(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141224
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法およびパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20230928BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20230928BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20230928BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01L21/90 A
H01L27/11582
H01L27/11575
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047436
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】小向 敏章
(72)【発明者】
【氏名】小森 基史
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH19
5F033HH32
5F033HH33
5F033JJ19
5F033KK19
5F033KK32
5F033KK33
5F033QQ08
5F033QQ09
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5F033VV16
5F033XX34
5F083EP18
5F083EP22
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5F083GA10
5F083JA04
5F083JA19
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5F083JA40
5F083PR03
5F083PR21
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH14
(57)【要約】
【課題】製造効率を向上し且つ信頼性を向上した半導体装置の製造方法およびパターン形成方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、第1面に、第1の深さを有する第1のホールと第2の深さを有する第2のホールとが設けられた第1層の、第1面に樹脂を塗布し、樹脂に、第1のホールの上に第1のホールの開口より小さい径の凸部を有するパターンを形成し、凸部の一部を露出する保護層を形成し、凸部と接続する第1のホールの中の樹脂を除去し、第1のホールの下の第1層に、第1のホールと連通し、第3の深さを有する第3のホールを形成すること、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に、第1の深さを有する第1のホールと第2の深さを有する第2のホールとが設けられた第1層の、前記第1面に樹脂を塗布し、
前記樹脂に、前記第1のホールの上に前記第1のホールの開口より小さい径の凸部を有するパターンを形成し、
前記凸部の一部を露出する保護層を形成し、
前記凸部と接続する前記第1のホールの中の前記樹脂を除去し、
前記第1のホールの下の前記第1層に、前記第1のホールと連通し、第3の深さを有する第3のホールを形成すること、
を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の深さと前記第2の深さとは同じ深さである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記パターンを形成することは、インプリントリソグラフィを用いる、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記インプリントリソグラフィは、前記樹脂にテンプレートを押印して前記凸部以外を平坦化することを含む、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂は、異なる樹脂材料を含む第1樹脂と第2樹脂とを含み、
前記第1樹脂は前記第1のホールと前記第2のホールに埋め込まれ、
前記第2樹脂に前記パターンを形成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂は、前記第1樹脂と前記第2樹脂との間に配置され、異なる樹脂材料を含む第3樹脂をさらに含み、
前記第3樹脂は平坦化する、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記保護層を形成することは、
前記凸部を覆うように保護層を形成し、
前記保護層の一部を除去することによって前記凸部の一部を露出させること、
を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂は、前記保護層に対して前記保護層の一部を除去する第1のエッチングにおける選択比が高い、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記保護層は、前記樹脂に対して前記樹脂を除去する第2のエッチングにおける選択比が高い、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記保護層は、H1が第3の深さ、H2が前記凸部を露出する前記保護層の膜厚、R1が前記第3のホールを形成するときの前記第1層のエッチングレート、R2が前記第3のホールを形成するときの前記保護層のエッチングレートであるとき、
H2>(R2/R1)×H1の関係を満たす、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1層は、交互に積層された複数の絶縁層と複数の犠牲層を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
第1面に、第1の深さを有する第1のホールと第2の深さを有する第2のホールとが設けられた第1層の、前記第1面の上に樹脂を塗布し、
前記樹脂に、前記第1のホールの上に前記第1のホールの開口より小さい径の凸部を有するパターンを形成し、
前記凸部の一部を露出する保護層を形成し、
前記凸部と接続する前記第1のホールの中の前記樹脂を除去し、
前記第1のホールの下の前記第1層に、前記第1のホールと連通し、第3の深さを有する第3のホールを形成すること、
を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体装置の製造方法およびパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置として、NAND型フラッシュメモリを用いた半導体パッケージが知られている。このようなNAND型フラッシュメモリを大容量化するために、多くのメモリセルを積層した構成をとる3次元NAND型フラッシュメモリが実用化されている。それぞれのメモリセルに接続される複数の導電層は基板上に積層され、駆動回路などに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10796948号明細書
【特許文献2】米国特許第11088164号明細書
【特許文献3】米国特許第10845609号明細書
【特許文献4】米国特許第10423066号明細書
【特許文献5】米国特許第10153176号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、製造効率を向上し且つ信頼性を向上した半導体装置の製造方法およびパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1面に、第1の深さを有する第1のホールと第2の深さを有する第2のホールとが設けられた第1層の、第1面に樹脂を塗布し、樹脂に、第1のホールの上に第1のホールの開口より小さい径の凸部を有するパターンを形成し、凸部の一部を露出する保護層を形成し、凸部と接続する第1のホールの中の樹脂を除去し、第1のホールの下の第1層に、第1のホールと連通し、第3の深さを有する第3のホールを形成すること、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る半導体装置のメモリセル領域MCRとコンタクト領域HURの構成を示す斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る半導体装置の積層配線構造体の構成を示す断面図である。
【
図4】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図5】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図6】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図7】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図8】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図9】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図10】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図11】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図12】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図13】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図14】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図15】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図16】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図17】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図18】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【
図19】一実施形態に係る積層配線構造体の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態に係る半導体装置の製造方法およびパターン形成方法について図面を参照して具体的に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する要素について、同一符号又は同一符号の後にアルファベットが追加された符号が付されており、必要な場合にのみ重複して説明する。以下に示す各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示する。一実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。これら実施形態やその変形例は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0008】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図面において、既出の図面に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0009】
本明細書において「αはA、B又はC」を含む、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0010】
本明細書において、水平とは基板と平行な方向(XY方向)を指し、鉛直とは前記水平方向に対して略垂直な方向(Z方向)を指す場合がある。
【0011】
以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0012】
以下の各実施形態では、基板として半導体基板を例示して説明するが、本開示の技術を半導体基板以外の基板にも適用することができる。
【0013】
<第1実施形態>
[半導体装置の全体構成]
本実施形態に係る半導体装置の全体構成について、
図1を用いて説明する。
図1は本実施形態にかかる半導体装置10の各要素の配置を示した斜視図である。
【0014】
半導体装置10はNAND型フラッシュメモリ装置であり、半導体基板11上に形成される。半導体基板11上にはメモリセル領域MCRおよびコンタクト領域HURが区画されている。メモリセル領域MCRには3次元に積層された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ16が形成されている。具体的には、半導体基板11の表面に対して垂直方向にソース側セレクトゲートトランジスタ、多数(例えば64個)のメモリセルトランジスタ、及びドレイン側セレクトゲートトランジスタが直列に接続されてメモリストリングを構成している。なお、直列に接続された多数のメモリセルトランジスタの両端、または多数のメモリセルトランジスタ間のうちの一部の間に、ダミーセルトランジスタを含んでも良い。メモリセルアレイ16は、各トランジスタに接続されたソース側セレクトゲート線、ワード線、ドレイン側セレクトゲート線となる複数の導電層が、それぞれ絶縁層を介して積層された積層体を含む。複数の導電層はコンタクト領域HURに延在して積層配線構造体17が形成されている。メモリセルアレイ16上には、図示しないビット線が設けられ、周辺回路18に接続される。積層配線構造体17上には、図示しない配線が設けられ、周辺回路18に接続される。
【0015】
半導体基板11上はさらに周辺回路領域PERが区画されている。周辺回路領域PERには周辺回路18が形成される。周辺回路18は、多数のCMOSトランジスタを有する。周辺回路18は、メモリセルに接続された各ワード線を駆動する駆動回路、各ワード線を選択するデコーダ回路、読出時にビット線電位をセンスするセンスアンプ、及び書込時にビット線に電圧を供給するビット線電位制御回路を含むカラム系回路等を有する。なお、
図1において周辺回路領域PERの配線は省略する。半導体基板11は、チップ外部と信号のやりとりや電源の供給をうけるところのパッド列19を有する。
【0016】
[メモリセル領域MCR及びコンタクト領域HURの構成]
図2は本実施形態に係る半導体装置のメモリセル領域MCRとコンタクト領域HURの構成を示す斜視図である。図が錯綜するのを防ぐため、導電性を有する部材を示し、絶縁性を有する部材を省略してある。
図2で部材が示されていない部分には、二酸化シリコン等の絶縁材料を用いて絶縁されている。
【0017】
メモリセル領域MCRには、シリコン単結晶を用いた半導体基板11上にメモリセルアレイ16が形成されている。メモリセルアレイ16は、半導体基板11の表面に対して略平行に伸びる導電層7-1、導電層7-2、導電層7-3、および導電層7-4(導電層7-1から導電層7-4を区別しないときには導電層70とする)を有する。メモリセルアレイ16は、これら複数の導電層70がそれぞれ絶縁層を介して積層された積層体を有する。図中では導電層が4層しか示されていないが、33層、65層というようにさらに多数の層が積層される。これら導電層はトランジスタに接続されたソース側セレクトゲート線、ワード線、またはドレイン側セレクトゲート線に対応する。
【0018】
メモリセル領域MCRには、複数の導電層と複数の絶縁層とを貫通するメモリピラー40が形成される。メモリピラー40は円筒状であり、外周側から中心側に向かって、二酸化シリコン膜を含むブロック絶縁膜、窒化シリコン膜を含む電荷蓄積膜、二酸化シリコン膜を含むトンネル絶縁膜、アモルファス又は多結晶シリコン膜を含む半導体チャネル、二酸化シリコン膜が積層されている。セレクトゲート線、またはワード線に対応する導電層7-1、7-2、7-3、7-4と半導体チャネルの間に位置する電荷蓄積膜の一部は、キャリアをトラップする不揮発性のメモリセルの一部として機能する。
【0019】
コンタクト領域HURには、シリコン単結晶を用いた半導体基板11上に積層配線構造体17が形成されている。コンタクト領域HURにも、メモリセル領域MCRから延在する複数の絶縁層と複数の導電層とが形成されている。積層配線構造体17は、半導体基板11の表面に対して略平行に伸びる導電層7-1、導電層7-2、導電層7-3、および導電層7-4を有する。積層配線構造体17は、これら複数の導電層70がそれぞれ絶縁層を介して積層された積層体を有する。図中では導電層が4層しか示されていないが、33層、65層というようにさらに多数の層が積層されることは前述したとおりである。そして、これら複数の導電層70はコンタクト領域HURにおいては、ソース側セレクトゲート線、ワード線、またはドレイン側セレクトゲート線から引き出された配線に対応する。
【0020】
コンタクト領域HURにおいて、セレクトゲート線、またはワード線から引き出された配線に対応する導電層7-1、7-2、7-3、7-4は、それぞれ対応するコンタクトプラグ5-1、5-2、5-3、5-4(ここでコンタクトプラグ5-1からコンタクトプラグ5-4を区別しないときにはコンタクトプラグ50とする)に接続される。ここで導電層7-1はコンタクトプラグ5-1に接続され、導電層7-2はコンタクトプラグ5-2に接続され、導電層7-3はコンタクトプラグ5-3に接続され、導電層7-4はコンタクトプラグ5-4に接続される。図中ではコンタクトプラグ50が4本しか示されていないが、例えば、複数の導電層と同じ数だけ配置される。各コンタクトプラグ50は、複数の絶縁層と複数の導電層を貫通するコンタクトホールを介して積層配線構造体17の上に引き出される。
【0021】
[積層配線構造体の構成]
図3は、積層配線構造体17の構成を示す断面図である。積層配線構造体17は、半導体基板11上に積層された絶縁層3-1、導電層7-1、絶縁層3-2、導電層7-2、絶縁層3-3、導電層7-3、絶縁層3-4、導電層7-4、絶縁層3-5、導電層7-5、絶縁層3-6、導電層7-6、絶縁層3-7、導電層7-7、絶縁層3-8、導電層7-8、絶縁層3-9、導電層7-9、絶縁層3-10、導電層7-10、絶縁層3-11、導電層7-11、絶縁層3-12、導電層7-12、絶縁層3-13(ここで導電層7-1から導電層7-12を区別しないときには導電層70とし、絶縁層3―1から絶縁層3-12を区別しないときには絶縁層30とする)を有する。複数の導電層70と複数の絶縁層30とはそれぞれ1層ずつ交互に、半導体基板11の主面に対して垂直な方向(積層方向)に周期的に積層されている。半導体基板11と最下層の導電層7―1との間にも絶縁層3―1が形成されている。最上層の導電層7―12の上にも絶縁層3―13が形成されている。絶縁層3―13は絶縁層3―1から絶縁層3―12よりも積層方向に厚くてもよい。
【0022】
各々の導電層70は単層である。つまり、1層の導電層70について断面形状を観察した場合、導電層70の膜厚方向(Z方向)に単一の材料が連続していてよい。また、1層の導電層70内部に界面は存在しなくてよい。または、導電層70は、バリアメタル層と金属層の2層であってもよい。導電層70の材料は、例えば、タングステンであってもよい。バリアメタル層は、例えば、窒化チタン(TiN)または窒化タンタル(TaN)であってもよい。積層方向に隣接する導電層70は互いに絶縁されていればよく、絶縁層30の材料は例えば二酸化シリコン(SiO2)、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)などの酸化シリコンであってもよい。絶縁層30は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて堆積される。
【0023】
導電層7-1から導電層7-12は、それぞれ対応するコンタクトプラグ5-1、5-2、5-3、5-4、5-5、5-6、5-7、5-8、5-9、5-10、5-11、5-12(ここでコンタクトプラグ5-1からコンタクトプラグ5-12を区別しないときにはコンタクトプラグ50とする)に接続される。各コンタクトプラグ50は、対応する導電層70の上に配置される絶縁層30と導電層70を貫通するコンタクトホールを介して積層配線構造体17の上(基板11とは反対側)に引き出される。具体的には、コンタクトプラグ5-1は絶縁層3-2から絶縁層3-13および導電層7-2から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH1を介して導電層7-1と接続され、コンタクトプラグ5-2は絶縁層3-3から絶縁層3-13および導電層7-3から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH2を介して導電層7-2と接続され、コンタクトプラグ5-3は絶縁層3-4から絶縁層3-13および導電層7-4から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH3を介して導電層7-3と接続され、コンタクトプラグ5-4は絶縁層3-5から絶縁層3-13および導電層7-5から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH4を介して導電層7-4と接続され、コンタクトプラグ5-5は絶縁層3-6から絶縁層3-13および導電層7-6から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH5を介して導電層7-5と接続され、コンタクトプラグ5-6は絶縁層3-7から絶縁層3-13および導電層7-7から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH6を介して導電層7-6と接続され、コンタクトプラグ5-7は絶縁層3-8から絶縁層3-13および導電層7-8から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH7を介して導電層7-7と接続され、コンタクトプラグ5-8は絶縁層3-9から絶縁層3-13および導電層7-9から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH8を介して導電層7-8と接続され、コンタクトプラグ5-9は絶縁層3-10から絶縁層3-13および導電層7-10から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH9を介して導電層7-9と接続され、コンタクトプラグ5-10は絶縁層3-11から絶縁層3-13および導電層7-11から導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH10を介して導電層7-10と接続され、コンタクトプラグ5-11は絶縁層3-12から絶縁層3-13および導電層7-12を貫通するコンタクトホールCH11を介して導電層7-11と接続され、コンタクトプラグ5-12は絶縁層3-13を貫通するコンタクトホールCH12を介して導電層7-12と接続される(ここでコンタクトホールCH1からコンタクトホールCH12を区別しないときにはコンタクトホールCHとする)。すなわち、各コンタクトホールCHおよび各コンタクトプラグ50はそれぞれ、積層配線構造体17上面からの深さが異なる。コンタクトプラグ50はいずれも円柱形であるが、コンタクトプラグ50の形状は特に限定しない。コンタクトプラグ50の材料は、例えば、タングステンなどの金属であってもよい。
【0024】
各コンタクトプラグ50は、絶縁膜60によってコンタクトホールCHが貫通する上層の導電層70と絶縁されている。コンタクトホールCHの少なくとも一部の内側面には絶縁膜60が円筒状に形成されている。すなわち、コンタクトプラグ50の少なくとも一部の外側面は、絶縁膜60で覆われている。絶縁膜60の材料は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)、TEOSなどの酸化シリコンであってもよい。
【0025】
[積層配線構造体の製造方法]
図4~
図15を参照して、本実施形態に係る半導体装置の積層配線構造体の製造方法について説明する。
図4~
図11は、積層配線構造体17のパターン形成方法を示す。
図12~
図15は、積層配線構造体17の配線形成方法を示す。なお
図4~
図15では紙面左右方向に異なる深さのコンタクトホールCHおよびコンタクトプラグ50を形成する例を示したが、本実施形態に係る半導体装置の積層配線構造体の製造方法は紙面奥行き方向に適用することもできる。
【0026】
まず
図4に示すように、半導体基板11上に、絶縁層3-1(TEOS膜)、犠牲層2-1(SiN膜)、絶縁層3-2(TEOS膜)、犠牲層2-2(SiN膜)、絶縁層3-3(TEOS膜)、犠牲層2-3(SiN膜)、絶縁層3-4(TEOS膜)、犠牲層2-4(SiN膜)、絶縁層3-5(TEOS膜)、犠牲層2-5(SiN膜)、絶縁層3-6(TEOS膜)、犠牲層2-6(SiN膜)、絶縁層3-7(TEOS膜)、犠牲層2-7(SiN膜)、絶縁層3-8(TEOS膜)、犠牲層2-8(SiN膜)、絶縁層3-9(TEOS膜)、犠牲層2-9(SiN膜)、絶縁層3-10(TEOS膜)、犠牲層2-10(SiN膜)、絶縁層3-11(TEOS膜)、犠牲層2-11(SiN膜)、絶縁層3-12(TEOS膜)、犠牲層2-12(SiN膜)、絶縁層3-13(TEOS膜)、絶縁層6(アモルファスシリコン膜)を順に成膜して、積層体を形成する(ここで犠牲層2―1から犠牲層2-12を区別しないときには犠牲層20とする)。これら犠牲層20、絶縁層30、および絶縁層6は、例えば、CVD装置を用いて堆積される。交互に積層された絶縁層30と犠牲層20とは互いに接するように形成される。絶縁層3-13の上には絶縁層6が接するように形成される。本実施形態において絶縁層30の材料はTEOS膜を例示したが、絶縁層30の材料はこれに限定されず、例えば二酸化シリコン(SiO
2)であってもよい。犠牲層20の材料は窒化シリコン膜(SiN)を例示したが、犠牲層20の材料はこれに限定されず、例えばシリコンであってもよい。絶縁層6の材料はアモルファスシリコン膜を例示した。
【0027】
積層体にはコンタクトホールCH7a、CH8a、CH9a、CH10a、CH11a、CH12a、CH7b、CH8b、CH9b、CH10b、CH11b、CH12bを形成する(ここでコンタクトホールCH7aからコンタクトホールCH12aを区別しないときにはコンタクトホールCHa(第1のホール)、コンタクトホールCH7bからコンタクトホールCH12bを区別しないときにはコンタクトホールCHb(第2のホール)とする)。ここでコンタクトホールCH7a、CH8a、CH9a、CH10a、CH11a、CH12aは、それぞれ積層配線構造体17上面からの深さが異なる。CH7b、CH8b、CH9b、CH10b、CH11b、CH12bは、それぞれ積層配線構造体17上面からの深さが異なる。
【0028】
具体的には、コンタクトホールCH7aおよびコンタクトホールCH7bは絶縁層6、絶縁層3-9から絶縁層3-13および犠牲層2-8から犠牲層2-12を貫通して絶縁層3-8と接続され、コンタクトホールCH8aおよびコンタクトホールCH8bは絶縁層6、絶縁層3-10から絶縁層3-13および犠牲層2-9から犠牲層2-12を貫通して絶縁層3-9と接続され、コンタクトホールCH9aおよびコンタクトホールCH9bは絶縁層6、絶縁層3-11から絶縁層3-13および犠牲層2-10から犠牲層2-12を貫通して絶縁層3-10と接続され、コンタクトホールCH10aおよびコンタクトホールCH10bは絶縁層6、絶縁層3-12から絶縁層3-13および犠牲層2-11から犠牲層2-12を貫通して絶縁層3-11と接続され、コンタクトホールCH11aおよびコンタクトホールCH11bは絶縁層6、絶縁層3-13および犠牲層2-12を貫通して絶縁層3-12と接続され、コンタクトホールCH12aおよびコンタクトホールCH12bは絶縁層6を貫通して絶縁層3-13と接続される。それぞれのコンタクトホールCHa、CHbは、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching、RIE)のような異方性エッチングによって形成する。本実施形態においてコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbは、それぞれ6つの異なる深さのコンタクトホールを有する構成を例示したが、コンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbはそれぞれ1つ以上であればよく、コンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbの深さは同じであってもよい。
【0029】
図5に示すように、まずコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbを有する積層体(第1層)の絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))に樹脂層8を塗布する。樹脂層8は、例えば、インクジェットで滴下またはスピンコートで塗布してもよい。樹脂層8の材料は、例えば、NILレジストであってもよく、UV硬化性を有する感光剤入りの樹脂であってもよい。樹脂層8の材料は、例えば、アクリルモノマーに光開始剤が含まれ界面活性剤が添加されたものであってもよい。
【0030】
絶縁層6の上面に塗布した樹脂層8は、ナノインプリントリソグラフィによって、積層体に形成されたコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbに埋め込まれる。さらに樹脂層8の上面は、ナノインプリントリソグラフィによって一部平坦化され、一部パターニングされる。ナノインプリントリソグラフィには、一部は平坦であり、一部に凹部を有するテンプレートを用いる。樹脂層8にテンプレートを押印することによって、樹脂層8のコンタクトホールCHbの上は平坦化され、樹脂層8のコンタクトホールCH7aの上には凸部8-1、CH8aの上には凸部8-2、CH9aの上には凸部8-3、CH10aの上には凸部8-4、CH11aの上には凸部8-5、CH12aの上には凸部8-6を有するパターンが形成される(凸部8-1から凸部8-6を区別しないときには凸部80とする)。
【0031】
凸部80の水平方向における断面は、コンタクトホールCHaの絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))における開口より小さく、コンタクトホールCHaの開口の上に配置される。すなわち、凸部80の水平方向における径は、コンタクトホールCHaの絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))における径より小さい。なお、径とは、例えば最大径を表してもよい。凸部80の水平方向における断面がコンタクトホールCHaの絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))における開口より小さいことから、凸部80の中心とコンタクトホールCHaの中心とがずれたとしても、凸部80をコンタクトホールCHaの開口の上からはみ出ることなく配置することができる。それぞれの凸部80は、絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))からの高さが略同じである。凸部80の鉛直方向における高さはとくに限定しないが、後述する保護層9の厚さH2より高い。凸部80の径とは水平方向における断面の最大幅を示し、コンタクトホールCHaの径とは絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))における開口の最大幅を示す。
【0032】
図6に示すように、樹脂層8の上面(基板11とは反対側の面)に保護層9を形成する。保護層9は、例えば、スピンコートによって塗布してもよい。保護層9の材料は、例えば、二酸化シリコン(SiO
2)、SOG(Spin-On-Glass)などの塗布型酸化膜であってもよい。保護層9は、樹脂層8の上面に配置される凸部80を覆うように形成される。保護層9の上面(基板11とは反対側の面)は略平坦化される。
【0033】
図7に示すように、保護層9の一部を第1のエッチングによって除去する。第1のエッチングは、例えば、CF系ガスおよび酸素系ガスを用いたRIEであってもよい。樹脂層8は、保護層9に対して第1のエッチングにおける選択比が高い。このため保護層9は選択的にエッチングすることができる。保護層9の一部を除去することによって保護層9の厚さはH2となり、凸部80の一部は保護層9の上面(基板11とは反対側の面(第1面))に露出される。
【0034】
図8に示すように、凸部80と接続するコンタクトホールCHaの中の樹脂層8を第2のエッチングによって除去する。第2のエッチングは、例えば、CF系ガスおよび酸素系ガスを用いたRIEであってもよい。保護層9は、樹脂層8に対して第2のエッチングにおける選択比が高い。このため、樹脂層8は選択的にエッチングすることができる。保護層9をマスクとして、保護層9の上面(基板11とは反対側の面(第1面))に露出する凸部80と接続するコンタクトホールCHaの中の樹脂層8を除去することができる。
図8において保護層9は一部残存している。
【0035】
図9に示すように、コンタクトホールCHaの下の犠牲層20および絶縁層30を第3のエッチングによって除去する。第3のエッチングは、例えば、CF系ガスを用いたRIEであってもよい。保護層9および樹脂層8は、犠牲層20および絶縁層30に対して第3のエッチングにおける選択比が高い。このため、犠牲層20および絶縁層30は選択的にエッチングすることができる。保護層9および樹脂層8をマスクとして、保護層9および樹脂層8の開口からコンタクトホールCHaの下の犠牲層20および絶縁層30を除去することで、コンタクトホールCHaに連通するコンタクトホールCHc(第3のホール)を形成することができる。
【0036】
図9においては、深さの異なるそれぞれのコンタクトホールCHaの下に、6層の犠牲層20および6層の絶縁層30を除去して同じ深さ(第3の深さ)のコンタクトホールCHc(第3のホール)を形成することで、深さの異なるCH1b、CH2b、CH3b、CH4b、CH5b、CH6b(ここでコンタクトホールCH1bからコンタクトホールCH6bを区別しないときにはコンタクトホールCHbとする)を形成する例を示した。具体的には、コンタクトホールCH1bはコンタクトホールCH7aの下の絶縁層3-3から絶縁層3-8および犠牲層2-2から犠牲層2-7を除去して絶縁層3-2と接続し、コンタクトホールCH2bはコンタクトホールCH8aの下の絶縁層3-4から絶縁層3-9および犠牲層2-3から犠牲層2-8を除去して絶縁層3-3と接続し、コンタクトホールCH3bはコンタクトホールCH9aの下の絶縁層3-5から絶縁層3-10および犠牲層2-4から犠牲層2-9を除去して絶縁層3-4と接続し、コンタクトホールCH4bはコンタクトホールCH10aの下の絶縁層3-6から絶縁層3-11および犠牲層2-5から犠牲層2-10を除去して絶縁層3-5と接続し、コンタクトホールCH5bはコンタクトホールCH11aの下の絶縁層3-7から絶縁層3-12および犠牲層2-6からおよび犠牲層2-11を除去して絶縁層3-6と接続し、コンタクトホールCH6bはコンタクトホールCH12aの下の絶縁層3-8から絶縁層3-13および犠牲層2-7からおよび犠牲層2-12を除去して絶縁層3-7と接続する。しかしながらこれに限定されず、犠牲層20および絶縁層30の除去する層数は適宜調整することができる。
【0037】
ここで、
図9におけるコンタクトホールCHcの積層方向の深さがH1、
図7における凸部80を露出する保護層9の膜厚がH2、コンタクトホールCHcを形成するときの犠牲層20および6層の絶縁層30のエッチングレートがR1、コンタクトホールCHcを形成するときの保護層9のエッチングレートがR2であるとき、H2>(R2/R1)×H1の関係を満たす。
【0038】
図10に示すように、コンタクトホールCHbの中および積層体(絶縁膜基板)の絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))に残存する樹脂層8をアッシングによって除去する。
【0039】
図11に示すように、絶縁層6を第4のエッチングによって除去する。第4のエッチングは、例えば、HBr系ガスを用いたRIEであってもよい。絶縁層6は、絶縁層30に対して第4のエッチングにおける選択比が高い。このため絶縁層6は、絶縁層30をエッチングストッパとして選択的にエッチングすることができる。
【0040】
本実施形態に係る積層配線構造体のパターン形成方法においては、ナノインプリントリソグラフィによって樹脂層8の上面を平坦化およびパターニングをすることによって、深さが浅いコンタクトホールが配置されている領域と深いコンタクトホールが配置されている領域、または、コンタクトホールが密に配置されている領域と粗に配置されている領域などであっても、コンタクトホールの寸法変動を抑制することができる。また、保護層9と樹脂層8の積層マスク構造によるコンタクトホールCHcの形成が可能となるため、マスクの残膜不足が解消し、コンタクトホールの微細化が可能になる。
【0041】
図12に示すように、積層体の上面、コンタクトホールCHbの内側面および底部には、絶縁膜60が形成される。絶縁膜60は例えば酸化シリコンであってもよく、CVD装置を用いて堆積される。
【0042】
図13に示すように、コンタクトホールCHbの内側に絶縁体90が形成される。絶縁体90は例えばアモルファスシリコンであってもよく、CVD装置を用いて堆積されてもよい。
【0043】
図14に示すように、犠牲層20が配置される領域に導電層70を形成する。積層体の所定領域に図示しないスリットを掘り下げ、そのスリットより、積層体に含まれる犠牲層20を一括して除去する。その結果、犠牲層20が存在していた部分に空洞が生じる。そして、その空洞にタングステン等の金属を埋め込むことによって、導電層70が形成される。
【0044】
図15に示すように、コンタクトホールCHbの内側の絶縁体90と、積層体の上面およびコンタクトホールの底部の絶縁膜60と、それぞれのコンタクトホールCHbが接続する絶縁層30と、をRIEのような異方性エッチングによって除去する。エッチングは、例えば、絶縁体90はHBr系ガス、絶縁膜60はCF系ガスおよび酸素系ガスを用いたRIEであってもよい。絶縁体90の下に位置する絶縁膜60および絶縁層30を除去することで、コンタクトホールCHの内側面には絶縁膜60が残る。
【0045】
底部に対応する導電層70を露出するコンタクトホールCHには、例えばタングステンなどの金属を埋め込むことで、
図3に示すコンタクトプラグ50が形成される。
【0046】
本実施形態に係る積層配線構造体の配線形成方法においては、製造効率を向上し且つ信頼性を向上することができる。
【0047】
<第2実施形態>
本実施形態に係る積層配線構造体の構成は、第1実施形態に係る積層配線構造体の構成と同じである。本実施形態に係る積層配線構造体の製造方法は、樹脂層の形成方法以外、第1実施形態に係る積層配線構造体の製造方法と同じである。第1実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態に係る積層配線構造体の製造方法と相違する部分について説明する。
【0048】
[積層配線構造体の製造方法]
図16および
図17を参照して、本実施形態に係る樹脂層の形成方法について説明する。
【0049】
図16に示すように、まずコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbを有する積層体(絶縁膜基板)の絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))に樹脂層8aを塗布する。樹脂層8aは、例えば、スピンコートで塗布してもよい。樹脂層8aの材料は、例えば、レジストであってもよく、光硬化性を有する感光剤入りの樹脂であってもよい。樹脂層8aの材料は、例えば、ポリヒドロキシスチレン樹脂にアセタールまたはアルキル基などの保護基を導入した材料に光酸発生剤が添加されたものであってもよい。絶縁層6の上面に塗布した樹脂層8aは、積層体に形成されたコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbに埋め込まれる。樹脂層8aの上面は、積層体(絶縁膜基板)に配置されるコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbの深さによって段差が形成される。
【0050】
図17に示すように、樹脂層8aの上面(基板11とは反対側の面(第1面))に樹脂層8bを塗布する。樹脂層8aと樹脂層8bとは異なる樹脂材料を含む。樹脂層8bは、例えば、インクジェットで塗布してもよい。樹脂層8bの材料は、例えば、NILレジストであってもよく、UV硬化性を有する感光剤入りの樹脂であってもよい。樹脂層8bの材料は、例えば、アクリルモノマーに光開始剤が含まれ界面活性剤が添加されたものであってもよい。
【0051】
樹脂層8aの上面に塗布した樹脂層8bは、ナノインプリントリソグラフィによって、樹脂層8aの上面に形成された段差に埋め込まれる。さらに樹脂層8bの上面は、ナノインプリントリソグラフィによって一部平坦化され、一部パターニングされる。ナノインプリントリソグラフィには、一部は平坦であり、一部に凹部を有するテンプレートを用いる。樹脂層8bにテンプレートを押印することによって、樹脂層8bのコンタクトホールCHbの上は平坦化され、樹脂層8bのコンタクトホールCH7aの上には凸部8-1、CH8aの上には凸部8-2、CH9aの上には凸部8-3、CH10aの上には凸部8-4、CH11aの上には凸部8-5、CH12aの上には凸部8-6を有するパターンが形成される(凸部8-1から凸部8-6を区別しないときには凸部80とする)。
【0052】
本実施形態に係る積層配線構造体のパターン形成方法においては、まず樹脂層8aを絶縁層6の上面に塗布することによって、積層体に形成されたコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbを埋め込むことができる。樹脂層8bにナノインプラントリソグラフィを行う際、下層がより平坦化されていることからテンプレートを押印するときに摩擦が少なくなり、アライメントがより取りやすくなる。したがって、本実施形態に係る積層配線構造体の配線形成方法においては、製造効率を向上し且つ信頼性を向上することができる。
【0053】
<第3実施形態>
本実施形態に係る積層配線構造体の構成は、第1実施形態に係る積層配線構造体の構成と同じである。本実施形態に係る積層配線構造体の製造方法は、樹脂層の形成方法以外、第1実施形態に係る積層配線構造体の製造方法と同じである。第1実施形態と同じである説明は省略し、ここでは第1実施形態に係る積層配線構造体の製造方法と相違する部分について説明する。
【0054】
[積層配線構造体の製造方法]
図18および
図19を参照して、本実施形態に係る樹脂層の形成方法について説明する。
【0055】
まず第2実施形態に示すように、まずコンタクトホールCHaおよびコンタクトホールCHbを有する積層体(絶縁膜基板)の絶縁層6の上面(基板11とは反対側の面(第1面))に樹脂層8aを塗布する。
【0056】
図18に示すように、樹脂層8aの上面(基板11とは反対側の面(第1面))に樹脂層8cを塗布する。樹脂層8aと樹脂層8bと樹脂層8cとはそれぞれ異なる樹脂材料を含む。樹脂層8cは、例えば、スピンコートで塗布してもよい。樹脂層8cの材料は、例えば、非感光性樹脂であってもよい。
【0057】
樹脂層8aの上面に塗布した樹脂層8cは、ナノインプリントリソグラフィによって、樹脂層8aの上面に形成された段差を平坦化する。ナノインプリントリソグラフィには、全面が略平坦であるブランクテンプレートを用いる。樹脂層8cにブランクテンプレートを押印することによって、樹脂層8cのコンタクトホールCH7aおよびコンタクトホールCHbの上は平坦化される。
【0058】
図19に示すように、樹脂層8cの上面(基板11とは反対側の面(第1面))に樹脂層8bを塗布する。樹脂層8bの材料およびナノインプリントリソグラフィによるパターニングは第2実施形態と同様であることからここでは省略する。
【0059】
本実施形態に係る積層配線構造体のパターン形成方法においては、樹脂層8cを樹脂層8aの上面に塗布して、ナノインプリントリソグラフィによって平坦化する。樹脂層8bにナノインプラントリソグラフィを行う際、下層の樹脂層8cがより平坦化されていることからテンプレートを押印するときに摩擦が少なくなり、アライメントがより取りやすくなる。したがって、本実施形態に係る積層配線構造体の配線形成方法においては、製造効率を向上し且つ信頼性を向上することができる。
【0060】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の半導体装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0061】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0062】
10:半導体装置、11:半導体基板、16:メモリセルアレイ、17:積層配線構造体、18:周辺回路、19:パッド列、20:犠牲層、30:絶縁層、40:メモリピラー、50:コンタクトプラグ、60:絶縁膜、70:導電層、80:凸部