IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 芦森工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141259
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】動作支援器具
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/50 20060101AFI20230928BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A61F2/50
B25J11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047481
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】山路 直樹
【テーマコード(参考)】
3C707
4C097
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707CY36
3C707MT03
3C707XK06
3C707XK15
3C707XK16
3C707XK33
3C707XK42
4C097AA01
4C097AA02
4C097AA10
4C097AA11
4C097BB02
4C097CC01
4C097CC09
4C097CC12
4C097CC18
4C097TA10
4C097TB03
4C097TB08
(57)【要約】
【課題】腰への負担が小さく、且つ比較的軽量で簡易な構造であり、しかもコンパクトに収納することができる人体の動作を支援する。
【解決手段】動作支援器具(101)は、筒状バッグ(1)、脚部パッド(2、3)、胸部パッド(4)、筒状バッグ(1)と脚部パッド(2、3)とを連結する下部ロッド(8)、および筒状バッグ(1)と胸部パッド(4)とを連結する上部ロッド(9)とを備える。人体(P)の前屈動作またはしゃがみ動作により、下部ロッド(8)の上端部および上部ロッド(9)の下端部によって筒状バッグ(1)の容積が小さくなるように筒状バッグ(1)が変形するとともに、上部ロッド(9)およびサイドベルト(21)によって筒状バッグ(1)の端部が曲がるように変形する。これらの変形により生じる反力によって人体(P)を起こす動作や、前傾、中腰の姿勢維持が補助される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の腹部に配置される気密性を有する筒状バッグと、
人体の左右の大腿部のそれぞれの前側に配置される脚部パッドと、
人体の上半身の前側であって且つ前記筒状バッグよりも上方に配置される胸部パッドと、
前記筒状バッグと前記脚部パッドとを連結する下部ロッドであって、人体が直立状態のときに前記大腿部に沿って上下方向に延びる下部ロッドと、
前記筒状バッグと前記胸部パッドとを連結する上部ロッドであって、人体が直立状態のときに前記腹部に沿って上下方向に延びる上部ロッドと、
前記筒状バッグを人体の腹部に配置するための腰部ベルトであって、前記筒状バッグの端部同士を接続し且つ人体の少なくとも背部に配置される腰部ベルトと、
人体の両側部のそれぞれに配置されるサイドベルトであって、一端部が前記上部ロッドの上端部に接続され、他端部が前記筒状バッグに接続されるサイドベルトと、
を備え、
前記筒状バッグにおいて人体の左側に配置される部分および右側に配置される部分のそれぞれに、前記腰部ベルトおよび前記サイドベルトが接続され、
前記サイドベルトの接続位置が、前記腰部ベルトの接続位置より、前記筒状バッグの人体の側部に配置される端部または人体の側部に近い位置に配置される端部に近い
動作支援器具。
【請求項2】
請求項1に記載の動作支援器具において、
前記筒状バッグの人体の左側に配置される部分および右側に配置される部分のそれぞれにおいて、
前記腰部ベルトの接続位置が、前記下部ロッドの固定位置および前記上部ロッドの固定位置より、前記筒状バッグの人体の側部に配置される端部または人体の側部に近い位置に配置される端部に近い
動作支援器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の動作支援器具において、
前記上部ロッドの上端部に接続された手持ちベルトをさらに備える、
動作支援器具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の動作支援器具において、
前記筒状バッグに、前記胸部パッドに向かって開口した第1上部袋体が設けられ、
前記胸部パッドに、前記筒状バッグに向かって開口した第2上部袋体が設けられ、
前記第1上部袋体と前記第2上部袋体とを連結し且つ長さ調整可能な上部連結体と、
をさらに備え、
前記第1上部袋体に前記上部ロッドの一端部が収容され、前記第2上部袋体に前記上部ロッドの他端部が収容される
動作支援器具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の動作支援器具において、
前記筒状バッグに、前記脚部パッドに向かって開口した第1下部袋体が設けられ、
前記脚部パッドに、前記筒状バッグに向かって開口した第2下部袋体が設けられ、
前記第1上部袋体と前記第2上部袋体とを連結し且つ長さ調整可能な下部連結体と、
をさらに備え、
前記第1下部袋体に前記下部ロッドの一端部が収容され、前記第2下部袋体に前記下部ロッドの他端部が収容される
動作支援器具。
【請求項6】
請求項1~5に記載の動作支援器具において、
前記筒状バッグは、
前記腹部のうちの右側腹部に配置される第1筒状バッグと、
前記腹部のうちの左側腹部に配置される第2筒状バッグと、
を有し、
前記胸部パッドは、
前記人体の上半身の前側のうちの右前側に配置される第1胸部パッドと、
前記人体の上半身の前側のうちの左前側に配置される第2胸部パッドと、
を有し、
前記人体の上半身の前側に配置され且つ前記第1筒状バッグと前記第2筒状バッグとを連結可能なバッグ連結ベルトと、
前記人体の上半身の前側に配置され且つ前記第1胸部パッドと前記第2胸部パッドとを連結可能なパッド連結ベルトと、
をさらに備える
動作支援器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の動作を支援する動作支援器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。その技術は、次のように構成されている。
【0003】
特許文献1には、アクチュエータを用いて人体の動作を支援する動作支援装置が記載されている。この動作支援装置は、背中装着部、大腿抑え部、および股下構造体を備えている。背中装着部は、肩ベルトにより利用者の肩で支持された状態で背中に装着されるものであってフレーム状部材とされている。また、大腿抑え部は、利用者の両大腿部の前方側にそれぞれ配置されるものであって大腿部の前方側を抑える部材である。大腿抑え部の一端側には背中装着部の腰サポート部の両端部に回動可能に連結される第1連結部が設けられる。第1連結部は、ギア、プーリー、回転軸、円盤部材など様々な構成の組み合わせを採用し得るとのことである。
【0004】
上記腰サポート部の両端部にアクチュエータが内蔵されており、当該アクチュエータで第1連結部を駆動することにより、背中装着部に対して大腿抑え部が回動するようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-208795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の動作支援装置には、次のような問題がある。
【0007】
前記のとおり、特許文献1に記載の動作支援装置の背中装着部は、肩ベルトにより利用者の肩で支持された状態で背中に装着されるものである。そのため、利用者が前屈したとき、またはしゃがんだときに肩にテンションがかかる。肩にテンションがかかると、腰椎に圧縮力が作用する。前屈・しゃがみこみ動作を深く行うと、肩に大きなテンションがかかって腰椎への圧縮力が増し利用者の腰に負担がかかることがある。
【0008】
また、動作支援装置を構成する前記の第1連結部は、高荷重に耐える構造が必要となり、複雑な構造になるとともに、重量が重くなってしまう。
【0009】
さらには、特許文献1に記載のような機械式のものは大型であり、使用しないときにコンパクトに収納することができないという問題もある。そのため、広いスペースを保管時に確保しなければならない。
【0010】
上記問題を解決するため、本出願人は、動作支援器具に係る発明について出願しているが(特願2020-154287)、さらなる改善の余地がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、腰への負担が小さく、且つ比較的軽量で簡易な構造であり、しかもコンパクトに収納することができる人体の動作を支援するための動作支援器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書で開示される動作支援器具は、人体の腹部に配置される気密性を有する筒状バッグと、人体の左右の大腿部のそれぞれの前側に配置される脚部パッドと、人体の上半身の前側であって且つ前記筒状バッグよりも上方に配置される胸部パッドと、前記筒状バッグと前記脚部パッドとを連結する下部ロッドであって、人体が直立状態のときに前記大腿部に沿って上下方向に延びる下部ロッドと、前記筒状バッグと前記胸部パッドとを連結する上部ロッドであって、人体が直立状態のときに前記腹部に沿って上下方向に延びる上部ロッドと、前記筒状バッグを人体の腹部に配置するための腰部ベルトであって、前記筒状バッグの端部同士を接続し且つ人体の少なくとも背部に配置される腰部ベルトと、人体の両側部のそれぞれに配置されるサイドベルトであって、一端部が前記上部ロッドの上端部に接続され、他端部が前記筒状バッグに接続されるサイドベルトと、を備え、前記筒状バッグにおいて人体の左側に配置される部分および右側に配置される部分のそれぞれに前記腰部ベルトおよび前記サイドベルトが接続され、前記サイドベルトの接続位置が、前記腰部ベルトの接続位置より、前記筒状バッグの人体の側部に配置される端部または人体の側部に近い位置に配置される端部に近い。
【0013】
上記動作支援器具は、次のような作用効果を奏するものである。
【0014】
人体の前屈動作またはしゃがみ動作により、前記下部ロッドの上端部および前記上部ロッドの下端部によって前記筒状バッグの容積が小さくなるように前記筒状バッグが変形するとともに、上部ロッドおよびサイドベルトによって筒状バッグが腰部ベルトとの接続位置を屈曲点として曲がる。これらの変形により生じる反力によって人体を起こす動作や前傾、中腰姿勢の維持が補助される。
【0015】
上記動作支援器具は、特許文献1に記載の動作支援装置のような肩にテンションがかかるものではないため、腰への負担が小さい。また、人体に作用するアシスト力は、容積が小さくなるように筒状バッグが変形したときの変形により生じる反力によるものである。すなわち、本発明において人体に作用するアシスト力は筒状バッグが担う。筒状バッグは、比較的軽量で且つ簡易な構造である。また、本発明を構成する上記筒状バッグ、ロッド(上部ロッドおよび下部ロッド)などは、保管時に場所をとるものではない。そのため、使用しないときに動作支援器具を保管場所にコンパクトに収納することができる。
【0016】
上記動作支援器具において、前記筒状バッグの人体の左側に配置される部分および右側に配置される部分のそれぞれにおいて、前記腰部ベルトの接続位置が、前記下部ロッドの固定位置および前記上部ロッドの固定位置より、前記筒状バッグの人体の側部に配置される端部または人体の側部に近い位置に配置される端部に近いことが好ましい。
【0017】
上記構成によると、上部ロッドおよびサイドベルトによって筒状バッグが曲がる部分に上部ロッドおよび下部ロッドが固定されていない。そのため筒状バッグが曲がりやすい。また、筒状バッグにおいて上記曲がる部分以外の部分に、上部ロッドおよび下部ロッドが固定されている。そのため上部ロッドの下端部および下部ロッドの上端部によって筒状バッグの容積が小さくなるように筒状バッグが変形しやすい。これらの変形により反力が生じやすくなるため、人体を起こす動作や前傾、中腰姿勢の維持の補助力が向上する。
【0018】
上記動作支援器具において、前記上部ロッドの上端部に接続された手持ちベルトをさらに備えることが好ましい。
【0019】
上記構成によると、手持ちベルトを荷物にかけ、使用者が荷物を持ち上げながら立ち上がると、荷物により手持ちベルトが引っ張られ、上部ロッドが前方へさらに傾く。これにより、上部ロッドの下端部によって筒状バッグの容積がさらに小さくなるように筒状バッグが変形するとともに、サイドベルトがさらに傾くことにより筒状バッグがさらに曲がる。これらの筒状バッグの変形により生じる反力によって、人体を起こす動作や前傾、中腰姿勢の維持が補助されつつ、荷物を持ち上げる動作が補助される。
【0020】
上記動作支援器具において、前記筒状バッグに、前記胸部パッドに向かって開口した第1上部袋体が設けられ、前記胸部パッドに、前記筒状バッグに向かって開口した第2上部袋体が設けられ、前記第1上部袋体と前記第2上部袋体とを連結し且つ長さ調整可能な上部連結体と、をさらに備え、前記第1上部袋体に前記上部ロッドの一端部が収容され、前記第2上部袋体に前記上部ロッドの他端部が収容されることが好ましい。
【0021】
上記構成によると、筒状バッグに設けられた第1上部袋体に上部ロッドの一端部を収容し、胸部パッドに設けられた第2上部袋体に上部ロッドの他端部を収容することにより、上部ロッドを簡易に取り付けられる。また、上部ロッドを長さが異なる別の上部ロッドに取り換え、その上部ロッドの長さにあわせて上部連結体の長さを調整することにより、動作支援器具のサイズを簡易に変更できる。これにより、適用できる使用者の体格の範囲が広い動作支援器具を提供することができる。
【0022】
上記動作支援器具において、前記筒状バッグに、前記脚部パッドに向かって開口した第1下部袋体が設けられ、前記脚部パッドに、前記筒状バッグに向かって開口した第2下部袋体が設けられ、前記第1上部袋体と前記第2上部袋体とを連結し且つ長さ調整可能な下部連結体と、をさらに備え、前記第1下部袋体に前記下部ロッドの一端部が収容され、前記第2下部袋体に前記下部ロッドの他端部が収容されることが好ましい。
【0023】
上記構成によると、筒状バッグに設けられた第1下部袋体に下部ロッドの一端部を収容し、脚部パッドに設けられた第2下部袋体に下部ロッドの他端部を収容することにより、下部ロッドを簡易に取り付けられる。また、下部ロッドを長さが異なる別の下部ロッドに取り換え、その下部ロッドの長さにあわせて下部連結体の長さを調整することにより、動作支援器具のサイズを簡易に変更できる。これにより、適用できる使用者の体格の範囲が広くなる動作支援器具を提供することができる。
【0024】
上記動作支援器具において、前記筒状バッグは、前記腹部のうちの右側腹部に配置される第1筒状バッグと、前記腹部のうちの左側腹部に配置される第2筒状バッグと、を有し、前記胸部パッドは、前記人体の上半身の前側のうちの右前側に配置される第1胸部パッドと、前記人体の上半身の前側のうちの左前側に配置される第2胸部パッドと、を有し、前記人体の上半身の前側に配置され且つ前記第1筒状バッグと前記第2筒状バッグとを連結可能なバッグ連結ベルトと、前記人体の上半身の前側に配置され且つ前記第1胸部パッドと前記第2胸部パッドとを連結可能なパッド連結ベルトと、をさらに備えることが好ましい。
【0025】
上記構成は、いわゆる前開きの構成である。具体的には、人体の前側で、第1筒状バッグと第2筒状バッグとの連結およびパッド連結ベルトによる第1胸部パッドと第2胸部パッドとの連結を行うことにより、動作支援器具を容易に装着できる。動作支援器具が人体の前側で、第1筒状バッグと第2筒状バッグとの連結の解除およびパッド連結ベルトによる第1胸部パッドと第2胸部パッドとの連結の解除を行うことにより、動作支援器具を容易に脱ぐことができる。動作支援器具が前開きの構成であるため、使用者が動作支援器具を装着しやすいとともに、動作支援器具を脱ぎやすい。
【発明の効果】
【0026】
腰への負担が小さく、且つ比較的軽量で簡易な構造であり、しかもコンパクトに収納することができる人体の動作を支援するための動作支援器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態に係る動作支援器具を装着した利用者の直立状態のときの正面図である(上肢の図示は省略)。
図2図1に示す動作支援器具を装着した利用者の側面図である。
図3】上部ロッド、下部ロッド、腰部ベルト及びサイドベルトが取り付けられた第2筒状バッグを模式的に示した斜視図である。
図4】第2筒状バッグにおける人体Pの下腹部と接する側の面と反対側の面の正面図である。
図5】第2筒状バッグにおける人体Pの下腹部と接する側の面の正面図である。
図6図1および図2に示す直立状態から利用者が前屈しながらしゃがんでいく途中の状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図7図6に示す状態から利用者がさらにしゃがんでいく途中の状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図8】人体(利用者)の前屈動作またはしゃがみ動作により変形した図3に示す第2筒状バッグの斜視図である。
図9】利用者がしゃがんだ状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図10】第2実施形態に係る動作支援器具を装着した利用者の直立状態のときの側面図である。
図11図10に示す直立状態から利用者が前屈したときの状態を示す側面図である。
図12図11に示す前屈状態から利用者がしゃがんだときの状態を示す側面図である。
図13図12に示すしゃがんだ状態から利用者が起き上がる途中の状態を示す側面図である。
図14図13に示す状態から利用者がさらに起き上がった状態を示す側面図である。
図15図14に示す状態から利用者がさらに起き上がった状態を示す側面図である。
図16】形態1に係る動作支援器具を装着した利用者の直立状態のときの正面図である(上肢の図示は省略)。
図17図16に示す動作支援器具を装着した利用者の側面図である。
図18】上部ロッドおよび下部ロッドが取り付けられた第1筒状バッグを模式的に示した斜視図である。
図19】人体(利用者)の前屈動作またはしゃがみ動作により変形した図18に示す第1筒状バッグの斜視図である。
図20図16および図17に示す直立状態から利用者がしゃがんだときの状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図21図16および図17に示す直立状態から利用者が前屈したときの状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図22】上部ロッドおよび下部ロッドが取り付けられた第1筒状バッグの第1変形例を示す斜視図である。
図23】上部ロッドおよび下部ロッドが取り付けられた第1筒状バッグの第2変形例を示す斜視図である。
図24】形態2に係る動作支援器具を装着した利用者の直立状態のときの側面図である(上肢の図示は省略)。
図25図24に示す直立状態から利用者が少し前屈したときの状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図26図25に示す状態から利用者が膝を少し曲げたときの状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
図27図26に示す状態から利用者がさらに膝を曲げてしゃがんだときの状態を示す側面図である(上肢の図示は省略)。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
ここでは、第1実施形態に係る動作支援器具101の構成について、図1図9を参照しつつ説明する。なお、図1図2図6図7および図9において上肢の図示は省略されている。
【0029】
人体Pの動作を支援する動作支援器具101は、図1に示すように、人体P(利用者)の腹部(下腹部)に配置される気密性を有する筒状バッグ1と、人体Pの左右の大腿部のそれぞれの前側に配置される1組の脚部パッド2および脚部パッド3と、人体Pの上半身の前側であって且つ筒状バッグ1よりも上方に配置される胸部パッド4とを備えている。筒状バッグ1は、腰部ベルト7にて人体Pの腹部(下腹部)に配置される(図2参照)。人体P(利用者)の両側部には、サイドベルト21が配置される(図1および図2参照)。
【0030】
筒状バッグ1は、例えば、袋体の内部にガスが封入されたものであり、袋体が密封されていることが好ましい。筒状バッグ1は、その容積が小さくなるように押されたりすることで変形し、変形によってアシスト力としての反力が生じるものとされる。そのため、筒状バッグ1は、変形したときに内部に封入されたガス(例えば空気)が外部に漏れ出ないもの、すなわち、気密性を有するものとされる。具体的には、筒状バッグ1の袋体として、例えば、コーティング被膜付きの基布を接続加工したもの、繊維補強ホースなどガス封入で内圧を確保できるものが用いられる。
【0031】
本実施形態の筒状バッグ1は、図1に示すように、人体Pの腹部のうちの右側腹部(右側下腹部)に配置される細長状の第1筒状バッグ5と、左側腹部(左側下腹部)に配置される細長状の第2筒状バッグ6とを有する。第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6とは、人体Pの側部および後ろ側に配置される腰部ベルト7によって接続されているとともに(図2参照)、人体Pの前側でバッグ連結ベルト30によって連結される(図1参照)。
【0032】
第1筒状バッグ5は、人体Pが直立状態のとき、人体Pの右側股関節の少し上方に位置する。第1筒状バッグ5は人体Pの腹部(下腹部)中央付近から右側腹部(右側下腹部)にかけて配置される。第2筒状バッグ6は、人体Pの左側股関節の少し上方に位置する。人体Pの腹部(下腹部)中央付近から左側腹部(左側下腹部)にかけて配置される。人体Pの腹部(下腹部)中央付近に配置された第1筒状バッグ5の一端部と第2筒状バッグ6の一端部とは、バッグ連結ベルト30によって連結されている。人体Pの右側腹部(右側下腹部)に配置された第1筒状バッグ5の他端部と人体Pの左側腹部(左側下腹部)に配置された第2筒状バッグ6の他端部とは、腰部ベルト7によって接続されている(図2参照)。
【0033】
バッグ連結ベルト30は、人体Pの前側に配置される。バッグ連結ベルト30は、第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6との連結および連結の解除を可能な構成である。また、バッグ連結ベルト30はベルト長さを調整可能な構成である。バッグ連結ベルト30が人体Pの前側に配置されている場合、人体Pの前側で、第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6との連結および連結の解除が可能であり且つベルト長さを調整可能である。ここでは、一例として、バッグ連結ベルト30がバックル31を備えるケースを示している。バックル31により、第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6との連結および連結の解除が可能であるとともに、バッグ連結ベルト30の長さを調整可能である。
【0034】
脚部パッド2および脚部パッド3は、例えば、布で形成される。脚部パッド2と第1筒状バッグ5とは、下部ロッド8で連結される。同様に、脚部パッド3と第2筒状バッグ6とは、下部ロッド8で連結される。これら下部ロッド8は、人体Pが直立状態のときに大腿部に沿って上下方向に延びる。本実施形態では、下部ロッド8は、左右の大腿部のうちの片側あたり2本、間隔をあけて設けられている。2本の下部ロッド8は、脚部パッド2(脚部パッド3)の両端部にそれぞれの下端部が固定される。下部ロッド8は、例えば、FRP製の中空の棒部材である。左右の大腿部のうちの片側あたりの下部ロッド8の本数は限定されないが、例えば、図1に示すように、左右の大腿部のうちの片側あたり2本、下部ロッド8を設けることで、大腿部を押さえる脚部パッド2、3の動きを安定させることができる。
【0035】
胸部パッド4は、人体Pの胸部のうちの右側胸部に配置される第1胸部パッド41と、左側胸部に配置される第2胸部パッド42とを有する。第1胸部パッド41および第2胸部パッド42は、例えば、布で形成される。第1胸部パッド41と第2胸部パッド42とは、人体Pの前側で、パッド連結ベルト50によって連結される。
【0036】
パッド連結ベルト50は、人体Pの前側に配置される。パッド連結ベルト50は、第1胸部パッド41と第2胸部パッド42との連結および連結の解除を可能な構成である。また、パッド連結ベルト50はベルト長さを調整可能な構成である。ここでは、一例として、パッド連結ベルト50がバックル51を備えるケースを示している。バックル51により、第1胸部パッド41と第2胸部パッド42との連結および連結の解除が可能であるとともに、パッド連結ベルト50の長さを調整可能である。
【0037】
図1に示すように、第1胸部パッド41と第1筒状バッグ5とは、上部ロッド9で連結される。同様に、第2胸部パッド42と第2筒状バッグ6とは、上部ロッド9で連結される。これら上部ロッド9は、人体Pが直立状態のときに腹部に沿って上下方向に延びる。本実施形態では、上部ロッド9は、左右の筒状バッグ(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)のうちの片側あたり1本設けられている。人体Pの右側に配置された上部ロッド9の一端部は第1胸部パッド41に固定され、他端部は第1筒状バッグ5に固定されている。人体Pの左側に配置された上部ロッド9の一端部は第2胸部パッド42に固定され、他端部は第2筒状バッグ6に固定されている。上部ロッド9は、例えば、FRP製の中空の棒部材である。
【0038】
筒状バッグ1が、上記のように、連結された第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6とで構成されている場合、利用者が前屈動作やしゃがみ動作を行うと、第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6は上部ロッド9との連結部分付近を中心にねじれ、その変形抵抗力が前屈動作やしゃがみ動作をアシストする。このとき、第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6は人体Pが動きやすいように変形していくので、利用者は、アシスト効果を得ながら、前屈動作やしゃがみ動作を行い易い。
【0039】
人体Pの右側部に配置されるサイドベルト21は、人体Pの右側に配置される上部ロッド9と第1筒状バッグ5とを連結する。このサイドベルト21の一端部は、人体Pの右側に配置される上部ロッド9の上端部に接続されている。本明細書において、「サイドベルトの一端部が上部ロッドの上端部に接続されている」とは、サイドベルト21の一端部が上部ロッド9の上端部に直接接続されていてもよく、他の部材を介して接続されていてもよい。本実施形態では、サイドベルト21の一端部が第1胸部パッド41を介して上部ロッド9の上端部に固定されている。サイドベルト21の他端部は、第1筒状バッグ5の人体Pの右腹部に配置される端部または人体Pの右腹部に近い位置に配置される端部に接続されている。
【0040】
人体Pの左側部に配置されるサイドベルト21は、人体Pの左側に配置される上部ロッド9と第2筒状バッグ6とを連結する。このサイドベルト21の一端部は、人体Pの左側に配置される上部ロッド9の上端部に接続されている。本実施形態では、サイドベルト21の一端部が第1胸部パッド41を介して上部ロッド9の上端部に固定されている。サイドベルト21の他端部は、第2筒状バッグの人体Pの左腹部に配置される端部または人体Pの左腹部に近い位置に配置される端部に接続されている(図2参照)。
【0041】
サイドベルト21は、例えば、長さ調整可能な構成でもよい。例えば、サイドベルト21が、ベルト長さを調整可能なバックルを備えていてもよい。
【0042】
図2に示すように、人体Pの左側において、第2筒状バッグ6には、サイドベルト21の一端部21aと腰部ベルト7の一端部7aとが接続されている(図3参照)。図3には、人体Pの左側腹部に配置される第2筒状バッグ6を示している。また、第2筒状バッグ6には、2つの下部ロッド8の上端部8aと上部ロッド9の下端部9aとが固定されている(図1および図2参照)。本実施形態では、図2および図3に示すように、第2筒状バッグ6における人体Pの下腹部と接する側の面と反対側の面に、サイドベルト21と1つの下部ロッド8が取り付けられている。第2筒状バッグ6における人体Pの下腹部と接する側の面に、腰部ベルト7と1つの下部ロッド8と上部ロッド9とが取り付けられている。なお、図3では、人体Pの左側腹部に配置される第2筒状バッグ6に接続または固定される部材(腰部ベルト7、下部ロッド8、上部ロッド9、サイドベルト21)の位置関係を示すため、これらを模式的に示している。
【0043】
図2に示すように、第2筒状バッグ6において、サイドベルト21の接続位置(21a)は、腰部ベルト7の接続位置(7a)より、第2筒状バッグ6の長手方向一端部(人体Pの左側部側の一端部)に近い(図3参照)。ここでの「第2筒状バッグ6の長手方向一端部」(人体Pの左側部側の一端部)は、第2筒状バッグ6の長手方向両端部のうち人体Pの左側部に配置される一端部または人体の左側部に近い位置に配置される一端部である。
【0044】
図3に示すように、第2筒状バッグ6において、腰部ベルト7の接続位置(7a)は、2つの下部ロッド8の固定位置(8a)および上部ロッド9の固定位置(9a)より、第2筒状バッグ6の上記長手方向一端部(人体Pの左側部側の一端部)に近い(図2参照)。ここでの「第2筒状バッグ6の長手方向一端部」(人体Pの左側部側の一端部)は、上記と同様である。
【0045】
上記では、人体Pの左側腹部に配置される第2筒状バッグ6に接続または固定される部材(腰部ベルト7、下部ロッド8、上部ロッド9、サイドベルト21)の位置関係について説明したが、人体Pの右側腹部に配置される第1筒状バッグ5に接続または固定される部材(腰部ベルト7、下部ロッド8、上部ロッド9、サイドベルト21)の位置関係についても、上記と同様で、上記の左が右に代わるだけである。
【0046】
次に、上部ロッド9および下部ロッド8の取付構造について説明する。
【0047】
ここでは、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42への上部ロッド9の取付構造と、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6および脚部パッド3への下部ロッド8の取付構造の一例を説明する。図4には、第2筒状バッグにおける人体Pの下腹部と接する側の面と反対側の面を示している。図5には、第2筒状バッグにおける人体Pの下腹部と接する側の面を示している。なお、図4および図5には、腰部ベルト7およびサイドベルト21を省略している。
【0048】
(上部ロッド9の取付構造)
図4および図5に示すように、第2筒状バッグ6の長手方向中央付近の、人体Pの下腹部と接する側(図5参照)に第1上部袋体61が設けられている。第1上部袋体61は、第2胸部パッド42に向かって開口している。第2胸部パッド42に第2上部袋体62(図4参照)が設けられている。第2上部袋体62は、第2筒状バッグ6に向かって開口している。第2上部袋体62は、人体Pが直立状態のときに第1上部袋体61の上方に配置される。
【0049】
第1上部袋体61および第2上部袋体62は、上部連結ベルト(上部連結体)63によって連結されている。上部連結ベルト63は長さ調整可能である。図4および図5には、上部連結ベルト63がバックル64を備えるケースを示している。バックル64により上部連結ベルト63の長さを調整可能である。上部連結ベルト63の長さは、例えば上部ロッド9の長さにあわせて調整される。
【0050】
第1上部袋体61に上部ロッド9の一端部(図中の下端部)が収容され、第2上部袋体62(図4参照)に上部ロッド9の他端部(図中の上端部)が収容されることにより、上部ロッド9の一端部(図中の下端部)が第2筒状バッグ6に固定されるとともに上部ロッド9の他端部(図中の上端部)が第2胸部パッド42に固定される。上部ロッド9に重ねて上部連結ベルト63が配置される(図4および図5参照)。上記により上部ロッド9を第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42に簡易に取り付けることができる。また、上部ロッド9を第1上部袋体61および第2上部袋体62から抜き出すことで、上部ロッド9を第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42から簡易に取り外すことができる。
【0051】
第1上部袋体61および第2上部袋体62は、例えば布やベルト(上部連結ベルト63)の一部によって形成される。ベルトの場合、一方の端部を長さ方向に数センチ折り返して重ね、両縁部を縫製して閉じることで袋状とする。第1上部袋体61および第2上部袋体62は、第2筒状バッグ6または第2胸部パッド42に直接取り付けられていてもよく、布片などによって第2筒状バッグ6または第2胸部パッド42に取り付けられていてもよい。図4では、第1上部袋体61が布片161により第2筒状バッグ6に取り付けられている。第2上部袋体62は、第2胸部パッド42に直接取り付けられている。
【0052】
(下部ロッド8の取付構造)
第2筒状バッグ6には、図4および図5に示すように、第1上部袋体61の両側にそれぞれ第1下部袋体71が設けられている。人体Pの中心側の第1下部袋体71は、人体Pの下腹部と接する側の面に設けられている(図5参照)。人体Pの左側部側の第1下部袋体71は、人体Pの下腹部と接する側の面と反対側の面に設けられている。各第1下部袋体71は、脚部パッド3に向かって開口している。脚部パッド3に2つの第2下部袋体72が間隔をあけて設けられている。第2下部袋体72は第2筒状バッグ6に向かって開口している。各第2下部袋体72は、人体Pが直立状態のときに各第1下部袋体71の下方に配置される。
【0053】
第1下部袋体71とその下方の第2下部袋体72とは、下部連結ベルト(下部連結体)73によって連結されている。下部連結ベルト73は長さ調整可能である。図4および図5には、バックル74を備えるケースを示している。バックル74により下部連結ベルト73の長さを調整可能である。下部連結ベルト73の長さは、例えば下部ロッド8の長さにあわせて調整される。
【0054】
第1下部袋体71に下部ロッド8の一端部(図中の上端部)が収容され、第2下部袋体72に下部ロッド8の他端部(図中の下端部)が収容されることにより、下部ロッド8の一端部が第2筒状バッグ6に固定されるとともに下部ロッド8の他端部が脚部パッド3に固定される。下部ロッド8に重ねて下部連結ベルト73が配置される(図4および図5参照)。上記により下部ロッド8を第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42に簡易に取り付けることができる。また、下部ロッド8を第1下部袋体71および第2下部袋体72から抜き出すことで、下部ロッド8を第2筒状バッグ6および脚部パッド3から簡易に取り外すことができる。
【0055】
第1下部袋体71および第2下部袋体72は、例えば布やベルト(下部連結ベルト73)の一部によって形成される。第1下部袋体71および第2下部袋体72は、第2筒状バッグ6または脚部パッド3に直接取り付けられていてもよく、布片などによって第1下部袋体71および第2下部袋体72に取り付けられていてもよい。図4では、第1下部袋体71が布片171により第2筒状バッグ6に取り付けられている。第2下部袋体72は、脚部パッド3に直接取り付けられている。
【0056】
上記では、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42への上部ロッド9の取付構造と、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6および脚部パッド3への下部ロッド8の取付構造の一例について説明したが、人体Pの右側に配置される第1筒状バッグ5および第1胸部パッド41への上部ロッド9の取付構造と、人体Pの右側に配置される第1筒状バッグ5および脚部パッド2への下部ロッド8の取付構造も上記と同様な構成である。
【0057】
次に、このような構成を有する動作支援器具101の動作(人体の動作のアシスト)について、図6図9を参照しつつ説明する。
【0058】
図6図7および図9に、動作支援器具101を装着した利用者が図1および図2に示す直立状態からしゃがむまでの過程(膝を曲げ腰を落とす過程)を順に示している。なお、図6図7および図9において上肢の図示は省略されている。
【0059】
図6および図7に示すように利用者が前屈しながらしゃがんでいくと、利用者の上半身の動きに追従して上部ロッド9は筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)を支点に前方へ回動する。上部ロッド9の回動に伴い、サイドベルト21の上端が引っ張られる。また、下部ロッド8は利用者の大腿部の動きに追従して筒状バッグ1を支点に上方へ回動する。
【0060】
上記動作により、図8に示すように、上部ロッド9の下端部9aおよび下部ロッド8の上端部8aによって第2筒状バッグ6はねじられ、第2筒状バッグ6の容積が小さくなるように第2筒状バッグ6は変形する。また、利用者のしゃがみ動作により、利用者の下腹部の前に位置する第2筒状バッグ6は、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部に押圧され、この押圧によっても第2筒状バッグ6は容積が小さくなるように変形する。さらに、前屈により上部ロッド9がサイドベルト21を介して第2筒状バッグ6の端部を引っ張ることにより、第2筒状バッグ6の端部が腰部ベルト7の接続位置(7a)を屈曲点として曲がるように変形(キンク変形)する。利用者が図9に示すように膝をさらに曲げ、腰をさらに落とすと、第2筒状バッグ6は、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部にさらに押圧され、この押圧によって第2筒状バッグ6は容積がさらに小さくなるように変形する。また、第2筒状バッグ6の端部がさらに折れ曲がる。
人体Pの右側に配置される第1筒状バッグ5についても、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6と同様に変形する。
【0061】
これらの変形により生じる反力が、以下のように作用する。
上記反力が上部ロッド9およびサイドベルト21を介して第1胸部パッド41および第2胸部パッド42に伝達され、第1胸部パッド41および第2胸部パッド42が利用者の胸部を持ち上げる力として作用する(例えば図8に示す力Fa、Fc)。また、上記反力が、下部ロッド8を介して脚部パッド2、3に伝達され、脚部パッド2、3が利用者の大腿部を押し下げる力として作用する(例えば図8に示す力Fb)。図8に示す力Faおよび力Fbは、容積が小さくなった筒状バッグ1(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)を元の容積にする反力である。図8に示す力Fcは、筒状バッグ1(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)が曲がったことにより容積が小さくなった筒状バッグ1(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)を元に戻す反力である。これらの力でアシストされることにより、利用者は図9に示すしゃがんだ状態から荷物を持って容易に起き上がることができる。
【0062】
上記では、利用者が直立状態から前屈しながらしゃがんで(膝を曲げ腰を落として)、両手で荷物を持ち上げる動作について説明したが、これ以外の動作、例えば、人体の前屈のみの動作、前傾、中腰姿勢の維持についても、補助される。
【0063】
また、図2および図3に示すように、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6において、腰部ベルト7の接続位置(7a)が、上部ロッド9の固定位置(9a)および2本の下部ロッド8の固定位置(8a)より、第2筒状バッグ6の一端部(人体Pの左側部に配置される端部または人体Pの左側部に近い位置に配置される端部)に近い。言い換えると、上部ロッド9がサイドベルト21を介して第2筒状バッグ6の端部を引っ張ることで第2筒状バッグ6の曲がる部分(腰部ベルト7の接続位置(7a)からサイドベルト21の接続位置(21a)までの部分)に上部ロッド9および下部ロッド8が固定されていない(図3および図8参照)。そのため、第2筒状バッグ6の端部が引っ張られたとき、第2筒状バッグ6の端部が曲がりやすい。一方、上部ロッド9および下部ロッド8は、第2筒状バッグ6においてサイドベルト21を介して引っ張られたときに曲がらない部分(腰部ベルト7の接続位置(7a)に対しサイドベルト21の接続位置(21a)と反対側の部分)に固定されている。そのため、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部により、第2筒状バッグ6の容積が小さくなるように第2筒状バッグ6が変形しやすい。
上記の変形による反力により、人体を起こす動作や前傾、中腰姿勢の維持の補助力が向上する。
【0064】
また、図3および図4に示す上部ロッド9および下部ロッド8の取付構造は、上部ロッド9および下部ロッド8に穴を開ける、スリットを形成するなどの加工を施す必要がない。これらのロッドを別の長さのロッドに取り換えるときも、別の長さのロッドに加工を施す必要がない。また、別部品を用いる必要がないため、動作支援器具101の部品点数の増加を抑えられる。
【0065】
具体的には、図4に示すように、第2筒状バッグ6に設けられた第1上部袋体61に上部ロッド9の一端部を収容し、第2胸部パッド42に設けられた第2上部袋体62に上部ロッド9の他端部を収容するだけで、上部ロッド9を簡易に取り付けられる。また、上部ロッド9を、長さが異なる別の上部ロッド9に取り換え、別の上部ロッド9の長さにあわせて上部接続ベルト63の長さを調整することにより、動作支援器具101のサイズを簡単に変更できる。これにより、一つのサイズの動作支援器具で、適用できる使用者の体格の範囲が広くなる。
【0066】
また、下部ロッド8の取付構造についても同様である。図4に示すように、第2筒状バッグ6に設けられた第1下部袋体71に下部ロッド8の一端部を収容し、脚部パッド3に設けられた第2下部袋体72に下部ロッド8の他端部を収容するだけで、下部ロッド8を簡易に取り付けられる。下部ロッド8を、長さが異なる別の下部ロッド8に取り換え、別の下部ロッド8の長さにあわせて下部連結ベルト73の長さを調整することにより、動作支援器具101のサイズを簡単に変更できる。これにより、一つのサイズの動作支援器具で、適用できる使用者の体格の範囲が広くなる。
【0067】
また、動作支援器具101は、図1に示すように、いわゆる前開き構造である。具体的には、人体Pの前側で、バッグ連結ベルト30により第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6とを連結可能であるとともに、パッド連結ベルト50により第1胸部パッド41と第2胸部パッド42とを連結可能である。そのため使用者が動作支援器具101を装着しやすい。また、人体Pの前側で、バッグ連結ベルト30により第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6との連結を解除できるとともに、パッド連結ベルト50により第1胸部パッド41と第2胸部パッド42との連結を解除できるため、使用者が動作支援器具101を脱ぎやすい。
【0068】
また、バッグ連結ベルト30およびパッド連結ベルト50が長さ調整可能な構成であるため、動作支援器具101のサイズを変更することができる。サイドベルト21も長さ調整可能な構成である場合、動作支援器具101のサイズの幅がさらに広がる。このような構成により、一つのサイズの動作支援器具で、適用できる作業者の体格の範囲が広くなるため、作業者の体格に合わせて異なるサイズの動作支援器具を多数用意しなくてよい。
【0069】
また、図3および図8に示すように、第2筒状バッグ6の長手方向一端側から他端側へ、下部ロッド8、上部ロッド9および下部ロッド8の順で、各ロッドが第2筒状バッグ6に取り付けられている。第1筒状バッグ5についても同様である。この場合、人体Pの中心側の下部ロッド8と上部ロッド9との間、および人体Pの左側部側の下部ロッド8と上部ロッド9との間の両方で第1筒状バッグ5に明確なねじれが生じるので、筒状バッグのねじり変形範囲を広くすることができ、人体Pの動きの自由度、安定性が上がる。
【0070】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、図10図15を参照しつつ説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、動作支援器具201が手持ちベルト280をさらに備える点である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。また、図10図15では、動作支援器具201の一部の構成(第1胸部パッド41、第2胸部パッド42、バッグ連結ベルト30およびパッド連結ベルト50など)を省略しているが、動作支援器具201は、手持ちベルト280をさらに備える点を除き、第1実施形態に係る動作支援器具101と同様な構成である。
【0071】
図10に示すように、手持ちベルト280は、上部ロッド9の一端部に接続されている。ここでの「上部ロッド9の一端部」とは、上部ロッド9の両端部のうち、人体Pが直立状態のときに上側に配置される一端部(上端部)であり、筒状バッグ1(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)に固定されていない端部である。図10には、一例として、手持ちベルト280の一端部が上部ロッド9の一端部(上端部)に接続されている。手持ちベルト280は、上部ロッド9の上端部に直接接続されていてもよく、他の部材を介して接続されていてもよい。例えば、手持ちベルト280が、上部ロッド9の上端部に、第2胸部パッド42またはサイドベルト21を介して接続されていてもよい。手持ちベルト280は、長さ調整可能な構成でもよい。手持ちベルト280の他端部はどこにも接続されていない。
【0072】
図10には人体Pの左側を示しているが、人体Pの右側でも上記と同様に、手持ちベルト280が上部ロッド9の上端部に接続されている。
【0073】
次に、動作支援器具201の動作について、図10図15を参照しつつ説明する。ここでは、主に、動作支援器具201の特有の動作、例えば、第1実施形態に係る動作支援器具101よりさらに得られる動作を説明し、動作支援器具101の動作と共通の動作については説明を省略することがある。
【0074】
動作支援器具201を装着した利用者が図10に示す直立状態から、図11に示すように前屈し、荷物Bの持ち手に手持ちベルト280の他端部をかける等して、荷物Bと手持ちベルト280の他端部を手で一緒に保持する。
【0075】
次に、利用者は、図12に示すようにしゃがみ(膝を曲げ腰を落とし)、しゃがんだ状態から手で荷物を持ちながら起き上がる。図13図14および図15に順に示すように、利用者が起き上がる過程で、筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)の変形による反力(例えば図8に示す力Fa、Fc)が上部ロッド9およびサイドベルト21を介して図示しない胸部パッド4(第1胸部パッド41および第2胸部パッド42(図1および図2など参照))に伝達され、胸部パッド4が利用者の胸部を持ち上げる力として作用することに加え、上部ロッド9およびサイドベルト21を介して手持ちベルト280に伝達され、荷物Bを持ち上げる力として作用する。また、筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)の変形による反力(例えば図8に示す力Fb)が下部ロッド8を介して脚部パッド2、3に伝達され、脚部パッド2、3が利用者の大腿部を押し下げる力として作用する。これにより人体を起こす動作や前傾、中腰姿勢の維持が補助されつつ、荷物を持ち上げる動作が補助される。
【0076】
さらに、利用者が起き上がる過程で、上記に加え、荷物Bにより手持ちベルト280が引っ張られることにより、上部ロッド9が筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)を支点に前方へ回動する。これにより、上部ロッド9がサイドベルト21を介して筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)の端部を引っ張る。これらにより、筒状バッグ1は元の形状に戻ろうとしつつ、筒状バッグ1の容積が小さくなるように筒状バッグ1が変形するとともに、筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)の端部が曲がるように変形する。
【0077】
また、利用者が起き上がる過程で、荷物Bにより手持ちベルト280が引っ張られることにより、上部ロッド9が筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)を支点に前方へ回動するとともに、サイドベルト21が引っ張られることで、上部ロッド9および図示しない胸部パッド4(第1胸部パッド41、第2胸部パッド42)が人体Pの胸部から離れる。これにより、荷物を持ち上げる動作の補助力が増す。利用者は正しい姿勢を維持しやすくなり、腕の負担が軽減され、荷物Bを持ちながら起き上がることができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について実施例に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0079】
例えば、上部ロッド9および下部ロッド8の取付構造(図4および図5参照)は、上述した取付構造に限定されない。例えば、上部ロッドや下部ロッドのロッドが筒状バッグ、胸部パッドまたは脚部パッドに直接固定されていてもよく、別の部品を用いて固定されていてもよい。
【0080】
また、上述した上記第1実施形態および第2実施形態において、動作支援器具101および動作支援器具201は、図1に示すように、人体Pの前側で、人体Pの右側に配置される部分と左側に配置される部分との連結および連結解除可能な、いわゆる前開きの構成である。しかし、本発明に係る動作支援器具は前開きの構成でなくてもよい。例えば、人体Pの右側に配置される第1筒状バッグ5と左側に配置される第2筒状バッグ6の連結を解除できない構成でもよい。人体Pの右側に配置される第1胸部パッド41と左側に配置される第2胸部パッド42の連結を解除できない構成でもよい。また、筒状バッグ1が第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6の2つから構成されず、1の筒状バッグから構成されてもよい。胸部パッド4が第1胸部パッド41および第2胸部パッド42の2つから構成されず、1つの胸部パッドから構成されてもよい。
【0081】
また、上述した、上記第1実施形態および第2実施形態において、人体Pの前側に配置されるバッグ連結ベルト30およびパッド連結ベルト50は(図1参照)、ベルト長さを調整可能な構成である。しかし、本発明において、バッグ連結ベルトおよびパッド連結ベルトはベルト長さを調整できない構成でもよい。
【0082】
また、上記第1実施形態および第2実施形態において、図8に示すように、第2筒状バッグ6の長手方向一端側から他端側へ、下部ロッド8、上部ロッド9、下部ロッド8の順に並んでいる。しかし、本発明において、下部ロッド8および上部ロッド9の並び方は変更可能である。例えば、第2筒状バッグ6の一端側から他端側へ、2本の下部ロッド8、1本の上部ロッド9という順で各ロッドが第2筒状バッグ6に取り付けられていてもよい。
【0083】
また、上記第1実施形態および第2実施形態において、図4に示すように、人体Pの左側部側に配置される下部ロッド8の上端部は、第2筒状バッグ6において人体P(利用者)の下腹部と接する側の面と反対側の面に固定されている。図5に示すように、上部ロッド9の下端部および人体Pの中心側に配置される下部ロッド8の上端部は、第2筒状バッグ6において人体P(利用者)の下腹部と接する側の面に固定されている。しかし、上部ロッドおよび下部ロッドが固定される面は上記に限らず、変更可能である。例えば、上部ロッドまたは下部ロッドの全てが第2筒状バッグ6において人体P(利用者)の下腹部と接する側の面または人体P(利用者)の下腹部と接する側の面と反対側の面に固定されていてもよい。また、上部ロッドが第2筒状バッグ6において人体P(利用者)の下腹部と接する側の面または人体P(利用者)の下腹部と接する側の面と反対側の面に固定され、2つの下部ロッドが上部ロッドが固定された面と反対側の面に固定されていてもよい。
【0084】
上記第1実施形態および第2実施形態では、図2および図10などに示すように、腰部ベルト7が人体Pの側部および後ろ側に配置される。しかし、腰部ベルトは、人体Pの後ろ側だけに配置されてもよく、人体Pの後ろ側、側部および前側に配置されてもよい。
【0085】
上記第1実施形態および第2実施形態では、図1図2および図10などに示すように、サイドベルト21が人体Pの側部に配置される。しかし、サイドベルト21は、人体Pの側部に加え、人体Pの前側および/または後ろ側にも配置されてもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態において(図1参照)、胸部パッド4(第1胸部パッド41、第2胸部パッド)は人体Pの胸部だけに配置される大きさである。しかし、胸部パッド4(第1胸部パッド41、第2胸部パッド)は、その下方にある筒状バッグ(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)と重なるぐらい上下方向に大きいものでもよい。この場合、上部ロッド9が胸部パッド4および筒状バッグ1の上に配置されることで、上部ロッド9が人体Pにあたりにくい。これによりロッドが人体Pに当たることによる不快感を利用者が感じにくい。
【0087】
〔形態1〕
次に、図4および図5に示す上部ロッドおよび下部ロッドの取付構造を備えた他の動作支援器具について説明する。
【0088】
図16図21を参照しつつ形態1に係る動作支援器具301の構成についてまず説明する。なお、図16および図17において上肢の図示は省略されている。
【0089】
人体Pの動作を支援する動作支援器具301は、図16および図17に示すように、人体P(利用者)の腹部(下腹部)に配置される気密性を有する筒状バッグ1と、人体Pの左右の大腿部のそれぞれの前側に配置される1組の脚部パッド2、3と、人体Pの上半身の前側であって且つ筒状バッグ1よりも上方に配置される胸部パッド4とを備えている。筒状バッグ1は、腰部ベルト7にて人体Pの腹部(下腹部)に配置されている。
【0090】
筒状バッグ1は、例えば、袋体の内部にガスが封入されたものであり、袋体が密封されていることが好ましい。筒状バッグ1は、その容積が小さくなるように押されたりすることで変形し、変形によってアシスト力としての反力が生じるものとされる。そのため、筒状バッグ1は、変形したときに内部に封入されたガス(例えば空気)が外部に漏れ出ないもの、すなわち、気密性を有するものとされる。具体的には、筒状バッグ1として、例えば、コーティング被膜付きの基布を接続加工したもの、繊維補強ホースなどガス封入で内圧を確保できるものが用いられる。
【0091】
本実施形態の筒状バッグ1は、人体Pの腹部のうちの右側腹部(右側下腹部)に配置される第1筒状バッグ5と、左側腹部(左側下腹部)に配置される第2筒状バッグ6とで構成されている。第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6とは、長手方向の端部同士部分で連結されている(例えば縫合による連結)。第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6の連結部分は人体Pの腹部(下腹部)のほぼ中心に位置する。また、第1筒状バッグ5は、人体Pが直立状態のとき、人体Pの右側股関節の少し上方に位置し、第2筒状バッグ6は、人体Pの左側股関節の少し上方に位置する。
【0092】
上記のように、相互に連結された第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6とで筒状バッグ1が構成されていると、第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6との連結部分を支点にして、筒状バッグ1が例えばVの字に曲がるので、人体Pが動きやすいよう筒状バッグ1は変形していき、その変形抵抗力がしゃがみ動作をアシストするので、利用者は、前屈動作やしゃがみ動作を行い易い。
【0093】
脚部パッド2、3は、例えば、布で形成される。脚部パッド2と第1筒状バッグ5とは、下部ロッド8で連結される。同様に、脚部パッド3と第2筒状バッグ6とは、下部ロッド8で連結される。これら下部ロッド8は、人体Pが直立状態のときに大腿部に沿って上下方向に延びる。本実施形態では、下部ロッド8は、左右の大腿部のうちの片側あたり2本、間隔をあけて設けられている。2本の下部ロッド8は、脚部パッド2(脚部パッド3)の両端部にそれぞれの下端部が固定される。下部ロッド8は、例えば、FRP製の中空の棒部材である。左右の大腿部のうちの片側あたり2本、下部ロッド8を設けることで、大腿部を押さえる脚部パッド2、3の動きを安定させることができる。
【0094】
人体Pの胸部に配置される胸部パッド4は、例えば、布で形成される。胸部パッド4と第1筒状バッグ5とは、上部ロッド9で連結される。同様に、胸部パッド4と第2筒状バッグ6とは、上部ロッド9で連結される。これら上部ロッド9は、人体Pが直立状態のときに腹部に沿って上下方向に延びる。本実施形態では、上部ロッド9は、左右の筒状バッグ(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)のうちの片側あたり1本設けられている。計2本の上部ロッド9は、胸部パッド4の両端部にそれぞれの上端部が固定される。上部ロッド9は、例えば、FRP製の中空の棒部材である。
【0095】
上部ロッド9と第2筒状バッグ6との取付構造、および下部ロッド8と第2筒状バッグ6との取付構造は、例えば、図4および図5に示すとおりである。図4には、第2筒状バッグにおける人体Pの下腹部と接する側の面と反対側の面を示している。図5には、第2筒状バッグにおける人体Pの下腹部と接する側の面を示している。なお、図4および図5には、腰部ベルト7を省略している。なお、上部ロッド9と第1筒状バッグ5との取付構造、および下部ロッド8と第1筒状バッグ5との取付構造は、第2筒状バッグ6の場合と同じである。
【0096】
(上部ロッド9の取付構造)
図4および図5に示すように、第2筒状バッグ6の長手方向中央付近の、人体Pの下腹部と接する側(図5参照)に第1上部袋体61が設けられている。第1上部袋体61は、第2胸部パッド42に向かって開口している。第2胸部パッド42に第2上部袋体62(図4参照)が設けられている。第2上部袋体62は、第2筒状バッグ6に向かって開口している。第2上部袋体62は、人体Pが直立状態のときに第1上部袋体61の上方に配置される。
【0097】
第1上部袋体61および第2上部袋体62は、上部連結ベルト(上部連結体)63によって連結されている。上部連結ベルト63は長さ調整可能である。図4および図5には、上部連結ベルト63がバックル64を備えるケースを示している。バックル64により上部連結ベルト63の長さを調整可能である。上部連結ベルト63の長さは、例えば上部ロッド9の長さにあわせて調整される。
【0098】
第1上部袋体61に上部ロッド9の一端部(図中の下端部)が収容され、第2上部袋体62(図4参照)に上部ロッド9の他端部(図中の上端部)が収容されることにより、上部ロッド9の一端部(図中の下端部)が第2筒状バッグ6に固定されるとともに上部ロッド9の他端部(図中の上端部)が第2胸部パッド42に固定される。上部ロッド9に重ねて上部連結ベルト63が配置される(図4および図5参照)。上記により上部ロッド9を第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42に簡易に取り付けることができる。また、上部ロッド9を第1上部袋体61および第2上部袋体62から抜き出すことで、上部ロッド9を第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42から簡易に取り外すことができる。
【0099】
第1上部袋体61および第2上部袋体62は、例えば布やベルト(上部連結ベルト63)の一部によって形成される。ベルトの場合、一方の端部を長さ方向に数センチ折り返して重ね、両縁部を縫製して閉じることで袋状とする。第1上部袋体61および第2上部袋体62は、第2筒状バッグ6または第2胸部パッド42に直接取り付けられていてもよく、布片などによって第2筒状バッグ6または第2胸部パッド42に取り付けられていてもよい。図4では、第1上部袋体61が布片161により第2筒状バッグ6に取り付けられている。第2上部袋体62は、第2胸部パッド42に直接取り付けられている。
【0100】
(下部ロッド8の取付構造)
第2筒状バッグ6には、図4および図5に示すように、第1上部袋体61の両側にそれぞれ第1下部袋体71が設けられている。人体Pの中心側の第1下部袋体71は、人体Pの下腹部と接する側の面に設けられている(図5参照)。人体Pの左側部側の第1下部袋体71は、人体Pの下腹部と接する側の面と反対側の面に設けられている。各第1下部袋体71は、脚部パッド3に向かって開口している。脚部パッド3に2つの第2下部袋体72が間隔をあけて設けられている。第2下部袋体72は第2筒状バッグ6に向かって開口している。各第2下部袋体72は、人体Pが直立状態のときに各第1下部袋体71の下方に配置される。
【0101】
第1下部袋体71とその下方の第2下部袋体72とは、下部連結ベルト(下部連結体)73によって連結されている。下部連結ベルト73は長さ調整可能である。図4および図5には、バックル74を備えるケースを示している。バックル74により下部連結ベルト73の長さを調整可能である。下部連結ベルト73の長さは、例えば下部ロッド8の長さにあわせて調整される。
【0102】
第1下部袋体71に下部ロッド8の一端部(図中の上端部)が収容され、第2下部袋体72に下部ロッド8の他端部(図中の下端部)が収容されることにより、下部ロッド8の一端部が第2筒状バッグ6に固定されるとともに下部ロッド8の他端部が脚部パッド3に固定される。下部ロッド8に重ねて下部連結ベルト73が配置される(図4および図5参照)。上記により下部ロッド8を第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42に簡易に取り付けることができる。また、下部ロッド8を第1下部袋体71および第2下部袋体72から抜き出すことで、下部ロッド8を第2筒状バッグ6および脚部パッド3から簡易に取り外すことができる。
【0103】
第1下部袋体71および第2下部袋体72は、例えば布やベルト(下部連結ベルト73)の一部によって形成される。第1下部袋体71および第2下部袋体72は、第2筒状バッグ6または脚部パッド3に直接取り付けられていてもよく、布片などによって第1下部袋体71および第2下部袋体72に取り付けられていてもよい。図4では、第1下部袋体71が布片171により第2筒状バッグ6に取り付けられている。第2下部袋体72は、脚部パッド3に直接取り付けられている。
【0104】
上記では、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6および第2胸部パッド42への上部ロッド9の取付構造と、人体Pの左側に配置される第2筒状バッグ6および脚部パッド3への下部ロッド8の取付構造の一例について説明したが、人体Pの右側に配置される第1筒状バッグ5および第1胸部パッド41への上部ロッド9の取付構造と、人体Pの右側に配置される第1筒状バッグ5および脚部パッド2への下部ロッド8の取付構造も上記と同様な構成である。
【0105】
図18および図19には、下部ロッド8および上部ロッド9の位置関係を示すため、人体Pの右側腹部に配置される第1筒状バッグ5、下部ロッド8および上部ロッド9を模式的に示している。
【0106】
図18に示すように、本実施形態では、第1筒状バッグ5の長手方向において、2本の下部ロッド8の間に上部ロッド9が位置するように、下部ロッド8の上端部および上部ロッド9の下端部が第1筒状バッグ5に取り付けられている(第2筒状バッグ6についても同様)。
【0107】
なお、第1筒状バッグ5の長手方向において、第1筒状バッグ5の一端側から他端側へ、例えば、2本の下部ロッド8、1本の上部ロッド9という順で各ロッドが第1筒状バッグ5に取り付けられてもよい。この場合、人体Pの前屈動作またはしゃがみ動作により、下部ロッド8の上端部および上部ロッド9の下端部によって第1筒状バッグ5がねじられるところ、2本の下部ロッド8同士の間部分では、第1筒状バッグ5(筒状バッグ1)にあまりねじれが生じない。
【0108】
これに対し、図18に示すような本実施形態の場合には、図19に示すように、第1筒状バッグ5の長手方向において、図中左上側の下部ロッド8と上部ロッド9との間、および図中右下側の下部ロッド8と上部ロッド9との間の両方で第1筒状バッグ5に明確なねじれが生じるので、筒状バッグのねじり変形範囲を広くすることができ、人体Pの動きの自由度、安定性が上がる。
【0109】
次に、このような構成を有する動作支援器具301の動作(人体の動作のアシスト)について説明する。
【0110】
図20は、動作支援器具301を装着した利用者が図16および図17に示す直立状態からしゃがんで(膝を曲げ腰を落として)前屈して、両手で荷物を持ち上げる動作を行う状態を示す側面図である。なお、図20以降において上肢の図示は省略されている。
【0111】
図20に示すように利用者がしゃがむと、利用者の上半身の動きに追従して上部ロッド9は筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)を支点に前方へ回動する。また、下部ロッド8は利用者の大腿部の動きに追従して筒状バッグ1を支点に上方へ回動する。
【0112】
これにより、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部によって、図19に示すように筒状バッグ1はねじられ、筒状バッグ1の容積が小さくなるように筒状バッグ1は変形する。また、利用者のしゃがみ動作により、利用者の下腹部の前に位置する筒状バッグ1は、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部に押圧され、この押圧によっても筒状バッグ1は容積が小さくなるように変形する。
【0113】
これらの変形により生じる反力が、上部ロッド9を介して胸部パッド4に伝達され、胸部パッド4が利用者の胸部を持ち上げる力として作用する(例えば図19に示す力Fa)。また、上記反力が、下部ロッド8を介して脚部パッド2、3に伝達され、脚部パッド2、3が利用者の大腿部を押し下げる力として作用する(例えば図19に示す力Fb)。これらの力でアシストされることにより、利用者は荷物を持って容易に起き上がることができる。
【0114】
図21は、動作支援器具301を装着した利用者が図17の直立状態から前屈して、両手で荷物を持ち上げる動作を行う状態を示す側面図である。なお、図21において上肢の図示は省略されている。
【0115】
図21に示すように利用者が前屈すると、利用者の上半身の動きに追従して上部ロッド9は筒状バッグ1(第1筒状バッグ5および第2筒状バッグ6)を支点に前方へ回動する。また、下部ロッド8は、利用者の下腹部の動きに追従して筒状バッグ1が下方へ向きを変えることで筒状バッグ1に対して相対的に回動する。
【0116】
これにより、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部によって、図19に示すように筒状バッグ1はねじられ、筒状バッグ1の容積が小さくなるように筒状バッグ1は変形する。また、利用者の前屈動作により、利用者の下腹部の前に位置する筒状バッグ1は、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部に押圧され、この押圧によっても筒状バッグ1は容積が小さくなるように変形する。
【0117】
これらの変形により生じる反力が、上部ロッド9を介して胸部パッド4に伝達され、胸部パッド4が利用者の胸部を持ち上げる力として作用する(例えば図19に示す力Fa)。また、上記反力が、下部ロッド8を介して脚部パッド2、3に伝達され、脚部パッド2、3が利用者の大腿部を押す力として作用する(例えば図19に示す力Fb)。これらの力でアシストされることにより、利用者は荷物を持って容易に上半身を起こすことができる。
【0118】
図22は、上部ロッド9および下部ロッド8が取り付けられた第1筒状バッグ5の第1変形例を示す斜視図である。なお、図22および後述する図23では、上部ロッド9および下部ロッド8を取り付ける場所を示すため、上部ロッド9および下部ロッド8の取付構造を簡易に示している。
【0119】
図22に示す第1変形例では、人体P(利用者)の下腹部と接する側とは反対側の第1筒状バッグ5の側面に、下部ロッド8の上端部が固定され、その反対側の側面、すなわち、人体P(利用者)の下腹部と接する側の第1筒状バッグ5の側面に、上部ロッド9の下端部が固定されている。
【0120】
図23は、上部ロッド9および下部ロッド8が取り付けられた第1筒状バッグ5の第2変形例を示す斜視図である。図23に示す第2変形例では、人体P(利用者)の下腹部と接する側とは反対側の第1筒状バッグ5の側面に、上部ロッド9の下端部が固定され、その反対側の側面、すなわち、人体P(利用者)の下腹部と接する側の第1筒状バッグ5の側面に、下部ロッド8の上端部が固定されている。
【0121】
なお、図示を省略するが、人体P(利用者)の下腹部と接する側の第1筒状バッグ5の側面に、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部の両方が固定されてもよい。人体P(利用者)の下腹部と接する側と反対側の第1筒状バッグ5の側面に、上部ロッド9の下端部および下部ロッド8の上端部の両方が固定されてもよい。
【0122】
また、人体P(利用者)の下腹部と接する側の第1筒状バッグ5の側面に、2本の下部ロッド8のうちの一方の下部ロッド8の上端部が固定され、その反対側の側面、すなわち、人体P(利用者)の下腹部と接する側とは反対側の第1筒状バッグ5の側面に、2本の下部ロッド8のうちの他方の下部ロッド8の上端部が固定されてもよい。
【0123】
このように、第1筒状バッグ5(第2筒状バッグ6、筒状バッグ1)への上部ロッド9および下部ロッド8の取り付けには様々な形態がある。
【0124】
図24図27は、本発明の形態2を示す。形態2と形態1との相違点は、次のとおりである。なお、形態2の動作支援器具302の説明においては、形態1の動作支援器具301を構成する部材と同様の部材について同一の符号を付し、その説明を適宜省略するものとする。なお、図24図27において上肢の図示は省略されている。
【0125】
図16などに示す形態1の動作支援器具301を構成する胸部パッド4と第1筒状バッグ5とは上部ロッド9で単に連結されたものであり、胸部パッド4は上部ロッド9に対してその軸方向にスライド移動するものではない。そのため、図16および図17の直立状態からしゃがみ動作(図20参照)または前屈動作(図21参照)を利用者が行うと、利用者の下腹部と胸部とが近づく結果、胸部パッド4が相対的に上方へずれる。直立状態のときの胸部パッド4の位置が高いと、これが原因で、利用者がしゃがんだり前屈したりしたときに、利用者の顎などに胸部パッド4が当たることがある。
【0126】
そのため、利用者がしゃがんだり前屈したりしたときに、利用者の顎などに胸部パッド4が当たることのないよう、図24図27に示す形態2の動作支援器具302では、胸部パッドとしての胸部接触板11が上部ロッド9に対してその軸方向にスライド移動可能とされている。
【0127】
胸部接触板11は、例えば中空構造とされ、上部ロッド9の軸方向に沿って当該胸部接触板11をスライド移動させるためのスライド移動手段としてのバネ12がその中空部分に内蔵されている。このバネ12は、上部ロッド9の軸方向のうちの上部ロッド9から離れる方向に胸部接触板11を付勢するように胸部接触板11の中空部分に内蔵される。
【0128】
また、本実施形態では、胸部接触板11と腰部ベルト7とを連結する連結ベルト13が、人体P(利用者)の両側部に配置されている。連結ベルト13の一端は腰部ベルト7に固定され、連結ベルト13の他端は胸部接触板11に固定される。
【0129】
形態2の動作支援器具302の動作について説明する。なお、形態1の動作支援器具301の動作と共通の動作については、その説明を省略し、動作支援器具302の特有の動作、言い換えれば、さらに得られる動作について説明する。
【0130】
図24図27は、動作支援器具302を装着した利用者が直立状態からしゃがむまでの各状態を順に示す側面図である。なお、図24図27において上肢の図示は省略されている。
【0131】
図24図27で示すように、利用者が前屈しながら直立状態からしゃがんでいくと、その過程で腰が後方へ移動していく。これに追従して、連結ベルト13の一端側(腰部ベルト7との固定側)も後方へ移動していく。その結果、連結ベルト13によって、胸部接触板11が引っ張られ、胸部接触板11は下方へスライド移動する。そのため、胸部接触板11は、利用者が直立状態のときの胸の前の位置から相対的にさほど動かない。これにより、利用者の顎などに胸部接触板11が当たることを防止することができる。
【0132】
利用者が起き上がると、すなわち直立状態に戻ると、腰が前方へ移動することで連結ベルト13による拘束が緩み、バネ12の付勢力によって、胸部接触板11は上方へスライド移動し、元の位置に戻る。
【0133】
以上説明した、形態1の動作支援器具301、および形態2の動作支援器具302は、特許文献1に記載の動作支援装置のような肩にテンションがかかるものではないため、人体P(利用者)の腰への負担が小さい。また、人体Pを起こすアシスト力は、容積が小さくなるように筒状バッグ1(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)が変形したときの変形により生じる反力によるものである。筒状バッグ1(第1筒状バッグ5、第2筒状バッグ6)は、比較的軽量で且つ簡易な構造である。また、上記筒状バッグ1、ロッド(上部ロッド9および下部ロッド8)などは、保管時に場所をとるものではない。そのため、使用しないときに動作支援器具301(302)を保管場所にコンパクトに収納することができる。さらには、動作支援器具301、302は、軽量(例えば約1kg)なので、利用者はその脱着が容易である。
【0134】
形態1の動作支援器具302を構成する胸部接触板11は、当該胸部接触板11をスライド移動させるためのスライド移動手段(バネ12)を有する。この構成により、利用者が前屈したとき、またはしゃがんだときに、上部ロッド9に対して胸部接触板11が下方へスライド移動し、利用者の顎などに胸部接触板11が当たることを防止することができる。
【0135】
なお、利用者が女性の場合などは、乳房によって胸部接触板11を下方へスライド移動させることができる場合がある。そのため、連結ベルト13は省略し得る。
【0136】
ただし、形態2の動作支援器具302のように連結ベルト13を人体P(利用者)の側部に配置した場合には、女性でも男性でも胸部接触板11をより確実に下方へスライド移動させることができる。
【0137】
上記の形態1および形態2は次のように変更可能である。
【0138】
筒状バッグ1は、相互に連結された第1筒状バッグ5と第2筒状バッグ6とで構成されるのではなく、1本の筒状バッグとされてもよい。さらには、筒状バッグ1が、相互に連結された3本以上の筒状バッグで構成されてもよい。
【0139】
胸部接触板11をスライド移動させるためのスライド移動手段として、バネ12に代えて空気(ガス)が用いられてもよい。例えば、胸部接触板11の内部に空気室(ガス室)を設け、この空気室の空気の圧縮により上部ロッド9に対して胸部接触板11を下方へスライド移動させる構成とされてもよい。また、スライド移動手段は上部ロッド9の上端に設けられてもよい。
【0140】
上記形態1および形態2では、下部ロッド8は、左右の大腿部のうちの片側あたり2本、間隔をあけて設けられている。これに代えて、左右の大腿部のうちの片側あたり3本以上、下部ロッド8が設けられてもよいし、左右の大腿部のうちの片側あたり1本、下部ロッド8が設けられてもよい。
【0141】
形態1および形態2において、その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行うことは勿論可能である。
【符号の説明】
【0142】
1:筒状バッグ
2:脚部パッド
3:脚部パッド
4:胸部パッド
5:第1筒状バッグ
6:第2筒状バッグ
7:腰部ベルト
7a:腰部ベルトの一端部(接続位置)
8:下部ロッド
8a:下部ロッドの一端部(上端部、固定位置)
9:上部ロッド
9a:上部ロッドの一端部(下端部、固定位置)
11:胸部接触板(胸部パッド)
12:バネ(スライド移動手段)
13:連結ベルト
21:サイドベルト
21a:サイドベルトの一端部(接続位置)
30:バッグ連結ベルト
31、51、64、74:バックル
41:第1胸部パッド
42:第2胸部パッド
50:パッド連結ベルト
61:第1上部袋体
62:第2上部袋体
63:上部連結ベルト(上部連結体)
71:第1下部袋体
72:第2下部袋体
73:下部連結ベルト(下部連結体)
280:手持ちベルト
101、201、301、302:動作支援器具
P:人体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27