(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141225
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/10 20060101AFI20230928BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H04N1/10
H04N1/00 519
H04N1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047439
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝春
(72)【発明者】
【氏名】山田 健二
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC04
5C062AC12
5C062AD02
5C062AE03
5C062AE15
5C072AA01
5C072BA02
5C072CA04
5C072CA05
5C072CA09
5C072CA11
5C072CA12
5C072DA02
5C072DA04
5C072DA15
5C072DA21
5C072DA23
5C072EA05
5C072EA06
5C072LA02
5C072LA08
5C072MA02
5C072MB01
5C072MB06
5C072QA12
5C072UA11
5C072UA13
5C072WA01
(57)【要約】
【課題】画像読取対象に対して複数の光源から異なる角度で光を入射させる構成と比して、コストを低減可能な画像読取装置を得る。
【解決手段】画像読取装置は、画像読取対象に光を照射する単一の光源と、前記光源からの光の進行方向を変え、前記光源から直接前記画像読取対象に照射される光の入射角とは異なる入射角で前記画像読取対象に光を照射する進行変更部材と、前記光源からの光の進行を、前記画像読取対象に直接照射する光路、又は前記進行変更部材を介して照射する光路に切り替える切替機構と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取対象に光を照射する単一の光源と、
前記光源からの光の進行方向を変え、前記光源から直接前記画像読取対象に照射される光の入射角とは異なる入射角で前記画像読取対象に光を照射する進行変更部材と、
前記光源からの光の進行を、前記画像読取対象に直接照射する光路、又は前記進行変更部材を介して照射する光路に切り替える切替機構と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記切替機構は、前記光源から前記画像読取対象に至る光路を遮る遮光部材を備え、複数の前記光路のうち一つの前記光路を残して他の前記光路を前記遮光部材で遮ることにより前記画像読取対象に照射される光路を切り替える、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記画像読取対象に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動する筐体を備え、
前記筐体に前記光源及び前記進行変更部材が固定されている、請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記切替機構は、副走査方向を軸方向として前記光源を回転させる回転駆動部を備え、前記回転駆動部の駆動により前記光源からの光の照射方向を変えることで前記光源からの光の進行を、前記画像読取対象に直接照射する光路、又は前記進行変更部材を介して照射する光路に切り替える、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記画像読取対象に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動する筐体を備え、
前記筐体に前記進行変更部材が固定されている、請求項1又は請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記切替機構は、前記光源に設けられた接触部と、前記筐体に設けられ、回転する前記光源が接触する被接触部と、を備え、前記接触部と前記被接触部との接触により前記光源の回転を止めて前記光源からの光の照射方向を固定する、請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記画像読取対象に対して光の入射角を異ならせて複数回画像情報を読み取る、請求項1~請求項6いずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
画像読取対象としての原稿から画像を読み取る請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
読み取った画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像を読み取る画像読取装置及びこの画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、異なる光沢度の原稿画像、又は、同一原稿内に異なる光沢度領域が存在するような原稿画像を読取る画像読取装置であって、画像原稿をセットするプラテンと、原稿画像の正反射光を光電変換するための正反射光源と、原稿画像の拡散反射光を光電変換するための拡散光源と、前記プラテン上の原稿画像からの反射光を光電変換する光電変換手段と、前記正反射光源から光を照射した原稿画像の正反射読取りと前記拡散光源から光を照射した原稿画像の拡散反射読取りを実行する制御手段と、前記光電変換手段からの正反射と拡散反射の各出力値を読取りに適した値に補正する出力値補正手段と、を備え、前記出力値補正手段には、前記正反射光源から光を高光沢度基準面に照射した前記光電変換手段の出力値から設定される最大出力基準値と、前記正反射光源から光を低光沢度基準面に照射した前記光電変換手段の出力値から設定される第1の最小出力基準値と、前記光電変換手段の暗出力値から設定される第2 の最小出力基準値と、この第1の最小出力基準値と最大出力基準値に基づく第1の補正データと、第2の最小出力基準値と最大出力基準値に基づく第2の補正データとを生成する補正値生成手段とが設けられ、前記制御手段は、原稿画像の正反射読取り実行時に、前記第1の補正データで補正するか、前記第2の補正データで補正するか選択可能に構成されている画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像読取対象に対して複数の光源から異なる角度で光を入射させることで入射角毎の画像情報を得ることができるが、複数の光源を用いるため、コストが増加する傾向がある。
【0005】
本開示の目的は、画像読取対象に対して複数の光源から異なる角度で光を入射させる構成と比して、コストを低減可能な画像読取装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の画像読取装置は、画像読取対象に光を照射する単一の光源と、前記光源からの光の進行方向を変え、前記光源から直接前記画像読取対象に照射される光の入射角とは異なる入射角で前記画像読取対象に光を照射する進行変更部材と、前記光源からの光の進行を、前記画像読取対象に直接照射する光路、又は前記進行変更部材を介して照射する光路に切り替える切替機構と、を備える。
【0007】
第2態様の画像読取装置は、第1態様の画像読取装置において、前記切替機構は、前記光源から前記画像読取対象に至る光路を遮る遮光部材を備え、複数の前記光路のうち一つの前記光路を残して他の前記光路を前記遮光部材で遮ることにより前記画像読取対象に照射される光路を切り替える。
【0008】
第3態様の画像読取装置は、第1態様又は第2態様の画像読取装置において、前記画像読取対象に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動する筐体を備え、前記筐体に前記光源及び前記進行変更部材が固定されている。
【0009】
第4態様の画像読取装置は、第1態様の画像読取装置において、前記切替機構は、副走査方向を軸方向として前記光源を回転させる回転駆動部を備え、前記回転駆動部の駆動により前記光源からの光の照射方向を変えることで前記光源からの光の進行を、前記画像読取対象に直接照射する光路、又は前記進行変更部材を介して照射する光路に切り替える。
【0010】
第5態様の画像読取装置は、第1態様又は第4態様の画像読取装置において、 前記画像読取対象に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動する筐体を備え、前記筐体に前記進行変更部材が固定されている。
【0011】
第6態様の画像読取装置は、第5態様の画像読取装置において、前記切替機構は、前記光源に設けられた接触部と、前記筐体に設けられ、回転する前記光源が接触する被接触部と、を備え、前記接触部と前記被接触部との接触により前記光源の回転を止めて前記光源からの光の照射方向を固定する。
【0012】
第7態様の画像読取装置は、第1態様~第6態様のいずれか一態様の画像読取装置において、前記画像読取対象に対して光の入射角を異ならせて複数回画像情報を読み取る。
【0013】
第8態様の画像形成装置は、画像読取対象としての原稿から画像を読み取る第1態様~第7態様のいずれか一態様の画像読取装置と、読み取った画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
第1態様の画像読取装置では、画像読取対象に対して複数の光源から異なる角度で光を入射させる構成と比して、コストを低減できる。
【0015】
第2態様の画像読取装置では、前記光源が主走査方向と交差する方向に移動する構成と比して、画像読取対象に対する光の入射角のバラつきを抑制できる。
【0016】
第3態様の画像読取装置では、筐体に対して光源及び進行変更部材が移動する構成と比して、画像読取対象に対する光の入射角のバラつきを抑制できる。
【0017】
第4態様の画像読取装置では、前記光源が主走査方向と交差する方向に移動する構成と比して、画像読取対象に対する光の入射角のバラつきを抑制できる。
【0018】
第5態様の画像読取装置では、筐体に対して進行変更部材が移動する構成と比して、画像読取対象に対する光の入射角のバラつきを抑制できる。
【0019】
第6態様の画像読取装置では、光源の回転を予め設定した回転角に基づいて止める構成と比して、画像読取対象に対する光の入射角のバラつきを抑制できる。
【0020】
第7態様の画像読取装置では、画像読取対象の質感を読み取ることができる。
【0021】
第8態様の画像形成装置では、記録媒体に質感のある画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の一実施形態に係る画像形成装置の装置構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る画像読取装置の装置構成を示す図であり、光源からの光を反射ミラーで反射させて画像読取対象に入射させるスキャン動作を示している。
【
図4】
図3に示す画像読取装置の装置構成を示す図であり、光源からの光を直接画像読取対象に入射させるスキャン動作を示している。
【
図5】本開示の一実施形態に係る画像読取装置を用いて画像読取対象から質感を有する画像情報を取得する流れを説明するためのフロートチャートである。
【
図6】本開示のその他の実施形態の画像読取装置の装置構成を示す図である。
【
図7】本開示のその他の実施形態の画像読取装置の装置構成を示す図である。
【
図8】本開示のその他の実施形態の画像読取装置の装置構成を示す図であり、光源からの光を反射ミラーで反射させて画像読取対象に入射させるスキャン動作を示している。
【
図9】
図8に示す画像読取装置の装置構成を示す図であり、光源からの光を直接画像読取対象に入射させるスキャン動作を示している。
【
図10】
図8に示す画像読取装置で用いられる光源を第1回転位置で停止させた状態を示す図である。
【
図11】
図8に示す画像読取装置で用いられる光源を第2回転位置で停止させた状態を示す図である。
【
図12】
図8に示す画像読取装置を用いて画像読取対象から質感を有する画像情報を取得する流れを説明するためのフロートチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて本開示の一実施形態を説明する。
【0024】
図2には、本実施形態に係る画像形成装置10の機能構成を示すブロック図が示されている。画像形成装置10は、画像読取部12と、画像形成部14と、を備える。
なお、本実施形態の画像読取部12は、本開示における画像読取装置の一例である。
【0025】
画像読取部12は、画像読取対象から画像を読み取る機能を有する。具体的には、画像読取部12は、画像読取対象の表面特性を光学的に読み取り、その読取結果を表す画像情報を生成する。画像読取対象としては、紙や織物などの平面状の物体が挙げられる。なお、画像読取対象を三次元形状の物体としてもよい。本実施形態では、画像読取対象の一例として、表面に画像を有する原稿Mを用いている。
【0026】
画像形成部14は、画像読取部12で読み取った画像情報に基づいて用紙等の記録媒体Pに画像を形成する機能を有する。
【0027】
また、画像形成装置10は、制御部16と、記憶部18と、画像処理部20と、操作部22と、入出力部24とを更に備えている。
【0028】
制御部16は、画像形成装置10の各部の動作を制御する機能を有する。本実施形態の制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等がバスを介して相互に通信可能に接続されたコンピュータで構成されている。制御部16は、記憶部18に記憶された各種プログラムPRGを実行することによって画像形成装置10の各部の動作を制御する。
【0029】
記憶部18は、上述のプログラムPRG等を記憶する機能を有する。本実施形態の記憶部18は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置であり、上述のプログラムPRG等が記憶される。
なお、上述のプログラムPRGは、上述のROMに記憶されていてもよい
【0030】
画像処理部20は、画像読取部12が生成した画像信号に設定された画像処理を施して画像情報を生成し、画像形成部14に出力する機能を有する。この画像処理部20は、例えば、複数のASIC(Application Specific Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)等の画像処理回路や、画像データを一時的に記憶するイメージメモリ等を備えており、それぞれの画像処理回路によって各種の画像処理を実行する。
なお、画像処理部20は、必要に応じて、入出力部24や、操作部22に画像データを出力する場合もある。
【0031】
操作部22は、操作者による入力指示を制御部16へ送る機能を有する。本実施形態の操作部22は、一例として、タッチパネル式のディスプレイや各種のボタン等を備えており、画像処理部20によって出力される画像データに基づいて画像を表示したり、操作者による入力指示を制御部16へ送ったりする。
【0032】
入出力部24は、外部装置とデータをやりとりする機能を有する。すなわち、本実施形態の入出力部24は、インターフェース装置として機能する。
【0033】
(画像読取部12)
次に、画像読取部12について説明する。
図1及び
図3には、画像読取部12の装置構成が示されている。
【0034】
画像読取部12は、フルレートキャリッジ40と、ハーフレートキャリッジ42と、結像光学系44と、センサ46と、プラテンガラス48と、プラテンカバー50とを備える。なお、本実施形態のフルレートキャリッジ40は、本開示における筐体の一例である。
【0035】
フルレートキャリッジ40は、
図1及び
図3に示すように、後述する光源30と、ミラー32と、切替機構34と、を備える。フルレートキャリッジ40は、予め定めた速度で副走査方向に移動する機能を有する。具体的には、フルレートキャリッジ40は、光源30から原稿Mへ光を照射して画像を読み取る際に、予め定めた速度で副走査方向に移動する。
図1及び
図3では、副走査方向を矢印Cで示している。なお、以下では、フルレートキャリッジ40が副走査方向へ移動しながら原稿Mの読み取りを行う動作を「スキャン動作」という。
【0036】
ハーフレートキャリッジ42は、
図1に示すように、ミラー52及びミラー54を備えており、フルレートキャリッジ40からの光を結像光学系44へと導く機能を有する。また、ハーフレートキャリッジ42は、予め定めた速度で副走査方向に移動する機能を有する。具体的には、ハーフレートキャリッジ42は、フルレートキャリッジ40の光源30から原稿Mへ光を照射して画像を読み取る際に、フルレートキャリッジ40の半分の速度でフルレートキャリッジ40と同じ方向へと移動する。
【0037】
結像光学系44は、原稿Mからの反射光をセンサ46の位置で結像させる機能を有する。結像光学系44は、
図1に示すように、ミラー54とセンサ46とを結ぶ光路上に設けられている。結像光学系44は、ミラーや結像レンズ(一例として、fθレンズ)等で構成される。
【0038】
センサ46は、
図1に示すように、結像光学系44により結像された反射光を受け、受けた光に応じた画像信号を生成する機能を有する。具体的には、センサ46は、CCD(Charge Coupled Device)リニアイメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子で構成され、受光した光をその強弱を表す信号に変換する。また、センサ46は、カラーフィルタを備え、原稿Mの色を表す画像情報を生成する。センサ46は、反射光を受光して得られた画像情報を出力する。
【0039】
プラテンガラス48は、
図3に示すように、画像読取対象である原稿Mを支持する機能を有する。このプラテンガラス48は、透明で平坦なガラス板で構成されている。なお、プラテンガラス48は、ガラス板に限らず、例えばアクリル板などであってもよい。
【0040】
プラテンカバー50は、外光を遮断する機能を有する。具体的には、プラテンカバー50は、
図1に示すように、外光を遮断するようにプラテンガラス48を覆っている。
【0041】
画像読取部12は、フルレートキャリッジ40の内部に光源30と、ミラー32と、切替機構34と、を備える。なお、本実施形態におけるミラー32は、本開示における進行変更部材の一例である。
【0042】
光源30は、本実施形態に画像読取対象である原稿Mに対して光を照射する機能を有する。この光源30は、画像読取部12に一つだけ設置された光源である。言い換えると、画像読取部12は、単一の光源30を有する。
【0043】
光源30は、原稿Mの法線方向に対してフルレートキャリッジ40の移動方向前側から入射角θ2で原稿Mに光を照射する。この光源30は、原稿Mに対して入射角θ2で光を照射するように(換言すると、入射させるように)フルレートキャリッジ40に固定されている。なお、本実施形態では、一例として、光源30からの光の入射角θ2が45°に設定されているが、これに限定されない。
【0044】
光源30としては、例えば、蛍光ランプや希ガス蛍光ランプ(キセノン蛍光ランプ等)等の白色光を用いてもよいし、白色のLEDを主走査方向に複数配列し、拡散板などを用いて主走査方向の輝度分布を均一に近づけたものを用いてもよい。
【0045】
ミラー32は、
図3に示すように、光源30からの光の進行方向を変え、光源30から直接原稿Mに照射される光の入射角θ2とは異なる入射角θ1で原稿Mに光を照射する機能を有する。このミラー32は、原稿Mに照射された光の反射光の主光線を遮ることがない位置に設けられる。また、ミラー32は、光源30からの光を反射し、原稿Mに対して入射角θ1で光を照射するように(換言すると、入射させるように)フルレートキャリッジ40に固定されている。なお、本実施形態では、一例として、ミラー32で反射された光の入射角θ1が5°に設定されているが、これに限定されない。
【0046】
切替機構34は、光源30からの光の進行を、原稿Mに直接照射する光路OP1(
図4参照)、又はミラー32を介して原稿Mに照射する光路OP2(
図3参照)に切り替える機能を有する。本実施形態の切替機構34は、光源30から原稿Mに至る光路を遮る遮光部材を備え、複数の光路のうち一つの光路を残して他の光路を遮光部材で遮ることにより原稿Mに照射される光路を切り替える。具体的には、切替機構34は、光源30からの光を原稿Mに直接照射する光路OP1を遮る第1遮光部材36と、光源30からの光をミラー32を介して原稿Mに照射する光路OP2を遮る第2遮光部材38と、を備えている。
【0047】
第1遮光部材36は、
図3及び
図4に示すように、ミラー32の反射面上に配置されている。この第1遮光部材36は、光の透過率を調節する機能を有する調光部材である。本実施形態の第1遮光部材36は、電気のON/OFFにより、光源30からの光に対して透明/不透明を切り替えられる。第1遮光部材36のON/OFF制御は、制御部16によって行われる。なお、本実施形態では、一例として、第1遮光部材36がミラー32の反射面上に配置されているが、本開示はこれに限定されず、第1遮光部材36がミラー32から離隔していてもよい。すなわち、第1遮光部材36は、光源30からミラー32に至る光路上に配置されれば、その位置については特に限定さない。また、本実施形態の第1遮光部材36は、
図3及び
図4に示すように、膜状又は板状の部材であるが、光源30からの光を遮る機能を有すれば、形状については特に限定されない。
【0048】
第2遮光部材38は、
図3及び
図4に示すように、光源30から原稿Mに至る光路上に配置されている。この第2遮光部材38は、光の透過率を調節する機能を有する調光部材である。本実施形態の第2遮光部材38は、電気のON/OFFにより、光源30からの光に対して透明/不透明を切り替えられる。第2遮光部材38のON/OFF制御は、制御部16によって行われる。また、本実施形態の第2遮光部材38は、
図3及び
図4に示すように、膜状又は板状の部材であるが、光源30からの光を遮る機能を有すれば、形状については特に限定されない。
【0049】
また、フルレートキャリッジ40の内部には、ミラー39が備えられている。ミラー39は、原稿Mからの反射光をハーフレートキャリッジ42へ反射する。この反射光は、ミラー52及びミラー54を介して結像光学系44へ導かれる。
【0050】
なお、本実施形態において「ミラー」と称するものは、全反射ミラーのことを指す。
【0051】
本実施形態に画像読取部12は、原稿Mに対して光の入射角を異ならせて複数回画像情報を読み取る機能を有する。具体的には、画像読取部12は、光源30からの光をミラー32で反射させて原稿Mに入射させ、原稿Mからの反射光で読み取りを行うスキャン動作である第1スキャン動作と、光源30からの光を直接原稿Mに入射させ、原稿Mからの反射光で読み取りを行うスキャン動作である第2スキャン動作とを行う。第1スキャン動作で得られる反射光の反射成分は、主として原稿Mの質感を表している。一方、第2スキャン動作で得られる反射光の反射成分は、主として原稿Mの色を表している。なお、ここでいう質感には、原稿Mの光沢感や凹凸感が含まれる。
【0052】
本実施形態の画像読取部12は、第1スキャン動作と、第2スキャン動作の2回のスキャン動作を実行し、それぞれのスキャン動作で得た画像信号を合成して画像情報を生成する。このようにして得られた画像情報は、原稿Mの色と質感の双方を表現したものとなる。
【0053】
次に、画像読取部12を用いて原稿Mから質感を有する画像情報を取得する方法の一例について説明する。
図5には、画像読取部12を用いて原稿Mから質感を有する画像情報を取得するフロートチャートが示されている。なお、以下の説明において、画像読取部12を構成する各部の動作は制御部16により制御される。
【0054】
ステップS200では、光源30が点灯する。
【0055】
ステップS202では、切替機構34によって光源30からの光の光路が、光路OP1に切り替えられる。具体的には、第1遮光部材36によって光路OP1が開放され、第2遮光部材38によって光路OP2が遮光されて閉塞される。すなわち、第1遮光部材36が電気制御により透明となり光を透過し、第2遮光部材38が電気制御により不透明となり光の透過を阻止する。
【0056】
ステップS204では、光源30からの光が光路OP1を経て原稿Mに入射角θ1で入射され、その状態でフルレートキャリッジ40が副走査方向に移動して原稿Mがスキャンされる。なお、本ステップで実行されるスキャン動作は、上述の第1スキャン動作である。第1スキャン動作で得られた画像信号は、画像処理部20に送られる。そして、本ステップにおけるスキャンが完了すると、スッテプS206に移行する。
【0057】
ステップS206では、切替機構34によって光源30からの光の光路が、光路OP2に切り替えられる。具体的には、第1遮光部材36によって光路OP1が遮光されて閉塞され、第2遮光部材38によって光路OP2が開放される。すなわち、第2遮光部材38が電気制御により透明となり光を透過し、第1遮光部材36が電気制御により不透明となり光の透過を阻止する。
【0058】
ステップS208では、光源30からの光が光路OP2を経て原稿Mに入射角θ2で入射され、その状態でフルレートキャリッジ40が副走査方向に移動して原稿Mがスキャンされる。なお、本ステップで実行されるスキャン動作は、上述の第2スキャン動作である。第2スキャン動作で得られた画像信号は、画像処理部20に送られる。そして、本ステップにおけるスキャンが完了すると、スッテプS210に移行する。
【0059】
ステップS210では、光源30を消灯する。
【0060】
ステップS212では、第1スキャン動作で得られた画像信号と、第2スキャン動作で得られた画像信号と、を合成して質感のある画像情報を生成する。
【0061】
このようにして本実施形態では、原稿Mから質感を有する画像情報を取得することができる。ここで、第1スキャン動作で得られる画像信号は、原稿Mの質感を検知するための画像信号である。また、第2スキャン動作で得られる画像信号は、原稿Mの色情報を検知するための画像信号である。これらのことから、第1の画像信号及び第2の画像信号を合成して得られた画像情報は、原稿Mの色と、原稿Mの質感とを表現し得る画像情報となる。これにより、原稿Mから色と質感をより正確に読み取ることができる。
【0062】
なお、上述の画像読取部12による原稿Mの読み取りでは、第1スキャン動作のあとに第2スキャン動作を実行しているが、本開示はこれに限定されず、第2スキャン動作のあとに第1スキャン動作を実行してもよい。この場合でも質感のある画像情報を生成することができる。
【0063】
(画像形成部14)
次に、画像形成部14について説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像形成部14は、画像形成ユニット60A、60B、60C、60Dと、中間転写ベルト62と、一次転写ロール64A、64B、64C、64Dと、二次転写ロール66と、バックアップロール68と、給紙部70と、定着部72とを備えている。
【0064】
中間転写ベルト62は、図中の矢印B方向に周回される無端のベルト部材である。
【0065】
一次転写ロール64A、64B、64C、64Dは、中間転写ベルト62を介して、画像形成ユニット60A、60B、60C、60Dの感光体ドラムの側に付勢されている。これら感光体ドラムには、トナー像(すなわち現像剤像)が形成され、そのトナー像は中間転写ベルト62に転写される。
【0066】
二次転写ロール66及びバックアップロール68は、中間転写ベルト62が用紙等の記録媒体Pと対向する位置において相互に付勢されており、中間転写ベルト62から記録媒体Pにトナー像を転写させる。
【0067】
給紙部70は、種々の記録媒体Pを収容した用紙トレイ70A及び70Bを備え、画像形成時にこの記録媒体Pを供給する。
【0068】
定着部72は、記録媒体Pを加熱及び加圧するためのロール部材を備えており、記録媒体P表面に転写されたトナー像を熱と圧力とで定着させる。
【0069】
このようにして、画像形成部14は、各色トナーを用いて記録媒体Pに画像を形成する。
【0070】
次に本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の画像読取部12では、切替機構34を用いることで、単一の光源30からの光の進行を、原稿Mに直接照射する光路OP2又はミラー32を介して照射する光路OP1に切り替えられる。このため、本実施形態の画像読取部12では、複数の光源を備えていなくても、質感を有する画像情報を得ることができる。すなわち、画像読取部12によれば、原稿Mに対して複数の光源から異なる角度で光を入射させる構成と比して、単一の光源でも原稿Mに対する入射角を切り替えられる(光路を切り替えられる)ため、装置のコストを低減することができる。
【0071】
また、本実施形態の画像読取部12では、光源30を単一にしている。このため、例えば、複数の光源を備える構成と比して、各光源の色度のバラつきによる影響を考慮する必要がなく、画像処理を簡素化できる。
【0072】
本実施形態の画像読取部12では、切替機構34が備える第1遮光部材36と第2遮光部材38によって光源30から原稿Mまでの光路OP1とOP2が切り替えられる。このように画像読取部12では、フルレートキャリッジ40内で光源30が主走査方向と交差する方向に移動する構成と比して、原稿Mに対する光の入射角のバラつきを抑制できる。
【0073】
また、本実施形態の画像読取部12では、光源30及びミラー32がフルレートキャリッジ40に固定されている。このため、画像読取部12では、フルレートキャリッジ40内で光源30が主走査方向と交差する方向に移動する構成と比して、原稿Mに対する光の入射角のバラつきをさらに効果的に抑制できる。
【0074】
本実施形態の画像読取部12では、原稿Mに対して光の入射角を異ならせて複数回スキャン動作を実行して画像信号を得ることから、例えば、単一の入射角で複数回スキャン動作を実行して画像信号を得る構成と比して、原稿Mの質感を読み取ることができる。
【0075】
本実施形態の画像形成装置10では、画像読取部12によって原稿Mから質感を有する画像が読み取られる。そして、画像形成部14によって、読み取った質感を有する画像情報に基づいて記録媒体に画像が形成される。このように画像形成装置10によれば、記録媒体Pに質感のある画像が形成される。
【0076】
(その他の実施形態)
前述の実施形態の画像読取部12では、第1スキャン動作と第2スキャン動作の2回のスキャン動作を実行しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、光源30からの光を反射し、原稿Mに対して入射角θ1、θ2と異なる入射角で光を照射するミラーをフルレートキャリッジ40に設け、このミラーから原稿Mへ照射した光の反射光をもとに第3スキャン動作を実行してもよい。このように、複数の入射角で複数回のスキャン動作を実行することで、より質感のある画像情報を得ることができる。
【0077】
(画像読取部82)
前述の実施形態の画像読取部12では、切替機構34によって光路OP1と光路OP2を切り替えているが、本開示これに限定されない。例えば、
図6に示す画像読取部82のように、切替機構84によって光路OP1と光路OP2を切り替えてもよい。この切替機構84は、第1遮光部材86と第2遮光部材88を備える。なお、第1遮光部材86及び第2遮光部材88はそれぞれ光を通さない部材(不透明部材)である。第1遮光部材86は、光路OP1を遮光する遮光位置と、この遮光位置から退避した退避位置にスライド移動可能とされている。また、第2遮光部材88は、光路OP2を遮光する遮光位置と、この遮光位置から退避した退避位置にスライド移動可能とされている。なお、第1遮光部材86のスライド移動及び第2遮光部材88のスライド移動は、各々に設けられた駆動部(図示省略)からの駆動力によって行われる。切替機構84の動作は、制御部16によって制御される。上記のように、第1遮光部材86及び第2遮光部材88をスライド移動させる構成とすることで、光源30から原稿Mに直接向かう光の角度(幅)を調節することができる。また、光源30からミラー32を介して原稿Mに向かう光の角度(幅)を調節することができる。
【0078】
(画像読取部92)
また、
図7に示す画像読取部92のように、切替機構94によって光路OP1と光路OP2を切り替えてもよい。この切替機構94は、第1遮光部材96と第2遮光部材98を備える。なお、第1遮光部材96及び第2遮光部材98はそれぞれ光を通さない部材(不透明部材)である。第1遮光部材96は、光路OP1を遮光する遮光位置と、この遮光位置から退避した退避位置に回転移動可能とされている。また、第2遮光部材98は、光路OP2を遮光する遮光位置と、この遮光位置から退避した退避位置に回転移動可能とされている。なお、第1遮光部材96の回転移動及び第2遮光部材98の回転移動は、各々に設けられた駆動部(図示省略)からの駆動力によって行われる。切替機構94の動作は、制御部16によって制御される。上記のように、第1遮光部材96及び第2遮光部材98を回転移動させる構成とすることで、光源30から原稿Mに直接向かう光の角度(幅)を調節することができる。また、光源30からミラー32を介して原稿Mに向かう光の角度(幅)を調節することができる。
【0079】
(画像読取部102)
前述の実施形態の画像読取部12では、フルレートキャリッジ40内で光源30が固定され、第1遮光部材36と第2遮光部材38を備える切替機構34によって光路OP1と光路OP2が切り替えられるが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、
図8及び
図9に示す画像読取部102のように、切替機構104によって光路OP1と光路OP2を切り替えてもよい。
【0080】
具体的に説明すると、画像読取部102は、フルレートキャリッジ40の内部に光源30、ミラー32、ミラー106、ミラー39を備える。なお、ミラー32及びミラー106は、本開示における進行変更部材の一例である。光源30は、切替機構104によって副走査方向を軸方向として回転可能とされている。この光源30が
図8に示すように第1回転位置にあるときは、光源30からの光がミラー106からミラー32を介して原稿Mへ照射される。ここで、光源30が第1回転位置にあるときは、原稿Mに対して光が入射角θ1で入射される。一方、光源30が
図9に示すように第2回転位置にあるときは、光源30からの光が入射角θ2で原稿Mに照射される。
【0081】
切替機構104は、光源30からの光の進行を、原稿Mに直接照射する光路OP2(
図9参照)、又はミラー106とミラー32を介して原稿Mに照射する光路OP1(
図8参照)に切り替える機能を有する。本実施形態の切替機構104は、副走査方向を軸方向として光源30を回転させる回転駆動部108を備え、回転駆動部108の駆動により光源30からの光の照射方向を変えることで光源30からの光の進行を光路OP1又は光路OP2に切り替える。なお、回転駆動部108としては、例えば、電動モータが用いられる。
【0082】
また、切替機構104は、光源30に設けられた接触部110と、フルレートキャリッジ40に設けられ、回転する光源30が接触する被接触部112と、を備えている。光源30が回転すると、光源30の接触部110がフルレートキャリッジ40の被接触部112に接触することにより、光源30の回転が止められる。これにより、光源30からの光の照射方向が固定される。具体的には、
図10及び
図11に示されるように、光源30には回転軸114が設けられており、接触部110は回転軸114の端部外周から突出した突起であり、回転軸114の周方向に間隔をあけて2ヵ所に設けられている。光源30の回転により一方の接触部110がフルレートキャリッジ40に設けられた被接触部112に接して、光源30が第1回転位置で停止する(
図10参照)。一方、光源30が第1回転位置から逆向きに回転(
図11では時計回りに回転)すると、他方の接触部110がフルレートキャリッジ40に設けられた被接触部112に接して、光源30が第2回転位置で停止する。
【0083】
ミラー32、ミラー106及びミラー39は、フルレートキャリッジ40に固定されている。
【0084】
次に、画像読取部102を用いて原稿Mから質感を有する画像情報を取得する方法の一例について説明する。
図12には、画像読取部102を用いて原稿Mから質感を有する画像情報を取得するフロートチャートが示されている。なお、以下の説明において、画像読取部102を構成する各部の動作は制御部16により制御される。
【0085】
ステップS300では、光源30が点灯する。
【0086】
ステップS302では、切替機構104によって光源30からの光の光路が、光路OP1に切り替えられる。具体的には、光源30が第1回転位置に向けて回転し、第1回転位置で停止する。
【0087】
ステップS304では、光源30からの光が光路OP1を経て原稿Mに入射角θ1で入射され、その状態でフルレートキャリッジ40が副走査方向に移動して原稿Mがスキャンされる。なお、本ステップで実行されるスキャン動作は、第1スキャン動作である。第1スキャン動作で得られた画像信号は、画像処理部20に送られる。そして、本ステップにおけるスキャンが完了すると、スッテプS306に移行する。
【0088】
ステップS306では、切替機構104によって光源30からの光の光路が、光路OP2に切り替えられる。具体的には、光源30が第2回転位置に向けて回転し、第2回転位置で停止する。
【0089】
ステップS308では、光源30からの光が光路OP2を経て原稿Mに入射角θ2で入射され、その状態でフルレートキャリッジ40が副走査方向に移動して原稿Mがスキャンされる。なお、本ステップで実行されるスキャン動作は、第2スキャン動作である。第2スキャン動作で得られた画像信号は、画像処理部20に送られる。そして、本ステップにおけるスキャンが完了すると、スッテプS310に移行する。
【0090】
ステップS310では、光源30を消灯する。
【0091】
ステップS312では、第1スキャン動作で得られた画像信号と、第2スキャン動作で得られた画像信号と、を合成して質感のある画像情報を生成する。
【0092】
このようにして画像読取部102では、画像読取部12と同様に、原稿Mから質感を有する画像情報を取得することができる。
【0093】
画像読取部102では、切替機構104によってフルレートキャリッジ40に対して光源30を回転させるが、接触部110を被接触部112に接触させて光源30を所定の回転位置で停止させる構成のため、光源30がフルレートキャリッジ40に対して主走査方向と交差する方向に移動する構成と比して、原稿Mに対する光の入射角のバラつきを抑制できる。さらに画像読取部102では、画像読取部12と同様に、装置のコストを低減することができる。
【0094】
前述の実施形態の画像読取部は、進行変更部材の一例としてミラー(全反射ミラー)を用いているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、進行変更部材の一例として、プリズムミラーを用いてもよい。プリズムミラーの各表面をミラー層、ハーフミラー層及び反射防止層とし、プリズムミラーを切替機構で回転させることにより、原稿Mに対する光の光路を切り替えてもよい。
【0095】
前述の実施形態の画像形成部14は、4つの画像形成ユニットを備えたタンデム方式であるが、本開示はこれに限定されない。画像形成部14は、ロータリー方式の画像形成部でもよい。また、中間転写ベルトに代えて用紙搬送ベルトを備え、中間転写体(中間転写ベルト)への転写を行わずに感光体ドラムから記録媒体Pに直接転写を行う構成でもよい。
【0096】
前述の実施形態では、画像形成装置10の上部に画像読取部12が設けられているが、本開示はこれに限定されない。画像読取部12と、制御部16と、記憶部18と、画像処理部20とで画像読取装置を形成してもよい。
【0097】
また、前述の実施形態では、プラテンガラス48上に載せられた原稿Mに対してフルレートキャリッジ40が副走査方向に移動して光を照射する構成としているが、本開示はこれに限定されない。例えば、フルレートキャリッジ40に対して原稿Mが副走査方向に移動して光が照射される構成としてもよい。
【0098】
また、前述の実施形態では、プラテンガラス48上に載せられた原稿Mの下面に対して光を照射する構成としているが、本開示はこの構成に限定さない。例えば、台上に載せられた原稿Mに対して、原稿Mの上方で副走査方向に移動するフルレートキャリッジ40から原稿Mの上面に向けて光を照射する構成としてもよい。
【0099】
本開示は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0100】
10 画像形成装置
12 画像読取部(画像読取装置の一例)
14 画像形成部
30 光源
32 ミラー(進行変更部材の一例)
34 切替機構
36 第1遮光部材(遮光部材の一例)
38 第2遮光部材(遮光部材の一例)
40 フルレートキャリッジ(筐体の一例)
82 画像読取部(画像読取装置の一例)
84 切替機構
86 第1遮光部材(遮光部材の一例)
88 第2遮光部材(遮光部材の一例)
92 画像読取部(画像読取装置の一例)
94 切替機構
96 第1遮光部材(遮光部材の一例)
98 第2遮光部材(遮光部材の一例)
102 画像読取部(画像読取装置の一例)
104 切替機構
106 ミラー(進行変更部材の一例)
108 回転駆動部
110 接触部
112 被接触部
θ1 入射角
θ2 入射角
C 副走査方向
M 原稿(画像読取対象の一例)
OP1 光路
OP2 光路
P 記録媒体