンダ空間が該弁上蓋から該上部弁体までの密閉空間であり、該ピストンにより該シリンダ空間が気体空間とばね空間に隔てられ、
該弁部が、弁体と、該上部弁体と、ダイヤフラムと、該弁軸を含み、
該弁体が、入口と、出口と、弁室と、環状部と、矩形部を含み、
該ダイヤフラムが、円周部と、弾性部と、中心部を含み、
該環状部が開口した深いカップ状の構造でその底部が該弁室であり、該環状部が、密封面と、外周面と、最小直径と、内ねじ山と、1つまたは1つ以上の冷却気体孔と、冷却気体環状槽と、接合面と、内周面と、4つの該ボルトカラムを含み、
該ダイヤフラムが、円周部と、弾性部と、中心部を含み、
該弁上蓋の内部が該シリンダ室であり、
そのうち、
該弁上蓋が、内部チャンバと、内周面と、外周面と、頂部と、中心孔と、複数の環状リブと、4つの該ボルトカラムと、2つの気体柱を含み、該環状リブが相互に離隔されて該弁上蓋の該外周面に分布され、
該環状部にさらに2つの気体柱と、リブ構造が設けられ、
該リブ構造が該環状部の外周面に設置され、1つまたは1つ以上の環状リブと複数の垂直リブで構成され、かつ該複数の垂直リブが、該矩形部から軸方向に全部の該環状リブに連結され、該リブ構造の軸方向の分布位置が、該最小直径と該外周面をカバーし、該内ねじ山の軸方向長さもカバーする、ことを特徴とする、ハウジング放熱構造を備えたフッ素樹脂ダイヤフラムバルブ。
【0088】
[参考発明の請求項2]
前記弁上蓋が、内部チャンバと、内周面と、外周面と、頂部と、中心孔と、リブ構造と、4つの該ボルトカラムと、2つの気体柱を含み、該リブ構造が該弁上蓋の該外周面に分布され、複数の相互に離隔された環状リブと複数の垂直リブで構成され、該環状リブが該外周面に等間隔で平均的に分布され、かつ該複数の垂直リブが該外周面の軸方向長さをカバーし、全部の該環状リブに連結される、ことを特徴とする、請求項1に記載のハウジング放熱構造を備えたフッ素樹脂ダイヤフラムバルブ。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1A】本発明の実施例のダイヤフラムバルブのシール機構の細部を示す断面図である。
【
図1B】本発明の実施例のダイヤフラムバルブのダイヤフラムを示す断面図である。
【
図1C】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの圧迫リングを示す断面図である。
【
図1D】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの密封面と付勢角度を示す断面図である。
【
図1E】本発明の実施例のダイヤフラムバルブのC字形圧迫機構を示す断面図である。
【
図2A】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの手動調整装置の細部(調整機構は独立した部材)を示す断面図である。
【
図2B】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの弁軸を示す断面図である。
【
図2Ba】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの弁軸を示す立体図である。
【
図2C】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの調整座体を示す断面図である。
【
図2Ca】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの整座体を示す立体図である。
【
図2D】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの調整ホイールを示す断面図である。
【
図2Da】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの調整ホイールを示す立体図である。
【
図2E】本発明の実施例のダイヤフラムバルブのC字形リングを示す外観図である。
【
図2Ea】本発明の実施例のダイヤフラムバルブのC字形リングを示す側面図である。
【
図2F】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの移動インジケータを示す立体図である。
【
図2G】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの安全カバーを示す立体図である。
【
図3A】本発明の実施例1の熱源隔離を強化した手動弁1aを示す断面図である。
【
図3B】本発明の実施例の手動弁1aの弁体及び環状部を示す立体断面図である。
【
図3C】本発明の実施例の手動弁1aの弁上蓋を示す断面図である。
【
図3Ca】本発明の実施例の手動弁1aの弁上蓋を示す立体図である。
【
図4A】本発明の実施例2のノーマルクローズ型エアー弁1dを示す立体断面図である。
【
図4B】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの弁体を示す立体断面図である。
【
図4C】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの上部弁体を示す断面図である。
【
図4Ca】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1d的上部弁体を示す立体断面図である。
【
図4D】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの弁軸ユニットを示す断面図である。
【
図4Da】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの弁軸ユニットを示す立体図である。
【
図4E】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの凹陥槽を備えた圧迫リングを示す断面図である。
【
図5A】本発明の実施例3の上部弁体を備えた手動ダイヤフラムバルブ1bの構造を示す断面図である。
【
図5B】本発明の実施例4の上部弁体を備えた手動ダイヤフラムバルブ1cの構造を示す断面図である。
【
図5C】本発明の実施例の上部弁体を備えた手動ダイヤフラムバルブの弁上蓋と調整座体を示す断面図である。
【
図5Ca】本発明の実施例の上部弁体を備えた手動ダイヤフラムバルブの弁上蓋と調整座体を示す立体図である。
【
図5D】本発明の実施例の上部弁体を備えた手動ダイヤフラムバルブの定置リングを示す立体図である。
【
図5E】本発明の実施例の上部弁体を備えた手動ダイヤフラムバルブの定置ねじ付きブッシングを示す立体図である。
【
図5F】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの弁軸ユニットを示す断面図である。
【
図5Fa】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの弁軸ユニットを示す立体
図1である。
【
図5Fb】本発明の実施例のノーマルクローズ型エアー弁1dの弁軸ユニットを示す立体
図2である。
【
図6】本発明の実施例のダイヤフラムバルブの弁をすべて開いた状態を示す断面図である。
【
図7A】本発明の実施例5の熱源隔離を強化したノーマルオープン型エアー弁1eを示す立体図である。
【
図7B】本発明の実施例の熱源隔離を強化したノーマルオープン型エアー弁1e弁本体を示す立体断面図である。
【
図7C】本発明の実施例の熱源隔離を強化したノーマルオープン型エアー弁1eの弁上蓋を示す部分断面図である。
【
図7D】本発明の実施例の熱源隔離を強化したノーマルオープン型エアー弁1eの弁等角断面図である。
【
図8】本発明の実施例の熱源隔離を強化したノーマルオープン型エアー弁1eの冷却気体流路を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本発明は手動ダイヤフラムバルブを例として、手動弁1aの該シール機構3(
図1Aを参照)と該調整機構7(
図2Aを参照)について説明する。実施例1は、
図3Aに示すように、手動弁1aが弁上蓋6aを有し、該弁上蓋6aが密封リブ66を備え、該密封リブ66が該作用部材180であり、かつ該シール機構3aを備えている。実施例2は、
図4Aに示すように、該調整機構7を位置規制機構に変更し、かつノーマルクローズ型エアー弁1dに応用しており、該ノーマルクローズ型エアー弁1dがシール機構3bを有し、かつ上部弁体32を備え、該上部弁体32が該作用部材180Aであり、該位置規制機構が、移動インジケータ76と、位置規制ボルト70と、安全カバー79を含む。実施例3は、
図5Aに示すように、独立した該調整機構7をノーマルクローズ型エアー弁1bに応用しており、該ノーマルクローズ型エアー弁1bがシール機構3bを有し、上部弁体32を備え、該上部弁体32が該作用部材180Aである。実施例4は、
図5Bに示すように、該調整機構7と該弁上蓋が一体として設置された、該ノーマルクローズ型エアー弁1cを説明している。実施例5は、ノーマルオープン型エアー弁1eの強化型熱源隔離機構を説明しており、該ノーマルオープン型エアー弁1eがシール機構3bを有し、上部弁体32を備え、該上部弁体32が該作用部材180Aである。実施例6は該冷却気体流路16を説明している。以下の実施方法において、さらに詳細に説明する。
【0091】
【0092】
以下、基本態様と実施態様1を主軸とし、実施態様2、実施態様3、実施態様4の異なる実施例を含み、異なる符号で構造の調整を表す(例:リブ構造244a/244b/244cとは、リブ構造244に3つの実施態様があり、それぞれを244a、244b、244cの3つの符号で表示するが、いずれも同じ効果を達成する)。
【0093】
シール機構3a/3bは、以下、基本態様と実施態様1を主軸とする。
【0094】
図1Aに示すように、該シール機構3a/3bは、ダイヤフラム30と、圧迫リング31と、圧迫面327/662と、密封面240と、環状部24a/24b/24cと、リブ構造244a/244b/244c等を含む。該シール機構3a/3bは弁体2a/2b/2cを主要構造とし、該弁体2a/2b/2cが、入口21と、出口22と、弁室23と、該環状部24a/24b/24cと、矩形部25a/25b等を含む。
【0095】
該環状部24a/24b/24cは開口したカップ状の構造で、弁上蓋6a/6b/6cにより密封され、該密封面240と、外周面245と、最小直径241と、該弁室23と、該リブ構造244a/244b/244cを含み、該弁室23の外縁に該密封面240が設けられ、その下方にある矩形部25a/25bと相互に結合されて支持が提供され、そのうち該リブ構造244a/244b/244cが該環状部24a/24b/24cの外周面245に位置し、該環状部24a/24b/24cがさらに1つまたは1つ以上の冷却気体孔162と、冷却気体環状槽163を含む。
【0096】
該弁上蓋6a/6b/6cは、内部チャンバ61と、外周面62と、頂部63と、中心孔64と、密封リブ66を含み、該圧迫面662/327が該作用部材180に由来し、該作用部材180が該密封リブ66であり、該密封リブ66はいずれも該環状部24a/24b/24cと相互に緊結される。
【0097】
該リブ構造244a/244b/244cは複数の水平開口による格子状で、かつ環状の構造を成し、軸方向の一側が該矩形部25a/25bに連結され、分布位置が該最小直径241をカバーし、軸方向的の他側が該圧迫リング31をカバーする。
【0098】
該リブ構造244a/244b/244cは1つまたは1つ以上の相互に離隔された環状リブと複数の相互に離隔された垂直リブで構成され、かつ該複数の垂直リブが該矩形部25a/25bから軸方向に全部の該環状リブに連結される。
【0099】
図1Bに示すように、該ダイヤフラム30は、円周部301と、弾性部302と、中心部303を含み、該円周部301が上側面と下側面を含み、上側面が受力面304、下側面が密着面305である。
【0100】
図1Cに示すように、該圧迫リング31は断面が長方形に近い環状構造であり、両端に受力端314と、圧迫端315を備え、該圧迫端315が鈍角βであり、最良の実施例は110°≦β≦150°である。
【0101】
図1Dに示すように、該ダイヤフラム30が管路の圧力を受けて膨張変形すると、該円周部301の材料が力を受け引っ張られて移動する。該円周部301の断面形状は楔形であり、外側の厚みが比較的厚く、該弾性部に連結される内側の厚みが比較的薄い。該円周部301は上側面と下側面を有し、該上側面が該受力面304であり、該下側面が該密着面305であり、該密着面305と該受力面304が互いに平行ではない平面または円錐面であり、該密着面305が該環状部24a/24b/24cの該密封面240に密着し、該受力面304が該圧迫リング31の該圧迫端315に当接されて圧迫される。該密封面240は円錐面または水平面とすることができる。
図1Dの該圧迫面327/662は該作用部材180Aに由来し、該作用部材180Aは上部弁体32である。
【0102】
図1Aと
図2Bに示すように、該弁軸4a/4b/4cは空心軸であり、固定端41と、軸棒42等を含み、該固定端41が複数の気体ガイド孔413とボルト孔411を備え、該固定端41はボルト414とナット412を取り付けて該ダイヤフラム30を緊結することができ、該弁軸4a/4b/4cと該ダイヤフラム30は相対回動することができる。該圧迫リング31が該ダイヤフラムの該円周部301に設置される。該ダイヤフラム30が該軸心とともに該環状部24a/24b/24cの該密封面240上に設置される。
【0103】
図1Dに示すように、緊結時、該圧迫面327/662と該受力端314が摺動を発生し、圧迫力Fが該受力端314に加えられ、鈍角β(
図1C参照)を有する該圧迫端315を静止させ、かつ該円周部301に押し当てることができる。該密封面240は圧迫力Fを受けて圧迫されると、該環状部24a/24b/24cの該リブ構造244a/244b/244cにより支持され、かつ該矩形部25a/25bと該弁室23の流路側壁により支持される。該圧迫力Fと該円周部301の法線Nは付勢角度εを有し、該付勢角度εの角度範囲は、0°<ε≦15°である。該圧迫リング31が圧迫力を受けて変形を生じ、かつ該ダイヤフラム30の該円周部301上を圧迫し、同時に該円周部301が貼付されている該密封面240も圧迫力を受け、該密封面240下方の該最小直径241及び該矩形部25a/25bの構造も支持を提供し、該最小直径241が熱伝導断面積制限能力を有し、熱の伝達を減少する。
【0104】
図1Eに示すように、該圧迫面327/662が該環状部24a/24b/24c、そして該密封面240まで連結されてC字形圧迫構造18を形成する。該C字形圧迫構造18の圧迫部181は該作用部材180Aを含み、
図1Eにおいて該作用部材180Aは上部弁体32であり、かつ該作用部材180Aは該環状部24a/24b/24cに緊結される。該C字形圧迫構造18の支持アーム182は該環状部24a/24b/24c及び該リブ構造244a/244b/244cに全体の構造強度を提供する。該C字形圧迫構造18の座体183は該密封面240であり、該最小直径241、該弁室23の流路側壁、該リブ構造244a/244b/244cにより支持される。緊結と圧迫により圧迫面327/662を下へ移動させ、圧迫を受ける該圧迫リング31と該ダイヤフラム30を該圧迫面327/662と該密封面240で挟み込んで漏洩を防止する。
【0105】
図2Aに示すように、調整機構7は、異なる実施例に実施されるが、ここでの異なる符号は異なる構造調整を表し、いずれも同じ弁の開度調整効果を達成する。該調整機構7はボルトを用いて弁上蓋6a/6b/6cの該頂部63に緊結することができ、該弁軸4a/4b/4c/4dと、調整座体71と、調整ホイール74と、移動インジケータ76と、位置決めナットセット77と、緊結ナットセット78と、安全カバー79等の部材を含む。該位置決めナットセット77と該緊結ナットセット78はいずれも2つのナットで構成される。
【0106】
図2Bと
図2Baに示すように、該弁軸4a/4b/4c/4dのうち、該弁軸4aはさらに摺動部45と、調整ねじ山46と、緊結ねじ山47を含み、該摺動部45は平行面カット軸である。
【0107】
図2Cと
図2Caに示すように、該調整座体71は、ショルダ部711と、ネック部712と、内部空間713と、外環凹陥槽716と、工具開口717と、摺動孔718を含む。該調整座体71は該弁上蓋6a/6b/6cと一体であるか、分離しておりボルトで緊結され、最良の実施例は分離したものであり、該調整座体71が位置決め柱719を含み、該弁上蓋6a/6b/6cの位置決め孔69(
図2A参照)と相互に結合して、該弁軸4a/4b/4cの同心位置決めを確保することができ、該調整座体71に複数のボルト孔(図示しない)が設けられ、該弁上蓋の複数のネジ孔(図示しない)に緊結することができる。
【0108】
図2Dと
図2Daに示すように、該調整ホイール74は、頂部741と、外周面742と、内周面743と、内環凹陥槽744と、ボス部745と、調整ねじ孔746と、工具開口747を含む。
【0109】
図2Eと
図2Eaに示すように、C字形リング75は、外環751と、内径孔752と、開口部753と、2つの工具孔754と、幅Bと、厚みTを含み、該開口部753の二端に該工具孔754が設けられ、位置決め柱755の内側面が該内径孔752の内径上に位置し、該位置決め柱755の径方向の厚みが該調整座体71の該工具開口717の深さより大きくない。
【0110】
図2Fに示すように、ゲート形ストリップ状の該移動インジケータ76が該調整ホイール74の該頂部741上に設置され、ゲート形ストリップ状の該移動インジケータ76は移動空間761と、位置目盛762と、2つの固定孔763と、中心孔764を含む。
【0111】
図2Fと
図2Gに示すように、該調整機構7にはさらに該安全カバー79を設置することができ、該安全カバー79は、内部チャンバ791と、固定辺792と、ネジ固定部793と、ネジ固定孔794を含む。該移動インジケータ76がさらに、安全座部765と、ネジ固定部766と、ネジ固定孔767を含み、該安全カバー79の該固定辺792を該移動インジケータ76の切欠溝768を備えた安全座部765に設置することができ、該安全カバー79の該内部チャンバ791が該移動インジケータ76全体をカバーし、該安全カバー79の該ネジ固定部793を該移動インジケータ76の該ネジ固定部766と組み合わせることができ、かつ2つの相通した該ネジ固定孔767とネジ固定孔794を1つのロックで固定でき、鍵を使用しなければ開かないようにして、関係者以外の人員による誤操作を防止することができる。該調整ホイール74はカバーされていないが、該緊結ナットセット78がすでに該弁軸4aと該移動インジケータ76を共に緊結しているため(
図2A)、このとき該調整ホイール74は操作できない。
【0112】
図2Aに示すように、該弁軸4a/4b/4c/4dの該摺動部45と該調整座体71の摺動孔718が相互に結合され、該回転軸4a/4b/4c/4dの回動を防止することができる。該弁軸4a/4b/4c/4dの該調整ねじ山46と該ボス部745の調整ねじ孔746が相互に結合され、該調整ホイール74を回動して該弁軸4a/4b/4c/4dを昇降させることができる。該弁軸4a/4b/4c/4dの緊結ねじ山46が該調整ホイール74の調整ネジ孔746に挿通され、かつ該移動インジケータ76の該中心孔764に挿通される。
【0113】
図1Aと
図2Aに示すように、該ダイヤフラム30が該弁室23の弁座231上に適切に緊結されたとき、この時点で弁は完全に閉じており、つまり弁開度0点に相当し、該位置決めナットセット77の下方のナットが該調整ホイール74の該頂部741上に当接し、かつ上方のナットで緊結して該位置決めナットセット77を弁軸4a/4b/4c/4d上に固定して、該位置決めナットセット77の2つのナットの中間を位置表示の基準平面として用いることができ、該移動インジケータ76の位置目盛762の0点に対応する。弁を閉じるとき該弁軸4a/4b/4c/4dが下へ移動し、該位置決めナットセット77が該調整ホイール74の該頂部741に当接して、該弁軸4a/4b/4c/4dが継続して下へ移動し、該ダイヤフラム30の過圧を引き起こすことを阻止する。
【0114】
弁の適切な開度位置で、該緊結ナットセット78を使用して該弁軸4a/4b/4c/4dを該移動インジケータ76上に緊結し、該弁軸4a/4b/4c/4dが受ける管路の圧力波を該調整ホイール74に伝達し、かつ該C字形リングを介して該弁体構造に伝達することで、該弁軸4a/4b/4c/4dの該調整ねじ山46の損傷と管路の圧力波を完全に回避する。
【0115】
該移動インジケータ76が、該位置目盛762を含み、弁の開度位置を読み取るために用いられ、ゼロ調整を経た該位置決めナットセット77の2つのナットの間の結合線を指標とすることができ、対応する該位置目盛762の数値が弁の開度を示す。
【0116】
該C字形リング75は該調整座体71の外環凹陥槽716と該調整ホイール74の該内環凹陥槽744で構成される凹陥槽内に設置され、該C字形リング75の外径が該内環凹陥槽744の内径より小さく、該C字形リング75の内径が該外環凹陥槽716の内径より大きく、該C字形リング75は該調整ホイール74を軸方向において該調整座体71上の軸方向の固定位置に位置決めすることができる。
【0117】
該内環凹陥槽744と該外環凹陥槽716は同じ槽幅Wを有し、かつ該C字形リング75の厚みTと摺動可能に組み合わせることができる。該槽幅W-0.0mm≧T≧W-0.1mmであり、該調整ホイール74を該調整座体71に対して円滑に相対回動させることができ、かつ該弁軸4a/4b/4c/4dを介して管路の圧力波を該環状部24a/24b/24cに伝達する。
【0118】
図2Eと
図2Eaに示すように、該C字形リング75の位置決め柱755は該調整座体71の該工具開口717内に位置決めすることができ、該C字形リング75が該調整ホイール74に伴って回転しないよう確保するとともに、保守を容易にする。
【0119】
達成される効果として、該調整ホイール74の該ボス部745上の該調整ねじ孔746と該C字形リング75が提供する位置決めと回動機能により、該調整座体71の該摺動孔718が該弁軸4a/4b/4c/4dの回転阻止機能を提供し、3つの部材の使用のみで第二類弁軸の伝動機能を完成することができる。
【実施例0120】
実施例1は、
図3Aに示すように、該手動弁1aが、シール機構3aと、調整機構7と、弁部10a等を含んで構成され、該シール機構3aは実施態様1で説明する。該弁部10aは、弁体2aと、弁上蓋6aと、該ダイヤフラム30と、該圧迫リング31と、弁軸4a等を含む。
【0121】
図3A、
図3Bに示すように、該弁体2aは、該入口21と、該出口22と、該弁室23と、環状部24aと、矩形部25a等を含む。該出口22と、該入口21と、該弁室23は輸送液体流動空間が熱源区域15であり、該環状部24aと該矩形部25aがいずれも熱伝導制限151構造を有し、該環状部24aがさらに外ねじ山243と、内周面247等を含む。該弁軸4aを弁上蓋6aの該軸ボス部68の中心孔64に挿通し、該弁上蓋6aを該環状部24aの外ねじ山243に緊結することができる。
【0122】
図3A、
図3C、
図3Caに示すように、該弁上蓋6aがさらに軸ボス部68と、中心孔64を含む。該弁上蓋6aにさらに軸方向の環状の該密封リブ66が設けられ、該軸ボス部68と該内ねじ山65の間に位置し、環状の該密封リブ66と該内ねじ山65の間に位置するねじ溝663が形成され、該軸ボス部68と環状の該密封リブ66の間に位置する軸ボス槽664も形成される。環状の該密封リブ66の下端に環状の圧迫槽661が設けられ、その槽開口が該ねじ溝663側とした方向に開口しており、該圧迫槽661の上方底部に圧迫面662が設けられる。該圧迫リング31は環状の該圧迫槽661内に設置される。複数の径方向リブ683が該密封リブ66と該軸ボス部68に連結される。該軸ボス部68と環状の該密封リブ66間に複数の径方向リブ683が連結され、該密封リブ66により高い剛性を提供し、かつ該弁軸4aから伝達されてくる熱を隔絶する。該密封リブ66の外周面に複数の凸縦リブ665が設置され、該複数の凸縦リブ665が該環状部24aの内周面247に隣接し、構造の剛性を提供するとともに、該ダイヤフラム30の円周部301から伝達されてくる熱を隔絶する。
【0123】
図3Aに示すように、該シール機構3aの構造支持は、該環状部24aと、該ダイヤフラム30と、該圧迫リング31と、該リブ構造244aと、該弁上蓋6aを含み、該リブ構造244aの軸方向の他側が該外ねじ山243に連結される。該弁上蓋6aを該環状部24aと圧迫封鎖に用いたとき、該環状部24aの構造が該ねじ溝663中に嵌入される。
【0124】
図3Aに示すように、該調整機構7は該弁上蓋6aの該頂部63に設置され、かつ該調整座体71の位置決め柱719により該弁上蓋6aの該位置決め孔69と結合され、該調整機構7が、該弁軸4aと、該調整座体71と、該調整ホイール74と、該移動インジケータ76と、該位置決めナットセット77と、該緊結ナットセット78と、該安全カバー79等の部材を含む。
該シール機構3bと該外ねじ山は該環状部24bの外周面245に設けられ、かつ該シール機構3bが該外ねじ山243の下方に位置する。該リブ構造244bの軸方向の分布位置は該最小直径241と該内ねじ山242の複数のねじ山をカバーし、かつ軸方向の他側において該外ねじ山243に連接され、シール機構3bの構造強度と放熱効果が高められる。該環状部24bの該内ねじ山242と該外ねじ山243は複数のねじ山が軸方向の位置において相互に重なり合い、つまり、該内ねじ山242の軸方向の位置分布は該外ねじ山243と該リブ構造244の軸方向長さによりカバーされる。該弁上蓋6bと該環状部24bの該外ねじ山243を緊結したとき、該弁上蓋6bも同時に該上部弁体32に追加の構造支持を提供する。
該位置規制ボルト70にまず該緊結ナットセット78が取り付けられ、かつ該移動インジケータ76の中心孔764に挿通され、該緊結ナットセット78を用いて該位置規制ボルトの末端に取り付け、該位置規制ボルト70の末端が必要な高さになるまで螺合し、該高さは該弁軸4bが持ち上がる高さに合致しており、このとき該位置規制ボルト70が該緊結ナットセット78で緊結され、高圧気体が該駆動シリンダ10dに導入されたとき、該弁軸4bの末端が該位置規制ボルト70により阻まれる。該安全カバー79は該移動インジケータ76を保護することができる。